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BF-朧影のゴウフウ

登録日:2018/06/14(木) 19:05:08
更新日:2024/07/14 Sun 19:47:56
所要時間:約 11 分で読めます





BF‐朧影のゴウフウとは遊戯王OCGに登場するモンスターである。ブラックフェザーの一角。
アニメ遊戯王ARC-Vにてクロウが使用した。
朧「風」ではなく、朧「影」なので注意。


解説


BF-朧影のゴウフウ
特殊召喚・チューナー・効果モンスター
星5/闇属性/鳥獣族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドにモンスターが存在しない場合に特殊召喚できる。
(1):このカードが手札からの特殊召喚に成功した時に発動できる。
自分フィールドに「朧影トークン」(鳥獣族・闇・星1・攻/守0)2体を特殊召喚する。
このトークンはリリースできず、S素材にできない。
(2):このカードとチューナー以外のモンスター1体以上を自分フィールドから除外し、
そのレベルの合計と同じレベルを持つ
自分の墓地の「BF」Sモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをチューナー扱いとして特殊召喚する。


フォトン・スラッシャーと同じ条件で手札から特殊召喚できる効果、その時にトークンを作る効果、
素材を除外してブラックフェザーシンクロモンスターを蘇生させる効果を持っている。

緩めの特殊召喚条件を持っているのだが、(2)の効果と併用して使う場合は、一度展開した(展開したモンスターが墓地に行った)後にこのカードを使うことになる。
なまじBFは展開力が高いために、初手以外ではこの条件を満たしづらく、かといって初手では(2)の蘇生効果を使えない。
容易な展開条件と蘇生効果という間違いなく強力な効果を持っているものの発動制約が地味にきつい難儀なモンスターでもある。

(1)の条件を満たすためにブラホを撃つ手もあるにはある。
相手も巻き添えを食らうから必ずしもアド損ではない。

尤も、そうするよりは召喚権を使うものの黒い旋風でサーチするほうが確実だろう。
ゴウフウは攻撃力0且つ旋風が場から退かしてくれるおかげで旋風の発動に成功さえすれば確実にサーチできる。
何なら適当に墓地に落として悪夢再びでサルベージしてもよかったり。


特殊召喚した後に付属されるトークンはシンクロ素材にもできず、トークンなのでエクシーズ召喚にも使えない。
リリースできていればを一手に揃えられただけに、残念なところ。またBFデッキならば「ゴッドバードアタック」のコストに出来ないのも残念なところ。
BFデッキであれば、(2)のコストにするのが手っ取り早いだろう。
勿論ゴウフウ自身はシンクロ召喚の素材に使えるので、トークンを残してシンクロ召喚を行うのも手。
BFに限らずシンクロ召喚デッキでも、召喚権を使わないチューナーと考えることもできる。
しかしその場合はトークンがかなり邪魔になるからおすすめできない。勿体無いが、いざという時はトークン効果を無視することも必要。

(2)の効果は、(1)のトークンをそのまま使った場合は、レベル6か7のBFシンクロモンスターを復活させることになる。
ノートゥングやライキリ、チドリなど使い勝手のいい該当モンスターは多いので選択肢には困らないだろう。
特にこの1枚目のこのカードを砂塵のハルマッタンなどと一緒にレベル7シンクロの素材にし展開。相手に盤面を返されたら2枚目のこのカードで再展開するというのが基本的な使い方か。


…と、決して悪くも弱くもない効果ではあるものの、効果の都合上どうしても後ろ向きな使い方になりがちであり
、攻めている最中には腐ってしまう点が評価を下げていた。まあ攻めている最中ならば盤面を維持できているということであり、このカードが手札にあれば崩壊した盤面を再構築できるのであるが、加速した後のゲームで盤面が崩壊したあとにターンが回ってくるかも非常に怪しいので…
それでも通常召喚権を使わずに展開できるカードはBFには非常に少ないので、2~3枚投入されるなど重宝されていた。

ちなみにこのカードの特殊召喚自体はチェーンを組まないが、トークンの特殊召喚はチェーンを組むので注意。
あえてトークンを特殊召喚せずに一気にシンクロ召喚まで繋げれば、相手に増殖するGの打ちどころを悩まさせることが出来る。

そして当時流行していた「シンクロダーク」デッキにおいても採用されていた。
これはゴウフウが容易に特殊召喚できるレベル5チューナーということでレベル・スティーラーとの相性が良好だったことが理由である。
このデッキでは(2)の効果も(1)のトークンも無視されて、五月雨のソハヤのシンクロ素材になることが主な役目だった。


なおアニメ版では、(2)の特殊召喚は「ファントムシンクロ」と固有の名称が与えられており
墓地から該当モンスターを「シンクロ召喚する」+「そのモンスターがフィールドを離れると、EXデッキに戻る」と
本来とは逆の流れにモンスターが動いていた。
またイラストからは分かりにくいが、 嘴の中で誰かがいて、笑っていた
シロッコやエルフェンなどと同じ、「被り物をしている」タイプのモンスターであるようだ。


追記・修正は鳥の嘴の中からお願いします。









































と、いくつかのシンクロデッキで活躍していた彼だが、他にも意外なデッキに拾われている。
それは「メタルフォーゼ」。
融合とペンデュラムの複合デッキになぜゴウフウが!?まさかシンクロギミックすら取り込んだのか!?

ペンデュラム効果
(1):1ターンに1度、このカード以外の
自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、デッキから
「メタルフォーゼ」魔法・罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする。

メタルフォーゼPモンスターは上記の共通効果を持っている。
デッキから任意のメタルフォーゼ魔法罠カードを取り出せる、とても重要な効果なのだが、フィールドのモンスターを壊さなければならない。
折角召喚したモンスターを闇雲に破壊しても自分が不利になるばかりなのは明白。

…そう、メタルフォーゼ使いは ゴウフウの(2)の効果をガン無視し
(1)の効果でコスト用のモンスタートークンを調達してくれる 点に目を付けたのだ!

テキストをよく読めば、破壊したモンスターを 墓地へ送る必要が無い のでトークンでも問題なく
役割を果たせる(本来はメタルフォーゼPモンスターを破壊するのだろうが)。
旋風抜きにしてもサーチ・サルベージがしやすいステータスをゴウフウが持っていたため、無理なくデッキに入れられた点も大きい。

それだけでなく、「 レベル5のチューナーモンスター 」という点を生かし、神と決闘竜の力を突然吸収したメタフォ使いがこんなことまで。

レベル5のメタルフォーゼ・アダマンテに、レべル5のチューナーモンスター、朧影のゴウフウをチューニング!
混沌の次元より沸き出でし力の源!!原点にして全ての頂点!!この現世(うつしよ)でその無限の渇望を暫し潤すがよい!!
神降せよ!!究極神 アルティマヤ・ツィオルキン!!

これで一時期環境レベルのデッキと戦っていたのだから恐ろしい。


メタルフォーゼ以外にも、サイバー・ヴァリーやクライスなどの「フィールドのモンスターをコストにする」カードと併用されており、
ブラックフェザーとしてではなく汎用コストカードと見られていた。
でもそっちの方が心なしかゴウフウも生き生きしてるみたいだし、彼にしてみればこれで良かったのかもしれない。


追記・修正はその身に刻まれし魂鋼を燃焼しながらお願いします。
























































そんなこんな過ごしていたわけだが、なんと2017年4月に、突然の 制限カード指定 を受ける。
確かに活躍してはいたが、極端なゲームバランス崩壊を招いたわけではなかった。では、なぜ?



終わりの始まり

実はこのタイミングは、新マスタールール(遊戯王OCG)が施工された時だった。

新たに登場したリンクモンスターは、エクシーズモンスターと異なり 特別な指示がなければトークンを素材にしてもよい 召喚条件を持っていた。

…そう、「シンクロ素材にはできなくてもリンク素材にはできるトークン」と合わせて3体分のモンスターを一枚で生み出せるモンスター。
これが危険視されたらしく、規制されてしまった。
しかもコンマイとしては珍しく リンク召喚で結果を出す前に、事前に規制をかけられた あたり、かなり恐れていたようではある。
その割にはダンディライオンとかスケゴとか抜けてたけど
その後は「引いたら有利になるリンク展開用カード」という地位で、(2)の効果をガン無視して多くのデッキに採用されていた。

ちなみにこれのトークンはリンクモンスターに変えることで擬似的にリリースが可能になったので、リンク召喚登場直後からリンクスパイダーのリンク素材にすることで神の生贄に使う事も出来るようになった。



…が、真の悲劇がここから始まる。
水晶機巧-ハリファイバー
リンク・効果モンスター
リンク2/水属性/機械族/攻1500
【リンクマーカー:左下/右下】
チューナー1体以上を含むモンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
手札・デッキからレベル3以下のチューナー1体を守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン効果を発動できない。
(2):相手のメインフェイズ及びバトルフェイズにフィールドのこのカードを除外して発動できる。
EXデッキからSモンスターのチューナー1体をS召喚扱いで特殊召喚する。

シンクロ召喚救済という名目で突如現れた問題児。
手軽にリクルート効果を発動して、更なるソリティアに発展させるこのパワーカードは、全デュエリストに衝撃を与える。
同期に他にもゆるゆるリクルート効果のリンクモンスターがいたので、分かっててやってる

前記の通りゴウフウがチューナー、そしてハリファイバーはトークンも素材にしてよいモンスターなので、
ゴウフウの一回の特殊召喚でハリファイバーを呼ぶことができる。
そしてハリファイバーのリクルート効果まで加味すると、
ゴウフウ一枚から4体分の素材を調達できることになる。 スチームなんか呼んだ日には…

更には「植物リンク」なる極悪1ターンキルデッキにも関わっていたことがあり、
初期手札にゴウフウがあった場合、 手札消費1枚で先攻1ターンキルもできる という凄まじいパワーを発揮してしまった。


しかも仮にゴウフウを命からがら阻止したとしても、相手にとっては 手札1枚切っただけ、通常召喚権すら使っていない という状況なので
止めなきゃ負けるゴウフウを止めたのに相手にとって大した痛手にもならず、逆に自分の妨害手が減ったのであっさり別ルートを進められる と恐ろしいことになっていた。


汎用性の高い効果でBFデッキの垣根を越えて飛び込む、なんて生易しい状況では無く
最早、「ゴウフウを止められなければ負け確」「入れない理由が無い」「出し得」とすら言われる世紀末を作り上げ、
また同時に「いつゴウフウが死んでもおかしくない」と誰もが思っていた。
そんな噂が立つ中で人気パワーカードが再録されやすい傾向があるストラクやRARITY COLLECTIONでも再録されず着々と死亡フラグを立てていた。
ハリファイバーの方が罪が重いとは言ってはいけない
そもそも勘のいい人は、2017年4月時点で、そう遠くないうちに禁止になると予想していた。


そしてみんなの予想通り、2018年4月に禁止カードに指定されることになった。
リンク召喚の開始から1年間暴れまわり、その活動に幕を下ろしたのであった。
BFで盤面切替しの切り札としての活躍が期待(ないしデザイナーによって意図的にされたであろうデザインに)されていたはずが、
ローリスクで相手を一方的になぶり殺す先攻1キルする極悪カードに変貌してしまったのはなんと不本意な結果であろうか...


余談

実はゴウフウは、ブラックフェザーで初めて禁止カード指定を受けたカードである。
全盛期の暴れっぷりからすると意外かもしれないが、ゲイルもカルートも旋風も制限止まりだった。

ゴウフウの暴れ方は、当時の制限BF達が見てもドン引きするほどであり、それだけ危険な存在と認知されてしまったのだ。まあ全盛期のゲイル以外は出張性能は非常に低かったのだが…

だが忘れてはならない。彼は何も知らなかったのだ。
不利な展開を巻き返す切り札としてデザインされていたはずが、
気が付いたら古巣以外のデッキで破壊や赤き竜の生贄になったり、
時が経てばルールの大きな変更の影響を受けて、誰も彼もが血眼で使い、血眼で止める、
そんな忌み嫌われながら酷使されることになった、被害者なのだと―

そして禁止になった少し後に発売された「デュエリストパック-レジェンドデュエリスト編3」にて
強力な新規BFが多数追加されたのも、とばっちりに遭ったゴウフウとBF使いへのKONAMIなりの罪滅ぼしなのだろうか。




最後に、リンク召喚と時を共にしたこのカードに、とある伝説のデュエリストの言葉を捧げて締める。





「レベル5のモンスターをコスト無しで特殊召喚した挙句、

合計3体分のモンスターを一気に展開だと!?

インチキ効果もいい加減にしろ!」


追記・修正はリンク召喚が登場しながらも純BFデッキで(2)の効果まで使っていた方にお願いします。

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最終更新:2024年07月14日 19:47