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マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX

登録日:2015/12/11(木) 13:10:11
更新日:2024/11/13 Wed 16:37:14
所要時間:約 15 分で読めます






マリオルイージだけじゃない!?

ペーパーマリオと3人で大冒険!




マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX』は、2015年12月3日に任天堂からニンテンドー3DSで発売されたRPG。



概要

マリオ&ルイージRPGシリーズの5作目にして、ペーパーマリオシリーズとのコラボ作品。
ただし本作の開発はアルファドリームのみが関わっており、ペーパーマリオ側の開発担当であるインテリジェントシステムズは単なる版権元に留まっている。
また、向こう側は当時最新作だった『ペーパーマリオ スーパーシール』があったためか、ペラペラ具合はそちら寄りの質感である。*1
基本的にはクッパがピーチ姫をさらい、それを助けるといういつものストーリーになっているため、コラボ作品だがストーリーは双方の作品を知っていないと全然分からない要素は無く、初めて両シリーズに触れる人も安心して遊べる作り。*2


前作『ドリームアドベンチャー』(以下『4』)では主人公の数がマリオブラザーズの2人に原点回帰したが、今回はそこにペーパーマリオを加えた3人制になる。
フィールド上で行う合体アクションは「トリオアクション」と呼び、ペーパーマリオの紙の身体を活かした柔軟なアクションで道を切り開いていく。

バトルではマリオルイージ2人で行うお馴染み「ブラザーアタック」の他に、ペーパーマリオを起点に行う新合体技「トリオアタック」が登場する。
トリオアタックは3人で連携して行うド派手な合体技であり、ペーパーマリオ以外は発動できない・3人のうち1人でも行動不能になってはならない条件があるものの非常に強力で爽快。
ブラザーアタックに関してはお馴染みの「みどりコウラ」「ファイアフラワー」(フラワーの仕様は3以前のものに戻っている。)に加え『4』から「スピードボム」「フラコプター」が続投。もちろん新ブラザーアタックもたくさん登場している。


敵キャラ自体通常版とペーパー版の2種類があることもあって事実上の敵の種類が多く(攻撃方法も若干、あるいはまったく異なる)、また戦闘中の味方キャラが3人に増えたことにより、敵の攻撃とそれに対するカウンターも多様化。
最大3人へ繰り出される攻撃に警戒する必要が出た上、回避が純粋にシビアな攻撃も増加しているため、ボスバトルにおける回避アクションは後半へ進むにつれて前作かそれ以上の難易度になっている。
そのため、単にレベルを上げるだけでなく、後述のバトルカードを積極的に利用すると楽だが、「それでも負けてしまう!」という人のために前作からイージーモードも続投した。
今回は安定の面白さを維持しつつも本当に難易度が高いため、お世話になる人もいることだろう…


『4』同様、セーブが(特定の場面を除き)どこでも行えるようになった。
…が、セーブブロックは『4』までと違い、撤廃されている。
それ故、ゲームを終了したらセーブを怠ったせいでレベル上げが無駄になってしまった…という悲劇が無いようにしたい。


なお、前作での使い方が不評だったせいかは知らないがジャイロセンサーは最初から最後まで一切使用しなくなった。(フラコプターはスライドパッド操作に変更。)
前作でジャイロセンサーに苦手意識を抱いてしまったという方も安心して欲しい。



あらすじ

ある日のキノコ王国。


キノピオとルイージは、ピーチ城の隙間風の原因を調べるためにある部屋を訪れる。
その部屋には1冊の不思議な魔法の本が眠っていた。

だが、ふとしたアクシデントから本は転げ落ちてしまい、中から大量のペラペラな紙が飛び出す!
その紙はキノピオ、クリボー、ノコノコ…いつも見知った、しかし平べったい身体のどこか違う者達。
魔法の本の正体は、自分達と同じ姿、同じ名前のペーパーな人々が住む世界の入口だったのだ。

本から飛び出して散り散りになってしまったペーパーキノピオ達を救助すべく、ペーパーピーチ姫の頼みを引き受け冒険に飛び出すマリオとルイージ。
今回は本の世界のマリオこと、ペーパーマリオも一緒だ。


そして、あのクッパも………



登場人物

以下を見るだけで分かるように、マリルイ側とペーパー側の同キャラクター共演が全キャラクター中多大なウェイトを占める。
いつもの(マリルイの)キャラクターとペーパーマリオのキャラクターの共闘や対比に重点を置いているため、本作は敵味方問わず双方のオリジナルキャラクターが殆ど登場しない。(事実上マリルイのイエロースターのみ)
つまり、今回に限り『スーパーシール』でもあった原作キャラ縛り路線をミックスした形となり、シリーズの正式な作品というよりは番外編に近いポジションと言える。というかイエロースターは既存キャラなのでスーパーシールでさえ登場した(ルーシー)新キャラは一切登場しない。そのことを残念に思う両シリーズのファンは少なくない。
だが、その分だけ既存キャラクターの活躍に力を注いでおり、本気で打倒マリオ(とルイージ)に本腰を入れるダブルクッパからも見て取れるように、本作では従来のマリオRPGシリーズで描かれる機会が少なかった純粋な「マリオ一行VSクッパ軍団」の構図を徹頭徹尾描ききっている。
一方でマリルイシリーズでこれまで皆勤だったキノじいは今回登場を逃している。元々ピーチ姫絡みでなにかトラブルが起きるとテンパるキャラなので、「ピーチ姫が2人いる」というシチュエーションでキノじいがどうなるのかは想像に難くないが*3


敵側に関してみても多くのキャラクターが従来のマリルイシリーズに合わせた攻撃を行ってくる。例えばマリオシリーズお馴染みのノコノコなんかもマリルイ仕様は初である。また後述するペーパーモンスターなどのおかげで、新鮮味は十分ある。以前のシリーズで出た敵キャラも攻撃方法はほぼ一新されている。
クッパ七人衆(旧称:コクッパ)などの懐かしい面々が復活した他、オリジナルキャラを出さない分、
忍者のハックンやタックル魔のブル、ボクシングで攻撃してくるクラッシャー、シリーズではお馴染みのボスキャラであるボムキングにキングテレサなど、マリルイシリーズでは意外と出たことが無いキャラ達に出番が回ってくることに。


『マリオ&ルイージRPG』サイド

赤のヒゲ。
ありそうでなかったペーパーマリオとの共演を遂に果たす。
ペーパーマリオの万能ぶりにちょっと対抗心を燃やしている。無理すんな。


緑のヒゲ。
相変わらず不憫な扱いを受けたりもするが、それでもめげない兄貴思いの健気なおっさん。
『4』の活躍によりクッパからはちゃんと名前を呼んでもらえるようになり、「緑のヒゲ」と呼ばれることはなくなった。


サポートキャラでは遂に3連続出演となったスターの精代表。(今作では出てこないが)チッピーという仮名のほうがなじみ深い人もいるはず。もしくは黄色い全裸。
戦闘では使わないが8頭身の美女(自称)に変身するという謎の必殺技を持っていることが判明した。
しかし、肝心の使用した場面があろうことにドカンの中だった為、本当に8頭身で美女なのかはマリオ達にもプレイヤーにも分からなかった。真相は彼女のみぞ知る……
なお今作では最初からピーチ城にいるが、恐らくキノピオの拉致事件のことで召集されたと思われる。
元よりナビゲーターキャラではあるため多少は仕方ないが、それを抜きにしてもメタ発言が多く、「こんな序盤でやられてどうすんのよ!」「(ちょっと画面よりにきて)この窪みについて覚えておいてね!」「今からルイージRPGよ!」などとやりたい放題。
自身を美女と言い張り、ボールではないと頑なに否定するやや自意識高めの性格であることが発覚した。


マリルイ界のさらわれマニア。今回ももちろん(ペーパーともども)クッパにさらわれるが、ラストまでさらわれっぱなしではなく、中盤に救出される。
ペーパー界の姫様との出会いに最初は驚くが、後にお互い似たもの同士だと分かって仲が良いようだ。


最近では『進め!キノピオ隊長』での活躍(?)が新しい、ピンク色の女の子キノピオ。
ペーパークラフトを趣味にしており、紙工作が得意なペーパーキノピオ達との協力でマリオ一行最大の切り札「ドデカクラフト」の製作に取り組むようになる。
中盤以降の活躍度は一見。
ちなみにペーパー側でもキノピコは登場していたのだが、残念ながらそちらとの共演は叶わなかった。
「最近冒険していましたから!」とちゃっかり「進め!キノピオ隊長」の宣伝もこなす。しかも二度も。
最初のドデカクラフト製作中のペーパーキノピオ達との会話は……深く考えないでおこう。


有名な敵キャラ・・・であるが、本作の彼らは味方であり、色々な人の依頼を紹介したり、各地のスクープ情報を集めたりしている。
敵キャラのジュゲムは存在しないので、安心して近づいて話しかけましょう。
ペーパーキノピオ達を助けるクエストは彼らの拠点「ジュゲムハウス」で取り扱っており、お馴染みのやりこみ要素であるバトルリング等のモードもそこで遊べる。
ソクリ山地では「飛べないってつらいですね」と事あるごとに煽ってくる。


今回の二大黒幕の片割れ。
自分と同じ偉そうなペーパークッパとは互いに強さを認めて共同戦線を敷くが、何かにつけて張り合い、出し抜こうとする。
ペーパークッパと出会う以前から何事かを企んでおり、そのために大量のキノピオ誘拐を指示していた。
内面は『3』以降の首領として精神的に成長しかつ『4』のルイージもライバルと認めているクッパ様らしく、時折見せる冷酷な言動は黒幕としての威厳と恐ろしさに溢れている。
特に、あることでJr.たちが傷付けられた時に打って出た報復は情け容赦の無さが前面に出ており、悪役全開だが、同時に息子のことを何よりも大事にしていることが分かる。まさかピーチ姫そっちのけで報復に出るなんて誰が考えるだろうか




クッパの一人息子。マリルイで初登場の『4』では隠しキャラに近かったが、今回は正式出演。
とっても仲のよろしくない親のダブルクッパとは対照的に、こちらはすぐにペーパークッパJr.と仲良くなり相棒と呼びあう関係になった。
子供と大人の違いを認識させられる一幕である。
いずれペーパークッパJr.が元の世界に帰ってしまうのではと考え、魔法の本を燃やしてしまおうと一度は恐ろしいことを企んだが、躊躇を見せる相棒を思いやって止めるという良い一面も。


なんと無印からクッパ7人衆(コクッパ)が超久々の復活。
台詞が無かった無印と違い、それぞれに明確な個性が設定された。ちなみに今作の彼らの個性は『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS/Wii U』のフィギュア説明が基になっている。
気が強いウェンディに頭の上がらないロイ、リーダー格気取りのルドウィッグなど、各々のキャラクターが立っている。
バトルではロイとウェンディ、ラリーとルドヴィッグ、レミーとモートンとイギーでタッグを組んでいる。最初に挙げたタッグの2チームは単体とチームごとの3連戦でそれぞれ2回戦い、協力攻撃やバトルカードを使うなど、無印の頃とは比べ物にならないほど手ごわくなっており、油断するとすぐにやられてしまう。
一方レミーたちのトリオは3連戦のみの消化試合であり、カウンターに失敗すると大ダメージを食らうが、カウンター自体は比較的簡単でかつ成功すると目を回し、一方的に攻撃できるため、簡単に倒せる。
またトリオを除いて1体が倒されると強力な魔法攻撃を行ってくるが、カウンターできればその分大ダメージを与えられる。
ちなみに作中では「(ペーパー側の)クッパ7人衆はいないのかな?」と言及するシーンがあるのだが、ペーパー側の彼らは『スーパーシール』に登場しなかったため本作には登場せず、後に発売された『ペーパーマリオ カラースプラッシュ』で遂にボス格として登場を果たした。


『4』から続投したクッパの腹心。
上司と違ってペーパーカメックとはすぐに意気投合したようだが、本作ではどうもナルシストの気があるらしく向こうの事をブサイクだと思っている様子。
乙女のサガにひっかかったイエロースターに若干同情する様子を見せるのはシリアスな山場シーンの数少ないギャグ。


  • トッテン
『New スーパーマリオブラザーズ U』及び『New スーパールイージ U』に登場した、紫色の覆面ウサギみたいな盗人。
コイツがマリオ達に本来授けられるはずだったブラザーアタックを根こそぎ奪い尽くしてしまった為、冒険の先々で取り返すための勝負を挑むことに…
最後の勝負ではちょっとしたサプライズが待ち受ける。



『ペーパーマリオ』サイド

  • ペーパーマリオ
ペラペラな赤のヒゲ。
本が開いた衝撃で皆と一緒に飛び出し行方不明になっていたが、ペーパークリボーの合体技にあわや全滅寸前のマリオ達と合流を果たす。
紛らわしい為かマリオ達と違い声が無く、もっぱら効果音とボディランゲージで感情表現する。(以降のペーパーマリオシリーズでもボイスを一切発しなくなった。)
紙の住人だけあってバトルでは2人と違い、素の状態だとHPが低い上に火の攻撃で大ダメージを受けてしまい、与ダメージも低いという欠点がある。
(火に弱いのはペーパー系モンスターも同様。覚えておくとバトルが楽)
だが、コマンド「コピーブロック」で自分の分身(コピー)を作り出せばこれらの欠点を解消可能。
コピーが残る限りモンスターの攻撃に幾ばくかは耐え、コピーの数だけ与ダメージも一気に大きくなる。
ここまで読めば分かる通り、マリオブラザーズと違って「条件付き高火力、ただし文字通りの紙耐久」という若干ピーキーな性能のキャラクターとなっている。
常にコピーを多く保っておき、安全性と火力を維持するのがペーパーマリオの戦いで重要なポイントである。
また、マリオ達と違ってカウンター時にはホバリングで長く滞空できる長所があり、コピーが残っていればハンマーの判定も少し長く持つ。


  • ペーパーピーチ姫
元祖さらわれマニア(そもそもこの称号(?)自体が『スーパーペーパーマリオ』発祥のネタである)。
魔法の本から飛び出し、見知らぬ世界に戸惑っていたが次第にピーチ姫と仲良くなった。
2人揃ってダブルクッパにさらわれてしまうが、こちらの世界では彼女に鉄格子なんてものは意味が無かった…
ダミーのピーチ姫看板を計4つ隠し持っている。ご丁寧に声入りのラジカセまで。


  • ペーパーキノピオ達
本から大量に飛び出した結果ペーパーピーチ姫同様に困惑するのだが、それ以上に臆病であるため誰にも見つかるまいと身を隠してしまっている。
彼らを救助することが本作のメインとなっており、各地のジュゲムハウスで受けられるクエストから救助に行かなければストーリーが進まない。
彼らとキノピコが製作するドデカクラフトこそが、冒険の困難な障害を突破する鍵となるから…
ゲーム終盤は全クエストでの救助が必須ではなくなるが、全員助ければご褒美として最強のトリオアタックが手に入る。


  • ペーパークッパ
今回の二大黒幕の片割れ。
『スーパーシール』では何故か喋らなかったが今回はちゃんと喋る。
クッパとの喧嘩の末に一度はお互いの力を認めるが、いかんせん同じ性格が災いして何かにつけ張り合い、出し抜こうとするなど仲はよろしくない。
本作での性格はこちら側のクッパと鏡合わせにしているらしく、シリアス寄り。
そして、終盤でのマリオ達に対する認識は彼らの古くから続く因縁をより強調している。


  • ペーパークッパJr.
ペラペラな方の息子。
クッパJr.とすぐ仲良くなって、互いに相棒と呼ぶ仲になる。
『スーパーシール』では正直活躍が少なかったが、今回はキャラがしっかり立っている。


  • ペーパーカメック
ペラペラな方の腹心。カメックババェ…
『スーパーシール』以降の丁寧語で嫌味な性格では無くなり、こちら側のカメックに合わせて同じ口調と性格に変わった。もしかしたら別人なのかもしれない。
カメック同様に向こうをブサイクだと思っている。


  • ペーパールイージ
さあ今回はどこにいるでしょう?

答えはエンディング後に解放されるサウンドプレイヤー。
ニテルデ諸島(と思しき場所)で音楽を聴きながら日光浴(?)を行っている。
ちなみにいつもは寝ているが、音楽によっては寝ながら感情表現することも。



新要素

行動順について

これまでのマリルイシリーズにおけるパラメータ「SPEED(素早さ)」は、単にバトルの行動順への影響だけに留まっていた。
本作ではこの数値がバトルに強い影響を及ぼすようになり、基本的にこの数値が高い分だけ相手より素早く、かつ多く行動することができる仕様変更が行われた。
要するに従来の「味方と敵が1人ずつ全員行動して1ターン」では無くなった。
実際、こちらが適正レベル未満、かつモンスター側のSPEEDが高い状態だと、開始直後から何度も攻撃に曝されるハメになってしまう。
逆に言うとマリオ達のSPEEDが大幅に上回っていれば、敵側の攻撃を受ける前に2度目の攻撃を行う事も可能になる。
このため、SPEEDを考慮した育成・装備が本作において重要となる…ところだが、本作ではシリーズお馴染みだったレベルアップ時の能力アップルーレットが廃止されているので、ランクアップボーナスやマメで補わなければならない。


きんきゅうガード

ペーパーマリオシリーズで言う通常の(アクション)ガードに相当。
Xボタンを押している間、モンスターの攻撃を回避することはできないが被ダメージを抑えることができる。申し訳程度にペーパーマリオシリーズのガードを取り入れた形になり、後のマリルイシリーズでもそのまま続投した。
段々とバトルが高難度化しつつあるマリルイシリーズでは初めての防御手段であり、慣れないうちは下手に回避してミスするよりもきんきゅうガードに徹した方がいい場合がある。
ただし、「追いかける攻撃」など一部の行動には使えない。

とはいえ、きんきゅうガードにばかり頼っているとカウンターダメージが狙えないのは当然。
又、後述のエキスパートチャレンジも達成出来ないので強力な装備が貰えない事にも。
目が慣れてきたらいつもの反撃を狙っていこう。
ボタンを押す分には使用回数やペナルティはないため、敵の攻撃の合間を縫って連打で煽るもよし。


ペーパーモンスター

『ペーパーマリオ』の世界から混入してきたモンスター達。
「火の攻撃に弱い」「マリオとルイージの通常攻撃で稀にしわくちゃ状態(動けない)になる」という共通点を持つ。


彼らは多くの場合、元のモンスター(ドット絵の厚みがある方)とペアになるよう存在している。
(メカクッパやペーパーボム兵のように相方がいない場合もあるが)
前述したとおり紙の身体を活かした攻撃やペアとの連携攻撃をする他、ペアの相手と同じ攻撃アクションでも性質が違っていて、概ね元より遅めの傾向。
この違いを頭に入れておかないと、バトル中に混合して対処をミスしてしまう可能性あり。


更に、ペーパーモンスターによっては同じ個体が何枚も重なり合っていることがある。
この場合は単純にHPが枚数分だけそのまま増量しているため、かなりタフ。
攻撃技でも数の多さを活かしたものが多い。
一気に仕留めるには火属性のブラザーアタックでも状況次第では不向きであり、ここは全体を一度に攻撃できるトリオアタックの出番。


他にも、倒すと後述のバトルカードを1枚確実に入手できるキラキラのペーパーモンスターが存在する。
出典である『スーパーシール』のような異常じみた防御性能は持たないが、一回りレベルが高い上に攻撃力がべらぼうに高く、僅かなミスがピンチに直結してしまう。
登場がランダムかつ通常との見分けがつかない、さらに高いSPEEDで逃げる隙も与えず最悪の場合何度も攻撃されるなど、結構理不尽ではある。回避すればダメージは0であるが・・・
だがその攻撃力を利用して、「回避すると同士討ちになる」タイプの連携攻撃で相方を楽に倒してもらう、といった戦法も取れる。


バトルカード

前作までのバッジに相当する補助システム。
1つのデッキに必ず合計10枚セットして使う。


ある時期からバトルで使えるようになり、アクションコマンドを成功させるたびに「スターポイント」が溜まっていく。
カードには消費ポイントを表す数値が書かれており、ポイントが足りていればコマンド選択中に下画面タッチで任意に使える。
効果は体力回復、敵味方のステータスに影響を与える、特定のモンスターに固定ダメージを与える、きんきゅうガード時のダメージを減らすか0にする…などなど実に多彩。
味方のステータス強化カードを入れて堅実に攻めるか、防御UP・ダメージ無効カードを入れて守りを優先するか、敵にダメージ系のカードを大量に入れて速攻勝負を決めるか……どんな特色のデッキに仕上げるかはプレイヤー次第である。


カードは基本的にカード屋でしか売っていない一点もの。
しかし例外的にモンスター撃破、クエスト一定数クリアで手に入るカードも存在する。特にモンスター撃破で手に入るものからはキラキラのカードが手に入りやすく、低い消費ポイントで高い効果を発揮してくれるものが殆どなので積極的に利用したい。


更に、通常のカードとは別に「?」と書かれたカードも存在しており、こちらはamiiboを読み込むことで強力な効果を持たせたカードに変化させることが可能。
New3DSならともかく、旧3DSでは専用の周辺機器が必要になる。


本システムをフル活用したり、レベル上げ、窪みのマメ、マメが出るブーツ、アシスト、イージーモードを使えば幾らでも難易度を下げられるが、推奨レベル以下で挑んだり、これらの便利なシステムを一切封印して臨んだ時の難易度は正にハード級。ギリギリの戦いが味わえるかも…
そのためかは不明だが、前作にあったクリア後のハードモードは搭載されていない。




クエスト

本作のメインパートの一つ。
ペーパーキノピオのレスキューだけでなく、それ以外のストーリー上のイベントもクエストという形で挿入されることがある。『3』のクッパの体内のミニゲームみたいなものだと思えばよい。


基本的にはストーリー上必須orモブとの会話で任意発生の2種類に分かれ、失敗してもやり直す事は可能で、クエスト中にセーブはできないが、途中や失敗時にクエスト開始前の状態へ戻ることもできる。
クエストの中には制限時間ありでモンスターと必ず戦闘を挟む場合があり、適正レベル未満だとイージーモードにしない限り非常に苦しい為、「レベル不足だ!」と思ったら素直に引き返そう。
しかし、今作ではなんとストーリー上必須のミニゲームに何度も失敗してやり直していると、「スキップして物語を進める」という素敵な選択肢が現れる。
その為、今までの作品でありがちだったミニゲームに詰まって進めないという事態を回避できる初心者にもありがたい仕様となった。


事実、ストーリー上には「クッパJr.を捕まえろ!」*4等の高難度クエストが無い事も無いので、妥当な処置ではあるだろう。ただし、スキップしてクリア扱いにした場合、報酬のスターメダル*5がダンボールで作った安っぽい見た目になっており、スターメダルを取った事になっていないので注意。
勿論、再度自力でクリアすればきちんと貰えるのでコンプリートを狙う方もご安心を。


ドデカクラフト

前作までの巨大化バトルに相当。
ペーパーキノピオ達を救助する最大の理由であり、敵側のドデカクラフトに対抗するため必要となる。
従来のようなシリアスの雰囲気よりもコミカル色が強めで、さながらぶつかり神輿のごとしお祭り感が漂う。

ターン制ではなく完全な3Dアクションパートになっており、自機を操作して敵側のクラフトを倒していくことになる。
バトル毎にドデカクラフトは異なっており、使える技に微妙な違いはあるものの共通して「ダッシュとジャンプを使い分ける」「リズムスポットでエネルギーを溜めないと敵に攻撃ができない」、という特徴がある。
リズムスポットはちょっとした音ゲー。光の輪がスポットの円に触れた瞬間にボタンを押し、何度も繰り返せばエネルギーが溜まっていく。
チャージ中は敵も音楽にノリノリとなって攻撃してこないのだが、後半になるとチャージ中だろうがお構い無しに攻撃を仕掛けてくる。しかし意外とクッパJr.辺りまでは大丈夫だったりする。
なので、満タンにならなくとも途中で切り上げて退散する、といった適切な判断も要求される。



やりこみ要素

バトルチャレンジ

『4』で登場した「エキスパートチャレンジ」に値するやりこみ要素。
前作同様にバトル中で条件を満たし、ポイントを溜めていく。
今回は溜めたポイントを装備屋で好きな装備(一点もの)と交換することが可能で、最も安いポイントの装備を買わなくてもいきなり高値のものを買うことだって出来る。
その他のやりこみ要素でもポイントを稼ぐことは可能になっているため、普通のバトルで達成できなくても嘆くことは無い。

だが、全項目を達成できればそれに見合うご褒美が待っている。


バトルリング

『3』からお馴染みのボスバトルモード。
本編から更に強くなったボス達と再戦することができる。
クリア時の評価はターン数ではなく、以下の各項目から総合的に判断される。
  • 全アクションコマンドで「Excellent」を出した率
  • ダメージを受けた回数
  • ボスが行動した回数(行動順の仕様変更のため)
  • アイテムを使用した回数
  • 気絶した(HPを0にさせられた)回数
ターン制限が無くなったので、時間をかければ撃破は可能。
しかし、ボスによってはレベル差がありすぎると行動順等の問題から全く歯が立たないことも。
頻繁に自己回復を行ったり、増援を呼んだりするボスで顕著。


ちなみに前作まではバトルリング専用の「○○X」という色違い個体が用意されていたが、本作はモンスター側のステータス管理がレベル変動制になった(=使い回しが効く)影響で、名前とカラーリングに変更は無い。
ただし、ボスに限り行動速度は大幅にアップしているのでそこは従来の感覚と同じである。


ドデカクラフトバトル

本編で戦ったドデカクラフト達と再戦できる。
こちらも以下の項目から総合的に評価が出される。
  • クリアタイム
  • ダメージを受けた回数
  • リズムスポットでリズムに乗れた率

例によって本編よりも強くなっている他、最初のボスクラフト戦からリズムスポットに乗っている最中に敵が構わず攻撃してくるようになっている。
距離を取っても油断はできない。


アタックマスター

『3』からお馴染みのモード。
ブラザーアタック、トリオアタックをどこまで続けられるかのミニゲームができる。
ハイスコアを狙う時の難易度は例によってかなり高い。


余談

作曲の下村陽子氏によるクオリティーの高いBGMは、本作でも変わらず健在。
特にボス戦の曲は過去作よりもコミカルとシリアスの温度差がはっきりと強く表れており、必聴ものである。またラスボスbgmも(いつものことだが)かなりカッコいい。

ペーパーマリオが加入するまでのバトルBGMはマリルイ初代の戦闘bgmのアレンジ、チュートリアルbgmは『2』のチュートリアルのアレンジ、ピーチ城のbgmやクッパのテーマもそれぞれ『3』のアレンジと、過去のマリルイシリーズからのbgmのアレンジが多い。また、初代戦闘bgmは今作が正統派アレンジな分リメイクの『1DX』ではパートが追加されたり若干雰囲気が異なる。ペーパーマリオシリーズ出典のbgmは残念ながら皆無。

現在本作の中古価格は結構下落している。
とはいえ十分遊べるゲームであり、難易度の高さに関しても救済措置は多いため初心者でも十分楽しめる。ボリュームもやり応えもあり、買って損はないといえる。



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最終更新:2024年11月13日 16:37

*1 グラフィックはお互い最新作から流用。ただしペーパーマリオ側は『カラースプラッシュ』以降の作品のように白いフチが追加されている。

*2 ある程度前回の冒険で起こったことを示唆する台詞はあるが

*3 メタ的には、『ペーパーマリオ スーパーシール』に出演していないためにペーパーキノじいのグラフィックが用意出来ず、それに引っ張られる形でマリルイ側のキノじいも欠席になったと思われる。

*4 城のどこかに逃げた本物&ペーパーのクッパJr.を捕まえるそのまんまの内容。ただし、城内をうろついている雑魚敵に見つかると即失敗という鬼難易度。マリオ達なら雑魚野郎どもを倒すなんて楽勝なのに。特に2つ目のエリアのプロペラヘイホーの配置は文字通り鬼である。

*5 クエストをクリアした時に貰える勲章のような物で、一定数集めるとバトルカードが貰える。