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アストレイシリーズ(ガンダムSEED)

登録日:2010/02/12 (金) 07:50:34
更新日:2024/09/04 Wed 07:58:11
所要時間:約 11 分で読めます





アストレイ(ASTRAY)シリーズとは『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ』に登場するモビルスーツ(MS)の一種。
原作TVアニメシリーズの他、外伝『ASTRAY』など『SEEDシリーズ』の多くの作品に登場する。


目次



概要

オーブ連合首長国がC.E.70の地球連合とプラント間の大戦の最中、自国防衛用の主力機として開発・建造したMS群。
正式名称は「アストレイ(ASTRAY)」で、この単語は「道に迷って、踏み外して、堕落して」などの意。
ネガティブな意味合いの単語が機体の正式名称となったのは、後述する開発経緯が大きく関連している。

元々オーブは代表であるウズミ・ナラ・アスハの下、大戦への関与を拒否し中立としての立場を保っており、積極的な軍事力の保有も避けていた。
しかし、このウズミの方針に反発したサハク家をはじめとしたオーブ上層部の一部は密かに自国の戦力拡充を画策し、
大戦初期から次世代兵器として注目されていたMSの独自開発を目指すようになる。

そして、大戦中期に地球連合軍大西洋連邦が新型MS「Gシリーズ」の開発を行おうとした際に件の上層部の一部は連邦に秘密裏に接触し、
技術協力と秘密建造の場所として、オーブが保有する資源衛星ヘリオポリス及びそこに設けられた半公営企業モルゲンレーテ社の工廠を提供。
こうしてGシリーズの開発に協力する傍ら、モルゲンレーテは密かに地球連合の技術を盗み出し、それを用いて試作機体プロトアストレイの建造に成功。
続いてオーブ本国でも量産機M1アストレイの増産などが密かに進められた。
「盗用した技術で製造された」という開発経緯から、『王道ではない(ASTRAY)』という意味合いで「アストレイ」と名付けられたのである。

ところが、間もなくGシリーズの建造がザフトに露見しクルーゼ隊にヘリオポリスは襲撃され、崩壊。
この事件に前後して連合との取引やアストレイシリーズの開発など諸々の問題がウズミらに知られることになる*1が、既に一定以上の関与と成果は出ており、
大戦の激しさは増すばかりだったこともあって、「万が一の時のための備え」としてアストレイシリーズは開発を追認されることなった。
こうして開発を継続されたアストレイシリーズは、地球連合のオーブ解放作戦で初めてM1アストレイが実戦投入されたことを皮切りに、
以降同国を代表するMSとして知られるようになっていった。

また、M1本機やそのジャンクパーツが、地球連合の「オーブ解放作戦」やその戦後復興で技術者共々民間に多く流出したことにより、
『DESTINY』の舞台となるC.E.73時点では、オーブが正式に開発したもの以外にも多数の派生機が誕生し、広く運用されるようになっている。



○プロトアストレイ

ヘリオポリスで建造されていたアストレイシリーズの試作タイプ。
オーブの保有するヘリオポリスで地球連合軍の新型兵器「Gシリーズ」建造協力の裏側で一部技術を盗用して完成した。
「アストレイ」という名もこの試作タイプの開発経緯に由来する。

開発・設計はモルゲンレーテ本社のエリカ・シモンズの他、多数のAIが担当。


「G」を参考にしているため、頭部デザインの意匠が類似している他、
性能・機能面についても、「小型ビーム兵器の搭載」、「ジン以上に人体に近い可動性を持ったフレーム」、
「装備換装・追加に対応したプラグなどの接続箇所の配置」など、「G」の持つ複数の特徴を独自に模倣しており、
「G」シリーズには劣るが、それでもC.E.71時点では高い攻撃性能と拡張性・汎用性をそれぞれ獲得している。
特に、試作機故かシンプルな武装構成・配置、機動性重視のコンセプトはX102 デュエルに似ており、
元々デュエルは「G」の雛型であるが、アストレイ開発においても雛型とされた可能性は高い。
一方、他部分に比べ情報管理が厳重だったPS装甲の技術は盗めず再現出来なかった為、装甲強化による防御性能の向上は設計から除外。
装甲は発泡金属という軽量な素材にし、その面積も最低限にすることで軽量化を計ると共に、フレームは人間に近い動きが可能な程の柔軟性を持った、極めて運動性の高い物を採用。
機動性を向上させることで、敵機からの攻撃は装甲で防ぐのではなく回避するというスタンスで運用することを想定している。
足パーツの裏側にはラバー、つまりゴム製のパーツが使われており、素のままだと偏平足みたいな平べったい形状となっており、まさに人間の足の裏のように接地したときの安定性を重視している。
端的に言えば『当たらなければどうということはない!』思考。

この機動性重視の装甲削減により、重要区画(コクピット付近等)以外の腕部・脚部などはフレーム剥き出し(一応表面は装甲化されている)状態であり、
純粋な防御性能や耐久力はMSの中でも低い部類に入る。
ロウが各プロトアストレイを「~フレーム」と名付けたのもこの特異なシルエット故と思われる。


しかし、上記の通りクルーゼ隊がヘリオポリスを強襲。この事態に対し、上層部の穏健派はアストレイの即刻破棄を決断。
これに反発した開発責任者ロンド・ギナ・サハクは、極秘にアストレイを運び出そうとするが、結果的にMBF-P01以外はヘリオポリスに取り残されてしまう。
MBF-Pシリーズはそれらの破壊及び抹消の依頼を受けた傭兵部隊によって人知れず闇に葬り去られるはずだったが、
ザフトのヘリオポリス襲撃から数時間後、あるジャンク屋によってアストレイは発見され、激動の時代を駆け抜ける事になる。

なお、ヘリオポリス崩壊時に完成していたのはゴールドレッドブルーの三機のみだったが、
当時はパーツ状態で後に組立てられて完成したグリーンミラージュの二機も含めて計五機のプロトアストレイが存在している。

ちなみに、先述した通り「〜フレーム」という呼称はロウが勝手に呼び始めたのが広まっただけで、開発当時から存在した正式名称ではない(他の四機も同様)。
また、型式番号の「MBF」とは「Main Battle Figure(=主要戦闘機)」の略で、後続のオーブ軍機にも付けられている。
なお、プロトアストレイシリーズ同士の互換性は不明だが、とある理由でレッドフレームが喪失した右腕を、事前に回収したゴールドフレームの物に交換しても問題なく動作するあたり、建造当時の物に関してはある程度融通が利く模様。


○共通武装


◇イーゲルシュテルン
連合のGシリーズと同じ武装。普段はカバーで隠れている。

ビームライフル
連合の技術を盗用して造った武装。フォアグリップは90°動かすことができ、両手持ちにも対応。
威力は高いが、エネルギー消費量も相応に多い。
後にM1アストレイに装備された物とは外見が異なる。

◇ビームサーベル
こちらも技術を盗用して製造。背部バックパックに2本マウントされている。
ライフル同様、威力は高いがエネルギー消費量も多い。
連合製との性能差は殆どないが、柄の形が楕円形という違いがある。

◇対ビームシールド
連合のストライクやデュエルのそれと同じ形状・性能だが、どちらとも色が違い、白地にグレー、そして各フレームごとのパーソナルカラーで色分けされたものが用意されている。
発泡金属装甲で防御力が低い素のアストレイには必須の装備。




各プロトアストレイ

ヘリオポリスで建造された五機のオリジナルアストレイ。それぞれ数奇な運命を経たものの今のところ全機とも健在である。

□MBF-P01 アストレイ ゴールドフレーム

パイロット:ロンド・ギナ・サハク→ロンド・ミナ・サハク→風花・アジャー→ラス・ウィンスレット

最初に完成したアストレイ。フレーム色は金。
他との外見的差異は色のみだが、運び出す際の仕様変更により指揮官用機に仕上がっている。
マニピュレータに連合の武装用コネクタが搭載されており、劇中では本来デュエル用のバズーカを使用している。
何らかの理由で右腕のみがレッド・ブルーフレームのあった区画に放棄されており、こちらはロウが回収している*2
ロウや劾、彼らのアストレイと何度も戦い、破損してはオーブ本国でその度に改修を受け、
同時に喪失した右腕や破損した頭部も補われていき、最終的には改修元とは似ても似つかぬシルエットに。
漫画版『ASTRAY(無印)』におけるラスボス

その後、姿と共に幾度も乗り手を変えていき、『天空の皇女』ではボスキャラから一転して神々しさを兼ね備えた主人公機へと進化を遂げた。
ちなみに複製機が2機存在しており、うち1機は改修後、もう1機は改修前のフォルム・武装となっている。


□MBF-P02 アストレイ レッドフレーム

パイロット:ロウ・ギュール

試作型アストレイ二号機。フレーム色は赤で、ナチュラル用を示す識別色である。
ロウによって三号機のブルーフレームと共に発見され、以降彼の愛機として活躍する。
ロウ自身この機体に強い愛着を抱き、「俺の物!」と言わんばかりに自分の名前を書き足したジャンク屋組合のマークを左肩に施した。
代名詞的な装備であるMS用の日本刀「ガーベラストレート」を始めとして、ロウの意向により本来仕様に無い彼の自作装備を装着される事もしばしば*3
ゴールドフレーム同様、運び出しの際に仕様変更が行われ、この機体にはナチュラル用の試作OSが搭載される事になった。
相棒である「8」にサポートしてもらっているのもあるが、ナチュラルのロウがMSを自在に操縦出来るのはこの為である。
もし彼の手元に残されたのがブルーフレームだった場合、後に訪れる数々のピンチを乗りきれなかったかも知れない事を考えると、自称する通り宇宙一悪運の強い男である。


□MBF-P03 アストレイ ブルーフレーム


試作アストレイ三号機。フレーム色は青で、局地戦対応型を意味する。
上述の通り、二号機共々ロウによって投棄されていたところを発見され、彼が初めて乗ったアストレイとなるが、
紆余曲折あって彼から劾に譲渡されることになり、その汎用性の高さから彼の初めての「愛機」と呼べるMSとなる*4
様々なオプションパーツのデータが始めからコンピュータ内に保存されており、劾は依頼内容に合わせてそれらを製造し、運用している。
燃費の悪いビームサーベルの代わりにロウがガーベラストレートをメインの近接武器として使っているように、
劾は対ビームコーティングを施したアーマーシュナイダー(MS用ナイフ)を追加装備し、愛用している*5
ソキウスとの戦いで中破した後、ロウにより修復ついでに様々な新兵装を施された「ブルーフレームセカンド」へと改良される。


□MBF-P04 アストレイ グリーンフレーム

パイロット:トロヤ・ノワレ

ゲリラが所有するアストレイ四号機。
教育型の戦闘支援AIを搭載し、敵の動きを機体が読んで行動する。
後に複合武器『ツインソードライフル』を装備した。


□MBF-P05LM アストレイ ミラージュフレーム

パイロット:ロンド・ギナ・サハク(カーボンヒューマン)

ライブラリアンが所有するアストレイ五号機。
指揮用のコマンダーモードと格闘戦特化のグラディエイターモードの二形態を持つ。
また、特殊ミラージュコロイドにより外見を変え相手を攪乱できる。
後に人型のタイラントモードと獣型のブルートモードの二形態を持つ『セカンドイシュー』、更にファーストの武装を組み込んだ『サードイシュー』へと魔改造を繰り返す。


プロトアストレイ(複製機)

上記五機のデータを基に何らかの思惑の元複製されたアストレイ。

□MBF-P02 アストレイ レッドフレーム(レプリカ)

パイロット:蘊・奥(カーボンヒューマン)

ライブラリアンがカーボンヒューマンとして復活させた蘊・奥の乗機として用意した、レッドフレームの完全なレプリカ。
パワーシリンダーなど直近のレッドフレームを完全に再現しているが、左肩のジャンク屋組合のマークが付いていないのが相違点。
また、装備している刀は蘊・奥が新たに打ったタイガー・ピアスとなっている。
ロウの駆るオリジナルと戦うが整備の差で敗北。タイガー・ピアスはロウに回収されレッドフレーム改の装備となるが、機体はライブラリアン崩壊とともに行方不明に。


□MBF-P0X アストレイノワール

パイロット:ダンテ・ゴルディジャーニ

傭兵であるダンテがアクタイオン・インダストリーに「アクタイオン・プロジェクト」の1つとして作らせたプロトアストレイの複製機。
しかし、ダンテは本機を自分が作りだした傭兵「叢雲劾」と私的な闘いをする為だけに作らせたのが本音である。
頭部のブレードアンテナは特徴のある4本タイプに、ふとももにはダンテのスタイルに合わせた専用装備のソードピストルを装備。
最大の特徴としてアストレイシリーズでは珍しいストライカーシステムを使用可能にするコネクター型パックを持ち、本機の名前の通りにノワールストライカーを装備している。

□MBF-P0XD アストレイノワールD

パイロット:エルザ・ヴァイス

ダンテが劾との決闘後に姿を消した際に、決闘場所に残されたノワールストライカーの無いアストレイノワールをエルザ用に調整した姿。
失ったノワールストライカーに代わり、デスティニーRシルエットを装備しているのが大きな違いである。


□MBF-02VV アストレイターンレッド

パイロット:ヴァレリオ・ヴァレリ

アクタイオン・インダストリーの技術者ヴァレリオ・ヴァレリ(通称ダブルブイ)が、ノワールの予備パーツを利用して建造したプロトアストレイの複製機。
型式番号やレッドフレームのカラーを反転させたカラーリングなどロウに対する対抗心が窺える。
本人曰くロウのドライグヘッドよりはカッコ良い豪語する独自の頭部を持ち、
専用のバックパックには「2倍だから強い」という理由で装備された2基のタクティカルアームズと4基のバッテリーパックを搭載している。
ちなみに、このタクティカルアームズをブーメランのように投げた際には設計したロウ本人が驚愕していた。
また、機体の操縦は戦闘用AI「80」(ロウの8の10倍との意味)が制御している。

レッドフレームと殴り合いを演じ、敗北した。

後にコクピット周りを改造し、「生還することなら宇宙一」と揶揄される機体となった。また戦闘用AIも「800」に改造している。 
その言葉に嘘はなく、パワーローダーで揺らされてもコクピット内部は紅茶をカップ汲んで飲んでも問題ないほどで、高出力のビームにも耐えるみたいである。
この装備が後にダブルブイの運命を左右する。


□MBF-P01-Re2C アストレイ ゴールドフレーム天ミナC

パイロット:ロンド・ミナ・サハク

オリジナルのゴールドフレームを天ハナに改修して風花に譲渡したため新たに建造した天ミナのコピー。
右腕もプロトアストレイに準じた形状となっている。


□MBF-P01 アストレイ ゴールドフレーム(AP再生機)

パイロット:カイト・マディガン

ダブルブイとロウによるMS開発計画「オルタナティブ・プロジェクト」の一環としてカイトからの依頼で新造されたゴールドフレーム。
外観はロールアウト直後の状態を再現しているが、オリジナルが事故によって至った隻腕状態を再現したり、
その状態の右腕の付け根にシールドを取り付けたりと、個人的な依頼の産物故の嗜好的なギミックも追加されている。


量産型アストレイシリーズ

□MBF-M1 M1アストレイ

パイロット:アストレイ三人娘、ジャン・キャリー、他オーブ軍一般兵

オーブが建造した自国防衛用量産型MS。通称「M1」。
ヘリオポリスでのプロトアストレイ開発のノウハウを活かして地上オーブ本国のモルゲンレーテ本社で建造された。
試作機(特にレッドフレーム)を元に完成したが、当初はOSが未完成で、とてもナチュラルには扱える代物では無かった。
ジュリが回収(強奪)したレッドのデータとキラ・ヤマトの協力によりナチュラルでも操縦可能となったものの、
ロウ仕込みのクセのあるデータを参考にした為か時折おかしな動きを見せており、後に劾が手直しをして完成した。


□MBF-M1A M1Aアストレイ

パイロット:バリー・ホー、ソキウス、他

M1の派生機種で、同機を無重力下の空間戦闘用にカスタマイズした物。
M1に比べると生産数は少なく、主にアメノミハシラなどで運用されている。



アストレイシリーズの亜種

□MVF-M11C ムラサメ


M1の後継機として開発されたオーブ軍の主力機。
モルゲンレーテ社製でM1で培われた技術も投入され外観の意匠も似ているが、構造や機体特性はかなり異なっておりアストレイシリーズには属していない。


□MWF-JG71 レイスタ


ジャンク屋組合が開発した、民間用の作業用MS。
「オーブ解放作戦」の後、オーブの戦後復興に参加した謝礼として手に入れた大量のM1のジャンクパーツを用い、
元モルゲンレーテの社員で、アストレイの設計にも関わっていた技術者が設計し、開発された。
アストレイの設計をベースとしたこと、前述の通りM1のパーツを流用していることもあり、外観にはアストレイ系の面影がある。

作業用ということもあり、機体に固定武装はなく、開発元のジャンク屋組合も戦闘目的での使用を禁止している。
拡張性は非常に高く、脚部はクレーンに変形可能で、大型重機としても使用できる他、
背部には多目的プラグを有し、宇宙用スラスターを始め、使用目的に応じて様々なオプションを使い分けられる。
カスタムも容易で、特にゴーグルタイプが基本の頭部を所謂「ガンダムフェイス」のものに変更するカスタムは人気を博したとか。

なお、機体名の『RAYSTA』は『ASTRAY』のアナグラム。


シビリアンアストレイシリーズ


レイスタの後継機としてジャンク屋組合とDSSDが開発した民生MS。
アストレイの名を冠しているがオーブやモルゲンレーテが直接的に関わった機種ではない。
扱いやすく改造も容易なため、プロトアストレイに似せてカスタマイズされた機体などもあったりする。



その他

□YMFーX000A Xアストレイ(ドレッドノート)

パイロット:プレア・レヴェリー

ザフト軍が建造した核エンジン搭載MSの試作機。
建造時の機体名称は『ドレッドノート』で、『勇敢な者』という意味*6
破棄予定のところをマルキオ導師に秘密裏に譲渡され、導師の言う『運命の子』プレアに託された。
後に有線式ドラグーン兵装を追加装備された際、まるで背に巨大な「X」を背負っているかの如き特徴的なシルエットと、
本来殺人・破壊に用いられる兵器でありながら、パイロットのプレアが『人を助ける』ためにこの機体を用いることから、
追加装備ユニットを開発したロウによって『Xアストレイ』と名付けられた。

当然だがザフト製のため、5機の『G』を参考にしているということ以外にオーブのアストレイシリーズとの関係性はない。


□ZGMF-X12 アストレイ アウトフレーム

パイロット:ジェス・リブル、カイト・マディガン

ジェネシスα内部にあったテスタメントの予備パーツからロウが組み上げたMS。
発見時はフレームが剥き出し状態であったこと、連合・ザフト両陣営のMSの特徴を併せ持つ「規格外のMS」だったこと等からロウに「アウトフレーム」と名付けられたが、
「アストレイ」の方は、「アウトフレーム」という呼称がレッドフレーム等と似ているからなのか、ロウによってついでに付けられたに過ぎず、
「連合の『G』を参考にしている」という(薄い)共通点こそあるが、Xアストレイ同様に、こちらもオーブのアストレイシリーズとは無関係である。
本来の型番はフリーダム等のザフト製ガンダムと同様だが、核エンジン搭載機ではないので末尾に「A」は付かない。

最大の特徴は、ザフト製造MSでありながら背部にストライカーパックを装備・使用が可能なだけでなく、
「8」(ハチ)が設計した「マルチパック」というアダプターを使用すれば、ザク等が使用する「ウィザード」や、
インパルスが使用する「シルエット」といったザフト製の換装用装備も装備・使用が可能であるという点(共通して肩部装備は追加パーツが必要)。

また、組み上げる際にロウがジャンク屋組合の規約に則り、作業用MSとして仕様変更したため、
ビームライフルやサーベルなどの一般的な武装をしていない一方で、アンカーやビームサインなどのユニークな装備が搭載されている。
後に戦闘を視野に入れた改修を受け、「アウトフレームD」となる。


□GSF-YAM01 デルタアストレイ

パイロット:アグニス・ブラーエ

火星移住者「マーシャン」が地球圏の技術を使い開発した戦闘用MS1号機。
NJCを標準装備しヴォワチュール・リュミエールを使用することで従来機を遥かに上回る機動力を発揮する。
開発に関わったロウから「アストレイ」の名を付けられる。





なお、前述の通り機体名の由来となった「ASTRAY」はネガティブな意味合いを持つ英単語であるが、
レッドフレームを愛機とするロウは、この『王道ではない』という意味をポジティブに捉え、
『兵器としての王道を外れた、人を活かすためのマシン』というニュアンスでこの言葉を使っており、
自分自身がジャンク屋稼業や人助けなど、「兵器としての王道」たる人殺し以外の用途でレッドフレームを用いるだけでなく、
カナードを殺すためでなく救うためにプレアが用いたドレッドノートに『Xアストレイ』の異名を付けたりしており、
ロウのその姿勢に感化されて、彼以外にも「アストレイ」の名をポジティブに呼ぶ者もちらほら見られる。

この名は、決められた運命に抗う者達に贈られる勇気ある者の証なのかもしれない。





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最終更新:2024年09月04日 07:58

*1 この不祥事の責任をとってウズミは代表の地位から退くこととなったが、その指導力・影響力は依然強く、実質的な指導者はウズミのままであった。

*2 後に予備パーツとして、ゴールドフレームとの初戦で右腕を破損したレッドフレームの修理に用いられた。

*3 ただし、ジャンク屋という職業柄もあり、それらの装備を十全に扱えるように機体もロウにチューンされている。一例として、「ガーベラストレート」をM1アストレイが振るった際には、その直後に振るった方の腕部が故障し、機能不全に陥っている。

*4 それまで劾は任務の内容に合わせてMS・MAを使い分けていたことが語られている。

*5 ちなみに、これはブルーフレーム入手以前から劾が好んで用いている装備である。

*6 核エンジン搭載機の試作機であることから、『こんな機体に乗る奴は勇敢だ』という皮肉も込められているという。