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アヤナミレイ(仮称)

登録日:2022/09/18 Sun 21:38:06
更新日:2024/11/23 Sat 02:21:20
所要時間:約 11 分で読めます






ここ、本もないんだ。本とか読んでないの?


本?『綾波レイ』ならそうするの?




アヤナミレイ(仮称)とはヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q及びシン・エヴァンゲリオン劇場版:||に登場するキャラクターである。
当然劇中では「仮称」などと言われることはないが、クレジット名称等では括弧部分までで1セットの正式名称になっている。
「仮称なのに正式名称?」などとツッコんではいけない。


プロフィール

生年月日:不明
年齢:28歳(?)
身長:不明
血液型:不明
声優林原めぐみ


人物

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破にて綾波レイ第10の使徒に取り込まれた後 (14年の歳月を経ているが)に登場。

新たに登場したEVANGELION Mark.09を駆ってヴィレに収容されたシンジに接触。そのまま彼を荒廃したネルフ本部へと連れていった。

基本的な外見は14年前の綾波レイと変わっていないが乗っているエヴァが零号機から変わった為か、プラグスーツの色がを基調としたものに変わっており、それ以外の衣服を着ているシーンはほぼない。プラグスーツを纏っていない時は大抵の場合全裸*1
アニメ版および『破』までの新劇場版での彼女が身に纏っていた白のプラグスーツからの視覚的な変化が著しいため、一部視聴者からは「黒波」とも言われている。
なお、脚本での表記は「別レイ」

『Q』内ではエヴァでの出撃時を除いてずっとネルフ本部内に滞在しており、本部内一画に設置された試着室の様な天井なし・カーテンが出入口替わりの簡易的なブースを住まいとしているが、そこにすらもいないことが多い。
(なお、ブース内にあるのも寝袋とランタン、その他用途不明の機器のみという、以前のアパート以上の殺風景ぶりである。)


初号機内からS-DATが発見された事で第10の使徒からのレイ救出成功を確信していたシンジは彼女と接触したことで改めてそれを噛みしめ喜びを見せるが、肝心の彼女からはその事に対する反応は殆どない。

それどころかシンジを「イカリ君」とは呼ぶものの彼への対応は極めて事務的で、以前はよく読んでいた本にも関心を殆ど見せない。
彼女の行動原理は「命令」ただ1つであり、それにない行為は一切しないという、『序』の頃のレイに比べて更に希薄な感情の持ち主になっている。


その思考停止したような言動は元々激変した環境に起因する精神面での疲弊を見せていたシンジに困惑と苛立ちを抱かせるが……。








以下彼女の詳細に関するネタバレ注意
















ここでユイ君が発案したコアへのダイレクトエントリーを自らが被検者となり試みた。

君も見ていたよ。記憶が消去されているがな。

結果ユイ君はここで消え、彼女の情報だけがアヤナミシリーズに遺された。

『君の知っている綾波レイ』はユイ君の複製体の1つだ。

その娘もまた君の母親同様、初号機の中に保存されている。



そんな……!!




その正体はシンジの母親、碇ユイを元として大量生産されたクローン体「アヤナミシリーズ」の1体であり、『破』まで登場している綾波レイとは別人。

(彼女自身も自分が「綾波レイ」とは別個の存在であるという認識はあり、命令以外の事象として「綾波レイのかつての動向」には僅かながら関心を示している。)

アニメ版で言う所の「3人目のレイ」に近い存在であるが、あちらでは リリスの魂を肉体に取り込むことで「綾波レイ」として運用させていたのに対し、リリスは骸だけが残っている状態のため、どうやって活動をさせているのかは不明。(カヲルによると「魂の場所が違う」らしい。)

冬月から上記の真実を告げられたことで、シンジは(カヲルから世界の真実を聞かされて激しく動揺していた事もあり、)ニアサードインパクトによる大災害を引き起こしてまで助けようとしたレイを救えていなかった事実に絶望することとなった。

劇中の人物からは「ゼーレの暫定パイロットさん(マリ)。なおこの呼称の詳細は後述。)」「アヤナミタイプの初期ロット(アスカ)」「リリンの模造品(カヲル)」「アヤナミタイプNo.6(冬月)」と人と言うよりも物の様な評価をされている。
シンジも彼女が自身にとっての「綾波レイ」でない事を知った時点を境に彼女への対応もドライになっていっている。


本編での動向(以下ネタバレ注意)

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

物語後半、シンジ・カヲルの搭乗する13号機のサポート役としてMark.09に搭乗して彼等に随伴。
その際シンジが放った「綾波じゃないのに」と言う言葉に反応。自分の存在に疑問を抱き始めた。


その後は追ってきた改2号機の妨害やMark.06の頸部を切断して内に封じ込められていた第12の使徒の解放を(事前に下された命令として)淡々と遂行。

しかし第12の使徒が変形し、自身と酷似した模様を表出させた際には明確な怯えを見せ、それと同時にMark.09がアダムスの器として覚醒し、ただ目の前で自身が解放した第12の使徒、第13号機、そしてシンジが抜き取った2本のロンギヌスの槍によって始まったフォース・インパクトの様子を見ていることしかできなくなってしまう。
(マリが彼女を「暫定パイロット」と呼んでいたのは上記の点を見越して彼女を「アダムスの器覚醒までのMark.09の繋ぎの存在」と認識していたためで、覚醒前に一度彼女に脱出するよう説得を試みている。)

そうこうしている内にMark.09は「AAAヴンダー」に取り憑き始め(詳細はエヴァンゲリオン オップファータイプ参照。)、状況はさらに混沌と化すが、ここでAAAヴンダーの主導権を奪還する為にやってきた改2号機と接触。
それまでに感じてきた疑問をパイロットであるアスカに投げかけるが……



こんな時、『綾波レイ』ならどうするの?

知るかッ!あんたはどうしたいの!?


!! ……。



逆に彼女から自分の意思を問われたことが後押しとなり、はっきりした自我が芽生え、自らMark.09より脱出。

その後、フォース・インパクト沈静化後にエントリープラグ内で廃人状態となっていたシンジ、彼を無理矢理立たせるアスカに合流。
そのままアスカの「リリンが近づける場所」への移動に同行し、長い道を歩き始めた。
シンジが落としたS-DATを片手に持ちながら……。


シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

コア化した大地をシンジ・アスカと共に歩き続け、ニアサード・インパクトを生き延びた者達が集まって形成された集落「第3村」に到達。

これまでネルフ内で誰とも人間的なコミュニケーションを取って来なかったこと、そして自我が芽生え始めてきた事もあり、何にも関心を示さなかった前作と異なって目に映るもの全てに関心を抱き、純粋な問い掛けを投げかけるようになった。

なおシンジの言葉が心に引っかかったのか、自身を「綾波じゃない」と評しており、かつての綾波レイを知るトウジヒカリからは「(綾波の)そっくりさん」と呼ばれることとなる。


第3村に腰を落ち着けてからはトウジ宅で暮らすことになり、そこで田植えなどの農作業を中心とした仕事を住民たちと共に行う事になる。

時に汗水流して一緒に働くおばさんたちと交流を深め、時にネルフ内では読む事のなかった本を読み、時にヒカリからいくつもの「おまじない」の言葉を聞き、その意味を噛みしめたり、時に「綾波でない」と再定義した自分に新たな名前を付けようと考えたりするなかで、いつしか彼女の純粋な性格はより明確なものに変化し、シンジへの関心も以前より強くなり、彼とも積極的にかかわろうとし始める。*2




イカリ君はなぜ村に戻らないの?

イカリ君もここで何もしてない。あなたもこの村を守る人なの?

守ってなんかいない。何もかも僕が壊したんだ。

もう何もしたくない。話もしたくないんだ!

もう誰も来ないでよ!僕なんか……放っておいてほしいのに。

何でみんな……こんなに優しいんだよ……




イカリ君が好きだから。


えっ……?


ありがとう。話をしてくれて。

これ、仲良くなる為のおまじない。



シンジのもとを訪れる内に彼女の「作られた好意」は誰にも彼の閉じ切った心を氷解させ、彼の絶望からの再起の第一歩を踏み出させるのだった。

その後も第3村での彼女の生活は続き、「自分の名前」の命名をシンジに頼む、プラグスーツ以外の服*3を着る様になる、「ここにいたい」とはっきり口にするなど、人間らしさを開花させていくが……。




外部出演

現状では『Q』がいるだけ参戦の形で初参戦した『第3次Z天獄編』のみの参戦。同作のクレジットは(仮称)部分なしの「アヤナミレイ」名義。
搭乗機体は「アダムスの器」と化す前のEVANGELION Mark.09。性格は『Q』時点の命令にのみ従う状態が反映されており、セリフもかなり少ない。
『時獄篇』でのレイしか知らない他作品キャラはニアサードインパクト以降の彼等に何があったのか知らなかったため、変わらず接しようとしたところで
「こんな時、綾波レイならどうするの?」と返された際には愕然としていた。

コラボイベントにて水属性のウォリアーとしてMark.09の武装である大鎌を引っさげて登場。
火力自体は低めに設定されているが、代わりに「3秒毎に最大HPの5%を消費する代わりに、その間に敵から受けるダメージが0になる。」能力を持っているため、耐久は高い。
コラボイベント本編クリアすることで技・ステータスが同じである「綾波レイ」を入手できる。


余談

  • アニメ版でのアスカを知る人からすると、「命令だけに従い、行動する」というアヤナミレイ(仮称)の当初の行動は(アニメ版や『破』までのレイ以上に)彼女の嫌悪の対象になりそうなものであり、更に『Q』時点では陣営上対立する立場にあったにもかかわらず、意外にも新劇場版内での2人の関係はそれほど険悪ではない。

  • 冬月の発言から彼女はアヤナミシリーズ内での6番目の個体という事が分かる。そこで「じゃあ他の5人は?」と思う人もいるかもしれないが、『破』までのレイ、及び空白の14年を断片的に描いた『Q』の予告で現れた4人のレイをカウントするとちょうど5人になる為、彼女達がNo.1~No.5になるものと思われる。

  • ネルフ内の彼女の部屋に置いてある段ボール箱の中には制服らしきものが入れられており、それは『Q』予告で14歳のレイが着ていたものに似ている。なお、この制服はテレビ版最終話で描かれた「もう一つの世界」で「性格の明るい転校生のレイ」が着ていたものであり、考察の対象となっている。




「追記」って、何?

そうね…「もっと素敵な項目にする」ためのおまじない。


じゃあ、「修正」って、何?

うん…「次また項目を読んでもらう」ためのおまじない。


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最終更新:2024年11月23日 02:21

*1 居住ベースを見る限り制服等は残っているので、自発的に着ようとしない模様。

*2 アスカからはその好意は「アヤナミタイプ」の先天的に仕組まれた感情だと指摘されるものの、その上で好意を肯定している。

*3 第3新東京市立第壱中学校の制服、恐らくヒカリの着ていたもの。

*4 一度彼に返そうとしたが、心を閉ざしきっていたシンジに拒絶され失敗に終わっていた。