スマホやMacにも対応した「RPGツクール」最新版「RPGツクールMV」 20
ストーリー by hylom
簡単に世界に向けて公開できるご時世 部門より
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あるAnonymous Coward 曰く、
PCやコンシューマゲーム機などさまざまなプラットフォームでリリースされているRPG製作ソフト「RPGツクール」の最新版「RPGツクールMV」が12月17日に発売される。現在βテスト申込みが行われており、60日限定体験版を発売前に利用できる(Engadget Japanese)。また、Steam版はすでに購入が可能になっている模様。
RPGツクールは20年以上の歴史があるゲーム製作ツールだが、RPGツクールMVはシリーズとしては初めてMac OS Xでも動作し、さらに作成したゲームはexe(Windows)およびapp(Mac OS X)、apk(Android)、ipa(iOS)、HTML5といった形式で出力可能。AndroidおよびiOS向け形式の出力ではGoogle Play/App Storeでのリリースも可能だという。
機能的にも大幅に強化されており、またプラグインでの機能拡張も可能とのことで、今後これを利用して製作されたスマホ向けゲームがどんどん登場してくるかも?
ツクールMV 大雑把にレビュー (スコア:5, 参考になる)
公式ページでは「Android/iOS/Windows/Mac対応」と書かれていますが、実際はAndroidはPython + Javaでapkパッケージを作成。iOSはCordovaを用いてipaパッケージを生成します。
Windows/Mac版は NW.js で出力しています。これはRPGツクールMV側で最後までパッケージングしてくれます。
HTML5 + JavaScript + JSONで元データは作成されており、元データ = HTML5版となっており、アップロードするとそのままブラウザで遊べます。
「HTML5版」と言いつつも、フォルダ構成はCordovaのそれと酷似しています。
つまりスマホ版は外部ソフトをインストールして、自分でHTML5版→スマホ版に変換。というわけです。
マニュアルでの記載はなく当方未検証ですが、Windows App版はHTML5変換から作る事が出来るでしょう。そしてAndroid版もCordova経由でパッケージングできる感じです。
ウェブサイト上にはあたかもツクールMV本体がAndroid版, iOS版を出力できると誤認させる表現ですが、実際は上記のように、外部のソフトウェアを用いて変換を行います。これについてはSteamのレビューでも「誇大広告的だ」と批判があります。
Web Audio APIを使っている為、Internet Explorerやレガシーなブラウザでは動作しません。
またFPSはそこそこ安定していますが、特定の状況(たとえば海マップ)などでは遅延が確認されており、今後修正されるか注目しています。
ちなみにツクールMV本体は Qt で開発されています。
メモリは常時150MBから250MBほどを使用します。まだ巨大なゲームデータを扱った事がないので分かりませんが、ちょっとしたミニゲーム程度ならば、これくらいのメモリ量です。
ツクールMV本体および出力されたゲームが重たいという批判もあるので、レガシーな環境をお使いの方は、ちょっと注意した方が良いかもしれません。
私はMac Book Pro 15inch RetinaやCore i5のWindowsデスクトップで検証しましたが、それらでは重たいとは感じませんでした。
なおSteam版では Mac/Windows をサポートしていますが、PlayOnLinux + Steam を使えば Linux からも制作が可能です(当方未検証ですが)。
留意点として、暗号化も注目ポイントです。
Android/iOS出力などと同じように、暗号化も外部ソフトウェアを使います。公式マニュアルではThe Enigma Protectorが推奨されており、Virtual Boxでラップする方式です。無料版もありますが、暗号化機能は有料です。
基本的に生のHTML+JavaScriptなので、簡単に中身のデータにアクセスできてしまいます。ゆえに暗号化については有志が研究を行っている所です。
たとえばプラグイン + SWF形式で難読化や、JavaScript難読化や、あるいはWEB版のみならユーザ登録 + 画像透かしとか、いくつか手段が考えられますが、発展途上です。
シェアウェアや権利を重点的に考えるなら、もう少し様子見をした方が良いかもしれません。
発売から3日間ふれた中間総括ですが、RPGツクールMVは面白いツールです。
初心者でもゲーム制作が出来る。という従来の利点(特にマップエディタは他ツールに比べ素晴らしいです)はありつつ、上級者は様々なツールと連動して、開発環境を拡充していけます。たとえば Visual StudioやJenkinsやGitなどと組み合わせて、好みの開発環境にグレードアップできる幅が生まれました。
過去のツクールシリーズはRGSSスクリプトは使えるものの、外部ツールとの連携が弱かったです。凝った作りをするなら、ツクール以外の制作環境に移行する方が適切でした。その弱点がかなり克服されたと思います。
一方で「単純な初心者向けツールではなくなった」とも言えるので、過去のツクールとはかなり異なったものと捉えるのが適切でしょう。
商業ゲームやインディーズゲーム開発で使える程のものか。という点は、まだまだ検証やプラグインの拡充が必要です。もう少し様子見と研究が必要です。
しかし「はじめてゲームを作る」という人にとってはJavaScriptの良い勉強教材にもなるし、上級者にとってはモックアップ作成で大いに使えるでしょう。
英語公式フォーラムでは発売から3日で50個を越えるプラグインが公開されており、熱狂が伝わってきます。この熱がどれほど続くか、どのように影響するか、はまだ分かりませんが、期待されているツールである事に違いないと思います。
さて、日本語版の発売日は2015年12月17日です。
いち早くツクールMVを購入したい人は、Steamか海外パブリッシャーのDegicaから購入する事になります。
もし複数デバイスでの開発をするなら、Degicaからの購入をお勧めします。Degicaネットショップからのダウンロード + Steamキーがついてきます。
あとでブログなどで詳しい開発レビューを書く積もりなので、知りたい人は私のサイトにお越し下さると幸いです。
魂はゲームと共に。ゲームコンテストとかやってます。 http://tomotaka.tk
Re: (スコア:0)
いきなりですみません。
体験版をDLしたのですが、
TOPからエディタを開こうとすると何度やってもRPG Maker MV は動作を停止しました
と出るのですが原因がわからないんです。
スペックは満たしてるはずなんですが・・・。
Re:ツクールMV 大雑把にレビュー (スコア:1)
2015年11月8日現在、RPGツクールMV(海外版名称はRPG Maker MV)は以下の4つの形態で販売・配布されており、それぞれバージョンが微妙に異なります。
傾向として(頻繁)1→2→3→4(遅い)の順番で、アップデート頻度に差があります。つまり、RPG Maker MV海外体験版は、まだ発売当初の1.0.0からアップデートされていない可能性があります。私の手元にあるRPG Maker MV 海外degica版も発売後からアップデートされていない上、再ダウンロードリンクもありません。Steaam版より3バージョンくらい遅れています。
RPG Maker MVは、まだ出たばかりのソフトウェアですし、販売開始当初は「起動できない」という不具合を訴えるユーザが散見されましたので、もしかしたらあなたも何かその症状にあたったのかもしれません。
RPG Maker MV海外degica体験版の再インストールや、Windows自体のクリーンインストールをしても無理ならば、今後発表されるRPGツクールMV日本語版体験版(11月中に公開予定)を待つか、RPG Maker MV 海外degica体験版のアップデートを待つ他ないと思います。
なお、RPG Maker MV(海外degica版,海外degica体験版, 海外Steam版)については、以下のURLでバグ報告や改善が報告されています。ご参考までに。英語ができるなら、直接海外フォーラムで問い合わせるのも良いと思います。
http://forums.rpgmakerweb.com/index.php?/topic/47503-rpg-maker-mv-debugging/ [rpgmakerweb.com]
http://forums.rpgmakerweb.com/index.php?/topic/46333-official-bug-report/ [rpgmakerweb.com]
http://store.steampowered.com/news/?appids=363890 [steampowered.com]
以上、ご回答になりましたでしょうか。
魂はゲームと共に。ゲームコンテストとかやってます。 http://tomotaka.tk
Re: (スコア:0)
ご丁寧にありがとうございました。
日本語版の出るのを待ってみることにします。
課金 (スコア:2)
キャリア課金やショップ課金に対応してくれていたら
これをベースに開発するところは増えるかもしれませんね。
Re: (スコア:0)
通信周りは踏み込んでいないようなので対応するにしても次のバージョンくらいですかね。
ただ他のゲームエンジンでのノウハウがそれなりにたまってきている今となってはちょっと魅力に欠けるような気が…
Re:課金 (スコア:1)
マルチプラットフォームのエンジンとしては割と優秀じゃね?
これなら現実的に殆どハード選ばないし(ゲーム専用機は除く)
PS系は難しいとしても箱360・箱Oneにも対応したら完璧だったのになぁ
Re:課金 (スコア:3)
PS系は難しいとしても箱360・箱Oneにも対応したら完璧だったのになぁ
XboxにはIE10があるじゃないか!HTML5!HTML5!
Re:課金 (スコア:3)
ん?
AndroidおよびiOS向け形式の出力ではGoogle Play/App Storeでのリリースも可能
このタレコミはどこの情報なんだろう?
サイトには別途開発環境を用意してご自身でパッケージングの工程を行う必要があると書いてある。
http://tkool.jp/mv/new_function/index.html [tkool.jp]
なお、Android端末、iOS端末専用のアプリとして動作させるには、それぞれの開発環境を別途用意し、ご自身でパッケージングの工程を行っていただく必要があります。
Re: (スコア:0)
アプリそのものは出力できて、出力したものを開発環境等を使ってマニフェストの編集やら何やらを行ってパッケージング、それをGoogle Playで公開できます、とかじゃない?
iOSはちょっとわからないけどソースで出力できてXcodeでビルドすればいいとかじゃないかな(iPhoneの知識はだいぶ前で止まってるので今もこれが正しいかわからん)
Re: (スコア:0)
アーキテクチャ的には今のPS4とXbox OneはほぼPCに近いのでPC版からの移植はしやすいと聞きますが実際どうなんでしょう。
それよりも、公式サイトのスクリーンショットを見る限り昔の作りと大して変わってないのがちょっと気になります。せいぜい今の環境にちょっとだけ対応しているくらいで、マップの構成方法を例にあげれば、ブロックをグリッド状に並べる手法のまま変わっていないように思えます。画面解像度も4桁にすら到達していないのはちょっと……。
全体的なデザインもちょっと古臭いというか、Webサイトのデザインはモダンなのに、それと合ってない感じがあります。
# まあ一部の優れたシステムをもつゲーム以外、大抵はこれくらい単純なものだと言ってしまえばそうなのかもしれませんが……
Re:課金 (スコア:1)
アーキテクチャの問題というよりはXbox Oneはインディーズアプリの配信が可能だけど、PS4の場合個人で気軽に [playstation.com]というわけにはいかないからそっちが問題。
一応、PLAYISM [playism.jp]というのもあるけど、これもローカライズやら何やらのサービスがついてるようなので個人でできるのか?というとイマイチだし。
Re:課金 (スコア:1)
高解像度化すると、その分ドット絵を開発するのが難しくなりますからね。収益を見込んだ開発ならともかく、ツクールは基本的に個人による開発を前提としているようなので、ツクール界隈で配布されている素材の流用なども考えてあまり劇的な変化は避けたのでしょう。
#ツクールXPで96*128ドットのキャラを作ろうと思って挫折したのはいい思い出
Re: (スコア:0)
なにも1ドットを1ピクセルで表現する必要はないですから
Re: (スコア:0)
整数倍にすれば何の問題も無いだろう
今までが544*416みたいだから2倍で1100*800、3倍で1500*1200
十分だよ
Re: (スコア:0)
今のドットゲーの時流を見てると単純な高解像度にするよりもライティングが非常に重要な感じですね
2Dでもポストプロセスが求められる時代とも
RPGツクール5の後継はまだ? (スコア:1)
PS2で発売されたRPGツクール5の後継となる、見下ろし型3DのRPGツクールの新作が欲しいです。
といっても、RPGツクール5は操作が複雑・面倒すぎてアレでしたが。
ニンテンドー3DSのポケモンのようなタイル(?)ベースのシステムにすれば、そこまで複雑にはならないと思います。
steam版は日本語UIなしか (スコア:0)
まぁ、予想されたことではあるけどさー
chrome必須ならいらないかな (スコア:0)
まぁ、好きな人がやるんだからどうでもいいんじゃないかなl
HTML5を使うということならば当然 (スコア:0)
Chrome、およびHTML5ブラウザが必要なのは
HTML5を中心とした仕様からみればおのずとわかってたはず
そして、普段ブラウザを使っている人ならばわかるようにHTML5自体が相当なスペック食いであり
古い環境を一切省みない仕様になっているのでレガシーな環境はプレイ段階で躓くようになってます
拡張の結果、一体どんなゲームが出来上がるか分かったものではないので
開発環境はできる限りゲーミングPC級の高いものを用意するのが万全だと思われます