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2009/09/17

Ford: Online Monitoring

先日、アップした「Twitter Report」の「Branding & Awareness」にFordを取上げた。

参考:Twitter Report (Online Ad 2009/09/11)

そのFordのケーススタディを詳しく見てみたい。
















まず、2008年12月9日、18:10、Ford RangerのファンサイトであるThe Ranger Stationから火の手が上がった。














その種火は、Fordの法務部門からサイトへ送られた「警告状」だ。これはサイトオーナー、Jim Oakesに対してWebを閉鎖、URLを返上し、5,000㌦を支払えというものだ。何が何だか分からないJimは、サイトのユーザフォーラムでうっぷんをぶちまけたところ、その後の22時間で916回のレスポンスを受けた。この火種はWeb、Blog、フォーラム、SNS、Twitterと様々なチャネルを通して延焼していった。

12月10日、5:30、Fordのグローバルデジタル・マルチメディアコミュニケーションマネージャ、Scott Montyは通常通り、Twitterをチェックしたところ、ひとつのTweetが1:30から待っていた。
上は、Jim OakesのオリジナルエントリをアップしているFordの別ファンサイト、FocalJetへリンクされている。別にScottには別のファンサイト、Mustang Evolutionにある類似エントリを知らせるDMもあった。野火がファンサイトからファンサイトへ飛び火、延焼していた。FordのカスタマーサポートセンターにはJimのオリジナルエントリを出火場所とする1,000通以上の苦情emailが殺到していた。

Scottは午前中一杯、内外の状況把握に努めていた。そのステータスをTwitterで発信している。
そして、彼は、ある程度、状況が把握できた時点で下のTweetを行っている。これが最初の消火活動となっている。それは「fordファンサイトに関する法的手段に関して関心を寄せる方へ:現在、法務と問題解決の交渉中」というメッセージもそうだが、画期的なポイントは、「RT乞う」というメッセージだ。
その時点でScottのフォロワーは5,600人。そのうち19人が彼の要請に応えてRTした。その19人が抱えていたフォロワーは13,400人。

その後も、Scottは法務からのフィードバックを供給し続けている。曰く、「法務からは全く別の話が分かってきた」、「サイトオーナーからチャンと返事がもらえていなかった。これにはもっと深い問題がある」「サイトで偽物が売られていたことが分かった。URLに関しては調査中」
ScottはTweetの間に社内の法務とコンタクトして、「サイトでFordのロゴを付けた偽物が売られていたという警告状送付の理由、URL返上・サイト閉鎖や5,000㌦要求は法的手段に訴えるという脅し」だったことを確認している。

ようやくここまで原因調査や火災消火の方法、今後の対処などが決まると、ScottはJime Oakesに直接、電話している。これまでの状況を説明し、これからの対処を説明し、Jim側の話も聴取している。双方が対処方法に納得したのち、ScottはTweetしている。
その後もTweetを続け、Scottが鎮火を宣言したのは翌日の2:29だった。Ranger Stationでの発火から鎮火まで、22時間26分かかったことになる。

Source:RonAmok / Ford, Fansites, and Firefighting
Source:RonAmok / The Ranger Station Fire: How Ford Motor Company Used Social Media to Extinguish a PR Fire in Less Than 24 Hours.

Ron Amokは、
  1. Everything is Public
  2. Company don't talk: People do
  3. Without Support: New Media Fails
を挙げてまとめとしている。

Ron Amokは、上の3点を挙げ、下の7点を比較してROIを出せとしている。
  1. Scott Montyはこの問題解決にあたり19時間を費やした
  2. 彼は問題の原因調査を主導した
  3. 彼は複数のミーティングを開催した
  4. 彼は複数の電話をかけた(サイトオーナーJim Oakesへも)
  5. 彼は138回、今回の問題に関してTwitterにメッセージをアップした
  6. 彼はフォロワーに助けを請い、フォロワーは合計32,332人へメッセージを転送した
  7. 彼は今回の問題を24時間以内に完全鎮火、解決した
これらにかかったコストと、今回の問題が解決されず放置され、オンライン史上最大の大火となり、販売台数減少、ブランドイメージ・価値・評価が地に落ち、マスメディアを駆使した販売・イメージ回復キャンペーンに費やした総コストを比較した場合、そのROIはどうなるのかと。

彼の3点に
  1. ソーシャルメディアスペースにおけるリスク管理
  2. オンラインモニタリングの重要性
  3. RT (ReTweet)効果
  4. ソーシャルメディアマーケティングの人員・組織・予算化の必要性
を付け加えたい。

特に、リスク管理にソーシャルメディアを取り込んでいる米企業もまだ13%でしかない。ハドソン川の奇跡を伝えたTwitterが、企業に牙をむくのは今日かもしれない。
Source:Source:Russell Herder / EMBRACING THE OPPORTUNITIES,
AVERTING THE RISKS

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