出典:Marketing-Interactive.com / Japan Picks Digital Lead For Tourism Push
それによると、6月にコンペが行われて博報堂が8月から観光庁の公式Webサイト、Facebookページ、オンライン広告などを担当するようだ。博報堂によるとページに対する「いいね!」は昨年倍増したそうだ。
どんなFacebookページかと言うと下のようになっている。
さて、ここで見てもらいたいFacebookページがある。
これはマレーシアの首相、Najib Razak氏の公式Facebookページだ。
昨年7月、この首相のFacebookページに噛みついていたKent Ong というマーケティングコンサルタントがいる。「A Letter to Datuk Seri Najib on Social Media Marketing」という公開書簡を自身のBlogで公開していた。
出典:Human Website / A Letter to Datuk Seri Najib on Social Media Marketing
何に噛みついていたかと言うと、それは首相のFacebookページに対するファン・ユーザの投稿、ページ投稿に対するファン・ユーザのコメントに対してまったくレスポンスが見られないことだ。
まず初めに、首相にソーシャルメディアマーケティングの基本を知ってもらいたいと始めて、
ソーシャルメディアマーケティングの基本は、コミュニケートすること、エンゲージすることなんだ!
今は会話の時代であり、ブロードキャスティング時代ではないのだから、マレーシア国民はあなたと話し合いたいんだ。
あなたはFacebookのようなソーシャルネットワーキングサイトで国民を無視している。あなたと国民の間にエンゲージメントは全くない。
忙しすぎて時間がないのならFacebookは止めた方がいい。無意味だ。とこき下ろしている。
全くその通りと一年遅れの拍手を送るしかない。現在、100万人以上のファンを集めている首相のページだが、オバマ大統領・鳩山首相(当時)など諸外国首脳との会談、国際会議出席、外遊実績などが強調されている。しかし、投稿やコメントに対してレスポンスは見えない。彼の言うとおり、ブロードキャスティング=メガフォンマーケティングをしているだけだ。
そこで再度、Visit Japan InternationalのFacebookページをよく見てみると、まず、ファン・ユーザが自由にウォールに投稿できない。
ハイライトをクリックしても、普通なら表示される「他のユーザーの投稿」が表示されない。そう、ファンやユーザが自由にウォールに投稿することはできないのだ。ユーザとのコミュニケーションやエンゲージメントを積極的に受け入れる門戸は閉じられている。
次にページ投稿に対するコメントだが、コメントすべてをチェックしたわけではないが、Visit Japan Internationalからのレスポンスがまったくないように見える。「いいね!」の数より、コメントやシェアを増やすためにもユーザコメントにきちんと対応しなければならないのだが、そういう体制はなく、対応されていないようだ。
Kent Ong に言わせれば、「マレーシア首相のFacebookページよりも対応レベルは低い」としか評価されそうにないのがVisit Japan Internationalのページのようだ。
もうひとつ、Kent Ong が噛みついてる点がある。それはTourism MalaysiaがFacebookのみをコミュニケーションチャネルとしていて、LinkedInを使っていない点だ。彼に言わせれば、
LinkedInに参加しているユーザの多くは決定権者だ。CEO、取締役、ゼネラルマネージャ、人事マネージャ、オーナー達だ。
Tourism Malaysiaは、Cuti-Cuti Malaysia(Visit Japanと同様のキャンペーン)グループをLinkedInに持つべきだ。 そこで、これら決定権者とコミュニケートし、エンゲージすべきだ。
Tourism Malaysiaは、Cuti-Cuti Malaysiaを取上げている人々、マレーシアへの旅行について話している人々を探し、彼らの声を聞き、その中に参加しなければならない。フォーラム、ブログ、Facebook以外のソーシャルネットワーキングサイトでもソリューションを提供しなければならない。
Facebookページをオープンして、ただカスタマーを待つだけというのは止めろ。ソーシャルメディアは彼ら(顧客、旅行者)のためのものであり、Tourism Malaysiaのためのものではないんだ。これもまったくその通りと拍手を送るしかない。
どこの国でもレガシーメディアを長年使ってきた経験のあるユーザは誤解し続けている。数の論理がどこまでも通用する時代ではなく、ネガ・ポジであれ、清濁併せてモニターし、対応しなければならない時代に入っていることを理解していない。
理解した上で、ステークホルダーに一番近いスペースに参加し、声を聞き、会話しなければならない。参加もせず、聞きもせず、会話しないのであれば、それは自身に対するネガティブキャンペーンにしかならない。
願わくばマインドセットを転換し、Kent Ong の叫びがマレーシア首相やTourism Malaysiaだけではなく、日本のVisit Japan Internationalや博報堂にも伝わることを祈るのみだ。