スマートフォンやタブレット端末といった、いわゆる「スマートデバイス」を意識したWebサイト制作はもはや常識となっている。各企業のWebサイトは、次のような方法でスマートデバイスに対応していることがほとんどだろう。
- スマートフォン向け専用サイトを構築する
- レスポンシブWebデザインで Webサイトを構築する
- viewportを調整する
Web Professionalでは、2011年2月、有名企業のWebサイトがスマートフォンにどのように対応しているかを紹介した。
- 絶対見ておきたい有名企業のスマホサイトまとめ
- http://ascii.jp/elem/000/000/590/590502/
- スマホサイトを作る前に見たい国内38社の実例
- http://ascii.jp/elem/000/000/591/591725/
これらのサイトは、2年経ってどのような変化を遂げたのか。本記事では、取り上げたサイトに再び訪れ、サイトデザインのトレンドがどう移り変わったのかを観察。日本のスマホサイトの「BEFORE & AFTER」を紹介しよう。
半数以上のサイトがリニューアル
まず、調査したサイト数に対してリニューアルしたサイトと、大きくは変化していないサイトを分類してみよう。
- 調査サイト数
- 64サイト
- スマホサイトを大幅にリニューアルしたサイト
- 32サイト
- レスポンシブWebデザインでリニューアルしたサイト
- 1サイト
- スマートフォンサイトがなくなったサイト
- 3サイト
- 変更なしまたは微調整に留まっているサイト
- 26サイト
- 閉鎖・移転等(キャンペーンの終了などによる)
- 2サイト
64サイト中、37サイトが何らかの形でリニューアルしたことになる。まず、「リニューアルしなかったサイト」から見ていこう。
リニューアルに腰が重い大規模サイト
2年前から大きくリニューアルしていないWebサイトに多いのは、ECサイトやニュースサイトなど、比較的規模の大きなWebサイトだ。
「楽天市場」や「NAVER」、「CNET Japan」といったサイトは、2年前にすでに完成されていたこともあり、今も大きな変更はない。膨大なユーザーが毎日のように訪れるからこそ、大きな変更は加えずに、細かなチューニングを続けているのだろう。
before |
after |
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2011年2月 | 2013年3月 |
同様に、「三菱UFJニコス」や「JCB」、「三井住友VISAカード」など、金融系のスマートフォンサイトも大きく変わっていないサイトが多かった。
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after |
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2011年2月 | 2013年3月 |
クルマの情報はスマホではなくPCで見る?
一方、企業によって取り組みに差があったのが、自動車メーカーのサイトだ。「ホンダ」や「ポルシェ」などは2年前と大きく変わらないが、「三菱自動車」のようにスマートフォンサイトを廃止した企業もある。
before |
after |
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2011年2月 | 2013年3月 |
また、業界最大手の「トヨタ自動車」は、一貫してスマートフォンサイトを用意していない。
スマートフォンサイトが充実している「日産自動車」についても、アクセス直後はPCサイトを表示した上で、「スマートフォン版はこちら」とリンクを設けて、スマートフォンサイトへ誘導する形を採っている。
こうした背景には、自動車メーカーにとってのメインターゲットが30代以上の男性であり、また、扱っている商品が高額であることから、じっくりと検討するユーザーが多いことが考えられる。現状ではスマートデバイスに比べて、PCのブラウザーを利用するユーザーの比率が高いのだろう。
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