「信長の庶子」の書籍版が無事完結するとのことなので、楽しみに読んでいる&読んで楽しかったなろう系歴史小説を順不同に紹介する。
壬生一郎:「信長の庶子」(完結済)
- 時代区分:日本、戦国時代
- 小説家になろう「信長の庶子」
- 書籍版 ヒストリアノベルズより全7巻(リンク)
書籍版1巻の紹介文より。
時は戦国。織田信長の長子 帯刀は、 母の身分が低すぎて家を継げない運命にあった。
彼の望みは、家族兄弟仲良くすること、 戦乱が早く終わること。
『狐』と呼ばれる母 直子から 摩訶不思議な謎知識を教えられ 織田家や領民たちを助けていく。
それはやがて父 信長を、昇り竜のごとく 天下へと駆け上がらせて・・・!?戦国IFエンタメの決定版!
現代知識チートなのだけど、主人公自身が現代知識の保持者ではないというのが面白い。対人間なので、そんな簡単に圧倒できるわけでないというのもスリリング。私は美食でな仲間を増やしているする描写が大好きなので、それらの描写もよかった。
イスラーフィール:「淡海乃海 水面が揺れる時」(連載中)
- 時代区分:日本、戦国時代
- 小説家になろう「淡海乃海 水面が揺れる時」
- 書籍版 TOブックスより続刊(リンク)
書籍版1巻の紹介文より。
一五五〇年。足利将軍家が三好家に追放され、室町幕府の崩壊が始まった歴史的な年。近江にある小領地・朽木にわずか二歳にして当主へ就任した少年がいた。その名は朽木基綱【竹若丸】。実は歴史好きな現代日本人の生まれ変わり。天下布武に想いを馳せる彼の前には、財政難、人材不足、狡猾な他領の計略など数々の試練が襲いかかる。だが、歴史を知る基綱は屈しない。圧倒的な知識と交渉術、豪胆さを武器に乱世を駆け抜けていくのだった。
史実に埋もれた、稀代の軍略家が日本史を塗り替える!信長、秀吉、家康の三英傑を救った唯一人の戦国武将・朽木基綱の生涯を、大胆に描く大河ドラマ誕生!
紹介文どおりの大河ドラマ。本当に面白い時代小説だと思う。私はなろう系時代小説はこの作品から読み始めたので、その完成度と面白さに度肝抜かれた。大好きで更新や新刊を楽しみに待っている作品。
私の戦国~江戸時代感は、基本が信長の野望の武将ファイルからスタートし、時代小説として山岡荘八「徳川家康」「伊達政宗」、山田風太郎の忍法帳シリーズ(特に柳生十兵衛3部作)、隆慶一郎の一連の著作、山本周五郎の一連の著作、吉川英治「宮本武蔵」あたりを読み、あとは、ちょこちょこ面白げな新書や中公新書を眺めるみたいな感じだった。このため、「淡海乃海 水面が揺れる時」で重要視されている当時の朝廷の知識がぼっこり抜けていたので「こういう風に使うのか」と感心しきりだった。
複数のなろう系時代小説を読む楽しみとして、同じ人物をどのようにとらえて扱うのかというのがあり、作品ごとに足利義輝・義昭、近衛稙家・前久が性格も能力もがらっと変わるのが面白い。
イスラーフィール:「羽林、乱世を翔る(異伝 淡海乃海 水面が揺れる時)」(連載中)
- 時代区分:日本、戦国時代
- 小説家になろう「羽林、乱世を翔る(異伝 淡海乃海 水面が揺れる時)」
- 書籍版 TOブックスより続刊(リンク)
書籍版1巻の紹介文より。
1550年。足利将軍家が三好家に追放され、室町幕府の崩壊が始まった歴史的な年。近江にある小領地・朽木の次期当主・竹若丸(2歳)には領地を豊かにし民を笑顔にする夢があった。実は歴史好きな現代日本人の生まれ変わりである彼にはそのための知識もある。だが、父晴綱の戦死によってその願いは脆くも崩れ去る。次期当主の座も住まいも剥奪され、公家へと養子に出されたからだ。生きる意味を失った諦念の中、彼に怖いものなどない。大家に啖呵を切り、関白の懐刀として名を轟かせていく。
その折、竹若丸はとある男と出会う。──天下人の夢半ばで散った武将、織田信長。この邂逅が新たな天下布武を作り出す。最強の武将と異端の軍師の誕生の瞬間を刮目せよ!
大人気戦国サバイバル「淡海乃海 水面が揺れる時」の外伝、開幕!!
「淡海乃海 水面が揺れる時」のもしもバージョンの作品。私はもしもバージョンはあんまり好きじゃないので読む気がなかったのあけど、「淡海乃海 水面が揺れる時」の合本版を買ったときに1巻が含まれていたので、もったいない精神で読んだところ面白く、更新や新刊を待つようになった。「淡海乃海 水面が揺れる時」に比べて主人公の性格は冷酷気味。
槐:「福島勝千代一代記:冬嵐記(完結済)、春雷記(完結済)、春暁記(連載中)」
- 時代区分:日本、戦国時代(信長の親世代)
- 小説家になろう「福島勝千代一代記」
- 書籍版 「冬嵐記」がモーニングスターブックスより続刊(リンク)
書籍版1巻の紹介文より。
交差点で事故に遭ったことは覚えている。でもその後は……? まさか憑依? 転生? 混乱しながらも、今の己の身体が戦国時代に生きる勝千代という名の幼子であると理解した自分。だが、勝千代は城主の嫡男でありながら、父の側室や異母兄たちから虐待され、今にも死にそうなありさまなのだ。なんとしても幼いこの身体を死なせてはならない。勝千代の中の人である四十路男は、知恵を振り絞り、必死に勝千代を生き延びさせようとするが!?
戦国時代に迷い込んでしまった現代人による、ヘルモード・サバイバルから始まる戦国成長物語!
「淡海乃海 水面が揺れる時」の主人公のように現代知識チートするわけではなく、ちゃんと日本史勉強したぐらいの現代知識で戦国サバイバルする物語。大人の精神・思考が幼児に宿る点がチート要素。この主人公は一体誰に該当するのかを知りたくて大石 泰史:「今川氏滅亡」の家系図や登場人物と照らし合わせていた。史実どおりにものgたりが進むのか、それとも史実改変で進むのか、ワクワクしながら読んでいる。ゆうきまさみ :「新九郎、奔る!」も読んでいるので、今川家舞台のなろう系時代小説が楽しい。
今は「春暁記」の更新を楽しみに待っている。「冬嵐記」の書籍も新刊が続いてほしいところ。
楼那:「東海の覇者、桶狭間で没落なれど」(連載中)
- 時代区分:日本、戦国時代
- カクヨム「東海の覇者、桶狭間で没落なれど」
- 書籍版 :なし
カクヨムの概要より。
1560年、尾張国桶狭間にて歴史に残る戦があった。片や勝者として名を残し、片や敗者として没落していった。史実では当主今川義元亡き後、跡を継いだ今川氏真の代で歴史から大名今川家は姿を消すことになる。しかしどういうわけか、この世界にとあるイレギュラーが生み落とされた。前世いや正しくは後世の記憶を持つその男『一色政孝』が今川家の立て直しに動く歴史改編ストーリー。
今川家舞台のなろう系時代小説。主人公が現代知識チートする(経済)。戦うと案外苦戦する。高い頻度で更新してくれているので、ほぼ毎日の更新を楽しみに読んでいる。
Y.A:「銭(インチキ)の力で、戦国の世を駆け抜ける。」(完結済)
- 時代区分:日本、戦国時代
- カクヨム「銭(インチキ)の力で、戦国の世を駆け抜ける。」
- 小説家になろう「銭(インチキ)の力で、戦国の世を駆け抜ける。」
- 書籍版 :MFブックスより全7巻(リンク)
カクヨムの概要より。
時は永禄三年『足利』幕府末期。そこに、一隻の宇宙船が時空を超えて飛来する。
船名は『カナガワ』、船長は『足利光輝』。遥か未来に宇宙で運送業を営んでいたが、突然タイムスリップしてしまったのだ。
光輝はこの状況に絶望し、打ちひしがれる。
宇宙専用機であるカナガワでは地球から宇宙へは出られず、ましてや元の時代へ戻ることなど到底叶わない。
元の時代で光輝がコツコツ貯めたヘソクリや、会社の口座の現金。これらがすべて、消えたようなものだから。だが……。
「ふと思ったんだけど、カナガワのローンはもう払わないでいいよね?」
ローンを払わないで済むという現実に心躍る光輝。とりあえず当面の生活費をどうにかするために、光輝は沈没船のお宝を売って生計を立てようと試みるのだった。
典型的なろう系時代小説。主人公が未来技術でチート&快進撃する。作者が「八男って、それはないでしょう!」の方なので、時代小説というよりはなろう小説の風味。味方はみんな良い人で、敵役は嫌な人。織田信長が食い意地がはったというキャラクターなのが大好き。
温泉文太:「戦乱の帝国と、我が謀略 ~貴族の悩みと根回し合戦~」(完結済)
- 時代区分:中国・後漢末(の類似世界)
- カクヨム「戦乱の帝国と、我が謀略 ~貴族の悩みと根回し合戦~」
- 書籍版 :なし
カクヨムの概要より。
他に見ないとの感想をいただく冷徹知性派覚悟完了ヒロインが売り。
大河ドラマや戦記系小説を読んで「自分ならこうするのに」と考える人向け。
序盤は特別面白くは無いようです。
しかし後の方の評判は中々です。
今一と思われた方も他に読むのが無い時に百話くらいまで進めば、我慢して良かったと感じる人が結構居る。ようなPVと♡の変移だと作者は見ています。
其処まで読んで時間の無駄と感じた方には心より御免なさい。地球と同じように歴史が積み重なっている異世界で、元日本人が暗躍し人の眼から隠れ『名誉』『富』等に興味を持たず目的の為だけに動き、やがて陰から世の動きに影響を与え始めていく話。
主人公は変化していきます。
三国志を元にして、三国志を知らない人が楽しく読める物珍しい戦記物を目指しています。
徹底期に名を売らないようにふるまう主人公が魅力的。もっと、続きが読みたい作品だった。
仏ょも:「偽典・演義 ~とある策士の三國志(仮)~」(連載中)
- 時代区分:中国・後漢末
- 小説家になろう「偽典・演義 ~とある策士の三國志(仮)~」
- 書籍版 :アース・スターノベルより続刊(リンク)
書籍版1巻のあらすじより。
「この李儒(りじゅ)。これより閣下の御為に微力を尽くします!」
日本の社畜サラリーマンからいきなり古代の中国へ
転生した相手は三国志きっての策士・李儒
まずは成り上がり者のボス・何進(かしん)に就活し
うまく取り入っていたら中国全土で黄巾(こうきん)の乱、勃発!
世間の混乱は自分の出世の大チャンス
何進と李儒は混乱に乗じてのし上がろうとする
だがそこに、後の暴れん坊将軍・董卓(とうたく)が現れた…
妄想炸裂、自由自在、スーパー三国志スタート!
「戦乱の帝国と、我が謀略 ~貴族の悩みと根回し合戦~」の主人公はオリジナルキャラだったが、こちらは李儒に転生という設定。基本的に裏方で目立たずという点では「戦乱の帝国と、我が謀略 ~貴族の悩みと根回し合戦~」と似ている感じ。後漢末の政治状況はこういう理由で成り立たないというのを延々と説明してくれるので「蒼天已死」はしょうがないのではと感じさせてくれる。
時代小説ではないけど、同じ作者の極東救世主伝説もガンパレードマーチ風味で面白い。
二水うなむ:「じゃない孔明転生記。軍師の師だといわれましても」(連載中)
- 時代区分:中国・後漢末
- 小説家になろう「じゃない孔明転生記。軍師の師だといわれましても」
- 書籍版 :TOブックスより続刊(リンク)
書籍版1巻のあらすじより。
時は後漢末。
冴えない中年が転生したのは諸葛孔明……ではなく、胡昭という字が同じなだけの別人だった。
あまりに数奇な運命に愚痴をこぼしつつも、乱世を翔るという柄でもないと彼は田舎での隠遁生活を決意する。
ところが、生活のために現代知識を使っているうちに、名士としての声望はうなぎのぼり!
袁紹や曹操から熱烈に勧誘されるばかりか、門下で学びたいと若き日の司馬懿や後の魏文帝・曹丕まで押しかけてくる。
平穏を守るため仕官回避に奔走するものの、逆に彼の存在は歴史を揺るがすほどに大きくなっていくのであった――。
言葉一つで気づかぬうちに天下を動かす!
昼行燈な在野の賢者による、勘違いだらけのスペクタクル三国志、開幕!
三国志ベースのなろう小説読みたいなと思って見つけた作品。本人は戦争しないという点がユニーク。
おわりに
尾脇秀和:「氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか」を読んだあとたど、私が戦国時代にタイムスリップしたり、現代知識を持って生まれたとしても、誰が誰だかわからないから、アクセスできず普通に野垂れ地ぬと思う。