「ボクシング・WBA世界バンタム級タイトルマッチ」(24日、有明アリーナ) 王者の堤聖也(29)=角海老宝石=に挑戦する元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(29)=志成=が15日、都内の所属ジムで公開練習を行った。昨年9月、WBO世界同級…
「ボクシング・WBA世界バンタム級タイトルマッチ」(24日、有明アリーナ)
王者の堤聖也(29)=角海老宝石=に挑戦する元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(29)=志成=が15日、都内の所属ジムで公開練習を行った。昨年9月、WBO世界同級王者の武居由樹(大橋)に判定負けし引退を表明したが、翻意。長年の友人でもある堤から「比嘉大吾の最後の試合になる」と非情な引導マッチを予告されたが、2階級制覇も懸かる再起戦で「打ち合いになる」と激闘を誓った。
比嘉は盟友からの“先制パンチ”を自然体で受け流した。前日に練習を公開した堤が「今回、彼(比嘉)の人生をつぶすに当たっては(友人としての私情は)全く別」と宣言したことに対し、「試合に負けたくらいで人生はつぶれない。引退してからの方が楽しみな人間なので」と一蹴。「(勝っても負けても)人生は続く」とマイペースを崩さなかった。
さらに、堤が映画「ロッキー」を意識した服装で公開練習し「(比嘉も『ロッキー』を)ファイナルまで見ていたらモチベーション的にプラスに働いてしまう。ヤバいな」と警戒していたことにも触れ、「ファイナルまで見た。燃えました」と対抗。引退を決めていた時期に初めて見て感化されたといい「今回気持ちをつくるために(シリーズを見通した)」とフィラデルフィアに思いをはせて発奮した。
公開練習ではシャドー、ミット打ちの後、野木丈司トレーナーの「控えめに70キロ」という指令で自身の体重の約1・3倍に及ぶ重量を持って上体を左右にひねるトレーニングを披露。視察した王者陣営の石原雄太トレーナーは「比嘉は体幹が強い」と、野性味が戻ってきた挑戦者に警戒を強めた。