3月18日に開幕する第97回選抜高校野球大会。主役候補となる投打の注目選手を紹介します。5回目は天理の赤埴(あかはに)幸輝内野手(2年)。新たに「守り勝つ野球」を掲げるチームを攻守でけん引するキーマンに迫りました。走攻守そろった遊撃手 軽…
3月18日に開幕する第97回選抜高校野球大会。主役候補となる投打の注目選手を紹介します。5回目は天理の赤埴(あかはに)幸輝内野手(2年)。新たに「守り勝つ野球」を掲げるチームを攻守でけん引するキーマンに迫りました。
走攻守そろった遊撃手
軽快な守備が一番の持ち味ながらリードオフマンも任され、走攻守そろった遊撃手として注目を集める。父と2学年上の兄が天理OBで甲子園に出場しており、野球エリートのDNAを受け継ぐ。
5人きょうだいの三男。父の智博さんは1988年のセンバツを経験し、次男の克樹さんも2022年夏の甲子園に出場した。四男の弟・修紀(ゆうき)さんも春から天理に入学する予定の「天理一家」だ。
天理では1年生から公式戦に出場した。安定したスローイングと軽やかなフットワークは、とにかく数をこなすノックのたまものだ。「何球受けても同じバウンドはない。受けたら受けた分うまくなる」と、地道な反復練習で持ち前の守備力に磨きをかけてきた。
打撃では広角に打ち分けるバットコントロールと積極性が持ち味で、昨秋の公式戦の打率は4割8分4厘を誇る。近畿大会初戦の和歌山東戦では先頭打者として第1打席の初球をとらえてヒットを放ち、盗塁も決めてチームを勢いづけた。藤原忠理監督は「結果を恐れずやってくれるのでチームも(勢いに)乗りやすい」と厚い信頼を寄せる。
憧れのプロ野球選手は、同じポジションで守備の名手として知られる源田壮亮選手(西武)。ただ、「それよりも憧れの存在」と慕うのが、野球を好きにさせてくれた兄の克樹さんだ。兄弟で唯一同じチームで戦った23年夏は甲子園に行く夢がかなわず、「自分の練習量が足りなかった」と後悔した。悔しさをバネに、チームの要へと成長を遂げた。
克樹さんが甲子園に出場した際は家族がアルプススタンドで応援する中、あえて自宅からテレビ中継を見ていたという。「見に行くよりも、実際にプレーして『甲子園すげえ』って思いたかったので」。念願かなう春の舞台はもうすぐだ。【吉川雄飛】
<次回は20日朝、大垣日大(岐阜)の西河遥人捕手(2年)を公開する予定です>