1988-2008年の、過去20年分のミステリーの集大成を、別冊宝島「もっとすごい!このミステリーがすごい!」でやっています。そこで、マイベストを選びました。
■ 国内
1 火車
2 ホワイトアウト
3 半落ち
4 屍鬼
5 煙か土か食い物
6 不夜城
7 ハサミ男
8 白夜行
9 黒い家
10 アラビアの夜の種族
■ 海外
1 極大射程
2 推定無罪
3 ポップ1280
4 ダ・ヴィンチ・コード
5 北壁の死闘
6 薔薇の名前
7 フリッカー、あるいは映画の魔
8 ミザリー
9 シンプル・プラン
10 Mr.クイン
そこで質問です。これを超えるような極上ミステリを、教えてください。ただし、新本格や叙述形式はおなか一杯なのでご勘弁ください。それから、これらを一冊も読んでいないような方は、比較しようがないため、回答をご遠慮ください。
この20冊の評価は、以下にまとめてあります↓
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2008/03/20_bea3.html
Dainさんの質問いつも楽しみにしています。
今回はミステリですね。嬉しいです。
…といっても「推理小説」ではなく、「謎」の解明を含むエンタテイメント小説というくくりかな、と思ったみたり。
(もともとこのミス自体そういう感じですものね)
まずちょっとだけジャブを。
宮部さんの作品は「火車」は文句なしとして、「理由」「模倣犯」「龍は眠る」も捨てがたいというか。
最近ようやく「孤宿の人」を読んで後半号泣したとかしないとか。
真保さんは「奪取」をオススメしたような記憶も。「ホワイトアウト」以前までの小役人シリーズ全体が好みです。
近作は「真夜中の~」が今ひとつだったのでちょっと手が止まってます。
横山さんの「半落ち」は、同世代の男たちがそれぞれの人生の重荷を主人公に投影してバトンしていく様が涙を誘いました。
「○○を頼む!」と心の叫びが聞こえてくるような。
ただ、私は「クライマーズ・ハイ」の方がランクインです。
といった感じで改めて国内編ですが、
敢えて↓を挙げてみます。
ミステリ・オペラ―宿命城殺人事件 (ハヤカワ・ミステリワールド)
山田正紀/「ミステリ・オペラ」
「マヂック・オペラ」まで読了済み。
本当は「オペラ三部作」が揃ってから通しで再読して伏線の拾い出しをやってみたりしてから言及したいのですが、
まだ「ファイナル・オペラ(仮題)」(だったかな)は未刊。
正直言えばミステリというよりは衒学小説。
けれど検閲図書館という設定と、膨大な装置やガジェットがこれでもか~と注ぎ込まれていて、
古典読みからのミステリファンとしてはなんとなく幸せな気分になってしまったのです。
本格ファンからは辛らつな意見も多いですが。でもこの作品の目的はそこじゃないのでは。
というわけでこの作品を推薦してみます。
ちなみにファースト・インプレッションは生頼さんの表紙。これだけで1万ペセタ。
それでは海外編へ。
ダン・ブラウンは一気読み作家として大変楽しませていただきましたが、
「ダ・ヴィンチコード」の「意外な着眼点」はあまり意外に感じなかったすれた本読みとしては、
「天使と悪魔」の方がぶっとんでいてよりエンタメでした。
終盤の教授はまさしくハリソン・フォードじゃないと無理だろ!と猛烈に突っ込みたくなるほどアクションです。
一応ブログ検索してみましたが既読でしたら申し訳ありません。
「薔薇の名前」もいわずもがなという感じですが、
今地味に「カドフェル」のシリーズを蒐集中。この世界はやはり味わい深いです。
この辺りでジャブを終了してベストを。
プリーストの「奇術師」が既に挙がっていますが、私も賛成です。
でもそれよりも更に↓の方が私は参りました。
クリストファー・プリースト/「双生児」
奇術師よりも先に出ている「魔法」の独特な酩酊感と「奇術師」の緻密な構成が混じり、
それがひどくさりげなく提示されているので、口当たりがいいのにキツいカクテルで悪酔いしたような気分になってきます。
読後「ぎゃー、も、もいっかい読まないと!」となって、
自分がどこからどう迷い込んだのか、
正誤が混乱した状態に陥り、なのにただただ哀しくもなったり。
惜しむらくはタイトルのつけ方。
三作とも日本語では原題の深さを表しきれていないように思います。
もう一冊。
ジョン・ダニング/「死の蔵書」
実は人力で質問して教えていただき読み始めた本です。
本好きの本好きによる本好きのためのハードボイルドミステリ。
時々「チャンドラーっぽいな~」と思いながら読んでいたら同じ事を思っている人が多くてやっぱりそうかと。
(Amazonではロス・マク風と言われている方もいらっしゃいましたが)
現在四作品がシリーズとしてありますが、これは一作目。
毎作本にまつわるものの、古書業、特装本、歴史書、サイン本とテーマが異なり、薀蓄量はかなり大目。
それでも一作目で主人公の人生のジェットコースターぶりを堪能しないと次に行くのはちょっともったいない気が。
以上ご参考まで。
リストアップされているミステリが、展開が派手なものが多いので、紹介しようかどうか迷ったのですが、私がお勧めするのは海堂尊の作品――。
「半落ち」の病院版といった感じ。
著者は現役医師だけあって、病院を舞台とする設定は超リアル。一方、登場人物はコミカルな人間ばかり。まったく冴えない主人公の中年医師と変人官僚の掛け合いが笑えます(映画版で美男美女の組み合わせになってしまったのは残念!)。アニメネタも盛り込まれていたりして、エンターテイメントの要素もたっぷり。
ミステリーの体裁をしていますが、各々で異なる医療問題を扱っている点がユニーク。体裁のカラーリングを替えているのも象徴的ですね。
小説中の登場人物に医療問題を語らせたノンフィクション本が下記。あのブルーバックスの1冊です。
あえて映画やコミックスへ展開したのは、おそらく医療問題に対する国民の認知度を高めるためではないか‥‥と、うがった見方をしてみたりして。
海外作品では、ちょっと古いところですが、SFの大家・アイザク・アシモフの「黒後家蜘蛛の会」シリーズ(邦訳版は東京創元社から)。1972年から2003年(没後)にわたる長期連作ですが、範囲に入れてよいですか?
こちらは、失せものを探したりする地味な話ばかりで、「現場」すら出てこない。でも、登場人物が面白く、水戸黄門のように“決め”のパターンが定まっており、これはこれで楽しめる。
私も、無給でいいので、ニューヨークのミラノ・レストランで毎月開催されるという「黒後家蜘蛛の会」の給仕をしてみたい。
了解です!
読む前から「チーム・バチスタの栄光」はピカイチだと決めています。問題は、「いつ読むか」ですね。明日の予定を気にしない完全フリーな夜のためにとっておきます。
「黒後家蜘蛛の会」は未読ですが、海外編ベスト10のどれと比べて極上なのか気になるところ。
こんにちは。
私もミステリーが大好きです!
でも私の場合、少し偏っていまして
・作者は日本人の男性
・密室
でなければ読まないんです。
本当は綾辻さんがお薦めなのですが質問者さんのブログ?に既に名前が挙がってますし、
知っていたらすみません。
そんな私のイチオシわぁ!ズバリ!
森博嗣
「すべてがFになる」
と、
東野圭吾「容疑者Xの献身」
かな?まー有名なんでもう読まれているかな?
それと少しズレますが過去の別冊宝島で紹介された
http://tkj.jp/book/book_01441601.html
めちゃくちゃ面白かったです。
なぁーんて言うんでしょうか。。。これもお薦めします!
私は大阪に住んでいるんですがこの作者に会いに行き、握手をしてもらいました(笑)
作者のプロフィールがまた面白いんですけどね。
ありがとうございます、「日本人の男性作家」+「密室」ですか…
ストライクゾーンが小さいと色々大変なような気が。「すべてがF」は評判があまりにも高く、期待MAXで読むと裏切られる率が極めて高いため、封印してます。「容疑者X」は嫁さんが「読まんでよろしい」と断罪しているので手を出してません。
こんにちは。
魅力的な20冊のリストですね。「新本格や叙述形式はおなか一杯なのでご勘弁ください。」と仰られていたので、私なりに注意しながら国内作家でリストに名前が登場していない方を選びました。
ミステリ・SF・エンタメ。どのジャンルにも含まれそうな点と、「謎を解く」ことが単に犯人を見つけること動機を解明することよりも、「作中の設定の謎を追究すること」に主眼がおかれているので、ミステリ読みの方に賛否両論があるかもしれないのですが、この20年をふり返るのであれば、私なら外したくない一冊なので紹介させていただきました。
少しでも参考になれば幸いです。
岡嶋二人時代に書いた「クラインの壺」でお腹一杯ッすー
「ダレカガナカニイル…」が傑作だという噂をきくのですが、どうなんでしょうね?
「リング」 鈴木光司
度重なる映画化で手垢がつきまくりの感はあるけど、リングは好き。
「バトル・ロワイアル」 高見広春
設定の異常さとそこに登場する少年少女の普通な感覚、そしてその中にいる異端。
「青の炎」、「クリムゾンの迷宮」 貴志祐介
この辺も面白かった。
ハサミ男、私も好きです。ひっくり返りました。
なんか映像化作品が多くなってしまった。本格推理から遠いし。
「リング」は予備知識ゼロで読んで、いったい何の話なのか見えないところまでは満点でしたねー(分かってからは予定調和ということで)。「バトルロワ」「クリムゾン」も良い良いという話は聞くのですが、20年分のベスト・オブ・ベストに乗っかってくるか微妙ですね。
私もハサミ男にはかなりやられました。。
・貴志祐介「13番目の人格」
・貴志祐介「青の炎」
・岡島二人「99%の誘拐」
・雫井脩介「火の粉」
・東野圭吾「容疑者Xの献身」
海外ものはあまり読まないのですみません。。
「ハサミ男」からたぐると、確かにこんなラインナップになりますね。オススメいただいたリストは全て未読なのですが、20年分のベストにこれらが入るのかというと…
私は日本のものでは、「ガダラの豚」が一番です。「このミス」で見つけた本なのでミステリーの範疇は間違いないと思います。
ボリュームといいスケールの大きさといい、日本人離れした大人のファンタジーです。
了解です。
「ガダラの豚」は徹夜小説としても評判なので、「完全フリーな夜に読む本」としてチェックしています(2ちゃんねらが選んだベストにも入ってます)。
国内物限定になりますが、
「不夜城」がお好きならべたですが大沢在昌「新宿鮫」シリーズはオススメです。
また、「半落ち」と同系の警官物としては直木賞の候補になった佐々木譲「警官の血」や短編集「笑う警官」もオススメできます。
桐野夏生「柔らかな頬」や貫井徳郎「プリズム」は結論が明確でなく仮説が繰り返す形式で、ちょっと変わった楽しみが出来そうです。
「白夜行」のように重たいのも大丈夫そうなので高村薫「マークスの山」も読み応えがあると思います。
名前の挙がっていない作家から選びました。メジャーなものばかりですみません。マイナーなものが挙げられるといいのですが、新本格・叙述がNGだとメジャーどころしか浮かびません。
マイナーどころだと永井するみ「枯れ蔵」は農業物で目新しいのですが、ベスト20と比べると見劣りしますしねぇ
「新宿鮫」「マークス」はベスト20に入れようかどうしようか迷った作品です。そういうと、桐野「OUT」と貫井「慟哭」あたりも入れないとバランスがとれないような… ともろもろ考えた挙句、全部外して今のリストになっています。
「警官の血」は、もーちょっと落ち着いてから手にしてみようかと。
叙述トリック大好き人間なので、マイベストを考えるとそっち系が中心になってしまうのですが、
今回は叙述系はなしということで、それ以外にどんな作品が好きなのか考えてみました。
国内作品
連城三紀彦「戻り川心中」、浅田次郎「蒼穹の昴」、山口雅也「生ける屍の死」、
岡嶋二人「そして扉が閉ざされた」、 島田荘司「奇想、天を動かす」
海外作品
R.D.ウィングフィールド「クリスマスのフロスト」、J.T.ロジャース「赤い右手」、レジナルド・ヒル「死者との対話」
クリスチアナ・ブランド「暗闇の薔薇」、クリストファー・プリースト「奇術師」
「このミステリーがすごい!」上位(たぶん)の有名作品ばかりになってしまいました。
あまり参考にならなくてすいません。
「フロスト」はベスト20に入れるかどうか悩みました。浅田次郎「蒼穹の昴」とプリースト「奇術師」が読むぞリストに入っています。極上の作品は甲乙つけること自体が矛盾していますねー
こんにちは。
「屍鬼」お好きならばキングの「ザ・スタンド」はいかがでしょう。
「ミザリー」と差し替えていただくわけには行きませんか?
それから伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」はどないですか。
読後、世の中にはこんだけ頭のよい人が居るんだと感心しました。
宮部、大沢作品があって京極が入ってないのはバランス悪くないですか(笑)
「鉄鼠の檻」どうでしょう。
おっ
どれも好ポイントのやつばかりですね、全て未読ですが、評判は聞きます。バランスの悪さはわたしのシュミということで。それから、「屍鬼」ときたら"Salem's Lot"とくるんじゃぁないかと。
忘れてたので再度書き込ませていただきます。
「永遠の仔」天童荒太
ドラマ化されていましたが、やはり放送できないような部分もあったようで、
原作の方がおもしろいです。
上下巻を読み終えた時に、この本の暗さにしばらく引きずられてしまいます。
あっと驚くようなトリックとか展開はありませんが。
ああ、確かにこれは「読め」オーラを感じます。
忘れておりました、オススメありがとうございます。
20年の集大成なのに新本格は勘弁なんてひどい・・・
もっと腹一杯に成ってください。
この本じゃなくてもいいから森薫さんは入れてください。
私は酩酊論処の方が好きなんだけどこのラインナップを見るとこっちの方が質問者さんは好きっぽい。
ホワイトアウトよりこっちの方が好きだ。
ちょっとミステリーよりハードボイルドよりだけど
「奪取」!読みます。
「私が殺した少女」は泣く泣くベスト20から外しました。
それから、新本格はマジご勘弁くださいませ。
(前提条件)
火車、ハサミ男、黒い家、アラビアの夜の種族、
ダ・ヴィンチ・コードを読んでいます。
※アラビアの夜の種族は最高でした。
上記以外の個人的TOP5をご紹介します。
<13階段>
扱っているテーマの重さとストーリーの絡み合いが絶妙です。
軽い気持ちで読み始めたら、頭をガツンとやられました。
後々まで考えさせられる作品でした。
<戻り川心中>
短編集。既出ですが、あえて推薦します。
推理小説と恋愛小説の良いところが同居した作品で、
推理モノとしての展開の鮮やかさと、
動機の美しさが絡み合っていて読後感が凄く良いです。
<ビンゴ>
問答無用のノンストップアクション。
主人公の私立探偵オダケンの所に4つの依頼が届き、
それを不承不承、解決していく内に事件は意外な展開へ....
グイグイ読まされ、読後感が非常に爽快です。
それと新本格ですが、
「双頭の悪魔」(有栖川有栖)
「魍魎の匣 」(京極夏彦)
を「あえて」オススメします。
双頭の悪魔は構造および推理が見事です。
魍魎の匣は、これでもか!と張られた複線と、
それを綺麗に折りたたんでいく過程が見事です。
両者とも複数回読みましたが、そのたびに唸らされます。
これまた徹夜小説になりそうなラインナップですね、オススメありがとうございます。
「頭ガツン」は最高の美辞ですね、食指が動きます。ベスト20のどれと匹敵(or凌駕)するか分かりませんが、チェックしてみようかと。
私の中では以下のものが匹敵するものです。
■黒川博行
「疫病神」
「国境」
「暗礁」
http://www.amazon.co.jp/gp/search?field-keywords=%E9%BB%92%E5%B7...
関西弁が苦手な人には苦痛みたいです。
ミステリーか?という疑問もありますが。。
■京極堂シリーズ
「絡新婦の理」
ただ、「姑獲鳥」から順番に読むのがよいと思います。
http://www.amazon.co.jp/gp/search?field-keywords=%E4%BA%AC%E6%A5...
■藤原伊織
「テロリストのパラソル」
「シリウスの道」
ちょっと有名どころすぎですかね?
http://www.amazon.co.jp/gp/search?field-keywords=%E8%97%A4%E5%8E...
オススメありがとうございます、新本格かハードボイルドかってところでしょうか…
ミステリーはフトコロが深い分、たくさんのシュミがあるんだなぁと痛感します。
Dainさんの質問いつも楽しみにしています。
今回はミステリですね。嬉しいです。
…といっても「推理小説」ではなく、「謎」の解明を含むエンタテイメント小説というくくりかな、と思ったみたり。
(もともとこのミス自体そういう感じですものね)
まずちょっとだけジャブを。
宮部さんの作品は「火車」は文句なしとして、「理由」「模倣犯」「龍は眠る」も捨てがたいというか。
最近ようやく「孤宿の人」を読んで後半号泣したとかしないとか。
真保さんは「奪取」をオススメしたような記憶も。「ホワイトアウト」以前までの小役人シリーズ全体が好みです。
近作は「真夜中の~」が今ひとつだったのでちょっと手が止まってます。
横山さんの「半落ち」は、同世代の男たちがそれぞれの人生の重荷を主人公に投影してバトンしていく様が涙を誘いました。
「○○を頼む!」と心の叫びが聞こえてくるような。
ただ、私は「クライマーズ・ハイ」の方がランクインです。
といった感じで改めて国内編ですが、
敢えて↓を挙げてみます。
ミステリ・オペラ―宿命城殺人事件 (ハヤカワ・ミステリワールド)
山田正紀/「ミステリ・オペラ」
「マヂック・オペラ」まで読了済み。
本当は「オペラ三部作」が揃ってから通しで再読して伏線の拾い出しをやってみたりしてから言及したいのですが、
まだ「ファイナル・オペラ(仮題)」(だったかな)は未刊。
正直言えばミステリというよりは衒学小説。
けれど検閲図書館という設定と、膨大な装置やガジェットがこれでもか~と注ぎ込まれていて、
古典読みからのミステリファンとしてはなんとなく幸せな気分になってしまったのです。
本格ファンからは辛らつな意見も多いですが。でもこの作品の目的はそこじゃないのでは。
というわけでこの作品を推薦してみます。
ちなみにファースト・インプレッションは生頼さんの表紙。これだけで1万ペセタ。
それでは海外編へ。
ダン・ブラウンは一気読み作家として大変楽しませていただきましたが、
「ダ・ヴィンチコード」の「意外な着眼点」はあまり意外に感じなかったすれた本読みとしては、
「天使と悪魔」の方がぶっとんでいてよりエンタメでした。
終盤の教授はまさしくハリソン・フォードじゃないと無理だろ!と猛烈に突っ込みたくなるほどアクションです。
一応ブログ検索してみましたが既読でしたら申し訳ありません。
「薔薇の名前」もいわずもがなという感じですが、
今地味に「カドフェル」のシリーズを蒐集中。この世界はやはり味わい深いです。
この辺りでジャブを終了してベストを。
プリーストの「奇術師」が既に挙がっていますが、私も賛成です。
でもそれよりも更に↓の方が私は参りました。
クリストファー・プリースト/「双生児」
奇術師よりも先に出ている「魔法」の独特な酩酊感と「奇術師」の緻密な構成が混じり、
それがひどくさりげなく提示されているので、口当たりがいいのにキツいカクテルで悪酔いしたような気分になってきます。
読後「ぎゃー、も、もいっかい読まないと!」となって、
自分がどこからどう迷い込んだのか、
正誤が混乱した状態に陥り、なのにただただ哀しくもなったり。
惜しむらくはタイトルのつけ方。
三作とも日本語では原題の深さを表しきれていないように思います。
もう一冊。
ジョン・ダニング/「死の蔵書」
実は人力で質問して教えていただき読み始めた本です。
本好きの本好きによる本好きのためのハードボイルドミステリ。
時々「チャンドラーっぽいな~」と思いながら読んでいたら同じ事を思っている人が多くてやっぱりそうかと。
(Amazonではロス・マク風と言われている方もいらっしゃいましたが)
現在四作品がシリーズとしてありますが、これは一作目。
毎作本にまつわるものの、古書業、特装本、歴史書、サイン本とテーマが異なり、薀蓄量はかなり大目。
それでも一作目で主人公の人生のジェットコースターぶりを堪能しないと次に行くのはちょっともったいない気が。
以上ご参考まで。
「奪取」、オススメいただいたにもかかわらず未だ読めてません…んが、今回の後押しで「読む前からスゴ本」リストに入っています。
プリーストは、「 奇術師 < 双生児 」なのですねッ この一言を待ってました。「双生児」からいきます。「死の蔵書」は出だしのビブリオマニアっぷりに辟易して投げ出した記憶が。もういちどトライしてみる価値はありそうですね。
こんばんは。Dainさんが知らないあるいは未読の本を紹介することは私にはほぼ不可能ではないかとも思いますが、記憶に残ったミステリーをいくつか。海外ものの紹介が少ないようなので、まずはそちらから。
1 ロバート・ゴダード
は私のベスト10に入ります。
闇に浮かぶ絵〈上〉 (文春文庫)リオノーラの肖像 (文春文庫)とか、比較的初期の作品が好きです。
2 極大射程がお好みならば、
もっとも危険なゲーム (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 18-2))
ギャビン・ライアルは、深夜プラス1が著名ですが、ミステリーというかどうかは別として、こちらもいいです。gameの意味は…?
3 鼻っ柱の強い女性探偵が魅力的なサラ・パレツキーのVIウォーショースキー・シリーズ
サマータイム・ブルース (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 104‐1))
4 有名どころでニール・ケアリーシリーズ
ストリート・キッズ
ほかに、シリーズ外でボビーZの気怠く優雅な人生 (角川文庫)なんかも。
5 脱力、ほんわか、ユーモア系 パーネル・ホールのスタンリー・シリーズ
国内では、推理作家とは若干違う感じのところで、帚木蓬生
比較的初期の作品は、ミステリとは言い難いけれど、逃亡、三たびの海峡などもいいです。
海峡で思い出して。昔々の名作水上勉「飢餓海峡」は、お読みでなければ是非。小説らしい小説だと思います。
読んだ当座感動しても私の場合すぐに忘れてしまうので、思い出したらまた。
あちゃー
ゴダード忘れてました。ちょうど完徹できる分量の作品ばかり出してくるので、出会った頃は困った困った。(千尋の闇レビュー↓)
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2006/02/post_b4eb.html
ギャビン・ライアルは「深夜プラス1」"だけ"なので、次はこのオススメを狙います。
それから、「ストリート・キッズ」は徹夜本としても名高いことを思い出しました(以前、ここはてなで教えてもらったことを忘れてました)
「飢餓海峡」は読みます。ベスト20関係なしに、スゴい匂いがしてきます。
オススメ、感謝しています。
すごく土着の感覚に溢れているところが極上な東直己なんていかがでしょう。
札幌やススキノに思い入れがあれば是非。私が道民だからというのもありますが不思議なリアリティがあります。
「消えた少年」「渇き」がおすすめです。
# あと、既出ですが、原尞 「私が殺した少女」「そして夜は甦る」は私も好きです。
# それから、真保さんは「ホワイトアウト」よりも「奪取」の方が好きで、宮部さんは「火車」が一番好きです(笑)
おお、「奪取」派がここにも!
両方読んで、「奪取」を推すということは、それだけ期待してもいいみたいですねー
挙げられた中では『煙か土か食い物』と『ダ・ヴィンチ・コード』しか読んでいないのですが…;叙述メインは抜きで答えます。
別の方も薦められている、流水さんのデビュー作です。日本全国で密室連続殺人が起こるという、かなりハデな内容。読む人を選ぶ作品ですが、舞城がお好きなら大丈夫かと思います。上下巻で文庫が出ています。
島田御大の史上3作目のミステリ。物理系のミステリですが、トリックがかなりぶっ飛んでます。既読だったらごめんなさい。
本格ミステリの新鋭・北山猛邦さんの作品。閉ざされた城の内部で繰り広げられる、ギロチン人形の仕業とされる殺人事件を描くミステリです。これまた物理メイン。淡々とした本格ミステリ。ですが、どことなく漂う終末的な雰囲気がたまりません。
全体的にハデなものを選んでみました。少しは参考になるといいのですが…;
あまり読まないジャンルを教えていただき、ありがたいです…
読む人を選ぶ作品みたいですね。このテのは遠慮しておきます…
異様な世界観とハードボイルドな作風がが印象的でした。
海外で受賞もしているようです。
作家も作品も、ぜんぜん知らないものを教えていただき、ありがとうございます
ベスト20のどれと比較して匹敵・凌駕するのか気になるところです
ゲームの質問の際、剣乃ネタで反応させていただいた者です。
ブログ愛読させていただいております。
『奪取』
駄目押しでw ホワイトアウトよりは奪取。これはガチ。最後のオチに若干評価が割れますがw
『天空の蜂』東野圭吾/講談社文庫
ホワイトアウトと賞を争った作品。賞を逃したのは、物理的な場所移動の少なさゆえか。
今読んでも、改めて色々な意味で凄いと思います。
海外では、『星を継ぐもの』を挙げようかと思いましたが、たしか既読ですよね。
「奪取」了解です。
痛勤電車ではなく、いちばんゆったりとできる深夜に読みます(当然徹夜覚悟…って完徹前に読了しそうなボリューム)。
「星を継ぐもの」は既読です、「徹夜SF」ですね。
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さて、ここらで締め切らせていただきます。皆さんの「極上ミステリ」を教えていただき、ありがとうございます。その中でも、手にする前から、まちがいなく面白いと断言できる作品を選びました。「未読だけど地雷」なのが臭うように、以下の作品は、未読だけどスゴ本+徹夜小説だと確信してます。
だから、「明日の予定がなく、かつ、誰にもジャマされない夜」のために、楽しみにとっておきます(一番タイヘンなのは、そんな夜を捻出することなのですが…)。
チーム・バチスタの栄光(海堂尊)
ガダラの豚(中島らも)
奪取(真保裕一)
蒼穹の昴(浅田次郎)
永遠の仔(天童荒太)
五輪の薔薇(チャールズ・パーサー)
回答いただいた方、本当にありがとうございました。
「奪取」、オススメいただいたにもかかわらず未だ読めてません…んが、今回の後押しで「読む前からスゴ本」リストに入っています。
プリーストは、「 奇術師 < 双生児 」なのですねッ この一言を待ってました。「双生児」からいきます。「死の蔵書」は出だしのビブリオマニアっぷりに辟易して投げ出した記憶が。もういちどトライしてみる価値はありそうですね。