チーム・バチスタの栄光
エンターテイメントに接するときは、
期待値を上げないのが私の流儀。
期待値を上げてしまうと、
普通のを見ても、つまらなくなってしまい、
面白いのを見ても普通に感じてしまうから。
期待値を上げなければ、
つまらなくても、それほどがっかりしないし、
面白ければ法外に嬉しいという、おまけ付き。
で、久しぶりに、
法外に面白い小説にぶち当たった。
「チーム・バチスタの栄光」
言わずと知れたベストセラー。
ビックリの映画化もされています。*1
「積ん読」の山に埋もれていたのを、
昨日発掘し歯医者の待ち時間で読み始めた。*2
いきつけの歯医者は腕は最高。
ただ猛烈に待たせるので小説は必須。
普段は小説を読んでいても、待ち時間を過ごすのが苦痛な状況。
でも今回ばかりは待ち時間が一切、気にならなかった。
むしろ「もっと待たせてくれよ!」とまで思った。
歯医者も無事終わり家に帰り、
待合室の勢いをそのままに上巻を読了。
「さーて、下巻は明日読むか」と床につくも、
頭が興奮して寝付けず、
下巻を読み始め、気がついたら一気読み。
読み終わった後、呆然としてしまった。
「なんだ、この圧倒的なパワーは!」と。
読了後も妙に高揚して寝付けませんでした。
これほど面白かった小説は近年読んだことが無い。
内容は各所で語られ尽くされているので書きませんが、
本の構成を大まかに言うと、
上巻は「ネガ」、下巻が「ポジ」と「ホログラフ」という章立て。*3
「ネガ」の部分が相当面白いのに、
「ポジ」がつまらないはずがない。
言い換えれば上巻の面白さを、下巻が遙かに凌駕する出来。
下巻最後の「ホログラフ」の余韻もすばらしい。
舞台で言うならカーテンコールな感じ。
読了後、「ホログラフ」だけ再び読み直しちゃいました。
ともあれ、これを「積ん読」していたのは本当に痛恨の極み。
未読の人は是非是非、読んでみてください!
あ、読む時に期待値は下げるのをお忘れ無く(笑)
それと、あらすじや人の感想を読まないのがオススメ。
<余談>
チームバチスタの栄光を「積ん読」の山から、
引っ張り出した張本人は、Dainさん。
いわずとしれた
「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」の管理人。
はてなの「極上のミステリを教えてください」という
質問へ私も回答したんですが、
そのまとめ「これから読む極上ミステリ」が以下のとおり。
チーム・バチスタの栄光(海堂尊)
奪取(真保裕一)
ガダラの豚(中島らも)
容疑者Xの献身(東野圭吾)
蒼穹の昴(浅田次郎)
永遠の仔(天童荒太)
五輪の薔薇(チャールズ・パーサー)
「奪取」は他に無い吸引力だし、
「ガダラの豚」のストーリー展開は本当に巧みだし、
「蒼穹の昴」の人物描写の凄さにはビックリしました。
なんで、こりゃバチスタも面白いだろ、
と思って読み始めましたが、
個人的には上記3つを遙かに凌駕した出来。
人物描写は凄いし、ストーリー展開は巧みだし、
なにより「これ、どうなっちゃうの?」という吸引力が凄い。
ちなみに私が紹介した
「ビンゴ」も全然有名では無いですが、
吸引力だけならバチスタに負けないと思います!
おもわず、当ブログに
「スゴ本」のカテゴリを作っちゃいました(笑)