WO2023090440A1 - 画像照射装置 - Google Patents

Abstract

画像照射装置１０は、画像生成ユニット（２０）からの出射光を、画像表示部としてのフロントウインドウへ向けて順次反射させる第１および第２反射鏡（３０、４０）を備える。第１反射鏡（３０）の反射面（３０ａ）は、水平断面形状が凸曲線であって鉛直断面形状が凹曲線である、鞍型曲面である。

Description

画像照射装置

　本開示は、画像照射装置に関する。

　車載用の画像照射装置として、車室内に配置され、フロントウインドウ（すなわちウインドシールド）やその車室内側に配置された透光板等の画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置が知られている。

　特許文献１は、表示用画像を生成する画像生成ユニットと、この画像生成ユニットから出射した光を画像表示部へ向けて順次反射させる第１および第２反射鏡とを備えた画像照射装置を記載している。

　特許文献２は、表示用画像を生成する画像生成ユニットと、この画像生成ユニットから出射した光を画像表示部へ向けて反射させる反射鏡と、この反射鏡を収容するハウジングとを備えた画像照射装置を記載している。

日本国特開２０１９－１５９２８３号公報 国際公開第２０２０／１１０５８０号

　特許文献１に記載された画像照射装置は、第１反射鏡の反射面が平面状に形成されているので、第２反射鏡の反射面が正方形以外の外形形状を有している場合には、第１反射鏡からの反射光を第２反射鏡の反射面に効率良く入射させにくい。

　第１反射鏡の反射面の表面形状を、平面の代わりに、凸曲面や凹曲面で構成した場合においても同様である。

　さらに、画像照射装置においては、フロントウインドウ等を介して車室内に入射した太陽光が、ハウジングの内部空間に入射して反射鏡における反射面の周辺領域に到達してしまうことがある。また、反射鏡の反射面を形成する表面処理を行う際、反射面の周辺領域に蒸着膜等が付着してしまうことがある。

　このような場合には、反射面の周辺領域で反射した太陽光が迷光（すなわち設計上意図しない光）となって画像表示部に到達してしまい、これにより表示用画像以外の無用な画像が形成されてしまうことがある。

　これに対し、画像照射装置が、反射鏡における反射面の周辺領域を覆うように配置されたフレーム部材を備える場合には、迷光の発生を未然に防止することが可能となる。しかしながら、この場合には、部品点数の増大により画像照射装置のコストが増大してしまう。

　さらに画像照射装置においては、画像表示部に対して表示用画像が適正な位置に映し出されるように、反射鏡の向きを調整することが好ましい。

　反射鏡を回動可能に支持するブラケットが取り付けられるとともに、このブラケットがハウジングに固定された構成とすれば、反射鏡の向きを調整することが可能となる。

　しかしながら、このような構成は、ブラケットを新たに設けることが必要となるため、部品点数の増大により画像照射装置のコストが増大してしまう。

　これら問題は、車載用以外の画像照射装置においても同様に生じ得る。

　本開示は、画像生成ユニットからの出射光を第１および第２反射鏡で順次反射させることにより画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、第２反射鏡の反射面が正方形以外の外形形状を有している場合であっても、第１反射鏡からの反射光を第２反射鏡の反射面に効率良く入射させることができる画像照射装置を提供することを目的とする。

　本開示は、画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、安価な構成によって迷光の発生を効果的に抑制することができる画像照射装置を提供することを目的とする。

　本開示は、画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、安価な構成によって表示用画像を適正な位置に映し出すことができる画像照射装置を提供することを目的とするものである。

　本開示は、第１反射鏡の構成に工夫を施すことにより、前記目的達成を図っている。

　すなわち、本開示の一の態様に係る画像照射装置は、
　画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置であって、
　前記表示用画像を生成する画像生成ユニットと、前記画像生成ユニットから出射した光を前記画像表示部へ向けて順次反射させる第１および第２反射鏡と、を備えており、
　前記第１反射鏡の反射面は、鞍型曲面である。

　画像照射装置は、画像表示部に表示用画像を映し出すように構成されたものであれば、その具体的な用途は特に限定されるものではない。画像照射装置は、例えば車載用のヘッドアップディスプレイ等である。

　画像表示部は、表示用画像を映し出すように構成されたものであれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。画像表示部は、例えば車両のフロントウインドウやその車室内側に配置された透光板等である。

　第１反射鏡の反射面は、鞍型曲面であれば、その表面の各部位における具体的な曲率は特に限定されるものではない。

　第２反射鏡の反射面の表面形状は特に限定されるものではない。

　さらに本開示は、ハウジングの構成に工夫を施すことにより、前記目的達成を図っている。

　すなわち、本開示の他の態様に係る画像照射装置は、
　画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置であって、
　前記表示用画像を生成する画像生成ユニットと、前記画像生成ユニットから出射した光を前記画像表示部へ向けて反射させる反射鏡と、前記反射鏡を収容するハウジングとを備えており、
　前記ハウジングは、前記反射鏡を支持する第１ハウジングと、前記第１ハウジングに組み付けられた第２ハウジングとを備えており、
　前記第１ハウジングまたは前記第２ハウジングに、前記反射鏡の反射面の周辺領域を覆う遮光片部が形成されている。

　反射鏡は、画像生成ユニットから出射した光を画像表示部へ向けて反射させるように構成されたものであれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。

　遮光片部は、反射鏡における反射面の周辺領域を覆うように形成されていれば、その具体的な形状は特に限定されるものではない。反射面の周辺領域を覆う、遮光片部の具体的な範囲は特に限定されるものではない。

　さらに本開示は、ハウジングの構成に他の工夫を施すことにより、前記目的達成を図っている。

　すなわち、本開示の他の態様に係る画像照射装置は、
　画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置であって、
　前記表示用画像を生成する画像生成ユニットと、前記画像生成ユニットから出射した光を前記画像表示部へ向けて反射させる反射鏡と、前記反射鏡を収容するハウジングとを備えており、
　前記ハウジングは、第１ハウジングと、前記第１ハウジングに組み付けられた第２ハウジングとを備えており、
　前記反射鏡の反射面の側端部に、前記反射面から離れる方向へ向けて延びる軸部が形成されており、
　前記第１ハウジングに、前記軸部を載置する載置部が形成されており、
　前記第２ハウジングに、前記載置部に載置された前記軸部に当接して前記反射鏡を位置決めする当接部が形成されている。

　軸部は、反射面の両側端部に形成されていてもよいし、いずれか一方の側端部に形成されていてもよい。

　載置部は、軸部を載置し得る形状を有していれば、その具体的な形状は特に限定されるものではない。

　当接部は、載置部に載置された軸部に当接することによって反射鏡を位置決めし得る形状を有していれば、その具体的な形状は特に限定されるものではない。

　本開示の一の態様に係る画像照射装置では、第１反射鏡の反射面が鞍型曲面である。

　たとえ第２反射鏡の反射面が正方形以外の外形形状を有している場合であっても、第１反射鏡の反射面のうち、第２反射鏡の反射面の長手方向に沿った断面形状が凸曲線であるとともに、これと直交する方向に沿った断面形状が凹曲線である。これより、第１反射鏡からの反射光を第２反射鏡の反射面に効率良く入射させることができる。

　このように本開示によれば、画像生成ユニットからの出射光を第１および第２反射鏡で順次反射させることにより画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、第２反射鏡の反射面が正方形以外の外形形状を有している場合であっても、第１反射鏡からの反射光を第２反射鏡の反射面に効率良く入射させることができる。

　本開示の他の態様に係る画像照射装置では、ハウジングは、反射鏡を支持する第１ハウジングと、第１ハウジングに組み付けられた第２ハウジングとを備えており、第１ハウジングまたは第２ハウジングには反射鏡における反射面の周辺領域を覆う遮光片部が形成されている。

　すなわち、反射鏡を支持する第１ハウジングに対して第２ハウジングが組み付けられる。これにより、ハウジングを無理なく製造することが可能となる。

　その上で、第１ハウジングまたは第２ハウジングに、反射鏡における反射面の周辺領域を覆う遮光片部が形成される。これにより、ハウジングの内部空間に入射した太陽光が反射面の周辺領域に到達してしまうのを遮光片部の遮光作用によって未然に防止することができる。さらに、反射面の周辺領域で反射した太陽光が迷光となって画像表示部に到達することによって表示用画像以外の無用な画像が形成されてしまうのを未然に防止することができる。

　しかも、反射面の周辺領域を覆うフレーム部材等を新たに配置することなく、無用な画像が形成されてしまうのを未然に防止することができる。これにより画像照射装置を安価な構成とすることができる。

　このように本開示によれば、画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、安価な構成によって迷光の発生を効果的に抑制することができる。

　本開示の他の態様に係る画像照射装置では、ハウジングは、第１ハウジングと、第１ハウジングに組み付けられた第２ハウジングとを備えており、反射鏡の反射面の側端部には反射面から離れる方向へ向けて延びる軸部が形成されており、かつ、第１ハウジングには軸部を載置する載置部が形成されるとともに、第２ハウジングには載置部に載置された軸部に当接して反射鏡を位置決めする当接部が形成されている。

　すなわち、第１ハウジングと第２ハウジングとが組み付けられることにより、ハウジングを無理なく製造することが可能となる。

　その上で、第１ハウジングの載置部に反射鏡の軸部が載置されるとともに、この第１ハウジングに第２ハウジングが組み付けられる。これによって、載置部に載置された軸部に当接部が当接した状態で、反射鏡の回動を阻害することなく反射鏡の回動軸線と直交する方向の位置決めが可能となる。

　したがって、反射鏡を回動可能に支持するブラケット等を新たに設けることなく、反射鏡の向きを調整することが可能となる。これにより表示用画像を画像表示部の適正な位置に映し出すことが可能となる。

　しかも、第１ハウジングに反射鏡を載置して第２ハウジングを組み付けるだけの簡単な作業によって、表示用画像を画像表示部の適正な位置に映し出すことが可能となる。

　このように本開示によれば、画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、安価な構成によって表示用画像を適正な位置に映し出すことができる。

図１は、本開示の一実施形態に係る画像照射装置が車両に搭載された状態を示す側断面図である。 図２は、図１のII方向の矢視図である。 図３は、図１のIII部の詳細図である。 図４は、第２ハウジングを外した状態の画像照射装置を示す平面図である。 図５は、図４のV－V線の位置における画像照射装置を示す断面図である。 図６は、画像照射装置の第１反射鏡を示す斜視図である。 図７Ａは、図５のVIIａ－VIIａ線断面図である。 図７Ｂは、図５のVIIｂ－VIIｂ線断面図である。 図８Ａは、図１のIII部のうち、第２ハウジングの詳細構造を示す詳細図である。 図８Ｂは、図８Ａのｂ－ｂ線断面図である。 図９は、画像照射装置の組付けの様子を示す斜視図である。 図１０は、実施形態の変形例において、第２ハウジングを外した状態の画像照射装置を示す平面図である。 図１１は、変形例において、画像照射装置の第１反射鏡を示す斜視図である。 図１２は、実施形態の他の変形例において、第２ハウジングを外した状態の画像照射装置を示す平面図である。

　以下、図面を用いて、本開示の実施の形態について説明する。

　図１は、一本実施形態に係る画像照射装置１０が車両１００に搭載された状態を示す側断面図である。図２は、図１のII方向の矢視図である。

　これらの図において、Ｘで示す方向が画像照射装置１０の「前方」（車両の「前方」）であり、Ｙで示す方向が「前方」と直交する「左方向」であり、Ｚで示す方向が「上方向」である。これら以外の図においても同様である。

　図１及ぶ図２に示すように、本実施形態に係る画像照射装置１０は、車載用のヘッドアップディスプレイである。画像照射装置１０は、車両１００の車室内に配置された状態で、画像表示部としてのフロントウインドウ１０２の表示用領域１０２Ａに表示用画像ＰＩＣを虚像として映し出すように構成されている。フロントウインドウ１０２は画像表示部の一例である。

　図１に示す光路Ｒは、画像照射装置１０によってフロントウインドウ１０２の表示用領域１０２Ａに映し出された表示用画像ＰＩＣをドライバー２が視覚的に認知する際の光路である。

　表示用領域１０２Ａは、フロントウインドウ１０２の下部領域でかつステアリングホイール１０４の前方領域に位置する。これにより車両１００のドライバー２が、表示用領域１０２Ａに映し出された表示用画像ＰＩＣを視覚的に容易に認知し得る。なお、図２は、表示用画像ＰＩＣの一例として、左向きの矢印と共に車両速度（５０Ｋｍ／ｈ）が表示された状態を示している。

　画像照射装置１０は、ステアリングホイール１０４の前方でかつフロントウインドウ１０２の下方近傍に位置するように配置されている。

　図１に示すように、画像照射装置１０は、表示用画像ＰＩＣの元となる画像を生成する画像生成ユニット２０と、この画像生成ユニット２０から出射した光をフロントウインドウ１０２の表示用領域１０２Ａへ向けて順次反射させる第１および第２反射鏡３０、４０と、第１および第２反射鏡３０、４０を収容するハウジング５０と、このハウジング５０に装着された透光カバー６０とを備える。

　画像生成ユニット２０ならびに第１および第２反射鏡３０、４０は、ハウジング５０に支持されている。詳細は後述する。

　ハウジング５０は、第１ハウジング５２と、第２ハウジング５４とを備えている。第１ハウジング５２は、上方へ向けて開口するように形成されている。第１ハウジング５２に第２ハウジング５４が組み付けられている。具体的には、第２ハウジング５４は、外周フランジ部５４ｂを有しており、この外周フランジ部５４ｂを第１ハウジング５２の上端開口部５２ａに当接させた状態で第１ハウジング５２に組み付けられている。

　第１および第２ハウジング５２、５４は、いずれも不透明の樹脂成形品で構成されている。第２ハウジング５４には、第２反射鏡４０からの反射光を表示用領域１０２Ａへ向けて透過させる開口部５４ａが形成されている。

　透光カバー６０は、無色透明の樹脂製パネルで構成されている。この透光カバー６０は、下方側に湾曲した状態でかつ後方へ向けてやや上方側に傾斜した状態で、第２ハウジング５４の開口部５４ａを覆うように配置されている。この透光カバー６０は、第２反射鏡４０からの反射光が表示用領域１０２Ａに入射するのを許容し、ハウジング５０の内部空間１２の防塵性を確保する。

　図３は、図１のIII部の詳細図である。図４は、第２ハウジング５４を外した状態の画像照射装置１０を示す平面図である。図５は、図４のV－V線の位置における画像照射装置１０を示す断面図である。

　図３から図５に示すように、第１反射鏡３０の反射面３０ａは左右対称形状を有しており、第２反射鏡４０の反射面４０ａは左右対称形状を有している。第１および第２反射鏡３０、４０の左右方向の中心位置に画像生成ユニット２０が配置されている。

　画像生成ユニット２０は、長方形の形状を有する液晶パネル２２を備えている。この画像生成ユニット２０は、液晶パネル２２の長手方向が左右方向（すなわち車幅方向）に延びるように配置された状態で、かつ、液晶パネル２２を斜め上後方へ向けた状態で、第１ハウジング５２の下壁部５２ｂに支持されている。

　画像生成ユニット２０は、液晶パネル２２の背面側から液晶パネル２２にバックライトが照射されることにより、液晶パネル２２上に表示用画像ＰＩＣの元となる画像を生成するように構成されている。

　第１ハウジング５２の下壁部５２ｂには、画像生成ユニット２０を装着するユニット装着部５２ｄが形成されている。このユニット装着部５２ｄには、液晶パネル２２の外形形状よりもひと回り大きい長方形の開口部５２ｅが形成されている。

　画像生成ユニット２０は、液晶パネル２２がユニット装着部５２ｄの開口部５２ｅに嵌め込まれるように配置された状態で、第１ハウジング５２の下壁部５２ｂにネジ締め等によって固定されている。

　第１反射鏡３０は、画像生成ユニット２０の斜め上後方に配置されており、画像生成ユニット２０からの照射光を前方へ向けて反射させるように構成されている。

　図６は、第１反射鏡３０を示す斜視図である。

　図６に示すように、第１反射鏡３０は鞍型反射鏡である。第１反射鏡３０の反射面３０ａは鞍型曲面である。この第１反射鏡３０の反射面３０ａは、車両正面視において左右方向（すなわちドライバー２に視認させたい画像の方向）に延びる略長方形の形状を有している。

　具体的には、図６において１点鎖線で示すように、第１反射鏡３０の反射面３０ａの水平断面形状（すなわち長方形の長辺と平行な第１の方向に沿った断面形状）が凸曲線（具体的には略円弧状の凸曲線）で構成されるとともに、第１反射鏡３０の反射面３０ａの鉛直断面形状（すなわち長方形の短辺と平行な第２の方向に沿った断面形状）が凹曲線（具体的には略円弧状の凹曲線）で構成されている。本実施形態においては、このような構成を鞍型とする。

　第１反射鏡３０の反射面３０ａの左右両側端部には、フランジ部３２が形成されている。図４に示すように、第１反射鏡３０は、左右１対のフランジ部３２を介して第１ハウジング５２に固定されている。

　具体的には、各フランジ部３２は、反射面３０ａの側端部から鉛直面に沿って後方へ向けて延びるように形成された側壁部３２Ａと、この側壁部３２Ａの外側面から側方へ向けて延びるように形成された階段状部３２Ｂとを備えている。階段状部３２Ｂは、上段平面部３２Ｂ１と下段平面部３２Ｂ２とを有する。上段平面部３２Ｂ１と下段平面部３２Ｂ２が斜面部を介して接続されている。

　第１反射鏡３０は、第１ハウジング５２に対して、左右１対のフランジ部３２の階段状部３２Ｂの上段平面部３２Ｂ１において位置決めされた状態で、その下段平面部３２Ｂ２においてネジ締め固定されている。

　第１ハウジング５２の下壁部５２ｂには、第１反射鏡３０を支持する左右１対の柱状突起部５２ｆが形成されている。各柱状突起部５２ｆは、第１ハウジング５２の下壁部５２ｂから上方へ向けて略角錐状に突出するように形成されている。各柱状突起部５２ｆの上端面は水平面状に形成されており、この上端面には上方へ向けて突出するピン５２ｇが形成されている。

　第１反射鏡３０の各フランジ部３２における階段状部３２Ｂの上段平面部３２Ｂ１には、ピン５２ｇを挿通させるピン挿通孔３２Ｂ１ａが形成されている。左右１対のピン挿通孔３２Ｂ１ａのうちの一方（具体的には左側のピン挿通孔３２Ｂ１ａ）はピン５２ｇと略同一径の円形状に形成されており、他方はピン５２ｇと略同一の前後幅で左右方向に延びる長円形状に形成されている。

　各フランジ部３２における階段状部３２Ｂの下段平面部３２Ｂ２には、ネジ３４を第１ハウジング５２の下壁部５２ｂに締め付けるネジ挿通孔３２Ｂ２ａ（図６参照）が形成されている。

　左右１対のピン挿通孔３２Ｂ１ａに左右１対のピン５２ｇが挿入され、かつ、左右１対の上段平面部３２Ｂ１が左右１対の柱状突起部５２ｆの上端面に押し当てられた状態で、左右１対のネジ挿通孔３２Ｂ２ａを介して第１ハウジング５２の下壁部５２ｂに形成された左右１対のネジ穴（図示せず）にネジ３４が締め付けられる。これにより、第１反射鏡３０は第１ハウジング５２に対して位置決めされた状態で固定される。

　左右１対の柱状突起部５２ｆは、第２反射鏡４０へ向かう第１反射鏡３０からの反射光を遮光しない周面形状を有している。具体的には、左右１対の柱状突起部５２ｆは、四角錐の周面における前面内側の角部が面取りされている。これにより前方へ向けて左右両側に拡がる傾斜面５２ｆ１が形成されている。このような傾斜面５２ｆ１が柱状突起部５２ｆに形成されていることによって、第２反射鏡４０へ向かう第１反射鏡３０からの反射光が柱状突起部５２ｆによって遮光されてしまわないようになっている。

　第１反射鏡３０を支持する左右１対の柱状突起部５２ｆが第１ハウジング５２に形成されていることにより、本実施形態は、第１反射鏡３０のフランジ部３２に画像生成ユニット２０からの出射光や太陽光Ｓが当たって迷光が発生してしまうのを未然に防止する。

　図３から図５に示すように、第２反射鏡４０は、第１反射鏡３０の前方に配置されている。この第２反射鏡４０は、第１反射鏡３０で反射した画像生成ユニット２０からの照射光を上方へ向けて反射させるように構成されている。

　第２反射鏡４０は、凹面鏡である。第２反射鏡４０の反射面４０ａの表面形状は略球面状の凹曲面である。この第２反射鏡４０の反射面４０ａは、車両正面視において左右方向に延びる長方形の形状を有している。第２反射鏡４０の反射面４０ａは、第１反射鏡３０の反射面３０ａよりも大きく、かつ、第１反射鏡３０の反射面３０ａよりも大きい縦横比で形成されている。具体的には、第２反射鏡４０の反射面４０ａは、第１反射鏡３０の反射面３０ａに対して１～１．５倍程度の上下幅を有するとともに２～３倍程度の左右幅を有している。

　このように第２反射鏡４０の反射面４０ａは、左右方向（すなわちドライバー２に視認させたい画像の方向）に大きく湾曲した状態で、第１反射鏡３０の反射面３０ａよりも大きい縦横比で形成されている。第１反射鏡３０は鞍型反射鏡である。このため第１反射鏡３０の反射面３０ａからの反射光において、上下方向の拡がりは小さく左右方向の拡がりは大きい。反射面３０ａからの反射光がこれにより第２反射鏡４０の反射面４０ａに効率良く入射される。

　図４および図５に示すように、第２反射鏡４０は、第１ハウジング５２に対して、第２反射鏡４０の前方近傍において左右方向に延びる軸線Ａｘ回りに回動可能に支持されている。これにより、第２反射鏡４０は、第１反射鏡３０からの反射光をフロントウインドウ１０２の表示用領域１０２Ａに正確に入射させる角度調整を行い得る。

　第２反射鏡４０の反射面４０ａの背面側の左右両側端部には鉛直面に沿って前方へ向けて延びる左右１対のブラケット４２が形成されている。これら左右１対のブラケット４２には、軸線Ａｘ上において左右両方向（すなわち反射面４０ａから離れる方向）へ向けて延びる第１および第２軸部４４Ａ、４４Ｂが形成されている。

　第１および第２軸部４４Ａ、４４Ｂは、いずれも円柱状に形成されている。右側に位置する第２軸部４４Ｂは、左側に位置する第１軸部４４Ａよりも小さい外径で形成されている。第２軸部４４Ｂの先端部は第１軸部４４Ａと同一の外径で形成されている。

　第２軸部４４Ｂの先端面には、後方へ向けて延びるレバー部材４６の基端部４６ａが固定されている。レバー部材４６の基端部４６ａは、第２軸部４４Ｂと同軸で円柱状に延びるように形成されている。基端部４６ａの外径は第２軸部４４Ｂの先端部と同一である。

　レバー部材４６の先端部４６ｂは、第２反射鏡４０を軸線Ａｘ回りに回動させるアクチュエータ４８の出力軸４８ａに連結されている。

　アクチュエータ４８は、第１ハウジング５２の下方側においてその下壁部５２ｂに固定されている。このアクチュエータ４８の出力軸４８ａは、上方へ向けてハウジング５０の内部空間１２まで延びるように形成されており、上下方向に往復移動し得る。

　図７Ａは、図５のVIIａ－VIIａ線断面図である。図７Ｂは、図５のVIIｂ－VIIｂ線断面図である。

　図７Ａおよび図７Ｂにも示すように、第１ハウジング５２の周壁部５２ｃには、第１軸部４４Ａを載置する載置部５２ｈと、レバー部材４６の基端部４６ａを載置する載置部５２ｉとが形成されている。

　載置部５２ｈは、第１ハウジング５２の周壁部５２ｃの左側領域の内面に形成されている。載置部５２ｉは、第１ハウジング５２の周壁部５２ｃの右側領域の内面に形成されている。各載置部５２ｈ、５２ｉの上面は、略Ｕ字状に形成されている。Ｕ字状の下端部は第１軸部４４Ａおよびレバー部材４６の基端部４６ａの各々の外径と略同一の内径を有する半円筒面である。

　第１ハウジング５２には、第２軸部４４Ｂを載置する載置部５２ｊが、レバー部材４６よりも左側（すなわち第１軸部４４Ａ側）に形成されている。この載置部５２ｊは、第１ハウジング５２の下壁部５２ｂから上方へ向けて突出するリブとして形成されている。この載置部５２ｊの上面は、略Ｕ字状に形成されている。Ｕ字状の下端部は第２軸部４４Ｂの外径と略同一の内径を有する半円筒面である。

　第２ハウジング５４には、第１ハウジング５２の載置部５２ｈに載置された第１軸部４４Ａに当接して第２反射鏡４０を位置決めする当接部５４ｃと、第１ハウジング５２の載置部５２ｉに載置されたレバー部材４６の基端部４６ａに当接して第２反射鏡４０を位置決めする当接部５４ｄとが形成されている。

　各当接部５４ｃ、５４ｄは、第２ハウジング５４の外周フランジ部５４ｂから下方へ向けて突出するリブとして形成されている。リブの下端面には第１軸部４４Ａおよびレバー部材４６の基端部４６ａの各々の外径と略同一の内径を有する半円筒面状の凹部が形成されている。

　レバー部材４６の基端部４６ａには、下方へ向けて突出するタブ４６ｃが形成されている。第１ハウジング５２の下壁部５２ｂには、上方へ向けて突出する左右１対の挟持部５２ｋが形成されている。タブ４６ｃは、前後方向に延びる鉛直面に沿って延びるように形成されている。左右１対の挟持部５２ｋは、タブ４６ｃの左右両側に位置するように形成されている。タブ４６ｃと左右１対の挟持部５２ｋとが係合することによって、第１ハウジング５２に対して第２反射鏡４０が左右方向に関して位置決めされる。

　なお、図３から図５に示すように、第１ハウジング５２の下壁部５２ｂは、ユニット装着部５２ｄが形成されている部分ならびに第１および第２反射鏡３０、４０の反射面３０ａ、４０ａの下方に位置する部分に対して、それ以外の部分が一段高い位置に形成されている。

　図３に示すように、第２ハウジング５４には、第１反射鏡３０の反射面３０ａの周辺領域を覆う遮光片部５４ｅが形成されている。この遮光片部５４ｅは、第２ハウジング５４の開口部５４ａの後端縁から斜め下前方へ向けて板状に延びるように形成されている。

　画像照射装置１０においては、フロントウインドウ１０２を介して車室内に入射した太陽光Ｓが透光カバー６０を介してハウジング５０の内部空間１２に入射してしまうことがある。この太陽光Ｓが第１反射鏡３０の反射面３０ａの周辺領域に到達してしまうのを遮光片部５４ｅの遮光作用によって未然に防止するようになっている。

　仮に、第１反射鏡３０の反射面３０ａの表面処理を行う際に、反射面３０ａの周辺領域に蒸着膜等が付着してしまうようなことがあっても、本実施形態は、この周辺領域に到達した太陽光Ｓが蒸着膜等において反射して迷光となってしまうのを未然に防止する。

　図８Ａは、図１のIII部のうち、第２ハウジング５４の詳細構造を示す詳細図である。図８Ａに示す構成において、図３に示した構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図８Ｂは、図８Ａのｂ－ｂ線断面図である。

　図８Ａおよび図８Ｂに示すように、遮光片部５４ｅの先端面は第１反射鏡３０の反射面３０ａの上端縁よりも下方側の位置まで延びるように形成されている。遮光片部５４ｅの先端部には第１反射鏡３０からの反射光が第２反射鏡４０に入射するのを許容する切欠き部５４ｅ１が形成されている。

　切欠き部５４ｅ１は、車両正面視において横長矩形状の凹部として形成されている。切欠き部５４ｅ１の上端縁は第１反射鏡３０の反射面３０ａの上端縁よりも僅かに下方側に位置する。切欠き部５４ｅ１の両側端縁が第１反射鏡３０の反射面３０ａの左右両端縁から左右両側に多少離れた状態で形成されている。すなわち、切欠き部５４ｅ１上端縁および左右両端縁が、第１反射鏡３０の反射面３０ａの光学的有効範囲の外周側に位置している。

　遮光片部５４ｅは、第２ハウジング５４の開口部５４ａの左右両側に対応する部分にまで、板状に回り込むように形成されている。遮光片部５４ｅは、開口部５４ａの左右両側においては、内周側へ向けて斜め下方に延びるように形成されている。遮光片部５４ｅの前端縁は第２反射鏡４０よりも後方側に位置している。このように本実施形態は、遮光片部５４ｅを金型の抜き方向に関して無理のない形状とすることにより、金型の複雑化を未然に防止する。

　図９は、画像照射装置１０の組付けの様子を示す斜視図である。

　図９に示すように、第１ハウジング５２に対して、第１ハウジング５２の上方側から第２反射鏡４０および第２ハウジング５４が順次装着されることにより、第２反射鏡４０および第２ハウジング５４の組付けが行われる。

　図９は、第１ハウジング５２を第１反射鏡３０およびアクチュエータ４８が予め装着された状態であって第２反射鏡４０に透光カバー６０が予め装着された状態を示している。

　第２反射鏡４０の第１軸部４４Ａが第１ハウジング５２の載置部５２ｈに載置されるとともに、レバー部材４６の基端部４６ａおよび第２反射鏡４０の第２軸部４４Ｂが第１ハウジング５２の載置部５２ｉ、５２ｊに載置されることによって第１ハウジング５２に対して第２反射鏡４０が装着される。

　その際、レバー部材４６の基端部４６ａに形成されたタブ４６ｃが第１ハウジング５２の左右１対の挟持部５２ｋの間に挿入されるとともに、レバー部材４６の先端部４６ｂがアクチュエータ４８の出力軸４８ａに連結される。

　第１ハウジング５２に対する第２ハウジング５４の装着は、複数箇所におけるランス係合によって行われる。第２ハウジング５４の外周フランジ部５４ｂの複数箇所には下向きのランス５４ｆが形成されている。第１ハウジング５２には、複数箇所のランス５４ｆに対応する位置に上下方向に開口する係合孔部５２ｍが形成されている。第２ハウジング５４の外周フランジ部５４ｂが第１ハウジング５２の上端開口部５２ａに当接する際、各ランス５４ｆが各係合孔部５２ｍに挿入されて係合する。これにより第２ハウジング５４が第１ハウジング５２に固定される。

　次に本実施形態の作用について説明する。

　本実施形態に係る画像照射装置１０は、画像生成ユニット２０からの出射光を第１および第２反射鏡３０、４０で順次反射させることにより画像表示部としてのフロントウインドウ１０２に表示用画像ＰＩＣを映し出すように構成されている。第１反射鏡３０の反射面３０ａが鞍型曲面であるため、本実施形態は次のような作用効果を得ることができる。

　第２反射鏡４０の反射面４０ａは横長の外形形状（すなわち正方形以外の外形形状）を有している。第１反射鏡３０の反射面３０ａの水平断面形状（すなわち長手方向に沿った断面形状）は凸曲線で構成されるとともに、第１反射鏡３０の反射面３０ａの鉛直断面形状（すなわち長手方向と直交する方向に沿った断面形状）は凹曲線で構成されている。このため第１反射鏡３０からの反射光を第２反射鏡４０の反射面４０ａに効率良く入射させることができる。

　具体的には、第２反射鏡４０の反射面４０ａは第１反射鏡３０の反射面３０ａよりも大きい縦横比を有している。第１反射鏡３０が鞍型反射鏡であるため、第１反射鏡３０の反射面３０ａからの反射光のうち、上下方向の拡がりは小さく左右方向の拡がりは大きい。反射面３０ａからの反射光がこれにより第２反射鏡４０の反射面４０ａに効率良く入射される。

　このように本実施形態によれば、画像生成ユニット２０からの出射光を第１および第２反射鏡３０、４０で順次反射させることによりフロントウインドウ１０２に表示用画像ＰＩＣを映し出すように構成された画像照射装置１０において、第２反射鏡４０の反射面４０ａが正方形以外の外形形状を有している場合であっても、第１反射鏡３０からの反射光を第２反射鏡４０の反射面４０ａに効率良く入射させることができる。

　本実施形態においては、第２反射鏡４０の反射面４０ａが凹曲面であるので、第１反射鏡３０からの反射光を第２反射鏡４０で反射させることにより、表示用画像ＰＩＣを拡大した状態でフロントウインドウ１０２に映し出すことができる。しかも、第１反射鏡３０と第２反射鏡４０との間隔を狭くすることで、画像照射装置１０の前後幅を小さくすることができる。

　本実施形態の画像生成ユニット２０は、表示用画像ＰＩＣを横長の長方形の形状を有する画像として生成するように構成されている。第１反射鏡３０の反射面３０ａの水平断面形状は凸曲線で構成されるとともに、第１反射鏡３０の反射面３０ａの鉛直断面形状が凹曲線で構成されている。このため第１反射鏡３０からの反射光を第２反射鏡４０の反射面４０ａに効率良く入射させることができる。

　さらに、本実施形態に係る画像照射装置１０は、第１および第２反射鏡３０、４０を収容するハウジング５０を備えた構成となっている。第１反射鏡３０の反射面３０ａの両側端部には１対のフランジ部３２が形成されている。これら左右１対のフランジ部３２を介して第１反射鏡３０がハウジング５０に固定されているので、第１反射鏡３０を精度良く配置することができ、これにより画像生成ユニット２０からの出射光に対する反射を精度良く反射することができる。

　前記実施形態においては、第１反射鏡３０の反射面３０ａの水平断面形状を構成する凸曲線および鉛直断面形状を構成する凹曲線がいずれも略円弧状に形成されていると説明した。前記凸曲線および凹曲線はそれぞれ、曲率が徐々に変化するように形成されてもよい。

　前記実施形態においては、第２反射鏡４０の反射面４０ａが横長の長方形の形状を有していると説明した。しかし反射面４０ａは、縦長の長方形の形状や、長方形以外の外形形状を有してもよい。

　前記実施形態においては、第２反射鏡４０の反射面４０ａが凹曲面であると説明した。しかし反射面４０ａは、凹曲面の代わりに平面や凸曲面あるいは鞍型曲面であってもよい。

　前記実施形態においては、画像表示部がフロントウインドウ１０２であると説明した。しかし画像表示部は、フロントウインドウ１０２の車室内側に配置された透光板等であってもよい。

　前記実施形態においては、画像照射装置１０が車載用のヘッドアップディスプレイであると説明した。しかし画像照射装置１０は、これ以外の用途で用いられてもよい。

　次に本実施形態の他の作用について説明する。

　本実施形態に係る画像照射装置１０は、表示用画像ＰＩＣを生成する画像生成ユニット２０と、この画像生成ユニット２０から出射した光を画像表示部としてのフロントウインドウ１０２へ向けて順次反射させる第１および第２反射鏡３０、４０と、これらを収容するハウジング５０とを備えている。ハウジング５０は、第１ハウジング５２および第２ハウジング５４を備えている。第１および第２反射鏡３０、４０を支持する第１ハウジング５２に対して、第２ハウジング５４が組み付けられている。第２ハウジング５４には第１反射鏡３０の反射面３０ａの周辺領域を覆う遮光片部５４ｅが形成されているので、本実施形態は次のような作用効果を得ることができる。

　第１および第２反射鏡３０、４０を支持する第１ハウジング５２に対して第２ハウジング５４が組み付けられるため、ハウジング５０を無理なく製造することが可能となる。

　第２ハウジング５４には、第１反射鏡３０の反射面３０ａの周辺領域を覆う遮光片部５４ｅが形成されている。このため、ハウジング５０の内部空間１２に入射した太陽光Ｓが反射面３０ａの周辺領域に到達してしまうのを遮光片部５４ｅの遮光作用によって未然に防止することができる。したがって、反射面３０ａの周辺領域で反射した太陽光Ｓが迷光となってフロントウインドウ１０２に到達することにより表示用画像ＰＩＣ以外の無用な画像が形成されてしまうのを未然に防止することができる。

　さらに、第１反射鏡３０の反射面３０ａの周辺領域を覆うフレーム部材等を新たに設けることなく無用な画像が形成されてしまうのを防止することができ、これにより画像照射装置１０を安価な構成とすることができる。

　このように本実施形態によれば、画像表示部としてのフロントウインドウ１０２に表示用画像ＰＩＣを映し出すように構成された画像照射装置１０において、安価な構成によって迷光の発生を効果的に抑制することができる。

　本実施形態に係る画像照射装置１０においては、第２ハウジング５４に、フロントウインドウ１０２へ向かう第２反射鏡４０からの反射光を通過させる開口部５４ａが形成されている。遮光片部５４ｅは、この開口部５４ａの周辺領域から板状に延びるように形成されているので、第２ハウジング５４を製造上無理のない形状（具体的には金型の抜き方向に関して無理のない形状）にした上で、太陽光Ｓが第１反射鏡３０の反射面３０ａの周辺領域に到達してしまうのを効果的に抑制することができる。

　遮光片部５４ｅの先端部には、第１反射鏡３０からの反射光が第２反射鏡４０に入射するのを許容する切欠き部５４ｆ１が形成されているので、迷光の発生を効果的に抑制するとともに、第１反射鏡３０からの反射光を有効に利用することができる。

　また、本実施形態に係る画像照射装置１０では、第１反射鏡３０を支持する左右１対の柱状突起部５２ｆが第１ハウジング５２に形成されている。各柱状突起部５２ｆは第１反射鏡３０から第２反射鏡４０へ向かう反射光を遮光しない周面形状を有している。このため第１反射鏡３０からの反射光を有効に利用することができる。左右１対の柱状突起部５２ｆは、四角錐の周面における前面内側の角部が面取りされている。これにより前方へ向けて左右両側に拡がる傾斜面５２ｆ１が形成されているので、第１反射鏡３０に対する支持が確実に行われるとともに、第１反射鏡３０からの反射光の遮光防止を図ることができる。

　本実施形態においては、第１反射鏡３０を支持する左右１対の柱状突起部５２ｆが第１ハウジング５２に形成されている。このため、第１反射鏡３０のフランジ部３２に画像生成ユニット２０からの出射光や太陽光Ｓが当たって迷光が発生してしまうのを未然に防止することができる。

　前記実施形態においては、第１および第２反射鏡３０、４０の反射面３０ａ、４０ａが横長の長方形の形状を有していると説明した。しかし、安価な構成によって迷光の発生を効果的に抑制する観点で、反射面３０ａ、４０ａがこれ以外の外形形状を有してもよい。

　前記実施形態においては、第１反射鏡３０の反射面３０ａが鞍型曲面であるとともに第２反射鏡４０の反射面４０ａが凹曲面であると説明した。しかし、安価な構成によって迷光の発生を効果的に抑制する観点で、反射面３０ａおよび反射面４０ａがこれら以外の表面形状（例えば平面形状等）を有してもよい。

　前記実施形態においては、画像照射装置１０が第１および第２反射鏡３０、４０を備えていると説明した。しかし、安価な構成によって迷光の発生を効果的に抑制する観点で、画像照射装置１０が単一の反射鏡を備えてもよい。この場合においても、第２ハウジング５４に前記反射鏡の反射面の周辺領域を覆う遮光片部が形成されることにより、前記実施形態と略同様の作用効果を得ることが可能である。

　次に本実施形態のさらに他の作用について説明する。

　本実施形態に係る画像照射装置１０は、表示用画像ＰＩＣを生成する画像生成ユニット２０と、この画像生成ユニット２０から出射した光を画像表示部としてのフロントウインドウ１０２へ向けて順次反射させる第１および第２反射鏡３０、４０と、これらを収容するハウジング５０を備えている。第２反射鏡４０の反射面４０ａの両側端部には第１および第２軸部４４Ａ、４４Ｂが同一の軸線Ａｘ上に配置されている。このため第２反射鏡４０を軸線Ａｘまわりに回動させることによって、本実施形態は第２反射鏡４０の向きを調整することが可能となる。

　ハウジング５０は、第１および第２反射鏡３０、４０を支持する第１ハウジング５２と、第１ハウジング５２に組み付けられた第２ハウジング５４とを備えているため、ハウジング５０を無理なく製造することが可能となる。

　第１ハウジング５２には、第１および第２軸部４４Ａ、４４Ｂを載置する載置部５２ｈ、５２ｊが形成されている。第２ハウジング５４には、載置部５２ｈ、５２ｊに載置された第１および第２軸部４４Ａ、４４Ｂに当接して第２反射鏡４０を位置決めする当接部５４ｃ、５４ｄが形成されている。このため本実施形態は、次のような作用効果を得ることができる。

　第１ハウジング５２に対して第２ハウジング５４が組み付けられたとき、第２反射鏡４０の第１軸部４４Ａに当接部５４ｃが当接するとともに第２反射鏡４０の第２軸部４４Ｂ（に固定されたレバー部材４６の基端部４６ａ）に当接部５４ｄが当接する。これにより本実施形態は、第２反射鏡４０の回動を阻害することなく第２反射鏡４０の上下方向および前後方向（すなわち軸線Ａｘと直交する方向）に位置決めすることができる。

　したがって、第２反射鏡４０を回動可能に支持するブラケット等を新たに設けることなく、第２反射鏡４０の向きを調整することが可能となる。これにより表示用画像ＰＩＣをフロントウインドウ１０２の適正な位置に映し出すことが可能となる。

　しかも、第１ハウジング５２に対して上方側から第２反射鏡４０を載置し第２ハウジング５４を組み付けるだけの簡単な作業によって、表示用画像ＰＩＣをフロントウインドウ１０２の適正な位置に映し出すことが可能となる。

　このように本実施形態によれば、画像表示部としてのフロントウインドウ１０２に表示用画像ＰＩＣを映し出すように構成された画像照射装置１０において、安価な構成によって表示用画像ＰＩＣを適正な位置に映し出すことができる。

　また本実施形態においては、第２反射鏡４０の第２軸部４４Ｂに軸線Ａｘと交差する方向に延びるレバー部材４６が固定されるとともに、このレバー部材４６が第２反射鏡４０を軸線Ａｘ回りに回動させるアクチュエータ４８に連結されてい。このため、必要最小限の部材で第２反射鏡４０を回動させることが可能となる。

　本実施形態においては、第２反射鏡４０の第１軸部４４Ａを載置する載置部５２ｈが、第１ハウジング５２の周壁部５２ｃの内面に形成されている。また、レバー部材４６を載置する載置部５２ｉ（第２載置部）が、第１ハウジング５２の周壁部５２ｃの反対側の内面に形成されている、このため、第２反射鏡４０に対する支持剛性を十分に確保することができる。

　本実施形態においては、第２反射鏡４０の第２軸部４４Ｂを載置する載置部５２ｊがレバー部材４６よりも第１軸部４４Ａ側の位置に形成されている。レバー部材４６の左右両側が第１ハウジング５２に支持されることにより、第２反射鏡４０が安定的に回動することができる。

　本実施形態においては、第２ハウジング５４の当接部５４ｃ、５４ｄが、円弧状の凹部を有するリブとして形成されている。第２反射鏡４０が安定的に回動することができ、第２反射鏡４０の向きを調整することが容易に可能となる。

　前記実施形態においては、各載置部５２ｈ、５２ｊおよび各当接部５４ｃ、５４ｄの構成として、第１および第２軸部４４Ａ、４４Ｂに当接する部分が半円弧状の断面形状を有していると説明した。しかし、第１および第２軸部４４Ａ、４４Ｂに当接する部分が半円弧状の断面形状の代わりに台形状の断面形状等を有してもよい。また、各載置部５２ｈ、５２ｊおよび各当接部５４ｃ、５４ｄのいずれか一方が、平面状に形成されてもよい。

　前記実施形態においては、画像生成ユニット２０が第１および第２反射鏡３０、４０の反射面３０ａ、４０ａの左右方向の中心位置に配置されていると説明したが、その中心位置から左右方向にずれた位置に配置された構成とすることも可能である。

　前記実施形態においては、第１および第２反射鏡３０、４０を備えていると説明したが、単一の反射鏡を備えた構成とすることも可能であり、このような構成を採用した場合においても、前記実施形態と略同様の作用効果を得ることが可能である。

　次に、前記実施形態の変形例について説明する。

　図１０は、本変形例に係る画像照射装置１１０において、第２ハウジングを外した状態の画像照射装置１１０を示す平面図である。図１０に示す構成において、図４に示した構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図１１は、本変形例の第１反射鏡１３０を示す斜視図である。図１１に示す構成において、図６に示した構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。

　図１０および図１１に示すように、本変形例に係る画像照射装置１１０の基本的な構成は前記実施形態と同様である。しかし本変形例の画像生成ユニット２０の配置は前記実施形態と異なっており、これに伴って第１反射鏡１３０および第１ハウジング１５２の構成が前記実施形態と一部異なっている。

　本変形例においては、画像生成ユニット２０が、第１反射鏡１３０の反射面１３０ａの中心位置および第２反射鏡４０の反射面４０ａの中心位置から左側に外れた位置に配置されている。画像生成ユニット２０は、ユニット装着部１５２ｄの開口部１５２ｅに嵌め込まれた液晶パネル２２が、斜め上後方でかつ斜め右方向（車両正面視では斜め左方向）へ向いた状態（すなわち第１反射鏡１３０の反射面１３０ａへ向けた状態）で、第１ハウジング１５２の下壁部１５２ｂに支持されている。

　本変形例の第１反射鏡１３０は、画像生成ユニット２０の液晶パネル２２に対して斜め上後方でかつ斜め右方向に配置されている。第１反射鏡１３０は、前記実施形態の第１反射鏡３０と略同じ位置に配置されており、かつ、その反射面１３０ａは車両正面視において左右方向に延びる略長方形の形状を有しているが、その反射面１３０ａが前方正面方向からやや左側に傾斜した方向を向いた状態で配置されている。これにより本変形例は、画像生成ユニット２０からの出射光を第２反射鏡４０へ向けて反射させている。

　本変形例の第１反射鏡１３０も鞍型反射鏡である。すなわち、第１反射鏡１３０の反射面１３０ａの水平断面形状は凸曲線で構成されるとともに、第１反射鏡１３０の反射面１３０ａの鉛直断面形状が凹曲線で構成されている。

　図１１において１点鎖線で示すように、水平断面形状を構成する凸曲線は、反射面１３０ａの略左半分の領域（すなわち画像生成ユニット２０に近い領域）においては比較的曲率の大きい略円弧状の凸曲線であり、反射面１３０ａの略右半分の領域（すなわち画像生成ユニット２０から離れた領域）においては比較的曲率の小さい略円弧状の凸曲線である。すなわち本変形例の反射面１３０ａの鞍型曲面は、画像生成ユニット２０から鞍型曲面の各点までの距離に応じて、鞍型曲面の一断面を構成する凸曲線の曲率が変化するように形成されている。

　一方、鉛直断面形状を構成する凹曲線は、前記実施形態と同様、略円弧状の凹曲線で構成されている。

　なお、図１１においては、前記実施形態の第１反射鏡３０の反射面３０ａの外形形状ならびに反射面３０ａの水平断面形状を構成する凸曲線および反射面３０ａの鉛直断面形状を構成する凹曲線を、破線で示している。

　このように本変形例においては、第１反射鏡１３０の反射面１３０ａのうち、画像生成ユニット２０に比較的近い領域では水平断面を構成する凸曲線の曲率が大きい一方、画像生成ユニット２０から比較的近離れた領域では水平断面を構成する凸曲線の曲率は小さい。これにより第１反射鏡１３０は、左寄りの位置に配置された画像生成ユニット２０からの出射光を第２反射鏡４０へ向けて効率良く反射させる。

　また本変形例においても、第１反射鏡１３０を支持する左右１対の柱状突起部１５２ｆが第１ハウジング１５２に形成されている。これにより、第１反射鏡１３０のフランジ部１３２に画像生成ユニット２０からの出射光や太陽光Ｓが当たって迷光が発生してしまうのを未然に防止することができる。

　本変形例においても、第１反射鏡１３０の反射面１３０ａの左右両側端部にはフランジ部１３２が形成されている。第１反射鏡１３０は、左右１対のフランジ部１３２を介して第１ハウジング１５２に固定されている。各フランジ部１３２は、前記実施形態と同様、側壁部１３２Ａと階段状部１３２Ｂとを備えている。

　第１反射鏡１３０は、第１ハウジング１５２に対して、左右１対の階段状部１３２Ｂの上段平面部１３２Ｂ１においてピン１５２ｇとピン挿通孔１３２Ｂ１ａとの係合によって位置決めされた状態で、左右１対の階段状部１３２Ｂの下段平面部１３２Ｂ２においてネジ挿通孔１３２Ｂ２ａを介してのネジ３４の締め付けによって固定されている。

　本変形例においても、第１ハウジング１５２の下壁部１５２ｂには、第１反射鏡１３０を支持する左右１対の柱状突起部１５２ｆが形成されている。第１反射鏡１３０の反射面１３０ａが左前方を向いているのに対応して、右側の柱状突起部１５２ｆは左側の柱状突起部１５２ｆに対して前方側に変位した状態で配置されている。

　右側の柱状突起部１５２ｆは、第２反射鏡４０へ向かう第１反射鏡１３０からの反射光を遮光しないように、四角錐の周面における前面内側の角部が面取りされている。これにより左斜め前方へ向けて延びる傾斜面１５２ｆ１が形成されている。一方、左側の柱状突起部１５２ｆは、第２反射鏡４０へ向かう第１反射鏡１３０からの反射光を遮光してしまうおそれがないので、四角錐の周面形状のままで形成されている。

　本変形例の構成を採用した場合においても、前記実施形態と略同様の作用効果を得ることができる。

　また本変形例のように、第１反射鏡１３０の反射面１３０ａの鞍型曲面は、画像生成ユニット２０から鞍型曲面の各点までの距離に応じて鞍型曲面の一断面を構成する凸曲線の曲率が変化するように形成されている。これにより、画像生成ユニット２０が第１反射鏡１３０の中心位置から左右方向にずれた位置に配置されている場合においても、第１反射鏡１３０からの反射光を第２反射鏡４０の反射面４０ａに対して略均等に入射させることができる。

　また、本変形例の場合においても、第１ハウジング５２により第１反射鏡１３０が確実に支持され、且つ、第１反射鏡１３０からの反射光の遮光防止を図ることができる。

　本変形例に係る画像照射装置１１０も、前記実施形態の第２ハウジング５４と同様の第２ハウジング（図示せず）を備えているので、安価な構成によって迷光の発生を効果的に抑制することができる。

　次に、前記実施形態の他の変形例について説明する。

　図１２は、他の変形例において、第２ハウジングを外した状態の画像照射装置１１０Ｃを示す平面図である。図１２に示す構成において、図４及び図１０に示した構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。

　図１２に示すように、本変形例に係る画像照射装置１１０Ｃの基本的な構成は前記実施形態と同様である。しかし本変形例の画像照射装置１１０Ｃでは、第２反射鏡４０の支持構造および第２反射鏡４０を回動させるアクチュエータ１７０の構成が前記実施形態と異なっており、これに伴って第１ハウジング１５２Ｃの構成が前記実施形態と一部異なっている。

　本変形例においても、第２反射鏡４０の第１軸部４４Ａは、第１ハウジング１５２Ｃの周壁部１５２ｃに形成された載置部１５２ｈに載置されている。一方第２反射鏡４０の第２軸部４４Ｂはアクチュエータ１７０の出力軸１７０ａに直接連結されている。

　アクチュエータ１７０の２箇所に形成された取付け部１７０ｂにおいて、第１ハウジング１５２Ｃの下壁部１５２ｂにネジ１７２を締め付けることによりアクチュエータ１７０は固定されている。このため、本変形例の第１ハウジング１５２Ｃには、前記実施形態の第１ハウジング５２に形成されていた載置部５２ｉ、５２ｊおよび挟持部５２ｋは形成されていない。

　また本変形例においても、第２ハウジング（図示せず）には、前記実施形態の第２ハウジング５４と同様、第１ハウジング１５２Ｃの載置部１５２ｈに載置された第１軸部４４Ａに当接して第２反射鏡４０を位置決めする当接部（すなわち前記実施形態の当接部５４ｃと同様の当接部）は形成されている。しかし本変形例の第２ハウジングには、前記実施形態の当接部５４ｄに相当する当接部は形成されていない。

　本変形例の場合においても、アクチュエータ１４８の駆動によって第２反射鏡４０を回動させることにより、第２反射鏡４０の向きを調整することができる。

　さらに、第１ハウジング１５２Ｃ等の構成を簡素化した上で、第２反射鏡４０の向きを調整することができる。

　なお、前記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。

　また本開示は、前記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。

　本出願は、２０２１年１１月２２日出願の日本出願第２０２１－１８９７３７号、２０２１年１１月２２日出願の日本出願第２０２１－１８９７３８号及び２０２１年１１月２２日出願の日本出願第２０２１－１８９７３９号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。

Claims (14)

1. 　画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、
   　前記表示用画像を生成する画像生成ユニットと、前記画像生成ユニットから出射した光を前記画像表示部へ向けて順次反射させる第１および第２反射鏡と、を備えており、
   　前記第１反射鏡の反射面は、鞍型曲面である、画像照射装置。
2. 　前記第２反射鏡の反射面は、凹曲面である、請求項１に記載の画像照射装置。
3. 　前記鞍型曲面は、前記画像生成ユニットから前記鞍型曲面の各点までの距離に応じて前記鞍型曲面の一断面を構成する凸曲線の曲率が変化するように形成されている、請求項１に記載の画像照射装置。
4. 　前記画像生成ユニットは、前記表示用画像を、長方形の形状を有する画像として生成するように構成されており、
   　前記第１反射鏡の前記反射面において、前記長方形の長辺と平行な第１の方向に沿った断面形状が凸曲線で構成されるとともに、前記長方形の短辺と平行な第２の方向に沿った断面形状が凹曲線で構成されている、請求項１から３のいずれか一項に記載の画像照射装置。
5. 　前記第１反射鏡および前記第２反射鏡を収容するハウジングを備えており、
   　前記第１反射鏡の前記反射面の両側端部に、１対のフランジ部が形成されており、
   　前記第１反射鏡は、前記１対のフランジ部を介して前記ハウジングに固定されている、請求項１から３のいずれか一項に記載の画像照射装置。
6. 　画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、
   　前記表示用画像を生成する画像生成ユニットと、前記画像生成ユニットから出射した光を前記画像表示部へ向けて反射させる反射鏡と、前記反射鏡を収容するハウジングとを備えており、
   　前記ハウジングは、前記反射鏡を支持する第１ハウジングと、前記第１ハウジングに組み付けられた第２ハウジングとを備えており、
   　前記第１ハウジングまたは前記第２ハウジングに、前記反射鏡の反射面の周辺領域を覆う遮光片部が形成されている、画像照射装置。
7. 　前記第２ハウジングに、前記画像表示部へ向かう前記反射鏡からの反射光を通過させる開口部が形成されており、
   　前記遮光片部は、前記第２ハウジングにおける前記開口部の周辺領域から板状に延びるように形成されている、請求項６に記載の画像照射装置。
8. 　前記反射鏡は、前記画像生成ユニットから出射した光を前記画像表示部へ向けて順次反射させる第１および第２反射鏡を備えており、
   　前記遮光片部は、前記第１反射鏡の反射面の周辺領域を覆うように形成されており、
   　前記遮光片部の先端部に、前記第１反射鏡からの反射光が前記第２反射鏡に入射するのを許容する切欠き部が形成されている、請求項７に記載の画像照射装置。
9. 　前記第１ハウジングに、前記反射鏡を支持する柱状突起部が形成されており、
   　前記柱状突起部は、前記反射鏡からの反射光を遮光しない周面形状を有している、請求項６から８のいずれか一項に記載の画像照射装置。
10. 　画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、
    　前記表示用画像を生成する画像生成ユニットと、前記画像生成ユニットから出射した光を前記画像表示部へ向けて反射させる反射鏡と、前記反射鏡を収容するハウジングとを備えており、
    　前記ハウジングは、第１ハウジングと、前記第１ハウジングに組み付けられた第２ハウジングとを備えており、
    　前記反射鏡の反射面の側端部に、前記反射面から離れる方向へ向けて延びる軸部が形成されており、
    　前記第１ハウジングに、前記軸部を載置する載置部が形成されており、
    　前記第２ハウジングに、前記載置部に載置された前記軸部に当接して前記反射鏡を位置決めする当接部が形成されている、画像照射装置。
11. 　前記載置部は、前記第１ハウジングの周壁部の内面に形成されている、請求項１０に記載の画像照射装置。
12. 　前記当接部は、円弧状の凹部を有するリブとして形成されている、請求項１０または１１に記載の画像照射装置。
13. 　前記軸部は、前記反射面の両側端部において同一の軸線上に配置された第１および第２軸部を備えており、
    　前記第２軸部に、前記軸線と交差する方向に延びるレバー部材が固定されており、
    　前記レバー部材は、前記反射鏡を前記軸線回りに回動させるアクチュエータに連結されている、請求項１０または１１に記載の画像照射装置。
14. 　前記第１ハウジングの周壁部の内面に、前記レバー部材を載置する第２載置部が形成されており、
    　前記第２軸部を載置する前記載置部が、前記レバー部材よりも前記第１軸部側の位置に形成されている、請求項１３に記載の画像照射装置。

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