明 細 書
5 -ジフルォロメトキシ _ 4 _チオメチルピラゾールイ匕合物の製造方法 技術分野
[0001] 本発明は 5 ジフルォロメトキシー4 チオメチルピラゾールイ匕合物の製造方法に 関するものである。
背景技術
[0002] 本発明によって得られる 5 ジフルォロメトキシー 4ーチオメチルピラゾール化合物 は医薬及び農薬の製造中間体として有用である。
[0003] 5 ジフルォロメトキシピラゾール化合物を得る方法として、例えば、 5 ヒドロキシピ ラゾール化合物とクロロジフルォロメタンを N, N ジメチルホルムアミド溶媒中、炭酸 水素カリウムの存在下で反応させる方法 (非特許文献 1参照)、ジォキサンと水の混 合溶媒中、水酸化ナトリウムの存在下で反応させる方法 (特許文献 1参照)が知られ ている。
[0004] しかしながら、 5—ヒドロキシ一 4—チオメチルピラゾール化合物に対して、クロロジフ ルォロメタンを用いて 5—ジフルォロメトキシ 4 チオメチルピラゾール化合物を得 る方法に関しては、知られていない。
[0005] 一方、 5 ヒドロキシー 4ーチオメチルピラゾール化合物は、ケトーエノール互変異 性体として存在し、ケト型化合物は、電子吸引基を持つォレフィンへの、硫黄化合物 のマイケル付カ卩生成物であると理解できる力 一般に、この種のマイケル付加は可逆 的であり、付加物を強塩基とともに加熱すると硫黄化合物が脱離することが知られて いる(非特許文献 2参照)。また、強塩基条件下、クロロジフルォロメタンを用いて、 5 ーヒドロキシ 4 チオメチルピラゾール化合物から 5—ジフルォロメトキシ 4 チォ メチルビラゾール化合物を得ようとする場合、例えば、アルコール溶媒中で反応する と、反応の進行と競争して、原料の分解が起こることが知られている (非特許文献 2参 照)。
[0006] 特許文献 1 :国際公開公報 W095Z19967
非特許文献 1 :ジャーナル ォブ メディシナル ケミストリー (J. Medicinal Chemis
try)、第 43卷— 16号、 2975— 2981頁(2000年)
非特許文献 2 :有機合成における硫黄化合物の役割 (三共出版株式会社)、 5. 5. 2 章、 171— 174頁、(1981年)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] 本発明は、 5 ヒドロキシー4ーチオメチルピラゾール化合物に対してクロロジフル ォロメタンを用いて 5—ジフルォロメトキシ 4—チオメチルピラゾール化合物を効率 よく製造する新規な方法を提供する。
課題を解決するための手段
[0008] 上記のような状況に鑑み、本発明者は、 5 ジフルォロメトキシー 4ーチオメチルピ ラゾール化合物を製造する方法について鋭意研究を重ねた結果、意外にも、 5—ヒド 口キシー 4ーチオメチルピラゾール化合物とハロゲン化ジフルォロメタンを、塩基とし て水酸ィ匕ナトリウムを用い、炭素数 1乃至 3 (以下、炭素数については、例えば炭素数 1乃至 3の場合には、これを「C1〜C3」のように略記する。)のジ(C1〜C3アルキル) ケトン又は(C1〜C3アルキル)二トリルの存在下に反応させることによって、上記課題 を解決できることを見出した。この知見に基づき本発明を完成するに至った。
発明の効果
[0009] 本発明方法により、 5 ジフルォロメトキシー4ーチオメチルピラゾールイ匕合物の新 規な工業的製造法が提供される。本発明方法によれば、原料として、 5—ヒドロキシ 4ーチオメチルピラゾール化合物とハロゲン化ジフルォロメタンを用いて 5—ジフル ォロメトキシ— 4—チォメチルピラゾールイ匕合物を簡便な操作で製造できる。更に、本 発明方法では原料や生成物の分解が少なぐ反応時間も大幅に短縮されることから 、工業的な利用価値が高い。
発明を実施するための最良の形態
[0010] 以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、下記〔1〕乃至〔4〕項に記載の発明により前記課題を解決したものである
[0011] 〔1〕一般式 (1)
[0012]
[0013] (式中、 は、アルキル基、置換基を有しても良い芳香族炭化水素基又は置換基を 有しても良い複素環基を示し、 Rは電子吸引性基を示し、 Rはアルキル基、置換基
2 3
を有しても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有しても良い複素環基を示し、 nは 0 又は 2を示す。 )
[0014] で表される 5 ヒドロキシー 4ーチオメチルピラゾール化合物と、一般式(2)
[0015] [化 2]
CH F2X (2)
[0016] (式中、 Xはハロゲン原子を示す。 )
で表されるハロゲン化ジフルォロメタンを、ジ(C1〜C3アルキル)ケトン又は(C1〜C 3アルキル)二トリル、及び水酸化ナトリウムの存在下で反応させる事を特徴とする、一 般式 (3)
[0017] [化 3]
(式中、 R、 R、 R及び nは前記と同じ意味を示す。 )
1 2 3
で表される 5 ジフルォロメトキシ 4 チオメチルピラゾール化合物の製造方法。 〔2〕一般式 (2)中の Xが、塩素である上記〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕nが 0である、上記〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕 nが 2である上記〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔5〕反応を、水を捕捉する働きのある添加剤の存在下で行う、上記〔1〕乃至〔4〕のい
ずれか 1項に記載の製造方法。
〔6〕水を捕捉する働きのある添加剤が無水硫酸ナトリウム、塩ィ匕カルシウム、及び炭 酸ナトリウム力もなる群より選ばれる少なくとも 1種である、上記〔5〕項に記載の製造方 法。
[0019] 以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、一般式( 1 )で表される 5 ヒドロキシ 4 チオメチルピラゾール化合物 と、一般式(2)で表されるハロゲン化ジフルォロメタンとを、ジ(C1〜C3アルキル)ケト ン又は(C1〜C3アルキル)二トリル、及び水酸化ナトリウムの存在下で反応させること を特徴とする、一般式( 3)で表される 5—ジフルォロメトキシ 4 チォメチルピラゾー ル化合物の製造方法である。
[0020] まず、本発明方法の原料として用いる、一般式(1)で表される原料ィ匕合物について 説明する。
[0021] 一般式(1)中の Rとしては、例えば、メチル基、ェチル基、 n プロピル基、イソプロ ピル基、 n ブチル基、 sec ブチル基、 t ブチル基、 n—ペンチル基、 n—へキシ ル基等の、直鎖又は分岐 C1〜C6アルキル基;例えばフ -ル基、ナフチル基等の 、単環又は縮合環の C6〜C10芳香族炭化水素基 (該芳香族炭化水素基は、例え ば、ブロモ、クロ口、フルォロ、ョ―ド等のハロゲン原子;例えば、メチル基、ェチル基 、 n プロピル基、イソプロピル基、 n ブチル基、 sec ブチル基、 t ブチル基、 n ペンチル基、 n—へキシル基等の、直鎖又は分岐 C1〜C6アルキル基;ヒドロキシ ル基;例えば、メトキシ基、エトキシ基、 n—プロポキシ基、イソプロポキシ基等の、直 鎖又は分岐 C1〜C6アルコキシ基;例えば、メトキシメチル基、 1ーメトキシェチル基、 1 エトキシェチル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)一(C1〜C6アルキ ル)基;例えば、フルォロメチル基、ジフルォロメチル基、トリフルォロメチル基等の、 直鎖又は分岐 C1〜C6ハロアルキル基;カルボキシル基;例えば、メトキシカルボ- ル基、エトキシカルボ-ル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)カルボ-ル 基;ニトロ基;例えば、メトキシカルボ-ルメチル基、 1ーメトキシカルボ-ルェチル基、 1 エトキシカルボ-ルェチル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)カルボ 二ルー(C1〜C6アルキル)基;シァノ基等の置換基を有していても良い。 );例えばフ
リル基、ベンゾフリル基、ピリジル基、チェ-ル基、ベンゾチェ-ル基、ォキザゾリル基 、ベンゾォキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソォキサゾリル基、チ アジアゾリル基、ビラジル基、ピリミジ -ル基、インドリル基、キノリニル基、ピラゾリル基 、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、トリァゾリル基、トリアジニル基等に代表される
、窒素原子、酸素原子、硫黄原子力 選ばれる少なくとも 1つを異項原子として 1乃 至 4個有する、環を構成する原子数が 5乃至 14、好ましくは 5乃至 10の単環又は縮 合環の芳香族複素環基 (該芳香族複素環基は、例えば、プロモ、クロ口、フルォロ、ョ ード等のハロゲン原子;例えば、メチル基、ェチル基、 n—プロピル基、イソプロピル 基、 n ブチル基、 sec ブチル基、 t ブチル基、 n—ペンチル基、 n—へキシル基 等の、直鎖又は分岐 C1〜C6アルキル基;ヒドロキシル基;例えば、メトキシ基、ェトキ シ基、 n—プロポキシ基、イソプロポキシ基等の、直鎖又は分岐 C1〜C6アルコキシ 基;例えば、メトキシメチル基、 1ーメトキシェチル基、 1 エトキシェチル基等の、直 鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)一(C1〜C6アルキル)基;例えば、フルォロメチル 基、ジフルォロメチル基、トリフルォロメチル基等の、直鎖又は分岐 C1〜C6ハロアル キル基;カルボキシル基;例えば、メトキシカルボ-ル基、エトキシカルボ-ル基等の、 直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)カルボ-ル基;ニトロ基;例えば、メトキシカルボ -ルメチル基、 1ーメトキシカルボ-ルェチル基、 1 エトキシカルボ-ルェチル基等 の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)カルボ-ルー(C1〜C6アルキル)基;シァノ 基等の置換基を有していても良い。)や、例えばヒドロフリル基、ビラ-ル基、チオラ- ル基、チアニル基、ピロリジニル基、インドリ-ル基、ピペリジニル基、イミダゾリジニル 基、ピペラジニル基等に代表される、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる 少なくとも 1つを異項原子として 1乃至 4個有する、環を構成する原子数が 5乃至 14、 好ましくは 5乃至 10の単環又は縮合環の芳香族性を有しな 、複素環基 (該芳香族性 を有しない複素環基は、例えば、メチル基、ェチル基、 n プロピル基、イソプロピル 基、 n ブチル基、 sec ブチル基、 t ブチル基、 n—ペンチル基、 n—へキシル基 等の、直鎖又は分岐 C1〜C6アルキル基;ヒドロキシル基;例えば、メトキシ基、ェトキ シ基、 n—プロポキシ基、イソプロポキシ基等の、直鎖又は分岐 C1〜C6アルコキシ 基;例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシェチル基等の、直鎖又は分岐 C1〜C6ヒド
ロキシアルキル基;例えば、メトキシメチル基、メトキシェチル基、エトキシェチル基等 の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)一(C1〜C6アルキル)基;例えば、フルォロ メチル基、ジフルォロメチル基、トリフルォロメチル基等の、直鎖又は分岐 C1〜C6ハ 口アルキル基;カルボキシル基、又はそのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のァ ルカリ金属塩やカルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩 に代表される、カルボキシル基の金属塩;例えば、メトキシカルボ-ル基、エトキシカ ルポ-ル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)カルボ-ル基;例えば、ブロ モ、クロ口、フルォロ、ョ―ド等のハロゲン原子;ニトロ基;アミノ基;例えば、メチルアミ ノ基、ジメチルァミノ基、ェチルァミノ基、ジェチルァミノ基等の、直鎖又は分岐のモノ 又はジ(C1〜C6アルキル)アミノ基;例えば、ァセチルァミノ基、プロピオ-ルァミノ基 、ブチリルァミノ基等の、直鎖又は分岐 (C1〜C6アルキル)カルボニルァミノ基;シァ ノ基;ホルミル基;例えば、メチルカルボ-ル基、ェチルカルボ-ル基等の、直鎖又は 分岐(C1〜C6アルキル)カルボ-ル基;例えばベンゾィル基、ナフトイル基等の、環 を構成する原子数が 6乃至 14、好ましくは 6乃至 10のァリールカルボ-ル基;例えば ピリジルカルボ-ル基、チェ-ルカルポ-ル基、フリルカルボ-ル基等の、窒素原子 、酸素原子、硫黄原子力 選ばれる少なくとも 1つを異項原子として 1乃至 4個有する 、環を構成する原子数が 5乃至 14、好ましくは 5乃至 10の単環又は縮合環のへテロ ァリールカルボニル基等の置換基を 1以上有していても良い。)を包含する、芳香族 性を有するか又は有しな 、、複素環基等を例示することができる。
一般式(1)中の Rで表される電子吸引性基とは、誘起効果により相手から電子を
2
引きつける原子団を意味し、具体的には、例えば、ジフルォロメチル基、トリフルォロ メチル基等の、直鎖又は分岐 C1〜C6ハロアルキル基;カルボキシル基;例えば、メト キシカルボ-ル基、エトキシカルボ-ル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ) カルボ-ル基;例えば、ブロモ、クロ口、フルォロ、ョード等のハロゲン原子;ニトロ基; ホルミル基;例えば、メチルカルボ-ル基、ェチルカルボ-ル基等の、直鎖又は分岐 (C 1〜C6アルキル)カルボ-ル基;ァミノカルボ-ル基;例えばメチルァミノカルボ- ル基等の直鎖又は分岐 (C1〜C6アルキル)ァミノカルボニル基;例えばジメチルアミ ノカルボ-ル基等の、直鎖又は分岐ジ(C1〜C6アルキル)ァミノカルボ-ル基;シァ
ノ基;例えばクロ口フエ-ル基、ァセチルフエ-ル基、ニトロフエ-ル基、ァセチルナフ チル基等に代表される、置換基として誘起効果により相手力 電子を引きつける原子 団(例えば、ここまでに誘起効果により相手力 電子を引きつける原子団として例示し た、直鎖又は分岐 C 1〜C6ハロアルキル基;カルボキシル基;直鎖又は分岐(C 1〜C 6アルコキシ)カルボ-ル基;ハロゲン原子;ニトロ基;ホルミル基;直鎖又は分岐(C1 〜C6アルキル)カルボ-ル基;ァミノカルボ-ル基;直鎖又は分岐(C1〜C6アルキ ル)ァミノカルボ-ル基;直鎖又は分岐ジ(C1〜C6アルキル)ァミノカルボ-ル基;シ ァノ基等の原子団)を 1以上有する、単環又は縮合環の C6〜C10芳香族炭化水素 基;シァノピリジル基、クロ口チェ-ル基、ニトロフリル基、ホルミルピリジル基等に代表 される、置換基として誘起効果により相手力 電子を引きつける原子団(例えば、ここ までに誘起効果により相手力 電子を引きつける原子団として例示した、直鎖又は分 岐 C 1〜C6ハロアルキル基;カルボキシル基;直鎖又は分岐(C 1〜C6アルコキシ)力 ルボニル基;ハロゲン原子;ニトロ基;ホルミル基;直鎖又は分岐(C 1〜C6アルキル) カルボ-ル基;ァミノカルボ-ル基;直鎖又は分岐(C1〜C6アルキル)ァミノカルボ- ル基;直鎖又は分岐ジ (C 1〜C6アルキル)ァミノカルボ-ル基;シァノ基等の原子団 )を 1以上有する、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる少なくとも 1つを異項 原子として 1乃至 4個有する、環を構成する原子数が 5乃至 14、好ましくは 5乃至 10 の単環又は縮合環の芳香族複素環基等を例示することができる。
また、一般式(1)中の Rで表される置換基は、例えば、メチル基、ェチル基、 n—プ
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口ピル基、イソプロピル基、 n—ブチル基、 sec ブチル基、 t—ブチル基、 n—ペンチ ル基、 n—へキシル基等の、直鎖又は分岐 C1〜C6アルキル基;フエニル基、ナフチ ル基等の、単環又は縮合環の C6〜C10芳香族炭化水素基 (該芳香族炭化水素基 は、例えば、ブロモ、クロ口、フルォロ、ョード等のハロゲン原子;例えば、メチル基、ェ チル基、 n プロピル基、イソプロピル基、 n ブチル基、 sec ブチル基、 t ブチル 基、 n ペンチル基、 n—へキシル基等の、直鎖又は分岐 C1〜C6アルキル基;ヒドロ キシル基;例えば、メトキシ基、エトキシ基、 n—プロポキシ基、イソプロポキシ基等の、 直鎖又は分岐 C1〜C6アルコキシ基;例えば、メトキシメチル基、 1ーメトキシェチル 基、 1 エトキシェチル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)一(C1〜C6ァ
ルキル)基;例えば、フルォロメチル基、ジフルォロメチル基、トリフルォロメチル基等 の、直鎖又は分岐 C1〜C6ハロアルキル基;カルボキシル基;例えば、メトキシカルボ -ル基、エトキシカルボ-ル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)カルボ- ル基;ニトロ基;例えば、メトキシカルボ-ルメチル基、 1ーメトキシカルボ-ルェチル 基、 1 エトキシカルボ-ルェチル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)カル ボニル—(C1〜C6アルキル)基;シァノ基等の置換基を有していても良い。 );例えば フリル基、ベンゾフリル基、ピリジル基、チェ-ル基、ベンゾチェ-ル基、ォキザゾリル 基、ベンゾォキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソォキサゾリル基、 チアジアゾリル基、ビラジル基、ピリミジ -ル基、インドリル基、キノリニル基、ピラゾリル 基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、トリァゾリル基、トリアジニル基等に代表され る、窒素原子、酸素原子、硫黄原子力も選ばれる少なくとも 1つを異項原子として 1乃 至 4個有する、環を構成する原子数が 5乃至 14、好ましくは 5乃至 10の単環又は縮 合環の芳香族複素環基 (該芳香族複素環基は、例えば、プロモ、クロ口、フルォロ、ョ ード等のハロゲン原子;例えば、メチル基、ェチル基、 n—プロピル基、イソプロピル 基、 n ブチル基、 sec ブチル基、 t ブチル基、 n—ペンチル基、 n—へキシル基 等の、直鎖又は分岐 C1〜C6アルキル基;ヒドロキシル基;例えば、メトキシ基、ェトキ シ基、 n—プロポキシ基、イソプロポキシ基等の、直鎖又は分岐 C1〜C6アルコキシ 基;例えば、メトキシメチル基、 1ーメトキシェチル基、 1 エトキシェチル基等の、直 鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)一(C1〜C6アルキル)基;例えば、フルォロメチル 基、ジフルォロメチル基、トリフルォロメチル基等の、直鎖又は分岐 C1〜C6ハロアル キル基;カルボキシル基;例えば、メトキシカルボ-ル基、エトキシカルボ-ル基等の、 直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)カルボ-ル基;ニトロ基;例えば、メトキシカルボ -ルメチル基、 1ーメトキシカルボ-ルェチル基、 1 エトキシカルボ-ルェチル基等 の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)カルボ-ルー(C1〜C6アルキル)基;シァノ 基等の置換基を有していても良い。)や、例えばヒドロフリル基、ビラ-ル基、チオラ- ル基、チアニル基、ピロリジニル基、インドリ-ル基、ピペリジニル基、イミダゾリジニル 基、ピペラジニル基等に代表される、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる 少なくとも 1つを異項原子として 1乃至 4個有する、環を構成する原子数が 5乃至 14、
好ましくは 5乃至 10の単環又は縮合環の芳香族性を有しな 、複素環基 (該芳香族性 を有しない複素環基は、例えば、メチル基、ェチル基、 n プロピル基、イソプロピル 基、 n ブチル基、 sec ブチル基、 t ブチル基、 n—ペンチル基、 n—へキシル基 等の、直鎖又は分岐 C1〜C6アルキル基;ヒドロキシル基;例えば、メトキシ基、ェトキ シ基、 n—プロポキシ基、イソプロポキシ基等の、直鎖又は分岐 C1〜C6アルコキシ 基;例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシェチル基等の、直鎖又は分岐 C1〜C6ヒド ロキシアルキル基;例えば、メトキシメチル基、メトキシェチル基、エトキシェチル基等 の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)一(C1〜C6アルキル)基;例えば、フルォロ メチル基、ジフルォロメチル基、トリフルォロメチル基等の、直鎖又は分岐 C1〜C6ハ 口アルキル基;カルボキシル基、又はそのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のァ ルカリ金属塩やカルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩 に代表される、カルボキシル基の金属塩;例えば、メトキシカルボ-ル基、エトキシカ ルポ-ル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)カルボ-ル基;例えば、ブロ モ、クロ口、フルォロ、ョ―ド等のハロゲン原子;ニトロ基;アミノ基;例えば、メチルアミ ノ基、ジメチルァミノ基、ェチルァミノ基、ジェチルァミノ基等の、直鎖又は分岐のモノ 又はジ(C1〜C6アルキル)アミノ基;例えば、ァセチルァミノ基、プロピオ-ルァミノ基 、ブチリルァミノ基等の、直鎖又は分岐 (C1〜C6アルキル)カルボニルァミノ基;シァ ノ基;ホルミル基;例えば、メチルカルボ-ル基、ェチルカルボ-ル基等の、直鎖又は 分岐(C1〜C6アルキル)カルボ-ル基;例えばベンゾィル基、ナフトイル基等の、環 を構成する原子数が 6乃至 14、好ましくは 6乃至 10のァリールカルボ-ル基;例えば ピリジルカルボ-ル基、チェ-ルカルポ-ル基、フリルカルボ-ル基等の、窒素原子 、酸素原子、硫黄原子力 選ばれる少なくとも 1つを異項原子として 1乃至 4個有する 、環を構成する原子数が 5乃至 14、好ましくは 5乃至 10の単環又は縮合環のへテロ ァリールカルボニル基等の置換基を 1以上有していても良い。)を包含する、芳香族 性を有するか又は有しな 、、複素環基等を例示することができる。
一般式(1)中の nが 0の場合は一般式(1)で表される化合物はスルフイド類であり、 nが 2の場合は一般式(1)で表される化合物はスルホン類である。
一般式( 1 )で表される 5 ヒドロキシー 4 チオメチルピラゾール化合物は公知の化
合物であるか、あるいは、例えば後記参考例 1〜4に記す様に、 5 ヒドロキシピラゾ ール類とホルムアルデヒド及び硫黄ィ匕合物との反応により、容易に合成することが可 能である。
[0025] 続、て、一般式(2)で表されるハロゲンィ匕ジフルォロメタンにっ 、て説明する。
一般式(2)中の Xは、フルォロ、クロ口、ブロモ、ョード等のハロゲン原子を示す。 従って、当反応に使用できる一般式(2)で表されるハロゲンィ匕ジフルォロメタンとし ては、具体的にはトリフルォロメタン、クロロジフルォロメタン、ブロモジフルォロメタン 、ジフルォロヨ一ドメタンを例示できる。好ましくはクロロジフルォロメタン、ブロモジフ ルォロメタンを挙げることができるのであり、特に好ましくはクロロジフルォロメタンを挙 げることができる。
[0026] これらの一般式(2)で表されるハロゲンィ匕ジフルォロメタンは公知化合物である。
当反応における、一般式(2)で表されるハロゲンィ匕ジフルォロメタンの使用モル比 は、一般式( 1 )で表される 5 ヒドロキシ 4 チオメチルピラゾール化合物に対して 如何なるモル比でも反応が進行する。なかでも、一般式(1)で表される 5 ヒドロキシ 4ーチオメチルピラゾール化合物 1モルに対して、一般式(2)で表されるハロゲン 化ジフルォロメタン力 通常 0.1〜10.0モル、好ましくは 1. 0〜5. 0モル、更に好まし くは 1.3〜2.2モルの範囲を例示できる。
[0027] 当反応は水酸ィ匕ナトリウムを用いて行なう。当反応に用いうる水酸ィ匕ナトリウムとして は、固体状の水酸ィ匕ナトリウムであれば良ぐ市販の 96%水酸ィ匕ナトリウムや、工業 品として入手可能なビーズ状の 99%水酸ィ匕ナトリウムが好ましぐ特に 99%水酸ィ匕 ナトリウムが好ましい。
[0028] 水酸ィ匕ナトリウムの使用量は、反応が充分に進行する量であれば何れでもよい。な かでも、一般式( 1 )で表される 5 ヒドロキシ 4 チオメチルピラゾール化合物 1モ ルに対して 1. 0〜20モル、好ましくは 1. 5〜10モル、より好ましくは 2. 0〜3. 0モル の範囲を例示できる。
当反応においては、添加剤として、反応の進行に伴い副生する水を反応系内で捕 捉するような働きをしているものと推測される、無水硫酸ナトリウム、塩ィ匕カルシウム、 及び Z又は炭酸ナトリウムを反応系内に共存させることにより、特にスケールアップし
た際に収率を安定して高いものとすることができる場合がある。さらに、該添加剤を添 加することにより、ハロゲンィ匕ジフルォロメタンの加水分解も抑制され、結果的に、ノヽ ロゲン化ジフルォロメタンの使用量を削減することにも繋がる。添加剤の使用量は、 特に限定されないが、一般式(1)で表される 5—ヒドロキシ一 4—チォメチルピラゾー ル化合物 1モルに対して 0. 01〜20モル、好ましくは 0. 1〜10モル、より好ましくは 0 . 2〜0. 5モルの範囲で十分な効果を発揮する。発明者の観察力 は、該添加剤は 、反応の進行に伴 、副生する水を反応系内で捕捉するような働きをして 、るものと推 測されるものであり、反応の進行に伴い副生する水を反応系内で捕捉するような働き をするものであれば上記例示以外のものでも使用できる場合があり、本発明はこれら をも包含する。
[0029] 当反応は、例えば、アセトン、メチルェチルケトン等の、ジ(C1〜C3アルキル)ケト ン;または、例えば、ァセトニトリル、プロピオ-トリル等の、(C1〜C3アルキル)二トリ ルの存在下で実施する。通常は、反応の溶媒を兼ねて、反応系の攪拌が充分にでき るように過剰量を用い、具体的には一般式(1)で表される原料ィ匕合物 1モルに対して 通常 0. 05〜: L01、好ましくは 0. 3〜51、より好ましくは 0. 5〜21の範囲であれば良い
[0030] ジ(C1〜C3アルキル)ケトン、(C1〜C3アルキル)二トリルは、単独で用いる力、あ るいは反応を阻害しない溶媒、例えば、トルエン、キシレン、クロ口ベンゼン等の芳香 族炭化水素;ジクロロメタン、クロ口ホルム等のハロゲンィ匕脂肪族炭化水素;ジェチル エーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒;ペンタン、 n—へキサン等 の脂肪族炭化水素等に混合して用いることもできる。但し、ジ (C1〜C3アルキル)ケ トン又は(C1〜C3アルキル)二トリルの混合比率を極端に下げることは、反応速度の 低下を伴うため好ましくなぐ芳香族炭化水素等の混合する溶媒に対する混合比率( 容量比)が 1以上 (すなわち芳香族炭化水素等の混合する溶媒と等容量以上)である ことが好ましぐジ(C1〜C3アルキル)ケトン、(C1〜C3アルキル)二トリルを、反応を 阻害しない溶媒と混合して使用する場合でも、その使用量は上記範囲 (一般式 (1) で表される原料化合物 1モルに対してジ(C1〜C3アルキル)ケトン、 (C1〜C3アル キル)二トリルが通常 0. 05〜: L01、好ましくは 0. 3〜51、より好ましくは 0. 5〜21の範
囲)となるようにする。
[0031] 全溶媒量としては、反応系の攪拌が充分にできる量であれば良いが、一般式(1) で表される原料化合物 1モルに対して通常 0. 05〜: L01、好ましくは 0. 5〜21の範囲 であれば良い。
当反応の反応温度は、—10°C〜35°Cで行う必要があり、反応速度との兼ね合い 力も 0°C〜10°Cが好ましい。
当反応の反応時間は特に制限されないが、反応速度は、一般式 (2)で表されるハ ロゲン化ジフルォロメタンの導入速度により変化する。通常は 1時間〜 30時間で反応 は完結する。
[0032] 反応器への各成分の添加順序及び反応方法は特に制限されない。好適な例とし ては有機層中に塩基を加え、これに一般式(1)で表される原料ィ匕合物を加えて懸濁 させ、次いで、ハロゲンィ匕ジフルォロメタンを導入することにより反応を行い、一般式( 3)で表される生成物を得る方法が挙げられる。
[0033] 当反応によれば、一般式(1)で表される 5 ヒドロキシー 4ーチオメチルピラゾール 化合物と、一般式(2)で表されるハロゲンィ匕ジフルォロメタンとを、水酸化ナトリウム存 在下、ジ(C1〜C3アルキル)ケトン又は(C1〜C3アルキル)二トリルを用いることで、 一般式(3)で表される 5—ジフルォロメトキシー 4 チオメチルピラゾールイ匕合物が生 成する。得られる一般式(3)で表される 5 -ジフルォロメトキシ— 4—チオメチルピラゾ 一ルイ匕合物は、医薬、農薬の中間体として有用な化合物である。
実施例
[0034] 次に、参考例及び実施例を挙げて本発明の製造方法を具体的に説明するが、本 発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
[0035] (参考例 1) 3 - [ (5 ヒドロキシ一 1—メチル一 3 -トリフルォロメチルピラゾ口一 4—ィ ル)ーメチルチオ] 4, 5—ジヒドロー 5, 5—ジメチルイソォキサゾールの合成
5 ヒドロキシ一 1—メチル 3 トリフルォロメチルピラゾール 1. 7g (10mmol)と水 酸ィ匕ナトリウム 1. 6g (40mmol)を水 10mlに溶解した。この溶液を室温で攪拌しなが ら、 35%ホルムアルデヒド水溶液(35%ホルマリン溶液) 1. 7g (20mmol)を滴下し、 同温で 1時間攪拌した。これに、 [5, 5 ジメチル (4, 5 ジヒドロイソォキサゾ口一 3
ーィル)]チォカルボキサミジン塩酸塩 2. lg(lOmmol)の水 10ml溶液を室温で滴下 し、 2時間攪拌した。反応後、 35%塩酸 5. Og(50mmol)を滴下した。析出した結晶 を吸引ろ過後、水 5mlで 2回洗浄した。温風乾燥機にて乾燥することにより、表題ィ匕 合物 2.5g (収率 80.1%)を淡黄色結晶として得た。得られた結晶は、 n—へキサン Z2—プロパノール混合溶媒力も再結晶でき、白色結晶として得た。
[0036] H—NMR値(300MHz, MeOH— d4): σ =4.88 (br, 1H), 4.08 (s, 2H), 3 .64 (s, 3H), 2.91 (s, 2H), 1.39(s, 6H)ppm
LC-MS(EI) :m/z = 309(M+), 177 (base)
融点: 115— 116°C
[0037] (参考例 2) 5 ヒドロキシー 1ーメチルー 4ーメチルチオメチルー 3 トリフルォロメチ ルピラゾールの合成
5 ヒドロキシ一 1—メチル 3 トリフルォロメチルピラゾール 1.7g(10mmol)と水 酸化ナトリウム 0.6g(15mmol)を水 10mlに溶解した。この溶液を室温で攪拌しなが ら、 35%ホルムアルデヒド水溶液(35%ホルマリン溶液) 1.7g(20mmol)を滴下し、 同温で 1時間攪拌した。これに、 10%ナトリウムチォメトキシド水溶液 7. lgdOmmol )を室温で滴下し、 6時間攪拌した。反応後、 35%塩酸 5. Og(50mmol)を滴下した 。析出した結晶を吸引ろ過後、水 5mlで 2回洗浄した。温風乾燥機にて乾燥すること により、表題ィ匕合物 1.6g (収率 72.7%)を淡黄色結晶として得た。得られた結晶は 、水一メタノール力も再結晶でき、白色結晶として得た。
[0038] H—NMR値(300MHz, MeOH— d4): σ =4.86 (br, 1H), 3.64 (s, 3H), 3 .56 (s, 2H), 2.02 (s, 3H)ppm
LC-MS(EI) :m/z = 226(M+), 179 (base)
融点: 123— 124°C
[0039] (参考例 3) 4 - [ (5—ヒドロキシ一 1—メチル一 3 -トリフルォロメチルピラゾ口一 4—ィ ル)ーメチルスルホニル]トルエンの合成
5 ヒドロキシ一 1—メチル 3 トリフルォロメチルピラゾール 8.3g(50mmol)と水 酸化ナトリウム 3. Og(75mmol)を水 50mlに溶解した。この溶液を室温で攪拌しなが ら、 35%ホルムアルデヒド水溶液(35%ホルマリン溶液) 8.5g(100mmol)を滴下し
、同温で 1時間攪拌した。これに、 p トルエンスルフィン酸ナトリウム 9. Og(50mmol )を室温で投入し、 2時間攪拌した。反応後、 35%塩酸 25. Og(250mmol)を滴下し た。さらに水 100mlを加え、析出した結晶を吸引ろ過後、水 20mlで 2回洗浄した。温 風乾燥機にて乾燥することにより、表題ィ匕合物 14. Og (収率 83.8%)を白色結晶と して得た。
[0040] 'H-NMRfg (300MHz, MeOH— d4): σ =7.62(d;J = 8.4Hz, 2Η) , 7.39( d;J = 8.4Hz, 2Η), 4.85 (br, 1Η), 4.32(s, 2Η), 3.63 (s, 3Η), 2.44 (s, 3 H)ppm
LC-MS(EI) :m/z = 334(M+), 179 (base)
融点: 135°C
[0041] (参考例 4)4— [(3 シァノ 5 ヒドロキシ一 1—フエ-ルビラゾ口一 4—ィル)一メチ ルスルホニル]トルエンの合成
3 -シァノ 5 ヒドロキシ 1 フエ-ルビラゾール 1.8g (lOmmol)と水酸化ナト リウム 0.6g(15mmol)を水 10mlに溶解した。この溶液を室温で攪拌しながら、 35% ホルムアルデヒド水溶液(35%ホルマリン溶液) 1.7g(20mmol)を滴下し、同温で 1 時間攪拌した。これに、 p トルエンスルフィン酸ナトリウム 1.8g(10mmol)を室温で 投入し、 2時間攪拌した。反応後、 35%塩酸 5. Og(50mmol)を滴下した。さらに水 2 Omlを加え、析出した結晶を吸引ろ過後、水 20mlで 2回洗浄した。温風乾燥機にて 乾燥することにより、表題ィ匕合物 3. Og (収率 85.7%)を淡黄色結晶として得た。
[0042] H—NMR値(300MHz, MeOH— d4): σ =7.4— 7.7(m;9H), 4.86 (s, 1H ), 4.40 (s, 2H), 2.46 (s, 3H)ppm
LC-MS(EI) :m/z = 353(M+), 197 (base)
融点: 214°C
[0043] 実施例 1 : 3— [ (5 ジフルォロメトキシ 1ーメチルー 3 トリフルォロメチルピラゾロ
4 ィル)ーメチルチオ] 4, 5—ジヒドロ一 5, 5—ジメチルイソォキサゾールの合 成
ァセトニトリル 100mlに、参考例 1により合成した 3— [(5 ヒドロキシ一 1—フエ-ル —3—トリフルォロメチルピラゾ口一 4—ィル)一メチルチオ]— 4, 5—ジヒドロ一 5, 5
—ジメチルイソォキサゾール 33. 2g (純度 93. 3%, 0. lmol)と 99%水酸化ナトリウ ム 12. Og (0. 3mol)を添カ卩し、室温で 1時間攪拌した。この懸濁液を氷冷し、 5〜15 °Cの範囲内を保ちながら、クロロジフルォロメタン 17. 3g (0. 2mol)を 4時間かけて導 入し、同温度範囲内で 5時間反応した。反応終了後、トルエン 100ml、水 50ml及び 35%塩酸 10mlを加え、有機層を分取した。水層をトルエン 50mlで再抽出した後、 合わせた有機層を水 50ml、飽和食塩水 20mlで順次洗浄した。得られた有機層を 硫酸ナトリウムにより乾燥し、溶媒を留去することにより、表題ィ匕合物 38. Og (純度 85 %,純分収率 90%)を赤褐色の液体として得た。これを、シリカゲルカラムクロマトダラ フィー(展開溶媒; n—へキサン Z酢酸ェチル =4Zl)で精製し、表題ィ匕合物 22. 6g を白色結晶として得た。
[0044] 'H-NMRfg (300MHz, CDC1 ): σ =6. 72 (t;J = 72Hz, 1H) , 4. 17 (s, 2H
3
) , 3. 80 (s, 3H) , 2. 77 (s, 2H) , 1. 40 (s, 6H)
GC-MS (EI) :m/z = 359 (M+) , 179 (base)
融点: 47— 48°C
[0045] 以下の実施例 2〜5においては、実施例 1で得られたィ匕合物を標品として用いた内 部標準分析法 (内部標準; n—ォクチルベンゼン)で収率を算出した。
[0046] 実施例 2 : 3— [ (5—ジフルォロメトキシー1ーメチルー 3 トリフルォロメチルピラゾロ
4 ィル)ーメチルチオ] 4, 5—ジヒドロ一 5, 5—ジメチルイソォキサゾールの収 率確認
ァセトニトリル 20mlに、 n-ォクチルベンゼン 0. lg (内部標準物質)、参考例 1により 合成した 3— [ (5 ヒドロキシ 1 フエニル一 3 -トリフルォロメチルピラゾ口一 4 ィ ル)ーメチルチオ] 4, 5 ジヒドロ一 5, 5 ジメチルイソォキサゾール 1. 7g (純度 9 3. 3%, 0. Olmol)及び 99%水酸ィ匕ナトリウム 1. 2g (0. 3mol)を添加し、室温で 1 時間攪拌した。この懸濁液を氷冷し、 0〜10°Cの範囲内を保ちながら、過剰量のクロ ロジフルォロメタンをバルーンを用いて導入した。吹き込み開始から、 1時間後、反応 液をサンプリングして、ガスクロマトグラフィーを用いた内部標準分析法にて反応収率 を算出した結果、収率は 89%であった。
[0047] 実施例 3〜5及び比較例 1〜9
実施例 2と同様の操作にて、各種溶媒中(総量は 20ml)で反応を行った。結果を( 表 1)に纏めた。比較例に示す反応においては、何れも相関移動触媒として、テトラ ブチルアンモ -ゥムブロマイド 0. 05gを添加した。なお、(表 1)中の溶媒の項におけ る「v:v」は容量比を示す。
[0048] [表 1]
[0049] (比較例 10)
実施例 2の 99%水酸ィ匕ナトリウムを 99%水酸ィ匕カリウムに置き換えた以外は (使用 モル数は同じ)、実施例 2と同様の操作で反応を行った。結果、吹き込み開始から 1 時間後の分析において、目的物は 10%の生成のみで、原料も消失しており、残りは 分解物であった。
[0050] (比較例 11)
実施例 2の水酸ィ匕ナトリウムを炭酸水素カリウムに置き換えた以外は (使用モル数 は同じ)、実施例 2と同様の操作で反応を行った。結果、吹き込み開始から 24時間後 の分析において、目的物は 1%以下の生成のみで、残りは原料であった。
[0051] 実施例 6: 5—ジフルォロメトキシー 1ーメチルー 4ーメチルチオメチルー 3—トリフルォ
ロメチルピラゾールの合成法
ァセトニトリル 10mlに、参考例 2により合成した 5 ヒドロキシ一 1—メチル 4—メチ ルチオメチル—3 トリフルォロメチルピラゾール 1.2g(5mmol)と 99%水酸化ナトリ ゥム 0.6g(15mmol)を添カ卩し、室温で 1時間攪拌した。この懸濁液を氷冷し、 0〜10 °Cの範囲内を保ちながら、過剰量のクロロジフルォロメタンをバルーンを用いて導入 した。吹き込み開始から 1時間後、バルーンを外し、反応液に水 20ml、酢酸ェチル 2 Omlを加え、有機層を分取した。さらに、水層を酢酸ェチル 20mlで再抽出し、合わ せた有機層を水 10ml、飽和食塩水 10mlで順次洗浄した。得られた有機層を硫酸 ナトリウムにより乾燥し、溶媒を留去することにより、表題化合物 1.2g (収率 88%)を 淡黄色液体として得た。
[0052] 'H-NMRfg (300MHz, CDC1 ): σ =6.82(t;J = 72.6Hz, 1H), 3.82(s, 3
3
H), 3.61 (s, 2H), 2.09 (s, 3H)
GC-MS(EI) :m/z = 276(M+), 179 (base)
[0053] 実施例 7:4— [(5 ジフルォロメトキシ 1ーメチルー 3 トリフルォロメチルピラゾロ
4 ィル)ーメチルスルホ -ル]トルエンの合成法
ァセトニトリル 10mlに、参考例 3により合成した 4— [ (5 ヒドロキシ— 1 メチル—3 —トリフルォロメチルピラゾ口— 4—ィル)—メチルスルホ -ル]トルエン 1.7g(5mmol )と 99%水酸ィ匕ナトリウム 0.6g(15mmol)を添加し、室温で 1時間攪拌した。この懸 濁液を氷冷し、 0〜10°Cの範囲内を保ちながら、過剰量のクロロジフルォロメタンを バルーンを用いて導入した。吹き込み開始から 1時間後、バルーンを外し、反応液に 水 20ml、酢酸ェチル 20mlをカ卩え、有機層を分取した。さら〖こ、水層を酢酸ェチル 2 Omlで再抽出し、合わせた有機層を水 10ml、飽和食塩水 10mlで順次洗浄した。得 られた有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥し、溶媒を留去することにより、表題化合物 2 . lg (収率 99%)を淡黄色結晶として得た。得られた結晶は、 n—へキサン— 2 プロ パノール力ら再結晶でき、白色結晶として得た。
[0054] 'H-NMRfg (300MHz, CDC1 ): σ =7.70(d;J = 8.4Hz, 2H), 7.35(d;J =
3
8.4Hz, 2H), 6.99(t;J = 72.3Hz, 1H), 4. 12(s, 2H), 3.85 (s, 3H), 2.4 6(s, 3H)
GC - MS (EI): m/z = 384 (M+) , 229 (base)
[0055] 実施例 8 : 4— [ (3 シァノ 5 ジフルォロメトキシ 1 フエ-ルビラゾロ 4 ィル )ーメチルスルホニル]トルエンの合成法
ァセトニトリル 10mlに、参考例 4により合成した 4— [ (3 シァノ 5 ヒドロキシ— 1 —フエニルピラゾ口一 4—ィル)一メチルスルホ -ル]トルエン 1. 8g (5mmol)と 99% 水酸ィ匕ナトリウム 0. 6g (15mmol)を添加し、室温で 1時間攪拌した。この懸濁液を氷 冷し、 0〜10°Cの範囲内を保ちながら、過剰量のクロロジフルォロメタンをバルーンを 用いて導入した。吹き込み開始から 1時間後、バルーンを外し、反応液に水 20ml、 酢酸ェチル 20mlを加え、有機層を分取した。さらに、水層を酢酸ェチル 20mlで再 抽出し、合わせた有機層を水 10ml、飽和食塩水 10mlで順次洗浄した。得られた有 機層を硫酸ナトリウムにより乾燥し、溶媒を留去することにより、表題化合物 1. 8g (収 率 88%)を赤色結晶として得た。得られた結晶は、 n—へキサン— 2 プロパノール 力 再結晶でき、白色結晶として得た。
[0056] 'H-NMRfg (300MHz, CDC1 ): σ = 7. 75 (d;J = 8. 4Hz, 2H) , 7. 6— 7. 4 (
3
m, 5H) , 7. 41 (d;J = 8. 4Hz, 2H) , 6. 87 (t;J = 71. 4Hz, 1H) , 4. 31 (s, 2H) , 2. 49 (s, 3H)
GC-MS (EI) :m/z=403 (M+) , 248 (base)
[0057] 実施例 9 :炭酸ナトリウムを添加剤として使用した場合の 3— [ (5 ジフルォロメトキシ
1ーメチルー 3 トリフルォロメチルピラゾロー 4 ィル)ーメチルチオ ]—4, 5 ジヒ ドロー 5, 5—ジメチルイソォキサゾールの合成
ァセトニトリル l,OOOmlに、参考例 1の方法により合成した 3— [ (5 ヒドロキシ— 1 —フエ-ルー 3—トリフルォロメチルピラゾ口一 4—ィル)一メチルチオ]— 4, 5—ジヒド 口 5, 5 ジメチルイソォキサゾール 320g (純度 96. 8%, lmol)と 99%水酸化ナト リウム 120g (3mol)と炭酸ナトリウム 53g (0. 5mol)を添加し、室温で 1時間攪拌した 。この懸濁液を氷冷し、 5〜15°Cの範囲内を保ちながら、クロロジフルォロメタン 130g (1. 5mol)を 4時間かけて導入し、同温度範囲内で 6時間反応した。反応終了後、水 1, OOOmlを加え、有機層を分取した。水層をァセトニトリル 300mlで再抽出した後、 有機層を合わせた。この有機層中をガスクロマトグラフィーを用い、内部標準分析法
にて反応収率を算出した結果、収率は 91 %であった。
産業上の利用可能性
5—ジフルォロメトキシ 4 チオメチルピラゾールイ匕合物の新規な工業的製造法 が提供される。本発明方法によれば、原料として、合成の容易な 5—ヒドロキシ— 4— チオメチルピラゾール化合物とハロゲン化ジフルォロメタンを用いて 5—ジフルォロメ トキシ— 4—チオメチルピラゾールイ匕合物を簡便な操作で製造できる。本発明方法で は原料の分解が少なぐ高収率で、医薬及び農薬の製造中間体として有用な 5—ジ フルォロメトキシー 4ーチオメチルピラゾール化合物を得ることができる。 なお、 2004年 4月 28曰に出願されて曰本特許出願 2004— 132764号の明細書 、特許請求の範囲及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示とし て、取り入れるものである。