JPWO2013179350A1 - 制御方法およびそれを利用した制御装置 - Google Patents
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Abstract
取得部68は、電力を供給すべき蓄電池の劣化度であって、かつ蓄電池が劣化するほど小さい値になる劣化度を取得する。表示部58は、取得部68において取得した劣化度が第1しきい値よりも小さい場合に通知を実行する。一方、表示部58は、取得部68が所定期間にわたって劣化度を非取得である場合、蓄電池を製造してからの経過期間が第2しきい値よりも長い場合に通知を実行する。
Description
本発明は、制御技術に関し、特に蓄電池に対する制御方法およびそれを利用した制御装置に関する。
従来、携帯可能な電子機器のような電子機器は、バッテリにより駆動可能である。このような電子機では、動作中にバッテリパックの残量電力量切れとなると、プログラムやデータが破壊するおそれがある。これを防ぐために、バッテリの残量電力量を表示する。しかしながら、バッテリの寿命や不良の表示自体はなされていないこともある。そのため、バッテリの不具合を検知し、バッテリの不具合に関する情報を検出し、これに基づきバッテリの不具合が判定されている(例えば、特許文献1参照)。
バッテリの不具合に関する情報の一例は、劣化度である。本発明者はこうした状況下、以下の課題を認識するに至った。劣化度は、一般的にバッテリを充放電することによって導出される。そのため、劣化度を推定できない使用方法や不具合が生じたバッテリは、劣化度を測定できない。一方、このようなバッテリであっても劣化の程度を通知することが望まれる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、蓄電池の劣化の程度を通知する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の制御装置は、負荷に電力を供給すべき蓄電池の劣化度であって、かつ蓄電池が劣化するほど小さい値になる劣化度を取得する取得部と、取得部において取得した劣化度が第1しきい値よりも小さければ通知を実行する通知部とを備える。通知部は、取得部が所定期間にわたって劣化度を非取得である場合、蓄電池を製造してからの経過期間が第2しきい値よりも長ければ通知を実行する。
本発明の別の態様は、制御方法である。この方法は、負荷に電力を供給すべき蓄電池の劣化度であって、かつ蓄電池が劣化するほど小さい値になる劣化度を取得するステップと、取得した劣化度が第1しきい値よりも小さければ通知を実行するステップとを備える。通知を実行するステップは、取得するステップが所定期間にわたって劣化度を非取得である場合、蓄電池を製造してからの経過期間が第2しきい値よりも長ければ通知を実行する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、蓄電池の劣化の程度を通知できる。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、太陽電池を商用電力系統と並列に接続し、商用電源、太陽電池、そして、蓄電池から負荷へ電力を供給するとともに、蓄電池を充電する配電システムに関する。商用電源が停電した場合、太陽電池や蓄電池からの電力が負荷に供給される。なお、商用電源が供給されている場合、蓄電池は放電しないものとしてもよい。このような蓄電池の性能は劣化していくので、使用すべきときに使用できないという事態を防止するために、蓄電池の劣化の程度や寿命が通知されることが望まれる。蓄電池の劣化の程度や寿命は、劣化度(SOH:State Of Health)によって判定される。SOHは充放電時に測定されるが、SOHを測定できない放電制御をしている場合に対応するために、本実施例に係る配電システムは、SOHが所定期間にわたって更新されない場合、製造後の経過時間をもとに警告を実行する。
図1(a)−(c)は、本発明の実施例に係る配電システム100の構成を示す。図1(a)において配電システム100は、太陽電池10、蓄電池12、変換装置14、管理装置16、第1SW18、第2SW20、特定負荷24、一般負荷26を含む。配電システム100は、商用電源22に接続されている。商用電源22は、電力会社からの電力を供給するための交流電源である。図1(a)は、商用電源22が停電していない場合(以下、「正常時」という)における配電システム100の構成に相当する。
太陽電池10は、光起電力効果を利用し、光エネルギーを直接電力に変換する電力機器である。太陽電池10として、シリコン太陽電池、さまざまな化合物半導体などを素材にした太陽電池、色素増感型(有機太陽電池)等が使用される。太陽電池10は、発電した電力を出力する。蓄電池12は、再生可能エネルギー源をもとに発電した電力、つまり太陽電池10において発電した電力、あるいは商用電源22からの電力によって充電される。
変換装置14は、一端側に太陽電池10を接続する。変換装置14と太陽電池10との経路は、途中で分岐されており、分岐された経路には、蓄電池12が接続される。つまり、変換装置14の一端側には、分岐点を介して、太陽電池10と蓄電池12とが並列に接続される。また、変換装置14は、他端側に商用電源22を接続する。変換装置14の動作は後述する。管理装置16は、蓄電池12の動作を制御するための指示を変換装置14に出力する。また、変換装置14は、第1SW18と商用電源22との間の経路上における電圧変動を常時監視しており、検出された電圧変動に基づき、商用電源22が停電か通電かを判断する。
一般負荷26は、交流駆動型の電気機器である。一般負荷26は、変換装置14と商用電源22との間の経路から分岐された経路に接続される。なお、変換装置14と商用電源22との間の経路上であって、かつ商用電源22への分岐点から商用電源22側には、図示しない分電盤が接続される。
第1SW18、第2SW20は、管理装置16からの指示に応じて経路を変更するためのスイッチである。第1SW18、第2SW20のオン/オフや切替は、変換装置14によって指示される。なお、管理装置16によって指示されてもよい。正常時において、第1SW18は、オンされ、第2SW20は、Y側の端子に接続される。その結果、第2SW20のY側の端子と特定負荷24とが接続される。なお、特定負荷24は、一般負荷26と同様に、交流駆動型の電気機器である。
正常時の充電において、蓄電池12の充電は次のようになされる。電力会社が時間帯別電気料金制度を採用している場合、夜間の時間帯の電気料金は、昼間の時間帯の電気料金よりも低く設定される。また、一例として、昼間の時間帯は7時から23時であり、夜間の時間帯は23時から翌日の7時というように規定される。そのため、夜間の時間帯において、商用電源22から供給される電力は、第1SW18、変換装置14を介して蓄電池12に充電される。その際、変換装置14は、商用電源22から入力した交流電力を直流電力に変換し、直流電力を蓄電池12に出力する。
また、昼間の時間帯において、太陽電池10が発電した電力は、変換装置14に出力される。変換装置14は、太陽電池10から入力した直流電力を交流電力に変換し、交流電力を第1SW18に出力する。その結果、太陽電池10からの電力も特定負荷24、一般負荷26に供給される。さらに、太陽電池10が発電した電力が、特定負荷24、一般負荷26において消費される電力よりも多い場合、余剰の電力が蓄電池12に充電される。
正常時の放電において、蓄電池12は、一般に電気の使用量が大きくなる昼間の商用電力における使用量の最大値を下げる、いわゆるピークカットとして用いられる。また、図1(b)は、商用電源22が停電している場合(以下、「停電時」という)における配電システム100の構成に相当する。商用電源22からの電力の供給がなくなった場合、変換装置14は、停電を検出する。停電を検出した場合、変換装置14は、第1SW18、第2SW20とを制御する。具体的に説明すると、停電時において、第1SW18がオフされ、第2SW20は、X側の端子に接続される。その結果、特定負荷24は、変換装置14に接続されるが、一般負荷26は、変換装置14から切り離される。そのため、太陽電池10からの電力は、変換装置14に出力され、変換装置14からの電力が、特定負荷24に供給される。なお、太陽電池10からの電力よりも、特定負荷24において消費される電力が少ない場合、余剰の電力が蓄電池12に充電される。停電時において、蓄電池12は、電力を出力してもよい。放電した電力も、変換装置14に出力され、変換装置14からの電力が、特定負荷24に供給される。なお、蓄電池12は、商用電源が停電した場合に負荷に電力を供給する蓄電池として、正常時には特定負荷24に放電せず、停電時にのみ特定負荷24に放電してもよい。
このように、特定負荷24は、正常時において、太陽電池10、蓄電池12、商用電源22から電力の供給を受けることが可能であり、停電時においても太陽電池10、蓄電池12から電力の供給を受けることが可能である。一方、一般負荷26は、正常時において太陽電池10、蓄電池12、商用電源22から電力の供給を受けることが可能であるが、停電時において電力の供給を受けることができない。
図1(c)は、停電時から、商用電源22が停電していない状態に復旧した場合(以下、「復旧時」という)における配電システム100の構成に相当する。停電時において、商用電源22からの電力の供給が回復した場合、変換装置14は、復旧を検出する。復旧を検出した場合、変換装置14は、第2SW20を制御する。具体的に説明すると、復旧時において、第1SW18のオフが維持され、第2SW20は、Y側の端子に接続される。その結果、特定負荷24および一般負荷26は、変換装置14から切り離され、商用電源22に接続される。その結果、商用電源22からの電力は、特定負荷24、一般負荷26に供給される。なお、変換装置14には、特定負荷24および一般負荷26が接続されていないので、変換装置14は、交流電力を出力しない。太陽電池10において発電された電力は、蓄電池12に供給される。
ここで、図1(a)の正常時において、変換装置14は、系統連携運転を実行している。一方、図1(b)の停電時、図1(c)の復旧時において、変換装置14は、自立運転を実行している。ここで、系統連系運転とは、変換装置14が、商用電源22の電力の周波数に応じた周波数を使用することによって、直流電力から交流電力を生成する動作である。一方、自立運転とは、変換装置14が、商用電源22の電力の周波数に非依存の周波数を使用することによって、直流電力から交流電力を生成する動作である。
図2は、変換装置14の構成を示す。変換装置14は、変換部50、検出部52、表示部58、入力部60、制御部66、取得部68、記憶部70を含む。また、変換部50は、直流側端子62、交流側端子64を含み、制御部66は、設定部54、処理部56を含む。
変換部50は、直流側端子62に図1(a)−(c)の太陽電池10および蓄電池12を接続し、交流側端子64に図1(a)−(c)の第1SW18を接続する。そのため、直流側端子62が直流電力側に相当し、交流側端子64が交流電力側に相当する。変換部50は、直流側端子62において直流電力を入力し、直流電力から交流電力を生成し、交流側端子64から交流電力を出力する。直流側端子62に入力される直流電力は、図1(a)−(c)の太陽電池10および蓄電池12から出力されている。
また、変換部50は、交流側端子64において交流電力を入力し、交流電力から直流電力を生成し、直流側端子62から直流電力を出力する。交流側端子64に入力される交流電力は、図1(a)−(b)の第1SW18を介して商用電源22から出力されている。前者は、インバータ機能に相当し、後者は、コンバータ機能に相当する。インバータ機能とコンバータ機能には、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。なお、直流電力から交流電力を生成する際の交流電力の周波数は、設定部54によって設定される。
検出部52は、第1SW18からの交流電力、つまり商用電源22からの交流電力を入力し、交流電力の周波数を検出する。停電時や復旧時において、検出部52は、商用電源22からの交流電力を入力しないので、交流電力の周波数を検出しない。検出部52は、周波数を検出した場合、検出した周波数に関する情報を設定部54に出力し、周波数を検出しなかった場合、その旨を設定部54に出力する。
設定部54は、検出部52から、周波数に関する情報あるいは周波数を検出しなかったことに関する情報を受けつける。設定部54は、周波数に関する情報を受けつけた場合、当該周波数、つまり商用電源22の交流電力における周波数に応じた周波数を設定する。ここでは、商用電源22の交流電力における周波数と同一の周波数が設定される。これは、前述の系統連系運転に相当し、設定部54では、系統連系モードという。
設定部54は、周波数を検出しなかったことに関する情報を受けつけた場合、商用電源22の交流電力における周波数に非依存の周波数であり、かつ過去に実行した系統連携モードにて設定した周波数を設定する。これは、前述の自立運転に相当し、設定部54では、自立モードという。このように、設定部54は、変換部50において生成すべき交流電力の周波数を設定する。
取得部68は、蓄電池12がある一定量の電力量を放電している場合に蓄電池12のSOHを取得する。このようなSOHは、蓄電池12が劣化するほど小さい値になる。SOHは、次のように導出される。
SOH=現時点での満充電容量/初期の満充電容量 (1)
ここで、現時点の満充電容量は、次のように導出される。
現時点での満充電容量 = 係数K × 所定期間内の電流積算値I (2)
次に、式(2)の算出方法を説明する。
係数Kはあらかじめ計測等により設定されている。具体的には、係数Kは、あらかじめ設定された電圧変化に対する充電状態(State of charge:以下、SOC)の差分量にもとづいて決定される。例えば、あらかじめ設定された電圧をV1からV2(V1>V2)までの電圧変化として、V1はSOC75%に相当する電圧、V2はSOC50%に相当する電圧とした場合、
係数K=100 / (75−50)= 4
と決定することができる。
そして、ある所定の期間内での電圧がV1からV2(V1>V2)になるまで放電したときに流れた電流積算値が10Ahとした場合、
現時点での満充電容量 = 4 × 10 Ah
となる。電池の劣化が進むと流せる電流が減少するため、電流積算値も減少していく。
SOH=現時点での満充電容量/初期の満充電容量 (1)
ここで、現時点の満充電容量は、次のように導出される。
現時点での満充電容量 = 係数K × 所定期間内の電流積算値I (2)
次に、式(2)の算出方法を説明する。
係数Kはあらかじめ計測等により設定されている。具体的には、係数Kは、あらかじめ設定された電圧変化に対する充電状態(State of charge:以下、SOC)の差分量にもとづいて決定される。例えば、あらかじめ設定された電圧をV1からV2(V1>V2)までの電圧変化として、V1はSOC75%に相当する電圧、V2はSOC50%に相当する電圧とした場合、
係数K=100 / (75−50)= 4
と決定することができる。
そして、ある所定の期間内での電圧がV1からV2(V1>V2)になるまで放電したときに流れた電流積算値が10Ahとした場合、
現時点での満充電容量 = 4 × 10 Ah
となる。電池の劣化が進むと流せる電流が減少するため、電流積算値も減少していく。
取得部68は、取得したSOHを処理部56に出力する。なお、前述のごとく、本実施例において、電圧がV1からV2まで、言い換えれば、SOCが75%から50%まで、変化しなければ式(2)における係数Kを求めることができない。そのため、正常時において、蓄電池12からある一定量の電力量が放電されなければ、現時点での満充電容量も求められず、SOHも推定されない。
処理部56は、取得部68からSOHを受けつける。処理部56は、記憶部70に記憶した第1しきい値であって、かつSOHに対する第1しきい値と、SOHとを比較する。ここでは、一例として、ふたつの第1しきい値が記憶されており、63%と60%である。処理部56は、SOHが、ひとつ目の第1しきい値63%よりも小さい場合に、電池交換予告の表示を決定する。処理部56は、電池交換予告表示の指示を表示部58に出力する。さらに、処理部56は、SOHが、ふたつ目の第1しきい値60%よりも小さい場合に、電池寿命警告の表示を決定する。処理部56は、電池寿命警告表示の指示を表示部58に出力する。
表示部58は、処理部56での処理にしたがって各種画面を表示する。図3(a)−(d)は、表示部58に表示される画面を示す。図3(a)は、処理部56から電池交換予告表示の指示を受けつけた場合の画面を示す。これは、電池交換予告表示に相当する。図3(b)は、処理部56から電池寿命警告表示の指示を受けつけた場合の画面を示す。これは、電池寿命警告表示に相当する。このように、表示部58は、SOHがひとつ目の第1しきい値よりも小さい場合に通知を実行するとともに、ひとつ目の第1しきい値よりも小さくなったSOHがふたつ目の第1しきい値よりも小さくなると、表示の態様を変更する。図3(c)−(d)の説明は後述し、図2に戻る。
ここでは、表示部58に表示された電池交換予告表示と電池寿命警告表示との時間経過を説明する。図4(a)−(b)は、表示部58における表示の時間遷移を示す。図4(a)は、電池交換予告表示の時間経過を示す。表示部58は、T0において電池交換予告を表示する。T1において使用者が確認ボタンを押すと、入力部60は、使用者からの入力を受けつける。処理部56は、入力部60を介して使用者からの入力を受けつけると、表示部58にメイン画面を表示させる。その結果、表示部58は、メイン画面を表示するとともに、通常画面状態を1ヶ月実行する。なお、自動バックライトOFF機能もある。1ヶ月経過後のT2において、表示部58は、電池交換予告を表示する。その際、自動バックライトOFF機能はない。T3において使用者が確認ボタンを押すと、これまでと同様に、表示部58は、メイン画面を表示するとともに、通常画面状態を1ヶ月実行する。なお、自動バックライトOFF機能もある。1ヶ月経過後のT4において、表示部58は、電池交換予告を表示する。
図4(b)は、電池寿命警告表示の時間経過を示す。表示部58は、T0’において電池寿命警告を表示する。T1’において使用者が確認ボタンを押すと、入力部60は、使用者からの入力を受けつける。処理部56は、入力部60を介して使用者からの入力を受けつけると、表示部58にメイン画面を表示させる。その結果、表示部58は、メイン画面を表示する。1分間無操作であれば、T2’において、表示部58は、電池寿命警告を表示する。その際、自動バックライトOFF機能はない。T3’において使用者が確認ボタンを押すと、これまでと同様に、表示部58は、メイン画面を表示する。1分間無操作であれば、T4’において、表示部58は、電池寿命警告を表示する。このように表示部58は、SOHが小さくなるほど、通知の頻度を高くする。図2に戻る。
取得部68が所定期間にわたってSOHを非取得である場合、つまり所定期間にわたってSOHを取得できない放電制御をしている、もしくは蓄電池12に不具合が生じてSOHが取得できない場合、処理部56は、記憶部70や蓄電池12から、蓄電池12が製造されたときに関する情報(以下、「製造日」という)を取得する。例えば、所定期間は、1年のように規定される。記憶部70には、蓄電池12の製造日が記憶されている。
処理部56は、記憶部70に記憶した第2しきい値であって、かつ製造日からの経過期間に対する第2しきい値と、製造日からの経過期間とを比較する。ここでは、一例として、ふたつの第2しきい値が記憶されており、6.5年と7年である。処理部56は、製造日からの経過期間が、ひとつ目の第2しきい値6.5年を経過している場合に、電池交換予告の表示を決定する。処理部56は、電池交換予告表示の指示を表示部58に出力する。さらに、処理部56は、製造日からの経過期間が、ふたつ目の第2しきい値7年を経過している場合に、電池寿命警告の表示を決定する。処理部56は、電池寿命警告表示の指示を表示部58に出力する。なお、取得部68は、製造日からの経過期間を取得して、処理部56は取得した製造日からの経過期間と第2しきい値を常時比較しても構わない。この場合、処理部56は充放電を行わない期間が所定期間を超えると比較結果を有効にし、経過時間が第2しきい値6.5年を経過している場合に電池交換予告の表示を決定する。
図3(c)は、処理部56から電池交換予告表示の指示を受けつけた場合の画面を示す。これは、電池交換予告表示に相当する。図3(d)は、処理部56から電池寿命警告表示の指示を受けつけた場合の画面を示す。これは、電池寿命警告表示に相当する。このように、表示部58は、経過期間がひとつ目の第1しきい値を経過した場合に通知を実行するとともに、ひとつ目の第2しきい値よりも長くなった経過期間がふたつ目の第2しきい値よりも長くなると、表示の態様を変更する。図3(a)−(b)と、図3(c)−(d)とを比較すると、SOHをもとに通知を実行する場合と、経過期間をもとに通知を実行する場合とによって、表示部58は、通知の態様、つまり表示の内容を変更している。さらに、表示部58に表示された電池交換予告表示と電池寿命警告表示との時間経過は、図4(a)−(b)と同一であるので、ここでは、説明を省略する。つまり、表示部58は、経過期間が長くなるほど、通知の頻度を高くする。なお、処理部56は、電池寿命警告表示を決定した場合、蓄電池12からの放電を停止させてもよい。
ここまでは、電池寿命を通知することを説明している。以下では、蓄電池12の残量がなくなる場合の表示を説明する。図5(a)−(d)は、表示部58に表示される画面を示す。図5(a)は、残り放電可能時間が10分未満になった場合に、表示部58によって表示される画面を示す。これは、SOCが17%相当である。図5(b)は、図5(a)からさらに放電が進むことになって、蓄電池12の放電が停止されている場合に、表示部58によって表示されている画面を示す。このとき、SOCは10%未満である。
図5(c)は、図5(a)の状態から蓄電池12の残量が増加した場合に表示部58によって表示される画面を示す。蓄電池12の残量の増加は、太陽電池10による充電によってなされる。ここでは、残り放電可能時間が20分以上となっているものとする。図5(d)は、図5(c)の状態から蓄電池12の残量が増加した場合に表示部58によって表示される画面を示す。ここでも、蓄電池12の残量の増加は、太陽電池10による充電によってなされており、残り放電可能時間が20分以上となっているものとする。なお、SOCは24%以上である。図5(d)の画面が表示されている状態において、リセットスイッチが押されることによって、図5(c)の画面が表示される。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
以上の構成による配電システム100の動作を説明する。図6は、変換装置14による電池寿命通知手順を示すフローチャートである。取得部68が所定期間にわたってSOHを取得であれば(S10のN)、処理部56は、SOHによる判定を実行する(S12)。一方、取得部68が所定期間にわたってSOHを非取得であれば(S10のY)、表示部58は、経過期間による判定を実行する(S14)。
図7は、SOHによる判定手順を示すフローチャートである。SOHが63%より小さく(S20のY)、SOHが60%より小さければ(S22のY)、表示部58は、電池寿命警告を表示する(S24)。SOHが60%より小さくなければ(S22のN)、表示部58は、電池交換予告を表示する(S26)。SOHが63%より小さくなければ(S20のN)、ステップ22から26はスキップされる。
図8は、経過期間による判定手順を示すフローチャートである。製造日から6.5年経過しており(S30のY)、製造日から7年経過していれば(S32のY)、表示部58は、電池寿命警告を表示する(S34)。製造日から7年経過していなければ(S32のN)、表示部58は、電池交換予告を表示する(S36)。製造日から6.5年経過していなければ(S30のN)、ステップ32から36はスキップされる。
本発明の実施例によれば、SOHを一定期間にわたって取得できない場合であっても、製造日からの経過期間をもとに通知を実行するので、蓄電池の劣化の程度を通知できる。また、蓄電池の劣化の程度が通知されるので、停電等の非常時が発生した場合において使用すべきときに蓄電池が寿命に達していたという事態を抑制できる。また、劣化の程度に応じて、電池交換予告、電池寿命警告を切りかえて表示するので、蓄電池の状態を明確にできる。また、電池交換予告から電池寿命警告に変わると、通知の頻度を高くするので、危険性を明確に通知できる。また、SOHで判定しているか、経過期間で判定しているかによって、通知を変えるので、判定基準を伝えることができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、発電するために太陽電池10が設けられている。しかしながらこれに限らず例えば、太陽電池10以外に、再生可能エネルギー源をもとした電力を生成するための装置が設けられてもよい。例えば、風力発電機である。本変形例によれば、配電システム100の構成の自由度を向上できる。
本発明の実施例において、表示部58が表示することによって、通知がなされている。しかしながらこれに限らず例えば、スピーカが備えられ、音声による通知がなされてもよい。本変形例によれば、通知手段の設計の自由度を向上できる。
本発明の一態様の概要は、次の通りである。本発明のある態様の制御装置は、負荷に電力を供給すべき蓄電池の劣化度であって、かつ蓄電池が劣化するほど小さい値になる劣化度を取得する取得部と、取得部において取得した劣化度が第1しきい値よりも小さければ通知を実行する通知部とを備える。通知部は、取得部が所定期間にわたって劣化度を非取得である場合、蓄電池を製造してからの経過期間が第2しきい値よりも長ければ通知を実行する。
通知部は、第1しきい値よりも小さくなった劣化度がさらに小さくなると、通知の態様を変更してもよい。
通知部は、劣化度が小さくなるほど、通知の頻度を高くしてもよい。
通知部は、第2しきい値よりも長くなった経過期間がさらに長くなると、通知の態様を変更してもよい。
蓄電池の充放電を停止させる処理部をさらに備えてもよい。処理部は、通知部が通知の様態を変更させた場合に蓄電池の充放電を停止させてもよい。
通知部は、経過期間が長くなるほど、通知の頻度を高くしてもよい。
通知部は、取得部において取得した劣化度が第1しきい値よりも小さい場合と、蓄電池を製造してからの経過期間が第2しきい値よりも長い場合とによって、通知の態様を変更してもよい。
蓄電池の充放電を停止させる処理部をさらに備えてもよい。処理部は、通知部が通知の様態を変更させた場合に蓄電池の充放電を停止させてもよい。
取得部は、商用電源が停電した場合に負荷に電力を供給すべき蓄電池の劣化度を取得してもよい。
本発明の別の態様は、制御方法である。この方法は、負荷に電力を供給すべき蓄電池の劣化度であって、かつ蓄電池が劣化するほど小さい値になる劣化度を取得するステップと、取得した劣化度が第1しきい値よりも小さければ通知を実行するステップとを備える。通知を実行するステップは、取得するステップが所定期間にわたって劣化度を非取得である場合、蓄電池を製造してからの経過期間が第2しきい値よりも長ければ通知を実行する。
10 太陽電池、 12 蓄電池、 14 変換装置、 16 管理装置、 18 第1SW、 20 第2SW、 22 商用電源、 24 特定負荷、 26 一般負荷、 50 変換部、 52 検出部、 54 設定部、 56 処理部、 58 表示部、 60 入力部、 62 直流側端子、 64 交流側端子、 66 制御部、 68 取得部、 70 記憶部、 100 配電システム。
本発明によれば、蓄電池の劣化の程度を通知できる。
Claims (10)
- 負荷に電力を供給すべき蓄電池の劣化度であって、かつ蓄電池が劣化するほど小さい値になる劣化度を取得する取得部と、
前記取得部において取得した劣化度が第1しきい値よりも小さければ通知を実行する通知部とを備え、
前記通知部は、前記取得部が所定期間にわたって劣化度を非取得である場合、蓄電池を製造してからの経過期間が第2しきい値よりも長ければ通知を実行することを特徴とする制御装置。 - 前記通知部は、第1しきい値よりも小さくなった劣化度がさらに小さくなると、通知の態様を変更することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
- 前記通知部は、劣化度が小さくなるほど、通知の頻度を高くすることを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
- 前記通知部は、第2しきい値よりも長くなった経過期間がさらに長くなると、通知の態様を変更することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
- 前記蓄電池の充放電を停止させる処理部をさらに備え、
前記処理部は、前記通知部が通知の様態を変更させた場合に前記蓄電池の充放電を停止させることを特徴とする請求項4に記載の制御装置。 - 前記通知部は、経過期間が長くなるほど、通知の頻度を高くすることを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
- 前記通知部は、前記取得部において取得した劣化度が第1しきい値よりも小さい場合と、蓄電池を製造してからの経過期間が第2しきい値よりも長い場合とによって、通知の態様を変更することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の制御装置。
- 前記蓄電池の充放電を停止させる処理部をさらに備え、
前記処理部は、前記通知部が通知の様態を変更させた場合に前記蓄電池の充放電を停止させることを特徴とする請求項7に記載の制御装置。 - 前記取得部は、商用電源が停電した場合に負荷に電力を供給すべき蓄電池の劣化度を取得することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の制御装置。
- 負荷に電力を供給すべき蓄電池の劣化度であって、かつ蓄電池が劣化するほど小さい値になる劣化度を取得するステップと、
取得した劣化度が第1しきい値よりも小さければ通知を実行するステップとを備え、
前記通知を実行するステップは、前記取得するステップが所定期間にわたって劣化度を非取得である場合、蓄電池を製造してからの経過期間が第2しきい値よりも長ければ通知を実行することを特徴とする制御方法。
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