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JPWO2010106981A1 - 低分子ゲル化剤からなるスプレー用基材 - Google Patents

低分子ゲル化剤からなるスプレー用基材 Download PDF

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Abstract

【課題】スプレー容器からの液もれを防ぎ、且つ、あらゆる環境下(例えば逆さ状態)でスプレー可能であり、スプレーをした際には飛散することなく目的物(噴霧面)の表面をムラ無く被覆することができ、噴霧面からの液だれが生じず、さらには、皮膚面などにスプレーしても安全である化合物にて構成することで安心・安全に使用可能なスプレー用基材を提供すること。さらに単に良好なスプレー噴霧が可能であるだけでなく、医農薬や香粧品に用いる生理活性化合物や芳香成分等の低分子化合物を、親水性や疎水性を問わず且つ両方を共存させて包接することができ、さらに徐放性も備えるスプレー用基材を提供すること。【解決手段】媒体中の低分子ゲル化剤によりゲル化された水性媒体を含み、該低分子ゲル化剤は自己集合化を介して水性媒体をゲル化させる能力を有する低分子化合物の群から選択される1種又は2種以上の化合物からなる、スプレー用基材。【選択図】図1

Description

本発明は、スプレー用基材に関し、詳細には、媒体中の低分子ゲル化剤によりゲル化された水性媒体を含み、該低分子ゲル化剤は自己集合化を介して水性媒体をゲル化させる能力を有する低分子化合物の群から選択される1種又は2種以上の化合物からなるスプレー用基材であって、ゲル状態のままで、即ち液が滴り落ちずにスプレーでき、スプレー後、塗付面上の液滴が容易にゲル化して液だれを生じにくいスプレー用基材に関する。
本発明のスプレー用基材は、スキンケア製品、ヘアケア製品、外用医薬品、芳香剤、消臭剤、防虫剤、殺虫剤、農薬、洗浄剤、塗料、帯電防止用コーティング、防腐剤等のスプレー用基材として、さらに皮膜や薄膜形成用の基材として好適に利用可能である。
近年スプレー製品は広範な分野に適用されており、その多くが、液状の母液に目的用途の配合物を混合させたものをスプレー用製剤とするものである。この種のスプレー製品に望まれる要求特性には、一般に、(1)あらゆる環境下で良好な噴霧を実現できること、(2)吹き付けた表面に母液滴が良好に定着し噴霧むらが生じないこと、(3)垂直面や傾斜面での母液滴の液だれが発生しにくいこと、並びに、(4)定着した母液滴の乾燥体が吹き付け面(特に皮膚等)を長時間にわたって損傷させず、安全性が高いものであること等が挙げられる。
これら要求特性(1)〜(3)を満足するために、従来、種々の技術が提案されている。
例えば、母液中に高分子増粘剤を溶解させて母液の粘度を上げることにより(3)の液だれの発生防止を図った提案がなされている[特許文献1]。しかし、通常の高分子化合物の溶液では、液だれを有効に防止する程に母液の粘度を高め過ぎると、スプレーそれ自体が不可能となることがある。従ってノズルへの吸い上げが可能であり且つ噴霧が可能であるためには、ある程度母液の粘度を低いものに設計しなければならず、その場合、今度は液だれ防止性が十分に達成できなくなる。すなわち、液だれの防止すると円滑なスプレーとを両立されることが重要であるが、そのための母液粘度の最適化は極めて困難といえるものであった。さらに、高分子化合物の溶液は噴霧の際、糸を引き易いという特有の性質(曳糸性)を有することから、液滴が個々独立している理想的なミスト状態にならず、増粘剤を加えない場合と比較してミスト化の程度が大幅に劣り、噴霧むらの原因になることも問題であった。
一方、母液中に界面活性剤を配合し、水相でのミセル構造形成により増粘させることや、噴霧後の母液滴の表面張力をコントロールすることにより、上記(2)や(3)の特性を改善する試みが数多くなされている[特許文献2、3]。
しかし、その母液は流動性を有するため、逆さまにした状態で噴霧ができないなど上記(1)の特性が抜本的には達成できない。さらには、液だれ防止性を高めるために界面活性剤の量を増大させると、例えば皮膚に噴霧するスプレー剤の場合には皮膚刺激性を生じ易くなり、上記(4)の安全性の点で不都合を生じる等の問題があった。
前記(1)や(3)の要求特性を満足させるべく、容器構造面での改善も提案されている(例えば、特許文献4)。しかしながら、被覆表面上にミストを薄く定着させる場合には良好な結果が得られるものの、多量の吹き付けを行なう場合、すなわち厚塗りをする場合には、やはり液だれが発生してしまうため、液だれ防止に関して本質的な解決になっていなかった。
また上記(1)〜(4)の要求特性を比較的バランスよく達成するものとしては、親水性スメクタイトからなるヘクトライトを主成分としたゲル状組成物を用いたスプレー剤が開示されている(特許文献5、特許文献6)。しかしながら開示された技術は、安全面で使用実績に乏しい無機物を主成分としたものであること、さらに、アルコールなどのスプレー用組成物の主要な分散媒中でヘクトライトが凝集を起こし、これが噴霧特性を低減させてしまうといった問題が残されていた。
こうした中、セルロース分散体の噴霧性、フォーム形成能とその保持性、チキソトロピー性、分散安定性に注目し、該分散体を利用したスプレー剤の開発も行なわれている。しかしながら、セルロース類では、脂溶性薬剤や他の界面活性剤との相溶性が悪く、相分離が生じやすく、外用医薬品・香粧品・農薬製剤への応用は難しい。
さらに、実際の使用場面では、複数の化合物の包接・徐放ができるミストが形成できるスプレー用製剤が求められる。例えば、外用医薬品や香粧品では、親水性化合物と疎水性化合物とを同時に溶解させる必要性が生じる場合もあり、その場合には、例えば疎水性化合物に親水性官能基を導入するなどの化学的処理を施す必要があった。上述の既存の技術では、スプレー用基剤としての性能を満足し、しかも実用途で必要となる化合物の包接・徐放を含めた性能を同時に満足する材料は未だ見出されていなかった。
一方、水を媒質とする生体適合性の高い素材として、幅広い分野でヒドロゲルが使用されており、高分子化合物からなるヒドロゲルと、低分子化合物の自己集合化からなるヒドロゲルが種々検討されている。
高分子化合物間を共有結合、或いはイオン結合や水素結合などを用いて架橋を行なうことで得られる高分子ゲル(化学ゲル、物理ゲル)は、スプレーに用いる場合、溶液を固化させるため容器からの液漏れを防ぐことが出来るので有効ではあるが、高分子化学ゲルのように化学架橋をしたものではゲル状態でスプレーすることは難しく、更に高分子物理ゲルでもその多くはスプレーができない。また、スプレー可能なものは薬物など低分子化合物の包接・徐放が不可能であり、さらにこれら薬剤等や他の添加物との相溶性が悪いことから相分離を起すといった問題を有していた。
低分子化合物からなる低分子ヒドロゲル化剤の研究は、水中での低分子化合物の自己組織化する機構解明と分子設計の難しさはあるものの、その機能性に大きな興味が持たれ、近年その研究が盛んに行われている。その結果、いくつかの低分子ヒドロゲル化剤が見出されてきた[非特許文献1、2]。その多くは、疎水部である長鎖アルキル基と親水性部を組み合わせた両親媒性化合物であり、例えば、親水性部がアミノ酸のもの[非特許文献3]、ペプチドのもの[特許文献7、8]、単多糖類[非特許文献4、5]又はポリオール[非特許文献6]であるものが挙げられる。また、バリンにより構成されたペプチドがβ−シート構造を容易に取ることを利用した低分子ゲル化剤[非特許文献7]も提案されている。
また、他にも、低分子ヒドロゲル化剤には、アルコール水溶液や有機溶媒水溶液をゲル化したり、また水単体、有機溶媒単体でのゲル化はできないが、アルコール水溶液や有機溶媒水溶液をゲル化するものが報告されている。これら低分子ゲルの共通した特徴としては、外部からの応力にすばやく反応してゲルからゾルへの変換することが知られている。
上述したように、従来のスプレー用基材は、スプレー性能及び安全性に関する前記(1)〜(4)の要求特性を満足し、且つ、スプレー対象の各種薬剤や添加剤との相溶性が良好であり、しかも、複数の化合物の包接・徐放ができるミストが形成できるという性能をも十分に満足させるものは提案されていない。
生体適合性の高い素材であるヒドロゲルであっても、高分子化合物からなるヒドロゲルでは上記性能を十分に満足させることができず、低分子化合物からなるヒドロゲルを用いたスプレー用基材への提案はなされていない。
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その解決しようとする課題は、スプレー容器からの液もれを防ぎ、且つ、通常あり得るあらゆる使用条件下(例えば逆さ状態)でスプレー可能であり、スプレーをした際には飛散することなく目的物(噴霧面)の表面をムラ無く被覆することができ、噴霧面からの液だれが生じず、さらには、皮膚面などにスプレーしても安全である等、安心・安全に使用可能なスプレー用基材を提供することを目的とする。さらに単に良好なスプレー噴霧が可能であるだけでなく、医農薬や香粧品に用いる生理活性化合物や芳香成分等の低分子化合物を、親水性や疎水性を問わず且つ両方を共存させて包接することができ、さらに徐放性も備えるスプレー用基材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行なった結果、本発明を見出すに至った。
すなわち、第1観点として、媒体中の低分子ゲル化剤によりゲル化された水性媒体を含み、該低分子ゲル化剤は自己集合化を介して水性媒体をゲル化させる能力を有する低分子化合物の群から選択される1種又は2種以上の化合物からなる、スプレー用基材に関する。
第2観点として、前記低分子化合物の分子量が1000以下であることを特徴とする、第1観点に記載のスプレー用基材に関する。
第3観点として、前記ゲル化された水性媒体中の前記低分子化合物の濃度が0.0001〜20%(w/v)であることを特徴とする、第2観点又は第3観点に記載のスプレー用基材。
第4観点として、前記低分子化合物は、疎水性部位と親水性部位を有することを特徴とする、第1観点乃至第3観点のうちいずれか一項に記載のスプレー用基材に関する。
第5観点として、前記低分子化合物が、式(1)
Figure 2010106981
(式中、R1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、R2は水素原子、又は炭素原子数1若しくは2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、R3は−(CH2n−X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環若しくは6員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表す。)で表される脂質ペプチド又はその薬学的に使用可能な塩からなることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載のスプレー用基材に関する。
第6観点として、前記式(1)中、R3が−(CH2n−X基であり、nが1乃至4の数であり、Xがアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至2個有し得る5員環又は5員環と6員環で構成される縮合複素環であることを特徴とする、第5観点に記載のスプレー用基材に関する。
第7観点として、前記式(1)中、R1が不飽和結合を0乃至2個有し得る炭素原子数11乃至21の直鎖状脂肪族基であることを特徴とする、第5観点に記載のスプレー用基材に関する。
第8観点として、前記式(1)中、R2が水素原子、又は炭素原子数1の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至3のアルキル基であることを特徴とする、第5観点に記載のスプレー用基材。
第9観点として、前記式(1)中、nが1乃至4の数であり、かつXがアミノ基、グアニジノ基又は−CONH2基であるか、又はnが1であり、かつXがピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基又はイミダゾール基であることを特徴とする、第6観点に記載のスプレー用基材に関する。
第10観点として、さらに、生理活性物質又は機能性物質を含有することを特徴とする、第1観点乃至第9観点のうちいずれか一項に記載のスプレー用基材に関する。
第11観点として、自己集合化を介して水性媒体をゲル化させる能力を有する低分子化合物の群から選択される1種又は2種以上の化合物と水性媒体を含む薄膜に関する。
第12観点として、前記自己集合化の形態が、ファイバー構造であることを特徴とする、第11観点に記載の薄膜に関する。
第13観点として、第1観点乃至第10観点のうちいずれか一項に記載のスプレー用基材をスプレー法により塗布することを特徴とする薄膜の作製方法に関する。
第14観点として、媒体中の低分子ゲル化剤によりゲル化された水性媒体を機械的に崩壊させることにより得られるゾルであって、該低分子ゲル化剤は自己集合化を介して水性媒体をゲル化させる能力を有する低分子化合物の群から選択される1種又は2種以上の化合物からなるものである、ゾルに関する。
第15観点として、前記ゾルを含有することを特徴とするスプレー用基材に関する。
第16観点として、前記ゾルの形成に用いる低分子ゲル化剤を成す低分子化合物が、式(1)
Figure 2010106981
(式中、R1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、R2は水素原子、又は炭素原子数1若しくは2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、R3は−(CH2n−X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環若しくは6員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表す。)で表される脂質ペプチド又はその薬学的に使用可能な塩からなることを特徴とする、請求項15に記載のスプレー用基材に関する。
第17観点として、前記式(1)中、R3が−(CH2n−X基であり、nが1乃至4の数であり、Xがアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至2個有し得る5員環又は5員環と6員環で構成される縮合複素環であることを特徴とする、第16観点に記載のスプレー用基材に関する。
第18観点として、前記式(1)中、R1が不飽和結合を0乃至2個有し得る炭素原子数11乃至21の直鎖状脂肪族基であることを特徴とする、第16観点に記載のスプレー用基材に関する。
第19観点として、前記式(1)中、R2が水素原子、又は炭素原子数1の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至3のアルキル基であることを特徴とする、第16観点に記載のスプレー用基材に関する。
第20観点として、前記式(1)中、nが1乃至4の数であり、かつXがアミノ基、グアニジノ基又は−CONH2基であるか、又はnが1であり、かつXがピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基又はイミダゾール基であることを特徴とする、第17観点に記載のスプレー用基材に関する。
第21観点として、前記式(1)で表される化合物と水性媒体を含有するゾルに関する。
第22観点として、第21観点に記載のゾルを含有することを特徴とするスプレー基材に関する。
第23観点として、前記低分子化合物が式(2)
Figure 2010106981
(式中、R4は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、
5乃至R8は水素原子、又は炭素原子数1若しくは2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基、又は−(CH2n−X基を表し、且つR5乃至R8のうち少なくとも一つ以上が−(CH2n−X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環若しくは6員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表す。)で表される脂質ペプチド又はその薬学的に使用可能な塩からなることを特徴とする、第1観点乃至第4観点のうちいずれか一項に記載のスプレー用基材に関する。
本発明のスプレー用基材は、低分子ゲル化剤を用いて水性媒体(水、水溶液、アルコール水溶液、有機溶媒水溶液)をゲル化させることにより得られるスプレー用基材である。水性媒体をゲル化させることにより、スプレー容器からの液漏れを防ぐことが可能になる。
本発明のスプレー用基材に用いる低分子ゲル化剤のゲル形成メカニズムは、商品化されている高分子ヒドロゲルのゲル形成メカニズムとは全く異なり、該低分子ゲル化剤を構成する低分子化合物が自己集合化してファイバー状の形態を形成し、さらには該ファイバーが網目構造を形成し、この網目構造に水や各種水溶液、アルコール水、有機溶媒水等を囲い込み、ゲルを形成する。ここで「自己集合化」とは、当初ランダムな状態にある物質(分子)群において、分子が適切な外部条件下で分子間の非共有結合性相互作用等により自発的に会合することにより、マクロな機能性集合体に成長することを指す。
そのため、本発明のスプレー用基材に用いる低分子ゲル化剤によって得られたゲルは適当な応力を加えることにより速やかにゲルからゾルへ転換し、ゾル状態になったものはスプレーのノズルのような細い管を通ることが可能になる。
すなわち、水や各種水溶液等に前記低分子ゲル化剤を添加することにより、ゲルの固体状態からスプレー可能なスプレー用基材を作成することが可能になる。
この結果、逆さにしてもゲルで固められた状態なため容器の底に基材が留まり、スプレーすることが可能になり、上記(1)の要求特性を満足させることができる。すなわち、いかなる環境下でもスプレー可能な基材の作成が可能になる。
また、本発明のスプレー用基材である低分子ゲルは、応力を与えてゲル状態からゾル状態へ変換しても自己集合化構造であるファイバー状態は維持され、且つそのファイバー状態により構築される網目構造もある程度は破壊されること無く存在している。このため噴霧した際、周囲に必要以上に飛散することがなく、一定範囲内の面積を均一に被覆させることができる。さらに、吹き付けられた直後も自己集合化したファイバー状態と網目構造が維持されているため、付着面でゲル状態に転換し、付着面を傾斜させてもゲル状態を維持しているため、液ダレを防ぐことができる。このように低分子ゲル化剤を用いることで、上記(2)と(3)の要求特性を満足させたスプレー用基材が提供できる。
さらに本発明のスプレー用基材に用いる低分子ゲル化剤は、疎水性部位、親水性部位ともに脂肪酸或いはジペプチドといった天然由来物質を用いており、安全性の高い低分子ゲル化剤であることから、上記(4)の要求特性を満足させたスプレー用基材を提供できる。
また、前述したように、本発明のスプレー用基材は、自己集合化したファイバーとそれにより構築された網目構造により形成されるゲルを含有する。そして該ゲルは、生理活性物質や芳香成分、または色素や染料などの低分子化合物を、疎水性の低分子化合物であれば疎水環境下のファイバー内に、親水性化合物であれば網目構造内の水相に取り込むことが可能であり、特に親水性でかつ極性官能基を有する化合物はファイバー表面に付着させることができる。すなわち、本発明のスプレー用基材は、基材内に薬効成分等の様々な成分を親水性/疎水性を問わずに包接させることができ、スプレーした後には付着面(接着面)で必要成分の保持又は徐放が可能になる。
さらに、本発明のスプレー用基材は、低分子ゲル化剤の使用量によりゲル化しない状態で調製されたスプレー用基材であっても、またゲル状態のものが応力などの物理的因子により崩れた状態(ゾル状態)になっても、低分子ゲル化剤の自己集合化状態すなわちファイバー状態や網目構造は崩壊されない。そのため、生理活性物質や芳香成分、または色素や染料などの低分子化合物の溶解機能・包接機能を損なうことのないスプレー用基材として機能し、さらにスプレー時の飛散を防止し、表面をムラなく被覆することができ、被覆した部分の液ダレすることも無い。
また、本発明のスプレー用基材に用いる低分子ゲル化剤は、酸及び塩基を溶解した水溶液をもゲル化可能であるため、こうした水溶液のスプレー用基材として用いることが可能となる。特に、肌表面の水分量を回復する効果を有する乳酸カリウムに乳酸を添加して緩衝液とした溶液など、肌や用途に合わせてpHを調整可能な保水、保湿効果のある溶液のスプレー基材の作成も可能になる。
以上のように、本発明にて得られる低分子ゲルを用いたスプレー用基材は、良好なスプレー噴霧が可能であるだけでなく、生体や環境に安全なものであり、且つ、医農薬や香粧品に用いる生理活性化合物や芳香成分等の低分子化合物を、親水性や疎水性を問わず且つ両方を共存させて包接することができ、さらに徐放性も兼ね備えることから、患部や損傷部位認識能を有する創傷被覆剤、癒着防止膜、薬物速達システム、スキンケア製品、ヘアケア製品、外用医薬品、芳香剤、消臭剤、防虫剤、殺虫剤、農薬スプレー用基材、洗浄剤、塗料、帯電防止用コーティング、防腐剤、被膜や薄膜形成用の基材などに広く利用することができる。
図1は脂質ペプチドの自己集合化及びそれに続くゲル化の概念図を示す図である。 図2は実施例で調製したスプレーの塗布性を評価する装置を示す図である。
本発明のスプレー用基材は、媒体中の低分子ゲル化剤によりゲル化された水性媒体を含み、該低分子ゲル化剤は自己集合化を介して水性媒体をゲル化させる能力を有する低分子化合物の群から選択される1種又は2種以上の化合物からなる、スプレー用基材であることを特徴とする。
上記低分子ゲル化剤としては、好ましくは分子量1000以下であって、特に、疎水性部位である脂質部と親水性部位であるペプチド部とを有する低分子化合物(いわゆる脂質ペプチド又はその薬学的に使用可能な塩)を用いることができる。
上記疎水性部位と親水性部位とを有する低分子化合物としては、例えば下記式(1)で表される脂質ペプチドを挙げることができ、該脂質ペプチドは脂溶性の高い鎖を有する脂質部(アルキルカルボニル基)とペプチド部(ジペプチド、トリペプチド又はテトラペプチド)より構成される。
Figure 2010106981
上記式(1)において、脂質部に含まれるR1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、好ましくは、R1が不飽和結合を0ないし2個有し得る炭素原子数11乃至23の直鎖状脂肪族基であることが望ましい。
1及び隣接するカルボニル基で構成される脂質部(アシル基)の具体例としては、ラウロイル基、ドデシルカルボニル基、ミリストイル基、テトラデシルカルボニル基、パルミトイル基、マルガロイル基、オレオイル基、エライドイル基、リノレオイル基、ステアロイル基、バクセノイル基、オクタデシルカルボニル基、アラキドイル基、エイコシルカルボニル基、ベヘノイル基、エルカノイル基、ドコシルカルボニル基、リグノセイル基及びネルボノイル基等を挙げることができ、特に好ましいものとして、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、マルガロイル基、ステアロイル基、オレオイル基、エライドイル基及びベヘノイル基が挙げられる。
上記式(1)において、ペプチド部に含まれるR2は、炭素原子数1若しくは2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基を表す。
上記炭素原子数1若しくは2の分岐鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基とは、主鎖の炭素原子数が1乃至4であり、かつ炭素原子数1若しくは2の分岐鎖を有し得るアルキル基を意味し、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基などが挙げられる。
上記R2は好ましくは、水素原子、又は炭素原子数1の分岐鎖を有し得る炭素原子数1乃至3のアルキル基であり、より好ましくは水素原子である。
炭素原子数1の分岐鎖を有し得る炭素原子数1乃至3のアルキル基とは、主鎖の炭素原子数が1乃至3であり、かつ炭素原子数1の分岐鎖を有し得るアルキル基を意味し、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基又はsec−ブチル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、i−プロピル基、i−ブチル基又はsec−ブチル基である。
上記式(1)において、R3は−(CH2)n−X基を表す。
上記−(CH2)n−X基において、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環若しくは6員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表す。
上記−(CH2)n−X基において、Xは好ましくはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、ピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基又はインドール基を表し、より好ましくはイミダゾール基である。また、上記−(CH2)n−X基において、nは好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
従って、上記−(CH2n−基は、好ましくはアミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−カルバモイルブチル基、2−グアニジノエチル基、3−グアニジノブチル基、ピロールメチル基、イミダゾールメチル基、ピラゾールメチル基、又は3−インドールメチル基を表し、より好ましくは4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−グアニジノブチル基、イミダゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表し、さらに好ましくはイミダゾールメチル基である。
上記式(1)で表される化合物において、低分子ゲル化剤として特に好適な脂質ペプチドとしては、以下の脂質部とペプチド部(アミノ酸集合部)から形成される化合物である。なおアミノ酸の略称としては、アラニン(Ala)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、イソロシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リジン(Lys)、トリプトファン(Trp)、バリン(Val)を表す。:ラウロイル−Gly−His、ラウロイル−Gly−Gln、ラウロイル−Gly−Asn、ラウロイル−Gly−Trp、ラウロイル−Gly−Lys、ラウロイル−Ala−His、ラウロイル−Ala−Gln、ラウロイル−Ala−Asn、ラウロイル−Ala−Trp、ラウロイル−Ala−Lys;ミリストイル−Gly−His、ミリストイル−Gly−Gln、ミリストイル−Gly−Asn、ミリストイル−Gly−Trp、ミリストイル−Gly−Lys、ミリストイル−Ala−His、ミリストイル−Ala−Gln、ミリストイル−Ala−Asn、ミリストイル−Ala−Trp、ミリストイル−Ala−Lys;パルミトイル−Gly−His、パルミトイル−Gly−Gln、パルミトイル−Gly−Asn、パルミトイル−Gly−Trp、パルミトイル−Gly−Lys、パルミトイル−Ala−His、パルミトイル−Ala−Gln、パルミトイル−Ala−Asn、パルミトイル−Ala−Trp、パルミトイル−Ala−Lys;ステアロイル−Gly−His、ステアロイル−Gly−Gln、ステアロイル−Gly−Asn、ステアロイル−Gly−Trp、ステアロイル−Gly−Lys、ステアロイル−Ala−His、ステアロイル−Ala−Gln、ステアロイル−Ala−Asn、ステアロイル−Ala−Trp、ステアロイル−Ala−Lys。
最も好ましいものとして、ラウロイル−Gly−His、ラウロイル−Ala−His;ミリストイル−Gly−His、ミリストイル−Ala−His;パルミトイル−Gly−His、パルミトイル−Ala−His;ステアロイル−Gly−His、ステアロイル−Ala−Hisが挙げられる。
また上記疎水性部位と親水性部位とを有する別の低分子化合物の例としては、例えば下記式(2)で表される脂質ペプチドを挙げることができる。
Figure 2010106981
上記式(2)において、R4は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、好ましい具体例としては、前出のR1で定義したものと同じ基が挙げられる。
5乃至R8は水素原子、又は炭素原子数1若しくは2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基、又は−(CH2n−X基を表し、且つR5乃至R8のうち少なくとも一つ以上が−(CH2n−X基を表す。nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環若しくは6員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表す。ここでR5乃至R8の好ましい具体例としては、前出のR2又はR3で定義したものと同じ基が挙げられる。
上記式(2)で表される化合物において、低分子ゲル化剤として特に最も好適な脂質ペプチドとしては、ラウロイル−Gly−Gly−Gly−His、ミリストイル−Gly−Gly−Gly−His、パルミトイル−Gly−Gly−Gly−His、パルミトイル−Gly−Gly−His−Gly、パルミトイル−Gly−His−Gly−Gly、パルミトイル−His−Gly−Gly−Gly、ステアロイル−Gly−Gly−Gly−His等が挙げられる。
本発明のスプレー用基材に用いるゲル化された水性媒体は、前記低分子ゲル化剤及び水性媒体(溶媒)を含有して形成される。
前記溶媒としては、低分子ゲル化剤のファイバー化やヒドロゲル化を妨げるものでなければ特に限定されないが、好ましくは、水、アルコール、水とアルコールの混合溶媒、水と水溶性有機溶媒の混合溶媒を用いることができる。より好ましくは水又は水とアルコールの混合溶媒であり、さらに好ましくは水である。
前記アルコールは、好ましくは水に自由に溶解する水溶性アルコールであり、より好ましくは炭素原子数1乃至6のアルコールであり、さらに好ましくはメタノール、エタノール、2−プロパノール、i−ブタノール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリンであり、さらに特に好ましくはエタノール、2−プロパノール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリン又はポリエチレングリコールである。
前記水溶性有機溶媒とはアルコール以外の有機溶媒であって、かつ水に任意の割合で溶解する有機溶媒を意味する。用いる水溶性有機溶媒の例としては、アセトン又はジオキサンなどが挙げられる。
上記ゲル化された水性媒体は酸及び/又は塩を含有しても良い。かかる酸及び塩はヒドロゲル形成に至る過程のどの段階で加えても良いが、ヒドロゲル化剤を加える前に溶媒に加えて溶液にしておくことが好ましい。
酸及び塩は複数種加えても良く、また酸と塩を混合て加えても良いが、好ましく酸又は塩は1〜3種である。塩を2種類、又は酸を1〜2種類と塩1〜2種類を加えることで、溶液が緩衝能を持つことが望ましい。
前記の酸は、無機酸若しくは有機酸である。好ましい無機酸としては、炭酸、硫酸、若しくはリン酸が挙げられる。より好ましくは、リン酸であり、さらに好ましくはリン酸である。又、好ましい有機酸の例としては、酢酸、クエン酸、コハク酸、若しくは乳酸が挙げられる。より好ましくは、乳酸である。
前記の塩は、無機塩若しくは有機塩である。好ましい無機塩の例としては無機乳酸塩、無機炭酸塩、無機硫酸塩若しくは無機リン酸塩が挙げられる。より好ましくは、乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム又はリン酸二水素ナトリウムであり、さらに好ましくは乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム又はリン酸二水素ナトリウムである。又、好ましい有機塩の例としては、有機アミンの塩酸塩若しくは有機アミン酢酸塩が挙げられる。より好ましくはエチレンジアミン塩酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタン塩酸塩である。
本発明のスプレー用基材において、ゲル化された水性媒体中の前記低分子ゲル化剤の濃度が0.0001〜20%(w/v)であり、0.05〜10(w/v)であることが好ましく、0.1〜5%(w/v)であることがより好ましい。
また本発明のスプレー用基材に含有可能な生理活性物質としては、インドメタシン等の抗炎症・免疫剤、ベンザルコニウム等の抗菌・殺菌剤、EGF(上皮細胞増殖因子、epidermal growth factor、エピダーマル・グロース・ファクター)、FGF(線維芽細胞成長因子、fibroblast growth factor、ファイブロブラスト・グロース・ファクター)、コラーゲン、ヒアルロン酸等のアンチエージング剤が挙げられる。
また機能性物質としては、メントール、カンフル、ローズマリー等の香料・清涼剤、ブリリアントブルー、フルオレセイン、カロチン、リボフラビン、ベントナイト、シリカ、酸化チタン、タルク、炭酸カリウム等の色素・染料・着色料・顔料、アスコルビン酸等のビタミン類、トコフェノール等の美白剤、アミノ酸、尿素、セラミド等の保湿因子等を挙げることができる。
本発明はまた、媒体中の低分子ゲル化剤によりゲル化された水性媒体を、例えば機械的に崩壊させることにより得られるゾルであって、該低分子ゲル化剤は自己集合化を介して水性媒体をゲル化させる能力を有する低分子化合物の群から選択される1種又は2種以上の化合物からなるものであるゾル、並びに、該ゾルを含有するスプレー用基材にも関する。
前記ゾルは、前述の低分子ゲル化剤、好ましくは前記式(1)又は式(2)で表される低分子化合物(脂質ペプチド)の群から選択される1種又は2種以上の化合物からなるものと、前記水性媒体(溶媒)を含有して形成されたゲル化された水性媒体を、好ましくは機械的に崩壊させることにより得られる。
[ゲル形成メカニズム]
本発明のスプレー用基材に使用する低分子ゲル化剤、特に前記式(1)(又は式(2))で表される低分子化合物(脂質ペプチド)は、水溶液又はアルコール溶液系中に投入されると、式(1)におけるペプチド部が水素結合により分子間非共有結合を形成し、一方、式(1)における脂質部が疎水的にパッキングするように自己集合化(或いは自己組織化ともいう)し、ファイバーが形成される。ファイバーの形状は限定されないが、筒状又は板状の形状が挙げられる。
参考として図1に脂質ペプチドの自己集合化及びゲル化の概念図の一例を示す(但し、本発明のスプレー用基材において、全ての脂質ペプチドが図1に示す自己集合化及びゲル化の形態をとっているとは限らない)。該脂質ペプチド分子(a)は疎水性部位である脂質部を中心として集合し(b)、自己集合化によりファイバー(c)を形成する。
ファイバー形成には、前記低分子ヒドロゲル化剤を1種類用いても良いし2種類以上を組み合わせて用いても良い。好ましくは1種類又は2種類を用い、さらに好ましくは1種類を用いる。ただし2種類用いる場合は、1種類の場合と異なる性質を得ることが期待できる。
本発明のスプレー用基材に使用する低分子ゲル化剤は、界面活性剤又はオイルを混合させて自己集合化することによりファイバーを形成することもできる。かかる界面活性化剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤が挙げられる。またオイルとしては、ミネラルオイル、スクワラン、オリーブ油等が挙げられる。
上記ファイバーが水溶液又はアルコール水溶液等の中で形成されると、このファイバーが三次元網目構造を形成し(例えば図1における(d)参照)、さらに、ファイバー表面の親水性部分(ペプチド部)と水性溶媒間で非共有結合を形成して膨潤することにより、水溶系又はアルコール水溶液全体がゲル化し、水性媒体がゲル化される。
前述した通り、本発明のスプレー用基材に用いる低分子ゲル化剤は、ゲル化された水性媒体中ではもちろんゾル状態でも、或いはゲル化に満たない添加量であっても、水性媒体中で自己集合体を形成し、スプレー後も自己集合体を維持している。
従って、本発明のスプレー用基材を用いると、目的物を大きく外して飛散することなくスプレーでき、目的物表面をムラ無く被覆することができ、被覆接着面からの液だれをさせずにスプレーが可能となる。
また、脂肪酸やアミノ酸といった天然由来原料により構成された低分子ゲル化剤を用いることで、皮膚面などの被覆に際し、安心、安全に使用できる。
このため、本発明のスプレー用基材は、患部や損傷部位認識能を有する創傷被覆剤、癒着防止膜、薬物速達システム、スキンケア製品、ヘアケア製品、外用医薬品、芳香剤、消臭剤、防虫剤、殺虫剤、農薬スプレー用基材、洗浄剤、塗料、帯電防止用コーティング、防腐剤、被膜や薄膜形成ようの基材などに広く利用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例で用いる略記号の意味は、次のとおりである。
Gly:グリシン
His:ヒスチジン
HBTU:2−(1−H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(渡辺化学工業(株))
HOBt:1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール((株)ペプチド研究所)
DMF:ジメチルホルムアミド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン(東京化成工業(株))
TFA:トリフルオロ酢酸(渡辺化学工業(株))
TIS:トリイソプロピルシラン(渡辺化学工業(株))
DMSO:ジメチルスルホキシド
WSCD:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
また、「Me」はメチル基、「Et」はエチル基、「tBu」は第三ブチル基、「Ac」はアセチル基、「Trt」はトリチル基(保護基)を夫々表す。
[脂質ペプチドの合成]
脂質ペプチドは、以下に示すFmoc固相ペプチド合成法の手順に従って合成した。樹脂は主にアミノ酸−Barlos Resinを用いた。合成スケールは0.3mmolで行なった。
Figure 2010106981
[合成例1:N−パルミトイル−Gly−His トリフルオロ酢酸(TFA)塩の固相合成]
ペプチド合成装置にH−His(Trt)−Trt(2−Cl)樹脂(渡辺化学工業(株))163mg(0.125mmol、0.77mmol/g)を秤取った反応容器を装着し、Fmoc−Gly−OH(渡辺化学工業(株))149mg(4eq)をFmoc法にて縮合させて、H−Gly−His(Trt)−Trt(2−Cl)樹脂を得た。
得られたペプチド樹脂を湿潤なままで手動反応装置に移し、パルミチン酸(Aldrich社製)160mg(5eq)、HOBt 85mg(5eq)、HBTU 235mg(5eq)、DMF 1ml、NMP 2mlを加えて攪拌し、さらにDIPEA 0.22mlを添加した。1時間攪拌後に少量の樹脂をサンプリングして反応完結を確認した。反応液をろ別後、樹脂をNMP、メタノールで順次洗浄し、減圧下に乾燥してN−パルミトイル−Gly−His(Trt)−Trt(2−Cl)樹脂187mgを得た。
乾燥樹脂の全量をTFA−TIS−水(95:2.5:2.5)1.8mlで処理して、得られた37mgの粗ペプチドをODSカラムを用いる分取HPLC装置にて精製した。目的とする純度の溶出分画液を集めてアセトニトリルを留去し、凍結乾燥を経て、N−パルミトイル−Gly−His(TFA塩)32mgを得た。
1H NMR(300MHz DMSO−d6 δppm):8.93(1H,s),8.22(1H,d,J=8.4Hz),8.05(1H,t,J=6.3Hz),7.35(1H,s),4.54(1H,m),3.65(2H,d=5.7Hz),3.14(1H,m),2.99(1H,m),2.10(2H,t,J=7.5Hz),1.47(2H,m),1.23(24H,s),0.85(3H,t,J=6.6Hz).・MS(EI)m/z:451.4(M++1)
・HPLC精製条件:
カラム:YMC−Pack ODS−A (250×20mm I.D.)
流速:10ml/min
溶出:MeCN/0.1%TFAaq.
=45/55−(80min,liner gradient)−65/35
検出波長:220nm
温度:室温
[合成例2:N−パルミトイル−Gly−His TFA塩の液相合成]
<N−パルミトイル−Gly−OtBuの合成>
Gly−tBu・HCl(8.82g、52.6mmol)、塩化パルミトイル(15.2ml、50.1mmol)をクロロホルム200mlに溶解し、氷冷下攪拌した中へトリエチルアミン(14.6ml、105mmol)を10分間で滴下後、徐々に室温に戻して15時間攪拌した。水を加えて分液後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残渣をヘキサンで洗浄し、濾別することで目的化合物を無色固体として17.4g(94%)得た。
・1H−NMR(300MHz DMSO−d6 δppm):8.09(1H,t,J=6.3Hz),3.67(2H,d,J=6.3Hz),2.09(2H,t,J=7.8Hz),1.48(2H,m),1.39(9H,s),1.23(24H,brs),0.85(3H,t,J=6.9Hz).
・MS(EI)m/z:314.3(M+−Boc+H)
<N−パルミトイル−Glyの合成>
N−パルミトイル−Gly−OtBu(17.4g、47.1mmol)に、4M HCl/AcOEt(118ml、0.471mmol)を加えて、室温で1時間撹拌した。減圧濃縮後、残渣をヘキサンで洗浄し、濾別することで目的化合物を無色粉末として11.4g(77%)にて得た。
1H−NMR(300MHz DMSO−d6 δppm):12.43(1H,brs),8.07(1H,t,J=6.0Hz),3.70(2H,d,J=5.7Hz),2.09(2H,t,J=7.8Hz),1.47(2H,m),1.23(24H,brs),0.85(3H,t,J=6.9Hz).
<N−パルミトイル−Gly−His(Trt)−OtBuの合成>
N−パルミトイル−Gly(10.0g、31.9mmol)に、His(Trt)−OtBu(15.0g、33.1mmol)、HOBt・H2O(5.13g、33.5mmol)を加えて、氷冷下攪拌し、さらにWSCD・HCl(6.42g、33.5mmol)を加えて、氷冷下で30分間、さらに室温で18時間攪拌した。水(500ml)、酢酸エチル(400ml)を加えて分液し、水層を酢酸エチル(200ml)で抽出した。有機層を合わせて、飽和重曹水、飽和食塩水、10%クエン酸水溶液、飽和食塩水で順次洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、目的化合物を淡黄色油状物質として28.1g(118%)にて得た。
1H−NMR(300MHz DMSO−d6 δppm):7.77(1H,d,J=7.8Hz),7.35−7.29(10H,m),7.13−7.07(6H,m),6.64−6.58(2H,m),4.67(1H,m),3.98(2H,m),2.98(2H,m),2.22(2H,m),1.61(2H,m),1.34(9H,s),1.25(24H,brs),0.87(3H,t,J=6.6Hz).
<N−パルミトイル−Gly−His TFA塩の合成>
N−パルミトイル−Gly−His(Trt)−OtBu(23.0g、30.8mmol)を氷冷下、TFA(206ml)−TIS(10.8ml)−H2O(10.8ml)混合物を加えて、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、ジイソプロピルエーテル、次いで、ジエチルエーテル洗浄後、メンブランフィルターで濾取した。これを、TFA(35ml)−ジエチルエーテル(800ml)で再沈殿し、減圧下に乾燥し、目的化合物を16.2g(93%)で得た。
1H−NMR(300MHz DMSO−d6 δppm):8.96(1H,s),8.21(1H,d,J=8.4Hz),8.04(1H,t,J=6.0Hz),7.36(1H,s,),4.57−4.50(1H,m),3.65(2H,d=6,3Hz),3.14(1H,m),2.99(1H,m),2.10(2H,t,J=7.5Hz),1.47(2H,m),1.23(24H,s),0.85(3H,t,J=6.6Hz).
・MS(EI)m/z:451.4(M++1)
[合成例3:N−パルミトイル−Gly−His TFA塩の無保護合成法]
Figure 2010106981
<N−パルミトイルオキシ−コハク酸イミドの合成>
塩化パルミトイル(165ml、0.544mol)のクロロホルム1L溶液に、氷冷攪拌下、N−ヒドロキシコハク酸イミド(69.8g、0.598mol)を少量ずつ加えた後、トリエチルアミン(83.1ml、0.598mol)を30分間で滴下後、30分間氷冷下で攪拌し、徐々に室温に戻して7時間攪拌した。水(500ml×3)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して、無色固体260.3g(quant)を得た。
1H−NMR(300MHz DMSO−d6 δppm):2.80(4H,s),2.65(2H,t,J=7.2Hz),1.61(2H,quintet,J=7.2Hz)
,1.24(24H,s),0.85(3H,t,J=6.3Hz).
<N−パルミトイル−Glyの合成>
上記で合成したN−パルミトイルオキシ−コハク酸イミドを全量(260.3g)をDMF 750mlに懸濁させ、氷冷攪拌下、水250mlにGly(56.3g、0.750mol)とトリエチルアミン(83.2ml、0.598mol)を溶解させたものを滴下し、更に30分間氷冷下攪拌後、徐々に室温に戻して15時間攪拌した。6N塩酸100mlを水1Lに溶解して調製したpH3の水溶液を氷冷下で攪拌し、その中へ、先のN−パルミトイルオキシ−コハク酸イミドを含む反応溶液を滴下することで析出させた固体を濾取した。これを、水2L、次いで、ヘキサン1Lで洗浄した後回収し、目的化合物114g(67%)を得た。
1H−NMR(300MHz DMSO−d6 δppm):8.10(1H,t,J=6Hz), 3.71(2H,d,J=6Hz), 2.10(2H,t,J=7.2Hz),1.48(2H,m),1.23(24H,s),0.85(3H,t,J=6.3Hz).
<N−パルミトイルオキシ−グリシルオキシコハク酸イミドの合成>
上記で合成したN−パルトイル−Gly 114g(0.364mol)、N−ヒドロキシコハク酸イミド(44.0g、0.382mol)をDMF 620mlに懸濁させて氷冷下攪拌し、その中へWSCDの塩酸塩(73.2g、0.382mol)を加えて、氷冷下で30分間、さらに室温で20時間攪拌した。氷水1.5Lを加えて不溶物を濾取し、5Lの水にて洗浄し、さらに1.5Lのエーテルにて洗浄後、得られた固形物を減圧下乾燥し、無色固体198gを定量的に得た。
1H−NMR(300MHz DMSO−d6 δppm):8.46(1H,t,J=5.7Hz),4.22(2H,d,J=5.7Hz),2.89(4H,s),2.13(2H,t,J=7.2Hz),1.49(2H,m),1.23(24H,s),0.85(3H,t,J=6.3Hz).
<N−パルミトイル−Gly−HisTFA塩の合成>
上記で合成したN−パルミトイルオキシ−グリシルオキシコハク酸イミド全量198gをDMFに懸濁させ、氷冷攪拌下、水350mlにL−ヒスチジン113g(0.728mol)とトリエチルアミン55.6ml(0.400mol)を懸濁させたものを加えた。その後、氷冷下で30分間攪拌後、室温に昇温させて更に17時間攪拌した。析出している固体をそのまま濾取し固体を得た。これをトリフルオロ酢酸120mlと氷水1.5Lを混合させた溶液に加え攪拌後、不溶物を濾取して、得られた固体をジョッキにあけて、水2Lでの洗浄を三回行い、その後減圧下で乾燥させた。得られた乾燥固体をトリフルオロ酢酸400mlに溶かし、メンブランフィルターで少量の不溶物を濾去後、濾液を約半量まで減圧濃縮後、ジエチルエーテルで洗浄し、固体を減圧下で乾燥させた。この固体を、適当回数水洗浄して、得られた固体を減圧下で乾燥して、無色固体を112g(54%)で得た。
[合成例4:N−パルミトイル−Gly−His(フリー体)の合成]
実施例3の合成中間体であるN−パルミトイルオキシ−グリシルオキシコハク酸イミド 2.0g(4.86mmol)にDMF 175mLを加え、氷浴にて冷却を行った。その後、水 45mL、トリエチルアミン 0.74mL(5.46mmol、1.1eq)、H−L−His−OH 1.50g(9.72mmol,2.0eq)を加え、30分間反応を行った。その後室温まで自然昇温させ、室温で23.5時間反応を行った。
反応終了後、反応溶液(ゲル状)を遠心分離(4℃、10,000rpm、15分間)し、凍結乾燥を行った(7時間×2)。上澄を取り除いたゲル状の生成物をメタノール 350mLに溶解し、不溶物をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、(A)液とした。
一方で、遠心分離後の上澄(DMF/水層)を冷蔵庫で15時間冷却し、遠心分離(4℃、10,000rpm、25分間)後、上澄を取り除いて凍結乾燥を行った(7時間×3)。その後メタノール 250mLに溶解し、不溶物をろ過し、(B)液とした。
(A)液に(B)液を加え、減圧濃縮し、クロロホルム 150mL、水 150mLで洗浄し、白色固体698.3mg(32%)を得た。
1H−NMR(300MHz DMSO−d6 δppm):8.12(1H,d,J=7.8Hz),8.06(1H,t,J=5.7Hz),7.56(1H,s),6.81(1H,s),4.38(1H,q,J=7.8Hz),3.69(2H,dd,J=5.7Hz and J=10.2Hz),2.89(2H,m),2.20(2H,t,J=6.9Hz),1.48(2H,m),1.23(24H,s),0.85(3H,t,J=7.2Hz)
・MS(EI)m/z:451.43(M++1,bp)
[合成例5:N−パルミトイル−Gly−His TFA塩の中和によるフリー体合成]
N−パルミトイル−Gly−Hisのトリフルオロ酢酸塩500mgをサンプル瓶に量り取り、その中へmilli−Q水を10ml入れた後、0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液 17.7mlを入れて混合した。これを90℃の湯浴につけ、軽く振とうさせながら完全に溶解させ、放冷後、凍結乾燥させて得た固体を水で適当回数洗浄後、減圧下で乾燥を行い、中和体399gを定量的に得た。
[実施例1:1%(w/v) リン酸緩衝液(1)]
前記合成例2で得たN−パルミトイル−Gly−His TFA塩(250.1mg)をスクリュー管((株)マルエム、No.7)に入れ、1%(w/v)(wは質量(g)、vは体積(mL)を意味する。)の濃度になるようにリン酸緩衝液(和光純薬工業(株)製 phosphate buffer powder、1/15mol/L、pH=7.4、組成:Na2HPO4 7.6g,KH2PO4 1.8g/L)を添加し、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で加熱(100℃、10分間)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管(スプレーバイアル)を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[実施例2]
実施例1で得られたゲルを、10分間、マイクロチューブミキサー((株)日伸理化製)にて2,600rpmで振動させ、ゾルを得た(ゲルを機械的に崩壊させてゾルにした。)。
[実施例3:0.5%(w/v) 超純水(1)]
前記合成例2で得たN−パルミトイル−Gly−His TFA塩(232.3mg)をスクリュー管((株)マルエム、No.7)に入れ、0.5%(w/v)の濃度になるように超純水(栗田工業(株)製)を添加し、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で加熱(100℃、10分間)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[実施例4]
実施例3で得られたゲルを、10分間、マイクロチューブミキサー((株)日伸理化製)にて2,600rpmで振動させ、ゾルを得た(ゲルを機械的に崩壊させてゾルにした。)。
[実施例5:3%(w/v) エタノール水溶液(70%(v/v))]
前記合成例2で得たN−パルミトイル−Gly−His TFA塩(300.0mg)を、スプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に入れ、3%(w/v)濃度になるように、70%(v/v)エタノール(EtOH)水溶液を加えて1時間ソニケーション((株)井内盛栄堂(現・アズワン(株))製 38kHz、200w)した後、1晩室温静置した。
溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[実施例6]
実施例5で得られたゲルを、10分間、マイクロチューブミキサー((株)日伸理化製)にて2,600rpmで振動させゾルを得た。(ゲルを機械的に崩壊させてゾルにした。)
[実施例7:0.1%(w/v) グリセリン水溶液(70%(w/w))]
前記合成例4で得たN−パルミトイル−Gly−Hisフリー体(10.0mg)をスクリュー管((株)マルエム、No.7)に入れ、0.1%(w/v)濃度になるように70%(w/w)グリセリン水溶液を添加し、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で加熱(95℃、30分間)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[実施例8:0.1%(w/v) グリセリン水溶液(50%(w/w))]
前記合成例4で得たN−パルミトイル−Gly−Hisフリー体(20.0mg)をスクリュー管((株)マルエム、No.7)に入れ、0.1%(w/v)濃度になるように50%(w/w)グリセリン水溶液を添加し、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で加熱(95℃、30分間)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[実施例9:0.25%(w/v) プロピレングリコール水溶液(70%(w/w))]
前記合成例4で得たN−パルミトイル−Gly−Hisフリー体(19.9mg)をスクリュー管((株)マルエム、No.7)に入れ、0.25%(w/v)濃度になるように70%(w/w)プロピレングリコール水溶液を添加し、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で加熱(75℃、10分間)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[実施例10:2%(w/v) 1,3−ブタンジオール水溶液(70%(w/w))]
前記合成例4で得たN−パルミトイル−Gly−Hisフリー体(15.0mg)をスクリュー管((株)マルエム、No.7)に入れ、2%(w/v)濃度になるように70%(w/w)1,3−ブタンジオール水溶液を添加し、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で加熱(95℃、30分間)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[実施例11:0.5%(w/v) エタノール水溶液(50%(w/w))]
前記合成例4で得たN−パルミトイル−Gly−Hisフリー体(50.2mg)をスクリュー管((株)マルエム、No.7)に入れ、0.5%(w/v)濃度になるように50%(w/w)エタノール水溶液を添加し、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で加熱(100℃、3分間)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[実施例12:2%(w/v) エタノール水溶液(50%(w/w))]
前記合成例4で得たN−パルミトイル−Gly−Hisフリー体(200mg)をスクリュー管((株)マルエム、No.7)に入れ、2%(w/v)濃度になるように50%(w/w)エタノール水溶液を添加し、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で加熱(100℃、3分間)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[実施例13:1%(w/v) 超純水(2)]
前記合成例4で得たN−パルミトイル−Gly−Hisフリー体(50.0mg)をスクリュー管((株)マルエム、No.7)に入れ、1%(w/v)濃度になるように超純水(栗田工業(株)製)を添加し、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で加熱(110℃、10分間)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[実施例14:2%(w/v) 超純水(3)]
前記合成例4で得たN−パルミトイル−Gly−Hisフリー体(100mg)をスクリュー管((株)マルエム、No.7)に入れ、2%(w/v)濃度になるように超純水(栗田工業(株)製)を添加し、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で加熱(110℃、10分間)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[実施例15:1%(w/v) リン酸緩衝液(2)]
前記合成例4で得たN−パルミトイル−Gly−Hisフリー体(50.4mg)をスクリュー管((株)マルエム、No.7)に入れ、1%(w/v)の濃度になるようにリン酸緩衝液(和光純薬工業(株)製 phosphate buffer powder、1/15mol/L、pH=7.4、組成:Na2HPO4 7.6g,KH2PO4 1.8g/L)を添加し、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で加熱(100℃、5分間)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[実施例16:0.25%(w/v) プロピレングリコール水溶液(65%(w/w))(乳酸・乳酸カリウム添加)]
前記合成例4で得たN−パルミトイル−Gly−Hisフリー体(25mg)をスクリュー管((株)マルエム、No.7)に入れ、0.25%(w/v)濃度になるように65%(w/w)プロピレングリコール水溶液を入れ、さらに溶解液全体に対して5%(w/w)濃度となるように乳酸カリウム:乳酸(95:5(重量比))を添加し、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で75℃、10分間加熱し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[実施例17:0.2%(w/v) プロピレングリコール水溶液(65%(w/w))(乳酸・乳酸カリウム添加)]
前記合成例4で得たN−パルミトイル−Gly−Hisフリー体(80mg)をスクリュー管((株)マルエム、No.7)に入れ、0.2%(w/v)濃度になるように65%(w/w)プロピレングリコール水溶液を入れ、さらに溶解液全体に対して5%(w/w)濃度となるように乳酸カリウム:乳酸(95:5(重量比))を添加し、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で93℃、5分間加熱し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、室温まで放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[実施例18:0.3%(w/w) N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−His TFA塩(超純水)]
国際公開第2009/005151号パンフレットに記載の方法を参考に、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−His TFA塩を合成した。
得られたN−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−His TFA塩(81.6mg)をスクリュー管((株)マルエムNo.7)に入れ、0.3%(w/v)の濃度になるように超純水(栗田工業(株)製)を添加し、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(100℃、10分間)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、室温まで冷却した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[実施例19:0.3%(w/w) N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−His TFA塩(リン酸緩衝液)]
前述の国際公開第2009/005151号パンフレットに記載の方法を参考に合成した、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−His TFA塩(81.6mg)をスクリュー管((株)マルエムNo.7)に入れ、0.3%(w/v)の濃度になるようにリン酸緩衝液(和光純薬工業(株)製 phosphate buffer powder、1/15mol/L、pH=7.4、組成:Na2HPO4 7.6g,KH2PO4
1.8g/L)を添加し、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で、加熱(100℃、10分間)し、得られた溶解液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、室温まで冷却した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[比較例1:1.5%(w/v) セルロースゲル]
透明セルロースゲルであるセロディーヌ4M(セルロースゲル4wt%、第一工業製薬(株)製)100gに166gの日本局方水を加えて1.5%(w/v)のセルロース水分散体とし、これを攪拌装置T.K.Mixing Analyzer MA2500(プライミクス(株))を用いて、5,000rpm、240分間攪拌し、室温静置した。
溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認し、これによりゲル化したと判定した。
[比較例2:2%(w/v) カルボキシビニルポリマー]
カルボキシビニルポリマーであるカーボポール940((株)アイ・ティー・オー製)0.252gに、2%(w/v)の濃度になるように日本局方水を加えた後、溶解するまで水浴中で加温し、室温静置してゲル化させ、ゲル化を確認した。
[比較例3:0.15%(w/v) カルボキシビニルポリマー]
カルボキシビニルポリマーであるカーボポール940((株)アイ・ティー・オー製)0.252gに、2%(w/v)濃度になるように日本局方水を加えた後、溶解するまで水浴中で加温し、6N NaOH 15μlを加え、室温静置してゲル化させ、ゲル化を確認した。
[比較例4:1.5%(w/v) キサンタンガム]
キサンタンガム(東京化成工業(株)製)0.725gに、1.5%(w/v)濃度になるように日本局方水を加えた後、溶解するまで水浴中で加温し、室温静置してゲル化させ、ゲル化を確認した。
[比較例5:1%(w/v) カンテン]
カンテン((株)朝日製)1.0gに、1%(w/v)濃度になるように日本局方水を加えた後、溶解するまで水浴中で加温し、室温静置してゲル化させ、ゲル化を確認した。
[比較例6:70%(w/w) グリセリン]
グリセリン(純正化学(株)製)3.0gに、70%(w/w)濃度になるように超純水(栗田工業(株)製)を加え、混和した。
[スプレー塗布性の評価(1):実施例20〜27、比較例7〜11]
上記実施例1〜6並びに実施例18及び19、比較例1〜5で得られたゲル又はゾルを用いてスプレー塗布を行った。
上記ゲル又はゾルを入れたスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)を、該スプレーバイアルのノズル先端から5cmの距離に置いたガラス板(5cm×5cm)の中心に向けて、連続3回スプレーをした(図1)。30秒観察後、ガラス上のスプレー物の長径、短径及び液垂れの長さを計測し、長径+短径から平均直径を算出してスプレー塗布性の指標とした。結果を表1に示す。
Figure 2010106981
表1に示すように、スプレー試験において、70%エタノール水を用いて形成した3%(w/v)濃度のN−パルミトイル−Gly−His(TFA塩)のゲル又はゾル(実施例24、実施例25)、リン酸緩衝液を用いて形成した1%(w/v)濃度のN−パルミトイル−Gly−His(TFA塩)のゲル又はゾル(実施例20、実施例21)、及び、超純水を用いて形成した0.5%(w/v)濃度のN−パルミトイル−Gly−His(TFA塩)のゲル又はゾル(実施例22、実施例23)は、ゲルの状態においても、ゾル化させた状態においても、液垂れなくスプレー化が可能であった。また、超純水(実施例26)及びリン酸緩衝液(実施例27)を用いて形成したN−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−His・TFA塩のゲルもゲルの状態でスプレーが可能であった。
またスプレー物の平均直径は、セルロースゲルを用いた比較例7より同等又はそれ以上の広がりが認められ、同等以上の効果であった。
一方、2%(w/v)濃度のカルボキシビニルポリマーを含有するゲル及び0.15%(w/v)濃度のカルボキシビニルポリマー(中和体)を含有するゲルを用いたスプレー物(比較例8及び比較例9)は、液垂れは認めらないものの、スプレー噴射が棒状となり、スプレー物の広がりが小さいものであった。
さらに1.5%(w/v)濃度のキサンタンガムを含有するゲルを用いたスプレー物(比較例10)は、スプレー噴射が棒状のためスプレー物の広がりが小さく、液垂れも認められ、1%(w/v)濃度のカンテンを有するゲル(比較例11)は、スプレー噴射が不可能であった。
[スプレー塗布性の評価(2):実施例28〜38、比較例12〜14]
上記実施例7〜17及び比較例1、3及び6にて得られたゲル又は溶液を用いてスプレー塗布を行った。
上記ゲル又は溶液を入れたスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)を、該スプレーバイアルのノズル先端から3.5cmの距離に置いたガラス板(5cm×5cm)の中心に向けて、連続2回スプレーをした(図1)。30秒観察後、ガラス上のスプレー物の長径、短径及び液垂れの長さを計測し、長径+短径から平均直径を算出してスプレー塗布性の指標とした。結果を表2に示す。
Figure 2010106981
表2に示すように、スプレー試験において、グリセリン水溶液、プロピレングリコール水溶液、1,3−ブタンジオール水溶液、エタノール水溶液、超純水、リン酸緩衝液を用いて形成したN−パルミトイル−Gly−His(フリー体)のゲル(実施例28〜実施例36)は、液垂れなく広がりのあるスプレー化が可能であった。またプロピレングリコール水溶液に乳酸カリウム及び乳酸を混入したN−パルミトイル−Gly−His(フリー体)のゲル(実施例37及び38)も、同様に液垂れなく広がりのあるスプレー化が可能であった。
またこれらスプレー物の平均直径は、セルロースゲルを用いた比較例12と同じような広がりが認められ、ほぼ同等の効果であった。
他方、グリセリンを用いて作成した水溶液(比較例13)、並びに、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Hisを用いたゲル(比較例14)は液垂れが認められた。
[実施例39:インドメタシン包接ゲル]
前記合成例3で得られたN−パルミトイル−Gly−His TFA塩(300mg)にインドメタシン液[インドメタシン(東京化成工業(株)製)0.375g、l−メントール(純正化学(株)製)1.5g、50%塩化ベンザルコニウム(純正化学(株)製)0.005ml、プロピレングリコール(純正化学(株)製)5ml、エタノール 40ml]8mlをメノウ製乳鉢上で徐々に添加して懸濁後、水(日本薬局方水(共栄製薬(株)製))を2ml加えて十分に混合して、3%(w/v)N−パルミトイル−Gly−His TFA塩含有液を作成した。この溶液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、1晩室温静置してゲル化させた。なおゲル化の判定は、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認することで行った。
[実施例40:インドメタシン包接ゲル]
前記合成例3で得られたN−パルミトイル−Gly−His TFA塩(300mg)にインドメタシン液[インドメタシン(東京化成工業(株)製)0.375g、l−メントール(純正化学(株)製)1.5g、50%塩化ベンザルコニウム(純正化学(株)製)0.005ml、プロピレングリコール(純正化学(株)製)5ml、エタノール 40ml]7mlをメノウ製乳鉢上で徐々に添加して懸濁後、水(日本薬局方水(共栄製薬(株)製))を3ml加えて十分に混合して、3%(w/v)N−パルミトイル−Gly−His TFA塩含有液を作成した。この溶液をスプレーバイアル((株)マルエム、No.3L)に移し、1晩室温静置してゲル化させた。なおゲル化の判定は、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を確認することで行った。
[比較例15]
セロディーヌ4M(セルロースゲル4wt%、第一工業製薬(株)製)3gに、上述インドメタシン液7ml又は同量の水(日本薬局方水(共栄製薬(株)製))を加えて、90分間攪拌を行った。攪拌は、IKA ULTR TURRAX攪拌装置及びST20攪拌チューブを用いて、4,000rpmで行い、加熱は、ドライ・バス・インキュベーター(First Gene社製)で行った。
セロディーヌ4Mは、インドメタシン液との混合により、ゲル化は認められなかった。
[スプレー塗布性の評価:実施例41及び実施例42]
上記実施例39及び実施例40で得られたゲルを用いてスプレー塗布を行った。
上記ゲルを入れたスプレーバイアル((株)マルエム、3L)を、該スプレーバイオアルのノズル先端から5cmの距離に置いたガラス板(5cm×5cm)の中心に向けて、連続3回スプレーをした(図1)。30秒観察後、ガラス上のスプレー物の長径、短径及び液垂れの長さを計測し、長径+短径から平均直径を算出してスプレー塗布性の指標とした。結果を表3に示す。
Figure 2010106981
表3に示すように、インドメタシンを包接させた3%(w/v)濃度のパルミトイル−Gly−His(フリー体)のゲル(実施例35、36)は、液垂れなくスプレー化が可能であった。
特開2001−89359号公報 特開2001−72999号公報 特開2000−351726号公報 特開2000−229255号公報 特開平9−241115号公報 特開2000−51682号公報 国際公開第2009/005151号パンフレット 国際公開第2009/005152号パンフレット
松本真治,濱地格,ドージンニュース No.118,1−16(2006) Lara A.Estroff and Andrew D. Hamilton Chemical Review.2004,104,1201-1217. Suzuki, Masahiro. Yumoto, Mariko. Mutsumi, Shirai. Hirofusa,Hanabusa, Kenji. Chemistry Letters, 33(11), 1496-1497. Jong Hwa Jung, Georeg John, Mitsutosish Mausda, Kaname Yoshida, Seiji Shinnkai, and Toshimi Shimizu Langumir 2001, 17, 7229-7232 I. Hamachi, S. Kiyonaka, S. Shinkai, Tetrahedron Lett., 2001, 42, 6141. I. Hamachi, S. Kiyonaka, S, Shinaki, Chem. Commun., 2000, 1281. Masahiro Suzuki, Sanae Owa, Hirofusa Shirai and Kenji Hanabusa, Tetrahedron 2007 63 7302-7308. Yoko Matsuzawa、Katsuyuki Ueki, Masaru Yoshida, Nobuyuki Tamaoki, Tohru Nakamura, Hideki Sakai, and Masahiko Abe,Adv. Funct. Mater.2007,17, 1507-1514

Claims (23)

  1. 媒体中の低分子ゲル化剤によりゲル化された水性媒体を含み、該低分子ゲル化剤は自己集合化を介して水性媒体をゲル化させる能力を有する低分子化合物の群から選択される1種又は2種以上の化合物からなる、スプレー用基材。
  2. 前記低分子化合物の分子量が1000以下であることを特徴とする、請求項1に記載のスプレー用基材。
  3. 前記ゲル化された水性媒体中の前記低分子化合物の濃度が0.0001〜20%(w/v)であることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載のスプレー用基材。
  4. 前記低分子化合物は、疎水性部位と親水性部位を有することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のスプレー用基材。
  5. 前記低分子化合物が、式(1)
    Figure 2010106981
    (式中、R1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、
    2は水素原子、又は炭素原子数1若しくは2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、
    3は−(CH2n−X基を表し、
    nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環若しくは6員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表す。)
    で表される脂質ペプチド又はその薬学的に使用可能な塩からなることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載のスプレー用基材。
  6. 前記式(1)中、R3が−(CH2n−X基であり、nが1乃至4の数であり、Xがアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至2個有し得る5員環又は5員環と6員環で構成される縮合複素環であることを特徴とする、請求項5に記載のスプレー用基材。
  7. 前記式(1)中、R1が不飽和結合を0乃至2個有し得る炭素原子数11乃至21の直鎖状脂肪族基であることを特徴とする、請求項5に記載のスプレー用基材。
  8. 前記式(1)中、R2が水素原子、又は炭素原子数1の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至3のアルキル基であることを特徴とする、請求項5に記載のスプレー用基材。
  9. 前記式(1)中、nが1乃至4の数であり、かつXがアミノ基、グアニジノ基又は−CONH2基であるか、又はnが1であり、かつXがピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基又はイミダゾール基であることを特徴とする、請求項6に記載のスプレー用基材。
  10. さらに、生理活性物質又は機能性物質を含有することを特徴とする、請求項1乃至請求項9のうちいずれか一項に記載のスプレー用基材。
  11. 自己集合化を介して水性媒体をゲル化させる能力を有する低分子化合物の群から選択される1種又は2種以上の化合物と水性媒体を含む薄膜。
  12. 前記自己集合化の形態が、ファイバー構造であることを特徴とする、請求項11記載の薄膜。
  13. 請求項1乃至請求項10のうちいずれか一項に記載のスプレー用基材をスプレー法により塗布することを特徴とする薄膜の作製方法。
  14. 媒体中の低分子ゲル化剤によりゲル化された水性媒体を機械的に崩壊させることにより得られるゾルであって、該低分子ゲル化剤は自己集合化を介して水性媒体をゲル化させる能力を有する低分子化合物の群から選択される1種又は2種以上の化合物からなるものである、ゾル。
  15. 前記ゾルを含有することを特徴とするスプレー用基材。
  16. 前記ゾルの形成に用いる低分子ゲル化剤を成す低分子化合物が、式(1)
    Figure 2010106981
    (式中、R1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、
    2は水素原子、又は炭素原子数1若しくは2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、
    3は−(CH2n−X基を表し、
    nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環若しくは6員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表す。)
    で表される脂質ペプチド又はその薬学的に使用可能な塩からなることを特徴とする、請求項15に記載のスプレー用基材。
  17. 前記式(1)中、R3が−(CH2n−X基であり、nが1乃至4の数であり、Xがアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至2個有し得る5員環又は5員環と6員環で構成される縮合複素環であることを特徴とする、請求項16に記載のスプレー用基材。
  18. 前記式(1)中、R1が不飽和結合を0乃至2個有し得る炭素原子数11乃至21の直鎖状脂肪族基であることを特徴とする、請求項16に記載のスプレー用基材。
  19. 前記式(1)中、R2が水素原子、又は炭素原子数1の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至3のアルキル基であることを特徴とする、請求項16に記載のスプレー用基材。
  20. 前記式(1)中、nが1乃至4の数であり、かつXがアミノ基、グアニジノ基又は−CONH2基であるか、又はnが1であり、かつXがピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基又はイミダゾール基であることを特徴とする、請求項17に記載のスプレー用基材。
  21. 前記式(1)で表される化合物と水性媒体を含有するゾル。
  22. 請求項21に記載のゾルを含有することを特徴とするスプレー基材
  23. 前記低分子化合物が式(2)
    Figure 2010106981
    (式中、R4は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、
    5乃至R8は水素原子、又は炭素原子数1若しくは2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基、又は−(CH2n−X基を表し、且つR5乃至R8のうち少なくとも一つ以上が−(CH2n−X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環若しくは6員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表す。)
    で表される脂質ペプチド又はその薬学的に使用可能な塩からなることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載のスプレー用基材。
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