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JPWO2017038252A1 - 材料、組成物、硬化性組成物、硬化膜、光学フィルタ、固体撮像素子、赤外線センサ、カメラモジュールおよび材料の製造方法 - Google Patents

材料、組成物、硬化性組成物、硬化膜、光学フィルタ、固体撮像素子、赤外線センサ、カメラモジュールおよび材料の製造方法 Download PDF

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JPWO2017038252A1
JPWO2017038252A1 JP2017537627A JP2017537627A JPWO2017038252A1 JP WO2017038252 A1 JPWO2017038252 A1 JP WO2017038252A1 JP 2017537627 A JP2017537627 A JP 2017537627A JP 2017537627 A JP2017537627 A JP 2017537627A JP WO2017038252 A1 JPWO2017038252 A1 JP WO2017038252A1
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Abstract

組成物中における顔料の分散性に優れた材料を提供する。また、顔料の分散性に優れた組成物、硬化性組成物、硬化膜、光学フィルタ、固体撮像素子、赤外線センサ、カメラモジュールおよび材料の製造方法を提供する。顔料Aと、樹脂への吸着性を持つ構造を有する化合物Bとを含む材料であり、式(I)で表されるX1が、0.99以上である材料。X2は、25℃において、顔料Aの溶解度が0.02質量%以下で、かつ、化合物Bの溶解度が0.2質量%以上の溶剤で、材料を浸漬後の材料中における化合物Bの質量であり、X3は、上記溶剤に浸漬後の材料の固形分の質量である。式(I);X1=(X2/X3)×100

Description

本発明は、顔料と、樹脂への吸着性を持つ構造を有する化合物とを含む材料に関する。また、組成物、硬化性組成物、硬化膜、光学フィルタ、固体撮像素子、赤外線センサ、カメラモジュールおよび材料の製造方法に関する。
近年、デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話等の普及から、電荷結合素子(CCD)イメージセンサなどの固体撮像素子の需要が大きく伸びている。ディスプレイや光学素子のキーデバイスとしてカラーフィルタが使用されている。
また、これら固体撮像素子は、その受光部において近赤外線に感度を有するシリコンフォトダイオードを使用しているために、赤外線カットフィルタを使用して視感度補正を行うことがある。
カラーフィルタや、赤外線カットフィルタは、顔料を含む組成物を用いて製造することがある。
特許文献1には、ジケトピロロピロール顔料(A)、色素誘導体(B)、水溶性無機塩(C)、および水溶性無機塩(C)を実質的に溶解しない水溶性有機溶剤(D)を含む混合物を混練した後、水溶性無機塩(C)と水溶性有機溶剤(D)を除去してカラーフィルタ用顔料を製造することが記載されている。特許文献1では、この顔料を、透明樹脂に分散して得られた着色組成物を用いてカラーフィルタを製造している。
特開2001−220520号公報
顔料は、樹脂や溶剤等に分散させて使用することがあるが、顔料自身の樹脂への吸着性が低いと、組成物中における顔料の分散性が低下する傾向にある。本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載の方法で得られたカラーフィルタ用顔料は、ジケトピロロピロール顔料と色素誘導体とを混合して製造したものであるが、このカラーフィルタ用顔料は、ジケトピロロピロール顔料と色素誘導体との付着性が悪く、ジケトピロロピロール顔料から色素誘導体が剥がれやすいものであることが分かった。更には、特許文献1に記載のカラーフィルタ用顔料は、樹脂との吸着性が低く、組成物中における顔料の分散性が不十分であることが分かった。
よって、本発明の目的は、顔料を含む材料であって、組成物中における顔料の分散性に優れた材料を提供することにある。また、顔料の分散性に優れた組成物、硬化性組成物、硬化膜、光学フィルタ、固体撮像素子、赤外線センサ、カメラモジュールおよび材料の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、樹脂への吸着性を持つ構造を有する化合物の存在下で、顔料の原料化合物を反応させて顔料を合成したところ、顔料Aと、樹脂への吸着性を持つ構造を有する化合物Bとが強固に吸着した材料が得られることを見出した。顔料Aに化合物Bが強固に付着した材料が得られる詳細なメカニズムは不明であるが、上記化合物Bの存在下で、顔料Aの原料化合物を反応させて顔料Aを合成することで、顔料Aの粒子の内部に、化合物Bが取り込まれるため、顔料Aに化合物Bが物理的に強固に付着した材料が得られたと推定する。そして、この方法で製造された材料についてさらに検討したところ、後述する式(I)で表されるX1が、0.99以上である材料は、組成物中における顔料Aの分散性が良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、以下を提供する。
<1> 顔料Aと、樹脂への吸着性を持つ構造を有する化合物Bとを含む材料であり、
下記式(I)で表されるX1が、0.99以上である材料;
1=(X2/X3)×100 ・・・(I)
2は、25℃において、顔料Aの溶解度が0.02質量%以下であり、かつ、化合物Bの溶解度が0.2質量%以上である溶剤に、材料を浸漬した後の、材料中における化合物Bの質量であり、X3は、上記溶剤に浸漬した後の材料の固形分の質量である。
<2> 顔料Aが、近赤外領域に吸収を有する、<1>に記載の材料。
<3> 顔料Aの極大吸収波長が700〜1200nmの範囲に有する、<1>または<2>に記載の材料。
<4> 顔料Aが、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、ペリレン化合物、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、ジチオール金属錯体化合物、ナフトキノン化合物、イミニウム化合物、アゾ化合物およびスクアリリウム化合物から選ばれる1種以上である、<1>〜<3>のいずれかに記載の材料。
<5> 顔料Aがピロロピロール化合物である、<1>〜<4>のいずれかに記載の材料。
<6> ピロロピロール化合物が下記式(1)で表される化合物である、<5>に記載の材料;

式中、R1aおよびR1bは、各々独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R2およびR3は、各々独立に水素原子または置換基を表し、R2およびR3は、互いに結合して環を形成してもよく、R4は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−BR4A4B、または金属原子を表し、R4は、R1a、R1bおよびR3から選ばれる少なくとも一つと、共有結合もしくは配位結合していてもよく、R4AおよびR4Bは、各々独立に、置換基を表す。
<7> 化合物Bが、色素構造を有する、<1>〜<6>のいずれかに記載の材料。
<8> 色素構造が、ピロロピロール色素構造、ジケトピロロピロール色素構造、キナクリドン色素構造、アントラキノン色素構造、ジアントラキノン色素構造、ベンゾイソインドール色素構造、チアジンインジゴ色素構造、アゾ色素構造、キノフタロン色素構造、フタロシアニン色素構造、ナフタロシアニン色素構造、ジオキサジン色素構造、ペリレン色素構造、ペリノン色素構造、ベンゾイミダゾロン色素構造、ベンゾチアゾール色素構造、ベンゾイミダゾール色素構造およびベンゾオキサゾール色素構造から選ばれる少なくとも1種である、<7>に記載の材料。
<9> 化合物Bは、酸性基、塩基性基、水素結合性基、双極子相互作用性基およびπ−π相互作用性基から選ばれる少なくとも1種を有する、<1>〜<8>のいずれかに記載の材料。
<10> <1>〜<9>のいずれかに記載の材料を含む組成物。
<11> 更に、有機溶剤、樹脂および色素誘導体から選ばれる1種以上を含む、<10>に記載の組成物。
<12> <10>または<11>に記載の組成物と、硬化性化合物とを含む硬化性組成物。
<13> <12>に記載の硬化性組成物を用いてなる硬化膜。
<14> <13>に記載の硬化膜を有する光学フィルタ。
<15> カラーフィルタ、赤外線カットフィルタおよび赤外線透過フィルタから選ばれる少なくとも1種である、<14>に記載の光学フィルタ。
<16> <13>に記載の硬化膜の画素と、
赤、緑、青、マゼンタ、黄、シアン、黒および無色から選ばれる少なくとも1種の画素とを有する、<14>または<15>に記載の光学フィルタ。
<17> <13>に記載の硬化膜を有する、固体撮像素子。
<18> <13>に記載の硬化膜を有する、赤外線センサ。
<19> 固体撮像素子と、<13>に記載の硬化膜とを有する、カメラモジュール。
<20> 顔料Aと、樹脂への吸着性を持つ構造を有する化合物Bとを含む材料の製造方法であって、
顔料Aの合成時に、樹脂への吸着性を持つ構造を有する化合物Bの存在下で、顔料Aの原料化合物を反応させて顔料Aを合成する、材料の製造方法。
本発明によれば、顔料を含む材料であって、組成物中における顔料の分散性に優れた材料を提供することが可能になった。また、顔料の分散性に優れた組成物、硬化性組成物、硬化膜、赤外線カットフィルタ、固体撮像素子、赤外線センサ、カメラモジュールおよび材料の製造方法を提供することが可能になった。
本発明の赤外線センサの一実施形態の構成を示す概略断面図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」および「メタクリレート」の双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アリル」は、「アリル」および「メタリル」の双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」および「メタクリロイル」の双方、または、いずれかを表す。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において、化学式中のMeはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を、Phはフェニル基をそれぞれ示す。
本明細書において、近赤外領域とは、波長領域が700〜2500nmの範囲をいう。また、近赤外線とは、波長領域が700〜2500nmの光(電磁波)をいう。
本明細書において、全固形分とは、組成物の全組成から溶剤を除いた成分の総質量をいう。
本明細書において、固形分とは、25℃における固形分をいう。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ―(GPC)測定によるポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mm(内径)×15.0cm)を、溶離液として10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン)溶液を用いることによって求めることができる。
本明細書において、顔料は、特定の溶剤に対し溶解しにくい不溶性の化合物を意味する。典型的には、組成物中に粒子として分散された状態で存在する化合物を意味する。ここで、溶剤とは、例えば後述する溶剤の欄で例示する溶剤が挙げられる。本発明に用いられる顔料は、例えば、25℃のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−トに対する溶解度が、0.02質量%以下であることが好ましい。
<材料>
本発明の材料は、顔料Aと、樹脂への吸着性を持つ構造を有する化合物Bとを含む材料であり、下記式(I)で表されるX1が、0.99以上である。
1=(X2/X3)×100 ・・・(I)
2は、25℃において、顔料Aの溶解度が0.02質量%以下で、かつ、化合物Bの溶解度が0.2質量%以上の溶剤で、材料を浸漬後の材料中における化合物Bの質量であり、X3は、上記溶剤に浸漬後の材料の固形分の質量である。
本発明の材料は、上述した化合物Bが顔料Aに強固に付着しており、顔料Aの樹脂に対する吸着性が優れる。このため、組成物中における顔料の分散性を良好にできる。
なお、本発明の材料において、顔料Aと、化合物Bとは、別化合物として存在している。ここで、「顔料Aと、化合物Bとは、別化合物として存在している」とは、顔料Aが化合物Bの分子外に存在しており、両者が共有結合で結合していない状態を意味する。すなわち、本発明の材料は、顔料分子の一部に、樹脂への吸着性を有する基を導入してなる化合物(例えば、色素誘導体)とは異なる。
本発明の材料中における顔料Aの含有量は、30〜99質量%が好ましい。下限は、40質量%以上が好ましく、50質量%以上が更に好ましい。上限は、90質量%以下が好ましく、80質量%以下が更に好ましい。
本発明の材料中における化合物Bの含有量は、0.99質量%以上70質量%未満が好ましい。下限は、2.91質量%以上がさらに好ましく、4.76質量%以上が特に好ましい。上限は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下が更に好ましい。化合物Bの含有量が上記範囲であれば、組成物中における顔料の分散性が特に優れる。また、本発明の材料中、化合物Bは、顔料Aの100質量部に対し、1〜150質量部含有することが好ましい。下限は、3質量部以上が好ましく、5質量部以上が更に好ましい。上限は、100質量部以下が好ましく、70質量部以下が更に好ましい。
材料中における化合物Bの含有量は、材料の製造時に排出されたろ液に含まれる化合物Bの量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定する事で、材料中に残留する化合物Bの量を算出して求めることができる。また、赤外分光法(IR)などの方法で定量して算出することもできる。
本発明の材料は、上記式(I)で表されるX1(溶剤浸漬後の材料中における化合物Bの含有率)が、0.99以上であり、3以上が好ましく、5以上が特に好ましい。上限は、例えば70以下とすることができ、60以下とすることもでき、50以下とすることもできる。X1が、0.99以上であれば、化合物Bが顔料Aに強固に付着しており、顔料の樹脂に対する吸着性が優れる。このため、組成物中における顔料の分散性を良好にできる。
1は、例えば、次のようにして測定されたX2及びX3を用いて算出される。
溶剤浸漬後の材料の固形分の質量X3は、溶剤に浸漬後の材料から、材料に付着している溶剤を乾燥などの方法により除去したのち、その質量を測定することにより求めることができる。また、熱分析TGA(示差熱分析)にて、溶剤浸漬後の材料の重量減少率が飽和した時点の質量(重量減少率がほぼ一定となった時点の質量)を測定して求めることもできる。測定装置としては、例えば、熱重量測定装置Q500型((ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)))などが挙げられる。
溶剤浸漬後の材料中における化合物Bの質量であるX2は、材料を溶剤で洗浄後に排出されたろ液に含まれる化合物Bの量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定する事で、材料中に残留する化合物Bの量として算出することができる。また、溶剤浸漬前後の材料を、赤外分光法(IR)などの方法で定量して算出することもできる。
溶剤としては、25℃において、顔料Aの溶解度が0.02質量%以下であり、かつ、化合物Bの溶解度が0.2質量%以上である要件を満たす溶剤であればよく、特に限定はない。例えば、後述する組成物が含有してもよい有機溶剤などが挙げられる。具体例としては、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトンなどが挙げられる。上記浸漬方法としては、試料1gに対して、溶剤を16.6mL添加し、30分間加熱還流した後、濾過処理する方法が挙げられる。
以下、本発明の材料について説明する。
<<顔料A>>
本発明の材料は、顔料Aを含む。顔料Aの種類としては、特に限定はない。可視領域に吸収を有する顔料(以下、有彩色顔料ともいう)であってもよく、近赤外領域に吸収を有する顔料(以下、近赤外線吸収色素ともいう)であってもよい。
有彩色顔料としては、特に限定はなく、可視領域(好ましくは、波長400〜700nmの範囲、より好ましくは400〜650nmの範囲)に吸収を有する化合物が挙げられる。例えば、ジケトピロロピロール化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、アゾ化合物、イソインドリン化合物、キノフタロン化合物、ベンズイミダゾロン化合物、ぺリノン化合物などが挙げられる。有彩色顔料の具体例としては、以下が挙げられる。
カラーインデックス(C.I.)ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等、
C.I.ピグメントオレンジ 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等、
C.I.ピグメントレッド 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279
C.I.ピグメントグリーン 7,10,36,37,58,59
C.I.ピグメントバイオレット 1,19,23,27,32,37,42
C.I.ピグメントブルー 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80
近赤外線吸収色素としては、極大吸収波長を700〜1200nmの範囲に有する化合物が好ましく、極大吸収波長を700〜1000nmの範囲に有する化合物がより好ましい。本発明において、顔料Aは、近赤外線吸収色素であることが好ましい。近赤外線吸収色素は、組成物中における分散性が低下しやすいものが多く、分散性のさらなる改善が望まれており、本発明の効果が特に顕著に得られ易い。
近赤外線吸収色素としては、例えば、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、ペリレン化合物、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、ジチオール金属錯体化合物、ナフトキノン化合物、イミニウム化合物、アゾ化合物およびスクアリリウム化合物などが挙げられ、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物が好ましく、ピロロピロール化合物がより好ましい。ピロロピロール化合物は、ピロロピロールホウ素化合物であることが好ましい。ピロロピロール化合物は、近赤外線吸収性および不可視性に優れるので、近赤外遮蔽性および可視透過性に優れた赤外線カットフィルタ等の硬化膜が得られ易い。また、ピロロピロール化合物は、組成物中における分散性が低い顔料であるが、本発明によれば、組成物中における顔料の分散性を良好にでき、本発明の効果がより顕著に得られ易い。ピロロピロール化合物としては、例えば、特開2009−263614号公報の段落番号0016〜0058に記載の化合物などが挙げられる。フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、イミニウム化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物及びクロコニウム化合物は、特開2010−111750号公報の段落0010〜0081に開示の化合物を使用してもよく、この内容は本明細書に組み込まれる。また、シアニン化合物は、例えば、「機能性色素、大河原信/松岡賢/北尾悌次郎/平嶋恒亮・著、講談社サイエンティフィック」を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
(ピロロピロール化合物(ピロロピロール構造を有する化合物))
本発明において、ピロロピロール化合物は、式(1)で表される化合物であることが好ましい。この化合物は、近赤外線吸収性および不可視性に優れる。

式中、R1aおよびR1bは、各々独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R2およびR3は、各々独立に水素原子または置換基を表し、R2およびR3は、互いに結合して環を形成してもよく、R4は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−BR4A4B、または金属原子を表し、R4は、R1a、R1bおよびR3から選ばれる少なくとも一つと、共有結合もしくは配位結合していてもよく、R4AおよびR4Bは、各々独立に置換基を表す。
式(1)中、R1aおよびR1bは、各々独立に、アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、アリール基またはヘテロアリール基が好ましく、アリール基がより好ましい。
1a、R1bが表すアルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜10が特に好ましい。
1a、R1bが表すアリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜12が特に好ましい。
1a、R1bが表すヘテロアリール基を構成する炭素原子の数は、1〜30が好ましく、1〜12がより好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の種類としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子を挙げることができる。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数としては、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。ヘテロアリール基は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜8の縮合環がより好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がさらに好ましい。
上述したアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基を有していることが好ましい。置換基としては、後述する置換基Tで挙げた基が挙げられる。なかでも、アルコキシ基、ヒドロキシ基が好ましい。アルコキシ基は、分岐アルキル基を有するアルコキシ基であることが好ましい。R1a、R1bで表される基としては、分岐アルキル基を有するアルコキシ基を置換基として有するアリール基、または、ヒドロキシ基を置換基として有するアリール基であることが好ましい。分岐アルキル基の炭素数は、3〜30が好ましく、3〜20がより好ましい。
式(1)中のR1a、R1bは、互いに同一でも異なっていてもよい。
2およびR3は各々独立に水素原子または置換基を表す。R2およびR3は結合して環を形成していてもよい。R2およびR3の少なくとも一方は電子吸引性基が好ましい。R2およびR3は各々独立にシアノ基またはヘテロアリール基を表すことが好ましい。
置換基としては例えば、特開2009−263614号公報の段落番号0020〜0022に記載された置換基が挙げられる。本明細書には、上記内容が組み込まれることとする。
置換基の一例としては、以下の置換基Tが一例として挙げることができる。
(置換基T)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルケニル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキニル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基)、ヘテロアリールオキシ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシ基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアシル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアシルオキシ基)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアシルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基)、ヘテロアリールチオ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基)、ヘテロアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のヘテロアリールスルホニル基)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルフィニル基)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルフィニル基)、ヘテロアリールスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のヘテロアリールスルフィニル基)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のウレイド基)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のリン酸アミド基)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロアリール基(好ましくは炭素数1〜30)。カルボキシ基は、水素原子が解離してもよく、塩の状態であってもよい。また、スルホ基は、水素原子が解離してもよく、塩の状態であってもよい。
これらの基は、さらに置換可能な基である場合、さらに置換基を有してもよい。置換基としては、上述した置換基Tで説明した基が挙げられる。
2およびR3のうち、少なくとも一方は電子吸引性基が好ましい。Hammettのσp値(シグマパラ値)が正の置換基は、電子吸引性基として作用する。
本発明においては、Hammettのσp値が0.2以上の置換基を電子吸引性基として例示することができる。σp値として好ましくは0.25以上であり、より好ましくは0.3以上であり、特に好ましくは0.35以上である。上限は特に制限はないが、好ましくは0.80である。
具体例としては、シアノ基(0.66)、カルボキシ基(−COOH:0.45)、アルコキシカルボニル基(−COOMe:0.45)、アリールオキシカルボニル基(−COOPh:0.44)、カルバモイル基(−CONH2:0.36)、アルキルカルボニル基(−COMe:0.50)、アリールカルボニル基(−COPh:0.43)、アルキルスルホニル基(−SO2Me:0.72)、またはアリールスルホニル基(−SO2Ph:0.68)などが挙げられる。特に好ましくは、シアノ基である。ここで、Meはメチル基を、Phはフェニル基を表す。
ハメットの置換基定数σ値については、例えば、特開2011−68731号公報の段落0017〜0018を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
2およびR3が互いに結合して環を形成する場合は、5〜7員環(好ましくは5または6員環)を形成することが好ましい。形成される環としては通常メロシアニン色素で酸性核として用いられるものが好ましく、その具体例としては、例えば特開2011−68731号公報の段落0019〜0021を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
3はヘテロアリール基が特に好ましい。ヘテロアリール基は、5員環または6員環が好ましい。また、ヘテロアリール基は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜8の縮合環がより好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がさらに好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数は、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が例示される。ヘテロアリール基は、窒素原子を1個以上有することが好ましい。ヘテロアリール基を構成する炭素原子の数は1〜30が好ましく、1〜12がより好ましい。ヘテロアリール基の具体例としては、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、トリアジル基、キノリル基、キノキサリル基、イソキノリル基、インドレニル基、フリル基、チエニル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、ナフトチアゾリル基、ベンズオキサゾリ基、m−カルバゾリル基、アゼピニル基、およびこれらの基のベンゾ縮環基もしくはナフト縮環基などが挙げられる。ヘテロアリール基は置換基を有してもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した置換基Tで説明した基が挙げられる。例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
式(1)中の2つのR2は、互いに同一でも異なってもよく、また、2つのR3は、互いに同一でも異なってもよい。
4が、アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す場合、アルキル基、アリール基およびヘテロアリール基としては、R1a、R1bで説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
4が、−BR4A4Bを表す場合、R4A、R4Bは、各々独立に、置換基を表す。R4AおよびR4Bが表す置換基としては、上述した置換基Tが挙げられ、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、または、ヘテロアリール基が好ましく、アルキル基、アリール基、または、ヘテロアリール基がより好ましく、アリール基が特に好ましい。−BR4A4Bで表される基の具体例としては、ジフルオロホウ素、ジフェニルホウ素、ジブチルホウ素、ジナフチルホウ素、カテコールホウ素が挙げられる。中でもジフェニルホウ素が特に好ましい。
4が金属原子を表す場合、金属原子としては、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、スズ、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、パラジウム、イリジウム、白金が挙げられ、アルミニウム、亜鉛、バナジウム、鉄、銅、パラジウム、イリジウム、白金が特に好ましい。
4は、R1a、R1bおよびR3の少なくとも1種と共有結合もしくは配位結合していてもよく、特にR4がR3と配位結合していることが好ましい。R4は、水素原子または−BR4A4Bで表される基(特にジフェニルホウ素)であることが好ましい。式(1)中の2つのR4は、互いに同じでも異なっていてもよい。
式(1)で表される色素は、下記式(1A)で表される色素であることがより好ましい。

式中、R10は各々独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−BR14A14Bまたは金属原子を表す。R10は、R12と共有結合または配位結合していてもよい。R11およびR12は各々独立に水素原子または置換基を表し、少なくとも一方はシアノ基であり、R11およびR12は結合して環を形成してもよい。R13は各々独立に、水素原子または炭素数3〜30の分岐アルキル基を表す。
10は、上記式(1)で説明したR4と同義であり、好ましい範囲も同様である。水素原子または−BR14A14Bで表される基(特にジフェニルホウ素)であることが好ましく、−BR14A14Bで表される基が特に好ましい。
11およびR12は、上記(1)で説明したR2およびR3と同義であり、好ましい範囲も同様である。R11およびR12のいずれか一方がシアノ基で、他方がヘテロアリール基であることがより好ましい。
14AおよびR14Bは、上記(1)で説明したR4AおよびR4Bと同義であり、好ましい範囲も同様である。
13は、各々独立に、水素原子または炭素数3〜30の分岐アルキル基を表す。分岐アルキル基の炭素数は、3〜20がより好ましい。
式(1)で表される化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。また、例えば特開2011−68731号公報の段落0037〜0052(対応する米国特許出願公開第2011/0070407号明細書の<0070>)を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。以下の構造式において、Meはメチル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。

上記表におけるAr−1〜Ar−4、R−1〜R−7は以下である。以下に示す構造における「*」は結合手である。
(スクアリリウム化合物(スクアリリウム構造を有する化合物))
本発明において、スクアリリウム化合物は、式(11)で表される化合物が好ましい。この化合物は、近赤外線吸収性および不可視性に優れる。

式(11)中、A1およびA2は、それぞれ独立に、アリール基、ヘテロアリール基または下記式(12)で表される基を表す;

式(12)中、Z1は、含窒素複素環を形成する非金属原子団を表し、R2は、アルキル基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、dは、0または1を表し、波線は式(11)との連結手を表す。
式(11)におけるA1およびA2は、それぞれ独立に、アリール基、ヘテロアリール基または式(12)で表される基を表し、式(12)で表される基が好ましい。
1およびA2が表すアリール基の炭素数は、6〜48が好ましく、6〜24がより好ましく、6〜12が特に好ましい。具体例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。なお、アリール基が置換基を有する場合における上記アリール基の炭素数は、置換基の炭素数を除いた数を意味する。
1およびA2が表すヘテロアリール基としては、5員環または6員環が好ましい。また、ヘテロアリール基は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜8の縮合環がより好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がさらに好ましく、単環または縮合数が2または3の縮合環が特に好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が例示され、窒素原子、硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数は、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。具体的には、窒素原子、酸素原子および硫黄原子の少なくとも一つを含有する5員環または6員環等の単環、多環芳香族環から誘導されるヘテロアリール基が挙げられる。
アリール基およびヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述したピロロピロール化合物で説明した置換基Tが挙げられる。
アリール基およびヘテロアリール基が有してもよい置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アシルアミノ基であることが好ましい。
ハロゲン原子は、塩素原子が好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5が更に好ましく、1〜4が最も好ましい。アルキル基は、直鎖または分岐が好ましい。
アミノ基は、−NR100101で表される基が好ましい。R100およびR101は、それぞれ独立に、水素原子または、炭素数1〜30のアルキル基を表す。アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜10が更に好ましく、1〜8が特に好ましい。アルキル基は直鎖、分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。
アシルアミノ基は、−NR102−C(=O)−R103で表される基が好ましい。R102は、水素原子またはアルキル基を表し、水素原子が好ましい。R103は、アルキル基を表す。R102およびR103が表すアルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5が更に好ましく、1〜4が特に好ましい。
アリール基およびヘテロアリール基が、置換基を2個以上有する場合、複数の置換基は同一であってもよく、異なっていてもよい。
次に、A1およびA2が表す式(12)で表される基について説明する。
式(12)において、R2は、アルキル基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、
アルキル基が好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜12が更に好ましく、2〜8が特に好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、2〜12が更に好ましい。
アルキル基およびアルケニル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アラルキル基の炭素数は7〜30が好ましく、7〜20がより好ましい。
式(12)において、Z1により形成される含窒素複素環としては、5員環または6員環が好ましい。また、含窒素複素環は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜8の縮合環がより好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がさらに好ましく、縮合数が2または3の縮合環が特に好ましい。含窒素複素環は、窒素原子の他に、硫黄原子を含んでいてもよい。また、含窒素複素環は置換基を有していてもよい。置換基としては、上述した置換基Tで説明した基が挙げられる。例えば、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アシルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基がより好ましい。ハロゲン原子は、塩素原子が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜12が更に好ましい。アルキル基は、直鎖または分岐が好ましい。
式(12)で表される基は、下記式(13)または式(14)で表される基であることが好ましい。

式(13)および(14)中、R11は、アルキル基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、R12は、置換基を表し、mが2以上の場合は、R12同士は、連結して環を形成してもよく、Xは、窒素原子、または、CR1314を表し、R13およびR14は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、mは、0〜4の整数を表し、波線は式(11)との連結手を表す。
式(13)および式(14)におけるR11は、式(12)におけるR2と同義であり、
好ましい範囲も同様である。
式(13)および式(14)におけるR12は、置換基を表す。置換基としては、上述した置換基Tで説明した基が挙げられる。例えば、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アシルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基がより好ましい。ハロゲン原子は塩素原子が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜12が更に好ましい。アルキル基は、直鎖または分岐が好ましい。
mが2以上の場合、R12同士は、連結して環を形成してもよい。環としては、脂肪族環(非芳香性の炭化水素環)、芳香環、複素環などが挙げられる。環は単環であってもよく、複環であってもよい。置換基同士が連結して環を形成する場合の連結基としては、−CO−、−O−、−NH−、2価の脂肪族基、2価の芳香族基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基で連結することができる。例えば、R12同士が連結してベンゼン環を形成していることが好ましい。
式(13)におけるXは、窒素原子、または、CR1314を表し、R13およびR14は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。置換基としては、上述した置換基Tで説明した基が挙げられる。例えば、アルキル基などが挙げられる。アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5が更に好ましく、1〜3が特に好ましく、1が最も好ましい。アルキル基は、直鎖または分岐が好ましく、直鎖が特に好ましい。
mは、0〜4の整数を表し、0〜2が好ましい。
なお、式(11)においてカチオンは、以下のように非局在化して存在している。
スクアリリウム化合物は、下記式(15)で表される化合物が好ましい。

環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、芳香環または複素芳香環を表し、
AおよびXBはそれぞれ独立に置換基を表し、
AおよびGBはそれぞれ独立に置換基を表し、
kAは0〜nA、kBは0〜nBの整数を表し、
AおよびnBはそれぞれ環Aまたは環Bに置換可能な最大の整数を表し、
AとGA、XBとGBは互いに結合して環を形成しても良く、GAおよびGBがそれぞれ複数存在する場合は、互いに結合して環構造を形成していても良い。
AおよびGBはそれぞれ独立に置換基を表す。置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、−OR10、−COR11、−COOR12、−OCOR13、−NR1415、−NHCOR16、−CONR1718、−NHCONR1920、−NHCOOR21、−SR22、−SO223、−SO2OR24、−NHSO225または−SO2NR2627が挙げられる。R10〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはアラルキル基を表す。なお、−COOR12のR12が水素の場合(すなわち、カルボキシ基)は、水素原子が解離してもよく、塩の状態であってもよい。また、−SO2OR24のR24が水素原子の場合(すなわち、スルホ基)は、水素原子が解離してもよく、塩の状態であってもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜8が更に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜8が特に好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アルキニル基の炭素数は、2〜40が好ましく、2〜30がより好ましく、2〜25が特に好ましい。アルキニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜12が更に好ましい。
アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。アラルキル基の炭素数は、7〜40が好ましく、7〜30がより好ましく、7〜25が更に好ましい。
ヘテロアリール基は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜8の縮合環がより好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がさらに好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基は、5員環または6員環が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成する炭素原子の数は3〜30が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12がさらに好ましい。ヘテロアリール基の例には、ピリジン環、ピペリジン環、フラン環、フルフラン環、チオフェン環、ピロール環、キノリン環、モルホリン環、インドール環、イミダゾール環、ピラゾール環、カルバゾール環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、インドリン環、チアゾール環、ピラジン環、チアジアジン環、ベンゾキノリン環およびチアジアゾール環が挙げられる。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基およびヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した置換基T群で説明した基が挙げられる。
AおよびXBはそれぞれ独立に置換基を表す。置換基は、活性水素を有する基が好ましく、−OH、−SH、−COOH、−SO3H、−NRX1X2、−NHCORX1、−CONRX1X2、−NHCONRX1X2、−NHCOORX1、−NHSO2X1、−B(OH)2および−PO(OH)2がより好ましく、−OH、−SHおよび−NRX1X2が更に好ましい。
X1およびRX2は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。置換基としてはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、または、ヘテロアリール基が挙げられる。アルキル基が好ましい。アルキル基は直鎖または分岐が好ましい。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、および、ヘテロアリール基の詳細については、GAおよびGBで説明した範囲と同義である。
環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、芳香環または複素芳香環を表す。芳香環および複素芳香環は、単環であってもよく、縮合環であってもよい。芳香環および複素芳香環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インデセン環、ペリレン環、ペンタセン環、アセナフテン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、および、フェナジン環が挙げられ、ベンゼン環またはナフタレン環が好ましい。
芳香環は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、GAおよびGBで説明した置換基が挙げられる。
AとGA、XBとGBは互いに結合して環を形成しても良く、GAおよびGBがそれぞれ複数存在する場合は、互いに結合して環を形成していても良い。環としては、5員環または6員環が好ましい。環は単環であってもよく、複環であってもよい。
AとGA、XBとGB、GA同士またはGB同士が結合して環を形成する場合、これらが直接結合して環を形成してもよく、アルキレン基、−CO−、−O−、−NH−、−BR−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基を介して結合して環を形成してもよい。XAとGA、XBとGB、GA同士またはGB同士が、−BR−を介して結合して環を形成することが好ましい。
Rは、水素原子または置換基を表す。置換基としては、GAおよびGBで説明した置換基が挙げられる。アルキル基またはアリール基が好ましい。
kAは0〜nAの整数を表し、kBは0〜nBの整数を表し、nAは、環Aに置換可能な最大の整数を表し、nBは、環Bに置換可能な最大の整数を表す。kAおよびkBは、それぞれ独立に0〜4が好ましく、0〜2がより好ましく、0〜1が特に好ましい。
式(11)で表される化合物の具体例としては、下記に記載の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

(シアニン化合物(シアニン構造を有する化合物))
本発明において、シアニン化合物は、式(A)で表される化合物が好ましい。この化合物は、近赤外線吸収性および不可視性に優れる。
式(A)

式(A)中、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、縮環してもよい5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子団であり、R1およびR2は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、L1は、奇数個のメチン基を有するメチン鎖を表し、aおよびbは、それぞれ独立に、0または1であり、
式中のCyで表される部位がカチオン部である場合、X1はアニオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、式中のCyで表される部位がアニオン部である場合、X1はカチオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、式中のCyで表される部位の電荷が分子内で中和されている場合、cは0である。
式(A)において、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、縮環してもよい5員又は6員の含窒素複素環を形成する非金属原子団を表す。
含窒素複素環には、他の複素環、芳香環または脂肪族環が縮合してもよい。含窒素複素環は、5員環が好ましい。5員の含窒素複素環にベンゼン環又はナフタレン環が縮合しているのがさらに好ましい。含窒素複素環の具体例としては、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、オキサゾロカルバゾール環、オキサゾロジベンゾフラン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、キノリン環、ピリジン環、ピロロピリジン環、フロピロール環、インドリジン環、イミダゾキノキサリン環、キノキサリン環等が挙げられ、キノリン環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環が好ましく、インドレニン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環が特に好ましい。
含窒素複素環及びそれに縮合している環は、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述した式(15)のGAおよびGBで説明した置換基が挙げられる。具体的には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、−OR10、−COR11、−COOR12、−OCOR13、−NR1415、−NHCOR16、−CONR1718、−NHCONR1920、−NHCOOR21、−SR22、−SO223、−SO2OR24、−NHSO225または−SO2NR2627が挙げられる。R10〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはアラルキル基を表す。なお、−COOR12のR12が水素の場合(すなわち、カルボキシ基)は、水素原子が解離してもよく、塩の状態であってもよい。また、−SO2OR24のR24が水素原子の場合(すなわち、スルホ基)は、水素原子が解離してもよく、塩の状態であってもよい。これらの詳細については、上述した範囲と同義である。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基およびヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した置換基T群で説明した基が挙げられ、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、アミノ基等が好ましく、カルボキシ基およびスルホ基がより好ましく、スルホ基が特に好ましい。カルボキシ基およびスルホ基は、水素原子が解離していてもよく、塩の状態であってもよい。
式(A)において、R1およびR2は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。
アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜8が更に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜8が特に好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アルキニル基の炭素数は、2〜40が好ましく、2〜30がより好ましく、2〜25が特に好ましい。アルキニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜12が更に好ましい。
アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。アラルキル基の炭素数は、7〜40が好ましく、7〜30がより好ましく、7〜25が更に好ましい。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基およびアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、アミノ基等が挙げられ、カルボキシ基およびスルホ基が好ましく、スルホ基が特に好ましい。カルボキシ基およびスルホ基は、水素原子が解離していてもよく、塩の状態であってもよい。
式(A)において、L1は、奇数個のメチン基を有するメチン鎖を表す。L1は、3個、5個または7個のメチン基を有するメチン鎖が好ましく、5個または7個のメチン基を有するメチン鎖がより好ましい。
メチン基は置換基を有していてもよい。置換基を有するメチン基は、中央の(メソ位の)メチン基であることが好ましい。置換基の具体例としては、Z1およびZ2の含窒素複素環が有してもよい置換基、および、式(a)で表される基が挙げられる。また、メチン鎖の二つの置換基が結合して5または6員環を形成しても良い。

式(a)中、*は、メチン鎖との連結部を表し、A1は、酸素原子または硫黄原子を表す。
aおよびbは、それぞれ独立に、0または1である。aが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが二重結合で結合し、bが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが単結合で結合する。aおよびbはともに0であることが好ましい。なお、aおよびbがともに0の場合は、式(A)は以下のように表される。
式(A)において、式中のCyで表される部位がカチオン部である場合、X1はアニオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表す。アニオンの例としては、ハライドイオン(Cl-、Br-、I-)、パラトルエンスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン、PF6 -、BF4 -またはClO4 -、トリス(ハロゲノアルキルスルホニル)メチドアニオン(例えば、(CF3SO23-)、ジ(ハロゲノアルキルスルホニル)イミドアニオン(例えば(CF3SO22-)、テトラシアノボレートアニオンなどが挙げられる。
式(A)において、式中のCyで表される部位がアニオン部である場合、X1はカチオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表す。カチオンとしては、アルカリ金属イオン(Li+、Na+、K+など)、アルカリ土類金属イオン(Mg2+、Ca2+
Ba2+、Sr2+など)、遷移金属イオン(Ag+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+など)、その他の金属イオン(Al3+など)、アンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、トリブチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、グアニジニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、ジアザビシクロウンデセニウムなどが挙げられる。カチオンとしては、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、Zn2+、ジアザビシクロウンデセニウムが好ましい。
式(A)において、式中のCyで表される部位の電荷が分子内で中和されている場合、X1は存在しない。すなわち、cは0である。
式(A)で表される化合物は、下記(A−1)または(A−2)で表される化合物であることも好ましく、下記(A−2)で表される化合物がより好ましい。

式中、R1A、R2A、R1BおよびR2Bは、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、
1AおよびL1Bは、それぞれ独立に奇数個のメチンを有するメチン鎖を表し、
1およびY2は、各々独立に−S−、−O−、−NRX1−または−CRX2X3−を表し、
X1、RX2およびRX3は、各々独立に水素原子またはアルキル基を表し、
1A、V2A、V1BおよびV2Bは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−OR10、−COR11、−COOR12、−OCOR13、−NR1415、−NHCOR16、−CONR1718、−NHCONR1920、−NHCOOR21、−SR22、−SO223、−SO2OR24、−NHSO225または−SO2NR2627を表し、V1A、V2A、V1BおよびV2Bは、縮合環を形成していてもよく、
10〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表し、
−COOR12のR12が水素原子の場合および−SO2OR24のR24が水素原子の場合は、水素原子が解離しても、塩の状態であってもよく、
m1およびm2は、それぞれ独立に0〜4を表し、
式中のCyで表される部位がカチオン部である場合、X1はアニオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、
式中のCyで表される部位がアニオン部である場合、X1はカチオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、
式中のCyで表される部位の電荷が分子内で中和されている場合、cは0である。
1A、R2A、R1BおよびR2Bが表す基は、式(A)のR1およびR2で説明したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基およびアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。これらの基は無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、アミノ基等が挙げられ、カルボキシ基およびスルホ基が好ましく、スルホ基が特に好ましい。カルボキシ基およびスルホ基は、水素原子が解離していてもよく、塩の状態であってもよい。
1A、R2A、R1BおよびR2Bがアルキル基を表す場合は、直鎖のアルキル基であることがより好ましい。
1およびY2は、各々独立に−S−、−O−、−NRX1−または−CRX2X3−を表し、−NRX1−が好ましい。
X1、RX2およびRX3は、各々独立に水素原子またはアルキル基を表し、アルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましく、直鎖が特に好ましい。アルキル基は、メチル基またはエチル基が特に好ましい。
1AおよびL1Bは、式(A)のL1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
1A、V2A、V1BおよびV2Bが表す基は、式(A)のZ1およびZ2の含窒素複素環が有してもよい置換基で説明した範囲と同義であり、好ましい範囲も同様である。
m1およびm2は、それぞれ独立に0〜4を表し、0〜2が好ましい。
1が表すアニオンおよびカチオンは、式(A)のX1で説明した範囲と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(A)で表される化合物は、下記(A−11)〜(A−16)で表される化合物が好ましい。
式中、R1aおよびR2aは、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、
1およびX2は、各々独立に−S−、−O−、−NRX1−または−CRX2X3−を表し、
X1、RX2およびRX3は、各々独立に水素原子またはアルキル基を表し、
3a、R4a、V1aおよびV2aは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−OR10、−COR11、−COOR12、−OCOR13、−NR1415、−NHCOR16、−CONR1718、−NHCONR1920、−NHCOOR21、−SR22、−SO223、−SO2OR24、−NHSO225または−SO2NR2627を表し、V1aおよびV2aは、縮合環を形成していてもよく、
10〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表し、−COOR12のR12が水素の場合および−SO2OR24のR24が水素原子の場合は、水素原子が解離しても、塩の状態であってもよく、
m1およびm2は、それぞれ独立に0〜4を表す。
1aおよびR2aが表す基は、式(A−1)のR1およびR2と同義であり、好ましい範囲も同様である。R1aおよびR2aがアルキル基を表す場合は、直鎖のアルキル基であることがより好ましい。
1およびX2は、式(A−1)のX1およびX2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
3aおよびR4aは、式(A)で説明した、L1が有してもよい置換基で説明した範囲と同義であり、好ましい範囲も同様である。
1aおよびV2aが表す基は、式(A)で説明した、含窒素複素環及びそれに縮合している環が有してもよい置換基で説明した範囲と同義であり、好ましい範囲も同様である。
m1およびm2は、それぞれ独立に0〜4を表し、0〜2が好ましい。
(ジケトピロロピロール化合物(ジケトピロロピロール構造を有する化合物))
本発明において、ジケトピロロピロール化合物は、下記式(DP)で表される化合物が挙げられる。
式(DP)

式中、R1およびR2は、各々独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。
1およびR2は、アリール基またはヘテロアリール基が好ましく、アリール基がより好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜10が特に好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜12が特に好ましい。
ヘテロアリール基を構成する炭素原子の数は、1〜30が好ましく、1〜12がより好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の種類としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子を挙げることができる。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数としては、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。ヘテロアリール基は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜8の縮合環がより好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がさらに好ましい。
上述したアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した置換基Tが挙げられる。例えば、ハロゲン原子が好ましい。
式(DP)で表される化合物の具体例としては、例えば以下に示す化合物が挙げられる。
(フタロシアニン化合物(フタロシアニン構造を有する化合物))
本発明において、フタロシアニン化合物は、下記式(PC)で表される化合物が挙げられる。
式(PC)において、X1〜X16は、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、M1は、金属原子又は金属化合物を表す。
1〜X16が表す置換基は、上述した置換基Tが挙げられる。例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、ヘテロアリールアルコキシ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基及びヘテロアリールチオ基が挙げられ、ハロゲン原子が好ましい。
1が表す金属原子としては、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sn、PbおよびPtが挙げられる。金属化合物としては、V=O、Ti=O、AlCl等が挙げられる。M1は、Cu、ZnまたはTi=Oが好ましい。
上記のフタロシアニンのうち、M1がTi=Oで表される化合物(オキソチタニルフタロシアニン)は、近赤外線吸収性に優れている。
また、上記のフタロシアニンのうち、M1がZnまたはCuで、X1〜X16の少なくとも1つがハロゲン原子で表される化合物(ハロゲン亜鉛フタロシアニン、ハロゲン銅フタロシアニン)は、可視領域の分光特性に優れており、緑顔料として好ましく用いることができる。
(ナフタロシアニン化合物(ナフタロシアニン構造を有する化合物))
本発明において、ナフタロシアニン化合物としては、下記式(NPC)で表される化合物が挙げられる。

式(NPC)において、X1〜X24は、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、M1は、金属原子又は金属化合物を表す。
1〜X24が表す置換基は、上述した置換基Tが挙げられる。例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールアルコキシ基、ヘテロアリールアルコキシ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基及びヘテロアリールチオ基が挙げられ、アルコキシ基が好ましい。
式(NPC)で表される化合物の具体例としては、以下に示す化合物が挙げられる。
<<化合物B>>
本発明の材料は、樹脂への吸着性を持つ構造を有する化合物Bを含む。化合物Bは、実質的に分子量分布を有さない化合物であることが好ましい。すなわち、化合物Bは、ポリマー以外の化合物であることが好ましい。この態様によれば、分子量が高分子に比べて小さいため、溶剤中における運動性が高く、系中に均一に存在可能である。そのため、顔料生成の際に効率的に内包される事ができるという効果が期待できる。化合物Bの分子量は、50〜2000が好ましく、100〜1500がより好ましい。
本発明において、化合物Bは、25℃の溶剤に対する溶解度が、0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることがさらに好ましい。溶剤としては、後述する溶剤の欄で例示する溶剤が挙げられ、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトンから選ばれる1種以上が好ましい。
化合物Bが有する樹脂への吸着性を持つ構造としては、酸性基、塩基性基、水素結合性基、双極子相互作用性基、π−π相互作用性基等が挙げられる。酸性基、塩基性基、又は塩構造を有する基としては、後述する色素誘導体で説明する基が挙げられる。本発明において、双極子間相互作用とは、分極した分子が他の双極子と相互作用することであって、水素結合もその一つである。水素結合以外の具体例としては、ニトリル基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基などが挙げられる。本発明において、水素結合とは、電気陰性度が大きな原子に共有結合で結びついた水素原子が、近傍に位置する窒素、酸素、硫黄、フッ素、π電子系などの孤立電子対とつくる非共有結合性の引力的相互作用のことである。本発明における水素結合性基とは上記の水素原子もしくは、孤立電子対の少なくとも一方を有する置換基の事のことであって、アミド基、アルコール基、フェノール基、カルボキシ基などが挙げられる。本発明において、π−π相互作用性とは、有機化合物分子の芳香環の間に働く分散力であり、スタッキング相互作用とも呼ばれる。例えば、芳香族化合物は堅固な平面構造をとり、π電子系により非局在化した電子が豊富に存在する為、とくにロンドン分散力が強く発現する。したがって、π電子が増えるほど互いに引き合う力が強くなる。π−π相互作用性基の例としては、芳香環および複素芳香環が挙げられる。具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インデセン環、ペリレン環、ペンタセン環、アセナフテン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、および、フェナジン環が挙げられ、ベンゼン環またはナフタレン環などが挙げられる。
化合物Bは、色素構造、複素環構造および非環式ヘテロ原子含有基から選択される1種以上を有することが好ましく、色素構造を少なくとも有することがより好ましい。化合物Bがこれらの構造を有することで、顔料Aの粒子中に化合物Bが内包されやすくなり、顔料Aと化合物Bとが強固に付着した材料が得られ易い。
色素構造としては、ピロロピロール色素構造、ジケトピロロピロール色素構造、キナクリドン色素構造、アントラキノン色素構造素、ジアントラキノン色素構造、ベンゾイソインドール色素構造、チアジンインジゴ色素構造、アゾ色素構造、キノフタロン色素構造、フタロシアニン色素構造、ナフタロシアニン色素構造、ジオキサジン色素構造、ペリレン色素構造、ペリノン色素構造、ベンゾイミダゾロン色素構造、ベンゾチアゾール色素構造、ベンゾイミダゾール色素構造およびベンゾオキサゾール色素構造が好ましい一例として挙げられる。
複素環構造としては、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンゾイミダゾロン、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノンが好ましい一例として挙げられる。
非環式ヘテロ原子含有基としては、窒素原子を有する基が挙げられ、ウレア基、イミド基、アミド基、スルホンアミド基が好ましい一例として挙げられる。ウレア基としては、−NR100CONR101102が挙げられる。R100、R101、およびR102は各々独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。アリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましい。R100およびR101は、水素原子が好ましい。R102は、アルキル基またはアリール基が好ましく、アリール基がより好ましい。
本発明において、化合物Bは、色素誘導体であることが好ましい。この態様によれば、顔料Aの粒子中に化合物Bが内包されやすくなり、顔料Aに化合物Bが強固に付着した材料が得られ易い。色素誘導体としては、色素の一部が、酸性基、塩基性基又はフタルイミドメチル基で置換した構造を有する化合物が好ましく、式(B1)で表される色素誘導体が更に好ましい。式(B1)で表される色素誘導体は、色素構造Pが、顔料Aの表面に吸着し易いので、組成物中における顔料Aの分散性を向上できる。また、組成物が樹脂を含む場合においては、色素誘導体の末端部Xが、樹脂の吸着部(極性基など)との相互作用で樹脂に吸着するので、顔料Aの分散性を更に向上できる。

式中、Pは色素構造を表し、Lは単結合または連結基を表し、Xは酸性基、塩基性基、塩構造を有する基またはフタルイミド基を表し、mは1以上の整数を表し、nは1以上の整数を表し、mが2以上の場合は複数のLおよびXは互いに異なっていてもよく、nが2以上の場合は複数のXは互いに異なってもよい。
式(B1)中、Pは、色素構造を表し、ピロロピロール色素構造、ジケトピロロピロール色素構造、キナクリドン色素構造、アントラキノン色素構造、ジアントラキノン色素構造、ベンゾイソインドール色素構造、チアジンインジゴ色素構造、アゾ色素構造、キノフタロン色素構造、フタロシアニン色素構造、ナフタロシアニン色素構造、ジオキサジン色素構造、ペリレン色素構造、ペリノン色素構造、ベンゾイミダゾロン色素構造、ベンゾチアゾール色素構造、ベンゾイミダゾール色素構造およびベンゾオキサゾール色素構造から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ピロロピロール色素構造、ジケトピロロピロール色素構造、キナクリドン色素構造およびベンゾイミダゾロン色素構造から選ばれる少なくとも1種が更に好ましく、ピロロピロール色素構造が特に好ましい。色素誘導体が、これらの色素構造を有することで、顔料Aの分散性をより向上できる。
式(B1)中、Lは単結合または連結基を表す。
連結基としては、1〜100個の炭素原子、0〜10個の窒素原子、0〜50個の酸素原子、1〜200個の水素原子、および0〜20個の硫黄原子から成り立つ基が好ましく、無置換でも置換基を更に有していてもよい。置換基としては、上述した置換基Tが挙げられ、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基またはハロゲン原子が好ましい。
連結基は、アルキレン基、アリーレン基、含窒素複素環基、−NR’−、−SO2−、−S−、−O−、−CO−もしくはこれらの組み合わせからなる基が好ましく、アルキレン基、含窒素複素環基、−NR’−、−SO2−、もしくはこれらの組み合わせからなる基がより好ましい。R’は、水素原子、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜30)またはアリール基(好ましくは、炭素数6〜30)を表す。
アルキレン基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10がさらに好ましい。アルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。また、環状のアルキレン基は、単環、多環のいずれであってもよい。
アリーレン基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましく、フェニレン基が特に好ましい。
含窒素複素環基は、5員環または6員環が好ましい。また、含窒素複素環基は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜8の縮合環がより好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がさらに好ましい。含窒素複素環基を構成する窒素原子の数は、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。含窒素複素環基は、窒素原子以外のヘテロ原子を含んでいてもよい。窒素原子以外のヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子が例示される。窒素原子以外のヘテロ原子の数は0〜3が好ましく、0〜1がより好ましい。
含窒素複素環基としては、ピペラジン環基、ピロリジン環基、ピロール環基、ピペリジン環基、ピリジン環基、イミダゾール環基、ピラゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、ピラジン環基、モルホリン環基、チアジン環基、インドール環基、イソインドール環基、ベンゾイミダゾール環基、プリン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、キノキサリン環基、シンノリン環基、カルバゾール環基および式(L−1)〜(L−7)で表される基が挙げられる。

式中の*は、P、LまたはXとの連結手を表す。Rは水素原子または置換基を表す。置換基としては、上述した置換基Tが挙げられる。
連結基の具体例としては、アルキレン基、アリーレン基、−SO2−、上記(L−1)
で表される基、上記(L−5)で表される基、−O−とアルキレン基との組み合わせからなる基、−NR’−とアルキレン基との組み合わせからなる基、−NR’−と−CO−との組み合わせからなる基(−NR’−CO−、−NR’−CO−NR’−など)、−NR’−と−CO−とアルキレン基との組み合わせからなる基、−NR’−と−CO−とアルキレン基とアリーレン基の組み合わせからなる基、−NR’−と−CO−とアリーレン基との組み合わせからなる基、−NR’−と−SO2−とアルキレン基との組み合わせからなる基、−NR’−と−SO2−とアルキレン基とアリーレン基との組み合わせからなる基、上記(L−1)で表される基とアルキレン基との組み合わせからなる基、上記(L−1)で表される基とアリーレン基との組み合わせからなる基、上記(L−1)で表される基と−SO2−とアルキレン基との組み合わせからなる基、上記(L−1)で表される基と−S−とアルキレン基との組み合わせからなる基、上記(L−1)で表される基と−O−とアリーレン基との組み合わせからなる基、上記(L−1)で表される基と−NR’−と−CO−とアリーレン基との組み合わせからなる基、上記(L−3)で表される基とアリーレン基との組み合わせからなる基などが挙げられる。
式(B1)中、Xは、酸性基、塩基性基、塩構造を有する基またはフタルイミド基を表す。
酸性基としては、カルボキシ基、スルホ基等が挙げられる。
塩基性基としては、式(X−3)〜(X−9)で表される基が挙げられる。
塩構造を有する基としては、上述した酸性基の塩、塩基性基の塩、式(X−1)で表される基、(X−2)で表される基が挙げられる。塩を構成する原子または原子団としては、金属原子、テトラブチルアンモニウムなどが挙げられる。金属原子としては、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子がより好ましい。アルカリ金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属原子としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。
フタルイミド基は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述した酸性基、塩基性基、塩構造を有する基等が挙げられる。また、上述した置換基Tであってもよい。置換基Tは、さらに他の置換基で置換されていてもよい。他の置換基としては、カルボキシ基、スルホ基等が挙げられる。
Xは、カルボキシ基、スルホ基、フタルイミド基、および、下記式(X−1)〜(X−9)で表される基から選ばれる少なくとも一種が好ましい。

式(X−1)〜(X−9)中、*は、式(B1)のLとの連結手を表し、R100〜R106は、各々独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、R100とR101は互いに連結して環を形成していてもよく、Mはアニオンと塩を構成する原子または原子団を表す。
アルキル基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれであってもよい。直鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜8がさらに好ましい。分岐状のアルキル基の炭素数は、3〜20が好ましく、3〜12がより好ましく、3〜8がさらに好ましい。環状のアルキル基は、単環、多環のいずれであってもよい。環状のアルキル基の炭素数は、3〜20が好ましく、4〜10がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜4がさらに好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
100とR101は互いに連結して環を形成していてもよい。環は、脂肪族環であってもよく、芳香族環であってもよい。環は単環であってもよく、複環であってもよい。R100とR101が結合して環を形成する場合の連結基としては、−CO−、−O−、−NH−、2価の脂肪族基、2価の芳香族基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基で連結することができる。具体例としては、例えば、ピペラジン環、ピロリジン環、ピロール環、ピペリジン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラジン環、モルホリン環、チアジン環、インドール環、イソインドール環、ベンゾイミダゾール環、プリン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、シンノリン環、カルバゾール環などが挙げられる。
Mはアニオンと塩を構成する原子または原子団を表す。これらは、上述したものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
式(B1)において、mは1以上の整数を表す。mの上限は、色素構造Pが取りうる置換基の数を表す。例えば、10以下が好ましく、5以下がより好ましい。mが2以上の場合は複数のLおよびXは互いに異なっていてもよい。
nは1以上の整数を表し、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。nが2以上の場合は複数のXは互いに異なってもよい。
式(B1)で表される色素誘導体の具体例としては、以下の(B−1)〜(B−62)が挙げられる。なお、以下の式において、m、m1、m2、および、m3は、それぞれ独立に1以上の整数を表す。







上記表におけるAr−5、Ar−6、R−1〜R−7、R−a〜R−lは以下である。以下に示す構造における「*」は結合手である。
本発明において、色素誘導体としては、特開昭56−118462号公報、特開昭63−264674号公報、特開平1−217077号公報、特開平3−9961号公報、特開平3−26767号公報、特開平3−153780号公報、特開平3−45662号公報、特開平4−285669号公報、特開平6−145546号公報、特開平6−212088号公報、特開平6−240158号公報、特開平10−30063号公報、特開平10−195326号公報、国際公開WO2011/024896号パンフレットの段落番号0086〜0098、国際公開WO2012/102399号パンフレットの段落番号0063〜0094等に記載のものをいずれも好ましく用いることが出来、この内容は本明細書に組み込まれる。
<本発明の材料の製造方法>
次に、本発明の材料の製造方法について説明する。本発明の材料の製造方法は、顔料Aと、樹脂への吸着性を持つ構造を有する化合物Bとを含む材料の製造方法であって、顔料Aの合成時に、樹脂への吸着性を持つ構造を有する化合物Bの存在下で、顔料Aの原料化合物を反応させて顔料Aを合成する。このように顔料Aを合成することで、化合物Bが顔料Aに強固に付着した材料が得られる。この材料は、溶剤などで洗浄しても、化合物Bが顔料Aに強固に付着している。
本発明の製造方法により、顔料Aに化合物Bが強固に付着した材料が得られる詳細なメカニズムは不明であるが、上記化合物Bの存在下で、顔料Aの原料化合物を反応させて顔料Aを合成することで、顔料Aの粒子の内部に、化合物Bが取り込まれるため、顔料Aに化合物Bが強固に付着した材料が得られたと推定する。なお、顔料Aと化合物Bとを、単に混合した場合は、顔料Aへの化合物Bの吸着性が低く、両者を混合した材料を化合物Bに対する溶解性を有する溶剤などで洗浄すると、顔料Aの表面から化合物Bが剥がれて顔料Aの表面に化合物Bが残存し難い。したがって、本発明の製造方法で得られた材料は、従来の方法で製造した材料とは異なる特性を有する。
本発明の製造方法により得られる材料は、顔料Aの含有量が、30〜99質量%が好ましい。下限は、40質量%以上が好ましく、50質量%以上が更に好ましい。上限は、90質量%以下が好ましく、80質量%以下が更に好ましい。
また、化合物Bの含有量が、0.99質量%以上70質量%未満が好ましい。下限は、2.91質量%以上がさらに好ましく、4.76質量%以上が特に好ましい。上限は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下が更に好ましい。
また、下記式(I)で表されるX1が、0.99以上であることが好ましく、3以上がより好ましく、5以上が特に好ましい。上限は、例えば70以下とすることができ、60以下とすることもでき、50以下とすることもできる。
1=(X2/X3)×100 ・・・(I)
2は、25℃において、顔料Aの溶解度が0.02質量%以下で、かつ、化合物Bの溶解度が0.2質量%以上の溶剤で、材料を浸漬後の材料中における化合物Bの質量であり、X3は、上記溶剤に浸漬後の材料の固形分の質量である。
上記溶剤、および、浸漬方法は、上述した本発明の材料で説明した内容と同義である。
<組成物>
次に、本発明の組成物について説明する。本発明の組成物は、上述した本発明の材料を含む。本発明の組成物中における上記材料の含有量は、全固形分中に1〜80質量%が好ましく、下限は、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。上限は、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
<<有彩色着色剤>>
本発明の組成物は、上述した本発明の材料の他に、さらに、有彩色着色剤を含んでもよい。なお、本発明において、有彩色着色剤とは、白色着色剤および黒色着色剤以外の着色剤を意味する。有彩色着色剤は、波長400〜650nmの範囲に極大吸収波長を有する着色剤が好ましい。
有彩色着色剤は、顔料であってもよく、染料であってもよい。顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を挙げることができる。有機顔料としては、上述した本発明の材料で説明した有彩色顔料が挙げられる。染料としては、例えば特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許4808501号明細書、米国特許5667920号明細書、米国特許505950号明細書、米国特許5667920号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に開示されている色素を使用できる。化学構造として区分すると、ピラゾールアゾ化合物、ピロメテン化合物、アニリノアゾ化合物、トリフェニルメタン化合物、アントラキノン化合物、ベンジリデン化合物、オキソノール化合物、ピラゾロトリアゾールアゾ化合物、ピリドンアゾ化合物、シアニン化合物、フェノチアジン化合物、ピロロピラゾールアゾメチン化合物等を使用できる。また、染料としては色素多量体を用いてもよい。色素多量体としては、特開2011−213925号公報、特開2013−041097号公報に記載されている化合物が挙げられる。
本発明の組成物が、有彩色着色剤を含有する場合、有彩色着色剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分中0.01〜70質量%とすることが好ましい。下限は、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。上限は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
有彩色着色剤の含有量は、本発明の材料と、下記に示す赤外線吸収剤との合計100質量部に対し、10〜1000質量部が好ましく、50〜800質量部がより好ましい。
また、本発明の材料と、赤外線吸収剤と、有彩色着色剤との合計量は、本発明の組成物の全固形分中1〜70質量%とすることが好ましい。下限は、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。上限は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
また、本発明の組成物は、有彩色着色剤を実質的に含有しない態様とすることもできる、有彩色着色剤を実質的に含有しないとは、有彩色着色剤の含有量が、本発明の組成物の全固形分中、0.005質量%以下が好ましく、0.001質量%以下が更に好ましく、有彩色着色剤を含有しないことが一層好ましい。
<<赤外線吸収剤>>
本発明の組成物は、上述した本発明の材料の他に、さらに、赤外線吸収剤を含んでもよい。赤外線吸収剤は、近赤外領域(好ましくは、波長700〜1200nm)に吸収を有する化合物を意味する。赤外線吸収剤の極大吸収波長は、700〜1000nmの範囲内にあることが更に好ましく、800〜1000nmの範囲内に有することが特に好ましい。赤外線吸収剤は、顔料であってもよく、染料であってもよい。赤外線吸収剤としては、例えば、ピロロピロール化合物、銅化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、イミニウム化合物、チオール錯体化合物、遷移金属酸化物化合物、スクアリリウム化合物、ナフタロシアニン化合物、クアテリレン化合物、ジチオール金属錯体化合物、クロコニウム化合物、オキソール化合物等が挙げられる。
本発明の組成物が、赤外線吸収剤を含有する場合、赤外線吸収剤の含有量は、本発明の組成物の材料100質量部に対し、0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜30質量部がより好ましく、1.0〜15質量部が更に好ましい。
また、赤外線吸収剤を実質的に含有しない組成とすることもできる。なお、赤外線吸収剤を実質的に含有しないとは、例えば、材料100質量部に対し、赤外線吸収剤の含有量が0.1質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以下がより好ましく、0.01質量部以下が更に好ましく、含有しないことが一層好ましい。
<<可視光を遮光する色材>>
本発明の組成物は、可視光を遮光する色材を含有することもできる。この組成物は、例えば、赤外線透過フィルタの形成用の組成物として好ましく用いることができる。なお、本発明において、赤外線透過フィルタとは、可視領域の波長の光を遮光し、赤外領域の波長の光(赤外線)を透過するフィルタを意味する。
可視光を遮光する色材は、複数の色材の組み合わせにより、黒色、灰色、またはそれらに近い色を呈することが好ましい。また、可視光を遮光する色材は、紫色から赤色の波長域の光を吸収する材料であることが好ましい。また、可視光を遮光する色材は、波長450〜650nmの波長域の光を遮光する色材であることが好ましい。
本発明において、可視光を遮光する色材は、以下の(1)および(2)の少なくとも一方の要件を満たすことが好ましく、(1)の要件を満たしていることが更に好ましい。
(1):2種類以上の有彩色着色剤を含む態様。
(2):有機系黒色着色剤を含む態様。
なお、本発明において、可視光を遮光する色材としての有機系黒色着色剤は、可視光線を吸収するが、赤外線の少なくとも一部は透過する材料を意味する。したがって、本発明において、可視光を遮光する色材としての有機系黒色着色剤は、可視光線および赤外線の両方を吸収する黒色着色剤、例えば、カーボンブラックやチタンブラックは含まない。
有彩色着色剤としては、上述したものが挙げられる。
有機系黒色着色剤としては、例えば、ビスベンゾフラノン化合物、アゾメチン化合物、ペリレン化合物、アゾ化合物などが挙げられ、ビスベンゾフラノン化合物、ペリレン化合物が好ましい。
ビスベンゾフラノン化合物としては、特表2010−534726号公報、特表2012−515233号公報、特表2012−515234号公報などに記載のものが挙げられ、例えば、BASF社製の「Irgaphor Black」として入手可能である。
ペリレン化合物としては、C.I.Pigment Black 31、32などが挙げられる。
アゾメチン化合物としては、特開平1−170601号公報、特開平2−34664号公報などに記載のものが挙げられ、例えば、大日精化社製の「クロモファインブラックA1103」として入手できる。
本発明において、可視光を遮光する色材は、例えば、波長450〜650nmの範囲における吸光度の最小値Aと、波長900〜1300nmの範囲における吸光度の最小値Bとの比であるA/Bが4.5以上であることが好ましい。上記の特性は、1種類の素材で満たしていてもよく、複数の素材の組み合わせで満たしていてもよい。例えば、上記(1)の態様の場合、複数の有彩色着色剤を組み合わせて上記分光特性を満たしていることが好ましい。
可視光を遮光する色材として2種以上の有彩色着色剤を含む場合、有彩色着色剤は、赤色着色剤、緑色着色剤、青色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤およびオレンジ色着色剤から選ばれる着色剤であることが好ましい。有彩色着色剤を2種以上の有彩色着色剤の組み合わせで可視光を遮光する色材を形成する場合の、有彩色着色剤の組み合わせとしては、例えば以下が挙げられる。
(1)黄色着色剤、青色着色剤、紫色着色剤および赤色着色剤を含有する態様。
(2)黄色着色剤、青色着色剤および赤色着色剤を含有する態様
(3)黄色着色剤、紫色着色剤および赤色着色剤を含有する態様
(4)黄色着色剤および紫色着色剤を含有する態様
(5)緑色着色剤、青色着色剤、紫色着色剤および赤色着色剤を含有する態様
(6)紫色着色剤およびオレンジ色着色剤を含有する態様
(7)緑色着色剤、紫色着色剤および赤色着色剤を含有する態様
(8)緑色着色剤および赤色着色剤を含有する態様
本発明の組成物が、可視光を遮光する色材を含有する場合、可視光を遮光する色材の含有量は、本発明の組成物の全固形分中0.01〜70質量%とすることが好ましい。下限は、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。上限は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。可視光を遮光する色材の含有量は、本発明の材料と、赤外線吸収剤との合計100質量部に対し、10〜1000質量部が好ましく、50〜800質量部がより好ましい。また、本発明の材料と、赤外線吸収剤と、可視光を遮光する色材との合計量は、本発明の組成物の全固形分中1〜70質量%とすることが好ましい。下限は、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。上限は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
<<色素誘導体>>
本発明の組成物は、更に色素誘導体を含むことが好ましい。色素誘導体を含むことで、組成物中において顔料の分散性を高めて、顔料の凝集を効率よく抑制できる。色素誘導体としては、上述した本発明の材料の化合物Bで説明した色素誘導体が挙げられる。
本発明の組成物が色素誘導体を含有する場合、色素誘導体の含有量は、組成物中に含まれる顔料100質量部に対し、1〜50質量部が好ましい。下限値は、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。上限値は、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。色素誘導体の含有量が上記範囲であれば、顔料の分散性を高めて、粒子の凝集を効率よく抑制できる。色素誘導体は1種類のみでも、2種類以上でもよく、2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<有機溶剤>>
本発明の組成物は、更に有機溶剤を含むことが好ましい。
有機溶剤は、特に制限はなく、各成分を均一に溶解或いは分散しうるものであれば、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、およびジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホラン等が好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
アルコール類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類の具体例としては、特開2012−194534号公報の段落番号0136等に記載のものが挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
エステル類、ケトン類、エーテル類の具体例としては、特開2012−208494号公報の段落番号0497(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の<0609>)に記載のものが挙げられる。さらに、酢酸−n−アミル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、硫酸メチル、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
有機溶剤としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸ブチル、2−ブタノール、エタノール、乳酸エチルおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル(1−メトキシ−2−プロパノール)から選択される少なくとも1種以上が好ましい。
本発明において、有機溶剤は、金属含有量の少ない有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤の金属含有量は、例えば10ppb以下であることが好ましい。必要に応じてpptレベルの溶剤を用いてもよく、そのような高純度溶剤は例えば東洋合成社が提供している(化学工業日報、2015年11月13日)。
有機溶剤から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、蒸留(分子蒸留や薄膜蒸留等)やフィルタを用いた濾過を挙げることができる。フィルタを用いたろ過におけるフィルタ孔径としては、ポアサイズ10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下が更に好ましい。フィルタの材質としては、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のフィルタが好ましい。
有機溶剤は、異性体(同じ原子数で異なる構造の化合物)が含まれていてもよい。また、異性体は、1種のみが含まれていてもよいし、複数種含まれていてもよい。
有機溶剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分が5〜60質量%となる量が好ましく、10〜40質量%となる量がより好ましい。有機溶剤は1種類のみでも、2種類以上でもよく、2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<樹脂>>
本発明の組成物は、更に樹脂を含むことが好ましい。樹脂は、例えば、顔料や本発明の材料などを組成物中で分散させる分散剤として配合される。
分散剤として働く樹脂は、酸性型の樹脂および/または塩基性型の樹脂が好ましい。
ここで、酸性型の樹脂とは、酸基の量が塩基性基の量よりも多いものを表す。酸性型の樹脂は、樹脂中の酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、酸基の量が70モル%以上を占めるものが好ましく、実質的に酸基のみからなるものがより好ましい。酸性型の樹脂が有する酸基は、カルボキシ基が好ましい。酸性型の樹脂の酸価は、40〜105mgKOH/gが好ましく、50〜105mgKOH/gがより好ましく、60〜105mgKOH/gがさらに好ましい。
また、塩基型の樹脂とは、塩基性基の量が酸基の量よりも多いものを表す。塩基型の樹脂は、樹脂中の酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、塩基性基の量が50モル%以上を占めるものが好ましい。塩基性型の樹脂が有する塩基性基は、アミンが好ましい。
樹脂は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
末端変性型高分子としては、例えば、特開平3−112992号公報、特表2003−533455号公報等に記載の末端にりん酸基を有する高分子、特開2002−273191号公報等に記載の末端にスルホン酸基を有する高分子、特開平9−77994号公報等に記載の有機色素の部分骨格や複素環を有する高分子などが挙げられる。また、特開2007−277514号公報に記載の高分子末端に2個以上の顔料表面へのアンカー部位(酸基、塩基性基、有機色素の部分骨格やヘテロ環等)を導入した高分子も分散安定性に優れ好ましい。
グラフト型高分子としては、例えば、特開昭54−37082号公報、特表平8−507960号公報、特開2009−258668公報等に記載のポリ(低級アルキレンイミン)とポリエステルの反応生成物、特開平9−169821号公報等に記載のポリアリルアミンとポリエステルの反応生成物、特開平10−339949号、特開2004−37986号公報等に記載のマクロモノマーと、窒素原子モノマーとの共重合体、特開2003−238837号公報、特開2008−9426号公報、特開2008−81732号公報等に記載の有機色素の部分骨格や複素環を有するグラフト型高分子、特開2010−106268号公報等に記載のマクロモノマーと酸基含有モノマーの共重合体などが挙げられる。マクロモノマーとしては、例えば、東亞合成(株)製のマクロモノマーAA−6(末端基がメタクリロイル基であるポリメタクリル酸メチル)、AS−6(末端基がメタクリロイル基であるポリスチレン)、AN−6S(末端基がメタクリロイル基であるスチレンとアクリロニトリルの共重合体)、AB−6(末端基がメタクリロイル基であるポリアクリル酸ブチル)、ダイセル化学工業(株)製のプラクセルFM5(メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン5モル当量付加品)、FA10L(アクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン10モル当量付加品)、及び特開平2−272009号公報に記載のポリエステル系マクロモノマー等が挙げられる。
ブロック型高分子としては、特開2003−49110号公報、特開2009−52010号公報等に記載のブロック型高分子が好ましい。
樹脂は、下記式(1)〜式(4)のいずれかで表される構造単位を含むグラフト共重合体を用いることもできる。
1、X2、X3、X4、および、X5はそれぞれ独立に水素原子或いは1価の有機基を表す。水素原子または炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
1、W2、W3、および、W4はそれぞれ独立に酸素原子またはNHを表し、酸素原子が好ましい。
3は、分岐若しくは直鎖のアルキレン基(炭素数は1〜10が好ましく、2又は3であることがより好ましい)を表し、分散安定性の観点から、−CH2−CH(CH3)−で表される基、又は、−CH(CH3)−CH2−で表される基が好ましい。
1、Y2、Y3、および、Y4はそれぞれ独立に2価の連結基を表す。
上記グラフト共重合体については、特開2012−255128号公報の段落番号0025〜0069の記載を参酌でき、本明細書には上記内容が組み込まれることとする。
上記グラフト共重合体の具体例としては、例えば、以下が挙げられる。また、特開2012−255128号公報の段落番号0072〜0094に記載の樹脂を用いることができる。
樹脂は、主鎖および側鎖の少なくとも一方に窒素原子を含むオリゴイミン系樹脂を用いることもできる。オリゴイミン系樹脂としては、pKa14以下の官能基を有する部分構造を含む基Xを有する繰り返し単位と、原子数40〜10,000の側鎖Yを含む側鎖とを有し、かつ主鎖および側鎖の少なくとも一方に塩基性窒素原子を有する樹脂が好ましい。塩基性窒素原子とは、塩基性を呈する窒素原子であれば特に制限はない。
オリゴイミン系樹脂は、例えば、下記式(I−1)で表される繰り返し単位と、式(I−2)で表される繰り返し単位、および/または、式(I−2a)で表される繰り返し単位を含む樹脂などが挙げられる。

1およびR2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基(炭素数1〜6が好ましい)を表す。aは、各々独立に、1〜5の整数を表す。*は繰り返し単位間の連結部を表す。
8およびR9はR1と同義の基である。
Lは単結合、アルキレン基(炭素数1〜6が好ましい)、アルケニレン基(炭素数2〜6が好ましい)、アリーレン基(炭素数6〜24が好ましい)、ヘテロアリーレン基(炭素数1〜6が好ましい)、イミノ基(炭素数0〜6が好ましい)、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、またはこれらの組合せに係る連結基である。なかでも、単結合もしくは−CR56−NR7−(イミノ基がXもしくはYの方になる)であることが好ましい。ここで、R56は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(炭素数1〜6が好ましい)を表す。R7は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。
aはCR8CR9とNとともに環構造形成する構造部位であり、CR8CR9の炭素原子と合わせて炭素数3〜7の非芳香族複素環を形成する構造部位であることが好ましい。さらに好ましくは、CR8CR9の炭素原子およびN(窒素原子)を合わせて5〜7員の非芳香族複素環を形成する構造部位であり、より好ましくは5員の非芳香族複素環を形成する構造部位であり、ピロリジンを形成する構造部位であることが特に好ましい。この構造部位はさらにアルキル基等の置換基を有していてもよい。
XはpKa14以下の官能基を有する部分構造を含む基を表す。
Yは原子数40〜10,000の側鎖を表す。
上記樹脂(オリゴイミン系樹脂)は、さらに式(I−3)、式(I−4)、および、式(I−5)で表される繰り返し単位から選ばれる1種以上を共重合成分として含有していてもよい。上記樹脂が、このような繰り返し単位を含むことで、顔料の分散性能を更に向上させることができる。
1、R2、R8、R9、L、La、aおよび*は式(I−1)、(I−2)、(I−2a)における規定と同義である。
Yaはアニオン基を有する原子数40〜10,000の側鎖を表す。式(I−3)で表される繰り返し単位は、主鎖部に一級又は二級アミノ基を有する樹脂に、アミンと反応して塩を形成する基を有するオリゴマー又はポリマーを添加して反応させることで形成することが可能である。
上述したオリゴイミン系樹脂については、特開2012−255128号公報の段落番号0102〜0166の記載を参酌でき、本明細書には上記内容が組み込まれることとする。オリゴイミン系樹脂の具体例としては、例えば、以下が挙げられる。また、特開2012−255128号公報の段落番号0168〜0174に記載の樹脂を用いることができる。
樹脂は、式(P1)で表される構成単位を含む樹脂を用いることもできる。以下の樹脂を用いることで、顔料の分散性をさらに向上できる。

式(P1)において、R1は水素またはメチル基を表し、R2はアルキレン基を表し、Zは含窒素複素環構造を表す。
2が表すアルキレン基としては、特に限定されないが、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、メチレンオキシカルボニル基、メチレンチオ基等が好適に挙げられ、メチレン基、メチレンオキシ基、メチレンオキシカルボニル基、メチレンチオ基がより好ましい。
Zが表す含窒素複素環構造は、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環、ベンズイミダゾール構造、ベンズトリアゾール構造、ベンズチアゾール構造、環状アミド構造、環状ウレア構造、および環状イミド構造を有するものが挙げられる。これらのうち、Zが表す含窒素複素環構造としては、下記式(P2)または式(P3)で表される構造が好ましい。
式中、Xは単結合、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基など)、−O−、−S−、−NR−、及び、−C(=O)−からなる群より選ばれるいずれかである。なお、ここでRは水素原子またはアルキル基を表し、Rがアルキル基を表す場合のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
これらのうち、Xは単結合、メチレン基、−O−、−C(=O)−が好ましく、−C(=O)−が特に好ましい。
式中、環A、環B、および環Cはそれぞれ独立に芳香環を表す。芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、インデン環、アズレン環、フルオレン環、アントラセン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、イミダゾール環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環等が挙げられ、なかでも、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、フェノキサジン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環が特に好ましい。
式(P1)で表される構造単位の具体例としては、例えば以下が挙げられる。その他、特開2008−009426号公報の段落番号0023の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
式(P1)で表される構造単位を含む樹脂は、上述した式(1)〜式(4)のいずれかで表される構造単位をさらに含んでいてもよい。また、上述した式(I−1)で表される繰り返し単位と、式(I−2)で表される繰り返し単位、および/または、式(I−2a)で表される繰り返し単位をさらに含んでいてもよい。式(P1)で表される構造単位を含む樹脂の具体例としては以下が挙げられる。
樹脂は、市販品としても入手可能であり、そのような具体例としては、BYKChemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110、111(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)」、EFKA社製「EFKA4047、4050〜4165(ポリウレタン系)、EFKA4330〜4340(ブロック共重合体)、4400〜4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、PB822、PB880、PB881」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、日本ルーブリゾール(株)製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカルズ社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」、川研ファインケミカル(株)製「ヒノアクトT−8000E」、信越化学工業(株)製「オルガノシロキサンポリマーKP341」、森下産業(株)製「EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450」、サンノプコ(株)製「ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100」、(株)ADEKA製「アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123」、および三洋化成(株)製「イオネットS−20」等が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、樹脂は、アルカリ可溶性樹脂を使用しても良い。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性を促進する基(以下、酸基ともいう)としては、例えば、カルボキシ基、リン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基などが挙げられるが、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものが好ましく、(メタ)アクリル酸が特に好ましいものとして挙げられる。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。アルカリ可溶性樹脂としては、特開2012−208494号公報の段落0558〜0571(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0685]〜<0700>)の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
アルカリ可溶性樹脂は、下記式(ED)で示される化合物を共重合成分として含む樹脂も好ましい。

式(ED)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有してもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。
1及びR2で表される炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状又は分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも、特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級又は2級の炭化水素基が耐熱性の点で好ましい。
なお、R1及びR2は、同種の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。
式(ED)で表される化合物の例としては、例えば、特開2013−29760号公報の段落0317を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。式(ED)で表される化合物は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
式(ED)で示される化合物を共重合成分として含む樹脂については、特開2012−198408号公報の段落番号0079〜0099の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
アルカリ可溶性樹脂の酸価は、30〜200mgKOH/gが好ましい。下限は、50mgKOH/g以上が好ましく、70mgKOH/g以上がより好ましい。上限は、150mgKOH/g以下が好ましく、120mgKOH/g以下がより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、2,000〜50,000が好ましい。下限は、5,000以上が好ましく、7,000以上がより好ましい。上限は、30,000以下が好ましく、20,000以下がより好ましい。
本発明の組成物における樹脂の含有量は、顔料100質量部に対して、0.1〜100質量部が好ましい。上限は、80質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましい。下限は、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。樹脂の含有量が上記範囲であれば、顔料の分散性が良好である。
<組成物の調製>
本発明の組成物は、上述した各成分を混合することで調製することができる。組成物の調製に際しては、組成物を構成する各成分を一括配合してもよいし、各成分を有機溶剤に溶解・分散した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。
また、本発明の材料などを組成物中で分散させるプロセスを含むことが好ましい。本発明の材料などを組成物中に分散させるプロセスにおいて、本発明の材料などの分散に用いる機械力としては、圧縮、圧搾、衝撃、剪断、キャビテーションなどが挙げられる。これらプロセスの具体例としては、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、高速インペラー、サンドグラインダー、フロージェットミキサー、高圧湿式微粒化、超音波分散などが挙げられる。また「分散技術大全、株式会社情報機構発行、2005年7月15日」や「サスペンション(固/液分散系)を中心とした分散技術と工業的応用の実際 総合資料集、経営開発センター出版部発行、1978年10月10日」に記載のプロセス及び分散機を好適に使用出来る。また、特開2015−157893号公報の段落0022に記載の方法を用いることもできる。また、材料を分散させるプロセスにおいては、ソルトミリング工程による微細化処理を行ってもよい。ソルトミリング工程に用いられる素材、機器、処理条件等は例えば特開2015−194521号公報、特開2012−046629号公報に記載のものを使用することができる。
本発明の組成物は、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、フィルタでろ過することが好ましい。フィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、ナイロン(例えばナイロン−6、ナイロン−6,6)等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む)等によるフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)およびナイロンが好ましい。
フィルタの孔径は、0.01〜7.0μm程度が適しており、好ましくは0.01〜3.0μm程度、さらに好ましくは0.05〜0.5μm程度である。この範囲とすることにより、後工程において均一及び平滑な組成物の調製を阻害する、微細な異物を確実に除去することが可能となる。また、ファイバ状のろ材を用いることも好ましく、ろ材としては例えばポリプロピレンファイバ、ナイロンファイバ、グラスファイバ等が挙げられ、具体的にはロキテクノ社製のSBPタイプシリーズ(SBP008など)、TPRタイプシリーズ(TPR002、TPR005など)、SHPXタイプシリーズ(SHPX003など)のフィルタカートリッジを用いることができる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせてもよい。その際、第1のフィルタでのろ過は、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。
また、上述した範囲内で異なる孔径の第1のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社(DFA4201NXEYなど)、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)又は株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。
<硬化性組成物>
次に、本発明の硬化性組成物について説明する。本発明の硬化性組成物は、上述した組成物と、硬化性化合物とを含む。
本発明の硬化性組成物において、本発明の材料の含有量は、必要に応じて調節することができる。例えば、硬化性組成物の全固形分中0.01〜50質量%が好ましい。下限は、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。上限は、30質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。本発明の硬化性組成物が、本発明の材料を2種以上含む場合、その合計量が上記範囲内であることが好ましい。
<<硬化性化合物>>
本発明の硬化性組成物は、硬化性化合物を含有する。本発明において、硬化性化合物としては、ラジカル、酸、熱により架橋可能な化合物を用いることができる。例えば、ラジカル重合性基、環状エーテル(エポキシ、オキセタン)基、メチロール基等を有する化合物が挙げられる。ラジカル重合性基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基などのエチレン性不飽和結合を有する基が挙げられる。また、本発明において、硬化性化合物は、重合性または非重合性のバインダーポリマー(樹脂)を用いることもできる。
本発明において、硬化性化合物は、重合性化合物が好ましく、光ラジカル重合性化合物がより好ましい。
硬化性化合物の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対し、0.1〜50質量%が好ましい。下限は、例えば0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。上限は、例えば、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。硬化性化合物は、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
(重合性化合物)
本発明において、重合性化合物は、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの多量体などの化学的形態のいずれであってもよい。重合性化合物が光ラジカル重合性化合物の場合は、モノマーが好ましい。
重合性化合物の分子量は、100〜3000が好ましい。上限は、2000以下が好ましく、1500以下が更に好ましい。下限は、150以上が好ましく、250以上が更に好ましい。
重合性化合物は、3〜15官能の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、3〜6官能の(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。これらの具体的な化合物としては、特開2009−288705号公報の段落番号〔0095〕〜〔0108〕、特開2013−29760号公報の段落0227、特開2008−292970号公報の段落番号0254〜0257に記載の化合物を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
重合性化合物は、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD DPHA;日本化薬株式会社製、A−DPH−12E;新中村化学社製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介して結合している構造(例えば、サートマー社から市販されている、SR454、SR499)が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。また、KAYARAD RP−1040、DPCA−20(日本化薬株式会社製)を使用することもできる。
重合性化合物は、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していてもよい。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M−305、M−510、M−520などが挙げられる。
酸基を有する重合性化合物の好ましい酸価としては、0.1〜40mgKOH/gであり、特に好ましくは5〜30mgKOH/gである。重合性化合物の酸価が0.1mgKOH/g以上であれば、現像溶解特性が良好であり、40mgKOH/g以下であれば、製造や取扱い上、有利である。さらには、光重合性が良好で、硬化性に優れる。
重合性化合物は、カプロラクトン構造を有する重合性化合物も好ましい態様である。カプロラクトン構造を有する重合性化合物としては、特開2013−253224号公報の段落0042〜0045の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。カプロラクトン構造を有する重合性化合物は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120等が挙げられる。
重合性化合物は、アルキレンオキシ基を有する重合性化合物を用いることもできる。アルキレンオキシ基を有する重合性化合物は、エチレンオキシ基及び/またはプロピレンオキシ基を有する重合性化合物が好ましく、エチレンオキシ基を有する重合性化合物がより好ましく、エチレンオキシ基を4〜20個有する3〜6官能(メタ)アクリレート化合物がさらに好ましい。アルキレンオキシ基を有する重合性化合物の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ基を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬株式会社製のペンチレンオキシ基を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ基を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
重合性化合物としては、特公昭48−41708号公報、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。また、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、非常に感光スピードに優れた着色硬化性組成物を得ることができる。
市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200(新中村化学社製)、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社化学社製)などが挙げられる。
重合性化合物は、イソシアヌル酸エチレンオキシ変性(メタ)アクリレートも好ましい。市販品としては、アロニックス M−315、M−313(東亞合成(株)製)、NKエステル A−9300(新中村化学工業(株)製)、SR368(サートマー社製)などが挙げられる。
硬化性化合物として、重合性化合物を用いる場合、重合性化合物の含有量は、組成物の全固形分に対し、0.1〜50質量%が好ましい。下限は、例えば0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。上限は、例えば、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。硬化性化合物は、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、重合性化合物の含有量は、硬化性化合物の全質量に対して、10〜100質量%が好ましく、30〜100質量%がより好ましい。
(エポキシ基を有する化合物)
本発明では、硬化性化合物として、エポキシ基を有する化合物を用いることもできる。エポキシ基を有する化合物としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物が好ましい。エポキシ基の数の上限は、例えば、100個以下とすることもでき、10個以下とすることもでき、5個以下とすることもできる。
本発明においてエポキシ基を有する化合物は、芳香族環および/または脂肪族環を有する構造が好ましく、脂肪族環を有する構造が更に好ましい。エポキシ基は、単結合または、連結基を介して、芳香族環および/または脂肪族環に結合していることが好ましい。連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、−O−、−NR’−(R’は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、水素原子が好ましい)で表される構造、−SO2−、−CO−、−O−および−S−から選ばれる少なくとも一つを含む基が挙げられる。
脂肪族環を有する化合物の場合、エポキシ基は、脂肪族環に直接結合(単結合)してなる化合物が好ましい。芳香族環を有する化合物の場合、エポキシ基は、芳香族環に、連結基を介して結合してなる化合物が好ましい。連結基は、アルキレン基、または、アルキレン基と−O−との組み合わせからなる基が好ましい。
また、エポキシ基を有する化合物は、2以上の芳香族環が炭化水素基で連結した構造を有する化合物を用いることもできる。炭化水素基は、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。エポキシ基は、上記連結基を介して連結していることが好ましい。
エポキシ基を有する化合物は、エポキシ当量(=エポキシ基を有する化合物の分子量/エポキシ基の数)が500g/当量以下であることが好ましく、100〜400g/当量であることがより好ましく、100〜300g/当量であることがさらに好ましい。
エポキシ基を有する化合物は、低分子化合物(例えば、分子量1000未満)でもよいし、高分子化合物(macromolecule)(例えば、分子量1000以上、ポリマーの場合は、重量平均分子量が1000以上)のいずれでもよい。エポキシ基を有する化合物の重量平均分子量は、200〜100000が好ましく、500〜50000がより好ましい。重量平均分子量の上限は、3000以下が好ましく、2000以下がより好ましく、1500以下が更に好ましい。
エポキシ基を有する化合物としては、例えばフェノール化合物のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、エポキシ基をもつケイ素化合物とそれ以外のケイ素化合物との縮合物、エポキシ基を持つ重合性不飽和化合物とそれ以外の他の重合性不飽和化合物との共重合体等が挙げられる。
フェノール類化合物のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂としては、例えば2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−ヒドロキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、フロログリシノール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類;1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類;フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂等が挙げられる。
ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂としては、例えばフェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等のビスフェノール類、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物等が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂としては、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−(3,4−エポキシ)シクロヘキシルカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等の脂肪族環骨格を有する脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。
脂肪族エポキシ樹脂としては、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールのグリシジルエーテル類が挙げられる。
複素環式エポキシ樹脂としては、例えばイソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキシ樹脂が挙げられる。
グリシジルエステル系エポキシ樹脂としては、例えばヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸エステル類からなるエポキシ樹脂が挙げられる。
グリシジルアミン系エポキシ樹脂としては、例えばアニリン、トルイジン等のアミン類をグリシジル化したエポキシ樹脂が挙げられる。
ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂としては、例えばブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA等のハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ基を持つ重合性不飽和化合物とそれ以外の他の重合性不飽和化合物との共重合体としては、市場から入手可能な製品では、マープルーフG−0150M、G−0105SA、G−0130SP、G−0250SP、G−1005S、G−1005SA、G−1010S、G−2050M、G−01100、G−01758等が挙げられる。エポキシ基を持つ重合性不飽和化合物としては、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、4−ビニル−1−シクロヘキセン−1,2−エポキシド等が挙げられる。また他の重合性不飽和化合物の共重合体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルシクロヘキサンなどが挙げられるが、特にメチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレンが好ましい。
エポキシ基を有する化合物の市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、jER825、jER827、jER828、jER834、jER1001、jER1002、jER1003、jER1055、jER1007、jER1009、jER1010(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等が挙げられる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、jER806、jER807、jER4004、jER4005、jER4007、jER4010(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等が挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、jER152、jER154、jER157S70、jER157S65(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等が挙げられる。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)等が挙げられる。脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、(株)ダイセル製)、デナコール EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L(以上、ナガセケムテックス(株)製)等が挙げられる。その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、jER1031S(三菱化学(株)製)、OXT−221(東亞合成(株)製)等が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物は、特開2013−011869号公報の段落番号0034〜0036、特開2014−043556号公報の段落番号0147〜0156、特開2014−089408号公報の段落番号0085〜0092に記載された化合物を用いることもできる。これらの内容は、本明細書に組み込まれることとする。
硬化性化合物として、エポキシ基を有する化合物を用いる場合、エポキシ基を有する化合物の含有量は、組成物の全固形分に対し、0.1〜40質量%が好ましい。下限は、例えば0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。上限は、例えば、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。エポキシ基を有する化合物は、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、エポキシ基を有する化合物の含有量は、硬化性化合物の全質量に対して、1〜80質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましい。
(重合性または非重合性のバインダーポリマー)
本発明において、硬化性化合物として、重合性または非重合性のバインダーポリマーを用いることもできる。重合性または非重合性のバインダーポリマーとしては、環状オレフィン樹脂、芳香族ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、フルオレンポリカーボネート樹脂、フルオレンポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド(アラミド)樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリパラフェニレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、フッ素化芳香族系樹脂などが挙げられる。具体例としては、下記の繰り返し単位を有するポリマーなどが挙げられる。これらの詳細については、特開2015−040895号公報の段落番号0086〜0103の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。また、重合性または非重合性のバインダーポリマーとして、上述した組成物で説明した樹脂を用いることもできる。
バインダーポリマーの含有量は、硬化性組成物の全固形分に対し、0.1〜50質量%が好ましい。下限は、例えば0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。上限は、例えば、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。バインダーポリマーは、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<重合開始剤>>
本発明の硬化性組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。本発明の硬化性組成物が、硬化性化合物として重合性化合物を含有する場合、重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤としては、光、熱のいずれか或いはその双方により重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
重合性化合物を、光で重合を開始させる場合、光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤は、紫外線領域から可視領域の光線に対して感光性を有するものが好ましい。
また、重合性化合物を、熱で重合を開始させる場合には、熱重合開始剤が好ましい。熱重合開始剤は、150〜250℃で分解するものが好ましい。
重合開始剤としては、例えば、アシルホスフィン化合物、アセトフェノン化合物、α−アミノケトン化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾインエーテル化合物、ケタール誘導体化合物、チオキサントン化合物、オキシム化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、トリハロメチル化合物、アゾ化合物、有機過酸化物、ジアゾニウム化合物、ヨードニウム化合物、スルホニウム化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物等のオニウム塩化合物、有機硼素塩化合物、ジスルホン化合物、チオール化合物などが挙げられる。重合開始剤は、少なくとも芳香族基を有する化合物であることが好ましい。
重合開始剤としては、特開2014−41318号公報の段落0218〜0251(対応する国際公開WO2014/017669号パンフレットの段落0220〜0253)の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、特開2016−21012号公報に記載の化合物を用いることもできる。
重合開始剤は、オキシム化合物、アセトフェノン化合物またはアシルホスフィン化合物が好ましい。
オキシム化合物の市販品としては、IRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司社製)、アデカアークルズNCI−930(ADEKA社製)等が挙げられる。
また、フッ素原子を有するオキシム開始剤を用いることも可能である。そのような開始剤の具体例としては、特開2010−262028号公報に記載されている化合物、特表2014−500852号公報の0345段落に記載されている化合物24、36〜40、特開2013−164471号公報の0101段落に記載されている化合物(C−3)が挙げられる。また、特表2010−527339号公報、国際公開WO2015/004565号公報などに記載されているオキシム多量体も用いることができる。
また、ニトロ基を有するオキシム開始剤を用いることも可能である。ニトロ基を有するオキシム化合物は、二量体とすることも好ましい。ニトロ基を有するオキシム開始剤の具体例としては、特開2013−114249号公報の段落0031〜0047、特開2014−137466号公報の段落0008〜0012、0070〜0079に記載されている化合物や、アデカアークルズNCI−831(ADEKA社製)が挙げられる。
アセトフェノン化合物の市販品としては、IRGACURE−907、IRGACURE−369、IRGACURE−379(商品名:いずれもBASF社製)等が挙げられる。
アシルホスフィン化合物の市販品としては、IRGACURE−819、DAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASF社製)等が挙げられる。
本発明において、光重合開始剤は、アセトフェノン化合物とオキシム化合物とを併用することも好ましい。
本発明の硬化性組成物が重合開始剤を含有する場合、重合開始剤の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、0.01〜30質量%が好ましい。下限は、0.1質量%以上が好ましい。上限は、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。重合開始剤は1種類のみでも、2種類以上でもよく、2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<酸無水物、多価カルボン酸>>
本発明の硬化性組成物がエポキシ基を有する化合物を含む場合、酸無水物および多価カルボン酸から選ばれる少なくとも1種をさらに含むことが好ましい。
酸無水物としては具体的には無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸、2,4−ジエチル無水グルタル酸、3,3−ジメチル無水グルタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、等の酸無水物が挙げられる。特にメチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、2,4−ジエチル無水グルタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物等が、耐光性、透明性、作業性の観点から好ましい。
多価カルボン酸は少なくとも2つのカルボキシル基を有する化合物である。なお、以下の化合物に幾何異性体又は光学異性体が存在する場合は特に制限されない。多価カルボン酸としては、2〜6官能のカルボン酸が好ましく、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,3,5−ペンタントリカルボン酸、クエン酸等のアルキルトリカルボン酸類;フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、シクロヘキサントリカルボン酸、ナジック酸、メチルナジック酸等の脂肪族環状多価カルボン酸類;リノレン酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸の多量体およびそれらの還元物であるダイマー酸類;リンゴ酸等の直鎖アルキル二酸類等が好ましく、さらにはヘキサン二酸、ペンタン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸が好ましく、特にブタン二酸が、耐熱性、硬化物の透明性の観点からより好ましい。
酸無水物および多価カルボン酸の含有量は、エポキシ基を有する化合物の100質量部に対し、0.01〜20質量部が好ましく、0.01〜10質量部がより好ましく、0.1〜6.0質量部がさらに好ましい。
<<アルカリ可溶性樹脂>>
本発明の硬化性組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有していても良い。アルカリ可溶性樹脂を含有することにより、アルカリ現像によって所望のパターンを形成できる。アルカリ可溶性樹脂としては、組成物で説明したものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
本発明の硬化性組成物が、アルカリ可溶性樹脂を含有する場合、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、本発明の硬化性組成物の全固形分中、1質量%以上が好ましく、2質量%以上とすることもでき、5質量%以上とすることもでき、10質量%以上とすることもできる。また、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、本発明の硬化性組成物の全固形分中、80質量%以下とすることもでき、65質量%以下とすることもでき、60質量%以下とすることもでき、15質量%以下とすることもできる。
尚、本発明の硬化性組成物を用いて、アルカリ現像によってパターンを形成しない場合には、アルカリ可溶性樹脂を含有しない態様とすることもできることは言うまでもない。
<<界面活性剤>>
本発明の硬化性組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。界面活性剤の含有量は、本発明の硬化性組成物の固形分に対して、0.0001〜2質量%が好ましい。下限は、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上が更に好ましい。上限は、1.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。本発明の硬化性組成物は、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤の少なくとも一方を含有することが好ましい。これによれば、被塗布面と塗布液との界面張力が低下して、被塗布面への濡れ性が改善される。このため、硬化性組成物の液特性(特に、流動性)が向上し、塗布厚の均一性や省液性がより改善する。その結果、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える。
フッ素系界面活性剤のフッ素含有率は、3〜40質量%が好ましい。下限は、5質量%以上が好ましく、7質量%以上が更に好ましい。上限は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下が更に好ましい。フッ素含有率が上述した範囲内である場合は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤として具体的には、特開2014−41318号公報の段落0060〜0064(対応する国際公開WO2014/17669号パンフレットの段落0060〜0064)等に記載の界面活性剤、特開2011−132503号公報の段落0117〜0132に記載の界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファック F−171、同F−172、同F−173、同F−176、同F−177、同F−141、同F−142、同F−143、同F−144、同R30、同F−437、同F−475、同F−479、同F−482、同F−554、同F−780(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−1068、同SC−381、同SC−383、同S−393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PolyFox PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(OMNOVA社製)等が挙げられる。
また、下記化合物も本発明で用いられるフッ素系界面活性剤として例示される。

上記の化合物の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜50,000であり、例えば、14,000である。
また、エチレン性不飽和基を側鎖に有する含フッ素重合体をフッ素系界面活性剤として用いることもできる。具体例としては、特開2010−164965号公報0050〜0090段落および0289〜0295段落に記載された化合物、例えばDIC社製のメガファックRS−101、RS−102、RS−718K、RS−72K等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤は、特開2015−117327号公報の段落0015〜0158に記載の化合物を用いることもできる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、特開2012−208494号公報の段落番号0553(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0679])等に記載のノニオン系界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
カチオン系界面活性剤として具体的には、特開2012−208494号公報の段落番号0554(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0680])に記載のカチオン系界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、特開2012−208494号公報の段落番号0556(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0682])等に記載のシリコーン系界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<<基板密着剤>>
本発明の硬化性組成物は、基板密着剤を含有することができる。基板密着剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤を用いることが好ましい。
シラン系カップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、パラスチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。また、上記以外にアルコキシオリゴマーを用いることができる。また、下記化合物を用いることもできる。
市販品としては、信越シリコーン社製のKBM−13、KBM−22、KBM−103、KBE−13、KBE−22、KBE−103、KBM−3033、KBE−3033、KBM−3063、KBM−3066、KBM−3086、KBE−3063、KBE−3083、KBM−3103、KBM−3066、KBM−7103、SZ−31、KPN−3504、KBM−1003、KBE−1003、KBM−303、KBM−402、KBM−403、KBE−402、KBE−403、KBM−1403、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503、KBM−5103、KBM−602、KBM−603、KBM−903、KBE−903、KBE−9103、KBM−573、KBM−575、KBM−9659、KBE−585、KBM−802、KBM−803、KBE−846、KBE−9007、X−40−1053、X−41−1059A、X−41−1056、X−41−1805、X−41−1818、X−41−1810、X−40−2651、X−40−2655A、KR−513,KC−89S,KR−500、X−40−9225、X−40−9246、X−40−9250、KR−401N、X−40−9227、X−40−9247、KR−510、KR−9218、KR−213、X−40−2308、X−40−9238などが挙げられる。
基板密着剤の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
<<重合禁止剤>>
本発明の硬化性組成物は、製造中又は保存中において、硬化性化合物の不要な反応を阻止するために、少量の重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤としては、例えばフェノール系水酸基含有化合物類、N−オキシド化合物類、ピペリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、ピロリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類、ジアゾニウム化合物類、カチオン染料類、スルフィド基含有化合物類、ニトロ基含有化合物類、リン系化合物類、ラクトン系化合物類、遷移金属化合物類(FeCl3、CuCl2等)が挙げられる。また、これらの化合物類においては、フェノール骨格やリン含有骨格などの重合禁止機能を発現する構造が同一分子内に複数存在する複合系化合物であってもよい。例えば特開平10−46035号公報に記載の化合物なども好適に用いられる。重合禁止剤の具体例としては、ハイドロキノン、パラメトキシフェノール、ジ−tert−ブチル−パラクレゾール、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられ、パラメトキシフェノールが好ましい。
本発明の硬化性組成物が重合禁止剤を含有する場合、重合禁止剤の含有量は、本発明の硬化性組成物の全固形分に対して、0.01〜5質量%が好ましい。
<<紫外線吸収剤>>
本発明の硬化性組成物は、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤は、公知の化合物を用いることができる。市販品としては、例えば、UV503(大東化学株式会社)などが挙げられる。また、紫外線吸収剤は、アミノジエン系、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、アクリロニトリル系、トリアジン系等の紫外線吸収剤を用いることができる。具体例としては特開2013−68814号に記載の化合物が挙げられる。ベンゾトリアゾール系としてはミヨシ油脂製のMYUAシリーズ(化学工業日報、2016年2月1日)を用いてもよい。
紫外線吸収剤の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましい。
<<有機溶剤>>
本発明の硬化性組成物は、有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤としては、上記組成物で説明したものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
本発明の硬化性組成物中の有機溶剤の含有量は、本発明の硬化性組成物の全固形分が5〜90質量%となる量が好ましく、10〜80質量%となる量がより好ましく、20〜75質量%となる量がさらに好ましい。
<<その他の成分>>
本発明の硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じてその他の成分を適宜選択して用いてもよい。
例えば、本発明の硬化性組成物は、上述した本発明の材料の他に、有彩色着色剤、赤外線吸収剤および可視光を遮光する色材から選ばれる1種以上を含有することができる。これらの詳細については、上述した組成物で説明した有彩色着色剤、赤外線吸収剤および可視光を遮光する色材が挙げられる。これらは、硬化性組成物の用途により適宜選択することができる。
また、併用可能なその他の成分としては、例えば、増感剤、架橋剤(架橋剤水溶液)、無水酢酸、シラン化合物、硬化促進剤、フィラー、可塑剤およびその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよい。
これらの成分は、例えば、特開2012−003225号公報の段落番号0183〜0228(対応する米国特許出願公開第2013/0034812号明細書の<0237>〜<0309>)、特開2008−250074号公報の段落番号0101〜0102、特開2008−250074号公報の段落番号0103〜0104、特開2008−250074号公報の段落番号0107〜0109、特開2013−195480号公報の段落番号0159〜0184等の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
これらの成分を適宜含有させることにより、目的とする赤外線カットフィルタの安定性、膜物性などの性質を調整することができる。
<硬化性組成物の調製>
本発明の硬化性組成物は、上述した各成分を混合することで調製することができる。また、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、フィルタでろ過することが好ましい。フィルタの種類、ろ過方法については、組成物で説明したものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
<硬化性組成物の用途>
本発明の硬化性組成物は、液状とすることができるため、例えば、本発明の硬化性組成物を基材などに適用し、乾燥させることにより、カラーフィルタ、赤外線カットフィルタ、赤外線透過フィルタ等の硬化膜を容易に製造できる。
例えば、本発明の材料における顔料Aが、近赤外線吸収色素である場合、本発明の材料を含む硬化性組成物を用いることで、赤外線カットフィルタを製造することができる。また、この態様において、本発明の硬化性組成物が、更に本発明の材料の他に、赤外線吸収剤を含む場合は、本発明の材料に含まれる顔料Aでカットできるよりも、更に広い波長領域の近赤外領域の光を吸収可能な赤外線カットフィルタが得られる。また、この態様において、本発明の硬化性組成物が、更に本発明の材料の他に、可視光を遮光する色材を含む場合は、赤外線透過フィルタを製造することができる。また、この態様において、本発明の硬化性組成物が、更に本発明の材料の他に、有彩色着色剤を含む場合は、カラーフィルタとしての機能を備えた赤外線カットフィルタを製造することができる。
また、例えば、本発明の材料における顔料Aが、有彩色顔料である場合、本発明の材料を含む硬化性組成物を用いることで、カラーフィルタを製造することができる。
なお、本発明において、赤外線カットフィルタとは、可視領域の波長の光(可視光)を透過し、近赤外領域の波長の光(近赤外線)の少なくとも一部を遮光するフィルタを意味する。赤外線カットフィルタは、可視領域の波長の光をすべて透過するものであってもよく、可視領域の波長の光のうち、特定の波長域の光を通過し、特定の波長域の光を遮光するものであってもよい。また、本発明において、カラーフィルタとは、可視光のうち、特定の波長域を通過させ、特定の波長域を遮光するフィルタを意味する。
本発明の硬化性組成物の粘度は、塗布により硬化膜を形成する場合は、1〜3000mPa・sであることが好ましい。下限は、2mPa・s以上が好ましく、3mPa・s以上が更に好ましい。上限は、100mPa・s以下が好ましく、50mPa・s以下がより好ましく、30mPa・s以下が更に好ましく、15mPa・s以下が特に好ましい。
本発明の硬化性組成物の全固形分は、塗布方法により変更されるが、例えば、1〜50質量%であることが好ましい。下限は10質量%以上がより好ましい。上限は30質量%以下がより好ましい。
本発明の硬化性組成物の用途は、特に限定されないが、例えば、固体撮像素子の受光側における赤外線カットフィルタ(例えば、ウエハレベルレンズに対する赤外線カットフィルタ用など)、固体撮像素子の裏面側(受光側とは反対側)における赤外線カットフィルタなどに好ましく用いることができる。特に、固体撮像素子の受光側における赤外線カットフィルタとして好ましく用いることができる。
<硬化膜>
次に、本発明の硬化膜について説明する。
本発明の硬化膜は、上述した本発明の硬化性組成物を硬化してなるものである。本発明の硬化膜は、赤外線カットフィルタ、赤外線透過フィルタ、カラーフィルタなどとして用いることができる。本発明の硬化膜は、パターンを有していてもよく、パターンを有さない膜(平坦膜)であってもよい。
本発明の硬化膜を、赤外線透過フィルタとして用いる場合、以下の(1)または(2)の分光特性を有することが好ましい。この態様によれば、可視光線由来のノイズが少ない状態で赤外線(好ましくは、波長900nm以上の光)を透過可能な膜とすることができる。
(1):膜の厚み方向における光の透過率の、波長400〜830nmの範囲における最大値が20%以下であり、膜の厚み方向における光の透過率の、波長1000〜1300nmの範囲における最小値が70%以上であることが好ましい。膜の厚み方向における光の透過率の、波長400〜830nmの範囲における最大値は、20%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。膜の厚み方向における光の透過率の、波長1000〜1300nmの範囲における最小値は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
(2):膜の厚み方向における光の透過率の、波長450〜650nmの範囲における最大値が20%以下であり、膜の厚み方向における、波長835nmの光の透過率が20%以下であり、膜の厚み方向における光の透過率の、波長1000〜1300nmの範囲における最小値が70%以上であることが好ましい。膜の厚み方向における光の透過率の、波長450〜650nmの範囲における最大値は、20%以下であることが好ましく、10%以下がより好ましい。膜の厚み方向における光の透過率の、波長650〜835nmの範囲における最大値は、50%以下であることが好ましく、30%以下がより好ましい。膜の厚み方向における、波長835nmの光の透過率は、20%以下であることが好ましく、10%以下がより好ましい。膜の厚み方向における光の透過率の、波長1000〜1300nmの範囲における最小値が、70%以上であることが好ましく、80%以上がより好ましい。
本発明の硬化膜の分光特性は、紫外可視近赤外分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製 U−4100)を用いて、波長300〜1300nmの範囲において透過率を測定した値である。
本発明の硬化膜を、赤外線カットフィルタまたは赤外線透過フィルタとして用いる場合、赤外線カットフィルタと赤外線透過フィルタと組み合わせて用いることもできる。赤外線カットフィルタと、赤外線透過フィルタとを組み合わせて用いることで、特定波長の赤外線を検出する赤外線センサの用途に好ましく用いることができる。両者のフィルタを組み合わせて用いる場合、赤外線カットフィルタおよび赤外線透過フィルタの一方を、本発明の硬化性組成物を用いて形成した硬化膜(本発明の硬化膜)とし、他方を本発明の硬化性組成物以外の硬化性組成物を用いて形成した硬化膜としてもよい。また、両者を本発明の硬化膜で構成してもよい。
また、本発明の硬化膜をカラーフィルタまたは赤外線カットフィルタとして用いる場合、赤外線カットフィルタは、カラーフィルタと厚み方向で隣接していてもよく、隣接していなくてもよい。赤外線カットフィルタと、カラーフィルタとが厚み方向で隣接していない場合は、カラーフィルタが形成された基材とは別の基材に赤外線カットフィルタが形成されていてもよく、赤外線カットフィルタとカラーフィルタとの間に、固体撮像素子を構成する他の部材(例えば、マイクロレンズ、平坦化層など)が介在していてもよい。
本発明の硬化膜の膜厚は、目的に応じて適宜調整できる。膜厚は、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。膜厚の下限は、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上が更に好ましい。
本発明の硬化膜は、CCD(電荷結合素子)や、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)などの固体撮像素子や、赤外線センサ、画像表示装置などの各種装置に用いることができる。
<光学フィルタ>
次に、本発明の光学フィルタについて説明する。本発明の光学フィルタは、上述した本発明の硬化膜を有する。本発明の光学フィルタは、カラーフィルタ、赤外線カットフィルタおよび赤外線透過フィルタから選ばれる少なくとも1種として好ましく用いることができる。また、本発明の光学フィルタは、本発明の硬化膜を用いた画素と、赤、緑、青、マゼンタ、黄、シアン、黒および無色から選ばれる画素とを有する態様も好ましい態様である。
<パターン形成方法>
本発明のパターン形成方法は、本発明の硬化性組成物を用いて支持体上に硬化性組成物層を形成する工程と、フォトリソグラフィ法またはドライエッチング法により、硬化性組成物層に対してパターンを形成する工程と、を含むことが好ましい。
パターン形成方法は、フォトリソグラフィによるパターン形成方法であってもよく、ドライエッチングによるパターン形成方法であってもよい。
フォトリソグラフィによるパターン形成方法であると、ドライエッチング工程が不要なため工程数を削減できるという効果が得られる。
ドライエッチングによるパターン形成方法であると、硬化性組成物は、フォトリソ機能が不要なため、顔料などの濃度を上げることができるという効果が得られる。
フォトリソグラフィ法によるパターン形成は、硬化性組成物を用いて支持体上に硬化性組成物層を形成する工程と、硬化性組成物層をパターン状に露光する工程と、未露光部を現像除去してパターンを形成する工程と、を含むことが好ましい。必要に応じて、硬化性組成物層をベークする工程(プリベーク工程)、および、現像されたパターンをベークする工程(ポストベーク工程)を設けてもよい。
また、ドライエッチング法によるパターン形成は、硬化性組成物を用いて支持体上に硬化性組成物層を形成し、硬化して硬化物層を形成する工程と、硬化物層上にフォトレジスト層を形成する工程と、露光および現像することによりフォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程と、レジストパターンをエッチングマスクとして硬化物層をドライエッチングしてパターンを形成する工程とを含むことが好ましい。以下、各工程について説明する。
<<硬化性組成物層を形成する工程>>
硬化性組成物層を形成する工程では、硬化性組成物を用いて、支持体上に硬化性組成物層を形成する。
支持体としては、例えば、基板(例えば、シリコン基板)上にCCDやCMOS等の固体撮像素子(受光素子)が設けられた固体撮像素子用基板を用いることができる。
本発明におけるパターンは、固体撮像素子用基板の固体撮像素子形成面側(おもて面)に形成してもよいし、固体撮像素子非形成面側(裏面)に形成してもよい。
支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
支持体上への硬化性組成物の適用方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の方法を用いることができる。
支持体上に形成した硬化性組成物層は、乾燥(プリベーク)してもよい。低温プロセスによりパターンを形成する場合は、プリベークを行わなくてもよい。
プリベークを行う場合、プリベーク温度は、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、110℃以下が更に好ましい。下限は、例えば、50℃以上とすることができ、80℃以上とすることもできる。プリベーク温度を150℃以下で行うことにより、例えば、イメージセンサの光電変換膜を有機素材で構成した場合において、これらの特性をより効果的に維持することができる。
プリベーク時間は、10秒〜300秒が好ましく、40〜250秒がより好ましく、80〜220秒がさらに好ましい。乾燥は、ホットプレート、オーブン等で行うことができる。
複数の層を同時にパターン形成する場合は、上記硬化性組成物層上に、各層の形成用の硬化性組成物を適用し、他の硬化性組成物層を形成することが好ましい。
(フォトリソグラフィ法でパターン形成する場合)
<<露光工程>>
次に、硬化性組成物層を、パターン状に露光する(露光工程)。例えば、硬化性組成物層に対し、ステッパー等の露光装置を用いて、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光することで、パターン露光することができる。これにより、露光部分を硬化することができる。
露光に際して用いることができる放射線(光)としては、g線、i線等の紫外線が好ましく(特に好ましくはi線)用いられる。照射量(露光量)は、例えば、30〜5000mJ/cm2が好ましい。上限は、3000mJ/cm2以下が好ましく、2000mJ/cm2以下がより好ましく、1500mJ/cm2以下が更に好ましい。下限は、50mJ/cm2以上がより好ましく、80mJ/cm2以上が特に好ましい。
露光時における酸素濃度については適宜選択することができ、大気下で行う他に、例えば酸素濃度が19体積%以下の低酸素雰囲気下(例えば、15体積%以下、好ましくは5体積%以下、より好ましくは実質的に無酸素)で露光してもよく、酸素濃度が21体積%を超える高酸素雰囲気下(例えば、22体積%以上、好ましくは30体積%以上、より好ましくは50体積%以上)で露光してもよい。また、露光照度は適宜設定することが可能であり、通常1000W/m2〜100000W/m2(例えば、5000W/m2以上、好ましくは15000W/m2以上、より好ましくは35000W/m2以上)の範囲から選択することができる。酸素濃度と露光照度は適宜条件を組み合わせてよく、例えば、酸素濃度10体積%で照度10000W/m2、酸素濃度35体積%で照度20000W/m2などとすることができる。
<<現像工程>>
次に、未露光部を現像除去してパターンを形成する。未露光部の現像除去は、現像液を用いて行うことができる。これにより、露光工程における未露光部の硬化性組成物層が現像液に溶出し、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、下地の固体撮像素子や回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。
現像液の温度は、例えば、20〜30℃が好ましい。現像時間は、20〜180秒が好ましい。また、残渣除去性を向上するため、現像液を60秒ごとに振り切り、さらに新たに現像液を供給する工程を数回繰り返してもよい。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ剤が挙げられる。現像液は、これらのアルカリ剤を純水で希釈したアルカリ性水溶液が好ましく使用される。アルカリ性水溶液のアルカリ剤の濃度は、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。
また、現像液には無機アルカリを用いてもよい。無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウムなどが好ましい。
また、現像液には、界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤の例としては、上述した硬化性組成物で説明した界面活性剤が挙げられ、ノニオン系界面活性剤が好ましい。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)することが好ましい。
現像後、乾燥を施した後に加熱処理(ポストベーク)を行うこともできる。ポストベークは、膜の硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理である。ポストベークを行う場合、ポストベーク温度は、例えば100〜240℃が好ましい。膜硬化の観点から、200〜230℃がより好ましい。また、発光光源として有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子を用いた場合や、イメージセンサの光電変換膜を有機素材で構成した場合は、ポストベーク温度は、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましく、90℃以下が特に好ましい。下限は、例えば、50℃以上とすることができる。
ポストベークは、現像後の膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。また、低温プロセスによりパターンを形成する場合は、ポストベークは行わなくてもよい。
(ドライエッチング法でパターン形成する場合)
ドライエッチング法でのパターン形成は、支持体上に形成した硬化性組成物層を硬化して硬化物層を形成し、次いで、得られた硬化物層を、パターニングされたフォトレジスト層をマスクとしてエッチングガスを用いて行うことができる。
具体的には、硬化物層上にポジ型またはネガ型の感放射線性組成物を塗布し、これを乾燥させることによりフォトレジスト層を形成することが好ましい。フォトレジスト層の形成においては、さらにプリベーク処理を施すことが好ましい。特に、フォトレジストの形成プロセスとしては、露光後の加熱処理、現像後の加熱処理(ポストベーク処理)を実施する形態が望ましい。
フォトレジスト層としては、例えば、紫外線(g線、h線、i線)、エキシマレーザ等を含む遠紫外線、電子線、イオンビームおよびX線等の放射線に感応するポジ型の感放射線性組成物が好ましく用いられる。放射線のうち、g線、h線、i線が好ましく、中でもi線が好ましい。
具体的には、ポジ型の感放射線性組成物として、キノンジアジド化合物およびアルカリ可溶性樹脂を含有する組成物が好ましい。キノンジアジド化合物およびアルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型の感放射線性組成物は、500nm以下の波長の光照射によりキノンジアジド基が分解してカルボキシ基を生じ、結果としてアルカリ不溶状態からアルカリ可溶性になることを利用するものである。このポジ型フォトレジストは解像力が著しく優れているので、IC(integrated circuit)やLSI(Large Scale Integration)等の集積回路の作製に用いられている。キノンジアジド化合物としては、ナフトキノンジアジド化合物が挙げられる。市販品としては例えば「FHi622BC」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)などが挙げられる。
フォトレジスト層の厚みとしては、0.1〜3μmが好ましく、0.2〜2.5μmがより好ましく、0.3〜2μmがさらに好ましい。なお、ポジ型の感放射線性組成物の塗布方法は、上述した硬化性組成物の塗布方法を用いて好適に行なえる。
次いで、フォトレジスト層を露光および現像することにより、レジスト貫通孔群が設けられたレジストパターン(パターニングされたフォトレジスト層)を形成する。レジストパターンの形成は、特に制限なく、従来公知のフォトリソグラフィの技術を適宜最適化して行なうことができる。露光および現像によりフォトレジスト層に、レジスト貫通孔群が設けられることによって、次のエッチングで用いられるエッチングマスクとしてのレジストパターンが、硬化物層上に設けられる。
フォトレジスト層の露光は、所定のマスクパターンを介して、ポジ型またはネガ型の感放射線性組成物に、g線、h線、i線等、好ましくはi線で露光を施すことにより行なうことができる。露光後は、現像液で現像処理することにより、着色パターンを形成しようとする領域に合わせてフォトレジストが除去される。
現像液としては、硬化物層には影響を与えず、ポジレジストの露光部およびネガレジストの未硬化部を溶解するものであればいずれも使用可能である。例えば、種々の溶剤の組み合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。アルカリ性の水溶液としては、アルカリ性化合物を濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%となるように溶解して調製されたアルカリ性水溶液が好適である。アルカリ性化合物は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。尚、アルカリ性水溶液を用いた場合は、一般に現像後に水で洗浄処理が施される。
次に、レジストパターンをエッチングマスクとして、硬化物層に貫通孔群が形成されるようにドライエッチングによりパターニングする。
ドライエッチングとしては、パターン断面をより矩形に近く形成する観点や支持体へのダメージをより低減する観点から、以下の形態で行なうのが好ましい。
フッ素系ガスと酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、支持体が露出しない領域(深さ)までエッチングを行なう第1段階のエッチングと、この第1段階のエッチングの後に、窒素ガス(N2)と酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、好ましくは支持体が露出する領域(深さ)付近までエッチングを行なう第2段階のエッチングと、支持体が露出した後に行なうオーバーエッチングとを含む形態が好ましい。以下、ドライエッチングの具体的手法、並びに第1段階のエッチング、第2段階のエッチング、およびオーバーエッチングについて説明する。
ドライエッチングは、下記手法により事前にエッチング条件を求めて行なう。
(1)第1段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)と、第2段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)とをそれぞれ算出する。
(2)第1段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間と、第2段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間とをそれぞれ算出する。
(3)上述した(2)で算出したエッチング時間に従って第1段階のエッチングを実施する。
(4)上述した(2)で算出したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施する。あるいはエンドポイント検出でエッチング時間を決定し、決定したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施してもよい。
(5)上述した(3)および(4)の合計時間に対してオーバーエッチング時間を算出し、オーバーエッチングを実施する。
第1段階のエッチング工程で用いる混合ガスとしては、被エッチング膜である有機材料を矩形に加工する観点から、フッ素系ガスおよび酸素ガス(O2)を含むことが好ましい。また、第1段階のエッチング工程は、支持体が露出しない領域までエッチングする形態にすることで、支持体のダメージを回避することができる。また、第2段階のエッチング工程およびオーバーエッチング工程は、第1段階のエッチング工程でフッ素系ガスおよび酸素ガスの混合ガスにより支持体が露出しない領域までエッチングを実施した後、支持体のダメージ回避の観点から、窒素ガスおよび酸素ガスの混合ガスを用いてエッチング処理を行なうのが好ましい。
第1段階のエッチング工程でのエッチング量と、第2段階のエッチング工程でのエッチング量との比率は、第1段階のエッチング工程でのエッチング処理による矩形性を損なわないように決定することが重要である。なお、全エッチング量(第1段階のエッチング工程でのエッチング量と第2段階のエッチング工程でのエッチング量との総和)中における後者の比率は、0%より大きく50%以下である範囲が好ましく、10〜20%がより好ましい。エッチング量とは、被エッチング膜の残存する膜厚とエッチング前の膜厚との差から算出される量のことをいう。
また、エッチングは、オーバーエッチング処理を含むことが好ましい。オーバーエッチング処理は、オーバーエッチング比率を設定して行なうことが好ましい。また、オーバーエッチング比率は、初めに行なうエッチング処理時間より算出することが好ましい。オーバーエッチング比率は任意に設定できるが、フォトレジストのエッチング耐性と被エッチングパターンの矩形性維持の点で、エッチング工程におけるエッチング処理時間の30%以下であることが好ましく、5〜25%であることがより好ましく、10〜15%であることが特に好ましい。
次いで、エッチング後に残存するレジストパターン(すなわちエッチングマスク)を除去する。レジストパターンの除去は、レジストパターン上に剥離液または溶剤を付与して、レジストパターンを除去可能な状態にする工程と、レジストパターンを洗浄水を用いて除去する工程とを含むことが好ましい。
レジストパターン上に剥離液または溶剤を付与し、レジストパターンを除去可能な状態にする工程としては、例えば、剥離液または溶剤を少なくともレジストパターン上に付与し、所定の時間停滞させてパドル現像する工程を挙げることができる。剥離液または溶剤を停滞させる時間としては、特に制限はないが、数十秒から数分であることが好ましい。
また、レジストパターンを洗浄水を用いて除去する工程としては、例えば、スプレー式またはシャワー式の噴射ノズルからレジストパターンに洗浄水を噴射して、レジストパターンを除去する工程を挙げることができる。洗浄水としては、純水を好ましく用いることができる。また、噴射ノズルとしては、その噴射範囲内に支持体全体が包含される噴射ノズルや、可動式の噴射ノズルであってその可動範囲が支持体全体を包含する噴射ノズルを挙げることができる。噴射ノズルが可動式の場合、レジストパターンを除去する工程中に支持体中心部から支持体端部までを2回以上移動して洗浄水を噴射することで、より効果的にレジストパターンを除去することができる。
剥離液は、一般には有機溶剤を含有するが、無機溶媒をさらに含有してもよい。有機溶剤としては、例えば、(1)炭化水素系化合物、(2)ハロゲン化炭化水素系化合物、(3)アルコール系化合物、(4)エーテルまたはアセタール系化合物、(5)ケトンまたはアルデヒド系化合物、(6)エステル系化合物、(7)多価アルコール系化合物、(8)カルボン酸またはその酸無水物系化合物、(9)フェノール系化合物、(10)含窒素化合物、(11)含硫黄化合物、(12)含フッ素化合物が挙げられる。剥離液としては、含窒素化合物を含有することが好ましく、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物とを含むことがより好ましい。
非環状含窒素化合物としては、ヒドロキシ基を有する非環状含窒素化合物であることが好ましい。具体的には、例えば、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられ、好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンであり、より好ましくはモノエタノールアミン(H2NCH2CH2OH)である。また、環状含窒素化合物としては、イソキノリン、イミダゾール、N−エチルモルホリン、ε−カプロラクタム、キノリン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラジン、ピリジン、ピロリジン、N−メチル−2−ピロリドン、N−フェニルモルホリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジンなどが挙げられ、好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチルモルホリンであり、より好ましくはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)である。
剥離液は、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物とを含むことが好ましいが、中でも、非環状含窒素化合物として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種と、環状含窒素化合物として、N−メチル−2−ピロリドンおよびN−エチルモルホリンから選ばれる少なくとも1種とを含むことがより好ましく、モノエタノールアミンとN−メチル−2−ピロリドンとを含むことがさらに好ましい。
剥離液で除去するときには、パターンの上に形成されたレジストパターンが除去されていればよく、パターンの側壁にエッチング生成物であるデポ物が付着している場合でも、デポ物が完全に除去されていなくてもよい。デポ物とは、エッチング生成物が硬化物層の側壁に付着し堆積したものをいう。
剥離液としては、非環状含窒素化合物の含有量が、剥離液100質量部に対して9質量部以上11質量部以下であって、環状含窒素化合物の含有量が、剥離液100質量部に対して65質量部以上70質量部以下であるものが望ましい。また、剥離液は、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物との混合物を純水で希釈したものが好ましい。
<固体撮像素子、カメラモジュール>
本発明の固体撮像素子は、上述した本発明の硬化膜を有する。
また、本発明のカメラモジュールは、固体撮像素子と、本発明の硬化膜(好ましくは、赤外線カットフィルタ)とを有する。固体撮像素子の構成としては、本発明の硬化膜を有する構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
支持体上に、固体撮像素子(電荷結合素子(CCD)イメージセンサ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、フォトダイオードおよび転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に、赤外線カットフィルタや赤外線透過フィルタなどの本発明の膜を有する構成である。
さらに、デバイス保護膜上であって、本発明の硬化膜の下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、本発明の硬化膜上に集光手段を有する構成等であってもよい。
<赤外線センサ>
本発明の赤外線センサは、上述した本発明の硬化膜を有する。本発明の赤外線センサの構成としては、本発明の硬化膜を有する構成であり、赤外線センサとして機能する構成であれば特に限定はない。
以下、本発明の赤外線センサの一実施形態について、図面を用いて説明する。
図1に示す赤外線センサ100において、符号110は、固体撮像素子である。
固体撮像素子110上に設けられている撮像領域は、赤外線カットフィルタ111とカラーフィルタ112を有する。赤外線カットフィルタ111は、例えば、本発明の硬化性組成物を用いて形成できる。
赤外線透過フィルタ113と固体撮像素子110との間には領域114が設けられている。領域114には、赤外線透過フィルタ113を透過した波長の光が透過可能な樹脂層(例えば、透明樹脂層など)が配置されている。図1に示す実施形態では、領域114に樹脂層が配置されているが、領域114に赤外線透過フィルタ113を形成してもよい。すなわち、固体撮像素子110上に、赤外線透過フィルタ113を形成してもよい。
カラーフィルタ112および赤外線透過フィルタ113の入射光hν側には、マイクロレンズ115が配置されている。マイクロレンズ115を覆うように平坦化層116が形成されている。
また、図1に示す実施形態では、カラーフィルタ112の膜厚と、赤外線透過フィルタ113の膜厚が同一であるが、両者の膜厚は異なっていてもよい。
また、図1に示す実施形態では、カラーフィルタ112が、赤外線カットフィルタ111よりも入射光hν側に設けられているが、赤外線カットフィルタ111と、カラーフィルタ112との順序を入れ替えて、赤外線カットフィルタ111を、カラーフィルタ112よりも入射光hν側に設けてもよい。
また、図1に示す実施形態では、赤外線カットフィルタ111とカラーフィルタ112は隣接して積層しているが、両フィルタは必ずしも隣接している必要はなく、間に他の層が設けられていても良い。
また、図1に示す実施形態では、赤外線カットフィルタ111とカラーフィルタ112とを別部材として設けているが、カラーフィルタ112に本発明の組成物を含有させて、カラーフィルタ112に赤外線カットフィルタとしての機能を持たせてもよい。この場合、赤外線カットフィルタ111は省略できる。
赤外線カットフィルタ111は、後述する赤外発光ダイオード(赤外LED)の発光波長によりその特性は選択される。例えば、赤外線カットフィルタ111は、可視光(例えば、波長400〜650nmの光)を透過し、かつ、近赤外領域(好ましくは波長700〜1300nmの範囲、さらに好ましくは波長700〜1000nmの範囲)の光の少なくとも一部を遮光するフィルタであることが好ましい。赤外線カットフィルタ111は、本発明の硬化性組成物を用いた硬化膜で構成することができる。
カラーフィルタ112は、可視領域における特定波長の光を透過及び吸収する画素が形成されたカラーフィルタであって、特に限定はなく、従来公知の画素形成用のカラーフィルタを用いることができる。例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の画素が形成されたカラーフィルタなどが用いられる。例えば、特開2014−043556号公報の段落0214〜0263の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。カラーフィルタ112は、本発明の硬化性組成物を用いた硬化膜で構成することもできる。
赤外線透過フィルタ113は、後述する赤外LEDの発光波長によりその特性は選択される。
例えば、赤外LEDの発光波長が850nmである場合、赤外線透過フィルタ113は、膜の厚み方向における光透過率の、波長400〜650nmの範囲における最大値が30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましく、0.1%以下であることが特に好ましい。この透過率は、波長400〜650nmの範囲の全域で上記の条件を満たすことが好ましい。波長400〜650nmの範囲における最大値は、通常、0.1%以上である。
赤外線透過フィルタ113は、膜の厚み方向における光透過率の、波長800nm以上(好ましくは800〜1300nm)の範囲における最小値が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。この透過率は、波長800nm以上の範囲の一部で上記の条件を満たすことが好ましく、赤外LEDの発光波長に対応する波長で上記の条件を満たすことが好ましい。波長900〜1300nmの範囲における光透過率の最小値は、通常、99.9%以下である。
赤外線透過フィルタ113の膜厚は、100μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましく、1μm以下が特に好ましい。下限値は、0.1μmが好ましい。膜厚が上記範囲であれば、上述した分光特性を満たす膜とすることができる。
赤外線透過フィルタ113の分光特性、膜厚等の測定方法を以下に示す。
膜厚は、膜を有する乾燥後の基板を、触針式表面形状測定器(ULVAC社製 DEKTAK150)を用いて測定した。
膜の分光特性は、紫外可視近赤外分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製 U−4100)を用いて、波長300〜1300nmの範囲において透過率を測定した値である。
上述した分光特性を有する赤外線透過フィルタ113は、可視光を遮光する色材を含む硬化性組成物を用いて製造できる。可視光を遮光する色材の詳細については、上述した本発明の組成物で説明した範囲と同様である。
また、例えば、赤外LEDの発光波長が940nmである場合、赤外線透過フィルタ113は、膜の厚み方向における光の透過率の、波長450〜650nmの範囲における最大値が20%以下であり、膜の厚み方向における、波長835nmの光の透過率が20%以下であり、膜の厚み方向における光の透過率の、波長1000〜1300nmの範囲における最小値が70%以上であることが好ましい。
上述した分光特性を有する赤外線透過フィルタ113は、可視光を遮光する色材と、波長750〜950nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物とを含む硬化性組成物を用いて製造できる。可視光を遮光する色材の詳細については、上述した本発明の組成物で説明した範囲と同様である。波長750〜950nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物としては、顔料Aとして、近赤外線吸収色素を用いてなる本発明の材料や、上述した本発明の組成物で説明した赤外線吸収剤が挙げられる。
<画像表示装置>
本発明の硬化膜(好ましくは、赤外線カットフィルタ)は、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置などの画像表示装置に用いることもできる。例えば、各着色画素(例えば赤色、緑色、青色)とともに用いることにより、表示装置のバックライト(例えば白色発光ダイオード(白色LED))に含まれる赤外光を遮断し、周辺機器の誤作動を防止する目的や、各着色表示画素に加えて赤外の画素を形成する目的で用いることが可能である。
画像表示装置の定義や各画像表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
画像表示装置は、白色有機EL素子を有するものであってもよい。白色有機EL素子としては、タンデム構造であることが好ましい。有機EL素子のタンデム構造については、特開2003−45676号公報、三上明義監修、「有機EL技術開発の最前線−高輝度・高精度・長寿命化・ノウハウ集−」、技術情報協会、326−328ページ、2008年などに記載されている。有機EL素子が発光する白色光のスペクトルは、青色領域(430nm−485nm)、緑色領域(530nm−580nm)及び黄色領域(580nm−620nm)に強い極大発光ピークを有するものが好ましい。これらの発光ピークに加え更に赤色領域(650nm−700nm)に極大発光ピークを有するものがより好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」および「部」は質量基準である。
<材料の製造方法>
(実施例1)
ジフェニルボリン酸エステル8.74質量部と、下記化合物(A−1−a)10質量部と、下記化合物(B−30)4.27質量部と、トルエン100mLとを40℃で攪拌し、塩化チタン7.36質量部を滴下して30分間反応させた。外接温度130℃で3時間加熱還流させた後、室温まで冷やし、トルエン57mLを添加して、これをろ別した。得られた粗結晶にメタノール88mLを添加し、外接温度80℃で1時間加熱還流させた。室温まで冷やし、これをろ別し、得られた結晶に再度メタノール88mLを添加し、外接温度80℃で1時間加熱還流させた。室温まで冷やし、これをろ別する事で、顔料(A−1)と下記化合物(B−30)とを含む材料(C−1)を得た。
(実施例2〜8、11〜25)
各化合物(顔料A)の合成時において、最終工程で化合物Bとして、下記表に記載の化合物を添加して、各顔料を合成した以外は、実施例1と同様の方法で材料(C−2)〜(C−8)、(C−11)〜(C−25)を製造した。
(実施例9)
化合物(A−2−b)
下記スキームに従い化合物(A−2−b)を合成した。

4−(1−メチルヘプトキシ)ベンゾニトリルを原料にして、米国特許第5,969,154号明細書に記載された方法に従って、化合物(A−2−a)を合成した。
1H−NMR(DMSO(ジメチルスルホキシド):ナトリウムメトキシドの28質量%メタノール溶液=95:5(質量比)の混合液):δ0.82(t,6H),1.15−1.70(m,26H),4.40(m,2H),6.78(d,4H),8.48(d,2H)
化合物(A−2−a)の20.0質量部と、2−(2−ベンゾチアゾリル)アセトニトリルの15.4質量部とをトルエンの230質量部中で攪拌し、ついで、オキシ塩化リンの45.0質量部を滴下し、3.5時間加熱還流した。反応終了後、内温を25℃まで冷却し、内温30℃以下の状態を維持しつつ、メタノール200質量部を60分間かけて滴下した。滴下終了後、室温で30分間攪拌した。析出した結晶をろ別し、メタノール100質量部で洗浄した。得られた結晶にメタノール200質量部を加えて、30分間加熱還流し、30℃になるまで放冷し、結晶をろ別した。得られた結晶を40℃12時間送風乾燥させることで、化合物(A−2−b)を8.8質量部得た。
1H−NMR(CDCl3):δ0.90−1.90(m,32H),4.54(m,2H),7.12(d,4H),7.20−7.40(m,2H),7.43(t,2H),7.75(d,4H),7.81(t,4H)
材料(C−9)の合成
実施例1において、化合物(A−1−a)の代わりに(A−2−b)を用い、化合物(B−30)の代わりに化合物(B−61)を用いた以外は、材料(C−1)の合成と同様の方法にて、顔料(A−2)と化合物(C−61)とを含む材料(C−9)を得た。
(実施例10)
化合物(A−3−c)の合成
下記スキームに従い化合物(A−3−c)を合成した。

2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾールの50.0質量部と、水酸化カリウムの93.4質量部とを水200質量部中で、24時間加熱還流し、10℃以下まで冷却した。反応液のpHが6になるように、10℃以下を維持しながら、6mol/L塩酸と酢酸を添加した。析出した結晶をろ別し、水200質量部で洗浄した。得られた結晶全量と、マロノニトリルの18.3質量部と、酢酸の19.3質量部と、メタノール172質量部とを混合し、60℃で1時間攪拌したのち、10℃以下まで冷却した。析出した結晶をろ別し、メタノール200質量部で洗浄した。得られた結晶を40℃12時間送風乾燥させることで、化合物(A−3−b)を38.7質量部得た。
1H−NMR(CDCl3):δ3.85(s,3H),4.22(s,2H),7.16(d,1H),7.38(s,1H),7.97(d,1H)
化合物(A−1−a)と、化合物(A−3−b)を原料にして、化合物(A−2−b)の合成と同様の方法にて、化合物(A−3−c)を合成した。
1H−NMR(DMSO(ジメチルスルホキシド):ナトリウムメトキシドの28質量%メタノール溶液=95:5(質量比)の混合液):δ0.98(t,6H),1.12(d,6H),1.30(m,2H),1.63(m,2H),1.95(m,2H),3.89(m,4H),6.88(d,2H),6.98(d,4H),7.42(m,4H),7.67(s,2H),7.85(d,4H)
材料(C−10)の合成
実施例9において、化合物(A−2−b)の代わりに化合物(A−3−c)を用いた以外は、材料(C−9)の合成と同様の方法にて、顔料(A−3)と化合物(B−61)とを含む材料(C−10)を得た。
(比較例1)
顔料(NPC−1)10質量部と化合物(B−30)3質量部を乳鉢に加え、乳棒で撹拌し均一になるよう混合し、材料(C’−1)を得た。
(比較例2)
顔料(DP−1)10質量部と化合物(B−30)3質量部を乳鉢に加え、乳棒で撹拌し均一になるよう混合し、材料(C’−2)を得た。
<評価>
顔料の合成時に排出されたろ液に含まれる化合物Bの量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定し、各材料からの化合物Bの抽出量を算出した。各材料からの化合物Bの溶出量から、各材料に含まれる化合物Bの量を算出した。
続いて上記で得られた各材料の1gに対し、16.6mLのメタノールを添加し、80℃で30分攪拌洗浄した。洗浄したろ液を採取し、ろ液に含まれる化合物Bの量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定し、各材料からの化合物Bの抽出量を算出した。各材料からの化合物Bの溶出量から、メタノールで洗浄後の材料中における化合物Bの質量X2を算出した。また、メタノールで洗浄後の材料を45℃で12時間送風乾燥し、メタノールで洗浄後の材料の固形分の質量X3を測定した。
得られた材料について、メタノールで洗浄後の材料中における化合物Bの質量X2と、メタノールで洗浄後の材料の固形分の質量X3とから、下記式により、X1を求めた。
1=(X2/X3)×100
なお、メタノールは、25℃において、下記表に記載の顔料Aの溶解度が0.02質量%以下で、かつ、下記表に記載の化合物Bの溶解度が0.2質量%以上の要件を満たす溶剤である。
上記結果から明らかなように、実施例は、X1の値が0.99以上の要件を満たしており、顔料Aに化合物Bが強固に付着していることが確認できた。
一方、比較例1、2は、X1の値が0.99未満であり、顔料Aから化合物Bが容易にはがれやすかった。
上記表に記載の材料は以下である。
顔料A:下記化合物。化合物A−122は、WO09/060573号公報に記載の方法を参考に合成した。化合物A−123は、特開2012−8532号公報に記載の方法を参考に合成した。


化合物B:下記化合物

化合物(B−61)の合成
下記スキームに従い化合物(B−61)を合成した。

ジフェニルボリン酸2−アミノエチルエステルの3.9質量部と、化合物(A−2−b)の6.0質量部とをトルエン60質量部中で攪拌し、外接温度40℃で、四塩化チタンの10.6質量部を10分間かけて滴下し、30分間攪拌した。外接温度を130℃まで昇温させ、3時間加熱還流した。内温が30℃になるまで放冷し、内温30℃以下を維持しつつメタノール40質量部を滴下した。滴下後30分間攪拌し、析出した結晶をろ別し、メタノール35質量部で洗浄した。得られた結晶に50質量部のメタノールを加えて30分間加熱還流し、30℃になるまで放冷し、結晶をろ別する操作を2回行った。得られた結晶を40℃12時間送風乾燥させることで、化合物(A−2)を4.6質量部得た。1H−NMR(DMSO):δ6.20−6.30(dd,8H),6.91(d,2H),7.12−7.21(m,24H),7.92(d,2H),9.54(s,2H)
化合物(A−2)の3.0質量部と、炭酸カリウムの3.45質量部とを、ジメチルアセトアミド(DMAc)の28.2質量部中で撹拌した後、ブタンスルトンの3.40質量部と、DMAcの5.6質量部とを添加し、10分間室温で撹拌した。外接温度を105℃まで昇温させて4時間加熱した。次に、内温30℃になるまで放冷し、析出した結晶をろ別した。4mol/L塩酸水溶液の30質量部に、内温30℃以下を維持しつつ、得られた結晶を少量ずつ添加し、30分間室温で撹拌し、析出した結晶をろ別する操作を2回行った。得られた結晶に60質量部の酢酸エチルを加えて、30分間加熱還流し、30℃になるまで放冷し、結晶をろ別する操作を3回行った。得られた結晶を50℃24時間送風乾燥させる事で、化合物(B−61)を2.74質量部得た。
1H−NMR(DMSO):δ1.76(m,8H),3.42(m,4H),3.93(m,4H),6.34−6.47(dd,8H),6.89(d,2H),7.12−7.21(m,24H),7.93(d,2H)
化合物(B−113)の合成
ブタンスルトンの代わりにプロパンスルトンを用いる以外は、化合物(B−61)と同様の手法を用いることで、化合物(B−113)を得た。
化合物(B−81)の合成

顔料(A−2)を4.6質量部と、4−[(ジエチルアミノ)メチル]−安息香酸クロリドを10質量部と、DMAcを87質量部と、トリエチルアミンを16.7質量部とを添加し、5分間撹拌した。外接温度を110℃まで昇温させ、4時間加熱した。内温が30℃になるまで放冷し、析出した結晶をろ別した。ついで、メタノール100質量部、水100質量部で洗浄した。得られた結晶に蒸留水200質量部を添加し、30分間加熱還流し、30℃になるまで放冷し、析出した結晶をろ別した。得られた結晶にジメチルスルホキシド200質量部を添加し、30分間80℃で加熱した。加熱終了後、30℃になるまで放冷し、析出した結晶をろ別した。得られた結晶にメタノール200質量部を添加し、30分間加熱還流し、30℃になるまで放冷し、析出した結晶をろ別した。得られた結晶を50℃24時間送風乾燥させる事で、化合物(B−81)を5.5質量部得た。
1H−NMR(CDCl3):1.07(t,12H)、2.56(q,8H)、3.67(s,4H)、6.60(d,4H)、6.85(d,4H)、6.91−7.40(m,26H)、7.51(m,6H)、8.19(d,4H)
化合物(B−114)、(B−115)の合成
4−[(ジエチルアミノ)メチル]−安息香酸クロリドの代わりに、イソニコチン酸クロリド、ニコチン酸クロリドを用いる以外は、化合物(B−81)と同様の手法を用いることで、化合物(B−114)、(B−115)を得た。
化合物(B−119)の合成

N−(3−ブロモプロピル)フタルイミドを4.5質量部と、顔料(A−2)を2.0質量部と、DMAcを37.6質量部と、炭酸カリウムを4.7質量部とを添加し、5分間撹拌した。外接温度を100℃まで昇温させ、1時間加熱した。次いで、N−(3−ブロモプロピル)フタルイミドを2.3質量部と、炭酸カリウムを2.5質量部とを反応機に追加し、続けて6時間撹拌した。内温30℃になるまで放冷し、内温30℃以下を維持しつつ1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を40質量部滴下した。滴下後30分間攪拌し、析出した結晶をろ別し、蒸留水35質量部で洗浄した。得られた結晶を50℃24時間送風乾燥させる事で、化合物(B−119)を2.1質量部得た。
1H−NMR(CDCl3):2.21(quin,4H)、3.96(t,4H)、4.02(t,4H)、6.35(d,4H)、6.40(d,4H)、7.00−7.25(m,28H)7.73(m,4H)、7.89(m,4H)
<組成物(分散液)の調製>
下記表に示す材料を10質量部、下記表に示す色素誘導体を3.0質量部、下記表に示す樹脂を7.8質量部、下記表に示す有機溶剤を109質量部、及び0.5mm径ジルコニアビーズ520質量部をペイントシェーカーで30分間分散処理を行った。その後、日本ポール製DFA4201NXEY(0.45μmナイロンフィルター)を用いてろ過を行い、ビーズをろ過で分離し、組成物(分散液)を作製した。
<分散性の評価>
E型粘度計を用いて25℃、1000rpmでの各組成物の粘度を測定し、下記基準で分散性を評価した。
A:20mPa・s以下
B:20mPa・sを超え、100mPa・s以下
C:100mPa・sを超える
上記結果より、実施例は、分散性が良好であった。これに対し、本発明の材料を含まない比較例は、分散性が劣っていた。
実施例101〜127において、材料C−1〜C−25として、メタノールで洗浄前の材料を使用しても同様の効果が得られる。
上記表に示す成分は以下である。
(材料、顔料、色素誘導体)
C−1〜C−25、C−1’、C−2’:X1を算出後(メタノール洗浄後)の上述した材料C−1〜C−25、C−1’、C−2’
DP−1、B−1、B−30、B−61:上記構造
(樹脂)
D−1:下記構造(東亞合成社製のマクロモノマーAA−6を原料として用いて製造した樹脂であって、x/y/z=10/78/12(質量%)、Mw:19700である。)
D−2:下記構造(Mw=38900)
D−3:下記構造(Mw=7950)
D−4:下記構造(Mw=11483)
D−5:下記構造(Mw=22900)

PGMEA:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
PGME:1−メトキシ−2−プロパノール
<硬化性組成物の調製>
(実施例201〜225、比較例201〜203)
下記の成分を混合して、実施例201の硬化性組成物を調製した。また、実施例201の硬化性組成物において、実施例101の分散液を、実施例102〜125、比較例101〜103の分散液に変更して、実施例202〜225、比較例201〜203の近赤外線吸収性組成物を調製した。
・実施例101の分散液:28.0質量部
・重合性化合物1:6.83質量部
・アルカリ可溶性樹脂1:6.73質量部
・重合開始剤1:1.96質量部
・重合禁止剤1:0.003質量部
・界面活性剤1:0.04質量部
・有機溶剤1:56.44質量部
重合性化合物1:KAYARAD DPHA(日本化薬社製)
アルカリ可溶性樹脂1:下記構造(Mw:11000)

重合開始剤1:下記構造

重合禁止剤1:パラメトキシフェノール(三立ケミー株式会社製)
界面活性剤1:下記混合物(Mw=14000)

有機溶剤1:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
(実施例226)
撹拌装置、温度計を設置したガラス製セパラブルフラスコに、エポキシ基を有する化合物(日油(株)製、マープルーフG−0150M 重量平均分子量10000)50.0質量部、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート100質量部を入れ、20〜35℃で2時間撹拌し溶解した。次いで、実施例126の組成物(分散液)を0.75質量部添加し、20〜35℃で均一になるまで撹拌した。さらに、ブタン二酸を0.500質量部(エポキシ基を有する化合物100質量部に対し1質量部)を添加し、20〜35℃で1時間撹拌して硬化性組成物を得た。
(実施例227)
容器に、下記樹脂A(バインダーポリマー)を100質量部、実施例127の組成物(分散液)を0.08質量部、およびプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを加えて樹脂Aの濃度を20質量%に調整し、硬化性組成物を得た。
・樹脂A:下記構造(特開2015−40895号公報の段落0141〜0143に記載の方法を参考に合成した。Mw=137,000)
<面内均一性の評価>
実施例201〜225、比較例201〜203の各硬化性組成物を、8inch(200mm)ガラスウエハにスピンコート塗布し、100℃、120秒間ホットプレートで乾燥して硬化膜を製造した。
また、実施例226の硬化性組成物をスピンコーター上に配置したガラス基板上に滴下し、その基板を1000rpmで30秒間回転させることで基板表面をコーティングし、その後80℃で10分間乾燥させて溶剤を除去し、150℃で3時間熱硬化し、硬化膜を得た。
また、実施例227の硬化性組成物を、平滑なガラス基板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス基板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mmの硬化膜を得た。
得られた硬化膜について、中心から端まで2cm間隔で計5点の膜厚実測をDektak(ブルカー社製)により測定し、面内均一性を下記基準で評価した。
A:(Max−Min)/Min<3%
B:3≦(Max−Min)/Min≦7%
C:(Max−Min)/Min>7%
なお、「Min」は、膜厚の最も薄い箇所の膜厚であり、「Max」は、最も厚い箇所の膜厚である。

上記結果より、実施例は、面内均一性が良好であった。実施例の硬化性組成物で使用した分散液は、顔料分散性が良好であったため、硬化性組成物の粘度が低く、塗布性が良好である。そのため、実施例では、塗布膜に凹凸が生じにくくなり、面内均一性が向上したと考えられる。これに対し、本発明の材料を含まない比較例は、面内均一性が劣っていた。
実施例において、可視光を遮光する色材をさらに配合することで、赤外線透過フィルタが得られる。
100 赤外線センサ、110 固体撮像素子、111 赤外線カットフィルタ、112 カラーフィルタ、113 赤外線透過フィルタ、114 領域、115 マイクロレンズ、116 平坦化層

Claims (20)

  1. 顔料Aと、樹脂への吸着性を持つ構造を有する化合物Bとを含む材料であり、
    下記式(I)で表されるX1が、0.99以上である材料;
    1=(X2/X3)×100 ・・・(I)
    2は、25℃において、顔料Aの溶解度が0.02質量%以下であり、かつ、化合物Bの溶解度が0.2質量%以上である溶剤に、前記材料を浸漬した後の、前記材料中における前記化合物Bの質量であり、
    3は、前記溶剤に浸漬した後の前記材料の固形分の質量である。
  2. 前記顔料Aが、近赤外領域に吸収を有する、請求項1に記載の材料。
  3. 前記顔料Aの極大吸収波長が700〜1200nmの範囲にある、請求項1または2に記載の材料。
  4. 前記顔料Aが、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、ペリレン化合物、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、ジチオール金属錯体化合物、ナフトキノン化合物、イミニウム化合物、アゾ化合物およびスクアリリウム化合物から選ばれる1種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の材料。
  5. 前記顔料Aがピロロピロール化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の材料。
  6. 前記ピロロピロール化合物が下記式(1)で表される化合物である、請求項5に記載の材料;

    式中、R1aおよびR1bは、各々独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R2およびR3は、各々独立に水素原子または置換基を表し、R2およびR3は、互いに結合して環を形成してもよく、R4は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−BR4A4B、または金属原子を表し、R4は、R1a、R1bおよびR3から選ばれる少なくとも一つと、共有結合もしくは配位結合していてもよく、R4AおよびR4Bは、各々独立に、置換基を表す。
  7. 前記化合物Bが、色素構造を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の材料。
  8. 前記色素構造が、ピロロピロール色素構造、ジケトピロロピロール色素構造、キナクリドン色素構造、アントラキノン色素構造、ジアントラキノン色素構造、ベンゾイソインドール色素構造、チアジンインジゴ色素構造、アゾ色素構造、キノフタロン色素構造、フタロシアニン色素構造、ナフタロシアニン色素構造、ジオキサジン色素構造、ペリレン色素構造、ペリノン色素構造、ベンゾイミダゾロン色素構造、ベンゾチアゾール色素構造、ベンゾイミダゾール色素構造およびベンゾオキサゾール色素構造から選ばれる少なくとも1種である、請求項7に記載の材料。
  9. 前記化合物Bは、酸性基、塩基性基、水素結合性基、双極子相互作用性基およびπ−π相互作用性基から選ばれる少なくとも1種を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の材料。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の材料を含む組成物。
  11. 更に、有機溶剤、樹脂および色素誘導体から選ばれる1種以上を含む、請求項10に記載の組成物。
  12. 請求項10または11に記載の組成物と、硬化性化合物とを含む硬化性組成物。
  13. 請求項12に記載の硬化性組成物を用いてなる硬化膜。
  14. 請求項13に記載の硬化膜を有する光学フィルタ。
  15. カラーフィルタ、赤外線カットフィルタおよび赤外線透過フィルタから選ばれる少なくとも1種である、請求項14に記載の光学フィルタ。
  16. 請求項13に記載の硬化膜の画素と、
    赤、緑、青、マゼンタ、黄、シアン、黒および無色から選ばれる少なくとも1種の画素と、
    を有する、請求項14または15に記載の光学フィルタ。
  17. 請求項13に記載の硬化膜を有する、固体撮像素子。
  18. 請求項13に記載の硬化膜を有する、赤外線センサ。
  19. 固体撮像素子と、請求項13に記載の硬化膜とを有する、カメラモジュール。
  20. 顔料Aと、樹脂への吸着性を持つ構造を有する化合物Bとを含む材料の製造方法であって、
    樹脂への吸着性を持つ構造を有する化合物Bの存在下で、前記顔料Aの原料化合物を反応させて前記顔料Aを合成する、材料の製造方法。
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