JPWO2014034923A1 - 被覆切削工具 - Google Patents
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Abstract
本発明は、重切削条件で切削加工を行った場合にも被覆層の剥離面積が小さく、加工距離が長く工具寿命が長い被覆切削工具の提供を目的とする。本発明は、基材と基材の表面に形成された被覆層とからなり、被覆層は表面側の上層と基材側の最下層とからなり、最下層は(AlaTibMc)N[但し、MはZr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Y、BおよびSiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表し、aはAl元素とTi元素とM元素の合計に対するAl元素の原子比を表し、bはAl元素とTi元素とM元素の合計に対するTi元素の原子比を表し、cはAl元素とTi元素とM元素の合計に対するM元素の原子比を表し、a、b、cは、0.30≦a≦0.70、0.30≦b≦0.70、0≦c≦0.20、a+b+c=1を満足する。]で構成され、最下層を構成する(AlaTibMc)Nの粒子の平均粒径が400nm以下である被覆切削工具である。
Description
本発明は被覆切削工具に関するものである。
超硬合金、サーメット、cBNなどからなる基材の表面にTiN層、TiAlN層などの被覆層を被覆した被覆切削工具は機械的強度、耐熱性に優れることから、鋼、鋳鉄、ステンレス鋼、耐熱合金などの切削加工に用いられる。
被覆切削工具の従来技術としては、炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットからなる基体の表面に、特定の厚みの窒化チタンからなる密着性物理蒸着被覆層を介して、TiとAlの複合窒化物からなる特定の厚みの耐摩耗性物理蒸着被覆層を形成してなる表面被覆サーメット製切削工具がある(例えば、特許文献1参照。)。
近年の機械加工における高能率化はめざましく、以前よりも、切削速度が高く、切り込みや送りが大きい切削加工が行われるようになってきた。このような工具刃先温度の高くなる重切削条件では、被覆切削工具の表面に被削材が溶着しやすい。特許文献1などの従来技術では、基材表面にTiNを被覆し、その上にTiAlNを被覆することで基材と被覆層の化学的親和性は向上し、基材と被覆層の付着強度を向上させることで被覆層の耐剥離性が向上した。しかしながら、基材と被覆層の界面に過度な負荷がかかった場合、被覆層が大きく剥離し、被覆切削工具の加工距離が短くなり工具寿命が不十分であるという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、重切削条件で切削加工を行った場合にも被覆層の剥離面積が小さく、加工距離が長く工具寿命が長い被覆切削工具の提供を目的とする。
本発明者らは、被覆層の耐剥離性を向上させる目的で研究を重ねたところ、被覆層の最下層の組成および粒径を最適化することで、被覆層の剥離面積を最小化し、被覆切削工具の加工距離を長くすることができることを見出し、本発明を完成するにいたった。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)基材と基材の表面に形成された被覆層とからなり、被覆層は表面側の上層と基材側の最下層とからなり、最下層は(AlaTibMc)N[但し、MはZr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Y、BおよびSiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表し、aはAl元素とTi元素とM元素の合計に対するAl元素の原子比を表し、bはAl元素とTi元素とM元素の合計に対するTi元素の原子比を表し、cはAl元素とTi元素とM元素の合計に対するM元素の原子比を表し、a、b、cは、0.30≦a≦0.70、0.30≦b≦0.70、0≦c≦0.20、a+b+c=1を満足する。]で構成され、最下層を構成する(AlaTibMc)Nの粒子の平均粒径が400nm以下である被覆切削工具。
(2)a、b、cは、0.50≦a≦0.70、0.30≦b≦0.50、0≦c≦0.20、a+b+c=1を満足する(1)の被覆切削工具。
(3)最下層を構成する(AlaTibMc)Nの粒子の平均粒径が10〜400nmである(1)または(2)の被覆切削工具。
(4)最下層の平均層厚は0.1〜1μmである(1)〜(3)のいずれかの被覆切削工具。
(5)上層は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Y、AlおよびSiから選択される金属元素の少なくとも1種からなる金属;並びに、これら金属元素の少なくとも1種と炭素、窒素、酸素および硼素から選択される非金属元素の少なくとも1種とからなる化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む単層または多層構造体である(1)〜(4)のいずれかの被覆切削工具。
(6)上層全体の平均層厚は0.2〜10μmである(1)〜(5)のいずれかの被覆切削工具。
(7)基材と基材の表面に形成された被覆層とからなり、被覆層は表面側の上層と基材側の最下層とからなり、最下層は(AldCreLf)N[但し、LはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Y、BおよびSiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表し、dはAl元素とCr元素とL元素の合計に対するAl元素の原子比を表し、eはAl元素とCr元素とL元素の合計に対するCr元素の原子比を表し、fはAl元素とCr元素とL元素の合計に対するL元素の原子比を表し、d、e、fは、0.20≦d≦0.75、0.25≦e≦0.80、0≦f≦0.20、d+e+f=1を満足する。]で構成され、最下層を構成する(AldCreLf)Nの粒子の平均粒径が400nm以下である被覆切削工具。
(8)d、e、fは、0.40≦d≦0.75、0.25≦e≦0.60、0≦f≦0.20、d+e+f=1を満足する(7)に記載の被覆切削工具。
(9)d、e、fは、0.40≦d≦0.75、0.25≦e≦0.60、0≦f≦0.20、d≧e、d+e+f=1を満足する(7)または(8)に記載の被覆切削工具。
(10)最下層を構成する(AldCreLf)Nの粒子の平均粒径が10〜400nmである(7)〜(9)のいずれかの被覆切削工具。
(11)最下層の平均層厚は0.1〜1μmである(7)〜(10)のいずれかの被覆切削工具。
(12)上層は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Y、AlおよびSiから選択される金属元素の少なくとも1種からなる金属;並びに、これら金属元素の少なくとも1種と炭素、窒素、酸素および硼素から選択される非金属元素の少なくとも1種とからなる化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む単層または多層構造体である(7)〜(11)のいずれかの被覆切削工具。
(13)上層全体の平均層厚は0.2〜10μmである(7)〜(12)のいずれかの被覆切削工具。
本発明の被覆切削工具は、重切削条件での切削加工においても被覆層が剥離しにくく、加工距離が長く工具寿命が長いという効果を奏する。
本発明の被覆切削工具は、基材と基材の表面に形成された被覆層とからなる。前記基材は被覆切削工具の基材として用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、超硬合金、サーメット、セラミックス、立方晶窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体、高速度鋼などを前記基材として用いることができる。その中でも、基材が超硬合金であると、本発明の被覆切削工具が耐摩耗性および耐欠損性に優れるので、さらに好ましい。
前記被覆層は、被覆切削工具の表面側の上層と基材側の最下層とからなる。本発明の1つの態様では、前記最下層を構成する粒子の組成が、(AlaTibMc)N[但し、MはZr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Y、BおよびSiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表し、aはAl元素とTi元素とM元素の合計に対するAl元素の原子比を表し、bはAl元素とTi元素とM元素の合計に対するTi元素の原子比を表し、cはAl元素とTi元素とM元素の合計に対するM元素の原子比を表し、a、b、cは、0.30≦a≦0.70、0.30≦b≦0.70、0≦c≦0.20、a+b+c=1を満足する。]と表される。
aが0.30未満であると最下層を構成する(AlaTibMc)Nの粒子の平均粒径が大となり、被覆層の剥離面積を最小化する作用が小さくなる。一方aが0.70を超えると相対的にTi元素量が少なくなり、被覆層の基材との化学的親和性が著しく低下し、最下層が立方晶以外の結晶構造を含むようになる。このため、基材と最下層の付着強度が低下し、その結果、被覆層の大きな剥離が生じやすくなる。
bが0.30未満であると相対的にAl元素量が多くなり、基材と最下層の付着強度が低下する。一方bが0.70を超えると相対的にAl元素量が少なくなるので、最下層を構成する(AlaTibMc)Nの粒子の平均粒径が大となり、耐剥離性が低下する。
そして最下層にはAl元素とTi元素以外に、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Y、BおよびSiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素Mが含まれてもよいが、cが0以上0.20以下の範囲であると、最下層を構成する(AlaTibMc)Nの粒子の平均粒径が小となり、被覆層の耐剥離性が向上する。一方cが0.20を超えると、基材と最下層の付着強度が著しく低下し、被覆切削工具の切削性能が低下する。
以上から、0.30≦a≦0.70、0.30≦b≦0.70、0≦c≦0.20、a+b+c=1とした。その中でもaが0.50以上、bが0.50以下であると最下層を構成する(AlaTibMc)Nの粒子の平均粒径が小となりやすく、被覆層の耐剥離性が向上する傾向がみられるので、0.50≦a≦0.70、0.30≦b≦0.50、0≦c≦0.20、a+b+c=1であるとさらに好ましい。その中でも0.60≦a≦0.70、0.30≦b≦0.40、0≦c≦0.10、a+b+c=1であるとさらに好ましい。
本発明のもう1つの態様では、本発明の被覆切削工具における被覆工具の最下層を構成する粒子の組成が、(AldCreLf)N[但し、LはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Y、BおよびSiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表し、dはAl元素とCr元素とL元素の合計に対するAl元素の原子比を表し、eはAl元素とCr元素とL元素の合計に対するCr元素の原子比を表し、fはAl元素とCr元素とL元素の合計に対するL元素の原子比を表し、d、e、fは、0.20≦d≦0.75、0.25≦e≦0.80、0≦f≦0.20、d+e+f=1を満足する。]と表される。
dが0.20未満であると、最下層を構成する(AldCreLf)Nの粒子の平均粒径が大となり、被覆層の耐剥離性が低下する。一方dが0.75を超えると、最下層が立方晶以外の結晶構造を含むようになるため、基材と最下層の付着強度が低下する。
eが0.25未満であると相対的にAl元素が多くなり、基材と最下層の付着強度が低下する。一方eが0.80を超えると相対的にAl元素が少なくなり、最下層を構成する(AldCreLf)Nの粒子の平均粒径が大となり、被覆層の耐剥離性が低下する。
そして最下層にはAl元素とCr元素以外に、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Y、BおよびSiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素Lが含まれていてもよく、fが0以上0.20以下の範囲であると、最下層を構成する(AldCreLf)Nの粒子の平均粒径が小となり、被覆層の耐剥離性が向上する。一方fが0.20を超えると、基材と最下層の付着強度が著しく低下し、被覆切削工具の切削性能が低下する。
以上より、0.20≦d≦0.75、0.25≦e≦0.80、0≦f≦0.20、d+e+f=1とした。その中でもdが0.40以上、eが0.60以下であると最下層を構成する(AldCreLf)Nの粒子の平均粒径は小となりやすく、被覆層の耐剥離性が向上する傾向がみられるので、0.40≦d≦0.75、0.25≦e≦0.60、0≦f≦0.20、d+e+f=1であるとより好ましい。その中でもd≧eであり、0.40≦d≦0.75、0.25≦e≦0.50、0≦f≦0.20、d+e+f=1であると最下層を構成する(AldCreLf)Nの粒子の平均粒径は小となり、被覆層の耐剥離性が向上するのでさらに好ましい。
本発明の被覆切削工具の被覆層における最下層の組成は、走査電子顕微鏡(SEM)、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)、透過電子顕微鏡(TEM)などの電子顕微鏡に付属するエネルギー分散型X線分析装置(EDS)や波長分散型X線分析装置(WDS)などを用いて測定することができる。
前記最下層を構成する粒子((AlaTibMc)N又は(AldCreLf)Nの粒子、以下「最下層構成粒子」ともいう。)の平均粒径を400nm以下にすることによって、被覆層の剥離面積が最小化し、本発明の被覆切削工具の加工距離が長くなり、工具寿命が長くなるという効果が得られる。その理由は以下の通りと考えられる。
切削加工中に被削材が被覆層の表面に溶着すると、溶着した部分で切削抵抗が高くなり、その部分からクラックが発生すると考えられる。クラックが被覆層と基材との界面に達すると、被覆層が剥離すると考えられる。
図1は、最下層構成粒子の平均粒径が大きい被覆切削工具の断面組織の概念図である。当該工具は基材1と被覆層2とからなり、その被覆層2は最下層3と上層4とからなる。重切削条件での切削加工などを行うと例えば符号5で示される部分に被削材が溶着し、その部分からクラック7が発生し、これが被覆層2と基材1との界面に達すると剥離が生じると考えられる。そして図1の被覆切削工具では最下層3の構成粒子の平均粒径が大きいため、剥離する部分6は大きい。
一方図2は、最下層構成粒子の平均粒径が小さい被覆切削工具の断面組織の概念図である。当該工具は基材8と被覆層9とからなり、その被覆層9は最下層10と上層11とからなる。こちらの被覆切削工具は最下層10を構成する粒子の平均粒径が小さいので、符号12で示される部分に被削材が溶着し、そこからクラック14が発生して被覆層9と基材8の界面に達したとしても、剥離する部分13は小さくなると考えられる。
そのため、本発明の被覆切削工具においては、最下層構成粒子の平均粒径を400nm以下とした。なお、最下層構成粒子の平均粒径が10nm未満になると基材と最下層の付着強度が低下する傾向がみられるので、最下層構成粒子の平均粒径は10〜400nmであることが好ましい。被覆層の剥離面積を小さくする観点からは、最下層構成粒子の平均粒径は20〜100nmであることが特に好ましい。
本発明において最下層構成粒子の平均粒径は、被覆切削工具の上層を除去して得られた最下層の表面組織で測定される。上層を除去する方法としては、ダイヤモンド砥石により研削した後にダイヤモンドペーストまたはコロイダルシリカを用いて研磨する方法や、イオンミリングなどを挙げることができる。上層を除去して現れた最下層の表面組織を電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)、透過電子顕微鏡(TEM)、電子線後方散乱回折法(EBSD)などで観察して、最下層構成粒子の平均粒径を測定することができる。
具体的には、上層を除去して得られた最下層の表面組織を観察する。最下層構成粒子の面積と等しい面積の円の直径をその粒子の粒径とし、一定の視野(測定範囲)における各粒子の粒径を求めて、5nm間隔の区分けした粒径を示す横軸と、その各区分けに含まれる粒子全部の面積比を示す縦軸とからなる粒度分布図を作成する。次に、5nm間隔の区分けの中心値(例えば、5〜10nmの区分けの中心値は7.5nmである)とその区分けに含まれる粒子全部の面積比を乗じる。この面積比とは、測定範囲(例えば2μm×2μm)全体の中で、ある一の区分けに含まれる粒子全て(例えば粒径が5〜10nmのもの全部)が占める面積割合のことである。5nm間隔の区分けの中心値とその区分けに含まれる粒子全部の面積比を乗じて得られた値をすべて合計した値を、最下層構成粒子の平均粒径とする。
なお、最下層の表面組織の測定装置としては、EBSDが、粒子の粒界が明瞭になるので好ましい。EBSDの設定としては、ステップサイズが0.01μm、測定範囲が2μm×2μm、方位差が5°以上の境界を粒界とみなすという設定が好ましい。
以上説明した特定の粒子により構成される、本発明の被覆切削工具における被覆層の最下層は耐剥離性に優れる。そのため被覆層の耐剥離性は向上し、本発明の被覆切削工具の加工距離を長くし、工具寿命を延長することができる。
前記最下層の平均層厚は0.1〜1μmであると好ましい。これは、最下層の平均層厚が0.1μm未満になると耐剥離性を向上させる効果が低下する傾向がみられ、一方最下層の平均層厚が1μmを超えると、基材と最下層の付着強度が低下する傾向がみられるためである。なお最下層の平均層厚は、光学顕微鏡、走査電子顕微鏡(SEM)、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)、透過電子顕微鏡(TEM)などを用いて測定することができる。
次に、本発明の被覆切削工具の被覆層を構成する上層について説明する。前記上層は、耐摩耗性、耐欠損性または耐溶着性などの被覆切削工具に要求される機能を有しているものとして使用されているものであれば特に限定されない。その中でも、前記上層は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Y、AlおよびSiから選択される金属元素の少なくとも1種からなる金属;並びに、これら金属元素の少なくとも1種と炭素、窒素、酸素および硼素から選択される非金属元素の少なくとも1種とからなる化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む単層または多層構造体であると、本発明の被覆切削工具の耐摩耗性が向上するのでさらに好ましい。なお、上層の組成は最下層の組成とは異なるものとする。
その中でも、上層が多層構造体であると被覆切削工具の耐摩耗性が好適に向上するので、さらに好ましい。上層が多層構造体の場合の具体的態様としては、上記金属または化合物からなる層を2nm〜10μmの平均層厚で積層する態様が挙げられる。組成が異なる2種以上の層が、各層の平均層厚を2nm以上500nm以下の厚みとして周期的に積層される積層構造を1種以上含む態様も好ましい。ここで、周期的に積層させるとは、例えば、組成が異なる2種の層を交互に各2層以上積層させるなど、一定の周期性をもって積層させることをいう。
なお、本発明において上層の組成と上層が多層構造体の場合の各層の平均層厚は、最下層の場合と同様な方法で測定することができる。
以上説明した本発明の被覆切削工具における上層全体の平均層厚は0.2〜10μmであると好ましい。これは、上層全体の平均層厚が0.2μm未満では被覆切削工具の耐摩耗性を向上させる効果が少ない場合があり、10μmを超えると被覆層が基材から剥離しやすくなる場合があるためである。本発明の上層全体の平均層厚は最下層と同様な方法で測定することができる。
本発明の被覆切削工具は、従来の物理蒸着法により作製することが可能であり、例えば、以下の方法で製造することができる。
アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置する。用意した基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内に入れる。好ましくは最下層の形成前に基材にイオンボンバードメント処理を行う。
イオンボンバードメント処理後、反応容器内を1×10−2Pa以下の真空にしてから、最下層の原料となるN2などの反応ガスを反応容器内に導入して、反応容器内の雰囲気を最下層の原料となるN2などの反応ガスとする。そして、反応容器内の圧力を0.5〜5.0Paとし、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を750℃を超える高い温度とする。
続いて、基材に印加するバイアス電圧を−10〜−150Vとし、最下層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を13mT〜17mTとし、アーク電流を80〜150Aとする条件で、基材の表面に最下層を形成するとよい。基材の温度を750℃超とし、金属蒸発源の中心の磁束密度を13mT〜17mTとすることで、最下層の平均粒径を小にすることができる。
なお、一般的なアークイオンプレーティング装置の最高温度は1000℃であるので、最下層形成時の基材の温度は750℃超、1000℃以下であると好ましく、800℃以上950℃以下であるとより好ましい。このようにして基材上に最下層を形成した後、さらに上層を形成すると、本発明の被覆切削工具を得ることができる。
前記上層は、例えば、以下の方法で製造することができる。最下層を形成した後、基材に印加するバイアス電圧を−10〜−150V、基材の温度を600℃とし、上層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を5mT〜15mTとし、アーク電流を80〜150Aとする条件で、上層を形成するとよい。
上層が多層構造体である場合は、基材に−10〜−150Vのバイアス電圧を印加し、基材の温度を600℃とし、金属蒸発源の中心の磁束密度を5mT〜15mTとし、各層の金属成分に応じた金属蒸発源をアーク放電により蒸発させて最下層の表面に各層を形成することができる。
なお、離れた位置に置かれた2種類以上の金属蒸発源を同時にアーク放電により蒸発させ、基材を固定した回転テーブルを回転して多層構造体を構成する層を形成する場合は、反応容器内の基材を固定した回転テーブルの回転数を調整することによって、多層構造体を構成する各層の層厚を制御することができる。また、2種類以上の金属蒸発源を交互にアーク放電により蒸発させて多層構造体を構成する層を形成する場合は、それぞれの金属蒸発源のアーク放電時間を調整することによって多層構造体を構成する各層の層厚を制御することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されない。なお、以下で製造した発明品及び比較品の被覆切削工具における被覆層の各層の組成及び平均層厚、並びに最下層構成粒子の平均粒径は以下のようにして測定した。
<各層の組成>
発明品及び比較品の被覆切削工具の製造に使用したアークイオンプレーティング装置の反応容器内で、金属蒸発源に対向する側の被覆切削工具試料の断面をダイヤモンドペーストで鏡面研磨した。得られた試料の断面から、被覆層の各層の組成を株式会社日立ハイテクノロジーズ製走査電子顕微鏡S−6600および透過電子顕微鏡付属のEDSを用いて測定した。
発明品及び比較品の被覆切削工具の製造に使用したアークイオンプレーティング装置の反応容器内で、金属蒸発源に対向する側の被覆切削工具試料の断面をダイヤモンドペーストで鏡面研磨した。得られた試料の断面から、被覆層の各層の組成を株式会社日立ハイテクノロジーズ製走査電子顕微鏡S−6600および透過電子顕微鏡付属のEDSを用いて測定した。
<各層の平均層厚>
試料における被覆層の各層の平均層厚(上層が多層構造体の場合は、それを構成する各層の平均層厚)については、光学顕微鏡、走査電子顕微鏡S−6600および透過電子顕微鏡を用い、金属蒸発源に対向する側の試料の断面をダイヤモンドペーストで鏡面研磨し、得られた試料の断面を5箇所測定し、その平均値を求めた。
試料における被覆層の各層の平均層厚(上層が多層構造体の場合は、それを構成する各層の平均層厚)については、光学顕微鏡、走査電子顕微鏡S−6600および透過電子顕微鏡を用い、金属蒸発源に対向する側の試料の断面をダイヤモンドペーストで鏡面研磨し、得られた試料の断面を5箇所測定し、その平均値を求めた。
<最下層構成粒子の平均粒径>
発明品及び比較品の被覆切削工具試料の最下層構成粒子の平均粒径は以下のように測定した。最下層の表面に形成された上層をイオンミリングによって除去した。上層を除去して現れた最下層の表面を、株式会社TSLソリューションズ製EBSD装置を用い、ステップサイズを0.01μm、測定範囲を2μm×2μmに設定し、方位差が5°以上の境界を粒界とする最下層の表面組織の画像から、最下層構成粒子の平均粒径を求めた。
発明品及び比較品の被覆切削工具試料の最下層構成粒子の平均粒径は以下のように測定した。最下層の表面に形成された上層をイオンミリングによって除去した。上層を除去して現れた最下層の表面を、株式会社TSLソリューションズ製EBSD装置を用い、ステップサイズを0.01μm、測定範囲を2μm×2μmに設定し、方位差が5°以上の境界を粒界とする最下層の表面組織の画像から、最下層構成粒子の平均粒径を求めた。
具体的には、方位差が5°以上の境界を粒界とした最下層の表面組織の画像から、最下層の構成粒子の面積と等しい面積の円の直径をその粒子の粒径として、前記測定範囲における各粒子の粒径を求めて、5nm間隔の区分けした粒径を示す横軸と、5nm間隔の区分けに含まれる粒子全部の面積比を示す縦軸とからなる粒度分布図を作成した。
次に、粒径の区分けの中心値とその区分けに含まれる粒子全部の面積比とを乗じた。そして、粒径の区分けの中心値とその区分けに含まれる粒子全部の面積比とを乗じて得られた値をすべて合計し、得られた値を最下層構成粒子の平均粒径とした。
[被覆切削工具の製造]
基材として、K20相当のISO規格SEEN1204インサート形状の超硬合金を用意した。
基材として、K20相当のISO規格SEEN1204インサート形状の超硬合金を用意した。
発明品1〜20については、アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、表1に示す被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置した。続いて、基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内の試料ホルダーに取り付けて、反応容器内の圧力を1×10−2Pa以下の真空とし、炉内ヒーターで基材の温度が500℃になるまで加熱した。
基材の温度が500℃になった後、反応容器内の圧力が5PaになるまでArガスを導入し、反応容器内の雰囲気をAr雰囲気とし、反応容器内の圧力を5Paとした。そして、基材に−1000Vのバイアス電圧を印加するイオンボンバードメント条件でArイオンボンバードメント処理を行った。
Arイオンボンバードメント処理後、反応容器内の圧力を1×10−2Pa以下の真空にしてArガスを排出し、最下層の原料となるN2ガスを反応容器内に導入して、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気とした。続いて、反応容器内の圧力を3Paとし、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を800℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、最下層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、基材の表面に表1に示す組成の最下層を形成した。
最下層を形成した後、引き続き、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気とし、反応容器内の圧力を3Paとし、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を600℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、上層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、最下層の表面に表1に示す組成の上層を形成した。その後、得られた発明品の被覆切削工具を冷却し、そして反応容器内から取り出した。
発明品21、22については、アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、表1に示す被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置した。続いて、基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内の試料ホルダーに取り付けて、発明品1〜20と同様な条件でArイオンボンバードメント処理を行った。
Arイオンボンバードメント処理後、反応容器内の圧力を1×10−2Pa以下の真空にしてArガスを排出し、最下層の原料となるN2ガスを反応容器内に導入して、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気とした。続いて、反応容器内の圧力を3Paとし、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を800℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、最下層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、基材の表面に表1に示す組成の最下層を形成した。
最下層を形成した後、引き続き、反応容器内の雰囲気をN2ガスとCH4ガスの分圧比がN2:CH4=1:1となるように混合した混合ガス雰囲気とし、反応容器内の圧力2.7Paとし、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を600℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、上層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、最下層の表面に表1に示す組成の上層を形成した。その後、得られた発明品の被覆切削工具を冷却し、そして反応容器内から取り出した。
発明品23〜30については、アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、表2に示す被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置した。続いて、基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内の試料ホルダーに取り付けて、発明品1〜20と同様な条件でArイオンボンバードメント処理を行った。
Arイオンボンバードメント処理後、反応容器内の圧力を1×10−2Pa以下の真空にしてArガスを排出し、最下層の原料となるN2ガスを反応容器内に導入して、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気とし、反応容器内の圧力を3Paとした。続いて、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を800℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、最下層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、基材の表面に表2に示す組成の最下層を形成した。
最下層を形成した後、引き続き、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気とし、反応容器内の圧力を3Paとし、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を600℃とした。そして、基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、上層の原料となる各金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、各金属蒸発源を交互にアーク放電により蒸発させた。これにより、表2に示す、組成が異なるA層とB層とからなる交互積層構造体を持つ上層を形成した。このときA層とB層のアーク放電時間を調整して、A層の平均層厚とB層の平均層厚がそれぞれ100nmとなるように制御した。この交互積層構造体の上層を形成した後、得られた発明品の被覆切削工具を冷却し、そして反応容器内から取り出した。
比較品1〜3、6については、アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、表3に示す被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置した。続いて、基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内の試料ホルダーに取り付けて、発明品1〜20と同様な条件でArイオンボンバードメント処理を行った。
Arイオンボンバードメント処理後、反応容器内の圧力を1×10−2Pa以下の真空にしてから、最下層の原料となるN2ガスを反応容器内に導入して、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気とし、反応容器内の圧力を3Paとした。続いて、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を750℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、最下層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、基材の表面に表3に示す組成の最下層を形成した。
最下層を形成した後、引き続き、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気とし、反応容器内の圧力を3Paとし、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を600℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、上層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、最下層の表面に表3に示す組成の上層を形成した。得られた比較品の被覆切削工具を冷却し、そして反応容器内から取り出した。
比較品4については、アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、表3に示す被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置し、基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内の試料ホルダーに取り付けて、発明品1〜20と同様な条件でArイオンボンバードメント処理を行った。
Arイオンボンバードメント処理後、反応容器内の圧力を1×10−2Pa以下の真空にしてから、最下層の原料となるN2ガスを反応容器内に導入して、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気とし、反応容器内の圧力を3Paとした。続いて、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を750℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、最下層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を5mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、基材の表面に表3に示す組成の最下層を形成した。
最下層を形成した後、引き続き、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気とし、反応容器内の圧力を3Paとし、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を600℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、上層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、最下層の表面に表3に示す組成の上層を形成した。その後、得られた比較品4の被覆切削工具を冷却し、そして反応容器内から取り出した。
比較品5については、アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、表3に示す被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置した。続いて、基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内の試料ホルダーに取り付けて、発明品1〜20と同様な条件でArイオンボンバードメント処理を行った。
Arイオンボンバードメント処理後、反応容器内を1×10−2Pa以下の真空にしてから、最下層の原料となるN2ガスを反応容器内に導入して、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気とし、反応容器内の圧力を3Paとした。続いて、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を500℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、最下層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、基材の表面に表3に示す組成の最下層を形成した。
最下層を形成した後、引き続き、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気とし、反応容器内の圧力を3Paとした。続いて、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を600℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、上層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、最下層の表面に表3に示す組成の上層を形成した。得られた比較品5の被覆切削工具を冷却し、そして反応容器内から取り出した。
比較品7については、アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、表3に示す被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置した。続いて、基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内の試料ホルダーに取り付けて、発明品1〜20と同様な条件でArイオンボンバードメント処理を行った。
Arイオンボンバードメント処理後、反応容器内の圧力を1×10−2Pa以下の真空にしてArガスを排出し、最下層の原料となるN2ガスを反応容器内に導入して、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気とし、反応容器内の圧力を3Paとした。続いて、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を750℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、最下層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、基材の表面に表3に示す組成の最下層を形成した。
最下層を形成した後、引き続き、反応容器内の雰囲気をN2ガスとCH4ガスの分圧比がN2:CH4=1:1となるように混合した混合ガス雰囲気とし、反応容器内の圧力2.7Paとした。続いて、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を600℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、上層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、最下層の表面に表3に示す組成の上層を形成した。その後、得られた比較品7の被覆切削工具を冷却し、そして反応容器内から取り出した。
比較品8、9については、アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、表3に示す被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置した。続いて、基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内の試料ホルダーに取り付けて、発明品1〜20と同様な条件でArイオンボンバードメント処理を行った。
Arイオンボンバードメント処理後、反応容器内の圧力を1×10−2Pa以下の真空にしてArガスを排出し、最下層の原料となるN2ガスを反応容器内に導入して、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気とし、反応容器内の圧力を3Paとした。続いて、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を750℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、最下層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、基材の表面に表3に示す組成の最下層を形成した。
最下層を形成した後、引き続き、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気とし、反応容器内の圧力を3Paとした。続いて、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を600℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、上層の原料となる各金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、各金属蒸発源を交互にアーク放電により蒸発させた。これにより、表3に示す、組成が異なるA層とB層とからなる交互積層構造体を持つ上層を形成した。このときA層とB層のアーク放電時間を調整して、A層の平均層厚とB層の平均層厚がそれぞれ100nmとなるように制御した。この交互積層構造体の上層を形成した後、得られた比較品の被覆切削工具を冷却し、反応容器内から取り出した。
[切削試験]
得られた発明品及び比較品の被覆切削工具試料を下記のカッターに取り付けて、下記の条件で切削試験を行った。
得られた発明品及び比較品の被覆切削工具試料を下記のカッターに取り付けて、下記の条件で切削試験を行った。
<切削試験条件>
被削材:FCD600、
切削速度:150m/min、
送り:0.2mm/tooth、
切り込み:2.0mm
切削幅:46mm、
クーラント:不使用(ドライ加工)
加工距離:(1)0.8m、(2)2.0m、(3)工具寿命に至るまでの加工距離、
工具寿命の判定:最大逃げ面摩耗幅が0.2mmに至ったときを工具寿命とする、
カッター:有効径80mmのカッター。
被削材:FCD600、
切削速度:150m/min、
送り:0.2mm/tooth、
切り込み:2.0mm
切削幅:46mm、
クーラント:不使用(ドライ加工)
加工距離:(1)0.8m、(2)2.0m、(3)工具寿命に至るまでの加工距離、
工具寿命の判定:最大逃げ面摩耗幅が0.2mmに至ったときを工具寿命とする、
カッター:有効径80mmのカッター。
被覆層の耐剥離性を評価するために、(1)加工距離0.8mまで切削試験した試料と、(2)加工距離2.0mまで切削試験した試料について、それぞれ被覆層が剥離して基材が露出した面積を測定した。具体的には、切削試験後、試料の表面に溶着した被削材を王水で除去してから、試料表面をSEMで観察し、SEMの組成像から画像解析ソフトを用いて基材が露出した面積(mm2)を測定した。基材が露出した面積(mm2)を表4、5に記載した。また、(3)工具寿命に至るまで加工した試料の加工距離を表4、5に記載した。
表4、5に示すように発明品は、加工距離0.8m、2.0mのいずれにおいても比較品よりも基材が露出した面積は小さく、被覆層は耐剥離性に優れることが分かる。また、発明品の工具寿命に至るまでの加工距離は、比較品のそれよりも長い。これは、発明品の工具寿命は比較品の工具寿命よりも長いことを示している。
1 基材
2 被覆層
3 最下層
4 上層
5 被削材が溶着する部分
6 被覆層が剥離する部分
7 クラック
8 基材
9 被覆層
10 最下層
11 上層
12 被削材が溶着する部分
13 被覆層が剥離する部分
2 被覆層
3 最下層
4 上層
5 被削材が溶着する部分
6 被覆層が剥離する部分
7 クラック
8 基材
9 被覆層
10 最下層
11 上層
12 被削材が溶着する部分
13 被覆層が剥離する部分
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されない。なお、以下で製造した発明品、参考品及び比較品の被覆切削工具における被覆層の各層の組成及び平均層厚、並びに最下層構成粒子の平均粒径は以下のようにして測定した。
<各層の組成>
発明品、参考品及び比較品の被覆切削工具の製造に使用したアークイオンプレーティング装置の反応容器内で、金属蒸発源に対向する側の被覆切削工具試料の断面をダイヤモンドペーストで鏡面研磨した。得られた試料の断面から、被覆層の各層の組成を株式会社日立ハイテクノロジーズ製走査電子顕微鏡S−6600および透過電子顕微鏡付属のEDSを用いて測定した。
発明品、参考品及び比較品の被覆切削工具の製造に使用したアークイオンプレーティング装置の反応容器内で、金属蒸発源に対向する側の被覆切削工具試料の断面をダイヤモンドペーストで鏡面研磨した。得られた試料の断面から、被覆層の各層の組成を株式会社日立ハイテクノロジーズ製走査電子顕微鏡S−6600および透過電子顕微鏡付属のEDSを用いて測定した。
<最下層構成粒子の平均粒径>
発明品、参考品及び比較品の被覆切削工具試料の最下層構成粒子の平均粒径は以下のように測定した。最下層の表面に形成された上層をイオンミリングによって除去した。上層を除去して現れた最下層の表面を、株式会社TSLソリューションズ製EBSD装置を用い、ステップサイズを0.01μm、測定範囲を2μm×2μmに設定し、方位差が5°以上の境界を粒界とする最下層の表面組織の画像から、最下層構成粒子の平均粒径を求めた。
発明品、参考品及び比較品の被覆切削工具試料の最下層構成粒子の平均粒径は以下のように測定した。最下層の表面に形成された上層をイオンミリングによって除去した。上層を除去して現れた最下層の表面を、株式会社TSLソリューションズ製EBSD装置を用い、ステップサイズを0.01μm、測定範囲を2μm×2μmに設定し、方位差が5°以上の境界を粒界とする最下層の表面組織の画像から、最下層構成粒子の平均粒径を求めた。
発明品1〜4,15,17,19、参考品5〜14,16,18,20については、アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、表1に示す被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置した。続いて、基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内の試料ホルダーに取り付けて、反応容器内の圧力を1×10−2Pa以下の真空とし、炉内ヒーターで基材の温度が500℃になるまで加熱した。
最下層を形成した後、引き続き、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気とし、反応容器内の圧力を3Paとし、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を600℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、上層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、最下層の表面に表1に示す組成の上層を形成した。その後、得られた発明品及び参考品の被覆切削工具を冷却し、そして反応容器内から取り出した。
発明品21、参考品22については、アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、表1に示す被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置した。続いて、基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内の試料ホルダーに取り付けて、発明品1〜4,15,17,19、参考品5〜14,16,18,20と同様な条件でArイオンボンバードメント処理を行った。
最下層を形成した後、引き続き、反応容器内の雰囲気をN2ガスとCH4ガスの分圧比がN2:CH4=1:1となるように混合した混合ガス雰囲気とし、反応容器内の圧力2.7Paとし、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を600℃とした。基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、上層の原料となる金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、最下層の表面に表1に示す組成の上層を形成した。その後、得られた発明品及び参考品の被覆切削工具を冷却し、そして反応容器内から取り出した。
発明品23〜25,29、参考品26〜28,30については、アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、表2に示す被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置した。続いて、基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内の試料ホルダーに取り付けて、発明品1〜4,15,17,19、参考品5〜14,16,18,20と同様な条件でArイオンボンバードメント処理を行った。
最下層を形成した後、引き続き、反応容器内の雰囲気を窒素雰囲気とし、反応容器内の圧力を3Paとし、炉内ヒーターで基材を加熱して基材の温度を600℃とした。そして、基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、上層の原料となる各金属蒸発源の中心の磁束密度を15mTとし、アーク電流を150Aとする被覆条件で、各金属蒸発源を交互にアーク放電により蒸発させた。これにより、表2に示す、組成が異なるA層とB層とからなる交互積層構造体を持つ上層を形成した。このときA層とB層のアーク放電時間を調整して、A層の平均層厚とB層の平均層厚がそれぞれ100nmとなるように制御した。この交互積層構造体の上層を形成した後、得られた発明品及び参考品の被覆切削工具を冷却し、そして反応容器内から取り出した。
比較品1〜3、6については、アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、表3に示す被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置した。続いて、基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内の試料ホルダーに取り付けて、発明品1〜4,15,17,19、参考品5〜14,16,18,20と同様な条件でArイオンボンバードメント処理を行った。
比較品4については、アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、表3に示す被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置し、基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内の試料ホルダーに取り付けて、発明品1〜4,15,17,19、参考品5〜14,16,18,20と同様な条件でArイオンボンバードメント処理を行った。
比較品5については、アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、表3に示す被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置した。続いて、基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内の試料ホルダーに取り付けて、発明品1〜4,15,17,19、参考品5〜14,16,18,20と同様な条件でArイオンボンバードメント処理を行った。
比較品7については、アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、表3に示す被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置した。続いて、基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内の試料ホルダーに取り付けて、発明品1〜4,15,17,19、参考品5〜14,16,18,20と同様な条件でArイオンボンバードメント処理を行った。
比較品8、9については、アークイオンプレーティング装置の反応容器内に、表3に示す被覆層(最下層、上層)の組成になる金属蒸発源を設置した。続いて、基材をアークイオンプレーティング装置の反応容器内の試料ホルダーに取り付けて、発明品1〜4,15,17,19、参考品5〜14,16,18,20と同様な条件でArイオンボンバードメント処理を行った。
[切削試験]
得られた発明品、参考品及び比較品の被覆切削工具試料を下記のカッターに取り付けて、下記の条件で切削試験を行った。
得られた発明品、参考品及び比較品の被覆切削工具試料を下記のカッターに取り付けて、下記の条件で切削試験を行った。
表4、5に示すように発明品及び参考品は、加工距離0.8m、2.0mのいずれにおいても比較品よりも基材が露出した面積は小さく、被覆層は耐剥離性に優れることが分かる。また、発明品及び参考品の工具寿命に至るまでの加工距離は、比較品のそれよりも長い。これは、発明品及び参考品の工具寿命は比較品の工具寿命よりも長いことを示している。
Claims (13)
- 基材と基材の表面に形成された被覆層とからなり、被覆層は表面側の上層と基材側の最下層とからなり、
最下層は(AlaTibMc)N[但し、MはZr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Y、BおよびSiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表し、aはAl元素とTi元素とM元素の合計に対するAl元素の原子比を表し、bはAl元素とTi元素とM元素の合計に対するTi元素の原子比を表し、cはAl元素とTi元素とM元素の合計に対するM元素の原子比を表し、a、b、cは、0.30≦a≦0.70、0.30≦b≦0.70、0≦c≦0.20、a+b+c=1を満足する。]で構成され、
最下層を構成する(AlaTibMc)Nの粒子の平均粒径が400nm以下である被覆切削工具。 - a、b、cは、0.50≦a≦0.70、0.30≦b≦0.50、0≦c≦0.20、a+b+c=1を満足する請求項1に記載の被覆切削工具。
- 最下層を構成する(AlaTibMc)Nの粒子の平均粒径が10〜400nmである請求項1または2に記載の被覆切削工具。
- 最下層の平均層厚は0.1〜1μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の被覆切削工具。
- 上層は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Y、AlおよびSiから選択される金属元素の少なくとも1種からなる金属;並びに、これら金属元素の少なくとも1種と炭素、窒素、酸素および硼素から選択される非金属元素の少なくとも1種とからなる化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む単層または多層構造体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の被覆切削工具。
- 上層全体の平均層厚は0.2〜10μmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の被覆切削工具。
- 基材と基材の表面に形成された被覆層とからなり、被覆層は表面側の上層と基材側の最下層とからなり、
最下層は(AldCreLf)N[但し、LはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Y、BおよびSiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表し、dはAl元素とCr元素とL元素の合計に対するAl元素の原子比を表し、eはAl元素とCr元素とL元素の合計に対するCr元素の原子比を表し、fはAl元素とCr元素とL元素の合計に対するL元素の原子比を表し、d、e、fは、0.20≦d≦0.75、0.25≦e≦0.80、0≦f≦0.20、d+e+f=1を満足する。]で構成され、
最下層を構成する(AldCreLf)Nの粒子の平均粒径が400nm以下である被覆切削工具。 - d、e、fは、0.40≦d≦0.75、0.25≦e≦0.60、0≦f≦0.20、d+e+f=1を満足する請求項7に記載の被覆切削工具。
- d、e、fは、0.40≦d≦0.75、0.25≦e≦0.60、0≦f≦0.20、d≧e、d+e+f=1を満足する請求項7または8に記載の被覆切削工具。
- 最下層を構成する(AldCreLf)Nの粒子の平均粒径が10〜400nmである請求項7〜9のいずれか1項に記載の被覆切削工具。
- 最下層の平均層厚は0.1〜1μmである請求項7〜10のいずれか1項に記載の被覆切削工具。
- 上層は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Y、AlおよびSiから選択される金属元素の少なくとも1種からなる金属;並びに、これら金属元素の少なくとも1種と炭素、窒素、酸素および硼素から選択される非金属元素の少なくとも1種とからなる化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む単層または多層構造体である請求項7〜11のいずれか1項に記載の被覆切削工具。
- 上層全体の平均層厚は0.2〜10μmである請求項7〜12のいずれか1項に記載の被覆切削工具。
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