以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1ないし図13に第1の実施の形態を示す。
図1および図2に示すように、硬貨処理装置11は、機体12を備え、この機体12内の上部には硬貨の入出金を処理する入出金部13が配設され、機体12内の下部には入出金部13に硬貨を補充するとともに入出金部13から硬貨を受け入れる補充回収部14が配設されている。入出金部13および補充回収部14は、メンテナンス時や硬貨詰まり等のエラー発生時に鍵による解錠操作によって機体12から前方または後方に引き出し可能とする。
機体12の前側上面には、入金する硬貨を受け入れ、内部から送り出される硬貨を払い出す入出金口21が設けられている。機体12の前面には、入金する硬貨と一緒に混入した異物等を返却する異物返却口22が設けられている。
入出金口21の下側には硬貨を受収する受皿23が配置され、この受皿23の反転によって受収した硬貨を下方へ放出可能としている。
入出金部13内には、前面から見て上部が左側方向に所定角度で傾斜するベース24が配設され、このベース24の上方に臨む表面側に硬貨を搬送する入出金搬送路25が配設されている。この入出金搬送路25は、機体12の前後方向に略水平に設けられる第1の搬送路部26、この第1の搬送路部26の上方で機体12の前後方向に略水平に設けられる第2の搬送路部27、これら第1の搬送路部26と第2の搬送路部27との後部間を上下方向に接続する第3の搬送路部28、および第1の搬送路部26と第2の搬送路部27との前部間を上下方向に接続する第4の搬送路部29を備え、環状に形成されている。ここで、第1の搬送路部26から第3の搬送路部28および第2の搬送路部27へ向けて硬貨を搬送する方向を第1の搬送方向であって入金搬送方向F1と呼び、逆に、第2の搬送路部27から第3の搬送路部28、第1の搬送路部26および第4の搬送路部29へ向けて硬貨を搬送する方向を第2の搬送方向であって出金搬送方向F2と呼ぶ。
入出金搬送路25の第1の搬送路部26の前側に入金繰出部31が接続配置され、この第1の搬送路部26の入金繰出部31より後側および第2の搬送路部27に金種別の複数の収納繰出部32が接続配置されている。入金繰出部31は、入出金搬送路25内を出金搬送方向F2に搬送する硬貨を分岐して受け入れ可能とするとともに入出金搬送路25に対して入金搬送方向F1に繰り出し可能とする。複数の収納繰出部32は、入出金搬送路25内を入金搬送方向F1に搬送する硬貨を分岐して受け入れ可能とするとともに入出金搬送路25に対して出金搬送方向F2に繰り出し可能とする。
入金繰出部31は、入出金口21および受皿23の下方に位置し、受皿23から放出される硬貨を図示しないシュートを通じて受収可能とする。
入出金搬送路25の第1の搬送路部26には、入金繰出部31と収納繰出部32との間に、搬送する硬貨の少なくとも金種、真偽、正損などを適宜選択して識別する識別部33が配設されている。
入出金搬送路25の第1の搬送路部26には、最前部の収納繰出部32とその後側の収納繰出部32との間に入金搬送方向F1に搬送する硬貨を分岐可能とするオーバーフロー通路34および回収通路35が接続されている。これらオーバーフロー通路34および回収通路35の下部は補充回収部14に接続されている。
入出金搬送路25の第2の搬送路部27には、最前部の収納繰出部32の前側に入金搬送方向F1に搬送する硬貨を分岐可能とする一時保留通路36が接続され、この一時保留通路36に硬貨を振り分け可能とする取り忘れ通路37が接続されている。
一時保留通路36の下部は、硬貨を非整列状態で一括して一時保留するとともに、一時保留した硬貨を図示しないシュートを介して入金繰出部31に放出可能とする一時保留部38が接続されている。
取り忘れ通路37の下部は、機体12から着脱可能な取り忘れボックス39に接続されている。
また、入出金搬送路25は、ベース24の表面に形成されていて硬貨の面が接する通路面41、およびこの通路面41の両側で硬貨の周縁をガイドする両側のガイド部42を備えている。さらに、入出金搬送路25内の硬貨を搬送する無端状の搬送体としてのベルト43が複数のプーリ44によって掛け回されている。
図3に示すように、通路面41に対向するベルト43の面からは複数のピン45がベルト長手方向に所定のピッチで突設され、隣り合う2つのピン45の間に硬貨(図面には符号Cで示す)を受け入れ、ベルト43の回転によりピン45で硬貨を押動させながら搬送する。
そして、ベルト43は、図示しないモータの駆動により、入金搬送方向F1および出金搬送方向F2の双方向に正逆転し、入出金搬送路25内の硬貨を正逆双方向へ搬送可能としている。
また、図1に示すように、入出金搬送路25には、入金繰出部31および各収納繰出部32の接続部分に、入金繰出部31、および各収納繰出部32と入出金搬送路25との間で硬貨を出し入れするかベルト43で搬送する硬貨を搬送方向下流側へ通過させるかに応じて選択的に振り分ける振分部材47が配設されている。さらに、入出金搬送路25には、オーバーフロー通路34、回収通路35、および一時保留通路36の接続部分に、入出金搬送路25から各通路34,35,36に硬貨を取り込むかベルト43で搬送する硬貨を搬送方向下流側へ通過させるかに応じて選択的に振り分ける振分部材47が配設されている。なお、各振分部材は、向き等に違いがあるだけで、硬貨を振り分ける基本構造および動作は同一となっている。
図3には、入金繰出部31の振分部材47を示す。この振分部材47は、硬貨を案内する案内部48と、入金繰出部31の硬貨出入口を閉塞して硬貨の侵入を阻止する閉塞部49と、これら案内部48および閉塞部49を揺動可能に支持する支持部50を一体に備えている。
案内部48は、入出金搬送路25に対して硬貨をスムーズに出し入れ可能とするように凹曲面状に設けられている。
閉塞部49には、入金繰出部31の硬貨出入口を閉塞する状態のときに、下側のガイド部42と同一面となって硬貨の周縁をガイドするガイド面51が設けられている。
支持部50は、入出金搬送路25の幅方向の軸を支点として回動可能とし、ソレノイドなどの電気的駆動手段で回動される。そして、硬貨を入出金搬送路25から入金繰出部31へ振り分けるとき、および硬貨を入金繰出部31から入出金搬送路25へ繰り出すときには、案内部48が入出金搬送路25の通路面41より突出するとともに閉塞部49が入金繰出部31の硬貨出入口を開放状態とした硬貨振分位置に振分部材47が位置する。一方、硬貨を入出金搬送路25から入金繰出部31へ振り分けない、および硬貨を入金繰出部31から入出金搬送路25へ繰り出さないときには、案内部48が入出金搬送路25の通路面41に埋没するとともに閉塞部49が入出金搬送路25の硬貨出入口を閉塞状態とした硬貨通過位置に振分部材47が位置する。入出金搬送路25の通路面41には、案内部48が出没するための開口部が形成されている。振分部材47の案内部48には入出金搬送路25より突出したときにベルト43との干渉を避ける溝部52が形成されている。
なお、各収納繰出部32用、および各通路34,35,36用の各振分部材47は、上述したように向きが異なるだけで入金繰出部31用の振分部材47と基本的に同様に構成され、電気的駆動手段で駆動される。
また、図3および図4に示すように、入金繰出部31は、水平方向に対して所定角度で傾斜する位置で回転軸59を中心に回転可能な回転円盤60、この回転円盤60の表面側との間で硬貨を貯留するホッパ61、および入金繰出部31の硬貨出入口の近傍に配置される受渡し円盤62などを備えている。
回転円盤60は、機体12側に回転可能に取り付けられた回転軸59により、機体12の前面から見て、水平方向に対して右方向に傾斜していて、回転円盤60の左側が高く、右側が低く、回転円盤60の表面が機体12の右斜め上方に対向するように配設されている。回転円盤60は、ベルト43や受渡し円盤62と連動して、硬貨を入出金搬送路25へ繰り出す繰出回転方向(図6の矢印方向)にモータで回転駆動する。回転円盤60は、硬貨詰まりの発生時にその硬貨詰まりの解消のために繰出回転方向と反対の反繰出回転方向に回転駆動可能としてもよい。
回転円盤60の表面には、中央域に円形の高位部64が形成され、この高位部64の外周域に環状の低位部65が形成されている。回転円盤60の高位部64と低位部65との間には、処理する硬貨のうちの最小硬貨厚みより少し小さい寸法で、硬貨の周縁が厚み方向に1枚載る段差部66が形成されている。
低位部65には、回転円盤60の表面から突出する複数の拾上部材67が、内周側の円周方向と外周側の円周方向との2列の円周方向に沿って所定ピッチで配置されている。そして、回転円盤60の繰出回転方向への回転時に、内周側の各拾上部材67が段差部66との間で硬貨を1枚ずつ保持して回転円盤60の上部域に拾い上げ、外周側の各拾上部材67が内周側の各拾上部材67で回転円盤60の上部域に拾い上げた硬貨を入金繰出部31の硬貨出入口へ向けて押し出すとともに受渡し円盤62に受け渡すように構成されている。
段差部66は、各拾上部材67との間で硬貨を1枚ずつ保持可能とする各位置毎に設けられている。したがって、円周方向に複数の段差部66が設けられている。これら段差部66の間には、高位部64と低位部65との段差を傾斜面として、拾上部材67と段差部66とで保持されない硬貨を下方へ滑落させる滑落部68が形成されている。
回転円盤60の上部域には、拾上部材67で回転円盤60の上部域に拾い上げた硬貨を入金繰出部31の硬貨出入口へ向けて繰り出す案内通路69が形成されている。この案内通路69は、回転円盤60の表面と面一であって入出金搬送路25に連続した通路面41と、上下のガイド部材70,71との間に形成されている。
上側のガイド部材70は、回転円盤60の上部域から入金繰出部31の硬貨出入口の一方の縁部側にかけて、回転円盤60および通路面41の表面より突出して設けられている。
下側のガイド部材71は、低位部65の表面に硬貨が入り込まない間隙をあけて対向した状態で、段差部66側から入金繰出部31の硬貨出入口の他方の縁部側にわたって設けられている。このガイド部材71の案内通路69内に臨む内縁は、振分部材47の案内部48に連続する曲面に形成されている。ガイド部材71の低位部65に対向する面には、回転移動する各拾上部材67が通過する溝部72が形成されている。そして、ガイド部材71により、拾上部材67で拾い上げた硬貨を段差部66から受け取って入金繰出部31の硬貨出入口へ案内するように構成されている。
また、ホッパ61は、回転円盤60の表面側に対向して覆うとともに上方から硬貨を受け入れ可能に上方に向けて開口された形状に形成されている。
ホッパ61の下部には、排出口76が形成され、この排出口76に排出ゲート77が上部側の軸78を支点として開閉可能に取り付けられている。排出ゲート77は、軸78を介してモータやソレノイド等のゲート駆動部により開閉駆動される。
また、受渡し円盤62は、案内通路69と入出金搬送路25とにまたがった位置に、受渡し円盤62の表面が通路面41と面一となるように回転可能に配置されている。受渡し円盤62の外周縁部には、硬貨に当接して回転円盤60側から入出金搬送路25側へ繰り出す突起80が突設されている。
受渡し円盤62は、入出金搬送路25のベルト43と連動して回転し、ベルト43が入金搬送方向F1に移動するときには、突起80が入金繰出部31の硬貨出入口から入出金搬送路25内へ移動する繰出回転方向であって、突起80で硬貨を回転円盤60側から入出金搬送路25へ繰り出す繰出回転方向に回転し、また、ベルト43が出金搬送方向F2に移動するときには、突起80が入出金搬送路25側から入金繰出部31の硬貨出入口内へ移動する反繰出回転方向に回転する。
なお、入金繰出部31の回転円盤60、ホッパ61および受渡し円盤62等の構成について説明したが、各収納繰出部32においても、回転円盤60、ホッパ61および受渡し円盤62等を備え、上述したように向きが異なるだけで基本的に同一の構成に形成されている。ただし、ホッパ61の排出口76や排出ゲート77などは、各収納繰出部32には設けられない。
また、入金繰出部31の下方には、この入金繰出部31のホッパ61の排出ゲート77が開放されることによって、入金繰出部31に残留する異物を受け入れて異物返却口22に送り込む異物シュート83が配置されている。この異物シュート83の途中には異物を異物返却口22へ返却しない運用の場合に異物を回収する異物回収箱84が機体12から着脱可能に配置されている。
次に、図1および図2に示すように、補充回収部14は、硬貨収納部として、機体12内の前側下部位置に固定配置されたオーバーフロースタッカ91、および機体12内の後面から後側下部位置に着脱可能に配置される硬貨カセット92を備え、さらに、オーバーフロースタッカ91と硬貨カセット92との間にこれらオーバーフロースタッカ91および硬貨カセット92から繰り出される硬貨を上方の入出金部13に搬送する補充搬送路93を備えている。
オーバーフロースタッカ91の内部には、硬貨を非整列状態で収納する収納空間95、およびこの収納空間95の底部を構成して硬貨を後面の繰出口96から補充搬送路93に繰り出すベルト97が配設されている。
硬貨カセット92は、硬貨を非整列状態で収納する収納空間98、およびこの収納空間98の底部を構成して硬貨を後面の繰出口99から補充搬送路93に繰り出すベルト100が配設されている。
オーバーフロースタッカ91には、入出金運用時に入出金部13の識別部33で正常硬貨と識別されなかったリジェクト硬貨を収納するリジェクトボックスとしての運用リジェクトボックス102と、補充時に入出金部13の識別部33で正常硬貨と識別されなかったリジェクト硬貨を収納するリジェクトボックスとしての補充リジェクトボックス103とを備えている。これら運用リジェクトボックス102および補充リジェクトボックス103は、機体12から着脱して分離可能な分離型として構成されている。
硬貨カセット92には、入出金運用時に入出金部13の識別部33で正常硬貨と識別されなかったリジェクト硬貨を収納するリジェクトボックスとしての運用リジェクトボックス104と、補充時に入出金部13の識別部33で正常硬貨と識別されなかったリジェクト硬貨を収納するリジェクトボックスとしての補充リジェクトボックス105とを備えている。これら運用リジェクトボックス104および補充リジェクトボックス105は、硬貨カセット92と一体に機体12に着脱可能な一体型として構成されている。
そして、オーバーフロー通路34から導かれる硬貨を、このオーバーフロー通路34に設けられた図示しない切換機構により、オーバーフロースタッカ91の収納空間95、運用リジェクトボックス102、および補充リジェクトボックス103のいずれかに切り換えて収納させるように構成されている。
さらに、回収通路35から導かれる硬貨を、この回収通路35に設けられた図示しない切換機構により、硬貨カセット92の収納空間98、運用リジェクトボックス104、および補充リジェクトボックス105のいずれかに切り換えて収納させるように構成されている。
補充搬送路93は、オーバーフロースタッカ91と硬貨カセット92とから繰り出される硬貨を受け入れる横搬送部108、およびこの横搬送部108から硬貨を上方に搬送する縦搬送部109が設けられた搬送コンベヤ110を備えている。縦搬送部109は、入出金部13の側部であって、入出金搬送路25や入金繰出部31および収納繰出部32に対向する側部に配置され、図2に実線で示すように機体12内に配置されて硬貨を搬送する位置と、図2に2点鎖線で示すように機体12の外側に移動して入出金部13との間を解放可能とする位置との間で揺動可能としている。
補充搬送路93は、搬送コンベヤ110の縦搬送部109で上方に搬送した硬貨を受け入れて入金繰出部31へ導く補充シュート112を備えている。
また、図示していないが、硬貨処理装置11を制御する制御部、入出金処理に関する操作をする操作部、および各種表示事項を表示する表示部等を備えている。
次に、第1の実施の形態の作用を説明する。
まず、図5において、入金処理を説明する。
図5(a)は、入金処理において、入金硬貨の計数一時保留動作を示す。
機体12の入出金口21から受皿23に投入された硬貨は、この受皿23の反転によって下方へ放出され、図示しないシュートを通じて入金繰出部31に受け入れる。受皿23は、反転後に硬貨を受収する姿勢に復帰する。
入金繰出部31内に受け入れた硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、一時保留部38の振分部材47で入出金搬送路25から一時保留部38に振り分け、一時保留部38内に収納する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、一時保留部38の位置を通過して入出金搬送路25から硬貨を受収する姿勢に復帰している受皿23に放出し、返却する。
また、図5(b)には、入金処理において、異物返却動作を示す。
入金繰出部31内の硬貨を検知する図示しないセンサの検知に基づき、入金繰出部31から繰り出されずに残留する異物が存在すると判断した場合、あるいは入金繰出部31から全ての硬貨の繰り出しが完了した後、入金繰出部31のホッパ61の排出ゲート77を開き、入金繰出部31から繰り出されずに入金繰出部31内に残留するクリップおよび紙片や変形硬貨等の異物を下方の異物シュート83に放出し、異物返却口22に返却するか、あるいは異物回収箱84に回収する。異物の返却場所は、硬貨処理装置11の運用方法に応じて選択設定できる。
また、図5(c)には、入金処理において、一時保留した硬貨の収納動作を示す。
投入された全ての硬貨の計数一時保留動作が終了した後、操作部の操作で硬貨収納指令が出されると、一時保留部38内の硬貨を入金繰出部31に放出する。この入金繰出部31から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、該当金種の硬貨を収納する収納繰出部32の振分部材47で入出金搬送路25から収納繰出部32に振り分け、収納繰出部32内に収納する。
収納繰出部32の硬貨収納枚数が所定の満杯枚数に達した場合には、それ以降の該当金種の硬貨は、オーバーフロー硬貨とし、オーバーフロー通路34の振分部材47でオーバーフロー通路34に振り分け、オーバーフロー通路34を通じてオーバーフロースタッカ91の収納空間95へ送り込んで収納する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、オーバーフロー通路34の振分部材47でオーバーフロー通路34に振り分け、オーバーフロー通路34を通じてオーバーフロースタッカ91の運用リジェクトボックス102へ送り込んで収納する。
また、図5(d)には、入金処理において、一時保留した硬貨の返却動作を示す。
投入された全ての硬貨の計数一時保留動作が終了した後、操作部の操作で硬貨返却指令が出されると、一時保留部38内の硬貨を入金繰出部31に放出する。この入金繰出部31から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この入出金搬送路25から入出金口21の受皿23に放出して返却する。
次に、図6において、出金処理について説明する。
図6(a)には、出金処理において、硬貨の計数出金動作を示す。
操作部の操作で出金すべき金種と枚数、または出金すべき金額を含んだ硬貨出金指令を受けると、該当する収納繰出部32内の硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で出金搬送方向F2に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。複数の収納繰出部32から硬貨を投出する場合には、いずれか1つの収納繰出部32から硬貨を投出し、その収納繰出部32からの出金分の硬貨の投出完了後に、次の収納繰出部32から出金分の硬貨を投出するように順番に投出していく。なお、入出金搬送路25に繰り出された硬貨が他の収納繰出部32に対応する振分部材47と干渉しないように、各収納繰出部32内の硬貨を入出金搬送路25へ繰り出すタイミングの整合をとって、該当する複数の収納繰出部32を同時に動作させることもできる。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、入出金搬送路25から入出金口21の受皿23に放出する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、入金繰出部31の振分部材47で入出金搬送路25から入金繰出部31に振り分けて収納する。正常硬貨と識別されなかった硬貨については、収納繰出部32からの投出タイミングとベルト43の搬送によって識別部33に到達するタイミングとから金種がわかるため、該当する金種の収納繰出部32から硬貨1枚分を追加投出する。
そして、出金分の硬貨を入出金口21の受皿23に出金する。
また、図6(b)には、出金処理において、正常硬貨と識別されなかった硬貨の戻し動作を示す。
正常硬貨と識別されなかった硬貨を収納した入金繰出部31から、入金繰出部31内の硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で再識別する。
識別部33での再識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、該当金種の硬貨を収納する収納繰出部32の振分部材47で入出金搬送路25から収納繰出部32に振り分け、収納繰出部32内に収納する。
識別部33での再識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、オーバーフロー通路34の振分部材47でオーバーフロー通路34に振り分け、オーバーフロー通路34を通じてオーバーフロースタッカ91の運用リジェクトボックス102へ送り込んで収納する。
また、図6(c)には、出金処理において、取り忘れ硬貨の回収動作を示す。
出金分の硬貨を入出金口21の受皿23に出金してから所定時間経過しても硬貨が取り出されないことを図示しないセンサで検知したら、取り忘れているものと判断し、受皿23を反転させて硬貨を入金繰出部31に放出し、入金繰出部31に受け入れた硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別後に、一時保留部38の振分部材47で入出金搬送路25から振り分け、振り分けた硬貨を取り忘れ通路37を通じて取り忘れボックス39に回収する。
次に、図7において、オーバーフロースタッカ91からの補充処理について説明する。
このオーバーフロースタッカ91からの補充処理は、硬貨処理装置11の運用中に、ある金種の収納繰出部32の硬貨量が減少し、該当金種の硬貨がオーバーフロースタッカ91に収納されている場合に行われる。
オーバーフロースタッカ91のベルト97が回転し、オーバーフロースタッカ91内の硬貨を補充搬送路93の搬送コンベヤ110に放出する。この搬送コンベヤ110の縦搬送部109で硬貨を上方へ搬送し、縦搬送部109の上部から補充シュート112に放出し、補充シュート112を通じて入金繰出部31へ送り込む。
入金繰出部31から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、該当金種の硬貨を収納する収納繰出部32の振分部材47で入出金搬送路25から収納繰出部32に振り分け、収納繰出部32内に収納する。
収納繰出部32の硬貨収納枚数が所定の満杯枚数に達した場合には、それ以降の該当金種の硬貨は、オーバーフロー硬貨とし、オーバーフロー通路34の振分部材47でオーバーフロー通路34に振り分け、オーバーフロー通路34を通じてオーバーフロースタッカ91の収納空間95へ送り込んで収納する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、オーバーフロー通路34の振分部材47でオーバーフロー通路34に振り分け、オーバーフロー通路34を通じてオーバーフロースタッカ91の補充リジェクトボックス103へ送り込んで収納する。
なお、この補充処理中に入出金の処理が必要となった場合、オーバーフロースタッカ91からの硬貨の繰り出しを一時停止し、搬送途中の硬貨を全て搬送処理した後、必要となった入出金の処理を行い、その処理後、補充処理を再開する。
次に、図8において、硬貨カセット92からの補充処理について説明する。
図8(a)には、補充処理において、硬貨の補充動作を示す。
この硬貨カセット92からの補充処理は、硬貨処理装置11に硬貨が収納されていない初期補充、オーバーフロースタッカ91を含めて収納繰出部32の硬貨量が減少した場合の途中補充がある。
硬貨カセット92のベルト100が回転し、硬貨カセット92内の硬貨を補充搬送路93の搬送コンベヤ110に放出する。この搬送コンベヤ110の縦搬送部109で硬貨を上方へ搬送し、縦搬送部109の上部から補充シュート112に放出し、補充シュート112を通じて入金繰出部31へ送り込む。
入金繰出部31から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、該当金種の硬貨を収納する収納繰出部32の振分部材47で入出金搬送路25から収納繰出部32に振り分け、収納繰出部32内に収納する。
収納繰出部32の硬貨収納枚数が所定の満杯枚数に達した場合には、それ以降の該当金種の硬貨は、オーバーフロー硬貨とし、オーバーフロー通路34の振分部材47でオーバーフロー通路34に振り分け、オーバーフロー通路34を通じてオーバーフロースタッカ91の収納空間95へ送り込んで収納する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、入出金搬送路25から受皿23に放出する。
図8(b)には、補充処理において、正常硬貨と識別されなかった硬貨の再識別動作を示す。
硬貨カセット92から繰り出された全ての硬貨の搬送処理が完了した後、受皿23に硬貨が存在する場合には、受皿23を反転させて硬貨を入金繰出部31に放出し、入金繰出部31から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で再識別する。
識別部33での再識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、該当金種の硬貨を収納する収納繰出部32の振分部材47で入出金搬送路25から収納繰出部32に振り分け、収納繰出部32内に収納する。
識別部33での再識別の結果、正常硬貨と識別されたが、硬貨収納枚数が所定の満杯枚数に達している金種であった場合には、その硬貨は、オーバーフロー硬貨とし、オーバーフロー通路34の振分部材47でオーバーフロー通路34に振り分け、オーバーフロー通路34を通じてオーバーフロースタッカ91の収納空間95へ送り込んで収納する。
識別部33での再識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、回収通路35の振分部材47で回収通路35に振り分け、回収通路35を通じて硬貨カセット92の補充リジェクトボックス105へ送り込んで収納する。
次に、図9において、入出金口21からの補充処理を説明する。
図9(a)には、補充処理において、硬貨の計数一時保留動作を示す。
機体12の上面の入出金口21から受皿23に投入された補充用の硬貨は、この受皿23の反転によって入金繰出部31に放出する。受皿23は反転後に硬貨を受収する姿勢に復帰する。
入金繰出部31内に受け入れた硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、一時保留部38の振分部材47で入出金搬送路25から一時保留部38に振り分け、一時保留部38内に収納する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、一時保留部38の位置を通過して入出金搬送路25から硬貨を受収する姿勢に復帰している受皿23に放出して返却する。
また、図9(b)には、補充処理において、硬貨の補充動作を示す。
投入された全ての硬貨の計数一時保留動作が終了した後、操作部の操作で硬貨収納指令が出されると、一時保留部38内の硬貨を入金繰出部31に放出する。この入金繰出部31から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、該当金種の硬貨を収納する収納繰出部32の振分部材47で入出金搬送路25から収納繰出部32に振り分け、収納繰出部32内に収納する。
収納繰出部32の硬貨収納枚数が所定の満杯枚数に達した場合には、それ以降の該当金種の硬貨は、オーバーフロー硬貨とし、オーバーフロー通路34の振分部材47でオーバーフロー通路34に振り分け、オーバーフロー通路34を通じてオーバーフロースタッカ91の収納空間95へ送り込んで収納する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、オーバーフロー通路34の振分部材47でオーバーフロー通路34に振り分け、オーバーフロー通路34を通じてオーバーフロースタッカ91の運用リジェクトボックス102へ送り込んで収納する。
次に、図10において、収納繰出部32の回収処理について説明する。
図10(a)に、収納繰出部32から入金繰出部31への硬貨の移動動作を示す。
操作部の操作で回収指令が出されると、ある1つの収納繰出部32内の硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で出金搬送方向F2に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別後、入金繰出部31の振分部材47で入金繰出部31に振り分けて収納させる。
図10(b)に、入金繰出部31から硬貨カセット92への硬貨の回収動作を示す。
入金繰出部31から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、回収通路35の振分部材47で回収通路35に振り分け、回収通路35を通じて硬貨カセット92へ送り込んで回収する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、オーバーフロー通路34の振分部材47でオーバーフロー通路34に振り分け、オーバーフロー通路34を通じてオーバーフロースタッカ91の運用リジェクトボックス102へ送り込んで収納する。
そして、このような回収動作を全ての収納繰出部32について順次行う。
次に、図11において、オーバーフロースタッカ91からの回収処理について説明する。
図11(a)に、オーバーフロースタッカ91から硬貨カセット92への硬貨の回収動作を示す。
オーバーフロースタッカ91のベルト97が回転し、オーバーフロースタッカ91内の硬貨をオーバーフロースタッカ91の後面から補充搬送路93の搬送コンベヤ110に放出する。この搬送コンベヤ110の縦搬送部109で硬貨を上方へ搬送し、縦搬送部109の上部から補充シュート112に放出し、補充シュート112を通じて入金繰出部31へ送り込む。
入金繰出部31から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、回収通路35の振分部材47で回収通路35に振り分け、回収通路35を通じて硬貨カセット92へ送り込んで回収する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、入出金搬送路25から受皿23に放出する。
図11(b)に、正常硬貨と識別されなかった硬貨の再識別動作を示す。
オーバーフロースタッカ91から繰り出された全ての硬貨の搬送処理が完了した後、受皿23に正常硬貨と識別されなかった硬貨が存在する場合には、受皿23を反転させて硬貨を入金繰出部31に放出し、入金繰出部31から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、回収通路35の振分部材47で回収通路35に振り分け、回収通路35を通じて硬貨カセット92へ送り込んで回収する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、オーバーフロー通路34の振分部材47でオーバーフロー通路34に振り分け、オーバーフロー通路34を通じてオーバーフロースタッカ91の運用リジェクトボックス102へ送り込んで収納する。
次に、図12において、各収納繰出部32に収納されている硬貨を精査する精査処理について説明する。
図12(a)には、精査処理において、収納繰出部32から入金繰出部31への硬貨の計数一時保留動作を示す。
精査指令を受けると、いずれか1つの収納繰出部32から、収納繰出部32内の硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で出金搬送方向F2に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33で識別した硬貨は、入金繰出部31の振分部材47で入出金搬送路25から入金繰出部31に振り分けて収納する。
また、図12(b)には、精査処理において、入金繰出部31から収納繰出部32への硬貨の戻し動作を示す。
精査する収納繰出部32内の全ての硬貨を識別して入金繰出部31に移動させた後、入金繰出部31内の硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、該当金種の硬貨を収納する収納繰出部32の振分部材47で入出金搬送路25から収納繰出部32に振り分け、収納繰出部32内に収納する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、オーバーフロー通路34の振分部材47でオーバーフロー通路34に振り分け、オーバーフロー通路34を通じてオーバーフロースタッカ91の運用リジェクトボックス102へ送り込んで収納する。
そして、このような収納繰出部32から入金繰出部31への硬貨の識別および移動後、入金繰出部31から元の収納繰出部32への硬貨の識別および移動を、全ての収納繰出部32について順番に実施し、機体12内の全ての収納繰出部32に収納された硬貨を精査する。
次に、図13において、オーバーフロースタッカ91に収納されている硬貨を精査する精査処理について説明する。
このオーバーフロースタッカ91に収納されている硬貨の精査は、硬貨カセット92に硬貨が収納されていないことを確認した場合に限り行うことができ、硬貨カセット92に硬貨が収納されている場合には行うことはできない。
図13(a)に、精査処理において、オーバーフロースタッカ91から硬貨カセット92への硬貨の移動動作を示す。
オーバーフロースタッカ91のベルト97が回転し、オーバーフロースタッカ91内の硬貨を補充搬送路93の搬送コンベヤ110に放出する。この搬送コンベヤ110の縦搬送部109で硬貨を上方へ搬送し、縦搬送部109の上部から補充シュート112に放出し、補充シュート112を通じて入金繰出部31へ送り込む。
入金繰出部31から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別後、回収通路35の振分部材47で回収通路35に振り分け、回収通路35を通じて硬貨カセット92へ送り込んで収納する。
また、図13(b)に、硬貨カセット92からオーバーフロースタッカ91への硬貨の戻し動作を示す。
オーバーフロースタッカ91から繰り出された硬貨の移動動作後、硬貨カセット92のベルト100が回転し、硬貨カセット92内の硬貨を補充搬送路93の搬送コンベヤ110に放出する。この搬送コンベヤ110の縦搬送部109で硬貨を上方へ搬送し、縦搬送部109の上部から補充シュート112に放出し、補充シュート112を通じて入金繰出部31へ送り込む。
入金繰出部31から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、オーバーフロー通路34の振分部材47でオーバーフロー通路34に振り分け、オーバーフロー通路34を通じてオーバーフロースタッカ91の収納空間95へ送り込んで収納する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、入出金搬送路25から受皿23に放出し、硬貨カセット92からの硬貨の戻し動作の終了後に、正常硬貨と識別されなかった硬貨の再識別動作を行う。すなわち、受皿23を反転させて硬貨を入金繰出部31に放出し、入金繰出部31から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で再識別する。識別部33での再識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、オーバーフロー通路34の振分部材47でオーバーフロー通路34に振り分け、オーバーフロー通路34を通じてオーバーフロースタッカ91の収納空間95へ送り込んで収納する。識別部33での再識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、オーバーフロー通路34の振分部材47でオーバーフロー通路34に振り分け、オーバーフロー通路34を通じてオーバーフロースタッカ91の運用リジェクトボックス102へ送り込んで収納する。
なお、上述した各処理において、入出金搬送路25のベルト43は、入金搬送方向F1および出金搬送方向F2に対してそれぞれ逆方向にも回転可能であるため、入出金搬送路25で入金搬送方向F1または出金搬送方向F2に搬送する硬貨が詰まりを生じた場合に、ベルト43を逆転させて、詰まりの生じた硬貨を繰り出し元に戻すような詰まり解除動作ができる。そして、詰まり硬貨が繰り出し元に戻って正常な状態に復帰した後、再度、繰り出し動作をやり直すリトライ動作が可能である。
このように構成された硬貨処理装置11では、入金繰出部31、および複数の収納繰出部32のそれぞれに、水平方向に対して所定角度に傾斜する位置で回転する回転円盤60およびこの回転円盤60の表面側に硬貨を非整列状態で収納するホッパ61を備え、入出金搬送路25から硬貨を受け入れたり回転円盤60の回転によって硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25へ繰り出す構成を用いたため、一度に大量の硬貨を取り扱うことができ、それでいて搬送構造が簡素化できて小型かつ安価に構成でき、硬貨詰まり等のトラブルの発生も低減でき、また、補充回収部14から硬貨を入出金部13に補充でき、大量の出金にも対応できるとともに、入出金部13から送り込まれる硬貨も収納したり回収でき、大量の硬貨の取扱いに対応できる。
一時保留部38は、入金繰出部31より上方に位置し、硬貨収納指令時には硬貨を入金繰出部31へ放出するだけでよいため、一時保留部38の構成を簡単にできる。
また、補充回収部14には、機体12に固定配置されるオーバーフロースタッカ91と、機体12に着脱可能に配置される硬貨カセット92とを備え、収納繰出部32が満杯となった金種の硬貨の収納やこの収納した硬貨の補充にオーバーフロースタッカ91を用いることができ、外部からの硬貨の補充や機体12内からの硬貨の回収に硬貨カセット92を用いることができ、適宜使い分けることができる。
補充回収部14のオーバーフロースタッカ91および硬貨カセット92は、硬貨を非整列状態で収納し、硬貨を収納する空間の底部を構成するベルト97,100の回転によって硬貨を補充搬送路93へ繰出可能とするため、大量の硬貨の取り扱いに対応できる。
また、補充搬送路93では、オーバーフロースタッカ91および硬貨カセット92から繰り出される硬貨を横搬送部108に受け入れて縦搬送部109で上方に搬送するため、硬貨を入金繰出部31に落下させて送り込むことが可能となり、搬送構造を簡素化できる。
入出金部13の側部に位置する補充搬送路93の縦搬送部109は、入出金部13との間を解放可能とするため、入出金部13でのトラブル発生時の対応を容易にできる。
また、オーバーフロースタッカ91が、入出金運用時のリジェクト硬貨を収納する運用リジェクトボックス102と、補充時のリジェクト硬貨を収納する補充リジェクトボックス103とを備え、これら運用リジェクトボックス102および補充リジェクトボックス103が機体12から分離可能とし、また、硬貨カセット92が、入出金運用時のリジェクト硬貨を収納する運用リジェクトボックス104と、補充時のリジェクト硬貨を収納する補充リジェクトボックス105とを備え、これら運用リジェクトボックス104および補充リジェクトボックス105が硬貨カセット92と一体に機体12に着脱可能とし、入出金運用時と補充時とでリジェクト硬貨を区別して管理できるとともに、リジェクト硬貨の取扱い方法を自由に選択できる。
次に、図14ないし図20に第2の実施の形態を示す。
この第2の実施の形態の硬貨処理装置11は、第1の実施の形態の硬貨処理装置11に対して内部構成のレイアウトの一部が異なっているだけであり、そのため、主に第1の実施の形態との相違点について説明し、第1の実施の形態と同じ機能を有する構成については同一符号を用いてその説明を省略する。
図14に示すように、入出金搬送路25は、機体12の前後方向に略水平に設けられる第1の搬送路部26、この第1の搬送路部26の上方で機体12の前後方向に略水平に設けられる第2の搬送路部27、これら第1の搬送路部26と第2の搬送路部27との後部間を上下方向に接続する第3の搬送路部28で構成されている。この入出金搬送路25には、図示していないが、入出金搬送路25内の硬貨を搬送するベルト43が配置されている。ここで、第2の搬送路部27から第3の搬送路部28および第1の搬送路部26へ向けて硬貨を搬送する方向を第1の搬送方向であって入金搬送方向F1と呼び、逆に、第1の搬送路部26から第3の搬送路部28および第2の搬送路部27へ向けて硬貨を搬送する方向を第2の搬送方向であって出金搬送方向F2と呼ぶ。
また、入出金搬送路25の第1の搬送路部26の前端に入金繰出部31が接続配置され、この第1の搬送路部26の入金繰出部31より後側および第2の搬送路部27に金種別の複数の収納繰出部32が接続配置され、第2の搬送路部27の収納繰出部32より前側に一時保留部38が接続配置され、第2の搬送路部27の前端が入出金口21に接続されている。
入金繰出部31は、入出金搬送路25内を入金搬送方向F1に搬送する硬貨を分岐して受け入れ可能とするとともに入出金搬送路25に対して出金搬送方向F2に繰り出し可能とする。複数の収納繰出部32は、入出金搬送路25内を入金搬送方向F1に搬送する硬貨を分岐して受け入れ可能とするとともに入出金搬送路25に対して出金搬送方向F2に繰り出し可能とする。一時保留部38は、入出金搬送路25内を出金搬送方向F2に搬送する硬貨を分岐して受け入れ可能とするとともに入出金搬送路25に対して入金搬送方向F1に繰り出し可能とする。
これら入金繰出部31、各収納繰出部32および一時保留部38は、第1の実施の形態で説明したように、回転円盤60、ホッパ61および受渡し円盤62等を備え、硬貨の収納および繰り出しが可能となっている。入金繰出部31のみは、ホッパ61の排出口76や排出ゲート77などが異物排出機能を備えている。
入出金搬送路25の各収納繰出部32および一時保留部38の接続部分には、各収納繰出部32および一時保留部38と入出金搬送路25との間で硬貨を出し入れするかベルト43で搬送する硬貨を搬送方向下流側へ通過させるかに応じて選択的に振り分ける振分部材47が配設されている。
また、入出金搬送路25の第2の搬送路部27には、一時保留部38と収納繰出部32との間に、搬送する硬貨の少なくとも金種、真偽、正損などを適宜選択して識別する識別部33が配設されている。
入出金搬送路25の第1の搬送路部26には、入金繰出部31と最前部の収納繰出部32との間に硬貨をオーバーフロースタッカ91に分岐するオーバーフロー硬貨分岐部121が設けられ、最前部の収納繰出部32と最前部から2番目の収納繰出部32との間に硬貨をオーバーフロースタッカ91側に分岐する取り忘れ硬貨分岐部122が設けられ、前から2番目と3番目の収納繰出部32との間に硬貨を硬貨カセット92側に分岐するリジェクト硬貨分岐部123が設けられ、前から3番目と4番目の収納繰出部32との間に硬貨を硬貨カセット92内に分岐する回収硬貨分岐部124が設けられている。
また、図14および図15に示すように、オーバーフロースタッカ91は、入出金搬送路25からオーバーフロー硬貨分岐部121で分岐される硬貨を収納可能とするとともに、ベルト97によって補充搬送路93に繰り出し可能とする。このオーバーフロースタッカ91には、取り忘れ硬貨を収納する取り忘れボックス127、および任意に設定される所定の硬貨の収納に利用可能な予備ボックス128を備えている。入出金搬送路25から取り忘れ硬貨分岐部122で分岐された硬貨が、取り忘れ硬貨通路129およびこの取り忘れ硬貨通路129に設けられた図示しない切換機構により、取り忘れボックス127および予備ボックス128のいずれか一方に導かれて収納される。これら取り忘れボックス127および予備ボックス128は、機体12から個別に着脱可能な分離型として構成されている。
硬貨カセット92は、入出金搬送路25から回収硬貨分岐部124で分岐される硬貨を収納可能とするとともに、ベルト100によって補充搬送路93に繰り出し可能とする。硬貨カセット92には、入出金運用時に識別部33で正常硬貨と識別されなかったリジェクト硬貨を収納するリジェクトボックスとしての運用リジェクトボックス104、および補充時に入出金部13の識別部33で正常硬貨と識別されなかったリジェクト硬貨を収納するリジェクトボックスとしての補充リジェクトボックス105を備えている。入出金搬送路25からリジェクト硬貨分岐部123で分岐された硬貨が、図示しない通路およびこの通路に設けられた切換機構により、運用リジェクトボックス104および補充リジェクトボックス105のいずれか一方に導かれて収納される。これら運用リジェクトボックス104および補充リジェクトボックス105は、硬貨カセット92と一体に機体12に着脱可能な一体型として構成されている。
補充搬送路93は、オーバーフロースタッカ91および硬貨カセット92から繰り出される硬貨を受け入れて、一時保留部38に搬送する搬送コンベヤ110を備えている。
次に、第2の実施の形態の作用を説明する。
まず、図16において、入金処理を説明する。
図16(a)には、入金処理において、入金硬貨の計数一時保留動作を示す。
機体12の入出金口21から受皿23に投入された硬貨は、この受皿23の反転によって下方へ放出され、入金繰出部31に受け入れる。受皿23は、反転後に硬貨を受収する姿勢に復帰する。
入金繰出部31内に受け入れた硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で出金搬送方向F2に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、一時保留部38の振分部材47で入出金搬送路25から一時保留部38に振り分け、一時保留部38内に収納する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、一時保留部38の位置を通過して入出金搬送路25から硬貨を受収する姿勢に復帰している受皿23に放出し、返却する。
また、図16(b)には、入金処理において、異物返却動作を示す。
入金繰出部31内の硬貨を検知する図示しないセンサの検知に基づき、入金繰出部31から繰り出されずに残留する異物が存在すると判断した場合、あるいは入金繰出部31から全ての硬貨の繰り出しが完了した後、入金繰出部31のホッパ61の排出ゲート77を開き、入金繰出部31から繰り出されずに入金繰出部31内に残留するクリップおよび紙片や変形硬貨等の異物を下方の異物シュート83に放出し、異物返却口22に返却する。
また、図16(c)には、入金処理において、一時保留した硬貨の収納動作を示す。
投入された全ての硬貨の計数一時保留動作が終了した後、操作部の操作で硬貨収納指令が出されると、一時保留部38内の硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、該当金種の硬貨を収納する収納繰出部32の振分部材47で入出金搬送路25から収納繰出部32に振り分け、収納繰出部32内に収納する。
収納繰出部32の硬貨収納枚数が所定の満杯枚数に達した場合には、それ以降の該当金種の硬貨は、オーバーフロー硬貨とし、オーバーフロー硬貨分岐部121で分岐し、オーバーフロースタッカ91に送り込んで収納する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、オーバーフロー硬貨分岐部121で分岐し、オーバーフロースタッカ91に送り込んで収納するか、リジェクト硬貨分岐部123で分岐し、硬貨カセット92の運用リジェクトボックス104に送り込んで収納する。
また、図16(d)(e)には、入金処理において、一時保留した硬貨の返却動作を示す。
図16(d)に示すように、投入された全ての硬貨の計数一時保留動作が終了した後、操作部の操作で硬貨返却指令が出されると、一時保留部38内の硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、入金繰出部31内に収納する。
続いて、図16(e)に示すように、入金繰出部31から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で出金搬送方向F2に搬送し、入出金口21の受皿23に放出して返却する。
次に、図17において、出金処理について説明する。
図17(a)には、出金処理において、硬貨の計数出金動作を示す。
操作部の操作で出金すべき金種と枚数、または出金すべき金額を含んだ硬貨出金指令を受けると、該当する収納繰出部32内の硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で出金搬送方向F2に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、入出金搬送路25から入出金口21の受皿23に放出する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、一時保留部38の振分部材47で入出金搬送路25から一時保留部38に振り分けて収納する。正常硬貨と識別されなかった硬貨については、収納繰出部32からの投出タイミングとベルト43の搬送によって識別部33に到達するタイミングとから金種がわかるため、該当する金種の収納繰出部32から硬貨1枚分を追加投出する。
そして、出金分の硬貨を入出金口21の受皿23に出金する。
また、図17(b)には、出金処理において、正常硬貨と識別されなかった硬貨の戻し動作を示す。
正常硬貨と識別されなかった硬貨を収納した一時保留部38から、一時保留部38内の硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で再識別する。
識別部33での再識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、該当金種の硬貨を収納する収納繰出部32の振分部材47で入出金搬送路25から収納繰出部32に振り分け、収納繰出部32内に収納する。
識別部33での再識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、オーバーフロー硬貨分岐部121で分岐し、オーバーフロースタッカ91に送り込んで収納する。
また、図17(c)(d)には、出金処理において、取り忘れ硬貨の回収動作を示す。
図17(c)に示すように、出金分の硬貨を入出金口21の受皿23に出金してから所定時間経過しても硬貨が取り出されないことを図示しないセンサで検知したら、硬貨を取り忘れているものと判断し、受皿23を反転させて硬貨を入金繰出部31に放出し、入金繰出部31に受け入れた硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で出金搬送方向F2に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別し、一時保留部38の分岐部材47で入出金搬送路25から一時保留部38に振り分けて収納する。
続いて、図17(d)に示すように、一時保留部38から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を取り忘れ硬貨分岐部122で分岐して取り忘れボックス127に回収する。
次に、図18において、補充処理について説明する。
図18(a)は、オーバーフロースタッカ91からの補充処理を示す。
このオーバーフロースタッカ91からの補充処理は、硬貨処理装置11の運用中に、ある金種の収納繰出部32の硬貨量が減少し、該当金種の硬貨がオーバーフロースタッカ91に収納されている場合に行われる。
オーバーフロースタッカ91のベルト97が回転し、オーバーフロースタッカ91内の硬貨を補充搬送路93の搬送コンベヤ110に放出する。この搬送コンベヤ110の縦搬送部109で硬貨を上方へ搬送し、縦搬送部109の上部から一時保留部38に放出する。
一時保留部38から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、該当金種の硬貨を収納する収納繰出部32の振分部材47で入出金搬送路25から収納繰出部32に振り分け、収納繰出部32内に収納する。
収納繰出部32の硬貨収納枚数が所定の満杯枚数に達した場合には、それ以降の該当金種の硬貨は、オーバーフロー硬貨とし、オーバーフロー硬貨分岐部121で分岐し、オーバーフロースタッカ91に送り込んで収納する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、オーバーフロー硬貨分岐部121で分岐し、オーバーフロースタッカ91に送り込んで収納する。
また、図18(b)は、硬貨カセット92からの補充処理を示す。
この硬貨カセット92からの補充処理は、硬貨処理装置11に硬貨が収納されていない初期補充、オーバーフロースタッカ91を含めて収納繰出部32の硬貨量が減少した場合の途中補充がある。
硬貨カセット92のベルト100が回転し、硬貨カセット92内の硬貨を補充搬送路93の搬送コンベヤ110に放出する。この搬送コンベヤ110の縦搬送部109で硬貨を上方へ搬送し、縦搬送部109の上部から一時保留部38に放出する。
一時保留部38から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、該当金種の硬貨を収納する収納繰出部32の振分部材47で入出金搬送路25から収納繰出部32に振り分け、収納繰出部32内に収納する。
収納繰出部32の硬貨収納枚数が所定の満杯枚数に達した場合には、それ以降の該当金種の硬貨は、オーバーフロー硬貨とし、オーバーフロー硬貨分岐部121で分岐し、オーバーフロースタッカ91に送り込んで収納する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、リジェクト硬貨分岐部123で分岐し、補充リジェクトボックス105に送り込んで収納する。
また、図18(c)(d)は、入出金口21からの補充処理を示す。
図18(c)に示すように、機体12の上面の入出金口21から受皿23に投入された補充用の硬貨は、この受皿23の反転によって入金繰出部31に放出する。受皿23は反転後に硬貨を受収する姿勢に復帰する。
入金繰出部31内に受け入れた硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で出金搬送方向F2に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、一時保留部38の振分部材47で入出金搬送路25から一時保留部38に振り分け、一時保留部38内に収納する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、一時保留部38の位置を通過して入出金搬送路25から硬貨を受収する姿勢に復帰している受皿23に放出して返却する。
また、図18(d)に示すように、投入された全ての硬貨の計数一時保留動作が終了した後、操作部の操作で硬貨収納指令が出されると、一時保留部38から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、該当金種の硬貨を収納する収納繰出部32の振分部材47で入出金搬送路25から収納繰出部32に振り分け、収納繰出部32内に収納する。
収納繰出部32の硬貨収納枚数が所定の満杯枚数に達した場合には、それ以降の該当金種の硬貨は、オーバーフロー硬貨とし、オーバーフロー硬貨分岐部121で分岐し、オーバーフロースタッカ91に送り込んで収納する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、オーバーフロー硬貨分岐部121で分岐し、オーバーフロースタッカ91に送り込んで収納する。
次に、図19において、回収処理について説明する。
図19(a)(b)は、収納繰出部32からの回収動作を示す。
図1(a)に示すように、操作部の操作で回収指令が出されると、ある1つの収納繰出部32内の硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で出金搬送方向F2に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別後、一時保留部38の振分部材47で一時保留部38に振り分けて収納させる。
続いて、図19(b)に示すように、一時保留部38から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、回収硬貨分岐部124で分岐し、硬貨カセット92に送り込んで回収する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、オーバーフロー硬貨分岐部121で分岐し、オーバーフロースタッカ91に送り込んで収納する。
そして、このような回収動作を全ての収納繰出部32について順次行う。
また、図19(c)は、オーバーフロースタッカ91からの回収処理を示す。
オーバーフロースタッカ91のベルト97が回転し、オーバーフロースタッカ91内の硬貨をオーバーフロースタッカ91から補充搬送路93の搬送コンベヤ110に放出する。この搬送コンベヤ110の縦搬送部109で硬貨を上方へ搬送し、縦搬送部109の上部から一時保留部38に放出する。
一時保留部38から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、回収硬貨分岐部124で分岐し、硬貨カセット92に送り込んで回収する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、リジェクト硬貨分岐部123で分岐し、運用リジェクトボックス104に送り込んで回収する。
次に、図20において、精査処理について説明する。
図20(a)(b)は、収納繰出部32の精査動作を示す。
図20(a)に示すように、精査指令を受けると、いずれか1つの収納繰出部32から、収納繰出部32内の硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で出金搬送方向F2に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別後、一時保留部38の振分部材47で一時保留部38に振り分けて収納させる。
続いて、図20(b)に示すように、精査する収納繰出部32内の全ての硬貨を識別して一時保留部38に移動させた後、一時保留部38内の硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、該当金種の硬貨を収納する収納繰出部32の振分部材47で入出金搬送路25から収納繰出部32に振り分け、収納繰出部32内に収納する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、オーバーフロー硬貨分岐部121で分岐し、オーバーフロースタッカ91に送り込んで収納する。
そして、このような収納繰出部32から一時保留部38への硬貨の識別および移動後、一時保留部38から元の収納繰出部32への硬貨の識別および移動を、全ての収納繰出部32について順番に実施し、機体12内の全ての収納繰出部32に収納された硬貨を精査する。
また、図20(c)(d)は、オーバーフロースタッカ91の精査動作を示す。
このオーバーフロースタッカ91に収納されている硬貨の精査動作は、硬貨カセット92に硬貨が収納されていないことを確認した場合に限り行うことができ、硬貨カセット92に硬貨が収納されている場合には行うことはできない。
図20(c)に示すように、オーバーフロースタッカ91のベルト97が回転し、オーバーフロースタッカ91内の硬貨を補充搬送路93の搬送コンベヤ110に放出する。この搬送コンベヤ110の縦搬送部109で硬貨を上方へ搬送し、縦搬送部109の上部から一時保留部38に放出する。
一時保留部38から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別後、回収硬貨分岐部124で分岐し、硬貨カセット92に送り込んで収納する。
また、図20(d)に示すように、オーバーフロースタッカ91から繰り出された硬貨の移動動作後、硬貨カセット92のベルト100が回転し、硬貨カセット92内の硬貨を補充搬送路93の搬送コンベヤ110に放出する。この搬送コンベヤ110の縦搬送部109で硬貨を上方へ搬送し、縦搬送部109の上部から一時保留部38に放出する。
一時保留部38から硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25に繰り出し、この入出金搬送路25内に繰り出した硬貨を1枚ずつベルト43で入金搬送方向F1に搬送し、この搬送する硬貨を識別部33で識別する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別された硬貨は、オーバーフロー硬貨分岐部121で分岐し、オーバーフロースタッカ91に送り込んで収納する。
識別部33での識別の結果、正常硬貨と識別されなかった硬貨は、リジェクト硬貨分岐部123で分岐し、運用リジェクトボックス104に送り込んで収納する。
このように構成された硬貨処理装置11では、入金繰出部31、複数の収納繰出部32、および一時保留部38のそれぞれに、水平方向に対して所定角度に傾斜する位置で回転する回転円盤60およびこの回転円盤60の表面側に硬貨を非整列状態で収納するホッパ61を備え、入出金搬送路25から硬貨を受け入れたり回転円盤60の回転によって硬貨を1枚ずつ入出金搬送路25へ繰り出す構成を用いたため、一度に大量の硬貨を取り扱うことができ、それでいて搬送構造が簡素化できて小型かつ安価に構成でき、硬貨詰まり等のトラブルの発生も低減でき、また、補充回収部14から硬貨を入出金部13に補充でき、大量の出金にも対応できるとともに、入出金部13から送り込まれる硬貨も収納したり回収でき、大量の硬貨の取扱いに対応できる。
なお、前記各実施の形態において、機体12の前部側に硬貨カセット92を着脱可能に配置し、機体12の後部側にオーバーフロースタッカ91を固定配置してもよい。
また、リジェクト硬貨の収納先は、オーバーフロースタッカ91の運用リジェクトボックス102および補充リジェクトボックス103と、硬貨カセット92の運用リジェクトボックス104および補充リジェクトボックス105とのいずれでもよく、運用方法に応じて選択設定できる。