本発明は、楽曲情報や画像情報、店情報、旅先情報などのコンテンツをユーザ端末で入手することのできる、キオスクなどのデータ通信装置、端末機器、およびそれを用いたデータ通信システムに関する。
従来のこの種のデータ通信装置は、入手するコンテンツに関する情報を顧客情報としてユーザ毎に保存する顧客データベースと、ユーザを特定するID情報を取得するID取得手段と、ID情報に対応する顧客情報を用いてそのユーザ毎に操作ボタンを表示する表示手段とを備えるものが知られている(特許文献1参照)。この技術によれば、ユーザに不要な操作ボタンを表示することなくユーザ固有の操作ボタンを表示することができるので、ユーザが望むコンテンツ画面に早く到達することができる。
特開2004‐13765号公報
しかしながら、このような従来のデータ通信装置では、複数の人がデータ通信装置を操作することを想定していない。したがって、同じコンテンツ画面を所望するユーザが複数人いる場合であっても、ユーザ毎に同じ操作ボタンの繰り返しが必要であり、各ユーザは長い待ち時間が必要である。
また、上記特許文献1に記載のような従来のデータ通信装置では、各ユーザの操作時間は短縮されるが、それぞれのユーザ毎にID情報が必要である。したがって、同じコンテンツ画面を所望するにもかかわらず、複数人が同時にデータ端末を操作することができず、やはり待ち時間が発生した。
本発明の目的は、上記従来のデータ通信装置の課題を解決することであり、同じコンテンツ画面であっても、同じコンテンツ画面でなくても、コンテンツ画面の内容にかかわらず、複数のユーザが同時に操作することができ、各ユーザが所望のコンテンツを同時に取得でき、待ち時間の発生しないデータ通信装置、端末機器、およびそれを用いたデータ通信システムを提供することである。
本発明のデータ通信装置は、端末機器とコンテンツを通信するための通信素子を複数個有する通信部と、通信部の所定の通信素子にコンテンツを転送する転送部と、複数個の通信素子の中から、コンテンツが転送される通信素子を決定する対応情報作成部とを備えている。
これにより、複数のユーザへ同時に同じコンテンツを提供でき、待ち時間が発生せず、またコンテンツを取得できる領域を動的に変えることができるので、より多くのユーザへコンテンツを提供するなど、コンテンツの提供に関する操作が容易である。
さらに、本発明の端末機器は、コンテンツを通信するための通信素子を複数個有する通信部と、通信部の所定の通信素子にコンテンツを転送する転送部と、複数個の通信素子の中から、コンテンツが転送される通信素子を決定する対応情報作成部とを備え、通信部はコンテンツを送信する前にコンテンツを識別する情報を送信するデータ通信装置との間で、コンテンツが転送される通信素子を介してコンテンツとコンテンツを識別する情報を受信するコンテンツ受信部を有する端末機器であって、受信したコンテンツを識別する情報に基づいて、コンテンツの受信の可否を判断する受信判定部を備えた構成を有している。
これにより、データ通信装置の通信部との間でコンテンツを識別する情報の通信を行って、事前にコンテンツ受信の可否を判断するので、間違ったコンテンツの受信を防ぐことができる。
さらに、本発明のデータ通信システムは、コンテンツを通信するための通信素子を複数個有する通信部と、通信部の所定の通信素子にコンテンツを転送する転送部と、複数個の通信素子の中から、コンテンツが転送される通信素子を決定する対応情報作成部とを有するデータ通信装置と、データ通信装置との間で通信素子を介してコンテンツを受信する端末機器とを備えた構成を有している。
これにより、端末機器とデータ通信装置との間で事前にコンテンツの内容を確認してから、間違いのないコンテンツの受信を行うことができる。
本発明のデータ通信装置は、対応情報作成部により、多数の通信素子の中から、コンテンツが転送される通信素子を決定することができるので、複数のユーザへ同時に同じコンテンツを提供でき、待ち時間が発生せず、またコンテンツを取得できる領域を変えることができるので、より多くのユーザへコンテンツを提供するなど、コンテンツの提供に関する操作が容易である。
本発明のデータ通信装置の実施の形態1にかかる構成を示すブロック図
実施の形態1の対応情報の例を示す概念図
実施の形態1の動作を示すフロー図
本発明のデータ通信装置の実施の形態2にかかる構成を示すブロック図
実施の形態2の構成を示す上面図
実施の形態2の動作を示すフロー図
以下、本発明のデータ通信装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明のデータ通信装置の実施の形態1にかかる構成を示すブロック図である。
本実施の形態では、いろいろなジャンルの音楽を配信することができるデータ通信装置を例に説明するが、これに限定されない。本発明は、映画のような動画像、写真などの静止画像、コンサート、映画、スポーツ観戦、博物館などのチケット、列車、および飛行機などのチケットなどの、各種のコンテンツ配信サービスにも適用することができる。
まず、図1を用いて、本実施の形態の概略を説明する。
図1において、本実施の形態であるデータ通信装置の装置本体11は、表示部12と、表示部12上に設けられた通信部14とを備えている。表示部12は、提供する複数のコンテンツにそれぞれ対応したコンテンツ領域121〜125を表示する。通信部14には、通信素子13‐1〜13‐15(以下、いずれかを特定しない場合は通信素子13と記す)が複数個マトリクス状に形成されている。通信素子13は、例えばシートアンテナであり、ミリ波UWB(ウルトラ・ワイド・バンド)による指向性のある無線通信が可能となっている。なお、通信手段は、ミリ波UWBに限らず、マイクロ波や光通信などでも良い。
さらに、装置本体11は、表示制御部15、通信素子制御部16、および転送部17を備えている。表示制御部15は、表示部12の表示内容を制御する。通信素子制御部16は、通信部14の通信素子13を制御する。転送部17は、ユーザの要求するコンテンツを、通信素子13のうち、そのコンテンツを供給する通信素子13に転送する。
さらに、装置本体11は、コンテンツ取得部18およびコンテンツ関連情報取得部19を備えている。コンテンツ取得部18は、コンテンツを取得し保存する。コンテンツ関連情報取得部19は、コンテンツに関連する、例えば統計情報などのコンテンツ関連情報を、取得し保存する。
さらに、装置本体11は、対応情報作成部20を備えている。対応情報作成部20は、コンテンツ関連情報取得部19が取得したコンテンツ関連情報に基づいて、コンテンツと通信素子13と表示部12との対応関係を示す対応情報を作成する。この対応情報は、具体的には、どのコンテンツをどの通信素子13に転送するかを決定し、さらにその通信素子13に対応する表示部12のコンテンツ領域をどのように表示するかを決定する情報である。
さらに、装置本体11は、送信判定部27および全体制御部21を備えている。送信判定部27は、ユーザが使用する端末機器であるユーザ端末22から送信される情報に基づいて、コンテンツの送信の可否を判断する。全体制御部21は、これら各構成要素を制御する。
このような構成からなる装置本体11に対して、ユーザは、ユーザ端末22を、所望するコンテンツ領域121〜125のいずれかの領域にかざす。これにより、その領域の上に位置する通信素子13を介して、ユーザ端末22に所望のコンテンツが配信される。
ユーザ端末22としては、PDA、AV機器、情報端末や携帯電話などが用いられる。ユーザ端末22は、送受信部23、操作部24、端末表示部25、受信判定部28、および制御部26とから構成される。送受信部23は、装置本体11と通信を行う。操作部24は、ユーザの操作を受け付ける。端末表示部25は、受信内容や操作内容などを表示する。受信判定部28は、コンテンツの受信の可否を判断する。制御部26は、ユーザ端末22の全体の制御を行う。
次に、上記各構成要素の詳細について説明する。
表示部12は、液晶表示パネルのようなもので構成され、例えば、J‐POPジャンルの人気順に広い面積を有するコンテンツ領域121〜125を表示している。すなわち、人気No.1が歌手「AA」の楽曲「aa」、No.2が歌手「BB」楽曲「bb」、No.3が歌手「CC」の楽曲「cc」、No.4が歌手「DD」の楽曲「dd」、No.5が歌手「EE」の楽曲「ee」とする。この場合、コンテンツ領域121は、一番面積が大きい赤色の楕円形状で示されており、その領域のコンテンツが楽曲「aa」であることを示している。
以下、楽曲「bb」に対応する青色の円形状のコンテンツ領域122、楽曲「cc」に対応する緑色の楕円形状のコンテンツ領域123、楽曲「dd」に対応する黄色の円形状のコンテンツ領域124、および楽曲「ee」に対応する桃色の円形状のコンテンツ領域125が、この順序で、徐々に面積が小さくなるように表示されている。
各コンテンツ領域121〜125には、各領域だけでなく、少なくともそれぞれのコンテンツを示す楽曲と歌手が表示される。すなわち、コンテンツ領域121には、楽曲「aa」と歌手「AA」が、「aa(AA)」のように表示される。他の、コンテンツ領域122〜125にも同様に、「bb(BB)」〜「ee(EE)」と表示される。これによって、ユーザは、どのコンテンツ領域121〜125からどのようなコンテンツを取得できるかがわかる。
通信部14は、表示部12の表面に設けられている。通信部14の各通信素子13は、ミリ波UWBによってユーザ端末22と通信が可能な、光透過性柔軟性材料からなるシートアンテナとその駆動回路とから構成されている。なお、シートアンテナと駆動回路は、必ずしも本実施の形態のように別体ではなくても良く、一体であっても良い。
各通信素子13は、それぞれが独立して、図示しない薄膜配線によって転送部17に接続されている。
シートアンテナとしては、例えば、光透過性有機材料シートの中に銅やフェライトなどの金属材料をループ状に形成されたものが一般的に用いられる。
絶縁体としては、カバーレイと呼ばれるポリイミド膜もしくはフォトソルダーレジスト膜が一般的に用いられる。また、導体としては、銅が一般的に用いられる。
したがって、通信部14の表面からは、表示部12の各コンテンツ領域121〜125を、通信部14を透過して見ることができる。
これにより、ユーザは、取得したいコンテンツ領域121〜125にユーザ端末22をかざすことによって、その下の通信素子13から、ユーザ端末22への所望のコンテンツの配信を受けることができる。
転送部17は、シートアンテナを制御するドライバ、通信プロトコルなどのミドルウェア、アンテナに対応したコンテンツを転送するアプリケーションソフトウェアから構成されている。
コンテンツ関連情報取得部19は、コンテンツに関連する情報を、インターネットなどを介して外部から取得して保存する。本実施の形態では、コンテンツ関連情報取得部19は、人気ランキング、年齢別人気ランキング、ジャンル別人気ランキング、シングルCD売り上げランキングなどの統計情報を取得する。このような統計情報は、定期的に更新されるものであれば、どれくらいの間隔で更新するかを統計情報から判断することができる。したがって、コンテンツ関連情報取得部19は、例えば、統計情報から適切な更新間隔を判断し、定期的に統計情報を取得して更新し、保存する。
また、コンテンツ関連情報取得部19は、装置本体11で購入された楽曲の情報も履歴として入力し、必要に応じて、その結果を各ランキングに反映する。例えば、コンテンツ関連情報取得部19は、装置本体11での購入ランキング情報として扱ったり、売り上げランキングを更新したりする。
コンテンツ取得部18は、インターネットを介して各種コンテンツを外部から取得し保存する。例えば、コンテンツ取得部18は、コンテンツ関連情報取得部19が取得したランキングにおいてランクされる楽曲を、取得して保存する。
コンテンツには、例えば、mp3ファイルのID3タグ情報のようなコンテンツ付属情報が付属している。この場合、コンテンツ付属情報から、タイトル、アーティスト名、アルバム名などを取得可能である。
なお、データ通信装置は、このコンテンツやコンテンツ関連情報を、インターネットを介してではなく、これらを記憶した各種の記憶媒体を用いて取得するようにしても良い。
対応情報作成部20は、コンテンツ関連情報取得部19で取得したコンテンツ関連情報に基づいて、コンテンツと通信素子13とコンテンツ領域121〜125の対応関係を示す対応情報を作成する。この対応情報は、図2に示すように、人気のある楽曲をどの通信素子13を用いてユーザに提供するか、表示部12のそのコンテンツ領域の表示はどのようにするかを記述する情報である。
例えば、対応情報作成部20は、図2の1行目(ランキングが「1」の行)に示すように、人気ランキングNo.1の楽曲「aa」を、通信部14の左上6個の通信素子13‐1〜13‐3、13‐6〜13‐8から提供するようにする内容の、対応情報を作成する。また、対応情報作成部20は、表示部12に、通信素子13‐1〜13‐3、13‐6〜13‐8の位置に対応する、左上部分のJ個の画素を用いて、赤色の楕円形状のコンテンツ領域121と、その領域内の文字「aa(AA)」とを、5分間表示するという内容の、対応情報を作成する。
ここで、対応情報作成部20は、表示部12の全画素数を分かっている。したがって、コンテンツ供給側が、ランキングの何位まで表示するか、隣接ランキングとの面積差をいくらにするかなどを、ユーザの購買予測などを考慮して予め決めておくことにより、対応情報作成部20は、コンテンツ領域121〜125の面積を、自動的に計算することができる。
また、対応情報作成部20は、通信部14の通信素子13の位置や数も予め分かっているので、コンテンツ領域121〜125に対応する通信素子13も自動的に計算して選択することができる。したがって、対応情報作成部20は、各ランキングの色、形状、表示内容、表示時間なども予め決めておくことにより、コンテンツ関連情報取得部19が取得した人気ランキングに基づいて、表示部12を制御するための表示設定を、容易に行なうことができる。
例えば、人気No.1の楽曲は購入希望者が多いと予測される。したがって、対応情報作成部20は、人気No.1の楽曲を示すコンテンツ領域121を、本実施の形態のように一番大きな面積にし、それに対応する通信素子13‐1〜13‐3、13‐6〜13‐8の数も、一番多い数である6本にする。
対応情報作成部20は、他の楽曲に対しても、楽曲「aa」と同様にして、次のように、対応情報を作成する。No.2の楽曲「bb」の対応情報は、図2の2行目(ランキングが「2」の行)に示すように、通信部14の右上部分4個の通信素子13‐4、13‐5、13‐9、13‐10を用いて供給し、表示部12の右上部分のK個の画素を用いて、青色楕円形状のコンテンツ領域122と、その領域内の文字「bb(BB)」とを、5分間表示するという内容である。
No.3の楽曲「cc」の対応情報は、通信部14の左下部分の3個の通信素子13‐11〜13‐13を用いて供給し、表示部12の左下部分L個の画素を用いて、緑色の楕円形状のコンテンツ領域123と、文字「cc(CC)」とを、5分間表示するという内容である。
No.4の楽曲「dd」の対応情報は、通信部14の下中央部の1個の通信素子13‐14を用いて供給し、表示部12の下中央部分のM個の画素を用いて、黄色円形状のコンテンツ領域124と、文字「dd(DD)」とを、5分間表示するという内容である。
No.5の楽曲「ee」は、通信部14の右下部分の1個の通信素子13‐15を用いて供給し、表示部12の右下部分のN個の画素を用いて、桃色円形状のコンテンツ領域125と、文字「ee(EE)」とを、5分間表示するという内容である。
本実施の形態では、コンテンツ関連情報取得部19は、インターネットを介してコンテンツ関連情報を取得する。したがって、コンテンツ関連情報取得部19は、インターネットを介して逐次取得する情報に、すでに保存している情報との相違があれば、そのタイミングで自動的に計算して、保存しているコンテンツ関連情報を更新する。したがって、対応情報作成部20は、コンテンツ関連情報取得部19が保存しているコンテンツ関連情報が更新されるタイミングで、コンテンツ関連情報の対応情報を変更することにより、常に最新の対応情報を生成することができる。
しかし、これに限らず、対応情報作成部20は、所定時間ごとにコンテンツ関連情報取得部19の内容を確認する毎に、対応情報を変更することとしても良い。対応情報の変更のタイミングは、任意に設定することができる。
表示制御部15は、対応情報作成部20により作成された対応情報に基づいて、表示部12での表示駆動を制御する。例えば、表示制御部15は、人気ランキングNo.1〜No.5のコンテンツに対応して、図2に示す対応情報が定める「コンテンツ領域」、「色」、「表示形状」、「表示内容」、「表示間隔」に従って各コンテンツ領域121〜125を表示するように、表示部12の、例えば液晶表示パネルを駆動する。
表示制御部15は、コンテンツ関連情報取得部19が新しいコンテンツ関連情報を取得して更新するまで、同じ状態を表示する。そして、表示制御部15は、コンテンツ関連情報の更新によって、対応情報作成部20が生成するコンテンツと表示部12と通信素子13との対応情報に変化があると判断すれば、その新しい対応情報に基づいて、表示部12の表示を切り替える。例えば、表示制御部15は、ランキングに変化があった場合には、通信素子に対応する「コンテンツ」、「表示内容」が変わるため、表示部12の表示を切り替える。
通信素子制御部16は、対応情報作成部20が作成した対応情報に基づいて、どのコンテンツをどの通信素子13から提供するかに関する転送設定を行なう。
例えば、通信素子制御部16は、図2に示す対応情報に基づいて、人気ランキングNo.1のコンテンツ「aa」を、6個の通信素子13‐1〜13‐3、13‐6〜13‐8から提供できるように、これらの各通信素子13と転送部17に転送の設定をして、準備する。このように、人気の高いコンテンツほど、上記したように、図2に示す対応情報に従って、そのコンテンツ領域に対応してより多くの通信素子13から供給するように、転送設定を行う。
転送部17は、ユーザがユーザ端末22をコンテンツ領域121〜125にかざすことによって、各通信素子13を介してユーザ端末22からの接続要求を受け付ける。この場合、送信判定部27は、ユーザや端末の認証などに基づいて、コンテンツを送信して良いかを判定する。そして、全体制御部21は、統括して、決済などの購入に必要な処理を行う。その後、転送部17は、通信素子制御部16によって行われた設定に従って、それぞれの通信素子13に対応したコンテンツを、コンテンツ取得部18から取り込んで通信素子13に転送する。これによって、ユーザ端末22は、通信素子13から、ユーザ端末22をかざしたコンテンツ領域に対応した楽曲を取得することができる。
送信判定部27は、装置本体11から送信しようとしているコンテンツが、ユーザが取得したいコンテンツかどうかを示す、ユーザ端末22から送信されてくる情報に基づいて、コンテンツの送信の可否を判断する。
ユーザ端末22の送受信部23は、装置本体11の通信素子13との間でミリ波UWBによる通信ができ、認証やコンテンツ確認などのためのデータの送受信を行う。
操作部24は、テンキーや記号キーなどで構成され、ユーザの操作を受け付ける。端末表示部25は、送受信部23により送受信されたコンテンツ内容や、認証時の状況を表示する。
受信判定部28は、送受信部23が受信した、装置本体11から送信されたコンテンツを識別する情報に基づいて、コンテンツの受信の可否を判断する。制御部26は、ユーザ端末22の全体の制御を行う。
図3は、本実施の形態の動作を示すフロー図である。図1、図2を参照しながら、図3を用いてその動作を説明する。
まず、コンテンツ関連情報取得部19は、装置本体11の全体制御部21の指示に基づいて、定期的にインターネットを介してコンテンツ関連情報を取得する。そして、全体制御部21は、コンテンツ関連情報に更新があったかどうかを判断する(S301)。
コンテンツ関連情報に更新がなかった場合(S301のN)、コンテンツ関連情報取得部19は、更新があるまで、上記判断を定期的に繰り返す。
コンテンツ関連情報に更新があった場合(S301のY)、対応情報作成部20は、全体制御部21の指示により、更新があったコンテンツ関連情報に基づいて、コンテンツと表示部12と通信素子13との新しい対応情報を作成する(S302)。
例えば、対応情報作成部20は、コンテンツ関連情報として、コンテンツ名と、ランキングの組み合わせの情報を取得し、図2の対応情報の「コンテンツ」、「表示内容」の欄を更新することで、常に最新の対応情報を生成する。また、コンテンツ関連情報取得部19が、コンテンツ名と、購入数の組み合わせを履歴として集計し、対応情報作成部20が、購入数に応じて、図2の対応情報の「コンテンツ」、「表示内容」を変えることで、常に最新の対応情報を得ることができる。
なお、対応情報作成部20は、購入数に比例して、各ランキングの通信素子の個数、表示している円や楕円の面積を変えても良い。
次に、表示制御部15は、全体制御部21の指示により、対応情報作成部20が作成した新しい対応情報に基づいて、表示設定を行う(S303)。表示設定は、どのコンテンツをどのコンテンツ領域にどのように表示するかなどの、各コンテンツのコンテンツ領域の表示場所や表示内容に関する設定である。
次に、通信素子制御部16は、全体制御部21の指示により、対応情報作成部20が作成した新しい対応情報に基づいて、コンテンツとそれを供給する通信素子13の配信経路など、各コンテンツ領域に対応する通信素子13に、該当するコンテンツを転送できるように転送設定を行う(S304)。
なお、ステップS303とS304は、必ずしも本実施の形態のような順序で行わなくても良く、例えば、並行して行なっても良いし、逆に行っても良い。
この状態で、装置本体11は、ユーザからのコンテンツ購入の要求を待つ。すなわち、全体制御部21は、ユーザによるコンテンツ購入の要求があるか否かを判断する(S305)。
ユーザからのコンテンツ購入の要求がない場合は(S305のN)、全体制御部21は、コンテンツ要求があるまで、上記判断を繰り返す。
その後、ユーザが、自ら所有するユーザ端末22を、表示部12の所望するコンテンツを示すコンテンツ領域121〜125のいずれかの領域内のどこかにかざし、操作部24での操作により送受信部23からコンテンツ購入を要求したとする。この場合、全体制御部21は、通信素子13を介して、非接触通信によるユーザからのコンテンツ購入の要求を検知する(S305のY)。
ここで、操作部24の操作とは、ユーザ端末22に搭載された購入用のアプリケーションを起動させること、ユーザ端末22のメニューからコンテンツ購入という項目を選択することなどである。
ユーザ端末22からコンテンツの購入要求があった場合(S305のY)、装置本体11の送信判定部27は、通信素子13および送受信部23を介して、ユーザ端末22の制御部26からユーザIDを取得し、通常の認証処理を行なう(S306)。
ここで、通常の認証処理とは、コンテンツを要求するユーザが、購入予約を済ませたユーザか否か、カード決済対象カードの所有者か否か、当該コンテンツを購入できる会員か否かなどの、ユーザに関する認証処理を含む。また、使用されているユーザ端末22が、装置本体11が対応できる種類の端末かなどの、ユーザ端末22に関する認証処理をも含む。
認証処理中の進捗状況は、ユーザ端末22の端末表示部25に表示してユーザに伝えられる。ユーザは、この進捗状況を見ながら、必要に応じて操作部24を操作して、認証を行う。
ステップS306で認証が行なえない場合(S306のN)、送信判定部27は、認証の回数が3回かどうかを判断し(S307)、3回目でなければ(S307のN)、再度、認証を行なう(S306)。ステップS307で認証が3回目であれば(S307のY)、送信判定部27は、その結果をユーザ端末22の端末表示部25に表示してユーザに通知し、コンテンツ購入動作を終了する。なお、認証回数は3回に限るものではない。
ステップS306で認証が正しい場合(S306のY)、送信判定部27は、対応情報作成部20で作成した対応情報に基づいて、ユーザ端末22と通信が確立されている通信素子13からユーザがどのコンテンツを要求しているかを判断する。そして、送信判定部27は、通信素子13を介して、ユーザ端末22にそのコンテンツ名などのコンテンツ付属情報を送信する。ユーザ端末22は、装置本体11から送信されたコンテンツ名などのコンテンツ付属情報を送受信部23を介して受信し、受信判定部28の指示により端末表示部25に表示し、ユーザに対して、供給しようとしているコンテンツの内容の確認処理を行なう(S308)。
ユーザ端末22の端末表示部25に表示されたコンテンツ名がユーザの要求したものでない場合、ユーザは、例えば、操作部24に「NO」を入力するなどの操作をする。この場合、ステップS308で、受信判定部28は、コンテンツ名が正しくないことを示す信号を、送受信部23を介して装置本体11の通信素子13に送信する。
コンテンツ名が正しくないことを示す信号が通信素子13で受信されると、装置本体11の送信判定部27は、供給しようとしているコンテンツがユーザの購入したい楽曲でないと判断し(S308のN)、再度、ステップS301に戻ってこれまでの動作を行なう。
一方、ユーザ端末22の端末表示部25に表示されたコンテンツ名がユーザが要求したものである場合、ユーザは、例えば、操作部24に「YES」を入力するなどの操作する。この場合、ステップS308で、受信判定部28は、コンテンツ名が正しいことを示す信号を、送受信部23を介して装置本体11の通信素子13に送信する。
コンテンツ名が正しいことを示す信号が通信素子13で受信されると、装置本体11の送信判定部27は、供給しようとしているコンテンツがユーザの購入したい楽曲であると判断し(S308のY)、当該コンテンツが装置本体11で購入されたというコンテンツ関連情報を、コンテンツ関連情報取得部19に送信する(S309)。
その後、転送部17は、全体制御部21の指示に基づいて、通信素子13を介して、ユーザ端末22との間で通常の決済処理を行なう(S310)。ユーザは、認識処理の経過をユーザ端末22の端末表示部25で確認し、必要な操作を操作部24で行う。
ステップS310で決済処理が完了しなかった場合(S310のN)、装置本体11の全体制御部21は、決済不可の情報を、通信素子13からユーザ端末22の送受信部23に送信する。これにより、ユーザ端末22の制御部26は、端末表示部25に決済不可の情報を表示し、コンテンツ購入動作を終了する。
ステップS310で決済が完了した場合(S310のY)、全体制御部21は、決済完了の情報を、通信素子13を介してユーザ端末22の送受信部23に送信する。これにより、ユーザ端末22の制御部26は、端末表示部25に決済完了の情報を表示する。
これと同時に、転送部17は、装置本体11の全体制御部21の指示により、ユーザ端末22から要求のあったコンテンツを、コンテンツ取得部18から読み込み、ユーザ端末22と通信の接続のある通信素子13に転送する(S311)。
これによって、ユーザは、通信素子13および送受信部23を介して、ユーザ端末22で、要求したコンテンツの配信を受けることができる。
以上のように、本実施の形態では、ユーザは、ユーザ端末22を、表示部12が表示するコンテンツ領域121〜125のうち、ユーザが購入したいコンテンツ領域にかざして購入を要求する操作を行うことにより、所望のコンテンツを入手することができる。すなわち、上記操作により、表示部12の表面に設けられている通信部14の複数の通信素子13のうち、そのコンテンツ領域に対応する通信素子13との通信が確立し、コンテンツ取得部18から通信素子13を介して、購入したコンテンツがユーザ端末22に配信される。
対応情報作成部20は、コンテンツ関連情報取得部19により取得されたコンテンツ関連情報に基づいて、それぞれのコンテンツ領域121〜125の大きさを決める。この結果、例えば、人気の高い楽曲に対応して、大きい面積のコンテンツ領域121が表示される。すなわち、人気の高いコンテンツの領域には、多くの通信素子13が対応しているので、同じコンテンツを要求するたくさんのユーザが各自のユーザ端末22を同じコンテンツ領域121に同時にかざした場合でも、それらのユーザは、同時に同じコンテンツの配信を受けることができる。したがって、人気が高い楽曲でも、複数のユーザは行列をつくることなく、即座に楽曲を入手することができる。
ユーザがコンテンツを購入することによってそのコンテンツのランキングが変動したり、また例えば、人気ランキング自身も変動したりする。本実施の形態では、コンテンツ関連情報取得部19は、ユーザがコンテンツを購入する度にランキングの更新をし、対応情報作成部20は、この更新に基づいて対応情報を更新する。これにより、コンテンツ領域も通信部14も、ランキングの変動に同期して、リアルタイムに動的に変動して、表示を行うことができる。
したがって、ユーザは、表示部12において、リアルタイムに最新情報を知ることができ、その最新の情報に基づいて、コンテンツを選んで購入することができる。
なお、本実施の形態では、データ通信装置は、人気ランキング順に、単にコンテンツ領域121〜125の面積を変えたが、他の情報に対応してこれらの面積その他表示形態を変化させるようにしても良い。例えば、ランキングが100人中の何人が投票したかを示すポイントを、コンテンツ関連情報として取得すれば、ポイントの数値に対応したコンテンツ領域を表示することができる。
例えば、人気ランキングNo.1が45ポイント、No.2が40ポイント、No.3が10ポイント、No.4が5ポイント、No.5が3ポイントであったとする。No.1のコンテンツ領域121は、No.2のコンテンツ領域122よりも少し大きい程度の大きさとし、No.3のコンテンツ領域123は、No.2のコンテンツ領域122に対する大きさの違いが目立つ程度に小さい大きさとする。また、No.4のコンテンツ領域124は、No.3のコンテンツ領域123よりも少し小さい大きさとし、No.5のコンテンツ領域125に対する大きさの差が目立つ程度に大きい大きさとする。このように、ポイント差をコンテンツ領域121〜125の大きさに反映させることによって、各コンテンツの人気の程度を表示部12で表示でき、ユーザの購入の参考に供することができる。
さらに、データ通信装置は、人気ランキングでコンテンツ領域121〜125を表示しつつ、コンテンツ領域121〜125のそれぞれの表示内容に、歌手名や楽曲名以外に、J‐POPランキング順位などの付帯情報を表示するようにしても良い。このような付帯情報も、ユーザの購買の良い参考となる。
また、データ通信装置は、各コンテンツ領域121〜125に、それぞれの歌手の似顔絵や写真などの画像や楽曲をイメージする絵や画像を表示しても良い。この場合、ユーザがコンテンツを選択しやすくなる。
さらに、本実施の形態では、対応情報作成部20は、人気ランキングNo.1〜No.5を表示する内容で対応情報を作成したが、図2の対応情報の「表示間隔」に違いを持たせるなどして、表示時間間隔との対応情報を作成しても良い。例えば、最初の5分はNo.1〜No.5を表示し、次の5分はNo.6〜No.10を表示するという内容の対応情報である。これにより、より多くのコンテンツの提供を行うことができる。
また、表示部12に表示される内容がスポーツの動画の場合には、ユーザは、試合観戦中に、ユーザ端末22を注目する選手の画像にかざすことで、その選手に関する情報を得ることができる。この場合、対応情報作成部20は、動画の再生タイミングに合わせて、選手の表示位置に対応した通信素子と、選手に関する情報を示すコンテンツ名とを、対応情報に記述する。
またさらに、表示部12を大画面とし、通信部14も通信素子13を例えば数百個備えたものとすることによって、細かいコンテンツの提供を行うことができる。
例えば、データ通信装置は、表示部12のコンテンツ領域121〜125を、人気の高い順に異なるジャンルに割り当て、各コンテンツ領域121〜125の中で、各ジャンルの人気ランキングに基づく領域表示をしても良い。
この場合、対応情報作成部20は、図2に示す対応情報に加えて、ジャンルとの対応関係を示す対応情報を作成する。これによって、コンテンツ領域121は、人気の高いJ‐POPのジャンルとし、その領域の中で、上記したようなJ‐POP人気ランキングNo.1〜No.5の楽曲などを表示する。コンテンツ領域122は、人気No.2の洋楽のジャンルとし、その中で人気ランキングNo.1〜No.5の楽曲を表示する。これによって、いろいろな趣味の多くのユーザに対応したデータ通信装置を提供できる。
また、本実施の形態では、コンテンツ領域121〜125の全てで人気ランキングNo.1〜No.5の楽曲のみを配信する例を示したが、これに限定されない。データ通信装置は、コンテンツ領域121〜124を、人気ランキングNo1.〜No.4の楽曲の配信に用い、コンテンツ領域125を人気ランキングNo.5以下の楽曲の配信に用いることもできる。
すなわち、データ通信装置は、人気ランキングNo.5〜No.10の楽曲「ee」〜「jj」に対しては、通信素子13‐15から配信するようにし、コンテンツ領域125を、右下部分のN個の画素を用いて桃色円形状に表示し、その領域内に、「選択」を意味する文字「S」を表示する。
この場合、対応情報作成部20は、図2に示す対応情報に、さらにコンテンツ選択のステップ数を付加し、楽曲「ee」〜「jj」に、異なる値の選択ステップ数を設定し、他の項目については同じ内容とすれば良い。そして、表示制御部15は、選択ステップ数に応じて表示する内容を変えるようにすれば良い。
これによって、ユーザは、所望の楽曲がコンテンツ領域121〜124にないとき、コンテンツ選択を示すコンテンツ領域125にユーザ端末22をかざしてその領域に対応する通信素子13‐15と通信を確立し、コンテンツ領域125の表示内容を切り替える。ここで、例えば、ユーザの所望の楽曲が「gg」であり、楽曲「gg」の選択ステップ数が「3」であったとする。この場合、ユーザは、コンテンツ選択領域125で通信素子13‐15との間で選択要求を3回行ってコンテンツの要求をすることにより、目的の楽曲「gg」を示すコンテンツ選択領域125を表示させ、通信素子13‐15からユーザ端末22への楽曲「gg」の配信を受けることができる。
これによって、それほど人気のないコンテンツを要望するユーザに対してもそのコンテンツを提供でき、より多くのユーザにコンテンツを配信できる。
また、本実施の形態では、対応情報によって、あるコンテンツに対して隣接する複数の通信素子13を対応させることにより、コンテンツ領域の面積を変えたが、これに限定されない。データ通信装置は、隣接する通信素子13ではなく、離隔した複数の通信素子13に、同一のコンテンツを対応させても良い。例えば、表示部12が平面的に設置されている場合など、そのコンテンツに対して、表示部12の周囲に配置された所定個数の間隔をあけて配置された複数個の通信素子13を対応させても良い。これにより、表示部12の周囲にいるユーザにそのコンテンツを選びやすくできる。
また、本実施の形態では、データ通信装置の装置本体11からユーザ端末22にコンテンツを送信する方法を述べたが、逆にユーザ端末22からデータ通信装置の装置本体11に、コンテンツを送信する場合もある。例えば、写真などのコンクールにユーザが画像や動画を投稿して応募するケースが考えられる。この場合には、例えば、コンテンツとしての表示内容は、コンクールへの応募の説明であり、応募可能人数の多いコンクールほど、面積が大きく割り当てられる。そして、ユーザは、複数表示されているいくつかのコンクールの中から選択し、ユーザ端末からユーザの撮影した画像や動画を、選んだコンクールに対して応募するようにすることができる。
このような構成とすることによって、データ通信装置は、コンクールの数に応じて応募説明の領域を動的に変化させ、その説明の領域に応じてユーザ端末との間で通信して、ユーザの応募操作を受け付けることができる。
また、対応情報作成部20は、図1に示すコンテンツ領域121〜125と同様なマイコンテンツ領域を、対応情報として作成して保存しておき、ユーザ操作を受けて、保存しておいた対応情報に基づいて表示を行うようにしても良い。これにより、ユーザは、自らがコンテンツ取得部18に保存したコンテンツを、後で取り出すことができる。
また、異なるユーザ端末を用いてデータ通信装置11へコンテンツを保存し、この保存されたコンテンツを、ユーザ端末22の操作によりデータ通信装置11から取り出すようにしても良い。
また、データ通信装置11へコンテンツを保存したユーザとは異なるユーザにより、このコンテンツの取り出しを行うようにしても良い。
(実施の形態2)
本実施の形態は、日本地図と世界地図とが入れ替わって表示される旅行会社のポスターの表面に、実施の形態1で説明した通信部が設けられた例である。本実施の形態では、ユーザは、この地図上の旅したい都道府県あるいは世界の国に、ユーザ端末をかざすことによって、各都道府県あるいは世界各国のガイドブック情報を、コンテンツとして得ることができる。
実施の形態1との大きな違いは、ディスプレイで表示していたコンテンツの内容が、ポスターでの表示になった点である。
図4は本発明のデータ通信装置の実施の形態2にかかる構成を示すブロック図である。
図4において、本実施の形態のデータ通信装置としての装置本体51は、日本地図と世界地図が入れ替わるように構成された表示部52と別体で構成されている。
図4では、日本地図を表示する表示面521が示されている。装置本体51は、通信部54、識別部55、および通信素子制御部56を備えている。通信部54は、表示部52の表面に設置されている。また、通信部54には、シートアンテナからなる通信素子53がマトリクス状に形成されている。識別部55は、表示部52の表示面が日本地図と世界地図とのうちいずれを表示しているのかを検出する。通信素子制御部56は、識別部55で検出した表示部52の表示面内容に応じて、通信部54の通信素子53を制御する。
なお、識別部55は、後述するように、本実施の形態では、通信部54の通信素子53と同様な構成で、通信部54内に設けられる。
さらに、装置本体51は、コンテンツ取得部57およびコンテンツ関連情報取得部58を備えている。コンテンツ取得部57は、観光案内、名所旧跡紹介、名物料理紹介などのガイドブック情報であるコンテンツを、例えば外部から取得し保存する。コンテンツ関連情報取得部58は、表示部52の都道府県または世界各国の地図上の位置情報(例えば、座標情報)である、コンテンツ関連情報を取得し保存する。
さらに、装置本体51は、対応情報作成部59、転送部60、および全体制御部61を備えている。対応情報作成部59は、コンテンツ取得部57が取得したコンテンツと識別部55が検出した表示面内容とに基づいて、対応情報を作成する。この対応情報は、コンテンツと表示部52と通信素子53との対応関係を示す情報である。転送部60は、コンテンツ取得部57が取得したコンテンツを通信素子53に転送する。全体制御部61は、これらの各構成要素を制御する。
ユーザ端末22は、実施の形態1と同じ構成であるので、同一符号で示し説明は省略した。
図5は本実施の形態のデータ通信装置の構成を示す上面図である。
図5において、表示部52は、日本地図を示す表示面521と、世界地図を示す表示面522と、2つの回転ローラ65、66とから構成されている。表示面521、522は、帯状かつ環状につながっており、平行に離隔して配置された回転ローラ65、66に懸架されている。そして、表示面521、522は、これら回転ローラ65、66の回転により、太い白矢印で示すユーザ側(図では上側)に、交互に提示される。すなわち、表示部52は、日本地図の表示面521と世界地図の表示面522とを、切り替えて提示するように構成されている。表示面521の右下および表示面522の右下(図4参照)には、それぞれ、日本地図または世界地図であることを示す情報を保持する情報担体(data carrier)67、68が形成されている。
回転ローラ65、66は図示しない駆動部によって所定周期で実線矢印方向に駆動され、表示面521および表示面522を、ユーザ側に周期的に交互に提示する。
データ通信装置の装置本体51は、その通信部54が表示部52のユーザ側に重なるように設置されている。通信部54のうち、基板69の表側(図の上側)には、複数の通信素子53が形成され、基板69の裏側(図の下側)には、例えばシートアンテナで構成される識別部55が形成されている。識別部55は、表示部52の情報担体67または68と対向し得る位置に配置されている。
なお、情報担体67、68は、RFID(Radio Frequency Identification)等のタグであり、タグのID(識別子)や付加情報などの情報を保持し、無線通信によって、保持している情報を送信する。また、識別部55は、RFIDのリーダーでも良い。情報担体67、68は、例えば、RFIDとしては、電子タグ、ICタグなどが挙げられ、他にも、ICカード、バーコードが挙げられる。
装置本体51のうち、通信部54(通信素子53を含む)以外の構成要素は、通信部54の周辺の駆動部70に設けられている。
本実施の形態では、コンテンツ取得部57は、表示部52の表示面の内容に応じて、事前にインターネットなどを介して外部からコンテンツを取得する。本実施の形態では、この取得されるコンテンツは、日本の都道府県および世界の国の、観光案内や名所旧跡、名物料理などのガイドブック情報である。
コンテンツ関連情報取得部58は、表示部52の地図情報を、事前にインターネットなどを介して入手し、都道府県および世界各国の表示部52上の位置情報を、取得および保存している。
なお、データ通信装置は、このコンテンツやコンテンツ関連情報を、インターネットを介してではなく、これらを記憶した各種の記憶媒体を用いて取得しても良いし、ユーザの手入力により事前に取得しても良い。また、データ通信手段は、表示面521、522の表示パターンを読み取って、自動で都道府県の位置、世界の国の位置を算出するなども可能である。すなわち、情報の取得形態は、何ら本実施の形態の内容に限るものではない。
対応情報作成部59は、コンテンツ取得部57が取得したコンテンツと、コンテンツ関連情報取得部58が取得した、表示面521、522における地図の場所情報とに基づいて、対応情報を作成し保存する。この対応情報は、地図の場所情報とコンテンツと通信素子53との対応関係を示す情報である。
通信部54には、実施の形態1と同様に、シートアンテナからなる通信素子53が、光透過性の基板69にマトリクス状に形成されている。通信部54は、表示部52のユーザ側の面に設置される。
このような構成からなるデータ通信装置51をユーザ側から見ると、通信部54を介して、表示部52の表示面521、522、すなわち日本地図または世界地図が見える。
ユーザは、ユーザ端末22を日本地図の所望の都道府県または世界地図の所望の国にかざして、操作部24を操作する。すると、ユーザ端末22がかざされた場所の観光ガイドが、その場所に対応する通信素子53を介して送受信部23に送信され、端末表示部25に表示される。すなわち、ユーザが所望する情報が、ユーザ端末22に配信される。
図6は、本実施の形態のデータ通信装置の動作を示すフロー図である。図4、図5を参照しながら、図6を用いて、その動作を説明する。
まず、コンテンツ取得部57は、装置本体51の全体制御部61の指示に基づいて、定期的にインターネットを介してガイドブック情報を取得する(S701)。これにより、常に更新されたガイドブック情報が、コンテンツ取得部57に保存される。
また、コンテンツ関連情報取得部58も、定期的にインターネットを介してコンテンツ関連情報を取得する(S702)。これにより、常に更新された表示面521、522上の地図の場所情報が、コンテンツ関連情報取得部58に保存される。
このコンテンツ関連情報は、上記したように、記憶媒体の記憶内容の書き換えや、表示部52の地図のパターンに基づく更新など、いろいろな方法によって更新される。
また、ステップS701とS702は、逆の順序で行なわれても良いし、同時に並行して行なわれても良い。
次に、識別部55は、全体制御部61の指示に基づいて、表示部52が表示する表示面の変更があったかどうかを判断する(S703)。
表示面に変更がない場合(S703のN)、識別部55は、表示面の変更があるまで待機する。
表示面に変更があった場合(S703のY)、対応情報作成部59は、全体制御部61の指示に従って、識別部55の検出結果に基づいて、対応情報を作成する(S704)。この対応情報は、コンテンツと、表示部52の表示面521、522と、通信素子53との対応関係を示す情報である。
すなわち、回転ローラ65、66が、図示しない駆動部によって所定時間ごとに回転させられ、表示部52の表示面521、522が変更されると、表示面521、522の右下に形成されている情報担体67、68の位置が、定期的に入れ替わる。通信部54の識別部55は、情報担体67、68と対向する位置に形成されている。したがって、識別部55は、表示面521、522が入れ替わる毎に、表示面521と表示面522との変更を検出する。対応情報作成部59は、その検出結果に基づいた全体制御部61の指示により、次のような対応情報を作成する。
まず、識別部55が日本地図の表示面521の情報担体67を検出したときについて説明する。対応情報作成部59は、コンテンツ関連情報取得部58が取得した表示面521上の各都道府県の領域を示す場所情報と、その場所情報に対応する通信部54の通信素子53と、コンテンツ取得部57が取得した該当する各都道府県のガイドマップ情報とを対応付けた、対応情報を作成する。
例えば、対応情報作成部59は、埼玉県に対応する表示面521上の領域を示す場所(例えば、地図上の座標)と、埼玉県に対応する場所を覆ういくつかの通信素子53と、埼玉県のガイドマップ情報とを対応付けた、対応情報を作成する。対応情報作成部59は、他の都道府県についても同様に対応情報を作成する。
次に、識別部55が世界地図の表示面522の情報担体68を検出したときについて説明する。対応情報作成部59は、日本地図の場合と同様に、世界の各国の表示面522上の場所と、その国に対応する場所を覆ういくつかの通信素子53と、その国のガイドマップ情報とを対応付けた、対応情報を作成する。
本実施の形態では、表示部52は、表示面521、522が入れ替わるだけとなっている。したがって、対応情報作成部59は、ガイドマップ情報に変化がなければ、入れ替わりの度に対応情報を作成する必要はない。すなわち、対応情報作成部59は、一旦作成した表示面521用の対応情報および表示面522用の対応情報を保存しておき、識別部55の検出結果により、保存した対応情報を切り替えて選択すれば良い。
次に、通信素子制御部56は、全体制御部61の指示により、対応情報作成部59が作成した対応情報に基づいて、各都道府県または世界の国の場所に対応する通信素子53にそのガイドブック情報を転送できるように、転送設定をする(S705)。
この状態で、装置本体51は、ユーザ端末22からガイドブック情報の入手の要求があるかを、全体制御部61で繰り返し判断することによって、ユーザからのガイドブック情報の入手の要求を待機する(S706)。
ユーザからのガイドブック情報入手の要求がない場合は(S706のN)、装置本体51は、ガイドブック情報の入手の要求があるまで、上記判断を繰り返す。
その後、ユーザが、自ら所有するユーザ端末22を、表示部52上の旅をしたい都道府県内または世界の国内のどこかにかざし、操作部24を操作することによって、送受信部23を介してガイドブック情報の入手を要求したとする。この場合、全体制御部61は、通信素子53を介して、非接触通信によるユーザからのガイドブック情報入手の要求を検知する(S706のY)。
次に、全体制御部61は、ユーザ端末22と通信が確立されている通信素子53の対応情報に基づいて、ユーザがどの都道府県または世界の国のガイドブック情報を要求しているかを判断する。なお、この対応情報は、上述の通り、対応情報作成部59が作成したものである。そして、全体制御部61は、ユーザ端末22と通信が確立されている通信素子53を介して、ユーザ端末22に、要求された都道府県または世界各国の名称を送信する。ユーザ端末22は、通信素子53から送信されてきた都道府県名または世界各国名を、送受信部23で受信し、制御部26の指示に基づいて、送信されてきた都道府県名または世界各国名を、端末表示部25に表示する。そして、ユーザ端末22は、ユーザに対して、表示した都道府県名または世界国名が要求したものかどうかの確認処理を行なう(S707)。
ユーザは、ユーザ端末22の端末表示部25に表示された都道府県名または世界国名が要求したものでない場合、例えば、操作部24に「NO」を入力するなどの操作を行う。これにより、受信判定部28は、その都道府県名または世界国名が正しくないことを示す信号を、送受信部23を介して装置本体51の通信素子53に送信する。なお、この送信は、制御部26の指示に基づいて行われる。
装置本体51の全体制御部61は、都道府県名または世界国名が正しくないことの信号を通信素子53が受信すると、供給しようとしているガイドブック情報がユーザの購入したいものでないと判断し(S707のN)、再度、ステップS701に戻ってこれまでの動作を行なう。
一方、ユーザは、ユーザ端末22の端末表示部25に表示された都道府県名または世界国名が要求したものである場合、例えば、操作部24に「YES」を入力するなどの操作を行う。これにより、受信判定部28は、都道府県名または世界国名が正しいことを送受信部23を介して装置本体51の通信素子53に送信する。なお、この送信は、制御部26の指示に基づいて行われる。
装置本体51の全体制御部61は、都道府県名または世界国名が正しいことの信号を通信素子53が受信すると、供給しようとしているガイドブック情報がユーザの購入したいものであると判断し(S707のY)、通常の決済処理を行なう(S708)。この決済処理は、全体制御部61の指示に基づいて、通信素子53を介して、ユーザ端末22との間で行われる。ユーザは、決済処理の経過をユーザ端末22の端末表示部25で確認し、必要な操作を操作部24で行うことができる。
決済処理が完了しなかった場合(S708のN)、装置本体51の全体制御部61は、決済不可の情報を、通信素子53からユーザ端末22の送受信部23に送信する。これにより、ユーザ端末22の制御部26は、端末表示部25に決済不可の情報を表示し、コンテンツ購入動作を終了する。
決済が完了した場合(S708のY)、全体制御部61は、決済完了の情報を、通信素子53を介してユーザ端末22の送受信部23に送信する。これにより、ユーザ端末22の制御部26は、端末表示部25に決済完了の情報を表示する。これと同時に、通信素子制御部56は、装置本体51の全体制御部61の指示により、ユーザ端末22から要求のあったガイドブック情報を、コンテンツ取得部57から読み込む。そして、通信素子制御部56は、読み込んだガイドブック情報を、ユーザ端末22と通信の確立している通信素子53に転送する(S709)。
これによって、ユーザは、通信素子53および送受信部23を介して、ユーザ端末22で、要求したガイドブック情報の配信を受けることができる。
以上のように、本実施の形態では、ユーザは、ユーザ端末22を、ガイドブック情報を入手したい表示部52上の都道府県または世界の国のいずれかにかざして購入を要求する操作を行うことにより、所望のガイドブック情報を入手することができる。すなわち、上記操作により、表示部52の表面に設けられている通信部54の複数の通信素子53のうち、その都道府県または世界の国に対応する通信素子53との間で通信が確立し、コンテンツ取得部57から通信素子53を介して、必要なガイドブック情報がユーザ端末22に配信される。
したがって、同じ都道府県または世界の国のガイドブック情報を複数のユーザが入手したい場合であっても、各場所に対応して複数の通信素子が設けられているので、複数のユーザは列をつくることなく、同時に同じガイドブック情報を入手することができる。
また、表示部52の表示面521、522は、旅行会社が決めた所定の周期で入れ替わり、その入れ替わりに伴って現れる表示面521、522上の情報担体67、68を、識別部55が検出する。これにより、データ通信装置は、いずれの表示面521、522がユーザに提示されているかを検出し、その検出結果に基づいて、対応情報作成部59が作成した対応情報を用いて、日本地図か世界地図の各ガイドブック情報が転送される通信素子53を動的に切り替えることができる。
なお、本実施の形態において、通信部54は、有機材料などの光透過性柔軟材料などからなる基板69に通信素子53をマトリクス状に形成した構成となっている。これにより、通信部54を駅構内などの柱に巻かれたポスターの上に巻いたり、ビルの大きな壁面などに貼られたポスターの上に貼り付けたりすることができる。すなわち、本実施の形態の通信部54は、いろいろな形状の表示部52に対応することができる。
なお、上記各実施の形態では、通信部14、54を表示部12、52の表面に設けたが、本発明の実施形態は、これに限られない。逆に、表示部12、52を、通信部14、54の上に設けても良い。
以上説明したように、本発明は、対応情報作成部により、多数の通信素子のうち、コンテンツが転送される所定数の通信素子を定めることができる。これにより、複数のユーザに対して、同じコンテンツを同時に提供することができる。したがって、待ち時間が発生せず、またコンテンツを取得できる領域を動的に変えることができ、コンテンツの選択操作が容易である。
本発明のデータ通信装置は、端末機器とコンテンツを通信するための通信素子を複数個有する通信部と、通信部の所定の通信素子にコンテンツを転送する転送部と、複数個の通信素子の中から、コンテンツが転送される通信素子を決定する対応情報作成部とを備えている。
これにより、複数のユーザへ同時に同じコンテンツを提供でき、待ち時間が発生せず、またコンテンツを取得できる領域を動的に変えることができるので、より多くのユーザへコンテンツを提供するなど、コンテンツの提供に関する操作が容易である。
また、本発明のデータ通信装置は、対応情報作成部は、複数のコンテンツが、それぞれ異なる数の通信素子へ転送されるように、コンテンツが転送される通信素子を決定している。
これにより、コンテンツの内容に応じてそのコンテンツが転送される通信素子の数を異ならせることができる。
また、本発明のデータ通信装置は、通信部に対応して設けられ、コンテンツを取得可能な領域を表示する表示部をさらに備えている。
これにより、表示部によってコンテンツを取得可能な領域を表示することができる。
また、本発明のデータ通信装置は、表示部は、対応情報作成部の決定に同期して表示内容を変更する構成を備えている。
これにより、表示部での表示内容に同期して通信部は携帯端末と通信を行うことができる。
また、本発明のデータ通信装置は、対応情報作成部は、表示部の表示内容の変化に同期してコンテンツが転送される通信素子を変更する構成を備えている。
これにより、表示部での表示内容に基づいて、コンテンツが転送される通信素子の数を変更することができる。
また、本発明のデータ通信装置は、表示部が表示するコンテンツを取得可能な領域の面積は、対応情報作成部が決定するコンテンツを転送する通信素子の数に比例する構成を備えている。
これにより、コンテンツを転送する通信素子の数を、表示部上のコンテンツを取得可能な領域の面積に比例させることができる。
また、本発明のデータ通信装置は、交換可能な情報担体を識別する識別部をさらに備え、対応情報作成部は、情報担体の有する情報に基づいて、コンテンツが転送される通信素子を決定する構成を備えている。
これにより、識別部を有する表示部に対して対応情報を作成して、端末機器との間でコンテンツの通信を行うことができる。
また、本発明のデータ通信装置は、通信部が、透光性材料から構成されている。
これにより、通信部を表示部の表面に設けることにより、ユーザは通信部側から表示部を見て所望のコンテンツ領域を選択でき、ユーザの端末機器と通信部間の通信も良好に行なえる。
また、本発明のデータ通信装置は、通信部が、柔軟性材料から構成されている。
これにより、通信部を柱や壁などに設けられたポスターなどと共に用いて、ポスターなどを利用して、いろいろな場所で所望のコンテンツを入手することができる。
また、本発明のデータ通信装置は、通信部は、コンテンツを送信する前にコンテンツを識別する情報を送信する構成を備えている。
これにより、通信部からのコンテンツの送信前に端末機器でその内容を確認でき、誤送信を防止することができる。
また、本発明のデータ通信装置は、通信部は、通信素子を介して端末機器から送信される情報を受信する受信部を有する構成を備えている。
これにより、端末機器から送信されるユーザの情報やコンテンツなどを受信することができる。
また、本発明のデータ通信装置は、端末機器から送信される情報に基づいてコンテンツの送信の可否を判断する送信判定部をさらに備えた構成を有している。
これにより、端末機器からの可否判断結果に基づいてコンテンツを送信できるので、誤送信を防止することができる。
また、本発明のデータ通信装置は、対応情報作成部は、端末機器から送信される情報に基づいてコンテンツが転送される通信素子を決定する構成を備えている。
これにより、端末機器から送信された情報を反映して対応情報を作成することができる。
また、本発明のデータ通信装置は、通信部に対応して設けられ、コンテンツを取得可能な領域を表示する表示部をさらに備え、表示部は、端末機器から送信される情報に基づいて表示内容を決定する構成を備えている。
これにより、端末機器から送信された情報を反映して表示部での表示内容を変化させることができる。
さらに、本発明の端末機器は、コンテンツを通信するための通信素子を複数個有する通信部と、通信部の所定の通信素子にコンテンツを転送する転送部と、複数個の通信素子の中から、コンテンツが転送される通信素子を決定する対応情報作成部とを備え、通信部はコンテンツを送信する前にコンテンツを識別する情報を送信するデータ通信装置との間で、コンテンツが転送される通信素子を介してコンテンツとコンテンツを識別する情報を受信するコンテンツ受信部を有する端末機器であって、受信したコンテンツを識別する情報に基づいて、コンテンツの受信の可否を判断する受信判定部を備えた構成を有している。
これにより、データ通信装置の通信部との間でコンテンツを識別する情報の通信を行って、事前にコンテンツ受信の可否を判断するので、間違ったコンテンツの受信を防ぐことができる。
さらに、本発明の端末機器は、受信したコンテンツを識別する情報に基づいて、表示する内容を決定する表示部を有する。
これにより、表示部を用いて視覚的に受信するコンテンツを確認できるので、間違ったコンテンツの受信をさらに防ぐことができる。
さらに、本発明のデータ通信システムは、コンテンツを通信するための通信素子を複数個有する通信部と、通信部の所定の通信素子にコンテンツを転送する転送部と、複数個の通信素子の中から、コンテンツが転送される通信素子を決定する対応情報作成部とを有するデータ通信装置と、データ通信装置との間で通信素子を介してコンテンツを受信する端末機器とを備えた構成を有している。
これにより、端末機器とデータ通信装置との間で事前にコンテンツの内容を確認してから、間違いのないコンテンツの受信を行うことができる。
2007年11月12日出願の特願2007−292840の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明は、ユーザ端末から所望のコンテンツを容易入手することができるキオスクなどや、画面内のコンテンツを入手することができる家庭用テレビなどに用いられるデータ通信装置として有用である。
本発明は、楽曲情報や画像情報、店情報、旅先情報などのコンテンツをユーザ端末で入手することのできる、キオスクなどのデータ通信装置、端末機器、およびそれを用いたデータ通信システムに関する。
従来のこの種のデータ通信装置は、入手するコンテンツに関する情報を顧客情報としてユーザ毎に保存する顧客データベースと、ユーザを特定するID情報を取得するID取得手段と、ID情報に対応する顧客情報を用いてそのユーザ毎に操作ボタンを表示する表示手段とを備えるものが知られている(特許文献1参照)。この技術によれば、ユーザに不要な操作ボタンを表示することなくユーザ固有の操作ボタンを表示することができるので、ユーザが望むコンテンツ画面に早く到達することができる。
特開2004‐13765号公報
しかしながら、このような従来のデータ通信装置では、複数の人がデータ通信装置を操作することを想定していない。したがって、同じコンテンツ画面を所望するユーザが複数人いる場合であっても、ユーザ毎に同じ操作ボタンの繰り返しが必要であり、各ユーザは長い待ち時間が必要である。
また、上記特許文献1に記載のような従来のデータ通信装置では、各ユーザの操作時間は短縮されるが、それぞれのユーザ毎にID情報が必要である。したがって、同じコンテンツ画面を所望するにもかかわらず、複数人が同時にデータ端末を操作することができず、やはり待ち時間が発生した。
本発明の目的は、上記従来のデータ通信装置の課題を解決することであり、同じコンテンツ画面であっても、同じコンテンツ画面でなくても、コンテンツ画面の内容にかかわらず、複数のユーザが同時に操作することができ、各ユーザが所望のコンテンツを同時に取得でき、待ち時間の発生しないデータ通信装置、端末機器、およびそれを用いたデータ通信システムを提供することである。
本発明のデータ通信装置は、端末機器とコンテンツを通信するための通信素子を複数個有する通信部と、通信部の所定の通信素子にコンテンツを転送する転送部と、複数個の通信素子の中から、コンテンツが転送される通信素子を決定する対応情報作成部とを備えている。
これにより、複数のユーザへ同時に同じコンテンツを提供でき、待ち時間が発生せず、またコンテンツを取得できる領域を動的に変えることができるので、より多くのユーザへコンテンツを提供するなど、コンテンツの提供に関する操作が容易である。
さらに、本発明の端末機器は、コンテンツを通信するための通信素子を複数個有する通信部と、通信部の所定の通信素子にコンテンツを転送する転送部と、複数個の通信素子の中から、コンテンツが転送される通信素子を決定する対応情報作成部とを備え、通信部はコンテンツを送信する前にコンテンツを識別する情報を送信するデータ通信装置との間で、コンテンツが転送される通信素子を介してコンテンツとコンテンツを識別する情報を受信するコンテンツ受信部を有する端末機器であって、受信したコンテンツを識別する情報に基づいて、コンテンツの受信の可否を判断する受信判定部を備えた構成を有している。
これにより、データ通信装置の通信部との間でコンテンツを識別する情報の通信を行って、事前にコンテンツ受信の可否を判断するので、間違ったコンテンツの受信を防ぐことができる。
さらに、本発明のデータ通信システムは、コンテンツを通信するための通信素子を複数個有する通信部と、通信部の所定の通信素子にコンテンツを転送する転送部と、複数個の通信素子の中から、コンテンツが転送される通信素子を決定する対応情報作成部とを有するデータ通信装置と、データ通信装置との間で通信素子を介してコンテンツを受信する端末機器とを備えた構成を有している。
これにより、端末機器とデータ通信装置との間で事前にコンテンツの内容を確認してから、間違いのないコンテンツの受信を行うことができる。
本発明のデータ通信装置は、対応情報作成部により、多数の通信素子の中から、コンテンツが転送される通信素子を決定することができるので、複数のユーザへ同時に同じコンテンツを提供でき、待ち時間が発生せず、またコンテンツを取得できる領域を変えることができるので、より多くのユーザへコンテンツを提供するなど、コンテンツの提供に関する操作が容易である。
以下、本発明のデータ通信装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明のデータ通信装置の実施の形態1にかかる構成を示すブロック図である。
本実施の形態では、いろいろなジャンルの音楽を配信することができるデータ通信装置を例に説明するが、これに限定されない。本発明は、映画のような動画像、写真などの静止画像、コンサート、映画、スポーツ観戦、博物館などのチケット、列車、および飛行機などのチケットなどの、各種のコンテンツ配信サービスにも適用することができる。
まず、図1を用いて、本実施の形態の概略を説明する。
図1において、本実施の形態であるデータ通信装置の装置本体11は、表示部12と、表示部12上に設けられた通信部14とを備えている。表示部12は、提供する複数のコンテンツにそれぞれ対応したコンテンツ領域121〜125を表示する。通信部14には、通信素子13‐1〜13‐15(以下、いずれかを特定しない場合は通信素子13と記す)が複数個マトリクス状に形成されている。通信素子13は、例えばシートアンテナであり、ミリ波UWB(ウルトラ・ワイド・バンド)による指向性のある無線通信が可能となっている。なお、通信手段は、ミリ波UWBに限らず、マイクロ波や光通信などでも良い。
さらに、装置本体11は、表示制御部15、通信素子制御部16、および転送部17を備えている。表示制御部15は、表示部12の表示内容を制御する。通信素子制御部16は、通信部14の通信素子13を制御する。転送部17は、ユーザの要求するコンテンツを、通信素子13のうち、そのコンテンツを供給する通信素子13に転送する。
さらに、装置本体11は、コンテンツ取得部18およびコンテンツ関連情報取得部19を備えている。コンテンツ取得部18は、コンテンツを取得し保存する。コンテンツ関連情報取得部19は、コンテンツに関連する、例えば統計情報などのコンテンツ関連情報を、取得し保存する。
さらに、装置本体11は、対応情報作成部20を備えている。対応情報作成部20は、コンテンツ関連情報取得部19が取得したコンテンツ関連情報に基づいて、コンテンツと通信素子13と表示部12との対応関係を示す対応情報を作成する。この対応情報は、具体的には、どのコンテンツをどの通信素子13に転送するかを決定し、さらにその通信素子13に対応する表示部12のコンテンツ領域をどのように表示するかを決定する情報である。
さらに、装置本体11は、送信判定部27および全体制御部21を備えている。送信判定部27は、ユーザが使用する端末機器であるユーザ端末22から送信される情報に基づいて、コンテンツの送信の可否を判断する。全体制御部21は、これら各構成要素を制御する。
このような構成からなる装置本体11に対して、ユーザは、ユーザ端末22を、所望するコンテンツ領域121〜125のいずれかの領域にかざす。これにより、その領域の上に位置する通信素子13を介して、ユーザ端末22に所望のコンテンツが配信される。
ユーザ端末22としては、PDA、AV機器、情報端末や携帯電話などが用いられる。ユーザ端末22は、送受信部23、操作部24、端末表示部25、受信判定部28、および制御部26とから構成される。送受信部23は、装置本体11と通信を行う。操作部24は、ユーザの操作を受け付ける。端末表示部25は、受信内容や操作内容などを表示する。受信判定部28は、コンテンツの受信の可否を判断する。制御部26は、ユーザ端末22の全体の制御を行う。
次に、上記各構成要素の詳細について説明する。
表示部12は、液晶表示パネルのようなもので構成され、例えば、J‐POPジャンルの人気順に広い面積を有するコンテンツ領域121〜125を表示している。すなわち、人気No.1が歌手「AA」の楽曲「aa」、No.2が歌手「BB」楽曲「bb」、No.3が歌手「CC」の楽曲「cc」、No.4が歌手「DD」の楽曲「dd」、No.5が歌手「EE」の楽曲「ee」とする。この場合、コンテンツ領域121は、一番面積が大きい赤色の楕円形状で示されており、その領域のコンテンツが楽曲「aa」であることを示している。
以下、楽曲「bb」に対応する青色の円形状のコンテンツ領域122、楽曲「cc」に対応する緑色の楕円形状のコンテンツ領域123、楽曲「dd」に対応する黄色の円形状のコンテンツ領域124、および楽曲「ee」に対応する桃色の円形状のコンテンツ領域125が、この順序で、徐々に面積が小さくなるように表示されている。
各コンテンツ領域121〜125には、各領域だけでなく、少なくともそれぞれのコンテンツを示す楽曲と歌手が表示される。すなわち、コンテンツ領域121には、楽曲「aa」と歌手「AA」が、「aa(AA)」のように表示される。他の、コンテンツ領域122〜125にも同様に、「bb(BB)」〜「ee(EE)」と表示される。これによって、ユーザは、どのコンテンツ領域121〜125からどのようなコンテンツを取得できるかがわかる。
通信部14は、表示部12の表面に設けられている。通信部14の各通信素子13は、ミリ波UWBによってユーザ端末22と通信が可能な、光透過性柔軟性材料からなるシートアンテナとその駆動回路とから構成されている。なお、シートアンテナと駆動回路は、必ずしも本実施の形態のように別体ではなくても良く、一体であっても良い。
各通信素子13は、それぞれが独立して、図示しない薄膜配線によって転送部17に接続されている。
シートアンテナとしては、例えば、光透過性有機材料シートの中に銅やフェライトなどの金属材料をループ状に形成されたものが一般的に用いられる。
絶縁体としては、カバーレイと呼ばれるポリイミド膜もしくはフォトソルダーレジスト膜が一般的に用いられる。また、導体としては、銅が一般的に用いられる。
したがって、通信部14の表面からは、表示部12の各コンテンツ領域121〜125を、通信部14を透過して見ることができる。
これにより、ユーザは、取得したいコンテンツ領域121〜125にユーザ端末22をかざすことによって、その下の通信素子13から、ユーザ端末22への所望のコンテンツの配信を受けることができる。
転送部17は、シートアンテナを制御するドライバ、通信プロトコルなどのミドルウェア、アンテナに対応したコンテンツを転送するアプリケーションソフトウェアから構成されている。
コンテンツ関連情報取得部19は、コンテンツに関連する情報を、インターネットなどを介して外部から取得して保存する。本実施の形態では、コンテンツ関連情報取得部19は、人気ランキング、年齢別人気ランキング、ジャンル別人気ランキング、シングルCD売り上げランキングなどの統計情報を取得する。このような統計情報は、定期的に更新されるものであれば、どれくらいの間隔で更新するかを統計情報から判断することができる。したがって、コンテンツ関連情報取得部19は、例えば、統計情報から適切な更新間隔を判断し、定期的に統計情報を取得して更新し、保存する。
また、コンテンツ関連情報取得部19は、装置本体11で購入された楽曲の情報も履歴として入力し、必要に応じて、その結果を各ランキングに反映する。例えば、コンテンツ関連情報取得部19は、装置本体11での購入ランキング情報として扱ったり、売り上げランキングを更新したりする。
コンテンツ取得部18は、インターネットを介して各種コンテンツを外部から取得し保存する。例えば、コンテンツ取得部18は、コンテンツ関連情報取得部19が取得したランキングにおいてランクされる楽曲を、取得して保存する。
コンテンツには、例えば、mp3ファイルのID3タグ情報のようなコンテンツ付属情報が付属している。この場合、コンテンツ付属情報から、タイトル、アーティスト名、アルバム名などを取得可能である。
なお、データ通信装置は、このコンテンツやコンテンツ関連情報を、インターネットを介してではなく、これらを記憶した各種の記憶媒体を用いて取得するようにしても良い。
対応情報作成部20は、コンテンツ関連情報取得部19で取得したコンテンツ関連情報に基づいて、コンテンツと通信素子13とコンテンツ領域121〜125の対応関係を示す対応情報を作成する。この対応情報は、図2に示すように、人気のある楽曲をどの通信素子13を用いてユーザに提供するか、表示部12のそのコンテンツ領域の表示はどのようにするかを記述する情報である。
例えば、対応情報作成部20は、図2の1行目(ランキングが「1」の行)に示すように、人気ランキングNo.1の楽曲「aa」を、通信部14の左上6個の通信素子13‐1〜13‐3、13‐6〜13‐8から提供するようにする内容の、対応情報を作成する。また、対応情報作成部20は、表示部12に、通信素子13‐1〜13‐3、13‐6〜13‐8の位置に対応する、左上部分のJ個の画素を用いて、赤色の楕円形状のコンテンツ領域121と、その領域内の文字「aa(AA)」とを、5分間表示するという内容の、対応情報を作成する。
ここで、対応情報作成部20は、表示部12の全画素数を分かっている。したがって、コンテンツ供給側が、ランキングの何位まで表示するか、隣接ランキングとの面積差をいくらにするかなどを、ユーザの購買予測などを考慮して予め決めておくことにより、対応情報作成部20は、コンテンツ領域121〜125の面積を、自動的に計算することができる。
また、対応情報作成部20は、通信部14の通信素子13の位置や数も予め分かっているので、コンテンツ領域121〜125に対応する通信素子13も自動的に計算して選択することができる。したがって、対応情報作成部20は、各ランキングの色、形状、表示内容、表示時間なども予め決めておくことにより、コンテンツ関連情報取得部19が取得した人気ランキングに基づいて、表示部12を制御するための表示設定を、容易に行なうことができる。
例えば、人気No.1の楽曲は購入希望者が多いと予測される。したがって、対応情報作成部20は、人気No.1の楽曲を示すコンテンツ領域121を、本実施の形態のように一番大きな面積にし、それに対応する通信素子13‐1〜13‐3、13‐6〜13‐8の数も、一番多い数である6本にする。
対応情報作成部20は、他の楽曲に対しても、楽曲「aa」と同様にして、次のように、対応情報を作成する。No.2の楽曲「bb」の対応情報は、図2の2行目(ランキングが「2」の行)に示すように、通信部14の右上部分4個の通信素子13‐4、13‐5、13‐9、13‐10を用いて供給し、表示部12の右上部分のK個の画素を用いて、青色楕円形状のコンテンツ領域122と、その領域内の文字「bb(BB)」とを、5分間表示するという内容である。
No.3の楽曲「cc」の対応情報は、通信部14の左下部分の3個の通信素子13‐11〜13‐13を用いて供給し、表示部12の左下部分L個の画素を用いて、緑色の楕円形状のコンテンツ領域123と、文字「cc(CC)」とを、5分間表示するという内容である。
No.4の楽曲「dd」の対応情報は、通信部14の下中央部の1個の通信素子13‐14を用いて供給し、表示部12の下中央部分のM個の画素を用いて、黄色円形状のコンテンツ領域124と、文字「dd(DD)」とを、5分間表示するという内容である。
No.5の楽曲「ee」は、通信部14の右下部分の1個の通信素子13‐15を用いて供給し、表示部12の右下部分のN個の画素を用いて、桃色円形状のコンテンツ領域125と、文字「ee(EE)」とを、5分間表示するという内容である。
本実施の形態では、コンテンツ関連情報取得部19は、インターネットを介してコンテンツ関連情報を取得する。したがって、コンテンツ関連情報取得部19は、インターネットを介して逐次取得する情報に、すでに保存している情報との相違があれば、そのタイミングで自動的に計算して、保存しているコンテンツ関連情報を更新する。したがって、対応情報作成部20は、コンテンツ関連情報取得部19が保存しているコンテンツ関連情報が更新されるタイミングで、コンテンツ関連情報の対応情報を変更することにより、常に最新の対応情報を生成することができる。
しかし、これに限らず、対応情報作成部20は、所定時間ごとにコンテンツ関連情報取得部19の内容を確認する毎に、対応情報を変更することとしても良い。対応情報の変更のタイミングは、任意に設定することができる。
表示制御部15は、対応情報作成部20により作成された対応情報に基づいて、表示部12での表示駆動を制御する。例えば、表示制御部15は、人気ランキングNo.1〜No.5のコンテンツに対応して、図2に示す対応情報が定める「コンテンツ領域」、「色」、「表示形状」、「表示内容」、「表示間隔」に従って各コンテンツ領域121〜125を表示するように、表示部12の、例えば液晶表示パネルを駆動する。
表示制御部15は、コンテンツ関連情報取得部19が新しいコンテンツ関連情報を取得して更新するまで、同じ状態を表示する。そして、表示制御部15は、コンテンツ関連情報の更新によって、対応情報作成部20が生成するコンテンツと表示部12と通信素子13との対応情報に変化があると判断すれば、その新しい対応情報に基づいて、表示部12の表示を切り替える。例えば、表示制御部15は、ランキングに変化があった場合には、通信素子に対応する「コンテンツ」、「表示内容」が変わるため、表示部12の表示を切り替える。
通信素子制御部16は、対応情報作成部20が作成した対応情報に基づいて、どのコンテンツをどの通信素子13から提供するかに関する転送設定を行なう。
例えば、通信素子制御部16は、図2に示す対応情報に基づいて、人気ランキングNo.1のコンテンツ「aa」を、6個の通信素子13‐1〜13‐3、13‐6〜13‐8から提供できるように、これらの各通信素子13と転送部17に転送の設定をして、準備する。このように、人気の高いコンテンツほど、上記したように、図2に示す対応情報に従って、そのコンテンツ領域に対応してより多くの通信素子13から供給するように、転送設定を行う。
転送部17は、ユーザがユーザ端末22をコンテンツ領域121〜125にかざすことによって、各通信素子13を介してユーザ端末22からの接続要求を受け付ける。この場合、送信判定部27は、ユーザや端末の認証などに基づいて、コンテンツを送信して良いかを判定する。そして、全体制御部21は、統括して、決済などの購入に必要な処理を行う。その後、転送部17は、通信素子制御部16によって行われた設定に従って、それぞれの通信素子13に対応したコンテンツを、コンテンツ取得部18から取り込んで通信素子13に転送する。これによって、ユーザ端末22は、通信素子13から、ユーザ端末22をかざしたコンテンツ領域に対応した楽曲を取得することができる。
送信判定部27は、装置本体11から送信しようとしているコンテンツが、ユーザが取得したいコンテンツかどうかを示す、ユーザ端末22から送信されてくる情報に基づいて、コンテンツの送信の可否を判断する。
ユーザ端末22の送受信部23は、装置本体11の通信素子13との間でミリ波UWBによる通信ができ、認証やコンテンツ確認などのためのデータの送受信を行う。
操作部24は、テンキーや記号キーなどで構成され、ユーザの操作を受け付ける。端末表示部25は、送受信部23により送受信されたコンテンツ内容や、認証時の状況を表示する。
受信判定部28は、送受信部23が受信した、装置本体11から送信されたコンテンツを識別する情報に基づいて、コンテンツの受信の可否を判断する。制御部26は、ユーザ端末22の全体の制御を行う。
図3は、本実施の形態の動作を示すフロー図である。図1、図2を参照しながら、図3を用いてその動作を説明する。
まず、コンテンツ関連情報取得部19は、装置本体11の全体制御部21の指示に基づいて、定期的にインターネットを介してコンテンツ関連情報を取得する。そして、全体制御部21は、コンテンツ関連情報に更新があったかどうかを判断する(S301)。
コンテンツ関連情報に更新がなかった場合(S301のN)、コンテンツ関連情報取得部19は、更新があるまで、上記判断を定期的に繰り返す。
コンテンツ関連情報に更新があった場合(S301のY)、対応情報作成部20は、全体制御部21の指示により、更新があったコンテンツ関連情報に基づいて、コンテンツと表示部12と通信素子13との新しい対応情報を作成する(S302)。
例えば、対応情報作成部20は、コンテンツ関連情報として、コンテンツ名と、ランキングの組み合わせの情報を取得し、図2の対応情報の「コンテンツ」、「表示内容」の欄を更新することで、常に最新の対応情報を生成する。また、コンテンツ関連情報取得部19が、コンテンツ名と、購入数の組み合わせを履歴として集計し、対応情報作成部20が、購入数に応じて、図2の対応情報の「コンテンツ」、「表示内容」を変えることで、常に最新の対応情報を得ることができる。
なお、対応情報作成部20は、購入数に比例して、各ランキングの通信素子の個数、表示している円や楕円の面積を変えても良い。
次に、表示制御部15は、全体制御部21の指示により、対応情報作成部20が作成した新しい対応情報に基づいて、表示設定を行う(S303)。表示設定は、どのコンテンツをどのコンテンツ領域にどのように表示するかなどの、各コンテンツのコンテンツ領域の表示場所や表示内容に関する設定である。
次に、通信素子制御部16は、全体制御部21の指示により、対応情報作成部20が作成した新しい対応情報に基づいて、コンテンツとそれを供給する通信素子13の配信経路など、各コンテンツ領域に対応する通信素子13に、該当するコンテンツを転送できるように転送設定を行う(S304)。
なお、ステップS303とS304は、必ずしも本実施の形態のような順序で行わなくても良く、例えば、並行して行なっても良いし、逆に行っても良い。
この状態で、装置本体11は、ユーザからのコンテンツ購入の要求を待つ。すなわち、全体制御部21は、ユーザによるコンテンツ購入の要求があるか否かを判断する(S305)。
ユーザからのコンテンツ購入の要求がない場合は(S305のN)、全体制御部21は、コンテンツ要求があるまで、上記判断を繰り返す。
その後、ユーザが、自ら所有するユーザ端末22を、表示部12の所望するコンテンツを示すコンテンツ領域121〜125のいずれかの領域内のどこかにかざし、操作部24での操作により送受信部23からコンテンツ購入を要求したとする。この場合、全体制御部21は、通信素子13を介して、非接触通信によるユーザからのコンテンツ購入の要求を検知する(S305のY)。
ここで、操作部24の操作とは、ユーザ端末22に搭載された購入用のアプリケーションを起動させること、ユーザ端末22のメニューからコンテンツ購入という項目を選択することなどである。
ユーザ端末22からコンテンツの購入要求があった場合(S305のY)、装置本体11の送信判定部27は、通信素子13および送受信部23を介して、ユーザ端末22の制御部26からユーザIDを取得し、通常の認証処理を行なう(S306)。
ここで、通常の認証処理とは、コンテンツを要求するユーザが、購入予約を済ませたユーザか否か、カード決済対象カードの所有者か否か、当該コンテンツを購入できる会員か否かなどの、ユーザに関する認証処理を含む。また、使用されているユーザ端末22が、装置本体11が対応できる種類の端末かなどの、ユーザ端末22に関する認証処理をも含む。
認証処理中の進捗状況は、ユーザ端末22の端末表示部25に表示してユーザに伝えられる。ユーザは、この進捗状況を見ながら、必要に応じて操作部24を操作して、認証を行う。
ステップS306で認証が行なえない場合(S306のN)、送信判定部27は、認証の回数が3回かどうかを判断し(S307)、3回目でなければ(S307のN)、再度、認証を行なう(S306)。ステップS307で認証が3回目であれば(S307のY)、送信判定部27は、その結果をユーザ端末22の端末表示部25に表示してユーザに通知し、コンテンツ購入動作を終了する。なお、認証回数は3回に限るものではない。
ステップS306で認証が正しい場合(S306のY)、送信判定部27は、対応情報作成部20で作成した対応情報に基づいて、ユーザ端末22と通信が確立されている通信素子13からユーザがどのコンテンツを要求しているかを判断する。そして、送信判定部27は、通信素子13を介して、ユーザ端末22にそのコンテンツ名などのコンテンツ付属情報を送信する。ユーザ端末22は、装置本体11から送信されたコンテンツ名などのコンテンツ付属情報を送受信部23を介して受信し、受信判定部28の指示により端末表示部25に表示し、ユーザに対して、供給しようとしているコンテンツの内容の確認処理を行なう(S308)。
ユーザ端末22の端末表示部25に表示されたコンテンツ名がユーザの要求したものでない場合、ユーザは、例えば、操作部24に「NO」を入力するなどの操作をする。この場合、ステップS308で、受信判定部28は、コンテンツ名が正しくないことを示す信号を、送受信部23を介して装置本体11の通信素子13に送信する。
コンテンツ名が正しくないことを示す信号が通信素子13で受信されると、装置本体11の送信判定部27は、供給しようとしているコンテンツがユーザの購入したい楽曲でないと判断し(S308のN)、再度、ステップS301に戻ってこれまでの動作を行なう。
一方、ユーザ端末22の端末表示部25に表示されたコンテンツ名がユーザが要求したものである場合、ユーザは、例えば、操作部24に「YES」を入力するなどの操作する。この場合、ステップS308で、受信判定部28は、コンテンツ名が正しいことを示す信号を、送受信部23を介して装置本体11の通信素子13に送信する。
コンテンツ名が正しいことを示す信号が通信素子13で受信されると、装置本体11の送信判定部27は、供給しようとしているコンテンツがユーザの購入したい楽曲であると判断し(S308のY)、当該コンテンツが装置本体11で購入されたというコンテンツ関連情報を、コンテンツ関連情報取得部19に送信する(S309)。
その後、転送部17は、全体制御部21の指示に基づいて、通信素子13を介して、ユーザ端末22との間で通常の決済処理を行なう(S310)。ユーザは、認識処理の経過をユーザ端末22の端末表示部25で確認し、必要な操作を操作部24で行う。
ステップS310で決済処理が完了しなかった場合(S310のN)、装置本体11の全体制御部21は、決済不可の情報を、通信素子13からユーザ端末22の送受信部23に送信する。これにより、ユーザ端末22の制御部26は、端末表示部25に決済不可の情報を表示し、コンテンツ購入動作を終了する。
ステップS310で決済が完了した場合(S310のY)、全体制御部21は、決済完了の情報を、通信素子13を介してユーザ端末22の送受信部23に送信する。これにより、ユーザ端末22の制御部26は、端末表示部25に決済完了の情報を表示する。
これと同時に、転送部17は、装置本体11の全体制御部21の指示により、ユーザ端末22から要求のあったコンテンツを、コンテンツ取得部18から読み込み、ユーザ端末22と通信の接続のある通信素子13に転送する(S311)。
これによって、ユーザは、通信素子13および送受信部23を介して、ユーザ端末22で、要求したコンテンツの配信を受けることができる。
以上のように、本実施の形態では、ユーザは、ユーザ端末22を、表示部12が表示するコンテンツ領域121〜125のうち、ユーザが購入したいコンテンツ領域にかざして購入を要求する操作を行うことにより、所望のコンテンツを入手することができる。すなわち、上記操作により、表示部12の表面に設けられている通信部14の複数の通信素子13のうち、そのコンテンツ領域に対応する通信素子13との通信が確立し、コンテンツ取得部18から通信素子13を介して、購入したコンテンツがユーザ端末22に配信される。
対応情報作成部20は、コンテンツ関連情報取得部19により取得されたコンテンツ関連情報に基づいて、それぞれのコンテンツ領域121〜125の大きさを決める。この結果、例えば、人気の高い楽曲に対応して、大きい面積のコンテンツ領域121が表示される。すなわち、人気の高いコンテンツの領域には、多くの通信素子13が対応しているので、同じコンテンツを要求するたくさんのユーザが各自のユーザ端末22を同じコンテンツ領域121に同時にかざした場合でも、それらのユーザは、同時に同じコンテンツの配信を受けることができる。したがって、人気が高い楽曲でも、複数のユーザは行列をつくることなく、即座に楽曲を入手することができる。
ユーザがコンテンツを購入することによってそのコンテンツのランキングが変動したり、また例えば、人気ランキング自身も変動したりする。本実施の形態では、コンテンツ関連情報取得部19は、ユーザがコンテンツを購入する度にランキングの更新をし、対応情報作成部20は、この更新に基づいて対応情報を更新する。これにより、コンテンツ領域も通信部14も、ランキングの変動に同期して、リアルタイムに動的に変動して、表示を行うことができる。
したがって、ユーザは、表示部12において、リアルタイムに最新情報を知ることができ、その最新の情報に基づいて、コンテンツを選んで購入することができる。
なお、本実施の形態では、データ通信装置は、人気ランキング順に、単にコンテンツ領域121〜125の面積を変えたが、他の情報に対応してこれらの面積その他表示形態を変化させるようにしても良い。例えば、ランキングが100人中の何人が投票したかを示すポイントを、コンテンツ関連情報として取得すれば、ポイントの数値に対応したコンテンツ領域を表示することができる。
例えば、人気ランキングNo.1が45ポイント、No.2が40ポイント、No.3が10ポイント、No.4が5ポイント、No.5が3ポイントであったとする。No.1のコンテンツ領域121は、No.2のコンテンツ領域122よりも少し大きい程度の大きさとし、No.3のコンテンツ領域123は、No.2のコンテンツ領域122に対する大きさの違いが目立つ程度に小さい大きさとする。また、No.4のコンテンツ領域124は、No.3のコンテンツ領域123よりも少し小さい大きさとし、No.5のコンテンツ領域125に対する大きさの差が目立つ程度に大きい大きさとする。このように、ポイント差をコンテンツ領域121〜125の大きさに反映させることによって、各コンテンツの人気の程度を表示部12で表示でき、ユーザの購入の参考に供することができる。
さらに、データ通信装置は、人気ランキングでコンテンツ領域121〜125を表示しつつ、コンテンツ領域121〜125のそれぞれの表示内容に、歌手名や楽曲名以外に、J‐POPランキング順位などの付帯情報を表示するようにしても良い。このような付帯情報も、ユーザの購買の良い参考となる。
また、データ通信装置は、各コンテンツ領域121〜125に、それぞれの歌手の似顔絵や写真などの画像や楽曲をイメージする絵や画像を表示しても良い。この場合、ユーザがコンテンツを選択しやすくなる。
さらに、本実施の形態では、対応情報作成部20は、人気ランキングNo.1〜No.5を表示する内容で対応情報を作成したが、図2の対応情報の「表示間隔」に違いを持たせるなどして、表示時間間隔との対応情報を作成しても良い。例えば、最初の5分はNo.1〜No.5を表示し、次の5分はNo.6〜No.10を表示するという内容の対応情報である。これにより、より多くのコンテンツの提供を行うことができる。
また、表示部12に表示される内容がスポーツの動画の場合には、ユーザは、試合観戦中に、ユーザ端末22を注目する選手の画像にかざすことで、その選手に関する情報を得ることができる。この場合、対応情報作成部20は、動画の再生タイミングに合わせて、選手の表示位置に対応した通信素子と、選手に関する情報を示すコンテンツ名とを、対応情報に記述する。
またさらに、表示部12を大画面とし、通信部14も通信素子13を例えば数百個備えたものとすることによって、細かいコンテンツの提供を行うことができる。
例えば、データ通信装置は、表示部12のコンテンツ領域121〜125を、人気の高い順に異なるジャンルに割り当て、各コンテンツ領域121〜125の中で、各ジャンルの人気ランキングに基づく領域表示をしても良い。
この場合、対応情報作成部20は、図2に示す対応情報に加えて、ジャンルとの対応関係を示す対応情報を作成する。これによって、コンテンツ領域121は、人気の高いJ‐POPのジャンルとし、その領域の中で、上記したようなJ‐POP人気ランキングNo.1〜No.5の楽曲などを表示する。コンテンツ領域122は、人気No.2の洋楽のジャンルとし、その中で人気ランキングNo.1〜No.5の楽曲を表示する。これによって、いろいろな趣味の多くのユーザに対応したデータ通信装置を提供できる。
また、本実施の形態では、コンテンツ領域121〜125の全てで人気ランキングNo.1〜No.5の楽曲のみを配信する例を示したが、これに限定されない。データ通信装置は、コンテンツ領域121〜124を、人気ランキングNo1.〜No.4の楽曲の配信に用い、コンテンツ領域125を人気ランキングNo.5以下の楽曲の配信に用いることもできる。
すなわち、データ通信装置は、人気ランキングNo.5〜No.10の楽曲「ee」〜「jj」に対しては、通信素子13‐15から配信するようにし、コンテンツ領域125を、右下部分のN個の画素を用いて桃色円形状に表示し、その領域内に、「選択」を意味する文字「S」を表示する。
この場合、対応情報作成部20は、図2に示す対応情報に、さらにコンテンツ選択のステップ数を付加し、楽曲「ee」〜「jj」に、異なる値の選択ステップ数を設定し、他の項目については同じ内容とすれば良い。そして、表示制御部15は、選択ステップ数に応じて表示する内容を変えるようにすれば良い。
これによって、ユーザは、所望の楽曲がコンテンツ領域121〜124にないとき、コンテンツ選択を示すコンテンツ領域125にユーザ端末22をかざしてその領域に対応する通信素子13‐15と通信を確立し、コンテンツ領域125の表示内容を切り替える。ここで、例えば、ユーザの所望の楽曲が「gg」であり、楽曲「gg」の選択ステップ数が「3」であったとする。この場合、ユーザは、コンテンツ選択領域125で通信素子13‐15との間で選択要求を3回行ってコンテンツの要求をすることにより、目的の楽曲「gg」を示すコンテンツ選択領域125を表示させ、通信素子13‐15からユーザ端末22への楽曲「gg」の配信を受けることができる。
これによって、それほど人気のないコンテンツを要望するユーザに対してもそのコンテンツを提供でき、より多くのユーザにコンテンツを配信できる。
また、本実施の形態では、対応情報によって、あるコンテンツに対して隣接する複数の通信素子13を対応させることにより、コンテンツ領域の面積を変えたが、これに限定されない。データ通信装置は、隣接する通信素子13ではなく、離隔した複数の通信素子13に、同一のコンテンツを対応させても良い。例えば、表示部12が平面的に設置されている場合など、そのコンテンツに対して、表示部12の周囲に配置された所定個数の間隔をあけて配置された複数個の通信素子13を対応させても良い。これにより、表示部12の周囲にいるユーザにそのコンテンツを選びやすくできる。
また、本実施の形態では、データ通信装置の装置本体11からユーザ端末22にコンテンツを送信する方法を述べたが、逆にユーザ端末22からデータ通信装置の装置本体11に、コンテンツを送信する場合もある。例えば、写真などのコンクールにユーザが画像や動画を投稿して応募するケースが考えられる。この場合には、例えば、コンテンツとしての表示内容は、コンクールへの応募の説明であり、応募可能人数の多いコンクールほど、面積が大きく割り当てられる。そして、ユーザは、複数表示されているいくつかのコンクールの中から選択し、ユーザ端末からユーザの撮影した画像や動画を、選んだコンクールに対して応募するようにすることができる。
このような構成とすることによって、データ通信装置は、コンクールの数に応じて応募説明の領域を動的に変化させ、その説明の領域に応じてユーザ端末との間で通信して、ユーザの応募操作を受け付けることができる。
また、対応情報作成部20は、図1に示すコンテンツ領域121〜125と同様なマイコンテンツ領域を、対応情報として作成して保存しておき、ユーザ操作を受けて、保存しておいた対応情報に基づいて表示を行うようにしても良い。これにより、ユーザは、自らがコンテンツ取得部18に保存したコンテンツを、後で取り出すことができる。
また、異なるユーザ端末を用いてデータ通信装置11へコンテンツを保存し、この保存されたコンテンツを、ユーザ端末22の操作によりデータ通信装置11から取り出すようにしても良い。
また、データ通信装置11へコンテンツを保存したユーザとは異なるユーザにより、このコンテンツの取り出しを行うようにしても良い。
(実施の形態2)
本実施の形態は、日本地図と世界地図とが入れ替わって表示される旅行会社のポスターの表面に、実施の形態1で説明した通信部が設けられた例である。本実施の形態では、ユーザは、この地図上の旅したい都道府県あるいは世界の国に、ユーザ端末をかざすことによって、各都道府県あるいは世界各国のガイドブック情報を、コンテンツとして得ることができる。
実施の形態1との大きな違いは、ディスプレイで表示していたコンテンツの内容が、ポスターでの表示になった点である。
図4は本発明のデータ通信装置の実施の形態2にかかる構成を示すブロック図である。
図4において、本実施の形態のデータ通信装置としての装置本体51は、日本地図と世界地図が入れ替わるように構成された表示部52と別体で構成されている。
図4では、日本地図を表示する表示面521が示されている。装置本体51は、通信部54、識別部55、および通信素子制御部56を備えている。通信部54は、表示部52の表面に設置されている。また、通信部54には、シートアンテナからなる通信素子53がマトリクス状に形成されている。識別部55は、表示部52の表示面が日本地図と世界地図とのうちいずれを表示しているのかを検出する。通信素子制御部56は、識別部55で検出した表示部52の表示面内容に応じて、通信部54の通信素子53を制御する。
なお、識別部55は、後述するように、本実施の形態では、通信部54の通信素子53と同様な構成で、通信部54内に設けられる。
さらに、装置本体51は、コンテンツ取得部57およびコンテンツ関連情報取得部58を備えている。コンテンツ取得部57は、観光案内、名所旧跡紹介、名物料理紹介などのガイドブック情報であるコンテンツを、例えば外部から取得し保存する。コンテンツ関連情報取得部58は、表示部52の都道府県または世界各国の地図上の位置情報(例えば、座標情報)である、コンテンツ関連情報を取得し保存する。
さらに、装置本体51は、対応情報作成部59、転送部60、および全体制御部61を備えている。対応情報作成部59は、コンテンツ取得部57が取得したコンテンツと識別部55が検出した表示面内容とに基づいて、対応情報を作成する。この対応情報は、コンテンツと表示部52と通信素子53との対応関係を示す情報である。転送部60は、コンテンツ取得部57が取得したコンテンツを通信素子53に転送する。全体制御部61は、これらの各構成要素を制御する。
ユーザ端末22は、実施の形態1と同じ構成であるので、同一符号で示し説明は省略した。
図5は本実施の形態のデータ通信装置の構成を示す上面図である。
図5において、表示部52は、日本地図を示す表示面521と、世界地図を示す表示面522と、2つの回転ローラ65、66とから構成されている。表示面521、522は、帯状かつ環状につながっており、平行に離隔して配置された回転ローラ65、66に懸架されている。そして、表示面521、522は、これら回転ローラ65、66の回転により、太い白矢印で示すユーザ側(図では上側)に、交互に提示される。すなわち、表示部52は、日本地図の表示面521と世界地図の表示面522とを、切り替えて提示するように構成されている。表示面521の右下および表示面522の右下(図4参照)には、それぞれ、日本地図または世界地図であることを示す情報を保持する情報担体(data carrier)67、68が形成されている。
回転ローラ65、66は図示しない駆動部によって所定周期で実線矢印方向に駆動され、表示面521および表示面522を、ユーザ側に周期的に交互に提示する。
データ通信装置の装置本体51は、その通信部54が表示部52のユーザ側に重なるように設置されている。通信部54のうち、基板69の表側(図の上側)には、複数の通信素子53が形成され、基板69の裏側(図の下側)には、例えばシートアンテナで構成される識別部55が形成されている。識別部55は、表示部52の情報担体67または68と対向し得る位置に配置されている。
なお、情報担体67、68は、RFID(Radio Frequency Identification)等のタグであり、タグのID(識別子)や付加情報などの情報を保持し、無線通信によって、保持している情報を送信する。また、識別部55は、RFIDのリーダーでも良い。情報担体67、68は、例えば、RFIDとしては、電子タグ、ICタグなどが挙げられ、他にも、ICカード、バーコードが挙げられる。
装置本体51のうち、通信部54(通信素子53を含む)以外の構成要素は、通信部54の周辺の駆動部70に設けられている。
本実施の形態では、コンテンツ取得部57は、表示部52の表示面の内容に応じて、事前にインターネットなどを介して外部からコンテンツを取得する。本実施の形態では、この取得されるコンテンツは、日本の都道府県および世界の国の、観光案内や名所旧跡、名物料理などのガイドブック情報である。
コンテンツ関連情報取得部58は、表示部52の地図情報を、事前にインターネットなどを介して入手し、都道府県および世界各国の表示部52上の位置情報を、取得および保存している。
なお、データ通信装置は、このコンテンツやコンテンツ関連情報を、インターネットを介してではなく、これらを記憶した各種の記憶媒体を用いて取得しても良いし、ユーザの手入力により事前に取得しても良い。また、データ通信手段は、表示面521、522の表示パターンを読み取って、自動で都道府県の位置、世界の国の位置を算出するなども可能である。すなわち、情報の取得形態は、何ら本実施の形態の内容に限るものではない。
対応情報作成部59は、コンテンツ取得部57が取得したコンテンツと、コンテンツ関連情報取得部58が取得した、表示面521、522における地図の場所情報とに基づいて、対応情報を作成し保存する。この対応情報は、地図の場所情報とコンテンツと通信素子53との対応関係を示す情報である。
通信部54には、実施の形態1と同様に、シートアンテナからなる通信素子53が、光透過性の基板69にマトリクス状に形成されている。通信部54は、表示部52のユーザ側の面に設置される。
このような構成からなるデータ通信装置51をユーザ側から見ると、通信部54を介して、表示部52の表示面521、522、すなわち日本地図または世界地図が見える。
ユーザは、ユーザ端末22を日本地図の所望の都道府県または世界地図の所望の国にかざして、操作部24を操作する。すると、ユーザ端末22がかざされた場所の観光ガイドが、その場所に対応する通信素子53を介して送受信部23に送信され、端末表示部25に表示される。すなわち、ユーザが所望する情報が、ユーザ端末22に配信される。
図6は、本実施の形態のデータ通信装置の動作を示すフロー図である。図4、図5を参照しながら、図6を用いて、その動作を説明する。
まず、コンテンツ取得部57は、装置本体51の全体制御部61の指示に基づいて、定期的にインターネットを介してガイドブック情報を取得する(S701)。これにより、常に更新されたガイドブック情報が、コンテンツ取得部57に保存される。
また、コンテンツ関連情報取得部58も、定期的にインターネットを介してコンテンツ関連情報を取得する(S702)。これにより、常に更新された表示面521、522上の地図の場所情報が、コンテンツ関連情報取得部58に保存される。
このコンテンツ関連情報は、上記したように、記憶媒体の記憶内容の書き換えや、表示部52の地図のパターンに基づく更新など、いろいろな方法によって更新される。
また、ステップS701とS702は、逆の順序で行なわれても良いし、同時に並行して行なわれても良い。
次に、識別部55は、全体制御部61の指示に基づいて、表示部52が表示する表示面の変更があったかどうかを判断する(S703)。
表示面に変更がない場合(S703のN)、識別部55は、表示面の変更があるまで待機する。
表示面に変更があった場合(S703のY)、対応情報作成部59は、全体制御部61の指示に従って、識別部55の検出結果に基づいて、対応情報を作成する(S704)。この対応情報は、コンテンツと、表示部52の表示面521、522と、通信素子53との対応関係を示す情報である。
すなわち、回転ローラ65、66が、図示しない駆動部によって所定時間ごとに回転させられ、表示部52の表示面521、522が変更されると、表示面521、522の右下に形成されている情報担体67、68の位置が、定期的に入れ替わる。通信部54の識別部55は、情報担体67、68と対向する位置に形成されている。したがって、識別部55は、表示面521、522が入れ替わる毎に、表示面521と表示面522との変更を検出する。対応情報作成部59は、その検出結果に基づいた全体制御部61の指示により、次のような対応情報を作成する。
まず、識別部55が日本地図の表示面521の情報担体67を検出したときについて説明する。対応情報作成部59は、コンテンツ関連情報取得部58が取得した表示面521上の各都道府県の領域を示す場所情報と、その場所情報に対応する通信部54の通信素子53と、コンテンツ取得部57が取得した該当する各都道府県のガイドマップ情報とを対応付けた、対応情報を作成する。
例えば、対応情報作成部59は、埼玉県に対応する表示面521上の領域を示す場所(例えば、地図上の座標)と、埼玉県に対応する場所を覆ういくつかの通信素子53と、埼玉県のガイドマップ情報とを対応付けた、対応情報を作成する。対応情報作成部59は、他の都道府県についても同様に対応情報を作成する。
次に、識別部55が世界地図の表示面522の情報担体68を検出したときについて説明する。対応情報作成部59は、日本地図の場合と同様に、世界の各国の表示面522上の場所と、その国に対応する場所を覆ういくつかの通信素子53と、その国のガイドマップ情報とを対応付けた、対応情報を作成する。
本実施の形態では、表示部52は、表示面521、522が入れ替わるだけとなっている。したがって、対応情報作成部59は、ガイドマップ情報に変化がなければ、入れ替わりの度に対応情報を作成する必要はない。すなわち、対応情報作成部59は、一旦作成した表示面521用の対応情報および表示面522用の対応情報を保存しておき、識別部55の検出結果により、保存した対応情報を切り替えて選択すれば良い。
次に、通信素子制御部56は、全体制御部61の指示により、対応情報作成部59が作成した対応情報に基づいて、各都道府県または世界の国の場所に対応する通信素子53にそのガイドブック情報を転送できるように、転送設定をする(S705)。
この状態で、装置本体51は、ユーザ端末22からガイドブック情報の入手の要求があるかを、全体制御部61で繰り返し判断することによって、ユーザからのガイドブック情報の入手の要求を待機する(S706)。
ユーザからのガイドブック情報入手の要求がない場合は(S706のN)、装置本体51は、ガイドブック情報の入手の要求があるまで、上記判断を繰り返す。
その後、ユーザが、自ら所有するユーザ端末22を、表示部52上の旅をしたい都道府県内または世界の国内のどこかにかざし、操作部24を操作することによって、送受信部23を介してガイドブック情報の入手を要求したとする。この場合、全体制御部61は、通信素子53を介して、非接触通信によるユーザからのガイドブック情報入手の要求を検知する(S706のY)。
次に、全体制御部61は、ユーザ端末22と通信が確立されている通信素子53の対応情報に基づいて、ユーザがどの都道府県または世界の国のガイドブック情報を要求しているかを判断する。なお、この対応情報は、上述の通り、対応情報作成部59が作成したものである。そして、全体制御部61は、ユーザ端末22と通信が確立されている通信素子53を介して、ユーザ端末22に、要求された都道府県または世界各国の名称を送信する。ユーザ端末22は、通信素子53から送信されてきた都道府県名または世界各国名を、送受信部23で受信し、制御部26の指示に基づいて、送信されてきた都道府県名または世界各国名を、端末表示部25に表示する。そして、ユーザ端末22は、ユーザに対して、表示した都道府県名または世界国名が要求したものかどうかの確認処理を行なう(S707)。
ユーザは、ユーザ端末22の端末表示部25に表示された都道府県名または世界国名が要求したものでない場合、例えば、操作部24に「NO」を入力するなどの操作を行う。これにより、受信判定部28は、その都道府県名または世界国名が正しくないことを示す信号を、送受信部23を介して装置本体51の通信素子53に送信する。なお、この送信は、制御部26の指示に基づいて行われる。
装置本体51の全体制御部61は、都道府県名または世界国名が正しくないことの信号を通信素子53が受信すると、供給しようとしているガイドブック情報がユーザの購入したいものでないと判断し(S707のN)、再度、ステップS701に戻ってこれまでの動作を行なう。
一方、ユーザは、ユーザ端末22の端末表示部25に表示された都道府県名または世界国名が要求したものである場合、例えば、操作部24に「YES」を入力するなどの操作を行う。これにより、受信判定部28は、都道府県名または世界国名が正しいことを送受信部23を介して装置本体51の通信素子53に送信する。なお、この送信は、制御部26の指示に基づいて行われる。
装置本体51の全体制御部61は、都道府県名または世界国名が正しいことの信号を通信素子53が受信すると、供給しようとしているガイドブック情報がユーザの購入したいものであると判断し(S707のY)、通常の決済処理を行なう(S708)。この決済処理は、全体制御部61の指示に基づいて、通信素子53を介して、ユーザ端末22との間で行われる。ユーザは、決済処理の経過をユーザ端末22の端末表示部25で確認し、必要な操作を操作部24で行うことができる。
決済処理が完了しなかった場合(S708のN)、装置本体51の全体制御部61は、決済不可の情報を、通信素子53からユーザ端末22の送受信部23に送信する。これにより、ユーザ端末22の制御部26は、端末表示部25に決済不可の情報を表示し、コンテンツ購入動作を終了する。
決済が完了した場合(S708のY)、全体制御部61は、決済完了の情報を、通信素子53を介してユーザ端末22の送受信部23に送信する。これにより、ユーザ端末22の制御部26は、端末表示部25に決済完了の情報を表示する。これと同時に、通信素子制御部56は、装置本体51の全体制御部61の指示により、ユーザ端末22から要求のあったガイドブック情報を、コンテンツ取得部57から読み込む。そして、通信素子制御部56は、読み込んだガイドブック情報を、ユーザ端末22と通信の確立している通信素子53に転送する(S709)。
これによって、ユーザは、通信素子53および送受信部23を介して、ユーザ端末22で、要求したガイドブック情報の配信を受けることができる。
以上のように、本実施の形態では、ユーザは、ユーザ端末22を、ガイドブック情報を入手したい表示部52上の都道府県または世界の国のいずれかにかざして購入を要求する操作を行うことにより、所望のガイドブック情報を入手することができる。すなわち、上記操作により、表示部52の表面に設けられている通信部54の複数の通信素子53のうち、その都道府県または世界の国に対応する通信素子53との間で通信が確立し、コンテンツ取得部57から通信素子53を介して、必要なガイドブック情報がユーザ端末22に配信される。
したがって、同じ都道府県または世界の国のガイドブック情報を複数のユーザが入手したい場合であっても、各場所に対応して複数の通信素子が設けられているので、複数のユーザは列をつくることなく、同時に同じガイドブック情報を入手することができる。
また、表示部52の表示面521、522は、旅行会社が決めた所定の周期で入れ替わり、その入れ替わりに伴って現れる表示面521、522上の情報担体67、68を、識別部55が検出する。これにより、データ通信装置は、いずれの表示面521、522がユーザに提示されているかを検出し、その検出結果に基づいて、対応情報作成部59が作成した対応情報を用いて、日本地図か世界地図の各ガイドブック情報が転送される通信素子53を動的に切り替えることができる。
なお、本実施の形態において、通信部54は、有機材料などの光透過性柔軟材料などからなる基板69に通信素子53をマトリクス状に形成した構成となっている。これにより、通信部54を駅構内などの柱に巻かれたポスターの上に巻いたり、ビルの大きな壁面などに貼られたポスターの上に貼り付けたりすることができる。すなわち、本実施の形態の通信部54は、いろいろな形状の表示部52に対応することができる。
なお、上記各実施の形態では、通信部14、54を表示部12、52の表面に設けたが、本発明の実施形態は、これに限られない。逆に、表示部12、52を、通信部14、54の上に設けても良い。
以上説明したように、本発明は、対応情報作成部により、多数の通信素子のうち、コンテンツが転送される所定数の通信素子を定めることができる。これにより、複数のユーザに対して、同じコンテンツを同時に提供することができる。したがって、待ち時間が発生せず、またコンテンツを取得できる領域を動的に変えることができ、コンテンツの選択操作が容易である。
本発明のデータ通信装置は、端末機器とコンテンツを通信するための通信素子を複数個有する通信部と、通信部の所定の通信素子にコンテンツを転送する転送部と、複数個の通信素子の中から、コンテンツが転送される通信素子を決定する対応情報作成部とを備えている。
これにより、複数のユーザへ同時に同じコンテンツを提供でき、待ち時間が発生せず、またコンテンツを取得できる領域を動的に変えることができるので、より多くのユーザへコンテンツを提供するなど、コンテンツの提供に関する操作が容易である。
また、本発明のデータ通信装置は、対応情報作成部は、複数のコンテンツが、それぞれ異なる数の通信素子へ転送されるように、コンテンツが転送される通信素子を決定している。
これにより、コンテンツの内容に応じてそのコンテンツが転送される通信素子の数を異ならせることができる。
また、本発明のデータ通信装置は、通信部に対応して設けられ、コンテンツを取得可能な領域を表示する表示部をさらに備えている。
これにより、表示部によってコンテンツを取得可能な領域を表示することができる。
また、本発明のデータ通信装置は、表示部は、対応情報作成部の決定に同期して表示内容を変更する構成を備えている。
これにより、表示部での表示内容に同期して通信部は携帯端末と通信を行うことができる。
また、本発明のデータ通信装置は、対応情報作成部は、表示部の表示内容の変化に同期してコンテンツが転送される通信素子を変更する構成を備えている。
これにより、表示部での表示内容に基づいて、コンテンツが転送される通信素子の数を変更することができる。
また、本発明のデータ通信装置は、表示部が表示するコンテンツを取得可能な領域の面積は、対応情報作成部が決定するコンテンツを転送する通信素子の数に比例する構成を備えている。
これにより、コンテンツを転送する通信素子の数を、表示部上のコンテンツを取得可能な領域の面積に比例させることができる。
また、本発明のデータ通信装置は、交換可能な情報担体を識別する識別部をさらに備え、対応情報作成部は、情報担体の有する情報に基づいて、コンテンツが転送される通信素子を決定する構成を備えている。
これにより、識別部を有する表示部に対して対応情報を作成して、端末機器との間でコンテンツの通信を行うことができる。
また、本発明のデータ通信装置は、通信部が、透光性材料から構成されている。
これにより、通信部を表示部の表面に設けることにより、ユーザは通信部側から表示部を見て所望のコンテンツ領域を選択でき、ユーザの端末機器と通信部間の通信も良好に行なえる。
また、本発明のデータ通信装置は、通信部が、柔軟性材料から構成されている。
これにより、通信部を柱や壁などに設けられたポスターなどと共に用いて、ポスターなどを利用して、いろいろな場所で所望のコンテンツを入手することができる。
また、本発明のデータ通信装置は、通信部は、コンテンツを送信する前にコンテンツを識別する情報を送信する構成を備えている。
これにより、通信部からのコンテンツの送信前に端末機器でその内容を確認でき、誤送信を防止することができる。
また、本発明のデータ通信装置は、通信部は、通信素子を介して端末機器から送信される情報を受信する受信部を有する構成を備えている。
これにより、端末機器から送信されるユーザの情報やコンテンツなどを受信することができる。
また、本発明のデータ通信装置は、端末機器から送信される情報に基づいてコンテンツの送信の可否を判断する送信判定部をさらに備えた構成を有している。
これにより、端末機器からの可否判断結果に基づいてコンテンツを送信できるので、誤送信を防止することができる。
また、本発明のデータ通信装置は、対応情報作成部は、端末機器から送信される情報に基づいてコンテンツが転送される通信素子を決定する構成を備えている。
これにより、端末機器から送信された情報を反映して対応情報を作成することができる。
また、本発明のデータ通信装置は、通信部に対応して設けられ、コンテンツを取得可能な領域を表示する表示部をさらに備え、表示部は、端末機器から送信される情報に基づいて表示内容を決定する構成を備えている。
これにより、端末機器から送信された情報を反映して表示部での表示内容を変化させることができる。
さらに、本発明の端末機器は、コンテンツを通信するための通信素子を複数個有する通信部と、通信部の所定の通信素子にコンテンツを転送する転送部と、複数個の通信素子の中から、コンテンツが転送される通信素子を決定する対応情報作成部とを備え、通信部はコンテンツを送信する前にコンテンツを識別する情報を送信するデータ通信装置との間で、コンテンツが転送される通信素子を介してコンテンツとコンテンツを識別する情報を受信するコンテンツ受信部を有する端末機器であって、受信したコンテンツを識別する情報に基づいて、コンテンツの受信の可否を判断する受信判定部を備えた構成を有している。
これにより、データ通信装置の通信部との間でコンテンツを識別する情報の通信を行って、事前にコンテンツ受信の可否を判断するので、間違ったコンテンツの受信を防ぐことができる。
さらに、本発明の端末機器は、受信したコンテンツを識別する情報に基づいて、表示する内容を決定する表示部を有する。
これにより、表示部を用いて視覚的に受信するコンテンツを確認できるので、間違ったコンテンツの受信をさらに防ぐことができる。
さらに、本発明のデータ通信システムは、コンテンツを通信するための通信素子を複数個有する通信部と、通信部の所定の通信素子にコンテンツを転送する転送部と、複数個の通信素子の中から、コンテンツが転送される通信素子を決定する対応情報作成部とを有するデータ通信装置と、データ通信装置との間で通信素子を介してコンテンツを受信する端末機器とを備えた構成を有している。
これにより、端末機器とデータ通信装置との間で事前にコンテンツの内容を確認してから、間違いのないコンテンツの受信を行うことができる。
2007年11月12日出願の特願2007−292840の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明は、ユーザ端末から所望のコンテンツを容易入手することができるキオスクなどや、画面内のコンテンツを入手することができる家庭用テレビなどに用いられるデータ通信装置として有用である。
本発明のデータ通信装置の実施の形態1にかかる構成を示すブロック図
実施の形態1の対応情報の例を示す概念図
実施の形態1の動作を示すフロー図
本発明のデータ通信装置の実施の形態2にかかる構成を示すブロック図
実施の形態2の構成を示す上面図
実施の形態2の動作を示すフロー図