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JPWO2008078580A1 - アダマンチルエタノール類及びその製造方法 - Google Patents

アダマンチルエタノール類及びその製造方法 Download PDF

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JPWO2008078580A1
JPWO2008078580A1 JP2008551033A JP2008551033A JPWO2008078580A1 JP WO2008078580 A1 JPWO2008078580 A1 JP WO2008078580A1 JP 2008551033 A JP2008551033 A JP 2008551033A JP 2008551033 A JP2008551033 A JP 2008551033A JP WO2008078580 A1 JPWO2008078580 A1 JP WO2008078580A1
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克樹 伊藤
克樹 伊藤
大野 英俊
英俊 大野
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

本発明は、医薬品原料や高機能性工業材料の原料などとして有用なアダマンチルエタノール類及びその製造方法であって、一般式(I)又は(II)で表されるアダマンチルエタノール類、一般式(III)で表されるアダマンタノン類と一般式(IV)で表される化合物とを反応させて一般式(V)で表されるアダマンチル酢酸類を合成し、該アダマンチル酢酸類を還元する、一般式(I)で表されるアダマンチルエタノール類の製造方法、及び一般式(III)で表されるアダマンタノン類と一般式(VI)で表される化合物とを反応させて一般式(VII)で表されるアダマンチル酢酸類を合成し、該アダマンチル酢酸類を還元する、一般式(II)で表されるアダマンチルエタノール類の製造方法である。式中、Yは例えばH、nは1〜14の整数、R1〜R3は例えばH、R4〜R6は例えばC2H5である。

Description

本発明は、非等価な二つの水酸基を有し、医薬品原料や高機能性工業材料の原料などとして有用な新規なアダマンチルエタノール類、及びこのものを効率良く製造する方法に関する。
アダマンタンは、シクロヘキサン環が4個、カゴ形に縮合した構造を有し、対称性が高く、安定な化合物であり、その誘導体は、特異な機能を示すことから、医薬品原料や高機能性工業材料の原料などとして有用であることが知られている。アダマンタンは、例えば、光学特性や耐熱性などを有することから、光ディスク基板、光ファイバーあるいはレンズなどに用いることが試みられている(例えば、特許文献1及び2参照)。また、アダマンタンエステル類を、その酸感応性、ドライエッチング耐性、紫外線透過性などを利用して、フォトレジスト用樹脂原料として、使用することが試みられている(例えば、特許文献3参照)。
アダマンタン誘導体のうちの水酸基含有アダマンタン誘導体の製造方法としては、アダマンタン類をルテニウム化合物及び次亜塩素酸塩類と反応させて、アダマンタン骨格に同時に複数の水酸基を導入する方法(例えば、特許文献4参照)や1,3−ジクロロアダマンタンを硫酸及び水により加水分解して水酸基を導入する方法(例えば、特許文献5参照)などがある。これら方法により得られる1,3−アダマンタンジオールの二つの水酸基はいずれもアダマンタン骨格に結合しており、等価であるため、これら二つの水酸基は同等の反応性を有する。したがって、一方の水酸基のみを反応させ、他方の水酸基を反応させないで未反応の状態にしておくことは極めて困難である。一方、二つの非等価な水酸基を持つ化合物としては、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタノール、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルエタノールなどが知られているが、合成に際してはいずれも工程数が多く、また、収率も悪い。さらに、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタノールについては、アダマンチル基による立体障害の影響により、水酸基の反応性が低いという問題があった。
特開平6−305044号公報 特開平9−302077号公報 特開平4−39665号公報 特開2005−320280号公報 特開2005−82566号公報
以上のような状況から、本発明は、医薬品原料や高機能性工業材料の原料などとして有用なアダマンチルエタノール類及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、非等価な二つの水酸基を有する特定構造のアダマンチルエタノール類が、医薬品原料や高機能性工業材料の原料などとして有用であることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、以下のアダマンチルエタノール類及びその製造方法を提供するものである。
1. 一般式(I)で表されるアダマンチルエタノール類。
Figure 2008078580
(式中、Yは、水素原子、ハロゲン原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の炭化水素基から選ばれる基を示す。Yが複数ある場合、これらは同一でも異なっていてもよく、また、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。nは1〜14の整数を示す。R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基から選ばれる基を示す。)
2. 一般式(II)で表されるアダマンチルエタノール類。
Figure 2008078580
(式中、Y及びnは上記と同じである。R3は、水素原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基から選ばれる基を示す。)
3. 一般式(III)で表されるアダマンタノン類と一般式(IV)で表される化合物とを反応させて一般式(V)で表されるアダマンチル酢酸類を合成し、該アダマンチル酢酸類を還元することを特徴とする、一般式(I)で表されるアダマンチルエタノール類の製造方法。
Figure 2008078580
(式中、Y及びnは上記と同じである。R1、R2及びR4は、それぞれ独立に水素原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基から選ばれる基を示す。)
4. 一般式(III)で表されるアダマンタノン類と一般式(VI)で表される化合物とを反応させて一般式(VII)で表されるアダマンチル酢酸類を合成し、該アダマンチル酢酸類を還元することを特徴とする、一般式(II)で表されるアダマンチルエタノール類の製造方法。
Figure 2008078580
(式中、Y及びnは上記と同じである。R3、R5及びR6は、それぞれ独立に水素原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基から選ばれる基を示す。)
本発明のアダマンチルエタノール類は、非等価な二つの水酸基を有するため、一方の水酸基のみを反応させ、他方の水酸基を反応させないで未反応の状態にしておくことができるので、医薬品原料や高機能性工業材料の原料などとして有用である。また、本発明の製造方法によれば、これらのアダマンチルエタノール類を高収率で製造することができる。
本発明のアダマンチルエタノール類は、下記一般式(I)又は(II)で表される。
Figure 2008078580
上記一般式(I)及び(II)において、Yは、水素原子、ハロゲン原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の炭化水素基から選ばれる基を示す。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、塩化メチル基及び塩化エチル基などが挙げられる。Yが複数ある場合、これらは同一でも異なっていてもよく、また、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。nは1〜14の整数を示す。
上記一般式(I)において、R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基から選ばれる基を示す。これらの炭化水素基としては、上記Yにおいて例示した炭化水素基の中で、ヒドロキシメチル基以外の基を挙げることができる。
また、上記一般式(II)において、R3は、水素原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基から選ばれる基を示す。これらの炭化水素基としては、上記Yにおいて例示した炭化水素基と同様のものが挙げられる。
上記一般式(I)で表されるアダマンチルエタノール類は、一般式(III)で表されるアダマンタノン類と一般式(IV)で表される化合物とを反応させて一般式(V)で表されるアダマンチル酢酸類を合成し(工程1)、該アダマンチル酢酸類を還元する(工程2)ことにより得ることができる。
Figure 2008078580
(式中、Y及びnは上記と同じである。R1、R2及びR4は、それぞれ独立に水素原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基から選ばれる基を示す。R1及びR2示される炭化水素基は上記のとおりであり、R4で示される炭化水素基としては、上記Yにおいて例示した炭化水素基と同様のものが挙げられる。)
一般式(III)で表されるアダマンタノン類と一般式(IV)で表される化合物とを反応させる工程1に先立ち、一般式(IV)で表される化合物を塩基性化合物と反応させる。この反応の目的は、下記式(IV−a)
Figure 2008078580
(式中、Y、R1、R2及びR4は上記と同じである。)
で表されるアニオンを生じさせるためである。したがって、上記化合物(IV)のカルボキシル基のα炭素に結合した水素を脱離させるためには、上記化合物(IV)と反応させる塩基性化合物が、十分な塩基性度を有することが必要である。このような塩基性化合物として具体的には、メチルリチウム,エチルリチウム及びn−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム化合物、水素化ナトリウム,水素化カルシウム,リチウムジイソプロピルアミド,ナトリウムアミド,金属リチウム,金属ナトリウム及び金属カリウムなどのアルカリ金属などを挙げることができる。
また、上記化合物(IV)として具体的には、酢酸エチル,プロピオン酸エチル,クロロ酢酸エチル,酢酸2−メトキシエチル,酢酸2−(ジエチルアミノ)エチル及びエチル酢酸2−クロロエチルなどを挙げることができる。化合物(IV)の使用量は、一般式(III)で表されるアダマンタノン類に対して、通常0.5〜5モル倍程度、好ましくは0.9〜2モル倍である。
一般式(IV)で表される化合物と塩基性化合物との反応は、通常、溶媒中で行う。溶媒としては、塩基性化合物に対して安定で、一般式(III)で表されるアダマンタノン類の溶解度が0.5質量%以上、望ましくは5質量%以上の溶媒を用いるのが有利である。溶媒の使用量は反応混合物中のアダマンタノン類の濃度が0.5質量%以上、望ましくは5質量%以上となる量である。このとき、上記アダマンタノン類は懸濁状態でもよいが、溶解していることが望ましい。また使用前に溶媒中の水分を取り除くことが望ましい。溶媒として具体的には、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、THF(テトラヒドロフラン)、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングチコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
溶媒の使用量は、特に限定されるものではないが、一般式(III)で表されるアダマンタノン類100質量部に対して、10〜10000質量部程度、好ましくは50〜5000質量部である。
一般式(IV)で表される化合物と塩基性化合物との反応は、通常−200〜100℃程度、好ましくは−100〜30℃の温度において行う。反応温度が−200℃以上であると、反応速度が低下せず適度のものとなるため、反応時間が短縮される。また、反応温度が100℃以下であると、副反応が抑制されるため、収率が向上する。反応の際の圧力は特に限定されるものではないが、常圧程度で行うと特別な装置が不要となり、産業上有用である。反応時間は、通常1分〜24時間程度、望ましくは1〜10時間である。
一般式(IV)で表される化合物と塩基性化合物とを反応させて得られた反応混合物中に、一般式(III)で表されるアダマンタノン類を、必要に応じて溶媒に溶解させて滴下し、反応させる。定期的にサンプリングを行って反応を追跡し、滴下したアダマンタノン類が全て反応したところで水を加え、適当な溶媒を用いて抽出し、次いで溶媒を留去することによって一般式(V)で表されるアダマンチル酢酸類を得る。一般式(III)で表されるアダマンタノン類を溶解される溶媒、上記抽出に用いる溶媒としては、上記した一般式(IV)で表される化合物と塩基性化合物との反応の際に用いる溶媒と同様のものを用いることができる。
上記反応により得られた一般式(V)で表されるアダマンチル酢酸類はそのまま次の工程に用いてもよいし、必要に応じて精製することもできる。精製方法としては、蒸留、晶析、カラムクロマトグラフィーなど一般的な精製方法の中から、製造スケールや必要とする純度などを考慮して選択することができる。
工程2において、一般式(V)で表されるアダマンチル酢酸類を還元して、一般式(I)で表されるアダマンチルエタノール類を得る。還元方法としては、エステル類を還元するための一般的な方法が適用できる。具体的には水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、LiAlH(O−R)3(Rはアルキル基)、ジボラン、ボラン/THF錯体、ボラン/1,2−ビス(t−ブチルチオ)エタン錯体、ボラン/t−ブチルアミン錯体、ボラン/N,N−ジエチルアニリン錯体、ボラン/ジメチルアミン錯体、ボラン/ジメチルスルフィド錯体、ボラン/モルフォリン錯体、ボラン/ピリジン錯体、ボラン/トリエチルアミン錯体、ボラン/トリメチルアミン錯体又はボラン/トリフェニルホスフィン錯体などの還元剤を用いる方法、金属触媒を用いた水素添加などの方法を挙げることができる。また、必要に応じて、エステルを加水分解してカルボキシル基に変換した後、このカルボキシル基を還元する一般的な方法を適用して、一般式(I)で表されるアダマンチルエタノール類を得ることもできる。
一般式(V)で表されるアダマンチル酢酸類の還元は、通常、溶媒の存在下で行う。溶媒としては、一般的な有機溶媒を使用することができ、例えば、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、THF(テトラヒドロフラン)、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングチコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、DMSO(ジメチルスルホキシド)、HMPA(ヘキサメチルホスホリックトリアミド)、DMF(ジメチルホルムアミド)及びスルホランなどが挙げられる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
上記還元剤を用いる方法では、通常−100〜200℃程度、好ましくは−50〜100℃の温度において還元反応を行う。また、水素添加では、通常0〜300℃程度、好ましくは常温〜200℃の温度において還元反応を行う。反応の際の圧力は、特に限定されるものではないが、還元剤を用いる方法では、常圧程度とすることができ、常圧程度で還元反応を行うと特別な装置が不要となり、産業上有用である。また、水素添加では、通常、常圧〜20MPa程度、望ましくは常圧〜10MPaである。反応時間は、通常1分〜24時間程度、望ましくは1〜10時間である。
上記還元反応により得られた一般式(I)で表されるアダマンチルエタノール類は、必要に応じて精製することができる。精製方法としては、蒸留、晶析、カラムクロマトグラフィーなど一般的な精製方法の中から、製造スケールや必要とする純度などを考慮して選択することができる。
上記一般式(II)で表されるアダマンチルエタノール類は、一般式(III)で表されるアダマンタノン類と一般式(VI)で表される化合物とを反応させて一般式(VII)で表されるアダマンチル酢酸類を合成し(工程1)、該アダマンチル酢酸類を還元する(工程2)ことにより得ることができる。
Figure 2008078580
(式中、Y及びnは上記と同じである。R3、R5及びR6は、それぞれ独立に水素原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基から選ばれる基を示す。R3、R5及びR6で示される炭化水素基としては、上記Yにおいて例示した炭化水素基と同様のものが挙げられる。)
一般式(III)で表されるアダマンタノン類と一般式(VI)で表される化合物とを反応させる工程1に先立ち、一般式(VI)で表される化合物を塩基性化合物と反応させる。この反応の目的は、下記式(VI−a)
Figure 2008078580
(式中、Y、R3、R5及びR6は上記と同じである。)
で表されるアニオンを生じさせるためである。したがって、上記化合物(VI)のカルボキシル基のα炭素に結合した水素を脱離させるためには、上記化合物(VI)と反応させる塩基性化合物が、十分な塩基性度を有することが必要である。このような塩基性化合物の具体例としては、上記化合物(IV)と反応させる塩基性化合物と同様のものが挙げられる。
また、上記化合物(VI)として具体的には、マロン酸メチル、マロン酸エチル、マロン酸プロピル、メチルマロン酸メチル、メチルマロン酸エチル、メチルマロン酸プロピル、エチルマロン酸メチル、エチルマロン酸エチル、エチルマロン酸プロピル、プロピルマロン酸メチル、プロピルマロン酸エチル及びプロピルマロン酸プロピルなどを挙げることができる。化合物(VI)の使用量は、一般式(III)で表されるアダマンタノン類に対して、通常0.5〜5モル倍程度、好ましくは0.9〜2モル倍である。
一般式(VI)で表される化合物と塩基性化合物との反応については、上記一般式(IV)で表される化合物と塩基性化合物との反応と同様である。また、一般式(VI)で表される化合物と一般式(III)で表されるアダマンタノン類との反応、及びこの反応により得られる一般式(VII)で表されるアダマンチル酢酸類の還元反応については、上記一般式(IV)で表される化合物と一般式(III)で表されるアダマンタノン類との反応、及び上記一般式(V)で表されるアダマンチル酢酸類の還元反応と同様である。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1(2−ヒドロキシ−2−アダマンチルエタノールの合成)
温度計、撹拌棒、3方コック及び滴下ロートを備え付けた2Lの4つ口フラスコを窒素置換したのち、乾燥エーテル200mL及びジイソプロピルアミン[FW(分子量)=101.19、32.38g、0.32mol]を仕込み、−76℃に冷却した。このフラスコにゆっくりとn−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン溶液[1.6mol/L、200mL、0.32mol]を滴下し、30分間撹拌した。その後、内温が−50℃を超えないように酢酸エチル[FW=88.11、28.18g、0.32mol]を加え、30分間撹拌し、次に乾燥エーテル400mLに溶解させたアダマンタノン[FW=150.21、40.06g、0.26mol]をゆっくり滴下した。−76℃で30分間撹拌した後、原料であるアダマンタノンの消失をガスクロマトグラフィーで確認した。その後、反応液を分液ロートに移し、有機相を1mol/Lの塩酸1.2Lとイオン交換水1.2Lによる洗浄を3回行い、溶媒を濃縮し、白色固体である2−エトキシカルボニルメチル−2−アダマンタノール[FW=238.32,57.34g,収率92.3%]を得た。
温度計、撹拌棒、3方コック及び滴下ロートを備え付けた1000mLの4つ口フラスコを窒素置換したのち、乾燥エーテル350mLを加え、0℃に冷却した。このフラスコにゆっくりとLiAlH4[FW=37.95、11.32g、0.2985mol]を入れた。上記方法で得た2−エトキシカルボニルメチル−2−アダマンタノール[FW=238.32,47.464g,0.199mol]を乾燥エーテル150mLで溶解し、滴下ロートを用いて滴下した。この滴下は、内温が5℃以上にならない程度の間隔で行った。滴下終了1時間後、ガスクロマトグラフィー分析により、2−エトキシカルボニルメチル−2−アダマンタノールの消失を確認した。
反応液を氷と2mol/L塩酸の入ったビーカーに少しづつ移し、過剰のLiAlH4を失活させた。反応液を分液ロートに移し、酢酸エチル500mLで二回抽出した。有機相を集め、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を濃縮したところ、粗製物35.98g[粗収率92.17%]を得た。酢酸エチルを用いて粗製物の再結晶を行い、目的物(白色結晶)を得た[収量27.00g、収率69.1%、GC純度99.09%]。
得られた白色結晶を、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR、13C−NMR)及びガスクロマトグラフ−質量分析(GC−MS)により同定したところ、下記式で示す2−ヒドロキシ−2−アダマンチルエタノールであることを確認した。スペクトルデータを以下に示す。核磁気共鳴スペクトルは、溶媒としてCDCl3を用いて、日本電子株式会社製のJNM−ECA500により測定し、GC−MSは、株式会社島津製作所製のGCMS−QP2010により測定した。
Figure 2008078580
1H-NMR(500MHz):1.57-1.59(2H),1.69-1.85(10H),1.96(2H),2.16-2.19(2H),2.87(OH,2H),3.88(2H)
13C-NMR(126MHz):19.84,19,90,25.16,27.21,29.56,30.83,51.74,69.19
GC-MS(EI):196(M+,0.04%),178(1.85%),151(100%),133(6.59%),107(8.53%),91(20.17%),79(18.20%)
実施例2(2−ヒドロキシ−2−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)アダマンタンの合成)
温度計、撹拌棒、3方コック及び滴下ロートを備え付けた2Lの4つ口フラスコを窒素置換したのち、乾燥エーテル200mL及びジイソプロピルアミン[FW(分子量)=101.19、32.38g、0.32mol]を仕込み、−76℃に冷却した。このフラスコにゆっくりとn−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン溶液[1.6mol/L、200mL、0.32mol]を滴下し、30分間撹拌した。その後、内温が−50℃を超えないようにマロン酸ジエチル[FW=160.17、51.25g、0.32mol]を加え、30分間撹拌し、次に乾燥エーテル400mLに溶解させたアダマンタノン[FW=150.21、40.06g、0.26mol]をゆっくり滴下した。−76℃で30分間撹拌した後、原料であるアダマンタノンの消失をガスクロマトグラフィーで確認した。その後、反応液を分液ロートに移し、有機相を1mol/Lの塩酸1.2Lとイオン交換水1.2Lによる洗浄を3回行い、溶媒を濃縮し、白色固体である2−ヒドロキシ−2−(ジエトキシカルボニルメチル)アダマンタン[FW=310.39,72.92g,収率88.1%]を得た。
温度計、撹拌棒、3方コック及び滴下ロートを備え付けた1000mLの4つ口フラスコを窒素置換したのち、乾燥エーテル350mLを加え、0℃に冷却した。このフラスコにゆっくりとLiAlH4[FW=37.95、15.18g、0.40mol]を入れた。上記方法で得た2−ヒドロキシ−2−(ジエトキシカルボニルメチル)アダマンタン[FW=310.39,62.08g,0.20mol]を乾燥エーテル150mLで溶解し、滴下ロートを用いて滴下した。この滴下は、内温が5℃以上にならない程度の間隔で行った。滴下終了1時間後、ガスクロマトグラフィー分析により、2−ヒドロキシ−2−(ジエトキシカルボニルメチル)アダマンタンの消失を確認した。
反応液を氷と2mol/L塩酸の入ったビーカーに少しづつ移し、過剰のLiAlH4を失活させた。反応液を分液ロートに移し、酢酸エチル500mLで二回抽出した。有機相を集め、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を濃縮したところ、粗製物43.95g[粗収率97.1%]を得た。酢酸エチルを用いて粗製物の再結晶を行い、目的物(白色結晶)を得た[収量34.68g、収率76.6%、GC純度98.8%]。
得られた白色結晶を、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR、13C−NMR)により同定したところ、下記式で示す2−ヒドロキシ−2−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)アダマンタンであることを確認した。スペクトルデータを以下に示す。核磁気共鳴スペクトルは、溶媒としてCDCl3を用いて、日本電子株式会社製のJNM−ECA500により測定した。
Figure 2008078580
1H-NMR(500MHz):1.56-1.60(2H),1.70-1.89(10H),2.00-2.20(3H),2.75(OH,3H),3.80(2H),4.00(2H)
13C-NMR(126MHz):19.8,19,9,26.0,28.5,31.1,55.3,56.0,74.5
本発明のアダマンチルエタノール類は、医薬品原料や高機能性工業材料の原料などとして有用である。また、本発明の製造方法によれば、これらのアダマンチルエタンール類を高収率で製造することができる。

Claims (4)

  1. 一般式(I)で表されるアダマンチルエタノール類。
    Figure 2008078580
    (式中、Yは、水素原子、ハロゲン原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の炭化水素基から選ばれる基を示す。Yが複数ある場合、これらは同一でも異なっていてもよく、また、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。nは1〜14の整数を示す。R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基から選ばれる基を示す。)
  2. 一般式(II)で表されるアダマンチルエタノール類。
    Figure 2008078580
    (式中、Yは、水素原子、ハロゲン原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の炭化水素基から選ばれる基を示す。Yが複数ある場合、これらは同一でも異なっていてもよく、また、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。nは1〜14の整数を示す。R3は、水素原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基から選ばれる基を示す。)
  3. 一般式(III)で表されるアダマンタノン類と一般式(IV)で表される化合物とを反応させて一般式(V)で表されるアダマンチル酢酸類を合成し、該アダマンチル酢酸類を還元することを特徴とする、一般式(I)で表されるアダマンチルエタノール類の製造方法。
    Figure 2008078580
    (式中、Yは、水素原子、ハロゲン原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の炭化水素基から選ばれる基を示す。Yが複数ある場合、これらは同一でも異なっていてもよく、また、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。nは1〜14の整数を示す。R1、R2及びR4は、それぞれ独立に水素原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基から選ばれる基を示す。)
  4. 一般式(III)で表されるアダマンタノン類と一般式(VI)で表される化合物とを反応させて一般式(VII)で表されるアダマンチル酢酸類を合成し、該アダマンチル酢酸類を還元することを特徴とする、一般式(II)で表されるアダマンチルエタノール類の製造方法。
    Figure 2008078580
    (式中、Yは、水素原子、ハロゲン原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の炭化水素基から選ばれる基を示す。Yが複数ある場合、これらは同一でも異なっていてもよく、また、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。nは1〜14の整数を示す。R3、R5及びR6は、それぞれ独立に水素原子、及び酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基から選ばれる基を示す。)
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