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JP4271461B2 - ハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

ハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体及びその製造方法 Download PDF

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JP4271461B2 JP2003056530A JP2003056530A JP4271461B2 JP 4271461 B2 JP4271461 B2 JP 4271461B2 JP 2003056530 A JP2003056530 A JP 2003056530A JP 2003056530 A JP2003056530 A JP 2003056530A JP 4271461 B2 JP4271461 B2 JP 4271461B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、本発明は、フォトリソグラフィー分野におけるフォトレジスト用樹脂の改質剤やドライエッチング耐性向上剤、農医薬中間体、その他各種工業製品用などとして有用な新規なハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体、及びこのものを効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アダマンタンは、シクロヘキサン環が4個、カゴ形に縮合した構造を有し、対称性が高く、安定な化合物であり、その誘導体は、特異な機能を示すことから、医薬品原料や高機能性工業材料の原料などとして有用であることが知られている。例えば光学特性や耐熱性などを有することから、光ディスク基板、光ファイバーあるいはレンズなどに用いることが試みられている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
また、アダマンタンエステル類を、その酸感応性、ドライエッチング耐性、紫外線透過性などを利用して、フォトレジスト用樹脂原料として、使用することが試みられている(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
一方、近年、半導体素子の微細化が進むに伴い、その製造におけるリソグラフィー工程において、さらなる微細化が要求されており、したがって、KrF、ArFあるいはF2 エキシマレーザー光などの短波長の照射光に対応したフォトレジスト材料を用いて、微細パターンを形成させる方法が種々検討されている。そして、前記エキシマレーザー光などの短波長の照射光に対応できる新しいフォトレジスト材料の出現が望まれていた。
ところで、アダマンタノールとハロゲノ酢酸とのエステル化合物であるハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体は、分子中にアダマンタン骨格を有し、フォトレジスト用樹脂の改質剤などや、農医薬中間体などとして有用であることが考えられるが、これまで知られていない化合物である。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−305044号公報
【特許文献2】
特開平9−302077号公報
【特許文献3】
特開平4−39665号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、フォトリソグラフィー分野におけるフォトレジスト用樹脂の改質剤やドライエッチング耐性向上剤、農医薬中間体、その他各種工業製品用などとして有用な新規なアダマンタン誘導体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記用途に有用な新規なアダマンタン誘導体を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、アダマンタン骨格にハロゲノアセトキシ基が導入されてなるハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体は、文献未載の新規な化合物であり、その目的に適合し得ること、そして該化合物は特定のプロセスにより、効率よく製造し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1) アダマンタン骨格にハロゲノアセトキシ基を有することを特徴とする ハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体、
(2) ハロゲノアセトキシ基が、クロロアセトキシ基又はブロモアセトキシ基である上記(1)のハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体、
(3) 2−ハロゲノアセトキシアダマンタン、2−アルキル−2−ハロゲノアセトキシアダマンタン、1−ハロゲノアセトキシアダマンタン、1−ハロゲノアセトキシ−3−ヒドロキシアダマンタン、1, 3−ビス(ハロゲノアセトキシ)アダマンタン又は1−ハロゲノアセトキシパーフルオロアダマンタンである上記(1)、(2)のハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体、
(4) 2−アルキル−2−ハロゲノアセトキシアダマンタンである上記(3)のハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体、
(5) 1−ハロゲノアセトキシ−3−ヒドロキシアダマンタンである上記(3)のハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体、及び
(6) アダマンタン骨格のヒドロキシル基にハロゲノ酢酸ハライドを反応させるか、又は該ヒドロキシル基にリチオ化剤を作用させてリチウムオキシ基に誘導したのち、ハロゲノ酢酸ハライドを反応させ、ハロゲノアセトキシ基を導入することを特徴とするハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体の製造方法、
を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体は、アダマンタン骨格に、ハロゲノアセトキシ基を有する文献未載の新規な化合物であり、例えば一般式(I−a)、(I−b)、(I−c)
【0008】
【化1】
Figure 0004271461
【0009】
(式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、R2 は水素原子、ヒドロキ シル基又はXCH2 COO−基、Xはハロゲン原子を示す。)
で表される化合物を挙げることができる。
前記一般式(I−a)において、R1 のうちの炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状及び分岐鎖状のいずれであってもよく、特に炭素数1〜5の低級アルキル基が好ましい。このアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基などが挙げられる。
【0010】
また、前記一般式(I−a)、(I−b)、(I−c)において、Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、これらの中で塩素及び臭素が好ましい。
前記一般式(I−a)で表されるハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体は、2−ハロゲノアセトキシアダマンタン又は2−アルキル−2−ハロゲノアセトキシアダマンタンであり、一般式(I−b)で表されるハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体は、1−ハロゲノアセトキシアダマンタン、1−ハロゲノアセトキシ−3−ヒドロキシアダマンタン又は1,3−ビス(ハロゲノアセトキシ)アダマンタンであり、一般 式(I−c)で表されるハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体は、1−ハロゲノアセトキシパーフルオロアダマンタンである。本発明においては、これらのハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体の中で、2−アルキル−2−ハロゲノアセトキシアダマンタン及び1−ハロゲノアセトキシ−3−ヒドロキシアダマンタンを好ましく挙げることができる。この2−アルキル−2−ハロゲノアセトキシアダマンタンの具体例としては、2−クロロアセトキシ−2−メチルアダマンタン及び2−ブロモアセトキシ−2−メチルアダマンタンなどが挙げられる。
【0011】
前記ハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体は、以下に示す本発明の方法により、効率よく製造することができる。
本発明のハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体の製造方法においては、二つの態様、すなわち(1)アダマンタン骨格のヒドロキシル基にハロゲノ酢酸ハライドを反応させる方法、及び(2)アダマンタン骨格のヒドロキシル基にリチオ化剤を作用させ、リチウムオキシ基に誘導したのち、ハロゲノ酢酸ハライドを反応させる方法がある。
前記(1)の方法においては、例えば反応式(A)
【0012】
【化2】
Figure 0004271461
【0013】
(式中、Adは置換基を有する若しくは有しないアダマンタン環、X1 はハロゲン原子を示し、Xは前記と同じである。)
に従って、アダマンタノール類(II)とハロゲノ酢酸ハライド(III) とをエステル化反応させることにより、目的のハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体(I)が得られる。なお、アダマンタノール類(II)が、分子中に複数のヒドロキシル基を有する場合には、そのヒドロキシル基の一部又は全部に、ハロゲノ酢酸ハライド(III)を反応させることができる。
この反応において、原料の一つとして用いられるアダマンタノール類(II)としては、例えば前記一般式(I−a)で表される化合物の原料として、2−アダマンタノール、2−アルキル−2−アダマンタノール、一般式(I−b)で表される化合物の原料として、1−アダマンタノール、1, 3−アダマンタンジオール、一般式( I−c) で表される化合物の原料として、パーフルオロ−1−アダマンタノールなどを挙げることができる。
【0014】
もう一つの原料として、用いられるハロゲノ酢酸ハライド(III)としては、例えばモノクロロ酢酸クロリド、モノクロロ酢酸フルオリド、モノクロロ酢酸ブロミド、モノブロモ酢酸クロリド、モノブロモ酢酸フルオリド、モノブロモ酢酸ブロミドなどが挙げられる。
この反応は、溶媒の存在下又は非存在下に、塩基触媒を用いて行うことができる。該塩基触媒としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリンなどの有機塩基が好ましく、これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、溶媒を用いる場合には、該溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
【0015】
反応温度は、通常−78〜100℃、好ましくは−78℃〜80℃の範囲で選定される。また、反応圧力は、通常0.1〜10MPaの範囲で選定される。反応時間は、反応温度などの条件によって左右され、一概に決めることはできないが、通常1時間〜10日、好ましくは1時間〜3日程度である。溶媒を用いる場合の原料濃度としては、飽和溶解度以下であればよく、特に制限はないが、0.5〜1.0モル/リットル程度が好ましい。
一方、前記(2)の方法においては、例えば反応式(B)
【0016】
【化3】
Figure 0004271461
【0017】
(式中、Ad、X及びX1 は前記と同じである。)
に従って、アダマンタノール類(II)にリチオ化剤を作用させて、リチウムアダマンチルオキサイド類(IV)に誘導したのち、ハロゲノ酢酸ハライド(III)を反応させることにより、目的のハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体(I)が得られる。なお、アダマンタノール類(II)が、分子中に複数のヒドロキシル基を有する場合には、そのヒドロキシル基の一部又は全部に、リチオ化剤を作用させ、さらにハロゲノ酢酸ハライド(III)を反応させることができる。
この反応において、原料の一つとして用いられるアダマンタノール類(II)としては、前記(1)の方法において説明したとおりである。これらに対応するリチウムアダマンチルオキサイド類(IV)としては、リチウム2−アダマンチルオキサイド、リチウム2−アルキル−2−アダマンチルオキサイド、リチウム1−アダマンチルオキサイド、ジリチウム1,3−アダマンチルジオキサイド、リチウムパーフルオロアダマンチルオキサイドなどが挙げられる。また、リチオ化剤としては、例えばリチウム金属、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなどが挙げられる。
【0018】
また、もう一つの原料として用いられるハロゲノ酢酸ハライド(III)としては、前記(1)の方法で説明したとおりである。
リチウムアダマンチルオキサイド類(IV)とハロゲノ酢酸ハライド(III)との反応は、溶媒の存在下に行われる。該溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ヘキサン、ペプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
反応温度は、通常−78〜100℃、好ましくは−78℃〜室温の範囲で選定される。また、反応圧力は、通常0.1〜10MPa(G)の範囲で選定される。反応時間は、反応温度などの条件によって左右され、一概に決めることはできないが、通常1時間〜10日、好ましくは1時間〜3日程度である。原料濃度としては、飽和溶解度以下であればよく、特に制限はないが、0.5〜1.0モル/リットル程度が好ましい。
【0019】
このようにして、本発明のハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体を効率よく製造することができる。
得られた化合物の同定は、ガスクロマトグラフィー(GC)、液体クロマトグラフィー(LC)、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS)、核磁気共鳴分光法(NMR)、赤外分光法(IR)、融点測定装置などを用いて行うことができる。
【0020】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、仕込みから後処理及び保管まで、全ての操作は窒素気流下で行い、水分の漏れ込みを防止した。
【0021】
実施例1 2−クロロアセトキシ−2−メチルアダマンタンの製造
三方コックを付けた100ミリリットル容器に、2−メチル−2−アダマンタノール4.67g(28.1ミリモル)とピリジン2.83ミリリットル(35.0ミリモル)を入れ、さらに乾燥テトラヒドロフラン30ミリリットルを加えて溶解させた。次いで、この溶液に、氷冷下でクロロ酢酸クロリド4.42g(39.2ミリモル)を含むテトラヒドロフラン溶液を、キャヌラーを用いて約15分間かけて滴下した。さらに、テトラヒドロフラン10ミリリットルでこの容器に残存したクロロ酢酸クロリドを洗い流し込んだ。室温にて約24時間反応させたのち、反応液に水300ミリリットルを添加して、反応を終了させた。
次に、得られた反応混合液を3回水洗後、ジエチルエーテル100ミリリットルで3回抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで濃縮したのち、カラム(シリカを充填し、展開液として、ヘキサン:ジエチルエーテル=容量比10:1を使用)により2−クロロアセトキシ−2−メチルアダマンタンの白色固体5.89g(20.5ミリモル)を分離精製し取り出した(収率72.8%)。
分光データを以下に示す。
・核磁気共鳴分光法(NMR):CDCl3
1H−NMR(270MHz):1.57−2.31(m、12H)、1.65(s、3H)、4.02(s、2H)
13C−NMR(68MHz):22.37、26.62、27.30、32.97、34.56、36.18、38.06、41.95、89.82、165.69
【0022】
実施例2 2−ブロモアセトキシ−2−メチルアダマンタンの製造
三方コックを付けた100ミリリットル容器に、2−メチル−2−アダマンタノール2.51g(15.1ミリモル)とピリジン1.62ミリリットル(20.0ミリモル)を入れ、さらに乾燥テトラヒドロフラン30ミリリットルを加えて溶解させた。次いで、この溶液に、氷冷下でブロモ酢酸ブロミド6.01g(30.2ミリモル)を含むテトラヒドロフラン溶液を、キャヌラーを用いて約15分間かけて滴下した。さらに、テトラヒドロフラン10ミリリットルでこの容器に残存したブロモ酢酸ブロミドを洗い流し込んだ。室温にて約24時間反応させたのち、反応液に水300ミリリットルを添加して、反応を終了させた。
次に、得られた反応混合液を3回水洗後、ジエチルエーテル100ミリリットルで3回抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで濃縮したのち、カラム(シリカを充填し、展開液として、ヘキサン:ジエチルエーテル=容量比10:1を使用)により、2−ブロモアセトキシ−2−メチルアダマンタンの薄黄色固体0.61g(2.12ミリモル)を分離精製し取り出した(収率14%)。
分光データを以下に示す。
・核磁気共鳴分光法(NMR):CDCl3
1H−NMR(270MHz):1.55−2.30(m、12H)、1.63(s、3H)、3.80(s、2H)
13C−NMR(68MHz):21.97、26.49、26.99、32.77、34.41、35.99、37.92、65.03、89.28、165.32
【0023】
実施例3 クロロ酢酸−2−エチル−2−アダマンチルの製造
三方コックを付けた50ミリリットル容器に、2−エチル−2−アダマンタノール1.00g(5.55ミリモル)とピリジン7.2ミリリットル(8.90ミリモル)を入れ、さらに乾燥テトラヒドロフラン30ミリリットルを加えて溶解させた。次いで、この溶液に、氷冷下でクロロ酢酸クロライド0.96ミリリットル(12.0ミリモル)を含むテトラヒドロフラン溶液を、キャヌラーを用いて約15分間かけて滴下した。さらに、テトラヒドロフラン10ミリリットルでこの容器に残存したクロロ酢酸クロライドを洗い流し込んだ。室温にて約24時間反応させたのち、反応液に水300ミリリットルを添加して、反応を終了させた。
次に、得られた反応混合液を3回水洗後、ジエチルエーテル50ミリリットルで3回抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで濃縮したのち、カラム(シリカを充填し、展開液として、ヘキサン:ジエチルエーテル=容量比10:1を使用)により、クロロ酢酸−2−エチル−2−アダマンチルの白色固体0.316g(1.23ミリモル)を分離精製し取り出した(収率22.2%)。
分光データを以下に示す。
・核磁気共鳴分光法(NMR):CDCl3
1H−NMR(270MHz):0.81(t,J=7.29、3H)、1.57−2.39(m、14H)、2.20(q,J=7.29,2H)、4.04(s、2H)
13C−NMR(68MHz):6.74、24.76、27.02、32.98、33.45、34.02、38.09、41.62、91.80、165.32(C=O)
【0024】
実施例4 ブロモ酢酸−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルの製造
三方コックを付けた200ミリリットル容器に、1,3−アダマンタンジオール0.673g(4.00ミリモル)とピリジン4.37ミリリットル(5.40ミリモル)を入れ、さらに乾燥ジオキサン100ミリリットルを加えて95℃まで加熱した。次いで、この溶液を50℃まで冷却し、ブロモ酢酸ブロミド0.35ミリリットル(4.00ミリモル)を含むジオキサン溶液を、キャヌラーを用いて加えた。室温にて約24時間反応させたのち、反応液に水300ミリリットルを添加して、反応を終了させた。
次に、得られた反応混合液を3回水洗後、ジエチルエーテル30ミリリットルで3回抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで濃縮したのち、カラム(シリカを充填し、展開液として、ヘキサン:ジエチルエーテル=容量比10:1を使用)により、ブロモ酢酸−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルの白色固体0.15g(0.519ミリモル)を分離精製し取り出した(収率13.0%)。
分光データを以下に示す。
・核磁気共鳴分光法(NMR):CDCl3
1H−NMR(270MHz):1.54−2.45(m、14H)、3.28(br、1H)、3.76(s、2H)
13C−NMR(68MHz):31.12(CH2 )、34.51、39.56、43.69、48.59、70.31(C)、82.69(CH2 )、83.35(C)、165.71(C=O)
【0025】
【発明の効果】
本発明のハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体は、新規な化合物であって、例えばフォトリソグラフィー分野におけるフォトレジスト用樹脂の改質剤やドライエッチング耐性向上剤、農医薬中間体、その他各種工業製品用などとして有用である。

Claims (5)

  1. 2−ハロゲノアセトキシアダマンタン、2−アルキル−2−ハロゲノアセトキシアダマンタン、1−ハロゲノアセトキシ−3−ヒドロキシアダマンタン又は1−ハロゲノアセトキシパーフルオロアダマンタンであることを特徴とするハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体。
  2. 2−アルキル−2−ハロゲノアセトキシアダマンタンである請求項記載のハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体。
  3. 1−ハロゲノアセトキシ−3−ヒドロキシアダマンタンである請求項記載のハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体。
  4. 溶媒の存在下又は非存在下で、2−アダマンタノール、2−アルキル−2−アダマンタノール、1,3−アダマンタンジオール又はパーフルオロ−1−アダマンタノールのヒドロキシル基にハロゲノ酢酸ハライドを反応させ、ハロゲノアセトキシ基を導入することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体の製造方法。
  5. 溶媒の存在下又は非存在下で、2−アダマンタノール、2−アルキル−2−アダマンタノール、1,3−アダマンタンジオール又はパーフルオロ−1−アダマンタノールのヒドロキシル基にリチウム金属、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム又はtert−ブチルリチウムを作用させて、リチウムオキシ基に誘導したのち、さらにハロゲノ酢酸ハライドを反応させ、ハロゲノアセトキシ基を導入することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハロゲノアセトキシアダマンタン誘導体の製造方法。
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