JPS6357668B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、供給ガスの種類（熱量）に応じ
て、弁の全開時におけるガスの流量を最適な値に
調整するためにガス弁に設けられる流量調整装置
に関するものである。

一般のガス燃焼器では、それ自身の規格や、供
給されるガスの種類（熱量）などに応じて、供給
されるガスの最適流量が定められているので、こ
のようなガス燃焼器に供給されるガスの流量を制
御するためのガス弁がこのような最適流量に調整
する機構を有していれば、単一品種のガス弁を広
範囲に使用できるとともに、供給ガスの転換にも
容易に対応できる。

この発明は、外部から操作レバーを操作するだ
けで弁開時のガスの流量を任意に調整することが
可能なガス弁の流量調整装置を提供することを目
的としている。

以下にこの発明の一実施例について図面を参照
して説明する。第１図に示すガス弁は、元弁およ
び後で述べる開閉弁を内蔵した制御部１、元弁お
よび開閉弁を駆動するためのアクチエータ部２と
からなつている。この例では、アクチエータ部２
は、油圧ポンプ３およびこれによつて発生した油
圧を変位に変換して元弁および開閉弁を駆動する
圧力−変位変換機構（図示せず）とを有してい
る。元弁が開くと、パイロツトガス出口４に接続
されたパイロツトバーナにガスが供給され、開閉
弁が開くとメインバーナにガスが供給されるよう
になつている。５はパイロツトガス用ガバナ、６
はメインガス用ガバナを示す。そして制御部１に
流量調整装置７が設けられている。

この流量調整装置７の構成を第２図および第３
図に示す。制御部１に内蔵された開閉弁８はこの
例では２段動作形のもので、環状をなす第１弁９
と、この第１弁９の中心部の開口を開閉する第２
弁１０とからなつている。第１弁９は、スプリン
グ１１によつて弁座１２に向けて押圧され、また
第２弁１０はスプリング１３によつて、第１弁９
の下面に形成された弁座１４に向けて押圧されて
いる。第２弁１０は、弁シヤフト１５の一端に固
定されているが、第１弁９はその支持板１６を介
して弁シヤフト１５に軸方向に移動可能に支持さ
れ、弁シヤフト１５との間に設けられたスプリン
グ１７によつて第２弁１０に向けて押圧されてお
り、これによつて第２弁１０が第１弁９の弁座１
４に圧着されることになる。

また支持板１６とスプリング１７との間には、
弁シヤフト１５の軸方向に移動可能で、かつその
軸心を中心として回転可能に調整板１８が設けら
れている。この調整板１８は、第１弁９に対して
弁シヤフト１５を中心として回転させて、自身の
開口１８ａと支持板１６の開口１６ａとの重なり
の面積を変えることにより、第１弁９の中心部を
通つて流れるガスの流量を調整できるようになつ
ている。

開閉弁８の開閉動作は、アクチエータ部２の圧
力−変位変換機構によつて弁シヤフト１５をその
軸方向に移動させることによつて行われる。弁シ
ヤフト１５が第２図の下方に向けて移動する過程
では、弁シヤフト１５は、スプリング１１よりも
著るしく弱いスプリング１７を圧縮させながら、
まず第２弁１０だけを下降させる。これによつて
第１弁１０は弁座１４を離れ、室１９内のガス
は、支持板１６の開口１６ａおよび調整板１８の
開口１８ａを通つて室２０に流れ、ついで図示し
ない通路を経てバーナに供給される。この状態で
室１９から室２０に流入するガスの流量は、開口
１６ａおよび１８ａの重なりの面積に主として依
存する。

弁シヤフト１５がさらに下降し、その段部１５
ａが調整板１８の上面と当討接したのちには、調
整板１８および第１弁９が弁シヤフト１５ととも
に下降し、第１弁９が弁座１２から離れる。この
状態では、室１９から室２０にガスがあらかじめ
定められた最大流量で流れる。

この形式のガス弁は、ガスバーナに所定の最小
流量でガスを供給しながらこのガスバーナに直接
点火し、その後にガスバーナに所定の最大流量で
ガスを供給するダイレクト着火方式のガス燃焼器
用のもので、調整板１８によるガス流量の調整
は、点火時の最小流量をガス種やバーナの規格な
どに応じた最適値に合わせるために行われる。

調整板１８を含む流量調整装置７は、制御部１
の側壁を貫通する軸２１と、この軸２１の外方端
に取付けられた操作レバー２２と、軸２１の内方
端に取付けられた調整レバー２３とを有する。操
作レバー２２は、第３図に示すように、制御部１
に取付けた固定板２４のスリツト２４ａを貫通し
てその上方に延びているとともに、固定板２４の
長孔２４ｂを貫通して調整板２５に螺挿された固
定ねじ２５を締付けることによつて、その回動範
囲の任意の位置に固定できるようになつている。

また調整レバー２３は、軸２１の軸心と直交す
る方向に延びる棒状のもので、その先端部は、弁
シヤフト１５および軸２１の各々の軸心の交点Ｐ
を通る直線に沿つて延びる係合部２３を有する。
一方、調整板１８は、その周縁部から弁シヤフト
の軸心と平行な方向に延びる起立部１８ｂを有
し、この起立部１８ｂに形成された、弁シヤフト
１５の軸方向に延びる長孔１８ｃ内に、調整レバ
ー２３の係合部２３ａが突入している。

固定ねじ２５をゆるめた状態では、操作レバー
２２を軸２１の軸心を中心として回動させること
が可能であり、この回動で、軸２１および調整レ
バー２３が同方向に同じ角度だけ回動する。調整
レバー２３はその係合部２３ａが長孔１８ｃ内に
突入した状態で調整板１８の起立部１８ｂと係合
しているので、調整レバー２３の回動につれて調
整板１８が弁シヤフト１５を中心として回転す
る。この調整レバー２３の回動過程において、そ
の係合部２３ａは、相互に直交する弁シヤフト１
５の軸心と軸２１の軸心との交点Ｐに向けて延び
ているので、第４図に示すように、その軸心は常
に交点Ｐに向く。したがつて係合部２３ａは、弁
シヤフト１５の軸心の位置からみて、調整板１８
の起立部１８ｂに対する相対的な位置関係は一定
である。したがつて長孔１８ｃの幅が係合部２３
ａとの間に最適なクリアランスを形成するような
値に選ばれていれば、係合部２３ａがどの位置に
移動しても最適なクリアランスが常に保持される
ことになり、過度な遊びが生じることはない。ま
た係合部２３ａは起立部１８ｂの回転軌跡に対し
て常に接線方向に移動するので、調整板１８の回
転はスムーズに行われる。

以上に説明したようにこの発明によれば、調整
板の回転中心と直交する軸心を中心として回転す
る調整レバーに、その軸心と調整板の回転中心と
の交点に向けて延びる係合部を設け、調整板の回
転中心と平行な方向に延びる長孔内にこの係合部
を突入させる構成としたので、調整レバーの回動
力を調整板に確実に伝達することが可能となり、
調整板の回転をスムーズに行うことができる。

調整板の回転中心と直交する軸心を中心として
回動するように調整レバーを設けることは、調整
レバーを回動させるための機構が弁のアクチエー
タ部と位置的に重なるのを避けるために重要であ
り、この配置によつて調整レバーの支持軸が弁の
側面に横向きになるという不都合は、この支持軸
に操作レバーを取付けることで解消できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例による流量調整装
置を備えたガス弁の側面図、第２図はその要部の
縦断面図、第３図は操作レバー部を示す側面図、
第４図は調整レバーと調整板との連動関係を示す
側面図である。 １……制御部、２……アクチエータ部、７……
流量調整装置、８……開閉弁、９……第１弁、１
０……第２弁、１２，１４……弁座、１５……弁
シヤフト、１６……支持板、１６ａ……開口、１
８……調整板、１８ａ……開口、１８ｂ……起立
部、１８ｃ……長孔、１９，２０……室、２１…
…軸、２２……操作レバー、２３……調整レバ
ー、２３ａ……係合部、２４……固定板、２５…
…固定ねじ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ガス弁のガス流路内に設けられた支持板と、
   この支持板に接し、所定の軸心を中心とする回転
   範囲における位置に応じて、上記支持板に形成さ
   れた開口との重なり合いの面積を変化させて上記
   ガス流路内を通るガスの流量を調整する調整板
   と、この調整板にその回転中心と平行な方向に延
   びるように設けられ、同じ方向に延びる長孔を有
   する起立部と、上記調整板の回転中心と直交する
   軸心を有する軸に取付けられた調整レバーと、こ
   の調整部の先端部に位置して上記起立部の長孔内
   に突入し、上記調整板の回転中心と上記軸の軸心
   との交点に向けて延びる係合部とを備えたガス弁
   の流量調整装置。