JPS633528Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車におけるリヤシート取付装置
に係り、特にリヤシートの傾斜度を変更可能とし
て座り心地を向上させ、該リヤシートを前傾折畳
可能として、箱体内部に対する作業を容易なもの
とし、また必要に応じて積載をも可能とする自動
車におけるリヤシート取付装置に関する。

従来、バツテリボツクス等からなる箱体上にリ
ヤシートを載置する自動車におけるリヤシート取
付装置には、該箱体の蓋部にリヤシートの座席部
を固着し、該リヤシートごと蓋部を前傾あるいは
後傾、更にはスライド移動させて箱体の開閉を行
うものがある。

しかし、前記リヤシートの座席部と箱体の蓋部
とを固設すると、狭い車内においてリヤシートご
と蓋部を開閉することが難しくなり、箱体内部に
対する作業が困難となる。しかも前記リヤシート
の傾斜度を変更することができないので、座り心
地が悪く、長時間着座していると疲労してしまう
という欠点がある。

また、車内の床面上に設けたリヤシートにあつ
ては、該リヤシートの座席部と背当部とを夫々分
離させるとともに、夫々を前傾折畳可能に構成し
たものがある。そして、不使用時にリヤシートの
座席部をその前端を中心として前傾折畳に、次に
背当部の下端を中心として前傾折畳し、リヤシー
トの背当部の裏面を荷物台として機能させてい
た。しかし、使用時のリヤシートの傾斜度を変更
することができず、上述と同様に座り心地が悪い
という不都合があつた。

そこでこの考案の目的は、上記欠点を除去し、
前記箱体の垂直面に支点金具を固設し、該支点金
具によりリヤシートの傾斜度を変更可能とすると
ともに該リヤシートを前傾折畳可能とし、リヤシ
ートの座り心地を向上させ得て、箱体内部に対す
る作業をも簡便なものとし得る自動車におけるリ
ヤシート取付装置を実現するにある。

この目的を達成するためにこの考案は、箱体の
垂直面に支点金具を固設し、この支点金具には上
下方向の複数箇所に取付係止部を設け、座席部と
背当部とからなる折畳可能なリヤシートの座席部
を前記箱体の蓋部上に載置し、該座席部の前端に
支持腕の一端を枢着するとともに、該支持腕の他
端を前記箱体の前記支点金具の所望高さ位置の取
付係止部に係止し、前記リヤシートの傾斜度を変
更可能に構成するとともに該取付係止部を中心と
して前記リヤシートを前傾折畳可能に構成したこ
とを特徴とする。

以下図面に基づいてこの考案の実施例を詳細且
つ具体的に説明する。第１〜４図はこの考案の実
施例を示すものである。図において、２は車両本
体、４はリヤシート、６はバツテリボツクス等か
らなる箱体である。前記リヤシート４は座席部８
と背当部１０とからなり、該座席部８の後端８ｂ
と背当部１０の下端１０ｂとを折畳金具１２によ
り連設し、前記リヤシート４を折畳可能に設け
る。また、前記箱体６の垂直面たる前面１４ある
いは側面１６の一方の、例えば前面１４の左右両
端に支点金具１８を固設し、該支点金具１８には
上下方向に複数個の取付係止部たる第１孔２０−
１、第２孔２０−２、第３孔２０−３…を上方か
ら順次設ける。そして、前記リヤシート４の座席
部８を箱体６の蓋部２２上に載置し、該座席部８
前面の前記支点金具１８に相対する位置に取付具
２４を夫々固設する。該取付具２４には、円弧状
の支持腕２６の腕上端２６ａをピン２８により
夫々枢着し、該支持腕２６の突出側が前方を指向
するように位置させる。また、該支持腕２６の腕
下端２６ｂを前記箱体６の支点金具１８の所望高
さ位置の取付係止部たる、例えば第２孔２０−２
に係止する。そしてこのとき、該支持腕２６の腕
下端２６ｂと支点金具１８の第２孔２０−２とを
スペーサ３０を介してボルト３２、ナツト３４に
より係止し、該ボルト３２の軸方向の中心線３６
を中心として回動可能に設ける。なお符号８ｆは
座席部８の前端、３８はリヤシート４の前傾折畳
時の固定を果たす固定部、Ａは座席部８の前端８
ｆの上昇方向、Ｂは座席部８の前端８ｆの下降方
向、Ｃは背当部１０の傾斜方向、Ｄは背当部１０
の起立方向、Ｅは背当部１０の折畳方向、Ｆはリ
ヤシート４の前傾折畳方向である。

この考案は上述の如く構成されているので以下
の如く作用する。

第３図に実線で示す如く、前記リヤシート４は
箱体６の蓋部２２上に載置され、該箱体６の前面
１４の左右両端に固設された支点金具１８の第２
孔２０−２と支持腕２６の腕下端２６ｂとに係止
され、リヤシート４が所望の傾斜度に整備されて
いる。

ここで、該リヤシート４の傾斜度を変更させて
背当部１０を更に後方に傾斜させるには、前記支
点金具１８の第２孔２０−２と支持腕２６の腕下
端２６ｂとの係止解除を行い、該腕下端２６ｂと
支点金具１８の第２孔２０−２より上方の第１孔
２０−１とをボルト３２、ナツト３４により係止
させればよい。さすれば、第３図に２点鎖線で示
す如く、前記リヤシート４の座席部８の前端８ｆ
が矢印Ａ方向たる上昇方向に移動されるととも
に、背当部１０が矢印Ｃ方向たる傾斜方向に回動
され、リヤシート４の傾斜度が後方側に変更され
るものである。

また、第３図の実線で示す状態から１点鎖線で
示す如く、前記リヤシート４の傾斜度を変更させ
て背当部１０を起立させるには、前述とは逆に、
支持腕２６の腕下端２６ｂと支点金具１８の第２
孔２０−２より下方の第３孔２０−３とをボルト
３２、ナツト３４により係止させればよい。さす
れば、前記リヤシート４の座席部８の前端８ｆが
矢印Ｂ方向たる下降方向に移動されるとともに背
当部１０が矢印Ｄ方向たる起立方向に回動され、
リヤシート４の傾斜度が変更されるものである。

次に第４図に示す如く、前記リヤシート４を前
傾折畳させるには、まず、リヤシート４の背当部
１０を折畳金具１２を中心として矢印Ｅ方向たる
折畳方向に回動させる。そして、支点金具１８の
取付係止部たる第２孔２０−２を中心としてリヤ
シート４を矢印Ｆ方向たる前傾折畳方向に回動さ
せ、前記固定部３８に背当部１０を当接させて前
傾折畳時の固定をすればよいものである。さすれ
ば、前記箱体６の蓋部２２上に広い空間が生じ、
箱体６内部のバツテリの充電作業等を簡便に行い
得るものである。

以上詳細な説明から明らかなようにこの考案に
よれば、前記箱体の垂直面に支点金具を固設し、
この支点金具には上下方向の複数箇所に取付係止
部を設け、座席部と背当部とからなる折畳可能な
リヤシートの座席部を前記箱体の蓋部上に載置
し、該座席部の前端に支持腕の一端を枢着すると
ともに、該支持腕の他端を前記箱体の前記支点金
具の所望高さ位置の取付係止部に係止し、前記リ
ヤシートの傾斜度を変更可能に構成するとともに
該取付係止部を中心として前記リヤシートを前傾
折畳可能に構成したので、該リヤシートの傾斜度
を変更することが可能となり、座り心地を向上さ
せ得て、長時間着座する際の疲労を軽減すること
ができ、しかもリヤシートが前傾折畳可能でもあ
るので、箱体内部に対する作業を簡便に行い得る
という効果を有する。

また、必要に応じて該箱体上に荷物等を積載す
ることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図はこの考案の実施例を示し、第１図
はリヤシート部分の斜視図、第２図は第１図の矢
視部分の要部拡大斜視図、第３図はリヤシート
の傾斜度の変更を示す側面図、第４図はリヤシー
トの前傾折畳を示す側面図である。 図において、２は車両本体、４はリヤシート、
６は箱体、８は座席部、１０は背当部、１８は支
点金具、２２は蓋部、２６は支持腕である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 箱体の垂直面に支点金具を固設し、この支点金
   具には上下方向の複数箇所に取付係止部を設け、
   座席部と背当部とからなる折畳可能なリヤシート
   の座席部を前記箱体の蓋部上に載置し、該座席部
   の前端に支持腕の一端を枢着するとともに、該支
   持腕の他端を前記箱体の前記支点金具の所望高さ
   位置に取付係止部に係止し、前記リヤシートの傾
   斜度を変更可能に構成するとともに該取付係止部
   を中心として前記リヤシートを前傾折畳可能に構
   成したことを特徴とする自動車におけるリヤシー
   ト取付装置。