JPS623910Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は雌雄嵌合型のコネクタに係り、特にそ
のロツク構造に関する。

一般的な雌雄嵌合型のコネクタにおいては、ピ
ンコンタクトを絶縁体に保持させたピンコンタク
ト固定部、ピンコンタクトと相手側コンタクトと
の接触部、および相手側コンタクトの結線部が、
互いにほぼ一直線上に並ぶ構造なため、ピンコン
タクト固定部から相手側コンタクトの結線部まで
の全長が大きくなつている。そのため、例えばピ
ンコンタクトを保持した絶縁体を基板上に設置
し、そのピンコンタクトの接触部とは反対端を基
板に貫通させるという使用状態の場合には、基板
上の実装高さが大となつてしまう。

それ故に本考案の目的は、全体の高さを低くす
ることが可能な雌雄嵌合型のコネクタの提供にあ
る。

本考案の他の目的は、上記目的を達成するコネ
クタにおけるロツク構造の提供にある。

以下、図面を参照しながら、本考案につき実施
例を用いて説明する。

第１図は本考案による交叉接触型コネクタの一
実施例を示している。このコネクタは、ナイロン
等の熱可塑性樹脂より作られた雌雄嵌合する二つ
の絶縁体１０，２０を含んでいる。雌側絶縁体１
０の嵌合穴１１には幾つかの薄い隔壁１２を等間
隔で形成してある。そして隔壁１２に対応した位
置にそれぞれピンコンタクト３０を組み込んでい
る。ピンコンタクト３０は隔壁１２の厚み寸法よ
りも径の大きい導電性棒材をＬ字形に折り曲げた
もので、その折り曲げ部の一側部分を雌側絶縁体
１０に貫通させて嵌合離脱方向４０とは直交する
方向にのびた接触部３１となし、また折り曲げ部
の他側部分を嵌合離脱方向４０と平行にのびた接
続部３２となしたものである。ピンコンタクト３
０を雌側絶縁体１０に組み込むに当り、雌側絶縁
体１０の側面に形成した入口の狭い溝１３に接続
部３２を有した部分を押し込み嵌合させる。その
際、溝１３の入口寸法をピンコンタクト３０のピ
ン径よりも若干狭く作り、これにより、ピンコン
タクト３０を溝１３に押し込むときには溝１３が
弾性変形し、パチツと押し込まれ、そしてピンコ
ンタクト３０が溝１３にしつかりと固定されるよ
うにする。なおピンコンタクト３０は一本毎に雌
側絶縁体１０の両側面から交互に装着されてい
る。

一方、雄側絶縁体２０の先端部には、雌側絶縁
体１０の隔壁１２に対応する部分にそれぞれ切込
み２１を有している。これらの切込み２１の幅寸
法はピンコンタクト３０を受け入れ得るものとす
る。雄側絶縁体２０にはまた、切込み２１に対応
した位置にそれぞれ相手側コンタクトであるソケ
ツトコンタクト５０を組み込む。ソケツトコンタ
クト５０は導電性板材より作られたもので、第２
図に示すように電線６０に機械的および電気的に
接続される。ソケツトコンタクト５０の先端は二
股にされて切込み２１の左右にのびている。こう
して二股にされた部分５１，５１には、ピンコン
タクト３０の径よりも狭い間隔をおいて相対向し
た接触部５２，５２が形成されている。これらの
接触部５２，５２は、第３図から明らかなよう
に、切込み２１に少しせり出している。なおソケ
ツトコンタクト５０には雄側絶縁体２０に係止す
るための係止爪５４が設けられているが、これら
については種々の変更が可能である。

さらに複数の切込み２１のうちのいくつかに、
第１図における端部の切込み２１ａのように、嵌
合離脱方向４０の途中部に幅狭部２２を形成す
る。幅狭部２２の幅寸法はピンコンタクト３０の
径よりも小寸とする。しかも幅狭部２２の入口側
には斜面２３を形成する。こうしてこの切込み２
１ａをロツク用溝となす。

さて雌側絶縁体１０に雄側絶縁体２０を嵌合さ
せると、そのときには第４図に示すように、雌側
絶縁体１０の後端面１４と雄側絶縁体２０の前端
面２４とが実質的に一致し、かつピンコンタクト
３０の接触部３１とソケツトコンタクト５０の接
触部５２とが互いに接触し、電気的接続が得られ
る。このとき、基板７０の面からの全体の高さ寸
法Ｈは単に雄側絶縁体２０そのものとなるので、
全体の高さを低くすることが可能である。

またこの雌側絶縁体１０と雄側絶縁体２０とが
嵌合したときには、ピンコンタクト３０が切込み
２１に挿入される。その場合、ロツク用溝である
切込み２１ａに挿入されるピンコンタクト３０
は、斜面２３に沿つて幅狭部２２を押し拡げつつ
第５図に示すように切込み２１ａの奥部に嵌り込
む。この状態になると、コネクタを引き離す不慮
の力が作用しても、ピンコンタクト３０が幅狭部
２２に係合することにより、簡単には嵌合が外れ
ることはない。したがつてコネクタの相互嵌合状
態が維持される。このロツク構造によると、特別
なロツク装置を付加するのではないため、外形が
大きくなることはない。

なおロツク用溝である切込み２１ａの数を適当
に選択することによりロツク強度を所望の値に設
定できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による交乂接触型コネクタの一
実施例を示す結合前の断面斜視図、第２図は使用
されたソケツトコンタクトを電線に取付けた状態
で示す平面図、第３図は雄側絶縁体にソケツトコ
ンタクトを組み込んだ状態の一部のみの正面図、
第４図は第１図に示した実施例の結合状態での断
面図、第５図は−線に沿つた断面図である。 １０……雌側絶縁体、２０……雄側絶縁体、２
１，２１ａ……切込み、２２……幅狭部、２３…
…斜面、３０……ピンコンタクト、３１……接触
部、３２……接続部、４０……嵌合離脱方向、５
０……ソケツトコンタクト、５２……接触部、６
０……電線、７０……基板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 雌雄嵌合する二つの絶縁体、一方の絶縁体に組
   み込まれたピンコンタクト、および他方の絶縁体
   に組み込まれた相手側コンタクトを含むコネクタ
   において、上記ピンコンタクトは上記二つの絶縁
   体の嵌合離脱方向とは直交する方向にのびた接触
   部を有しており、上記相手側コンタクトは上記二
   つの絶縁体の相互嵌合時に上記ピンコンタクトの
   接触部の側面に押圧接触する接触部を有してお
   り、上記他方の絶縁体は上記一方の絶縁体の相互
   嵌合時に上記ピンコンタクトと嵌合するロツク用
   溝を有しており、該ロツク用溝の嵌合離脱方向の
   途中部に幅狭部を形成し、該ロツク用溝の奥部に
   上記ピンコンタクトを係止するようになつている
   ことを特徴とする交叉接触型コネクタのロツク構
   造。