JPS5937130Y2 - 圧力鋼安全装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、鍋中において強い圧力が生じているときに
は蓋体を開けることができず、圧力が弱まったときにの
み蓋体を開けることができるようにした圧力鍋安全装置
に関するものである。

圧力鍋は、すでに知られているようにその使用中に内部
に生ずる圧力は非常に高くなる。

したがつて取扱いを間違えば大きな事故の発生する余地
があり、これを防止するために従来より種々研究開発が
すすめられているのであるが、未だ満足すべきものがな
かった。

そこでこの考案は容器本体及び蓋体にそれぞれ把手を取
付け、容器本体に対して蓋体が嵌合する従来型式の圧力
鍋において、蓋体の把手取付部に上下方向に回転軸を貫
通せしめ、この回転軸の下端には半円状の第１ストツパ
ーを、また上端には蓋体上面方向へ延出する第２ストツ
パーをそれぞれ固定し、またこの第２ストツパーの下面
には凹部を形成し、蓋体における前記凹部に相当する位
置に孔を穿設するとともに、この孔には開閉栓を遊嵌せ
しめ、一方、容器本体の把手取付部には、蓋体側に取付
けである前記第１ストツパーを回転ガイドするためのピ
ンを植設し、かつ、このピンよりも内側方向で前記第１
ストツパーの回転軌跡に沿って半円状の凹部を設けた圧
力鍋安全装置を提供することを目的とするものである。

次にこの考案にかかる圧力鍋安全装置の一実施例を図面
にもとづいて述べると、１は把手２を取付げである容器
本体であり、３は把手４を取付けである蓋体である。

そしてこれらの容器本体１及び蓋体３は、容器本体１に
おいてはその上端に外向きの係合片５及び、蓋体３にお
いてはその下端に内向きの係合片６により嵌合する構成
をとっており、この点は従来のものと変るところがない
。

Ｔは蓋体３の把手４取付部に上下方向に貫通せしめた回
転軸であり、この回路軸７の下端及び上端には、それぞ
れ第１ストツパー８及び第２ストツパー９を固定しであ
る。

このうち第１ストツパー８は、前記回転軸Ｔの下端に固
定されているものであるが、その形状は、略半円状をな
している。

また第２ストツパー９は回転軸７の上端に固定されてい
るのであるが、前記蓋体３の上面方向へ延出しており、
かつその裏面（下面）には凹部１０を形成しである。

この凹部１０の具体的な形状については後述する。

１１は蓋体３において前記第２ストツパー９の凹部１０
に相当する位置に穿設した孔であり、１２は、この孔１
１に遊嵌せしめた開閉栓である。

ここで前記凹部１０の形状について述べると、この凹部
１０は、前記開閉栓１２の蓋体３上面より突出している
部分が入り込むようにするためのものであり、かつ第２
ストツパー９は回転軸７により左右に往復回動する構成
をとっており、しかも開閉栓１２は孔１１内を上下動し
てこの孔１１の開閉を行うものであるから、結局前記凹
部１０は、深い部分と浅い部分の双方を有する形状にな
っているのである。

１３は、容器本体１の把手２の取付部に植設したピンで
あり、このピン１３は、蓋体３の排手４の取付部に回動
自在に取付けである前記第１ストツパー８を回転ガイド
する作用をなすものである。

１４は、このピン１３よりも内側位置に設けた半円状の
凹部であり、前記第１ストツパー８の回転軌跡に沿って
設けられている。

しかして、第５図に示すような、蓋体３の把手４と容器
本体１の把手２の位置をずらすようにして容器本体１に
蓋体３をかぶせ、双方の把手２゜４が重なり合う状態に
蓋体３を時計方向へ回動する。

このようになすことは、従来型式の圧シ鍋と何ら変らな
い。

そして双方の把手２，４が重なり合う状態にすると容器
本体１の係止片５と蓋体３の係止片６とが係合するよう
になり、蓋体３を上方へ持ち上げようとしても係合して
いる双方の係止片５，６の作用により持ち上がらない。

しかし容器本体１内に圧が生じていない限りは、蓋体３
を反時計方向へ回動することはできる。

また蓋体３を容器本体１上で単に時計方向又は反時計方
向へ回している間は、回転軸７及びこの上下両端に固定
されている第１及び第２ストッパー８，９も回わらない
。

これは、略半円状に形成した第１ストツパー８の弦の部
分が、容器本体１の上部外縁に摺接しているためである
。

しかし、時計方向へ回していって第１ストツパー８がや
がてピン１３に当たると、このピン１３によって第１ス
トツパー８の弧の部分が押圧される状態となるので、こ
ノヒン１３に規制されるように第１ストツパー８は図示
した実施例のものにおいては、時計方向へ回動すること
になる。

この第１ストツパー８が回動すると、回転軸７を介して
間接的に固定されている第２ストツパー９も同様に時計
方向へ回転することになるのである。

容器本体１の把手２の取付部に形成した凹部１４は、第
１ストツパー８が前記のように容器内側方向へ回転した
ときに第１ストツパー８を収容するスペースにもなる。

そして、蓋体３を反時計方向へ回わすと、第１ストツパ
ー８は、前記凹部１３の右側端縁部により反時計方向へ
回動せられ、回転軸７及び第２ストツパー９も反時計方
向へ回転し、前述の通り、第１ストツパー８の弦の部分
が容器本体１の上部外縁に規制され、反時計方向へ回転
したままの状態になるのである。

要するに、第１及び第２ストツパー８．９が時計方向へ
回転するのは、ピン１３の作用によるものであり、反時
計方向へ回転するのは凹部１４の右側端縁部の作用によ
るものである。

ところで、前記のように第２ストツパー９が時計方向又
は反時計方向へそれぞれ回転するということは、この第
２ストツパー９の下面で形成した凹部１０が、蓋体３に
形成した孔１１中に遊嵌した開閉栓１２の頭上において
往復動することを意味する。

そして、との凹部１０には浅い部分と深い部分のあるこ
とは前述した通りであるが、双方の把手２，４が互いに
重なり合った位置、すなわち、第２ストツパー９が時計
方向へ回転した位置において、凹部１０の深い部分が開
閉栓１２０頭上に位置しているようにするわけである。

このようにすることにより、容器本体１内に圧が生ずる
と、開閉栓１２がその圧により上昇し、開閉栓１２の上
端が第２ストツパー９の凹部１０の深イ部分に入ること
になる。

すると、この開閉栓１２が凹部１０の深い部分に突きさ
さった状態になっているため第２ストツパー９は、左右
いづれの方向にも回転できない状態になる。

そしてこの状態においては、第１ストツパー８は容器本
体１側の凹部１４に入った状態になっているので、蓋体
３を反時計方向、すなわち開く方向へ回動で・きないの
である。

つまり、容器本体１中に圧が生じ、または残っている間
は、開閉栓１２Ｖｃより第２ストツパー９が固定され、
したがって第１ストツパー８も回転することができない
ので容器本体１側の凹部１４中に嵌った状態になり、全
体的にロックされてしまうのである。

伺、上記した実施例においては、例えば蓋体３のみを洗
ったり、または傾げたりしているときに第１．第２スト
ッパー８，９が左右いずれかの方向へ回ってしまうこと
がある。

これはこれら第１゜第２ストッパー８，９及び回転軸７
に格別の工夫をしていないためであるが、しかしこのよ
うなものであっては、蓋体３を容器本体１にかふせると
きに、円滑に係合しにくいという問題もありうる。

つまり、第１ストツパー８の弦の部分が容器本体１の上
部外縁に合致しないことがあり、実際の取扱いに不便を
感する向きもあろう。

そこで、回転軸γにスプリングを配設して、このスプリ
ングによって第１ストツパー８が容器本体１の上部外縁
に合致するように、弱く付勢しておくことも考えられる
。

いづれにしてもこの考案にかかる圧力鍋安全装置によれ
ば、使用中に鍋内に圧が生じている間は、蓋体と容器本
体は完全にロックされてしまい、この圧が無くならない
限りこのロックは解けないようにしているので、その安
全性はきわめて高く、実用上の効果は高いのである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案にかかる圧力鍋安全装置の一実施例を示
すものであり、第１図は容器本体の要部を示す平面図、
第２図は蓋体の要部を示す底面図イ及び平面図口、及び
第２図口のＡ−Ａ線断面図ハ、第３図は回転軸及び第１
．第２ストツパーの分解斜視図、第４図は第２ストツパ
ーの底面図イ及びＢ−Ｂ線断面図口、第５図は第１．第
２ストツパーの回転状態を示すもので、イは回転前の状
態を示す平面図、口は回転後の状態を示す平面図である
。 １・・・容器本体、２，４・・・把手、３・・・蓋体、
５゜６・−・係合片、７・・・回転軸、８・・・第１ス
トツパー９・・・第２ストツパー、１０，１４・・・凹
部、１１・・・孔、１２・・・開閉栓、１３・・・ピン
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体及び蓋体にそれぞれ把手を取付け、容器本体に
   対して蓋体が嵌合する従来型式の圧力鍋において、蓋体
   の把手取付部に上下方向に回転軸を貫通せしめ、この回
   転軸の下端には半円状の第１ストツパーを、また上端に
   は蓋体上面方向へ延出する第２ストツパーをそれぞれ固
   定し、またこの第２ストツパーの下面には凹部を形成し
   １．蓋体における前記凹部に相当する位置に孔を穿設す
   るとともに、この孔には開閉栓を遊嵌せしめ、一方、容
   器本体の把手取付部には、蓋体側に取付けである前記第
   １ストツパーを回転ガイドするためのピンを植設し、か
   つ、このピンよりも内側方向で前記第１ストツノ；−の
   回転軌跡に沿って半円状の凹部を設けたことを特徴とす
   る圧力鍋安全装置。