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JPH1164602A - 反射防止フィルム - Google Patents

反射防止フィルム

Info

Publication number
JPH1164602A
JPH1164602A JP9228658A JP22865897A JPH1164602A JP H1164602 A JPH1164602 A JP H1164602A JP 9228658 A JP9228658 A JP 9228658A JP 22865897 A JP22865897 A JP 22865897A JP H1164602 A JPH1164602 A JP H1164602A
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JP
Japan
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layer
refractive index
antireflection film
antireflection
oxide
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Application number
JP9228658A
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English (en)
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Inventor
Takahiro Harada
隆宏 原田
Haruo Uyama
晴夫 宇山
Kazutoshi Kiyokawa
和利 清川
Mitsuru Kano
満 加納
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP22865897A priority Critical patent/JP3965732B2/ja
Publication of JPH1164602A publication Critical patent/JPH1164602A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より広い波長域で反射率を抑制でき、フレキ
シビリティーに富み、材料選択の幅が広く、実用性に優
れた反射防止フィルムを安価に容易に得られるようにす
る。 【解決手段】 フィルム基材1上の少なくとも片面に、
屈折率が1.80以上の高屈折率層2aと、屈折率が
1.70以下の低屈折率層2bとを交互に積層した反射
防止層2を有する反射防止フィルム10Aにおいて、低
屈折率層2bのうち少なくとも1層を有機樹脂から形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイの表
示画面の表面に適用される反射防止フィルムに関する。
特に、可視光の広波長域で優れた反射防止性能を発揮す
る反射防止フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ディスプレイの多くは、室内外を問わ
ず、外光が入射する環境下で使用されている。ディスプ
レイに入射した外光は、ディスプレイ内部において正反
射され、光源の虚像をディスプレイの表示画面に再生す
る。このため、蛍光灯等が画面に映り、本来の表示画像
を見えにくくなるなどの問題を生じさせる。また、ディ
スプレイに入射した外光は本来の表示光に混合して表示
品質を低下させる。
【0003】そこで、このような外光のディスプレイ内
への入射を防止するため、透明プラスチックフィルム基
材の表面に金属酸化物などからなる高屈折率層と低屈折
率層を積層した、あるいは透明プラスチックフィルム基
材の表面に無機化合物や有機フッ素化合物などの低屈折
率層を単層で積層した反射防止効果を有するフィルム、
即ち反射防止フィルムをディスプレイ表面上に貼り合わ
せことなどがなされている。
【0004】また、これとは別に、透明プラスチックフ
ィルム基材の表面に透明な微粒子を含むコーティング層
を形成してその表面を凸凹状とし、それにより外光を乱
反射させて同様の効果を得ることがなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近のオフ
ィスのOA化に伴い、コンピューターを使用する頻度が
増し、CRTや液晶ディスプレイと相対していることが
長時間化している。したがって、外光がディスプレイ内
へ入射して反射像等が生じることによる表示品質の低下
は、目の疲労など健康障害等を引き起こす要因とも考え
られ、これまで以上に可視光の広範囲にわたってより高
い反射防止効果を有する反射防止フィルムや、このよう
な反射防止フィルムを備えた光学部材の要求が高まって
いる。
【0006】更には、近年ではアウトドアライフの普及
に伴い、テレビや液晶ディスプレイを室外で使用する機
会が益々増える傾向にあり、表示品質をより向上させて
表示画像を明確に認識できるようにするため、可視光の
広範囲にわたってより高い反射防止効果を有する反射防
止フィルムや、このような反射防止フィルムを備えた光
学部材の要求が出てきている。
【0007】しかしながら、無機化合物や有機化合物の
低屈折率物質を単層で形成した従来の反射防止フィルム
はU型の分光反射特性を示し、可視光の広範囲にわたり
高い反射防止効果を得ることはできない。また、高屈折
率層と低屈折率層を交互に積層した多層構成によるもの
では、可視光の広範囲で有効な反射防止効果は得られる
ものの、使用材料が高価なため、コスト上昇が引き起こ
されるという問題がある。特に、低屈折率層を形成する
材料は実用上酸化珪素のみであるため、材料選択の自由
度にも制限がきたされ、低屈折率層の形成のためのコス
ト上昇が避けられないものとなっている。
【0008】一方、外光のディスプレイ内への入射を防
止するため、外光を乱反射させる方法では、ディスプレ
イ上の画像がぼやけて見えるという問題がある。
【0009】本発明は、このような問題点に着目してな
されたもので、その目的とするところは、より広い波長
域で反射率を抑制でき、フレキシビリティーに富み、材
料選択の幅が広く、実用性に優れ、安価で且つ容易に得
られる反射防止フィルムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するため、フィルム基材上の少なくとも片面に、
屈折率が1.80以上の高屈折率層と、屈折率が1.7
0以下の低屈折率層とを交互に積層した反射防止層を有
する反射防止フィルムであって、低屈折率層のうち少な
くとも1層が有機樹脂からなることを特徴とする反射防
止フィルムを提供する。
【0011】特に、上記反射防止フィルムにおいて、高
屈折率層と低屈折率層との合計の全積層数が、2〜6で
あるものや、高屈折率層がセラミックス、好ましくはセ
ラミックスが、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タ
ンタル、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ハフニウム、
酸化セリウム、酸化錫、酸化ニオブ、酸化イットリウ
ム、酸化イッテリビウム、インジウム・錫酸化物及びこ
れら2以上の混合物質から選ばれるものを提供する。
【0012】また、上記反射防止フィルムにおいて、低
屈折率層を形成する有機樹脂が、熱硬化性、紫外線硬化
性又は電子線硬化性であり、熱可塑性を示すものを提供
する。
【0013】上記反射防止フィルムにおいて、フィルム
基材と反射防止層との間に、ハードコート層が形成され
ているものや、反射防止層の上に撥水・防汚層が形成さ
れているものを提供する。
【0014】さらに、上記反射防止フィルムを有する光
学部材を提供する。
【0015】このような本発明の反射防止フィルムによ
れば、フィルム基材上の少なくとも片面に、屈折率が
1.80以上の高屈折率層と、屈折率が1.70以下の
低屈折率層とを交互に積層した反射防止層が形成されて
いるので、可視光の広範囲にわたる波長域において、優
れた反射防止効果を得ることができる。また、この反射
防止フィルムを形成する低屈折率層の少なくとも1層が
有機樹脂からなるのでフレキシビリティーも高めること
ができる。さらに、低屈折率層を形成する有機樹脂とし
ては、単一種の有機樹脂に限らず、屈折率が1.70以
下である限り、種々の樹脂を使用することができる。し
たがって、この反射防止フィルムはその材料選択の幅が
広く、また、安価に製造できるものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
反射防止フィルムの例を図面に示し、詳細に説明する。
なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表
している。
【0017】図1から図4は、それぞれ本発明の反射防
止フィルムの態様例の層構成を示す断面図である。
【0018】図1の反射防止フィルム10Aは、フィル
ム基材1に反射防止層2を形成したもので、反射防止層
2は、高屈折率層2a(i)と低屈折率層2b(i)を交互に
それぞれn層積層し(i=1〜n)、低屈折率層2bが最上層
となるように構成したものであり、図2は、図1の反射
防止フィルム10Aにおいて i=2の態様、即ち、高屈
折率層2aと低屈折率層2bとをそれぞれ2層積層した
態様を示したものである。
【0019】この反射防止フィルム10Aにおいて、フ
ィルム基材1は、透明なプラスチックフィルムから形成
することが好ましく、ポリメチルメタクリレート、ポリ
カーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンサルファイ
ド、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリ
アセチルセルロース等を使用でき、これらは当該反射防
止フィルム10Aの目的、用途によって適宜選択され
る。また、その厚さは用途に応じて選定される。
【0020】反射防止層2は、高屈折率層2aと低屈折
率層2bとを交互に所定の光学膜厚nd(屈折率n×形
状膜厚d)となるように積層し、かつ低屈折率層2bが
最上層となるよう構成したものである。
【0021】ここで、高屈折率層2aとしては、屈折率
Hが1.80以上のものを使用する。高屈折率層2a
の屈折率nHが1.80未満であると、反射防止フィル
ム10Aの反射率を十分に抑制することができない。
【0022】高屈折率層2aは、屈折率nHが1.80
以上である限りその形成材料に特に制限はないが、実用
的には、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタ
ル、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ハフニウム、酸化
セリウム、酸化錫、酸化ニオブ、酸化イットリウム、酸
化イッテリビウム、インジウム・錫酸化物等の金属酸化
物のいずれか、あるいはこれらを主材料とする混合物質
を用いることが好ましい。中でも、酸化亜鉛、酸化イン
ジウム、酸化錫、インジウム・錫及びこれらの混合物質
は導電性を有するため、これらから高屈折率層2aを形
成すると、反射防止フィルム10Aに反射防止機能に加
えて電磁波シールド機能を付与することができるので好
ましい。
【0023】高屈折率層2aは、真空蒸着法、反応性蒸
着法、イオンビームアシスト蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などの
真空成膜プロセスによって形成することができるが、こ
れに限らずいかなる成膜方法で形成してもよい。
【0024】一方、低屈折率層2bは、屈折率nL
1.70以下の材料から形成する。低屈折率層2bの屈
折率nLが1.70を超えると、反射防止フィルム10
Aの反射率を十分に抑制することができない。
【0025】また、低屈折率層2b(i=1〜n)のうち少な
くとも1層、好ましくは全層数の1/2を最多として1
〜3層を有機樹脂から形成する。この場合、反射防止層
2の最上層(2b(n))に有機樹脂からなる低屈折率層
を形成すると、本発明の効果を高く発揮させることがで
きるので好ましい。
【0026】このような有機樹脂としては、種々の熱硬
化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等を使
用することができ、より具体的には、例えば、有機珪素
系、多官能を含むアクリル系、ウレタン系、ポリエステ
ル系、メラミン系等の熱可塑性樹脂をあげることができ
る。
【0027】本発明において、低屈折率層2bは、その
少なくとも1層を上述のように有機樹脂から形成する
が、残りの低屈折率層2bは、金属酸化物から形成して
もよく、上述のような有機樹脂から形成してもよい。
【0028】低屈折率層2bの形成方法には特に制限は
なく、例えば、高屈折率層2aと同様に真空成膜プロセ
スによって成膜することができ、この他、グラビアやス
クリーンなどのウエットコートと熱乾燥法、熱硬化法、
紫外線照射硬化法、電子線照射硬化法等の成膜プロセス
によっても形成することができる。これらは、低屈折率
層2bの形成に使用する当該有機樹脂に応じて適宣選択
される。また、紫外線硬化法、電子線照射硬化法等を行
う場合に、真空中に有機樹脂を加熱気化、或いは超音波
によりミスト化して基材に導入し、基材近傍で紫外線、
電子線等を照射することにより低屈折率層2bを形成す
ることも可能である。
【0029】以上のような高屈折率層2aと低屈折率層
2bとの合計の全積層数は、生産性、コスト等を考慮す
ると少ない方がよいが、通常2〜6層とすることが好ま
しい。これにより本発明の反射防止フィルムの反射特性
を、一般的に可視光とされる400nm〜700nmの
範囲中、人間の目の感度の比較的高い450nm〜65
0nmの範囲において平均反射率を3%以下、さらには
1%以下とすることができる。
【0030】本発明において、上述の反射防止層2以外
の構成は、公知の反射防止フィルムと同様に構成するこ
とができるが、好ましくは、図3に示す反射防止フィル
ム10B又は図4に示す反射防止フィルム10Cのよう
に、撥水・防汚層3やハードコート層4を設ける。
【0031】この撥水・防汚層3は、反射防止層2の表
面を保護し、更に防汚性を高めるために反射防止層2上
に形成されるものであり、その形成材料としては、透明
性を有し、要求性能が満たされる限り、いかなる材料で
も制限なく使用することができる。例えば、疎水基を有
する化合物、より具体的には、フルオロカーボンやパー
フルオロシラン等、またこれらの高分子化合物等を好ま
しく使用することができる。また、指紋拭き取り汚性向
上のためには、メチル基の様な撥油性を有する高分子化
合物が好適である。
【0032】撥水・防汚層3の形成方法としては、当該
形成材料に応じて真空蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法、プラズマCVD法、プラズマ重合
法などの真空成膜プロセスや、マイクログラビア、スク
リーン、ディップ等のウェットプロセスの各種コーティ
ング方法を用いることができる。
【0033】撥水・防汚層3の厚さは反射防止層2の機
能を損なわないよう設定することが必要であり、通常、
形状膜厚を50nm以下とすることが好ましい。
【0034】ハードコート層4は、反射防止フィルムに
所望の硬さを付与するため、必要に応じて設けられる。
したがってこのハードコート層4としては、透明性を有
し、適度な硬度を有する層を形成することが好ましく、
その形成材料には特に限定はない。例えば、電離放射線
や紫外線照射による硬化樹脂や熱硬化性樹脂を使用でき
る。特に、紫外線照射硬化型のアクリル系や有機珪素系
の樹脂や、熱硬化型のポリシロキサン樹脂が好適であ
る。これらの樹脂は、フィルム基材1と屈折率が同等も
しくは近似していることがより好ましいが、膜厚が3μ
m以上の場合には特にこの点も必要ない。
【0035】また、ハードコート層4を形成するにあた
り、塗布方法に制限はないが、表面平滑に且つ均一に形
成することが好ましい。
【0036】ハードコート層4には平均粒子径0.01
〜3μmの透明な無機あるいは有機の超微粒子を混合分
散させてもよい。これによりアンチグレアと呼ばれる光
拡散性の処理を施すことができる。そしてこの光拡散性
の処理を施したハードコート層4上に反射防止層2を形
成することにより、画像のぼやけが小さくなり、単なる
光拡散性の処理を施した場合よりも画像が明瞭になる。
これらの超微粒子は、透明であれば特に限定されるもの
ではないが、屈折率1.6以下の低屈折率材料からなる
粒子が好ましく、例えば、酸化珪素粒子、弗化マグネシ
ウム粒子等が安定性、耐熱性等の点から好適である。
【0037】本発明の反射防止フィルムは、従来の反射
防止フィルムと同様に使用することができ、例えば、粘
着剤、接着剤等を用いてガラス板、プラスチック板、偏
向板等と貼り合わせることにより反射防止性を有する光
学部材を得ることができる。そこで、本発明は、このよ
うな光学部材も包含する。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0039】実施例1 図2に示した層構成の反射防止フィルムを次のように作
製した。
【0040】透明なフィルム基材1として、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ100μ
m)上に、以下に示す表1の層構成の反射防止層2を形
成し、反射防止フィルムとした。この場合、まず、プラ
ズマアシスト蒸着法により、フィルム基材1上に酸化チ
タンからなる高屈折率層2aと酸化珪素からなる低屈折
率層2bとを積層し、更に最上層(第4層)の低屈折率
層2bをなす有機樹脂層として、シリコーン系樹脂を熱
硬化法により形成した。
【0041】反射防止層2を構成する各層の屈折率及び
光学膜厚ndを表1に示す。なお、各層の光学膜厚は、
光学式の膜厚モニターにより監視し、目的光量値に達し
た時に成膜を止めることにより所定の値に制御した。
【0042】得られた反射防止フィルムの絶対反射測定
による分光反射特性を図5に示す。同図から、この反射
防止フィルムは光の波長の450nm〜650nm以上
にわたって反射率が0.5%以下であり、高い反射防止
性を広波長域で有することが確認できた。
【0043】
【表1】反射防止フィルムの層構成 基材フィルム:PETフィルム(厚さ100μm) 反射防止層: 第1層 高屈折率層:TiO2 (nH1=2.30,nd=65nm) 第2層 低屈折率層:SiO2 (nL1=1.46,nd=35nm) 第3層 高屈折率層:TiO2 (nH2=2.30,nd=110nm) 第4層 低屈折率層:シリコーン系樹脂 (nL2=1.50,nd=145nm)
【0044】実施例2 透明なフィルム基材1としてトリアセチルセルロースフ
ィルム(厚さ80μm)を使用し、その上に、まず透明
なハードコート層4として単官能性アクリル樹脂を紫外
線照射硬化法により形成し、次に表2に示す層構成の反
射防止層2を形成した。この場合、まず、酸化チタンか
らなる高屈折率層2aと、酸化珪素からなる低屈折率層
2bとを実施例1と同様にしてプラズマアシスト蒸着法
により形成し、更に最上層(第4層)の低屈折率層2b
をなす有機樹脂層としてアクリル系樹脂を紫外線照射法
により形成した。
【0045】反射防止層2を構成する各層の屈折率及び
光学膜厚ndを表2に示す。また、得られた反射防止フ
ィルムの絶対反射測定による分光反射特性を図6に示
す。同図から、この反射防止フィルムは光の波長の45
0nm〜650nm以上にわたって反射率が0.5%以
下であり、高い反射防止性を広波長域で有することが確
認できた。
【0046】
【表2】反射防止フィルムの層構成 基材フィルム:トリアセチルセルロースフィルム(厚さ80μm) ハードコート層:アクリル系樹脂(nH1=1.50,厚さ5μm) 反射防止層: 第1層 高屈折率層:TiO2 (nH1=2.30,nd=60nm) 第2層 低屈折率層:SiO2 (nL1=1.46,nd=40nm) 第3層 高屈折率層:TiO2 (nH2=2.30,nd=120nm) 第4層 低屈折率層:アクリル系樹脂 (nL2=1.50,nd=140nm)
【0047】実施例3 透明なフィルム基材1としてPETフィルム(厚さ10
0μm)を使用し、その上に、表3に示す層構成の反射
防止層2を形成した。この場合、まず酸化チタンからな
る高屈折率層2aと、酸化珪素からなる低屈折率層2b
とを実施例1と同様にしてプラズマアシスト蒸着法によ
り形成し、更に最上層(第4層)の低屈折率層2bをな
す有機樹脂層としてシリコーン系樹脂を紫外線照射硬化
法により形成した。
【0048】更にこの上に撥水・防汚層3としてパーフ
ルオロシランをプラズマCVD法により成膜し、反射防
止フィルムとした。
【0049】得られた反射防止フィルムの反射防止層2
を構成する各層の屈折率及び光学膜厚ndを表3に示
す。また、得られた反射防止フィルムの絶対反射測定に
よる分光反射特性を測定したところ、前述の実施例1の
図5とほとんど変わらず、光の波長の450nm〜65
0nm以上にわたって反射率が0.5%以下であり、高
い反射防止性を広波長域で有することが確認できた。
【0050】
【表3】反射防止フィルムの層構成 基材フィルム:PETフィルム(厚さ100μm) 反射防止層: 第1層 高屈折率層:TiO2 (nH1=2.30,nd=65nm) 第2層 低屈折率層:SiO2 (nL1=1.46,nd=35nm) 第3層 高屈折率層:TiO2 (nH2=2.30,nd=110nm) 第4層 低屈折率層:シリコーン系樹脂 (nL2=1.50,nd=145nm) 撥水・防汚層:パーフルオロシラン(厚さ0.01μm)
【0051】実施例4 透明なフィルム基材1としてトリアセチルセルロースフ
ィルム(厚さ80μm)を使用し、その上に、まず透明
なハードコート層4として有機ケイ素系樹脂を紫外線照
射硬化法により形成し、次に表4に示す層構成の反射防
止層2を形成した。この場合、まず、酸化チタンからな
る高屈折率層2aと、酸化珪素からなる低屈折率層2b
とを実施例1と同様にしてプラズマアシスト蒸着法によ
り形成し、更に最上層(第4層)の低屈折率層2bをな
す有機樹脂層としてアクリル系樹脂を電子線照射硬化法
により形成した。
【0052】反射防止層2を構成する各層の屈折率及び
光学膜厚ndを表4に示す。また、得られた反射防止フ
ィルムの絶対反射測定による分光反射特性を測定したと
ころ、前述の実施例2の図6とほとんど変わらず、光の
波長の450nm〜650nm以上にわたって反射率が
0.5%以下であり、高い反射防止性を広波長域で有す
ることが確認できた。
【0053】
【表4】反射防止フィルムの層構成 基材フィルム:トリアセチルセルロースフィルム(厚さ80μm) ハードコート層:有機ケイ素系樹脂(nH1=1.49,厚さ5μm) 反射防止層: 第1層 高屈折率層:TiO2 (nH1=2.30,nd=60nm) 第2層 低屈折率層:SiO2 (nL1=1.46,nd=40nm) 第3層 高屈折率層:TiO2 (nH2=2.30,nd=120nm) 第4層 低屈折率層:アクリル系樹脂 (nL2=1.50,nd=140nm)
【0054】実施例5 透明なフィルム基材1としてPETフィルム(厚さ10
0μm)を使用し、その上に、表5に示す層構成の反射
防止層2を形成した。この場合、まず酸化インジウム酸
化錫混合物(ITO)からなる高屈折率層2aと、酸化
珪素からなる低屈折率層2bとを実施例1と同様にして
プラズマアシスト蒸着法により形成し、更に最上層(第
4層)の低屈折率層2bをなす有機樹脂層として熱可塑
性アクリル樹脂を塗布形成した。
【0055】更にこの上に撥水・防汚層3としてパーフ
ルオロシランをプラズマCVD法により成膜し、反射防
止フィルムとした。
【0056】得られた反射防止フィルムの反射防止層2
を構成する各層の屈折率及び光学膜厚ndを表5に示
す。また、得られた反射防止フィルムの絶対反射測定に
よる分光反射特性を測定したところ、前述の実施例1の
図5とほとんど変わらず、光の波長の450nm〜65
0nm以上にわたって反射率が0.5%以下であり、高
い反射防止性を広波長域で有することが確認できた。
【0057】また、電磁波シールド性は、周波数100
MHzで30dBの減衰があり、良好なシールド性を示
すことが確認できた。
【0058】
【表5】反射防止フィルムの層構成 基材フィルム:PETフィルム(厚さ100μm) 反射防止層: 第1層 高屈折率層:ITO (nH1=2.10,nd=55nm) 第2層 低屈折率層:SiO2 (nL1=1.46,nd=25nm) 第3層 高屈折率層:ITO (nH2=2.10,nd=150nm) 第4層 低屈折率層:熱可塑性アクリル系樹脂 (nL2=1.50,nd=135nm) 撥水・防汚層:パーフルオロシラン(厚さ0.01μm)
【0059】比較例1 透明なフィルム基材1としてPETフィルム(厚さ10
0μm)を使用し、その上に反射防止層2として、低屈
折率層2bに相当する多官能基アクリル樹脂の単層を紫
外線照射硬化法により形成し、比較例の反射防止フィル
ムとした。
【0060】この多官能基アクリル樹脂層の屈折率及び
光学膜圧ndは表6に示す通りであった。また、得られ
た反射防止フィルムの絶対反射測定による分光反射特性
を図7に示す。同図から、この比較例の反射防止フィル
ムは、実施例1〜5の反射防止フィルムと比較して、反
射率が明らかに大きく、また、反射防止性を示す波長域
が実施例に比して狭かった。
【0061】
【表6】反射防止フィルムの層構成 基材フィルム:PETフィルム(厚さ100μm) 反射防止層: 低屈折率層:多官能基アクリル樹脂 (nL1=1.50,nd=138nm)
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、フィルム基材上の少な
くとも片面に、屈折率が1.80以上の高屈折率層と、
屈折率が1.70以下の低屈折率層とを交互に積層して
反射防止層を形成し、この反射防止層の低屈折率層のう
ち少なくとも1層を有機樹脂から形成するので、広い波
長域で低い反射率を有し、フレキシビリティー、材料の
選択性に優れた、反射防止フィルムを得ることができ、
またこのような反射防止フィルムを安価に提供すること
ができる。
【0063】更に、反射防止層の形成に導電性を有する
金属酸化物を用いることにより、本発明の反射防止フィ
ルムに、反射防止効果に加えて導電性や帯電防止性を付
加することができ、また最表面に撥水・防汚層を形成す
ることにより、防汚性も付与でき、より高機能化し、実
用性に富む反射防止フィルムを得ることができる。
【0064】また、本発明の反射防止フィルムをガラス
板などと貼り合わせるなどにより光学部材を形成するこ
とができるが、かかる光学部材をディスプレイに用いる
ことによって、表示品質が向上し、表示画像がより明確
に認識できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止フィルムの層構成図である。
【図2】本発明の反射防止フィルムの層構成図である。
【図3】本発明の反射防止フィルムの他の態様の層構成
図である。
【図4】実施例の反射防止フィルムの他の態様の層構成
図である。
【図5】実施例1の反射防止フィルムの絶対反射測定に
よる分光反射スペクトルである。
【図6】実施例2の反射防止フィルムの絶対反射測定に
よる分光反射スペクトルである。
【図7】比較例1の反射防止フィルムの絶対反射測定に
よる分光反射スペクトルである。
【符号の説明】
1 フィルム基材 2 反射防止層 2a 高屈折率層 2b 低屈折率層 3 撥水・防汚層 4 ハードコート層 10A、10B、10C 反射防止フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加納 満 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム基材上の少なくとも片面に、屈
    折率が1.80以上の高屈折率層と、屈折率が1.70
    以下の低屈折率層とを交互に積層した反射防止層を有す
    る反射防止フィルムであって、低屈折率層のうち少なく
    とも1層が有機樹脂からなることを特徴とする反射防止
    フィルム。
  2. 【請求項2】 高屈折率層と低屈折率層との合計の全積
    層数が、2〜6である請求項1記載の反射防止フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 高屈折率層がセラミックスからなる請求
    項1又は2記載の反射防止フィルム。
  4. 【請求項4】 セラミックスが、酸化チタン、酸化ジル
    コニウム、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化インジウム、
    酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化錫、酸化ニオブ、
    酸化イットリウム、酸化イッテリビウム、インジウム・
    錫酸化物及びこれら2以上の混合物質から選ばれる請求
    項3記載の反射防止フィルム。
  5. 【請求項5】 低屈折率層が反射防止層の最上層に形成
    されている請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止フ
    ィルム。
  6. 【請求項6】 低屈折率層の有機樹脂が熱硬化性である
    請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  7. 【請求項7】 低屈折率層の有機樹脂が紫外線硬化性で
    ある請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止フィル
    ム。
  8. 【請求項8】 低屈折率層の有機樹脂が電子線硬化性で
    ある請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止フィル
    ム。
  9. 【請求項9】 低屈折率層の有機樹脂が熱可塑性である
    請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  10. 【請求項10】 フィルム基材と反射防止層との間に、
    ハードコート層が形成されている請求項1〜9のいずれ
    かに記載の反射防止フィルム。
  11. 【請求項11】 ハードコート層が、平均粒子径0.0
    1〜3μmの透明微粒子を含む請求項10記載の反射防
    止フィルム。
  12. 【請求項12】 反射防止層の上に撥水・防汚層が形成
    されている請求項1〜11のいずれかに記載の反射防止
    フィルム。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の反
    射防止フィルムを有する光学部材。
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