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JPH1161087A - 粘着付与剤樹脂エマルジョンおよび水性粘着剤組成物 - Google Patents

粘着付与剤樹脂エマルジョンおよび水性粘着剤組成物

Info

Publication number
JPH1161087A
JPH1161087A JP23029197A JP23029197A JPH1161087A JP H1161087 A JPH1161087 A JP H1161087A JP 23029197 A JP23029197 A JP 23029197A JP 23029197 A JP23029197 A JP 23029197A JP H1161087 A JPH1161087 A JP H1161087A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tackifier resin
sensitive adhesive
emulsion
aryl
parts
Prior art date
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Granted
Application number
JP23029197A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4214424B2 (ja
Inventor
Yoshinori Takagi
芳徳 高木
Takeshi Kondo
武 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arakawa Chemical Industries Ltd filed Critical Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority to JP23029197A priority Critical patent/JP4214424B2/ja
Publication of JPH1161087A publication Critical patent/JPH1161087A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4214424B2 publication Critical patent/JP4214424B2/ja
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エマルジョンの乳化性、貯蔵安定性および通
常の条件下における接着性、タック等の粘着特性が優れ
るのはもちろんのこと、高湿条件下における耐水性にも
優れた水性粘着剤組成物を提供する。 【解決手段】 乳化剤として、アルキル基、アリール
基、アリールアルキル基およびアリール分岐アルキル基
から選ばれるいずれか少なくとも1種の置換基を有して
もよいアリール基を有し、全ベンゼン環数が2〜6個の
ノニオン性乳化剤(1)および/またはアルキル基、ア
リール基、アリールアルキル基およびアリール分岐アル
キル基から選ばれるいずれか少なくとも1種の置換基を
有してもよいアリール基を2個有し、全ベンゼン環数が
4〜8個のノニオン性乳化剤(2)の存在下に、粘着付
与剤樹脂を乳化して得られる粘着付与剤樹脂エマルジョ
ンを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着付与剤樹脂エ
マルジョンおよび水性粘着剤組成物に関する。詳しくは
エマルジョンの貯蔵安定性および通常の条件下における
粘着特性が優れるのは勿論のこと、高湿条件下における
耐水性にも優れた水性粘着剤組成物を提供しうる粘着付
与剤樹脂エマルジョンに関する。
【0002】
【従来の技術】粘着剤は、紙、プラスチックフィルム等
に塗布され、テープ、シート、ラベル等に適用されるも
のであり、一般的にはアクリル系重合体等のベース樹脂
に、タック等の粘着特性を付与するために粘着付与剤樹
脂が添加されて使用されている。また、粘着剤は、従
来、溶剤型が汎用されてきたが、近年では、大気汚染が
ないこと、安全衛生に優れていることおよび省資源に適
すること等の種々の利点を有するため水性のエマルジョ
ン型粘着剤に転換される傾向にある。
【0003】従来より、水性粘着剤としては、アクリル
系重合体エマルジョン、スチレン−ブタジエン共重合体
ラテックス、天然ゴムラテックス、クロロプレンラテッ
クス等をベース樹脂とし、これにロジン類、ロジン誘導
体、石油系樹脂、テルペン系樹脂等の粘着付与剤樹脂エ
マルジョンを配合してなる水性粘着剤組成物が知られて
いる。通常、かかるエマルジョンの乳化剤としては、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エス
テル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
のスルホコハク酸エステル塩、ポリオキシエチレンアル
キルエーテルのスルホコハク酸エステル塩等のアニオン
性乳化剤や、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレン脂肪酸エステル等のノニオン性乳化剤が使用
されている。
【0004】しかし前記アニオン性乳化剤を使用した場
合は、一般にエマルジョンの安定性は優れているが、高
湿条件下もしくは湿潤後においては、粘着剤組成物中の
乳化剤と水分が結び付くことにより、耐水性の低下の問
題、具体的には接着力等の粘着特性の著しい低下や粘着
剤塗膜の白化による透明性の低下等の問題がある。
【0005】一方、前記ノニオン性乳化剤を使用した場
合は、一般に耐水性は優れているが乳化性やエマルジョ
ンの貯蔵安定性が劣っていることが多いのが現状であ
り、乳化性、貯蔵安定性および耐水性を何れも満足させ
る乳化剤は見出されていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エマルジョ
ンの乳化性、貯蔵安定性および通常の条件下における接
着性、タック等の粘着特性が優れるのはもちろんのこ
と、高湿条件下における耐水性にも優れた水性粘着剤組
成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の課題を解決すべく、乳化剤の分子構造面から鋭意
検討を重ねた結果、粘着付与剤樹脂エマルジョンの乳化
剤として、本発明のノニオン性乳化剤を用いることによ
り、前記課題をことごとく解決することを見出した。本
発明はかかる新たな知見に基づいて完成されたものであ
る。
【0008】すなわち、本発明は、乳化剤として、一般
式:R1 −O(CH2 CH2 O)mH(但し式中R1
は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基およ
びアリール分岐アルキル基から選ばれるいずれか少なく
とも1種の置換基を有してもよいアリール基を表し、R
1 全体のベンゼン環の数が2〜6個、好ましくは3個以
上であり、mは10〜50の整数を表す)にて表される
ノニオン性乳化剤(1)および/または一般式:H(C
2 CH2 O)n O−R2 −X−R3 −O(CH2 CH
2 O)p H(但し式中R2 、R3 はそれぞれ独立して、
アルキル基、アリール基、アリールアルキル基およびア
リール分岐アルキル基から選ばれるいずれか少なくとも
1種の置換基を有してもよいアリール基を表し、R2
よびR3 全体のベンゼン環の数が4〜8個であり、Xは
CH2 またはCH(CH3 )を表し、n、pはそれぞれ
独立して10〜50の整数を表す)で表されるノニオン
性乳化剤(2)の存在下に、粘着付与剤樹脂を乳化して
得られる粘着付与剤樹脂エマルジョンに関する。さらに
本発明はアクリル系重合体エマルジョンおよび/または
粘着剤用ラテックス、ならびに前記粘着付与剤樹脂エマ
ルジョンを含有してなる水性粘着剤組成物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用する粘着付与剤樹脂
は各種公知のものを使用できる。たとえばロジン類、ロ
ジン誘導体、石油系樹脂、テルペン系樹脂等があげら
れ、これらの1種を単独でまたは2種以上を混合物とし
て使用できる。
【0010】ロジン類としてはガムロジン、ウッドロジ
ンもしくはトール油ロジンの原料ロジンまたは前記原料
ロジンを不均化もしくは水素添加処理した安定化ロジン
や重合ロジン等があげられる。また、ロジン誘導体とし
てはロジンエステル類、ロジンフェノール類があげられ
る。ロジンエステル類としては前記ロジン類と多価アル
コールとをエステル化反応させて得られたロジンエステ
ル、原料ロジンを部分的にフマル化もしくはマレイン化
し、次いでエステル化して得られる部分マレイン化もし
くは部分フマル化ロジンの多価アルコールエステル、原
料ロジンを部分的にフマル化もしくはマレイン化させた
後、不均化し、次いでエステル化して得られる部分マレ
イン化もしくは部分フマル化不均化ロジンの多価アルコ
ールエステル等をいう。また、ロジンフェノール類とは
ロジン類にフェノール類を付加させ熱重合したもの、ま
たは次いでエステル化したものをいう。なお、前記エス
テル化に用いられる多価アルコールは、特に制限はされ
ず、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキ
サントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペン
タエリスリトール等の各種公知のものを例示できる。
【0011】また、石油系樹脂とはC5系石油樹脂、C
9系石油樹脂、C5−C9共重合系石油樹脂、クマロン
樹脂、クマロン−インデン系樹脂、ピュアモノマー樹
脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂およびこれらの水
素化物等を例示でき、テルペン系樹脂としてはα−ピネ
ン樹脂、β−ピネン樹脂や、α−ピネン、β−ピネン等
のテルペン類とスチレン等の芳香族モノマーを共重合さ
せた芳香族変性のテルペン系樹脂、およびこれらの水素
化物等を例示できる。
【0012】これら粘着付与剤樹脂の軟化点は特に限定
されず200℃以下の高軟化点のものから液状のもの
を、各種用途に応じて適宜選択して使用できる。
【0013】本発明では、前記粘着付与剤樹脂を、本発
明のノニオン性乳化剤(1)および/またはノニオン性
乳化剤(2)の存在下に乳化して、粘着付与剤樹脂エマ
ルジョンを製造する。
【0014】本発明のノニオン性乳化剤(1)は、一般
式:R1 −O(CH2 CH2 O)mH(但し式中R1
は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基およ
びアリール分岐アルキル基から選ばれるいずれか少なく
とも1種の置換基を有してもよいアリール基を表し、R
1 全体のベンゼン環の数が2〜6個、好ましくは3個以
上であり、mは10〜50の整数を表す)で表される。
当該ノニオン性乳化剤(1)は、ベンゼン環を2〜6
個、好ましくは3個以上有し、水酸基を1個有するフェ
ノール類にエチレンオキサイドを付加重合することによ
り得られる。ベンゼン環を2〜6個有し、水酸基を1個
有するフェノール類としては、オルソ−フェニルフェ
ノール、メタ−フェニルフェノール、パラ−フェニルフ
ェノール等のアリールフェノール類、α−ナフトー
ル、β−ナフトール等のナフトール類、フェノールま
たはアルキルフェノールのベンジル化物、フェノール
またはアルキルフェノールのスチリル化物、または
のベンジル化物またはスチリル化物等が挙げられる。
【0015】なお、上記、のフェノール類は、得ら
れるノニオン性乳化剤(1)において一般式中R1 の置
換基としてアリール基を有するものとなり、、にお
けるベンジル化物は上記一般式中R1 の置換基としてア
リールアルキル基を有するものとなり、、における
スチリル化物は上記一般式中R1 の置換基としてアリー
ル分岐アルキル基を有するものとなり、、において
アルキルフェノールを使用した場合は上記一般式中R1
の置換基としてアルキル基を有するものとなる。また、
のナフトール類において置換基を有さないナフトール
を使用した場合は、上記一般式中R1 においても置換基
を有さない。
【0016】また、本発明のノニオン性乳化剤(2)
は、一般式:H(CH2 CH2 O)nO−R2 −X−R3
−O(CH2 CH2 O)p H(但し式中R2 、R3
それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アリール
アルキル基およびアリール分岐アルキル基から選ばれる
いずれか少なくとも1種の置換基を有してもよいアリー
ル基を表し、R2 およびR3 全体のベンゼン環の数が4
〜8個であり、XはCH2 またはCH(CH3 )を表
し、n、pはそれぞれ独立して10〜50の整数を表
す)にて表される。当該ノニオン性乳化剤(2)は、
前記またはのホルムアルデヒドまたはアセトアルデ
ヒド縮合物(水酸基を2個有する)に対し、エチレンオ
キサイドを付加重合することにより得られる。
【0017】また前記付加重合されるエチレンオキサイ
ドの重合度は、前記〜のフェノール類または縮合物
の水酸基1モル当量に対し10〜50モル程度、好まし
くは下限が20モル、上限が40モルの範囲で付加重合
して用いられる。10モル以下ではエマルジョンの安定
性が劣り、50モル以上では水性粘着剤組成物の耐水性
が低下し、発泡しやすくなり作業性も低下する。これら
ノニオン性乳化剤(1)および/またはノニオン性乳化
剤(2)(以下、単にノニオン性乳化剤という)は乳化
する樹脂に適したものを選択し、1種を単独で、または
2種以上を組み合わせて使用できる。また、ノニオン性
乳化剤のうち好ましくはノニオン性乳化剤(1)であ
り、より好ましくは上記〜のフェノール類から得ら
れたノニオン性乳化剤(1)である。中でものフェノ
ール類から得られたノニオン性乳化剤(1)が最も好ま
しい。
【0018】本発明では、前記ノニオン性乳化剤を用い
て粘着付与剤樹脂を乳化して、粘着付与剤樹脂エマルジ
ョンを製造する。
【0019】前記ノニオン性乳化剤の使用量は特に限定
されないが、粘着付与剤樹脂100重量部に対し、通常
は固形分換算で1〜10重量部程度、好ましくは下限が
2重量部、上限が7重量部である。10重量部を越える
場合には得られる水性粘着剤組成物の耐水性が低下し、
また1重量部に満たない場合には乳化時の樹脂エマルジ
ョンの貯蔵安定性が悪くなる。
【0020】乳化方法としては、従来より知られている
高圧乳化法、反転乳化法等を採用できる。具体的には
(ア)前記粘着付与剤樹脂をベンゼン、トルエン等の溶
剤に溶解したのち前記ノニオン性乳化剤および軟水を添
加し、高圧乳化機を用いてエマルジョン化したのち減圧
下に溶剤を除去する方法、(イ)粘着付与剤樹脂に少量
のベンゼン、トルエン等の溶剤を混合し、つづいて前記
ノニオン性乳化剤を練り込み、さらに熱水を徐々に添加
してゆき転相乳化させてエマルジョンを得たのち溶剤を
減圧下に除去またはそのまま使用する方法、(ウ)加圧
下または常圧下にて樹脂の軟化点以上に昇温して前記ノ
ニオン性乳化剤を練り込み、熱水を徐々に添加して行き
転相乳化させてエマルジョン化する方法等をあげること
ができる。
【0021】かくして得られた粘着付与剤樹脂エマルジ
ョンの固形分濃度は特に限定されるものではないが、通
常20〜70重量%程度となるように適宜に調整して用
いる。また、得られたエマルジョンの平均粒子径は、通
常0.2〜2μm程度であり、大部分は0.5μm以下
の粒子として均一に分散している。また、該エマルジョ
ンは白色ないし乳白色の外観を呈し、2〜9程度のpH
を有する。
【0022】前記で得られた本発明の粘着付与剤樹脂エ
マルジョンは、ベース樹脂であるアクリル系重合体エマ
ルジョンおよび/または粘着剤用ラテックスに配合され
てなる。
【0023】アクリル系重合体エマルジョンは、一般に
各種のアクリル系粘着剤に用いられているものを使用で
き、(メタ)アクリル酸エステルを一括仕込み重合法、
モノマー逐次添加重合法、乳化モノマー逐次添加重合
法、シード重合法等の公知の乳化重合法により容易に製
造することができる。
【0024】使用される(メタ)アクリル酸エステルと
しては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル等をあげることができ、これらを単独でもしくは
二種以上を混合して用いる。また、得られるエマルジョ
ンに貯蔵安定性を付与するため前記(メタ)アクリル酸
エステルに換えて(メタ)アクリル酸を少量使用しても
よい。さらに所望により(メタ)アクリル酸エステル重
合体の接着特性を損なわない程度において、たとえば、
酢酸ビニル、スチレン等の共重合可能なモノマーを併用
できる。これら(メタ)アクリル酸エステルを主成分と
する重合体のガラス転移温度は通常−70〜0℃程度、
好ましくは下限が−60℃、上限が−10℃である。0
℃を越える場合にはタックが著しく低下し好ましくな
い。なお、アクリル系重合体エマルジョンに用いられる
乳化剤にはアニオン系乳化剤、部分ケン化ポリビニルア
ルコール等を使用でき、その使用量は重合体100重量
部に対して0.1〜5重量部程度、好ましくは下限が
0.5重量部、上限が3重量部である。
【0025】アクリル系重合体エマルジョンと粘着付与
剤樹脂エマルジョンの使用割合は、アクリル系重合体エ
マルジョン100重量部(固形分換算)に対して、粘着
付与剤樹脂エマルジョンを通常5〜30重量部程度(固
形分換算)とするのがよい。粘着付与剤樹脂エマルジョ
ンが5重量部に満たない場合には、粘着付与剤樹脂を添
加することによる改質がほとんど認められず、また30
重量部を超える場合には凝集力が低下する傾向にありい
ずれの場合も適当ではない。
【0026】また、粘着剤用ラテックスとしては、天然
ゴムラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテッ
クス、クロロプレンラテックス等があげられる。天然ゴ
ムラテックスとは、水性粘着剤組成物に用いられる公知
のものを使用でき、解重合したもの、解重合しないもの
のいずれでもよい。スチレン−ブタジエン共重合体ラテ
ックス、クロロプレンラテックスも通常、粘着剤用とし
て市販されているものを使用できる。またスチレン−ブ
タジエン共重合体ラテックス、クロロプレンラテックス
はカルボキシ変性されたものでもよい。
【0027】粘着剤用ラテックスと粘着付与剤樹脂エマ
ルジョンの使用割合は、粘着剤用ラテックス100重量
部(固形分換算)に対して、粘着付与剤樹脂エマルジョ
ンを通常5〜150重量部程度(固形分換算)とするの
がよい。粘着付与剤樹脂エマルジョンが5重量部に満た
ない場合は、粘着付与剤樹脂を添加することによる改質
がほとんど認められず、また150重量部を超える場合
には凝集力が低下する傾向にありいずれの場合も適当で
はない。
【0028】本発明の水性粘着剤組成物は、ベース樹脂
としてアクリル系重合体エマルジョンと粘着剤用ラテッ
クスを併用することもでき、さらに必要に応じて消泡
剤、増粘剤、充填剤、酸化防止剤、耐水化剤、造膜助剤
等を若干使用してもよい。
【0029】
【発明の効果】本発明により得られる粘着付与剤樹脂エ
マルジョンは、貯蔵安定性が良好であり、また得られた
水性粘着剤組成物は、従来の水性粘着剤組成物と同様の
優れた接着力、タック等の粘着特性を有するのはもちろ
ん、特に高湿条件下または湿潤後において耐水接着力、
耐水白化性等の耐水性に優れるといった特徴を有する。
【0030】
【実施例】以下に、製造例、実施例及び比較例を挙げて
本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら各例に限定
されるものではない。なお、各例中、部及び%は重量基
準である。
【0031】製造例1(アクリル系重合体エマルジョン
の製造例) 攪拌装置、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を
備えた四つ口フラスコに、窒素ガス気流下、70℃で、
水43.40部およびアニオン性乳化剤(「ハイテノー
ルS」、固形分50%、第一工業製薬(株)製)0.9
2部を溶解した。また、(1)ブチルアクリレート4
5.10部およびアクリル酸1.40部と、(2)触媒
(過硫酸カリウム)0.24部、pH調整剤(重曹)
0.11部および水8.83部を、それぞれ別々の滴下
ロートから、1/10量ずつ滴下し、70℃で窒素ガス
気流下にて30分間予備反応を行ない、その後、(1)
および(2)の9/10量を2時間かけて滴下重合を行
なった。(1)および(2)の全量を滴下し終った後、
70℃で1時間完結反応を行ない、室温に冷却後、10
0メッシュ金網ろ過を行ないながら取り出し、固形分4
5.7%のアクリル系重合体エマルジョンを得た。
【0032】実施例1 軟化点125℃の安定化ロジンのペンタエリスリトール
エステル(粘着付与剤樹脂)100部を、トルエン60
部に100℃にて約1時間溶解した後、80℃まで冷却
した。次いで乳化剤としてポリオキシエチレンジスチリ
ルフェニルエーテル(エチレンオキサイドの重合度27)
を固形分換算で5部および水160部を添加し、75℃
にて1時間強攪拌し予備乳化を行なった。さらに得られ
た予備乳化物を高圧乳化機(マントンガウリン社製)に
より300kg/cm2 の圧力で高圧乳化して乳化物を
得た。次いで、減圧蒸留装置に前記乳化物200部を仕
込み50℃、100mmHgの条件下に6時間減圧蒸留
を行ない、固形分50%の粘着付与剤樹脂のエマルジョ
ンを得た。
【0033】このようにして得た安定化ロジンのペンタ
エリスリトーエステルのエマルジョン20部(固形分換
算)と、前記製造例1で得られたアクリル系重合体エマ
ルジョン80部(固形分換算)を混合し水性粘着剤組成
物を得た。
【0034】実施例2、3、比較例1〜5 実施例1において、乳化剤を表1に示すノニオンB、
C、D、E、FおよびアニオンG、Hに代えて用いた以
外は実施例1と同様にして粘着付与剤樹脂のエマルジョ
ン化を行った。なお、実施例3のノニオンCは前記ノニ
オン性乳化剤(2)であり、表1中のエチレンオキサイ
ドの重合度は前記一般式中のnおよびpの各々の重合度
を示す。さらに得られた粘着付与剤樹脂のエマルジョン
を用いて、実施例1と同様にして水性粘着剤組成物を得
た。
【0035】
【表1】
【0036】実施例および比較例で行った、粘着付与剤
樹脂のエマルジョン化における乳化性の良否を目視判定
した。判定結果は表2に示す。 ○:乳化性良好 △:乳化性やや不良(少量の凝集物の発生が見られる) ×:乳化性不良(安定なエマルジョンが得られない)
【0037】さらに、実施例および比較例で得られた水
性粘着剤組成物を、厚さ35μmのポリエステルフィル
ムに塗布後、105℃の循風乾燥器中にて3分間乾燥
し、糊厚が25μmの粘着シートを作成した。得られた
粘着シートを以下の試験に供した。評価結果は表2に示
す。なお、比較例1および2は安定なエマルジョンが得
られなかったため、下記の評価を行うことができなかっ
た。
【0038】(1)耐水接着力:前記粘着シートを幅2
5mmに切り、被着体(SS:ステンレス板またはP
P:ポリプロピレン板)に貼り合わせ、20℃水中に2
4時間浸漬した。水中から粘着シートを貼り合わせた被
着体を取り出した後、直ちに180度剥離テストを、引
張速度300mm/分、測定温度20℃の条件で行い、
接着力(kg/25mm)を測定した。
【0039】(2)耐水白化性:前記粘着シートを適当
な大きさに切り、20℃水中に24時間浸漬した後、粘
着シートの白化度合いを目視にて観察した。 ◎:変化無し ○:僅かに白濁 △:白濁 ×:
強白濁
【0040】
【表2】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化剤として、一般式:R1 −O(CH
    2 CH2 O)m H(但し式中R1 は、アルキル基、アリ
    ール基、アリールアルキル基およびアリール分岐アルキ
    ル基から選ばれるいずれか少なくとも1種の置換基を有
    してもよいアリール基を表し、R1 全体のベンゼン環の
    数が2〜6個であり、mは10〜50の整数を表す)で
    表されるノニオン性乳化剤(1)および/または一般
    式:H(CH2 CH2 O)n O−R2 −X−R3 −O
    (CH2 CH2 O)p H(但し式中R2 、R3 はそれぞ
    れ独立して、アルキル基、アリール基、アリールアルキ
    ル基およびアリール分岐アルキル基から選ばれるいずれ
    か少なくとも1種の置換基を有してもよいアリール基を
    表し、R2 およびR3 全体のベンゼン環の数が4〜8個
    であり、XはCH2 またはCH(CH3 )を表し、n、
    pはそれぞれ独立して10〜50の整数を表す)で表さ
    れるノニオン性乳化剤(2)の存在下に、粘着付与剤樹
    脂を乳化して得られる粘着付与剤樹脂エマルジョン。
  2. 【請求項2】 前記粘着付与剤樹脂が、ロジン類、ロジ
    ン類の誘導体、石油系樹脂およびテルペン系樹脂からな
    る群より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の
    粘着付与剤樹脂エマルジョン。
  3. 【請求項3】 アクリル系重合体エマルジョンおよび/
    または粘着剤用ラテックスならびに請求項1または2記
    載の粘着付与剤樹脂エマルジョンを含有してなる水性粘
    着剤組成物。
  4. 【請求項4】 アクリル系重合体エマルジョン100重
    量部(固形分換算)に対し、粘着付与剤樹脂エマルジョ
    ン5〜30重量部(固形分換算)を使用してなる請求項
    3記載の水性粘着剤組成物。
  5. 【請求項5】 粘着剤用ラテックス100重量部(固形
    分換算)に対し、粘着付与剤樹脂エマルジョン5〜15
    0重量部(固形分換算)を使用してなる請求項3または
    4記載の水性粘着剤組成物。
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