JPH11289968A - 豆乳クリーム入りパン類の製造方法 - Google Patents
豆乳クリーム入りパン類の製造方法Info
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- JPH11289968A JPH11289968A JP9326498A JP9326498A JPH11289968A JP H11289968 A JPH11289968 A JP H11289968A JP 9326498 A JP9326498 A JP 9326498A JP 9326498 A JP9326498 A JP 9326498A JP H11289968 A JPH11289968 A JP H11289968A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】パン類の製造方法において、豆乳、おから、油
脂などを活用してヘルシーな( 豆乳とおからの蛋白質と
大豆多糖類を含ませた)パン類であって、食感がソフト
であるパン類の製造方法の提供を課題とする。 【解決手段】上記の課題を解決するために種々の検討を
行い、豆乳、おから、油脂等から成る豆乳クリームを添
加することにより課題を解決することが出来た。更に詳
しくは、小麦粉100重量部に対して、豆乳クリーム3
〜35重量部を添加する本方法によるパン類が上記の課
題の他に、風味がよく、ソフトな食感がより長く保持出
来る効果を見い出した。本方法の活用によりパン類を通
して公衆の栄養改善と健康の向上に、食品産業の活性化
にも役立つことが出来る様になった。
脂などを活用してヘルシーな( 豆乳とおからの蛋白質と
大豆多糖類を含ませた)パン類であって、食感がソフト
であるパン類の製造方法の提供を課題とする。 【解決手段】上記の課題を解決するために種々の検討を
行い、豆乳、おから、油脂等から成る豆乳クリームを添
加することにより課題を解決することが出来た。更に詳
しくは、小麦粉100重量部に対して、豆乳クリーム3
〜35重量部を添加する本方法によるパン類が上記の課
題の他に、風味がよく、ソフトな食感がより長く保持出
来る効果を見い出した。本方法の活用によりパン類を通
して公衆の栄養改善と健康の向上に、食品産業の活性化
にも役立つことが出来る様になった。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヘルシーで風味がよ
く、食感がソフトで、かつこの様な食感が経時的にも失
われることなく、良好に維持されるパン類を得る方法に
関する。
く、食感がソフトで、かつこの様な食感が経時的にも失
われることなく、良好に維持されるパン類を得る方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来のパン類は、元来穀物の加工形態と
して創出され、通常主原料として小麦粉、イースト、食
塩、水に、砂糖、乳製品、油脂、その他の副原料を配合
し、または食品添加物を加え混合した生地を発酵・膨化
させ焼成して作られる。
して創出され、通常主原料として小麦粉、イースト、食
塩、水に、砂糖、乳製品、油脂、その他の副原料を配合
し、または食品添加物を加え混合した生地を発酵・膨化
させ焼成して作られる。
【0003】最近の消費者は、益々ソフトタイプのもの
を好む傾向にあり、このためソフトタイプのパン類の検
討が従来に増して数多く行われている。ソフトなパン類
を得る方法としては、パン生地の発酵時間を増長させる
方法、パン生地の添加水量を増加させる方法及びモノグ
リセライドを主体とした乳化剤を添加する方法が知られ
ている。しかしながら発酵時間を増長させる方法につい
ては、今日の大量生産方式下ではパン生地の発酵時間が
定められている場合が多く、従って該発酵時間の変更は
生産工程上困難である。添加水を増量する方法は、パン
類生地中の水分が増加するため生産工程中にパン類生地
が製造機器に付着し、作業効率の低下を起こすのみなら
ず、しばしば製品に悪影響を及ぼす。又、モノグリセラ
イドを主体とする乳化剤の添加はソフトなパン類を得る
には簡便であるところから広く採用されている。
を好む傾向にあり、このためソフトタイプのパン類の検
討が従来に増して数多く行われている。ソフトなパン類
を得る方法としては、パン生地の発酵時間を増長させる
方法、パン生地の添加水量を増加させる方法及びモノグ
リセライドを主体とした乳化剤を添加する方法が知られ
ている。しかしながら発酵時間を増長させる方法につい
ては、今日の大量生産方式下ではパン生地の発酵時間が
定められている場合が多く、従って該発酵時間の変更は
生産工程上困難である。添加水を増量する方法は、パン
類生地中の水分が増加するため生産工程中にパン類生地
が製造機器に付着し、作業効率の低下を起こすのみなら
ず、しばしば製品に悪影響を及ぼす。又、モノグリセラ
イドを主体とする乳化剤の添加はソフトなパン類を得る
には簡便であるところから広く採用されている。
【0004】例えば特開平2−124052号公報に
は、飽和モノグリセリド2〜60重量%、不飽和モノグ
リセリド2〜30重量%を含有する乳化油脂組成物から
なることを特徴とするデンプン食品の品質改良剤が提案
されている。又、特開平7−289143号公報には、
小麦粉食品用乳化油脂組成物及びこれを用いて製造した
パン類又はケーキ類が提案されている。
は、飽和モノグリセリド2〜60重量%、不飽和モノグ
リセリド2〜30重量%を含有する乳化油脂組成物から
なることを特徴とするデンプン食品の品質改良剤が提案
されている。又、特開平7−289143号公報には、
小麦粉食品用乳化油脂組成物及びこれを用いて製造した
パン類又はケーキ類が提案されている。
【0005】最近の消費者の健康志向により従来より使
用されているこの種の添加物に替わって天然素材を使用
したパン類の製造方法が種々検討されている。例えば特
開平3−155742号公報には、アミラーゼ酵素が、
パン類の固化を抑制すると提案されている。又、特開平
6−169681号公報には、パン類の品質の改良用の
酵素製品及びパン類の品質の改良方法が提案されてい
る。これらの物は、主に酵素製品で天然の添加物と言え
る。
用されているこの種の添加物に替わって天然素材を使用
したパン類の製造方法が種々検討されている。例えば特
開平3−155742号公報には、アミラーゼ酵素が、
パン類の固化を抑制すると提案されている。又、特開平
6−169681号公報には、パン類の品質の改良用の
酵素製品及びパン類の品質の改良方法が提案されてい
る。これらの物は、主に酵素製品で天然の添加物と言え
る。
【0006】本発明品は、食品素材としての豆乳、おか
ら、油脂を利用した豆乳クリームである。
ら、油脂を利用した豆乳クリームである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ヘル
シーな(豆乳とおからの蛋白質と大豆多糖類を含ませ
た。以下、同じ意味。)パン類であって食感がソフトで
あり、ソフトな食感がより長く保持されるパン類の製造
方法を提供することにある。
シーな(豆乳とおからの蛋白質と大豆多糖類を含ませ
た。以下、同じ意味。)パン類であって食感がソフトで
あり、ソフトな食感がより長く保持されるパン類の製造
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに種々の検討を行い、本発明は豆乳、おから、油脂か
ら成る豆乳クリーム、又はそれに大豆の呉(ご)、或い
は大豆由来の構成成分を加えて成る豆乳クリーム(以
下、豆乳クリームと言う。)を用いることを特徴とする
パン類の製造方法であり、好ましくは、小麦粉100重
量部に対して、豆乳クリーム3〜35重量部を添加す
る。本発明の製造方法によるパン類の食感はソフトであ
り、ソフトな食感がより長く保持され、風味がよく、ま
たヘルシーであるという効果がある。
めに種々の検討を行い、本発明は豆乳、おから、油脂か
ら成る豆乳クリーム、又はそれに大豆の呉(ご)、或い
は大豆由来の構成成分を加えて成る豆乳クリーム(以
下、豆乳クリームと言う。)を用いることを特徴とする
パン類の製造方法であり、好ましくは、小麦粉100重
量部に対して、豆乳クリーム3〜35重量部を添加す
る。本発明の製造方法によるパン類の食感はソフトであ
り、ソフトな食感がより長く保持され、風味がよく、ま
たヘルシーであるという効果がある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用する用語を次の様に
定義する。豆乳は、大豆由来の全脂豆乳や、脱脂大豆由
来の脱脂豆乳又は、それらの混合物などによって得るこ
とができる。全脂豆乳は大豆から公知の方法を用いて調
製したもので、一般に大豆を水、温水、熱湯等に浸漬し
て水分約50%に膨潤させ、磨砕し、加熱し、おからを
分離したものであり、好ましくは、膨潤大豆を回転刃型
剪断力を作用させて平均粒子径20〜100ミクロンに
微細化した後、遠心分離やロ過などの通常の方法で分離
した豆乳を用いると更に良い。脱脂豆乳は脱脂大豆を原
料として常法により、全脂豆乳の方法に準じて調製した
ものである。おからは、大豆由来の全脂おからや、脱脂
大豆由来の脱脂おから又は、それらの混合物などによっ
て得ることができる。全脂おからは上記の豆乳を調製す
る場合に豆乳を分離して得られるものであり、好ましく
は、上記の膨潤大豆を回転刃型剪断力を作用させて平均
粒子径20〜100ミクロンに微細化した後、遠心分離
やロ過などの通常の方法で分離した、おからを用いると
更に良い。脱脂おからは脱脂大豆を原料として常法によ
り、全脂おからの方法に準じて調製したものである。油
脂とは、食用の植物性油脂、動物性油脂の全般を指すが
混練による豆乳クリームの作り易さや、パン類生地での
使い易さなどから油脂の種類を選定するのが良い。
定義する。豆乳は、大豆由来の全脂豆乳や、脱脂大豆由
来の脱脂豆乳又は、それらの混合物などによって得るこ
とができる。全脂豆乳は大豆から公知の方法を用いて調
製したもので、一般に大豆を水、温水、熱湯等に浸漬し
て水分約50%に膨潤させ、磨砕し、加熱し、おからを
分離したものであり、好ましくは、膨潤大豆を回転刃型
剪断力を作用させて平均粒子径20〜100ミクロンに
微細化した後、遠心分離やロ過などの通常の方法で分離
した豆乳を用いると更に良い。脱脂豆乳は脱脂大豆を原
料として常法により、全脂豆乳の方法に準じて調製した
ものである。おからは、大豆由来の全脂おからや、脱脂
大豆由来の脱脂おから又は、それらの混合物などによっ
て得ることができる。全脂おからは上記の豆乳を調製す
る場合に豆乳を分離して得られるものであり、好ましく
は、上記の膨潤大豆を回転刃型剪断力を作用させて平均
粒子径20〜100ミクロンに微細化した後、遠心分離
やロ過などの通常の方法で分離した、おからを用いると
更に良い。脱脂おからは脱脂大豆を原料として常法によ
り、全脂おからの方法に準じて調製したものである。油
脂とは、食用の植物性油脂、動物性油脂の全般を指すが
混練による豆乳クリームの作り易さや、パン類生地での
使い易さなどから油脂の種類を選定するのが良い。
【0010】大豆の呉(ご)とは、大豆を水又は熱湯に
浸漬した後、磨砕又は破砕したもの、或いはその加熱物
を指す。大豆由来の構成成分は、全脂又は脱脂の豆乳・
おから以外にも呉、分離大豆蛋白質、その乳化物(分離
大豆蛋白質、水、油脂から成る)、濃縮大豆蛋白質、全
脂又は脱脂の大豆粉、きなこ、一軸又は二軸の加熱押出
し機処理の全脂又は脱脂の大豆粉、組織状・粒状大豆蛋
白質など、及びそれらの混合物などを指す。豆乳クリー
ムとは、豆乳とおからと油脂、必要ならば大豆の呉或い
は大豆由来の構成成分などを一定の割合で充分に混合・
乳化した乳化組成物を指す。小麦粉とは、強力粉、中力
粉、薄力粉の何れをも指し、その混合物であっても良
い。
浸漬した後、磨砕又は破砕したもの、或いはその加熱物
を指す。大豆由来の構成成分は、全脂又は脱脂の豆乳・
おから以外にも呉、分離大豆蛋白質、その乳化物(分離
大豆蛋白質、水、油脂から成る)、濃縮大豆蛋白質、全
脂又は脱脂の大豆粉、きなこ、一軸又は二軸の加熱押出
し機処理の全脂又は脱脂の大豆粉、組織状・粒状大豆蛋
白質など、及びそれらの混合物などを指す。豆乳クリー
ムとは、豆乳とおからと油脂、必要ならば大豆の呉或い
は大豆由来の構成成分などを一定の割合で充分に混合・
乳化した乳化組成物を指す。小麦粉とは、強力粉、中力
粉、薄力粉の何れをも指し、その混合物であっても良
い。
【0011】パン類とは、主原料としての小麦粉の他
に、食塩、水、イースト、その他、必要に応じて油脂類
(ショートニング、ラード、マーガリン、バター、液状
油等)、乳製品、糖類、調味料(グルタミン酸類、核酸
等)、化学膨張剤、フレーバー等の副原料を添加・混捏
し、発酵工程を経て焼成したものを指す。すなわち食パ
ン、特殊パン(グリッシーニ、マフィン、ラスク等)、
調理パン、菓子パン、蒸しパン(肉まん、あんまん
等)、ホットケーキなどが含まれる。
に、食塩、水、イースト、その他、必要に応じて油脂類
(ショートニング、ラード、マーガリン、バター、液状
油等)、乳製品、糖類、調味料(グルタミン酸類、核酸
等)、化学膨張剤、フレーバー等の副原料を添加・混捏
し、発酵工程を経て焼成したものを指す。すなわち食パ
ン、特殊パン(グリッシーニ、マフィン、ラスク等)、
調理パン、菓子パン、蒸しパン(肉まん、あんまん
等)、ホットケーキなどが含まれる。
【0012】加熱処理とは、豆乳クリーム入りパン類が
ソフトな食感と、その食感を通常以上に長く保持出来る
のに必要な程度に、豆乳クリームを加熱することであ
る。更に詳しくは、未だ充分には解明されていないが、
豆乳クリーム中の残存各酵素の失活や、豆乳クリーム中
のおから等由来の大豆多糖類等の増加が認められる、な
どの加熱処理であり、概ね70°C以上で所定時間の低
温殺菌や、高温殺菌或いは加熱滅菌などの殺菌・滅菌に
相当するので加熱処理の方法・手段として殺菌・滅菌を
代用することが出来る。その殺菌・滅菌は、食品などの
保存期間を延長するために食品衛生上の有害な微生物を
死滅させるための操作を殺菌と言い、食品中の全ての微
生物を完全に死滅させるための操作を滅菌と言う。方法
は主に加熱方式が用いられ、殺菌方法としては低温殺菌
法(100°C以下)、高温殺菌法(100°C以上)
があり、滅菌方法としては間接加熱方式あるいは直接加
熱方式によるUHT滅菌法(135〜150°C)又は
容器包装詰め加圧加熱滅菌法がある。
ソフトな食感と、その食感を通常以上に長く保持出来る
のに必要な程度に、豆乳クリームを加熱することであ
る。更に詳しくは、未だ充分には解明されていないが、
豆乳クリーム中の残存各酵素の失活や、豆乳クリーム中
のおから等由来の大豆多糖類等の増加が認められる、な
どの加熱処理であり、概ね70°C以上で所定時間の低
温殺菌や、高温殺菌或いは加熱滅菌などの殺菌・滅菌に
相当するので加熱処理の方法・手段として殺菌・滅菌を
代用することが出来る。その殺菌・滅菌は、食品などの
保存期間を延長するために食品衛生上の有害な微生物を
死滅させるための操作を殺菌と言い、食品中の全ての微
生物を完全に死滅させるための操作を滅菌と言う。方法
は主に加熱方式が用いられ、殺菌方法としては低温殺菌
法(100°C以下)、高温殺菌法(100°C以上)
があり、滅菌方法としては間接加熱方式あるいは直接加
熱方式によるUHT滅菌法(135〜150°C)又は
容器包装詰め加圧加熱滅菌法がある。
【0013】中種とは、パン類の製造において小麦粉の
質によって通常一捏(こね)分の小麦粉の55〜100
%、イーストの全量または大部分、イーストフード、パ
ン品質改良剤等により、配合の一部を残して適当な硬さ
の生地を作り、発酵させたものを指す。本ごねとは、中
種の生地に残りの原材料を加えて混合する作業を指す。
質によって通常一捏(こね)分の小麦粉の55〜100
%、イーストの全量または大部分、イーストフード、パ
ン品質改良剤等により、配合の一部を残して適当な硬さ
の生地を作り、発酵させたものを指す。本ごねとは、中
種の生地に残りの原材料を加えて混合する作業を指す。
【0014】本発明は、豆乳、おから、油脂から成る豆
乳クリーム、又はそれに大豆の呉或いは大豆由来の構成
成分を加えて成る豆乳クリームをパン類生地に配合し、
発酵膨化させ又はさせずに、焼成もしくは蒸し、フライ
等の加熱をすることにより食感がソフトであり、ソフト
感がより長く保持されるパン類の製造に成功したもので
ある。しかも、従来から食感のソフト化のために用いら
れることがある乳化剤、酵素剤などの食品添加物を使用
しなくても、本発明の方法ではソフト化の効果が発現さ
れるのである。
乳クリーム、又はそれに大豆の呉或いは大豆由来の構成
成分を加えて成る豆乳クリームをパン類生地に配合し、
発酵膨化させ又はさせずに、焼成もしくは蒸し、フライ
等の加熱をすることにより食感がソフトであり、ソフト
感がより長く保持されるパン類の製造に成功したもので
ある。しかも、従来から食感のソフト化のために用いら
れることがある乳化剤、酵素剤などの食品添加物を使用
しなくても、本発明の方法ではソフト化の効果が発現さ
れるのである。
【0015】ここで用いる豆乳、おからは、一般的なも
ので良く限定されない。表1に示す様な豆乳、おからで
良い。 表1。豆乳、おから の一般成分値の例示。 ─────────────────────────────────── 豆乳(A) 豆乳(B) おから(A) おから(B) ─────────────────────────────────── 脂肪 (%) 2.0 3.1 3.3 3.1 蛋白質 (%) 3.6 5.2 6.8 4.9 炭水化物(%) 3.1 0.9 12.8 5.3 灰分 (%) 0.5 0.3 1.1 0.6 水分 (%) 90.8 90.5 76.0 86.1 ─────────────────────────────────── 合計 (%) 100.0 100.0 100.0 100.0
ので良く限定されない。表1に示す様な豆乳、おからで
良い。 表1。豆乳、おから の一般成分値の例示。 ─────────────────────────────────── 豆乳(A) 豆乳(B) おから(A) おから(B) ─────────────────────────────────── 脂肪 (%) 2.0 3.1 3.3 3.1 蛋白質 (%) 3.6 5.2 6.8 4.9 炭水化物(%) 3.1 0.9 12.8 5.3 灰分 (%) 0.5 0.3 1.1 0.6 水分 (%) 90.8 90.5 76.0 86.1 ─────────────────────────────────── 合計 (%) 100.0 100.0 100.0 100.0
【0016】重要なことは豆乳とおからと油脂から成る
豆乳クリーム、又はそれに大豆の呉、或いは大豆由来の
構成成分を加えて成る豆乳クリームにして使用すること
である。この場合、大豆の呉は一種のクリームであり、
乳化物であるがその油脂分は大豆由来のもので少なく、
本発明で言う加えた油脂分を含むクリームでの油脂分は
多く明らかに異なる点がある。更に大豆の呉に、分離し
た豆乳又はおから或いは油脂を一部分加えること、或い
はそれらに大豆由来の構成成分を一部分加えることも差
し支えない。もし、大豆の呉を豆乳とおからに分離する
とそれらの重量比は一般的に豆乳約7:おから約3とな
るが大豆の呉の調製条件により多少変動することがあ
る。また、豆乳の代わりに分離大豆蛋白質などを用いて
豆乳に近い組成物にして用いてもパン類での効果が同様
に発現するものと推測できる。豆乳クリームは、次のよ
うな方法により得られる。豆乳、おから、油脂の全体を
60〜80℃で予備(不均質な状態の意味。以下、同
様。)乳化する。必要により均質化(0kg/ cm2 〜
150kg/ cm2 )し、殺菌後そのまま豆乳クリーム
を得るか、さらに均質化して、豆乳クリームを得る。
豆乳クリーム、又はそれに大豆の呉、或いは大豆由来の
構成成分を加えて成る豆乳クリームにして使用すること
である。この場合、大豆の呉は一種のクリームであり、
乳化物であるがその油脂分は大豆由来のもので少なく、
本発明で言う加えた油脂分を含むクリームでの油脂分は
多く明らかに異なる点がある。更に大豆の呉に、分離し
た豆乳又はおから或いは油脂を一部分加えること、或い
はそれらに大豆由来の構成成分を一部分加えることも差
し支えない。もし、大豆の呉を豆乳とおからに分離する
とそれらの重量比は一般的に豆乳約7:おから約3とな
るが大豆の呉の調製条件により多少変動することがあ
る。また、豆乳の代わりに分離大豆蛋白質などを用いて
豆乳に近い組成物にして用いてもパン類での効果が同様
に発現するものと推測できる。豆乳クリームは、次のよ
うな方法により得られる。豆乳、おから、油脂の全体を
60〜80℃で予備(不均質な状態の意味。以下、同
様。)乳化する。必要により均質化(0kg/ cm2 〜
150kg/ cm2 )し、殺菌後そのまま豆乳クリーム
を得るか、さらに均質化して、豆乳クリームを得る。
【0017】加熱処理の方法である殺菌方法としては、
バッチ式殺菌、または間接加熱方式あるいは直接加熱方
式によるUHT滅菌処理、またはレトルト殺菌が利用で
きる。加熱処理の意義は次の様に考えられる。豆乳クリ
ームの中の大豆由来のβ−アミラーゼ、トリプシンイン
ヒビターなどが製パン中のイーストの増殖・発酵を阻害
する因子として影響するのを失活させるためではないか
と推察される。一方、加熱処理により豆乳クリームの中
の大豆多糖類の増加が認められるので、その効果による
ものとも考えられる。
バッチ式殺菌、または間接加熱方式あるいは直接加熱方
式によるUHT滅菌処理、またはレトルト殺菌が利用で
きる。加熱処理の意義は次の様に考えられる。豆乳クリ
ームの中の大豆由来のβ−アミラーゼ、トリプシンイン
ヒビターなどが製パン中のイーストの増殖・発酵を阻害
する因子として影響するのを失活させるためではないか
と推察される。一方、加熱処理により豆乳クリームの中
の大豆多糖類の増加が認められるので、その効果による
ものとも考えられる。
【0018】クリームの中における豆乳の混合割合は、
15〜65重量%が好ましい。より好ましくは、豆乳の
混合割合を25〜40重量%とするのが良い。豆乳の量
が、15重量%未満であると豆乳の旨味が減るためにパ
ン類の風味が悪くなる。65重量%を越えると本発明の
目的とする食感のソフトなパン類を得ることが難しくな
る。クリームの中におけるおから(水切りしたものだが
非乾燥)の混合割合は、65〜25重量%が好ましい。
より好ましくは、45〜30重量%とするのが良い。お
からの量が、25重量%未満であると本発明の目的とす
る食感のソフトなパン類を得ることが難しくなる。65
重量%を越えると豆乳クリームの粘度が異常に高くな
り、殺菌・滅菌の工程処理が難しくなる。クリームの中
における油脂の混合割合は、1〜45重量%が好まし
い。より好ましくは、25〜40重量%とするのが良
い。油脂の量が、1重量%未満であるとクリームやそれ
を用いたパン類での油脂の効果(風味、食感、色調など
の向上)が官能的にも感知されず、45重量%を越える
と豆乳クリームの粘度が異常に高くなり、加熱処理が難
しくなる。
15〜65重量%が好ましい。より好ましくは、豆乳の
混合割合を25〜40重量%とするのが良い。豆乳の量
が、15重量%未満であると豆乳の旨味が減るためにパ
ン類の風味が悪くなる。65重量%を越えると本発明の
目的とする食感のソフトなパン類を得ることが難しくな
る。クリームの中におけるおから(水切りしたものだが
非乾燥)の混合割合は、65〜25重量%が好ましい。
より好ましくは、45〜30重量%とするのが良い。お
からの量が、25重量%未満であると本発明の目的とす
る食感のソフトなパン類を得ることが難しくなる。65
重量%を越えると豆乳クリームの粘度が異常に高くな
り、殺菌・滅菌の工程処理が難しくなる。クリームの中
における油脂の混合割合は、1〜45重量%が好まし
い。より好ましくは、25〜40重量%とするのが良
い。油脂の量が、1重量%未満であるとクリームやそれ
を用いたパン類での油脂の効果(風味、食感、色調など
の向上)が官能的にも感知されず、45重量%を越える
と豆乳クリームの粘度が異常に高くなり、加熱処理が難
しくなる。
【0019】本発明による豆乳クリーム入りのパン類生
地は、食パン、バターロール等、各種パン類への用途が
可能である。小麦粉は強力粉、中力粉の種別は問わない
ものであり、小麦粉にイースト、食塩、水等の主原料を
加えて通常の方法によりパン類生地が得られる。本発明
の豆乳クリームは、小麦粉100重量部に対して表示し
(いわゆる,ベーカーズパーセントによる。以下、同
様。)3〜35重量部添加することを特徴とするもので
ある。豆乳クリームが、3重量部未満であると十分な効
果が得られず、また35重量部を越えると生地の伸展性
が低下し、パン類のボリュームは小さくなる。
地は、食パン、バターロール等、各種パン類への用途が
可能である。小麦粉は強力粉、中力粉の種別は問わない
ものであり、小麦粉にイースト、食塩、水等の主原料を
加えて通常の方法によりパン類生地が得られる。本発明
の豆乳クリームは、小麦粉100重量部に対して表示し
(いわゆる,ベーカーズパーセントによる。以下、同
様。)3〜35重量部添加することを特徴とするもので
ある。豆乳クリームが、3重量部未満であると十分な効
果が得られず、また35重量部を越えると生地の伸展性
が低下し、パン類のボリュームは小さくなる。
【0020】
【実施例】以下に、実施例および比較例を掲げこの発明
の効果をより一層明確にするがこれらは例示であってこ
の発明の技術思想がこれらの例示によって、限定される
ものではない。なお、以下に例示の部、%は何れも重量
基準を意味する。
の効果をより一層明確にするがこれらは例示であってこ
の発明の技術思想がこれらの例示によって、限定される
ものではない。なお、以下に例示の部、%は何れも重量
基準を意味する。
【0021】実施例および比較例に使用した小麦粉とし
ては市販の強力粉「イーグル」(日本製粉株式会社製)
を、イーストとしては生イースト「オリエンタルイース
ト」(オリエンタル酵母工業株式会社製)を、イースト
フードとしてはイーストフード「Cオリエンタルフー
ド」(オリエンタル酵母工業株式会社製)を、豆乳クリ
ーム用の油脂としては「精製硬化なたね油(融点22°
C)」(不二製油株式会社製)を、本ごね用の油脂とし
てはシヨートニング「パンパスコットン」(不二製油株
式会社製)を、砂糖、食塩は市販品を用いた。
ては市販の強力粉「イーグル」(日本製粉株式会社製)
を、イーストとしては生イースト「オリエンタルイース
ト」(オリエンタル酵母工業株式会社製)を、イースト
フードとしてはイーストフード「Cオリエンタルフー
ド」(オリエンタル酵母工業株式会社製)を、豆乳クリ
ーム用の油脂としては「精製硬化なたね油(融点22°
C)」(不二製油株式会社製)を、本ごね用の油脂とし
てはシヨートニング「パンパスコットン」(不二製油株
式会社製)を、砂糖、食塩は市販品を用いた。
【0022】使用した機器としては、攪拌機は「サタケ
マルチミキサー」(佐竹化学機械工業株式会社製)を、
均質機は「均質機NO.3902」(SANWA MA
CHINE CO.INC.社製)を、掻き取り式熱交
換機は「HXS−05」(大東食品機械株式会社製)
を、レトルト殺菌処理機は「TYPE RCS−40R
TCN」(株式会社 日阪製作所製)を用いた。
マルチミキサー」(佐竹化学機械工業株式会社製)を、
均質機は「均質機NO.3902」(SANWA MA
CHINE CO.INC.社製)を、掻き取り式熱交
換機は「HXS−05」(大東食品機械株式会社製)
を、レトルト殺菌処理機は「TYPE RCS−40R
TCN」(株式会社 日阪製作所製)を用いた。
【0023】焼成したパンは、室温(10〜20°C)
で一晩静置後、なたね置換法により容積を測定した。官
能評価は、パネラー10名により外観30点、内相70
点法で評価した平均点で判定した。
で一晩静置後、なたね置換法により容積を測定した。官
能評価は、パネラー10名により外観30点、内相70
点法で評価した平均点で判定した。
【0024】通常の標準例及び実施例1 表2の配合で約5kg規模及び表2の作業工程により、
70部中種法にてパンを調製し、通常の標準例及び実施
例1を行った。まず、豆乳35部、おから(水切りした
非乾燥品)35部、油脂30部を攪拌機にて、65〜7
0℃で15分間、予備乳化する。予備乳化後、掻き取り
式熱交換機にて、133℃で1分間で殺菌処理し、冷却
して豆乳クリームを調製して、これを実施例1に用い
た。この混合割合のクリームを豆乳クリーム(35:35:
30)と略記する。以後の実施例・比較例においても同様
とする。
70部中種法にてパンを調製し、通常の標準例及び実施
例1を行った。まず、豆乳35部、おから(水切りした
非乾燥品)35部、油脂30部を攪拌機にて、65〜7
0℃で15分間、予備乳化する。予備乳化後、掻き取り
式熱交換機にて、133℃で1分間で殺菌処理し、冷却
して豆乳クリームを調製して、これを実施例1に用い
た。この混合割合のクリームを豆乳クリーム(35:35:
30)と略記する。以後の実施例・比較例においても同様
とする。
【0025】 表2。豆乳クリーム(豆乳35:おから35:油脂30)の有無。 数値は「ベーカーズ%」( 全小麦粉を100 として表示。表3,4も同じ) ─────────────────────────────────── パン類の区分 通常の標準例 実施例1 ─────────────────────────────────── 配合 中種 本ごね 中種 本ごね 小麦粉 70 0 70 0 イースト 2.5 0 2.5 0 イーストフード 0.1 0 0.1 0 水 42 0 42 0 ───────────────────────────────── 小麦粉 0 30 0 30 砂糖 0 7 0 7 食塩 0 2 0 2 油脂 0 6 0 6 豆乳クリーム(35:35:30)0 0 0 10 水 0 18 0 18 ─────────────────────────────────── 作業工程。通常の標準例と実施例1では共通。 中種 本ごね ─────────────────────────────────── ミキシング 低速3分.中速1分 低速3分.中速4分 低速3分. 中速4分.低速3分 こね上げ温度 24〜 25 ℃ 28℃ フロアタイム 3 時間 20分 分割重量 230 g ベンチタイム 20分 ホイロ 38℃(湿度 85 %) ホイロ時間 45分 焼成 210℃.40分 ─────────────────────────────────── かくして得たパン類は、通常の標準例、実施例1共に官
能評価の結果、風味が良く食感がソフトであるとの評価
であった。ホイロ時間も正常であり製パン性も良かっ
た。
能評価の結果、風味が良く食感がソフトであるとの評価
であった。ホイロ時間も正常であり製パン性も良かっ
た。
【0026】実施例2〜4、及び比較例2〜4 実施例1で用いた豆乳クリーム(35:35:30混合
比)を小麦粉100部に対し、4部(実施例2)、22
部(実施例3)、33部(実施例4)として用いた。一
方、実施例1で用いた豆乳クリームの調製の工程で加熱
処理を行わないものを用いて比較例1とした。比較例で
の豆乳クリームの添加量の選定は、実施例1の豆乳クリ
ーム(35:35:30)10重量部(以下、部と言
う)の乾燥固形分3.8部に相当する様にした。即ち比
較例1では(35:35:30)は実施例1の(35:
35:30)と同一の10部を用い、比較例2では(1
00:0:0)の乾燥固形分=9.5%が3.8部を含
む40部を用いると共に水を10部減らして50部にし
て生地の水分過多を防ぎ、比較例3では(0:100:
0)の乾燥固形分=13.6%が3.8部を含む28部
を用い、比較例4では(0:100:0)の乾燥おから
の乾燥固形分=93.9%が3.8部を含む4部と実施
例1に比べて不足の水6.2部を6部として併用した。
以上の他は実施例1と同条件で実施した。その配合、ク
リームの内容、製パン作業性、パン類の官能評価の結果
などを表3に示した。
比)を小麦粉100部に対し、4部(実施例2)、22
部(実施例3)、33部(実施例4)として用いた。一
方、実施例1で用いた豆乳クリームの調製の工程で加熱
処理を行わないものを用いて比較例1とした。比較例で
の豆乳クリームの添加量の選定は、実施例1の豆乳クリ
ーム(35:35:30)10重量部(以下、部と言
う)の乾燥固形分3.8部に相当する様にした。即ち比
較例1では(35:35:30)は実施例1の(35:
35:30)と同一の10部を用い、比較例2では(1
00:0:0)の乾燥固形分=9.5%が3.8部を含
む40部を用いると共に水を10部減らして50部にし
て生地の水分過多を防ぎ、比較例3では(0:100:
0)の乾燥固形分=13.6%が3.8部を含む28部
を用い、比較例4では(0:100:0)の乾燥おから
の乾燥固形分=93.9%が3.8部を含む4部と実施
例1に比べて不足の水6.2部を6部として併用した。
以上の他は実施例1と同条件で実施した。その配合、ク
リームの内容、製パン作業性、パン類の官能評価の結果
などを表3に示した。
【0027】 ─────────────────────────────────── 表3。豆乳クリーム(35:35:30)の加熱の有無。 ─────────────────────────────────── パン類 通常の 実施例 同 同 同 比較例 同 同 同 の区分 標準例 1 2 3 4 1 2 3 4 ─────────────────────────────────── 配合。中種+本ごねの合計で表示。 小麦粉 100 100 100 100 100 100 100 100 100 イースト 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 イーストフード 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 水 60 60 60 60 60 60 50 60 66 砂糖 7 7 7 7 7 7 7 7 7 食塩 2 2 2 2 2 2 2 2 2 油脂 6 6 6 6 6 6 6 6 6 ────────────────────────────────── 豆乳クリーム 35:35:30。133,1 分 0 10 4 22 33 0 0 0 0 35:35:30。無加熱 0 0 0 0 0 10 0 0 0 100:0:0 。133,1 分 0 0 0 0 0 0 40 0 0 0:100:0 。無加熱 0 0 0 0 0 0 0 28 0 0:100:0 。乾燥おから0 0 0 0 0 0 0 0 4 ─────────────────────────────────── 製パン作業性 良( ○) ○ ○ ○ ○ やや不良 × × × 官能評価 (△) 内相の評価度 良(○)○ ○ ○ ○ 不良( ×) × × × 食感のソフトさ ○ ○ ○ ○ ○ × × × × 風味 ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × × ─────────────────────────────────── 総合評価 ○ ○ ○ ○ ○ × × × × ───────────────────────────────────
【0028】実施例5〜12 豆乳25部、おから35部、油脂40部を攪拌機にて、
65〜70℃で15分間、予備(不均質な状態の)乳化
した。予備乳化後、掻き取り式熱交換機にて、133℃
で1分間で加熱処理し、冷却して豆乳クリーム(25:
35:40混合比)を調製して、これを小麦粉100部
に対し、4部(実施例5)、22部(実施例6)、33
部(実施例7)として用いた。同様に豆乳40部、おか
ら50部、油脂10部を上記と同様の条件で処理し、豆
乳クリーム(40:50:10混合比)を調製して、こ
れを小麦粉100部に対し、4部(実施例8)、22部
(実施例9)、33部(実施例10)として用いた。一
方、実施例1で用いた豆乳クリーム(35:35:30
混合比)の均質化処理品を小麦粉100部に対し、10
部を用いて実施例11とし、豆乳40部、おから50
部、油脂10部を上記と同様の乳化処理後、レトルト滅
菌処理(121℃で30分間)し、冷却し、これを小麦
粉100部に対し、10部を用いて実施例12とした。
以上の他は実施例1と同条件で実施した。その配合、ク
リームの内容、製パン作業性、パン類の官能評価の結果
などを表4に示した。
65〜70℃で15分間、予備(不均質な状態の)乳化
した。予備乳化後、掻き取り式熱交換機にて、133℃
で1分間で加熱処理し、冷却して豆乳クリーム(25:
35:40混合比)を調製して、これを小麦粉100部
に対し、4部(実施例5)、22部(実施例6)、33
部(実施例7)として用いた。同様に豆乳40部、おか
ら50部、油脂10部を上記と同様の条件で処理し、豆
乳クリーム(40:50:10混合比)を調製して、こ
れを小麦粉100部に対し、4部(実施例8)、22部
(実施例9)、33部(実施例10)として用いた。一
方、実施例1で用いた豆乳クリーム(35:35:30
混合比)の均質化処理品を小麦粉100部に対し、10
部を用いて実施例11とし、豆乳40部、おから50
部、油脂10部を上記と同様の乳化処理後、レトルト滅
菌処理(121℃で30分間)し、冷却し、これを小麦
粉100部に対し、10部を用いて実施例12とした。
以上の他は実施例1と同条件で実施した。その配合、ク
リームの内容、製パン作業性、パン類の官能評価の結果
などを表4に示した。
【0029】 ─────────────────────────────────── 表4。豆乳クリーム(25:35:40〜40:50:10)加熱品の添加量/ 小麦粉100 ─────────────────────────────────── パン類 通常の 実施例 同 同 同 同 同 同 同 の区分 標準例 5 6 7 8 9 10 1112 ─────────────────────────────────── 配合。中種+本ごね、で表示。 小麦粉 100 100 100 100 100 100 100 100 100 イースト 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 イーストフード 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 水 60 60 60 60 60 60 60 60 60 砂糖 7 7 7 7 7 7 7 7 7 食塩 2 2 2 2 2 2 2 2 2 油脂 6 6 6 6 6 6 6 6 6 ────────────────────────────────── 豆乳クリーム 25:35:40。133,1 分 0 4 22 33 0 0 0 0 0 40:50:10。133,1 分 0 0 0 0 4 22 33 0 0 35:35:30均133,1 分 0 0 0 0 0 0 0 10 0 40:50:10。レトルト 0 0 0 0 0 0 0 0 10 ─────────────────────────────────── 製パン作業性 良( ○) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 官能評価 内相の評価度 良(○)○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 食感のソフトさ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 風味 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ─────────────────────────────────── 総合評価 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ───────────────────────────────────
【0030】通常の標準例、実施例1〜12及び比較例
1〜4の対比評価 表2,表3,表4の実施例などから、総合評価として次
のことが判明した。表2で、豆乳クリーム(豆乳35:
おから35:油脂30)加熱処理品10部を小麦粉10
0部に対し添加して調製したパン類は、通常の標準例の
パン類に対し充分に有用価値のあるものであった。表3
で、豆乳クリーム(豆乳35:おから35:油脂30)
加熱処理品4部〜33部を小麦粉100部に対し添加し
て調製したパン類は、通常の標準例のパン類に対し充分
に有用価値のあるものであった。つまり、豆乳クリーム
を小麦粉100重量部に対して、3部〜35重量部を添
加することを特徴とするパン類の製造方法が、ヘルシー
で風味が良く、食感がソフトなパン類を得る方法であっ
た。更に、そのクリーム、又は豆乳のみ、もしくはおか
らのみ、あるいはその乾燥おからのみを実施例1のクリ
ームの乾燥固形分と同一量を小麦粉100部に対し添加
しても、それらの調製パン類は有用価値のあるものには
ならなかった。つまり、豆乳クリームが加熱処理された
ものであれば、上記の良好なパン類が製造できることが
判明した。表4で、豆乳クリームの中のおからの混合割
合が50〜35重量%で加熱処理されていれば、それら
のクリームを小麦粉100部に対して4〜33部添加し
ても良好なパン類ができた。予備乳化後の加熱処理がパ
ン類の製造において有用であるのは、豆乳クリームの中
の大豆由来のβ−アミラーゼ、トリプシンインヒビター
などが製パン中のイーストの増殖・発酵を阻害する因子
として影響するのを失活させるためではないか、或いは
加熱処理により豆乳クリームの中で増加が認められる大
豆多糖類の作用がパン類生地で発揮されるのではない
か、とも推察される。ともあれ、豆乳クリームの中のお
からの混合割合が65〜25重量%であれば、上記の良
好なパン類が製造できることが判明した。
1〜4の対比評価 表2,表3,表4の実施例などから、総合評価として次
のことが判明した。表2で、豆乳クリーム(豆乳35:
おから35:油脂30)加熱処理品10部を小麦粉10
0部に対し添加して調製したパン類は、通常の標準例の
パン類に対し充分に有用価値のあるものであった。表3
で、豆乳クリーム(豆乳35:おから35:油脂30)
加熱処理品4部〜33部を小麦粉100部に対し添加し
て調製したパン類は、通常の標準例のパン類に対し充分
に有用価値のあるものであった。つまり、豆乳クリーム
を小麦粉100重量部に対して、3部〜35重量部を添
加することを特徴とするパン類の製造方法が、ヘルシー
で風味が良く、食感がソフトなパン類を得る方法であっ
た。更に、そのクリーム、又は豆乳のみ、もしくはおか
らのみ、あるいはその乾燥おからのみを実施例1のクリ
ームの乾燥固形分と同一量を小麦粉100部に対し添加
しても、それらの調製パン類は有用価値のあるものには
ならなかった。つまり、豆乳クリームが加熱処理された
ものであれば、上記の良好なパン類が製造できることが
判明した。表4で、豆乳クリームの中のおからの混合割
合が50〜35重量%で加熱処理されていれば、それら
のクリームを小麦粉100部に対して4〜33部添加し
ても良好なパン類ができた。予備乳化後の加熱処理がパ
ン類の製造において有用であるのは、豆乳クリームの中
の大豆由来のβ−アミラーゼ、トリプシンインヒビター
などが製パン中のイーストの増殖・発酵を阻害する因子
として影響するのを失活させるためではないか、或いは
加熱処理により豆乳クリームの中で増加が認められる大
豆多糖類の作用がパン類生地で発揮されるのではない
か、とも推察される。ともあれ、豆乳クリームの中のお
からの混合割合が65〜25重量%であれば、上記の良
好なパン類が製造できることが判明した。
【0031】
【発明の効果】以上で詳述した様に、この発明により、
従来行われなかった,豆乳クリーム等をパン類に用いる
ことによって、ヘルシーな(豆乳とおからの蛋白質と大
豆多糖類を含ませた)パン類であって食感がソフトであ
り、ソフト食感がより長く保持されるパン類が出来る様
になった。
従来行われなかった,豆乳クリーム等をパン類に用いる
ことによって、ヘルシーな(豆乳とおからの蛋白質と大
豆多糖類を含ませた)パン類であって食感がソフトであ
り、ソフト食感がより長く保持されるパン類が出来る様
になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 幸恵 大阪府泉佐野市住吉町1番地 不二製油株 式会社阪南工場内 (72)発明者 津村 治男 大阪府泉佐野市住吉町1番地 不二製油株 式会社阪南工場内 (72)発明者 久保田 隼人 大阪府泉佐野市住吉町1番地 不二製油株 式会社阪南工場内
Claims (5)
- 【請求項1】豆乳、おから、油脂から成る豆乳クリー
ム、又はそれに大豆の呉(ご)、或いは大豆由来の構成
成分を加えて成る豆乳クリームを用いることを特徴とす
るパン類の製造方法。 - 【請求項2】豆乳クリームを小麦粉100重量部に対し
て、3〜35重量部を添加する請求項1記載のパン類の
製造方法。 - 【請求項3】豆乳クリームが加熱処理されたものである
請求項1記載のパン類の製造方法。 - 【請求項4】豆乳クリームの中の混合割合が、豆乳で1
5〜65重量%、おからで65〜25重量%である請求
項1記載のパン類の製造方法。 - 【請求項5】豆乳クリームの中における油脂の混合割合
が、1〜45重量%である請求項1記載のパン類の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9326498A JPH11289968A (ja) | 1998-04-06 | 1998-04-06 | 豆乳クリーム入りパン類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9326498A JPH11289968A (ja) | 1998-04-06 | 1998-04-06 | 豆乳クリーム入りパン類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11289968A true JPH11289968A (ja) | 1999-10-26 |
Family
ID=14077631
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9326498A Pending JPH11289968A (ja) | 1998-04-06 | 1998-04-06 | 豆乳クリーム入りパン類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11289968A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010166907A (ja) * | 2008-12-27 | 2010-08-05 | Hisako Yamamoto | 青大豆ドーナツの製造方法 |
JP2010279352A (ja) * | 2009-05-27 | 2010-12-16 | Kraft Foods Global Brands Llc | 高繊維および高タンパク質のベークド物品の製造 |
JP2014110768A (ja) * | 2012-12-05 | 2014-06-19 | Fuji Oil Co Ltd | パン類及びその製造方法 |
JP2014233270A (ja) * | 2013-06-04 | 2014-12-15 | 不二製油株式会社 | 大豆蛋白質含有チーズ様食品 |
JP2017012146A (ja) * | 2015-07-01 | 2017-01-19 | 月島食品工業株式会社 | 焼菓子の製造方法 |
-
1998
- 1998-04-06 JP JP9326498A patent/JPH11289968A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010166907A (ja) * | 2008-12-27 | 2010-08-05 | Hisako Yamamoto | 青大豆ドーナツの製造方法 |
JP4593673B2 (ja) * | 2008-12-27 | 2010-12-08 | 久子 山本 | 青大豆ドーナツの製造方法 |
JP2010279352A (ja) * | 2009-05-27 | 2010-12-16 | Kraft Foods Global Brands Llc | 高繊維および高タンパク質のベークド物品の製造 |
JP2014110768A (ja) * | 2012-12-05 | 2014-06-19 | Fuji Oil Co Ltd | パン類及びその製造方法 |
JP2014233270A (ja) * | 2013-06-04 | 2014-12-15 | 不二製油株式会社 | 大豆蛋白質含有チーズ様食品 |
JP2017012146A (ja) * | 2015-07-01 | 2017-01-19 | 月島食品工業株式会社 | 焼菓子の製造方法 |
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