JP7149684B2 - パン生地 - Google Patents
パン生地 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7149684B2 JP7149684B2 JP2015246333A JP2015246333A JP7149684B2 JP 7149684 B2 JP7149684 B2 JP 7149684B2 JP 2015246333 A JP2015246333 A JP 2015246333A JP 2015246333 A JP2015246333 A JP 2015246333A JP 7149684 B2 JP7149684 B2 JP 7149684B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dough
- hemicellulase
- mass
- bread
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Description
本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は湯種生地、及び、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物を含有するパン生地を提供するものである。
まず最初に、本発明で使用する湯種生地について述べる。
湯種生地とは、パン生地に使用する澱粉類の一部を高温の水の存在下で混捏して得られる生地のことである。
なお、上記湯種生地に使用される澱粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、フランス粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉などの小麦粉をはじめ、小麦ふすま、小麦胚芽、大麦粉、米粉、ライ麦粉、ライ麦全粒粉、大豆粉、ハトムギ粉等の小麦粉以外の穀粉類が挙げられ、また、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、モチ米澱粉等の澱粉や、それらの化工澱粉等が挙げられる。本発明では、上記湯種生地に使用される澱粉類の80質量%以上、好ましくは100質量%が小麦粉であることが好ましい。なお、小麦粉を使用する場合は強力粉を使用することが好ましい。
なお、上記湯種生地における水の含有量は、下記のその他の原料に含まれる水の含量も含め、澱粉類100質量部に対して好ましくは50~300質量部、より好ましくは50~200質量部、さらに好ましくは70~150質量部である。
該その他の原料としては、イースト、イーストフード、増粘安定剤、食用油脂、乳化剤、金属イオン封鎖剤、糖類、甘味料、乳や乳製品、卵製品、無機塩、有機酸塩、酵素、ジグリセライド、植物ステロール、植物ステロールエステル、果汁、濃縮果汁、果汁パウダー、乾燥果実、果肉、野菜、野菜汁、香辛料、香辛料抽出物、ハーブ、直鎖デキストリン・分枝デキストリン・環状デキストリン等のデキストリン類、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、その他各種食品素材、着香料、苦味料、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤、強化剤等が挙げられる。本発明に使用される湯種生地におけるこれら他の原料の含有量に関しては特に制限はなく、一般的な湯種生地と同様とすればよい。
なお、食用油脂や糖類などの糊化を阻害する原材料は含有しない方が好ましいが、もし使用する場合は、80~100℃の水と接触させる前ではなく、混捏の後段で添加することが好ましい。
本発明で使用するヘミセルラーゼとはへミセルロースを基質として加水分解する酵素の総称である。
本発明のパン生地においては、上記ヘミセルラーゼを含有する油脂組成物を使用することにより、生地のべたつきを抑制しながら、湯種生地を使用したパン生地の伸展性を高めることができる。
なお、へミセルロースとは、陸上植物細胞の細胞壁を構成する多糖類のうち、セルロースとペクチン以外のものであり、水溶性のものと不溶性のものがあるが、具体的には例えばキシラン、アラビノキシラン、アラビナン、マンナン、ガラクタン、キシログルカン、グルコマンナン等が挙げられる。
そのため、ヘミセルラーゼは具体的に、キシランを分解するキシラナーゼ、アラビノキシランを分解するアラビノキシラナーゼなどに分類することができるが、実態としてはこれらの活性の混合物であることが多く、実際に市販されている酵素製品もこれらの活性の混合物である場合が多い。
なお、アラビノキシランを主基質とする、とは、アラビノキシランを分解する活性が、好ましくは1000単位/g以上、より好ましくは2000単位/g以上、さらに好ましくは3000単位/g以上であることを指すこととする。
なお、1単位とは、1分につき1μmolのキシロース当量を生じる酵素の量として定義されるものとする。
また、不溶性アラビノキシランへの基質親和性と水溶性アラビノキシランへの基質親和性との比(分解活性比:不溶性アラビノキシラン/水溶性アラビノキシラン)は10以上であればよいが、好ましくは15以上、さらに好ましくは20以上である。
ここで上記分解活性比が10未満であると、食パン生地や菓子パン生地などの水分含量の高いパン生地の場合など、生地のべたつきが強くなってしまうことがある。
なお、不溶性アラビノキシランへの基質親和性と水溶性アラビノキシランへの基質親和性との比を算出する方法は、例えば下記の方法が挙げられる。
不溶性アラビノキシラン製剤(XylazymeAX:メガザイム社製)の懸濁液(40mgの試料を8mlの脱イオン水に懸濁)300μlを、マイクロプレートに分注し、凍結乾燥したものを測定に用いる。このマイクロプレートの各ウェルに酵素液(ウシ血清アルブミン(0.5mg/ml)を含む、pH4.6、0.1Mの酢酸ナトリウム緩衝液に酵素を0~40ユニット懸濁したもの)25μlと該緩衝液25μlを分注して酵素反応を開始し、37℃で1時間酵素反応させた後、1%(w/v)トリス緩衝液200μlを添加して酵素反応を停止する。10分間室温でおいた後、遠心分離(3000g、15分)して得た上清を分光光度計を用いて、吸光度を600nmで読み取る。
なお、酵素液の代わりに緩衝液を添加したものをブランクとして使用する。
(2)水溶性アラビノキシランに対する酵素活性の測定
水溶性アラビノキシラン溶液(AZOWAX:メガザイム社製)33μlと酵素液(ウシ血清アルブミン(0.5mg/ml)を含む、pH4.6、0.1Mの酢酸ナトリウム緩衝液に酵素を0~40ユニット懸濁したもの)33μlをマイクロプレートの各ウェルに分注して酵素反応を開始する。37℃で1時間酵素反応させた後、エタノール140μlを添加して酵素反応を停止する。10分間室温でおいた後、遠心分離(3000g、15分)して得た上清を分光光度計を用いて、吸光度を600nmで読み取る。なお、酵素液の代わりに緩衝液を添加したものをブランクとして使用する。
(3)不溶性アラビノキシランへの基質親和性と水溶性アラビノキシランへの基質親和性の比の算出
1つの酵素につき、上記(1)と(2)の両方の酵素活性の測定方法に基づき、不溶性アラビノキシランに対する酵素活性及び水溶性アラビノキシランに対する酵素活性を算出する。
それぞれの吸光度と酵素含量について非線形回帰曲線Y=Ymax×(1-e-K*X)(Yは吸光度、Xは酵素量)をプロットし、その直線性のある部分、好ましくはYの最大値の1/10以下の範囲でその傾き(S)を下記の式により算出する。
傾き(S)=(Ymax×K)/1.0536
ここで、この傾きの比、S(不溶性アラビノキシラン)/S(水溶性アラビノキシラン)の値を「不溶性アラビノキシランへの基質親和性と水溶性アラビノキシランへの基質親和性の比」とする。
該その他の原料としては、例えば、水、糖類、乳化剤、酵素、澱粉類、デキストリン、食物繊維、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、脱脂粉乳・カゼイン・ホエーパウダー・脱脂濃縮乳等の乳や乳製品、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β-カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白等の植物蛋白、全卵・卵黄・酵素処理卵黄・卵白・卵蛋白質等の卵及び各種卵加工品、着香料、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
上記その他の原料は、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができるが、上記ヘミセルラーゼ含有油脂組成物中、合計で好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下となる範囲で使用することが好ましい。
上記ヘミセルラーゼ含有油脂組成物が乳化物である場合、その乳化形態は、油中水型、水中油型、及び二重乳化型のいずれでも構わないが、油中水型乳化物の形態であることが好ましい。
なお、油脂組成物中の油脂の含有量は、好ましくは10~99質量%、より好ましくは50~95質量%、さらに好ましくは60~90質量%である。
練り込み使用の場合、上記ヘミセルラーゼ含有油脂組成物のパン生地への添加時期は湯種生地製造時や本捏時のどちらか一方、又は両方で添加してもよいが、好ましくは本ごね時に添加する。
また、本捏時に添加する場合は、ミキシングの初期から添加してもよく、また、通常の製パン練り込み油脂同様に本捏時のグルテンがでてから添加・練り込む方法でもよいが、より体積が大きなパンが得られる点で、好ましくは、本捏時のグルテンがでてから添加・練り込む方法がよい。
デキストリンを使用することにより、湯種法で得られたパンのもっちりした食感を維持しながらソフト性と歯切れ感を向上させることができる。
本発明で使用することのできるデキストリンとしては、澱粉を酵素処理、熱処理、アルカリ処理、酸処理等の方法で低分子化したものであって、水溶性であれば特に制限なく使用することができ、その重量平均分子量が3600~1000000のものを使用することが好ましく、より好ましくは重量平均分子量5000~50000のデキストリンを使用する。また、上記デキストリンは、DEが2~10のものであることが好ましく、4~8のものであることがより好ましい。なお、上記DEはウィルシュテッター・シューデル法による数値を使用する。
ここで、重量平均分子量が1000000を超えるか、又はDEが2より小さいデキストリンであると、上記の湯種法で得られたパンのもっちりした食感を維持しながらソフト性と歯切れ感を向上させる効果が得られにくい。一方、重量平均分子量が3600未満であるか、又はDEが10より大きいと、ソフト性と歯切れ感を向上させる効果が得られにくい。
なお、パン生地への添加時期は湯種生地製造時や本捏時のどちらか一方、又は両方で添加してもよいが、好ましくは本捏時に添加する。
また、本捏時に添加する場合は、ミキシングの初期から添加してもよく、また、本捏時のグルテンがでてから添加・練り込む方法でもよいが、好ましくは、ミキシングの初期から添加する方法がよい。
リン脂質を使用することにより、湯種法で得られたパンのもっちりした食感を維持しながらソフト性と歯切れ感をより向上させることができる。
本発明で使用するリン脂質は、特に限定されるものではなく、食品に使用できるリン脂質であればどのようなリン脂質でも構わない。上記リン脂質としては、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸等のジアシルグリセロリン脂質を使用することができ、さらに上記リン脂質に対し、ホスホリパーゼ等により酵素処理を行い、乳化力を向上させたリゾリン脂質、上記リン脂質や上記リゾリン脂質を含有する食品素材を使用することができる。本発明ではリン脂質としてこれらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
上記乳由来のリン脂質を含有する食品素材(以下「乳原料」という場合がある)を使用することにより、パンの歯切れ感を維持しながらさらにソフト性と風味を向上することができる。なお乳原料の乳固形分中のリン脂質の含有量は、好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上、最も好ましくは5~40質量%である。
上記のバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、バターを溶解機で溶解し熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。該バターオイルの製造に用いられるバターとしては、通常のものが用いられる。
本発明では、上記の乳原料をさらに濃縮したものや乾燥したもの、冷凍処理をしたものなどを用いることも可能である。溶剤を用いて濃縮したものは風味上の問題から用いないことが好ましい。
まず、乳原料の脂質をFolch法を用いて抽出する。次いで、抽出した脂質溶液を湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンのモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。求められたリン量から以下の計算式を用いて乳原料の乳固形分100g中のリン脂質の含有量(g)を求める。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/(乳原料-乳原料の水分(g))×25.4×(0.1/1000)
上記酸処理を行うには、酸を添加する方法であっても、また、乳酸醗酵などの醗酵処理を行う方法であってもよいが、好ましくは酸を添加する。該酸としては、無機酸であっても有機酸であってもよいが、有機酸であることが好ましい。該有機酸としては、酢酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、フィチン酸、ソルビン酸、アジピン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等が挙げられ、果汁、濃縮果汁、発酵乳、ヨーグルトなどの有機酸を含有する飲食品も用いることができるが、本発明においてはより酸味が少なく、風味に影響しない点でフィチン酸及び/又はグルコン酸を使用することが好ましい。
なお、上記酸の添加によるpHの調整は、上記酸を上記乳原料自体に添加することにより行ってもよいし、上記乳原料と、デキストリン等の製パン改良材の材料とを混合する際に、又は混合後に上記酸を添加することにより行ってもよい。
上記カルシウム塩としては塩化カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム等が例示され、このうち1種又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、本発明においては得られる製パン改良材の風味が良好である点で塩化カルシウム及び/又は乳酸カルシウムを使用することが好ましい。
さらに本発明で用いる上記の乳原料は、UHT加熱処理を行っても良い。UHT加熱処理の条件としては特に制限はないが、処理温度は好ましくは120~150℃であり、処理時間は好ましくは1~6秒である。
また、本発明においてリン脂質として上記乳原料を使用する場合の配合量は、パン生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、固形分として0.01質量部~10質量部の範囲から適宜選択可能であるが、好ましくは0.01~1質量部、より好ましくは0.05~0.5質量部である。
なお、リン脂質として上記乳原料を使用する場合は上記乳原料自体がリン脂質を含有する水溶液またはそれを乾燥させた水分散性の粉末であるため、パン生地製造時に直接添加するか、水溶液の形態で添加することが好ましい。
なお、上記リン脂質のパン生地への添加時期は湯種生地製造時や本捏時のどちらか一方、又は両方で添加してもよいが、リン脂質の効果を安定して得るためには湯種生地製造時と本捏時の両方に添加することが好ましい。
なお、上記パン生地に使用される澱粉類としては、湯種生地と同様の澱粉類を使用することができ、該湯種生地に使用する澱粉類も含めた総澱粉類の80%以上、好ましくは100%に小麦粉を使用することが好ましい。なお、小麦粉を使用する場合は強力粉を使用することが好ましい。
また、本発明のパン生地におけるこれら他の原料の含有量に関しては特に制限はなく、一般的なパン生地と同様とすればよい。
本発明のパン生地の製造方法は、湯種生地、及び、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物を含有させることを特徴とする。
湯種生地、及び、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物の添加量は上述のとおりである。
なお、本発明のパン生地は、中種法でも、直捏法でも、液種法でも製造することができる。
また、得られた本発明のパン生地は、冷蔵、冷凍保存することが可能である。
本発明のパンは、本発明のパン生地を加熱処理することにより得られる。該加熱処理としては、パン生地を焼成したり、フライしたり、蒸したり、電子レンジ処理したりすることがあげられる。また、得られた本発明のパンを、冷蔵、冷凍保存したり、該保存後に電子レンジ加熱することも可能である。
本発明のパンの種類としては、特に制限はないが、例えば食パン、菓子パン、バラエティーブレッド、バターロール、ソフトロール、ハードロール、スイートロール、デニッシュ、ペストリー、フランスパンなどがあげられる。
本発明の製パン改良方法は、湯種生地を使用したパン生地の製造時にヘミセルラーゼ含有油脂組成物を使用するものである。湯種生地、及び、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物の使用量は上述のとおりである。
なお、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物の使用方法は上述のとおりである。
〔製造例1〕
ヨウ素価60のパームスーパーオレインのランダムエステル交換油脂95質量部、パーム油5質量部を60℃に加熱し溶解・混合して得られた油脂配合物99.7質量部を、常法に従って加熱殺菌および冷却・可塑化を行った。続いて、ヘミセルラーゼ(DSM社製・製品名ベイクザイムBXP5001BG)0.3質量部を添加・混合し、本発明で使用するヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aを得た。
なお、上記ヘミセルラーゼ(DSM社製・製品名ベイクザイムBXP5001BG)は、アラビノキシランを分解する活性が5000単位/gであり、アラビノキシランを主基質とするものであった。また不溶性アラビノキシランへの基質親和性と水溶性アラビノキシランへの基質親和性の比(分解活性比:不溶性アラビノキシラン/水溶性アラビノキシラン)=23であった。
なお、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物A100gに含まれるヘミセルラーゼはアラビノキシランを基質とした場合の活性が1500単位となる量であった。
ヨウ素価60のパームスーパーオレインのランダムエステル交換油脂95質量部、パーム油5質量部を60℃に加熱し溶解・混合して得られた油脂配合物83.8質量部に大豆レシチン0.2質量部を混合し油相を調製した。この中へ水からなる水相16質量部を混合し、常法に従って加熱殺菌および冷却・可塑化を行った。続いて、ヘミセルラーゼ(DSM社製・製品名ベイクザイムBXP5001BG)0.3質量部を添加・混合し、本発明で使用するヘミセルラーゼ含有油脂組成物Bを得た。
なお、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Bの100gに含まれるヘミセルラーゼはアラビノキシランを基質とした場合の活性が1500単位となる量であった。
ヘミセルラーゼの添加量を0.3質量部から1.5質量部に変更し、水の配合量を16質量部から14.5質量部に変更した以外は製造例2の配合・製法と同様にして、本発明で使用するヘミセルラーゼ含有油脂組成物Cを得た。
ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Cの100gに含まれるヘミセルラーゼはアラビノキシランを基質とした場合の活性が7500単位となる量であった。
ヘミセルラーゼの添加量を0.3質量部から0.04質量部に変更し、水の配合量を16質量部から16.26質量部に変更した以外は製造例2の配合・製法と同様にして、本発明で使用するヘミセルラーゼ含有油脂組成物Dを得た。
ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Dの100gに含まれるヘミセルラーゼはアラビノキシランを基質とした場合の活性が200単位となる量であった。
ヘミセルラーゼ(DSM社製・製品名ベイクザイムBXP5001BG)0.3質量部に代えて、ヘミセルラーゼ(DSM社製・製品名リアル-X)0.05質量部を使用し、水の配合量を16質量部から16.25質量部に変更した以外は製造例2の配合及び製法で本発明で使用するヘミセルラーゼ含有油脂組成物Eを得た。
なお、上記ヘミセルラーゼ(DSM社製・製品名リアル-X)は、アラビノキシランを分解する活性が、22000単位/gであり、アラビノキシランを主基質とするものであった。また不溶性アラビノキシランへの基質親和性と水溶性アラビノキシランへの基質親和性の比(分解活性比:不溶性アラビノキシラン/水溶性アラビノキシラン)=2.5であった。
ヘミセルラーゼ含有油脂組成物E100gに含まれるヘミセルラーゼはアラビノキシランを基質とした場合の活性が1100単位となる量であった。
ヘミセルラーゼ(DSM社製・製品名ベイクザイムBXP5001BG)0.3質量部に代えて、ヘミセルラーゼ(DSM社製・製品名ベイクザイム2000SG)0.4質量部を使用し、水の配合量を16質量部から15.9質量部に変更した以外は製造例2の配合及び製法で本発明で使用するヘミセルラーゼ含有油脂組成物Fを得た。
なお、上記ヘミセルラーゼ(DSM社製・製品名ベイクザイム2000SG)は、アラビノキシランを分解する活性が、2000単位/gであり、アラビノキシランを主基質とするものであった。また不溶性アラビノキシランへの基質親和性と水溶性アラビノキシランへの基質親和性の比(分解活性比:不溶性アラビノキシラン/水溶性アラビノキシラン)=8であった。
ヘミセルラーゼ含有油脂組成物F100gに含まれるヘミセルラーゼはアラビノキシランを基質とした場合の活性が800単位となる量であった。
ヘミセルラーゼを無添加とし、水の配合量を16質量部から16.3質量部に変更した以外は製造例2の配合及び製法で比較例の油脂組成物Gを得た。
〔製造例8〕
DE4のデキストリン3質量部を水道水97質量部に溶解し、これを本発明で使用するデキストリン含有水溶液Aを得た。
DE8のデキストリン3質量部を水道水97質量部に溶解し、これを本発明で使用するデキストリン含有水溶液Bを得た。
〔製造例10〕
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)80質量部に水20質量部を添加し、さらにこれをホモゲナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモゲナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5~10℃に冷却し本発明で使用するリン脂質含有水溶液Aを得た。
〔製造例11〕
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)80質量部に水20質量部及びフィチン酸0.35質量部を添加し、これをホモゲナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモゲナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5~10℃に冷却し本発明で使用するpH5.2のリン脂質含有水溶液Bを得た。
〔実施例1〕
小麦粉(強力粉)100質量部に、リン脂質含有水溶液A1質量部、及び熱水(95℃)100質量部を加えて混捏(90rpm×2分)し、湯種生地(a)を得た。捏上温度は65℃であった。
一方、小麦粉(強力粉)70質量部、イースト2質量部、イーストフード0.1質量部、及び水(常温)35質量部を加えて混捏(90rpm×2分+180rpm×2分)し、中種生地を得た。この中種生地を温度28℃、相対湿度85%の恒温室で、4時間中種醗酵を行なった。
中種発酵終了後の上記中種生地に、5℃で18時間保存後の上記湯種生地(a)30質量部、上記デキストリン含有水溶液A2質量部、小麦粉(強力粉)15質量部、砂糖5質量部、食塩2質量部、及び水(常温)25質量部を加えて混捏(90rpm×3分+180rpm×4分)し、ここで上記ヘミセルラーゼ含有油脂組成物A5質量部を加え、更に混捏(90rpm×3分+180rpm×5分)して本発明のパン生地(a)(本捏生地)を得た。得られたパン生地(a)を、フロアタイム30分とった後、220gに分割・丸めをおこない、ベンチタイム15分とった後、モルダーを使用して成形を行い、4個を2斤パン型に入れてホイロ45分として発酵させ、200℃で40分焼成してパン(a)を得た。上記パン生地(a)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、75単位となる量であった。
実施例1で使用したヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Bを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(b)及びパン(b)を得た。上記パン生地(b)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、75単位となる量であった。
実施例1で使用したデキストリン含有水溶液Aに代えてデキストリン含有水溶液Bを使用し、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Bを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(c)及びパン(c)を得た。上記パン生地(c)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、75単位となる量であった。
実施例1で使用したデキストリン含有水溶液Aに代えてデキストリン含有水溶液Bを使用し、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Bを使用し、さらに上記DE8のデキストリンを1.75質量部を追加添加した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(d)及びパン(d)を得た。上記パン生地(d)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、75単位となる量であった。
実施例1の湯種生地で、大豆レシチン(リン脂質含量90質量%)0.2質量部を追加添加し、本捏生地でデキストリン含有水溶液Aに代えてデキストリン含有水溶液Bを使用し、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Bを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(e)及びパン(e)を得た。上記パン生地(e)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、75単位となる量であった。
実施例1の湯種生地で、リン脂質含有水溶液Aに代えてリン脂質含有水溶液Bを使用し、本捏生地でデキストリン含有水溶液Aに代えてデキストリン含有水溶液Bを使用し、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Bを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(f)及びパン(f)を得た。上記パン生地(f)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、75単位となる量であった。
実施例1の湯種生地で、リン脂質含有水溶液Aに代えてリン脂質含有水溶液Bを使用し、本捏生地で、リン脂質含有水溶液A0.3質量部を追加添加し、デキストリン含有水溶液Aに代えてデキストリン含有水溶液Bを使用し、さらにヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Bを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(g)及びパン(g)を得た。上記パン生地(g)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、75単位となる量であった。
実施例1の本捏生地で、リン脂質含有水溶液A0.3質量部を追加添加し、デキストリン含有水溶液Aに代えてデキストリン含有水溶液Bを使用し、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Cを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(h)及びパン(h)を得た。上記パン生地(h)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、37.5単位となる量であった。
実施例1の本捏生地で、リン脂質含有水溶液A0.3質量部を追加添加し、デキストリン含有水溶液Aに代えてデキストリン含有水溶液Bを使用し、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Dを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(i)及びパン(i)を得た。上記パン生地(i)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、10単位となる量であった。
実施例1の本捏生地で、リン脂質含有水溶液A0.3質量部を追加添加し、デキストリン含有水溶液A2質量部に代えてデキストリン含有水溶液B7.5質量部を使用し、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Bを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(j)及びパン(j)を得た。上記パン生地(j)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、75単位となる量であった。
実施例1の本捏生地で、リン脂質含有水溶液A0.3質量部を追加添加し、デキストリン含有水溶液A2質量部に代えてデキストリン含有水溶液B12質量部を使用し、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Bを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(k)及びパン(k)を得た。上記パン生地(k)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、75単位となる量であった。
実施例1の本捏生地で、リン脂質含有水溶液A0.3質量部を追加添加し、デキストリン含有水溶液A2質量部に代えてデキストリン含有水溶液B15質量部を使用し、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Bを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(l)及びパン(l)を得た。上記パン生地(l)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、75単位となる量であった。
実施例1の湯種生地で、リン脂質含有水溶液Aに代えてリン脂質含有水溶液Bを使用し、本捏生地で、リン脂質含有水溶液B0.3質量部を追加添加し、デキストリン含有水溶液Aに代えてデキストリン含有水溶液Bを使用し、さらにヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Bを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(m)及びパン(m)を得た。上記パン生地(m)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、75単位となる量であった。
実施例1で使用したデキストリン含有水溶液Aに代えてデキストリン含有水溶液Bを使用し、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Eを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(n)及びパン(n)を得た。上記パン生地(n)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、55単位となる量であった。
実施例1で使用したデキストリン含有水溶液Aに代えてデキストリン含有水溶液Bを使用し、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Fを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(o)及びパン(o)を得た。上記パン生地(o)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、40単位となる量であった。
実施例1の湯種生地で、リン脂質含有水溶液Aを無添加とし、本捏生地で、デキストリン含有水溶液Aに代えてデキストリン含有水溶液Bを使用し、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Bを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(p)及びパン(p)を得た。上記パン生地(p)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、75単位となる量であった。
実施例1で使用したデキストリン含有水溶液Aを無添加とし、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Bを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(q)及びパン(q)を得た。上記パン生地(q)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、75単位となる量であった。
実施例1の湯種生地で、リン脂質含有水溶液Aを無添加とし、本捏生地で、デキストリン含有水溶液Aを無添加とし、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えてヘミセルラーゼ含有油脂組成物Bを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って本発明のパン生地(r)及びパン(r)を得た。上記パン生地(r)におけるヘミセルラーゼ含有油脂組成物の含有量は、澱粉類100質量部に対し、含まれるヘミセルラーゼの活性(アラビノキシランを基質とした場合の活性)が、75単位となる量であった。
実施例1で使用したデキストリン含有水溶液Aに代えてデキストリン含有水溶液Bを使用し、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えて油脂組成物Gを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って比較例のパン生地(s)及びパン(s)を得た。
実施例1の湯種生地で、リン脂質含有水溶液Aを無添加とし、本捏生地で、デキストリン含有水溶液Aを無添加とし、ヘミセルラーゼ含有油脂組成物Aに代えて油脂組成物Gを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って比較例のパン生地(t)及びパン(t)を得た。
また、得られたパン生地(a)~(t)の生地作業性(分割・丸め時の生地の伸展性及びべたつき)、及び、得られたパン(食パン)(a)~(t)の食感(ソフト性、口溶け、もっちり感)について、下記の評価基準に従って評価を行い、その結果を表2に記載した。
◎:極めて良好。
○:良好。
△:やや悪い。
×:丸め時に切れやすい。
◎:乾いた感じで極めて良好。
○:良好。
△:ややべたつきを感じる。
×:べたつきが激しい。
◎++:極めてソフトであり、ふんわり感も優れている。
◎+:ソフトであり、ふんわり感が優れている。
◎:ソフトであり、ふんわり感が良好である。
○+:ソフトであり、ふんわり感が感じられる。
○:ソフトである。
△:ややぱさつきを感じる。
×:ぱさついた感じで不良である。
◎:歯切れが良好であり極めて優れている。
○:良好。
△:ややねちゃつきを感じる。
×:強いねちゃつきを感じる。
◎:もっちり感が優れている。
○:もっちり感を感じる。
△:湯種法にしてはややもっちり感が不足している。
×:もっちり感に乏しい。
Claims (6)
- 湯種生地、乳由来のリン脂質を含有し且つpHが3~6である食品素材、及び、ヘミセルラーゼ含有油中水型乳化物を含有し、
ヘミセルラーゼが、アラビノキシランを主基質とし、且つ、不溶性アラビノキシランへの基質親和性と水溶性アラビノキシランへの基質親和性との比(分解活性比:不溶性アラビノキシラン/水溶性アラビノキシラン)が10以上である、パン生地。 - パン生地に含まれる澱粉類中の10~70質量%が湯種生地由来であることを特徴とする請求項1記載のパン生地。
- パン生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、デキストリンを0.001~2質量部含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のパン生地。
- デキストリン含有水溶液を含有する、請求項3に記載のパン生地。
- パン生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、リン脂質を0.001~1質量部含有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のパン生地。
- 湯種生地、乳由来のリン脂質を含有し且つpHが3~6である食品素材、及び、ヘミセルラーゼ含有油中水型乳化物を含有させるパン生地の製造方法であって、
ヘミセルラーゼが、アラビノキシランを主基質とし、且つ、不溶性アラビノキシランへの基質親和性と水溶性アラビノキシランへの基質親和性との比(分解活性比:不溶性アラビノキシラン/水溶性アラビノキシラン)が10以上である、パン生地の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015246333A JP7149684B2 (ja) | 2015-12-17 | 2015-12-17 | パン生地 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015246333A JP7149684B2 (ja) | 2015-12-17 | 2015-12-17 | パン生地 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017108690A JP2017108690A (ja) | 2017-06-22 |
JP7149684B2 true JP7149684B2 (ja) | 2022-10-07 |
Family
ID=59078971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015246333A Active JP7149684B2 (ja) | 2015-12-17 | 2015-12-17 | パン生地 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7149684B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6721392B2 (ja) * | 2016-04-12 | 2020-07-15 | 株式会社Adeka | 製パン練り込み用油脂組成物 |
JP7195694B2 (ja) * | 2018-02-26 | 2022-12-26 | 日清オイリオグループ株式会社 | 製パン用油脂組成物、製パン用生地、及びパン類 |
CN111321079B (zh) * | 2020-04-03 | 2021-07-30 | 长春中之杰食品有限公司 | 酵母细胞保护剂、冷冻发酵面团及其制备方法和发酵面食制品 |
WO2024190767A1 (ja) * | 2023-03-14 | 2024-09-19 | 株式会社Adeka | ベーカリー食品改良剤 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006204130A (ja) | 2005-01-26 | 2006-08-10 | Adeka Corp | 製パン改良用懸濁液 |
JP2009201469A (ja) | 2008-02-29 | 2009-09-10 | Adeka Corp | ベーカリー製品用湯種生地、ベーカリー生地、ベーカリー製品、及び、ベーカリー製品用湯種生地の製造方法 |
JP2013102745A (ja) | 2011-11-16 | 2013-05-30 | Adeka Corp | 製パン練り込み用乳化油脂組成物 |
JP2015144592A (ja) | 2014-02-04 | 2015-08-13 | 株式会社Adeka | 製パン改良材 |
JP2015181434A (ja) | 2014-03-25 | 2015-10-22 | 日油株式会社 | 製パン用油脂組成物及びパン類 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3410210B2 (ja) * | 1994-04-18 | 2003-05-26 | 日本食品化工株式会社 | 冷凍パン生地類改良剤及び冷凍パン生地類の製造方法 |
JP2000157169A (ja) * | 1998-11-24 | 2000-06-13 | Tsukishima Shokuhin Kogyo Kk | パン用水中油型乳化組成物 |
JP3600192B2 (ja) * | 2001-07-19 | 2004-12-08 | 花王株式会社 | パン類の製造方法 |
JP4158090B2 (ja) * | 2002-08-07 | 2008-10-01 | 山崎製パン株式会社 | パン類の製造方法 |
JP4535927B2 (ja) * | 2005-04-28 | 2010-09-01 | 株式会社Adeka | 咀嚼・嚥下機能低下者用パン類 |
JP2009201468A (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-10 | Adeka Corp | ベーカリー製品用湯種生地、及び該湯種生地を用いたベーカリー製品 |
JP2011087515A (ja) * | 2009-10-22 | 2011-05-06 | Adeka Corp | 湯種生地及びその製造方法 |
JP5907799B2 (ja) * | 2012-05-09 | 2016-04-26 | 奥本製粉株式会社 | 湯種及びその製造方法 |
-
2015
- 2015-12-17 JP JP2015246333A patent/JP7149684B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006204130A (ja) | 2005-01-26 | 2006-08-10 | Adeka Corp | 製パン改良用懸濁液 |
JP2009201469A (ja) | 2008-02-29 | 2009-09-10 | Adeka Corp | ベーカリー製品用湯種生地、ベーカリー生地、ベーカリー製品、及び、ベーカリー製品用湯種生地の製造方法 |
JP2013102745A (ja) | 2011-11-16 | 2013-05-30 | Adeka Corp | 製パン練り込み用乳化油脂組成物 |
JP2015144592A (ja) | 2014-02-04 | 2015-08-13 | 株式会社Adeka | 製パン改良材 |
JP2015181434A (ja) | 2014-03-25 | 2015-10-22 | 日油株式会社 | 製パン用油脂組成物及びパン類 |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
新規製パン用酵素に関する研究(I)、製パン技術資料、社団法人日本パン技術研究所、1997年6月、No.348、pp.1-22 |
製品案内、DSM Japan、2014年5月、p.20 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017108690A (ja) | 2017-06-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2009101972A1 (ja) | コク味強化剤 | |
US20030165604A1 (en) | Products containing $g(b)-glucan | |
JP5859282B2 (ja) | 製パン練り込み用油中水型乳化油脂組成物 | |
JP6282875B2 (ja) | 製パン改良材 | |
JP4397170B2 (ja) | 油中水型可塑性乳化油脂組成物 | |
JP7149684B2 (ja) | パン生地 | |
JP5510959B2 (ja) | 蒸ケーキ生地及び蒸ケーキ類 | |
JP2006081515A (ja) | パン類生地及びその製造方法 | |
JP2008253147A (ja) | 蒸ケーキ生地及びその製造方法 | |
JP6282874B2 (ja) | ベーカリー用風味改善組成物 | |
JP2009082097A (ja) | スフレケーキ生地の製造方法 | |
JP6633284B2 (ja) | 焼菓子用食感改良材 | |
JP6563227B2 (ja) | 湯種生地用ベーカリー製品改良材、ベーカリー製品用湯種生地、ベーカリー製品、及び、ベーカリー製品用湯種生地の製造方法 | |
JP6557073B2 (ja) | チルドパンとその製造方法 | |
JP2019149982A (ja) | ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物 | |
JP2014075997A (ja) | 油菓子練込用乳化油脂組成物 | |
JP7438682B2 (ja) | フラワーペースト | |
JP2005304373A (ja) | ホットケーキ類生地 | |
JP3862610B2 (ja) | 製パン用湯種生地の製造方法 | |
JP2007259720A (ja) | ペストリー生地 | |
JP2017195815A (ja) | 製パン改良材 | |
JP7162410B2 (ja) | シュー用改良材、及び、シュー用油脂組成物 | |
JP7327912B2 (ja) | 中種生地、パン生地及びパン生地の製造方法 | |
JP2006081516A (ja) | 焼菓子類 | |
JP6721386B2 (ja) | 製パン練り込み用水性液 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20160309 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181005 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191001 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20191127 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200317 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20200407 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200706 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20201222 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210317 |
|
C60 | Trial request (containing other claim documents, opposition documents) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60 Effective date: 20210317 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20210325 |
|
C21 | Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21 Effective date: 20210330 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20210514 |
|
C211 | Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211 Effective date: 20210518 |
|
C22 | Notice of designation (change) of administrative judge |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22 Effective date: 20220712 |
|
C22 | Notice of designation (change) of administrative judge |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22 Effective date: 20220809 |
|
C23 | Notice of termination of proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23 Effective date: 20220823 |
|
C03 | Trial/appeal decision taken |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03 Effective date: 20220927 |
|
C30A | Notification sent |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012 Effective date: 20220927 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220927 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7149684 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |