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JPH11273724A - リチウム二次電池用電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用電解液およびそれを用いたリチウム二次電池

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Publication number
JPH11273724A
JPH11273724A JP10072504A JP7250498A JPH11273724A JP H11273724 A JPH11273724 A JP H11273724A JP 10072504 A JP10072504 A JP 10072504A JP 7250498 A JP7250498 A JP 7250498A JP H11273724 A JPH11273724 A JP H11273724A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
electrolyte
battery
hydrogen atom
Prior art date
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Application number
JP10072504A
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English (en)
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JP3633269B2 (ja
Inventor
Shunichi Hamamoto
俊一 浜本
Koji Abe
浩司 安部
Tsutomu Takai
勉 高井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP07250498A priority Critical patent/JP3633269B2/ja
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池のサイクル特性、電気容量、保存特性な
どの電池特性に優れたリチウム二次電池を提供するもの
である。 【解決手段】 非水溶媒に電解質が溶解されている電解
液において、該電解液中に下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して
炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル
基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数3〜6のシクロ
アルキル基、アリール基、または水素原子を示す。)で
表されるカルボン酸ビニルエステル誘導体のうち少なく
とも1種が含有されているリチウム二次電池用電解液、
およびそれを用いたリチウム二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池のサイクル特
性や電気容量、保存特性などの電池特性にも優れたリチ
ウム二次電池を提供することができる新規なリチウム二
次電池用電解液、およびそれを用いたリチウム二次電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、リチウム二次電池は小型電子機器
などの駆動用電源として広く使用されている。リチウム
二次電池は、主に正極、非水電解液および負極から構成
されており、特に、LiCoO2などのリチウム複合酸
化物を正極とし、炭素材料又はリチウム金属を負極とし
たリチウム二次電池が好適に使用されている。そして、
そのリチウム二次電池用の電解液としては、エチレンカ
ーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)
などのカーボネート類が好適に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電池の
サイクル特性および電気容量などの電池特性について、
さらに優れた特性を有する二次電池が求められている。
負極として例えば天然黒鉛や人造黒鉛などの高結晶化し
た炭素材料を用いたリチウム二次電池は、炭素材料の剥
離が観察され、現象の程度によって容量が不可逆となる
ことがある。この剥離は、電解液中の溶媒が充電時に分
解することにより起こるものであり、炭素材料と電解液
との界面における溶媒の電気化学的還元に起因するもの
である。このため、電池のサイクル特性および電気容量
などの電池特性は必ずしも満足なものではないのが現状
である。
【0004】本発明は、前記のようなリチウム二次電池
用電解液に関する課題を解決し、電池のサイクル特性に
優れ、さらに電気容量や充電状態での保存特性などの電
池特性にも優れたリチウム二次電池を構成することがで
きるリチウム二次電池用の電解液、およびそれを用いた
リチウム二次電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、非水溶媒に電
解質が溶解されている電解液において、該電解液中に下
記一般式(I)
【0006】
【化7】
【0007】(式中、R1、R2、R3およびR4は、それ
ぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12の
アルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数3〜
6のシクロアルキル基、アリール基、または水素原子を
示す。)で表されるカルボン酸ビニルエステル誘導体、
下記一般式(II)
【0008】
【化8】
【0009】(式中、R5、R6、R7、R9、R10、R11
は、それぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基、炭素
数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、
炭素数3〜6のシクロアルキル基、アリール基、または水
素原子を示す。また、R8は炭素数1〜10の直鎖アルキ
レン基、分枝アルキレン基またはフェニレン基を示す。
ただし、mは0または1を示す。)で表されるジカルボ
ン酸ジビニルエステル誘導体、および下記一般式(II
I)
【0010】
【化9】
【0011】(式中、R12、R13、R14およびR15は、
それぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜
12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素
数3〜6のシクロアルキル基、またはアリール基を示す。
13、R14およびR15は水素原子でもよい。)で表され
る炭酸ビニルエステル誘導体からなる化合物のうち少な
くとも1種が含有されていることを特徴とする電解液に
関する。また、本発明は、正極、負極および非水溶媒に
電解質が溶解されている電解液からなるリチウム二次電
池において、該電解液中に下記一般式(I)、
【0012】
【化10】
【0013】(式中、R1、R2、R3およびR4は、それ
ぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12の
アルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数3〜
6のシクロアルキル基、アリール基、または水素原子を
示す。)で表されるカルボン酸ビニルエステル誘導体、
下記一般式(II)
【0014】
【化11】
【0015】(式中、R5、R6、R7、R9、R10、R11
は、それぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基、炭素
数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、
炭素数3〜6のシクロアルキル基、アリール基、または水
素原子を示す。また、R8は炭素数1〜10の直鎖アルキ
レン基、分枝アルキレン基またはフェニレン基を示す。
ただし、mは0または1を示す。)で表されるジカルボ
ン酸ジビニルエステル誘導体、および下記一般式(II
I)
【0016】
【化12】
【0017】(式中、R12、R13、R14およびR15は、
それぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜
12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素
数3〜6のシクロアルキル基、またはアリール基を示す。
13、R14およびR15は水素原子でもよい。)で表され
る炭酸ビニルエステル誘導体からなる化合物のうち少な
くとも1種が含有されていることを特徴とするリチウム
二次電池に関する。
【0018】電解液中に含有される前記化合物は、炭素
材料表面での不働態皮膜形成に寄与して天然黒鉛や人造
黒鉛などの活性で高結晶化した炭素材料を不働態皮膜で
被覆し、電池の正常な反応を損なうことなく電解液の分
解を抑制する効果を有するものと考えられる。
【0019】
【発明の実施の形態】非水溶媒に電解質が溶解されてい
る電解液に含有される化合物において、前記式(I)で
表されるカルボン酸ビニルエステル誘導体における
1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立してメチル
基、エチル基、プロピル基のような炭素数1〜12のアル
キル基が好ましい。アルキル基はイソプロピル基、イソ
ブチル基のような分枝アルキル基でもよい。また、ビニ
ル基、アリル基のようなアルケニル基、あるいは、エチ
ニル基、2−プロピニル基のようなアルキニル基でもよ
い。また、シクロプロピル基、シクロヘキシル基のよう
な炭素数3〜6のシクロアルキル基でもよい。また、フ
ェニル基、ベンジル基のような炭素数1〜12のアリール
基を含有するものでもよい。さらに、水素原子でもよ
い。
【0020】また、前記式(II)で表されるジカルボ
ン酸ジビニルエステル誘導体において、R5、R6
7、R9、R10、R11は、それぞれ独立してメチル基、
エチル基、プロピル基のような炭素数1〜12のアルキル
基が好ましい。アルキル基はイソプロピル基、イソブチ
ル基のような分枝アルキル基でもよい。また、ビニル
基、アリル基のようなアルケニル基、あるいは、エチニ
ル基、2−プロピニル基のようなアルキニル基でもよ
い。また、シクロプロピル基、シクロヘキシル基のよう
な炭素数3〜6のシクロアルキル基でもよい。また、フ
ェニル基、ベンジル基のような炭素数1〜12のアリール
基を含有するものでもよい。さらに、水素原子でもよ
い。また、mが1のとき、R8はメチレン基、エチレン
基のような炭素数1〜10の直鎖アルキレン基が好ましい
が、mが0、すなわち直鎖アルキレン基、分枝アルキレ
ン基またはフェニレン基を有しないシュウ酸ジビニルエ
ステル類でもよい。また、分枝アルキレン基、あるいは
不飽和結合を含有するものでもよく、さらにアリール基
を含有するものでもよい。
【0021】また、前記式(III)で表される炭酸ビ
ニルエステル誘導体において、R12、R13、R14および
15は、それぞれ独立してメチル基、エチル基、プロピ
ル基のような炭素数1〜12のアルキル基が好ましい。ア
ルキル基はイソプロピル基、イソブチル基のような分枝
アルキル基でもよい。また、ビニル基、アリル基のよう
なアルケニル基、あるいは、エチニル基、2−プロピニ
ル基のようなアルキニル基でもよい。また、シクロプロ
ピル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜6のシク
ロアルキル基でもよい。また、フェニル基、ベンジル基
のような炭素数1〜12のアリール基を含有するものでも
よい。さらに、R13、R14およびR15は水素原子でもよ
い。
【0022】前記式(I)で表されるカルボン酸ビニル
エステル誘導体の具体例としては、例えば、酢酸ビニル
〔R1=メチル基、R2=R3=R4=水素原子〕、プロピ
オン酸ビニル〔R1=エチル基、R2=R3=R4=水素原
子〕、アクリル酸ビニル〔R 1=ビニル基、R2=R3
4=水素原子〕、クロトン酸ビニル〔R1=2-メチルビ
ニル基、R2=R3=R4=水素原子〕、安息香酸ビニル
〔R1=フェニル基、R 2=R3=R4=水素原子〕などが
挙げられる。
【0023】また、前記式(II)で表されるジカルボ
ン酸ジビニルエステル誘導体の具体例としては、例え
ば、シュウ酸ジビニル〔R8=なし(但しm=0)、R5
=R6=R7=R9=R10=R11=水素原子〕、アジピン
酸ジビニル〔R8=テトラメチレン基(但しm=1)、
5=R6=R7=R9=R10=R11=水素原子〕、テレフ
タル酸ジビニル〔R8=-C64-(但しm=1)、R5
6=R7=R9=R10=R11=水素原子〕などが挙げら
れる。
【0024】また、前記式(III)で表される炭酸ビ
ニルエステル誘導体の具体例としては、例えば、メチル
ビニルカーボネート〔R12=メチル基、R13=R14=R
15=水素原子〕、エチルビニルカーボネート〔R12=エ
チル基、R13=R14=R15=水素原子〕、イソプロピル
ビニルカーボネート〔R12=イソプロピル基、R13=R
14=R15=水素原子〕、フェニルビニルカーボネート
〔R12=フェニル基、R 13=R14=R15=水素原子〕な
どが挙げられる。
【0025】前記化合物を添加する場合において、前記
式(I)で表されるカルボン酸ビニルエステル誘導体、
前記式(II)で表されるジカルボン酸ジビニルエステ
ル誘導体、または前記式(III)で表される炭酸ビニ
ルエステル誘導体の含有量は、過度に多いと、電解液の
電導度などが変わり電池性能が低下することがあり、ま
た、過度に少ないと、十分な皮膜が形成されず、期待し
た電池性能が得られないので、電解液の重量に対して
0.01〜20重量%、特に0.1〜10重量%の範囲
が好ましい。
【0026】本発明で使用される非水溶媒としては、高
誘電率溶媒と低粘度溶媒とからなるものが好ましい。高
誘電率溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート
(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレン
カーボネート(BC)などの環状カーボネート類が好適
に挙げられる。これらの高誘電率溶媒は、一種類で使用
してもよく、また二種類以上組み合わせて使用してもよ
い。
【0027】低粘度溶媒としては、例えば、ジメチルカ
ーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(M
EC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カ
ーボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキ
シエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブト
キシエタンなどのエーテル類、γ−ブチロラクトンなど
のラクトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、プロ
ピオン酸メチルなどのエステル類、ジメチルホルムアミ
ドなどのアミド類が挙げられる。これらの低粘度溶媒は
一種類で使用してもよく、また二種類以上組み合わせて
使用してもよい。高誘電率溶媒と低粘度溶媒とはそれぞ
れ任意に選択され組み合わせて使用される。なお、前記
の高誘電率溶媒および低粘度溶媒は、容量比(高誘電率
溶媒:低粘度溶媒)で通常1:9〜4:1、好ましくは
1:4〜7:3の割合で使用される。
【0028】本発明で使用される電解質としては、例え
ば、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4、LiN
(SO2CF32、LiN(SO2252、LiC
(SO2CF33などが挙げられる。これらの電解質
は、一種類で使用してもよく、二種類以上組み合わせて
使用してもよい。これら電解質は、前記の非水溶媒に通
常0.1〜3M、好ましくは0.5〜1.5Mの濃度で
溶解されて使用される。
【0029】本発明の電解液は、例えば、前記の高誘電
率溶媒や低粘度溶媒を混合し、これに前記の電解質を溶
解し、前記式(I)で表されるカルボン酸ビニルエステ
ル誘導体、前記式(II)で表されるジカルボン酸ジビ
ニルエステル誘導体、または前記式(III)で表され
る炭酸ビニルエステル誘導体からなる化合物のうち少な
くとも1種を溶解することにより得られる。
【0030】本発明の電解液は、リチウム二次電池の構
成部材として使用される。二次電池を構成する電解液以
外の構成部材については特に限定されず、従来使用され
ている種々の構成部材を使用できる。
【0031】例えば、正極材料(正極活物質)としては
コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナ
ジウムからなる群より選ばれる少なくとも一種類の金属
とリチウムとの複合金属酸化物が使用される。このよう
な複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、L
iMn24、LiNiO2などが挙げられる。
【0032】正極は、前記の正極材料をアセチレンブラ
ック、カーボンブラックなどの導電剤およびポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)などの結着剤と混練して正極合剤とした
後、この正極材料を集電体としてのアルミニウムやステ
ンレス製の箔やラス板に圧延して、50℃〜250℃程
度の温度で2時間程度真空下で加熱処理することにより
作製される。
【0033】負極(負極活物質)としては、リチウム金
属やリチウム合金、およびリチウムを吸蔵・放出可能な
黒鉛型結晶構造を有する炭素材料〔熱分解炭素類、コー
クス類、グラファイト類(人造黒鉛、天然黒鉛など)、
ガラス状炭素類、有機高分子化合物燃焼体、炭素繊維、
活性炭〕や複合スズ酸化物などの物質が使用される。特
に、格子面(002)の面間隔(d002)が3.35〜
3.40Åである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使
用することが好ましい。なお、炭素材料のような粉末材
料はエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化
ビニリデン(PVDF)などの結着剤と混練して負極合
剤として使用される。
【0034】リチウム二次電池の構造は特に限定される
ものではなく、正極、負極および単層又は複層のセパレ
ータを有するコイン型電池、さらに、正極、負極および
ロール状のセパレータを有する円筒型電池や角型電池な
どが一例として挙げられる。なお、セパレータとしては
公知のポリオレフィンの微多孔膜、織布、不織布などが
使用される。
【0035】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて、本発明
を具体的に説明するが、これらは本発明を何ら限定する
ものではない。 実施例1 〔電解液の調製〕PC:DMC(容量比)=1:2の非水溶媒を調
製し、これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して
電解液を調製した後、さらに添加剤として、酢酸ビニル
〔R1=メチル基、R2=R3=R4=水素原子〕を電解液
に対して1.0重量%となるように加えた。
【0036】〔リチウム二次電池の作製および電池特性
の測定〕LiCoO2(正極活物質)を80重量%、アセチレン
ブラック(導電剤)を10重量%、ポリフッ化ビニリデン
(結着剤)を10重量%の割合で混合し、これを圧縮成型
して正極を調製した。天然黒鉛(負極活物質)を90重量
%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10重量%の割合
で混合し、これを圧縮成型して負極を調製した。そし
て、ポリプロピレン微多孔性フィルムのセパレータを用
い、上記の電解液を注入してコイン電池(直径20mm、厚
さ3.2mm)を作製した。このコイン電池を用いて、室温
(20℃)下、0.8mAの定電流及び定電圧で、終止電圧4.2
Vまで充電し、次に0.8mAの定電流下、終止電圧2.7Vまで
放電し、この充放電を繰り返した。初期充放電容量は、
EC-DMC(1/2)を電解液として用いた場合(比較例
2)とほぼ同等であり、50サイクル後の電池特性を測定
したところ、初期放電容量を100%としたときの放電容
量維持率は85.7%であった。また、低温特性も良好であ
った。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示
す。
【0037】実施例2 添加剤として、アジピン酸ジビニル〔R8=テトラメチ
レン(但しm=1)、R5=R6=R7=R9=R10=R11
=水素原子〕を電解液に対して1.0重量%使用したほ
かは実施例1と同様に電解液を調製してコイン電池を作
製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電
容量維持率は84.2%であった。コイン電池の作製条件お
よび電池特性を表1に示す。
【0038】実施例3 添加剤として、メチルビニルカーボネート〔R12=メチ
ル基、R13=R14=R 15=水素原子〕を電解液に対して
1.0重量%使用したほかは実施例1と同様に電解液を調
製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を
測定したところ、放電容量維持率は80.2%であった。コ
イン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0039】実施例4 添加剤として、酢酸ビニル〔R1=メチル基、R2=R3
=R4=水素原子〕を電解液に対して0.1重量%使用
したほかは実施例1と同様に電解液を調製してコイン電
池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したとこ
ろ、放電容量維持率は80.6%であった。コイン電池の作
製条件および電池特性を表1に示す。
【0040】実施例5 添加剤として、酢酸ビニル〔R1=メチル基、R2=R3
=R4=水素原子〕を電解液に対して5.0重量%使用
したほかは実施例1と同様に電解液を調製してコイン電
池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したとこ
ろ、放電容量維持率は81.1%であった。コイン電池の作
製条件および電池特性を表1に示す。
【0041】比較例1 PC:DMC(容量比)=1:2の非水溶媒を調製し、これにLiP
F6を1Mの濃度になるように溶解した。このとき添加剤
は全く添加しなかった。この電解液を使用して実施例1
と同様にコイン電池を作製し、電池特性を測定したとこ
ろ、初回充電時にPCの分解が起こり全く放電できなか
った。初回充電後の電池を解体して観察した結果、黒鉛
負極に剥離が認められた。コイン電池の作製条件および
電池特性を表1に示す。
【0042】実施例6 EC:DMC(容量比)=1:2の非水溶媒を調製し、これにLiPF
6を1Mの濃度になるように溶解して電解液を調製した
後、さらに添加剤として、酢酸ビニル〔R1=メチル
基、R2=R3=R4=水素原子〕を電解液に対して1.0重
量%となるように加えた。この電解液を使用して実施例
1と同様にコイン電池を作製し、電池特性を測定したと
ころ、EC-DMC(1/2)のみを電解液として用いた場合
(比較例2)とほぼ同等であり、50サイクル後の電池特
性を測定したところ、初期放電容量を100%としたとき
の放電容量維持率は91.8%であった。また、低温特性も
良好であった。コイン電池の作製条件および電池特性を
表1に示す。
【0043】実施例7 添加剤として、アジピン酸ジビニル〔R8=テトラメチ
レン(但しm=1、R5=R6=R7=R9=R10=R11
水素原子〕を電解液に対して1.0重量%使用したほかは
実施例6と同様に電解液を調製してコイン電池を作製
し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容
量維持率は91.1%であった。コイン電池の作製条件およ
び電池特性を表1に示す。
【0044】実施例8 添加剤として、メチルビニルカーボネート〔R12=メチ
ル基、R13=R14=R 15=水素原子〕を電解液に対して
1.0重量%使用したほかは実施例6と同様に電解液を調
製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を
測定したところ、放電容量維持率は90.6%であった。コ
イン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0045】実施例9 正極活物質として、LiCoO2に代えてLiMn24
を使用し、添加剤として、酢酸ビニル〔R1=メチル
基、R2=R3=R4=水素原子〕を電解液に対して3.
0重量%使用したほかは実施例6と同様に電解液を調製
してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測
定したところ、放電容量維持率は90.2%であった。コイ
ン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0046】比較例2 EC:DMC(容量比)=1:2の非水溶媒を調製し、これにLiP
F6を1Mの濃度になるように溶解した。このとき添加剤
は全く添加しなかった。(下線部分は削除しても良い)
この電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池を作
製し、電池特性を測定した。初期放電容量に対し、50サ
イクル後の放電容量維持率は83.8%であった。コイン電
池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】なお、本発明は記載の実施例に限定され
ず、発明の趣旨から容易に類推可能な様々な組み合わせ
が可能である。特に、上記実施例の溶媒の組み合わせは
限定されるものではない。更には、上記実施例はコイン
電池に関するものであるが、本発明は円筒形、角柱形の
電池にも適用される。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、電池のサイクル特性、
電気容量、保存特性などの電池特性に優れたリチウム二
次電池を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水溶媒に電解質が溶解されている電解
    液において、該電解液中に下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して
    炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル
    基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数3〜6のシクロ
    アルキル基、アリール基、または水素原子を示す。)で
    表されるカルボン酸ビニルエステル誘導体、下記一般式
    (II) 【化2】 (式中、R5、R6、R7、R9、R10、R11は、それぞれ
    独立して炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアル
    ケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数3〜6の
    シクロアルキル基、アリール基、または水素原子を示
    す。また、R8は炭素数1〜10の直鎖アルキレン基、分
    枝アルキレン基またはフェニレン基を示す。ただし、m
    は0または1を示す。)で表されるジカルボン酸ジビニ
    ルエステル誘導体、および下記一般式(III) 【化3】 (式中、R12、R13、R14およびR15は、それぞれ独立
    して炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニ
    ル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数3〜6のシク
    ロアルキル基、またはアリール基を示す。R13、R14
    よびR15は水素原子でもよい。)で表される炭酸ビニル
    エステル誘導体からなる化合物のうち少なくとも1種が
    含有されていることを特徴とするリチウム二次電池用電
    解液。
  2. 【請求項2】 正極、負極および非水溶媒に電解質が溶
    解されている電解液からなるリチウム二次電池におい
    て、該電解液中に下記一般式(I) 【化4】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して
    炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル
    基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数3〜6のシクロ
    アルキル基、アリール基、または水素原子を示す。)で
    表されるカルボン酸ビニルエステル誘導体、下記一般式
    (II) 【化5】 (式中、R5、R6、R7、R9、R10、R11は、それぞれ
    独立して炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアル
    ケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数3〜6の
    シクロアルキル基、アリール基、または水素原子を示
    す。また、R8は炭素数1〜10の直鎖アルキレン基、分
    枝アルキレン基またはフェニレン基を示す。ただし、m
    は0または1を示す。)で表されるジカルボン酸ジビニ
    ルエステル誘導体、および下記一般式(III) 【化6】 (式中、R12、R13、R14およびR15は、それぞれ独立
    して炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニ
    ル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数3〜6のシク
    ロアルキル基、またはアリール基を示す。R13、R14
    よびR15は水素原子でもよい。)で表される炭酸ビニル
    エステル誘導体からなる化合物のうち少なくとも1種が
    含有されていることを特徴とするリチウム二次電池。
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