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JPH11214154A - 有機電界発光装置の製造方法 - Google Patents

有機電界発光装置の製造方法

Info

Publication number
JPH11214154A
JPH11214154A JP10286466A JP28646698A JPH11214154A JP H11214154 A JPH11214154 A JP H11214154A JP 10286466 A JP10286466 A JP 10286466A JP 28646698 A JP28646698 A JP 28646698A JP H11214154 A JPH11214154 A JP H11214154A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
light emitting
spacer
shadow mask
substrate
Prior art date
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Application number
JP10286466A
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English (en)
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JP3539229B2 (ja
Inventor
Shigeo Fujimori
茂雄 藤森
Yoshio Himeshima
義夫 姫島
Toru Kohama
亨 小濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP28646698A priority Critical patent/JP3539229B2/ja
Publication of JPH11214154A publication Critical patent/JPH11214154A/ja
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Publication of JP3539229B2 publication Critical patent/JP3539229B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機電界発光素子の特性を劣化させることなく
幅広い蒸着条件下で高精度な微細パターニングを可能と
し、しかも、発光装置の構造を限定することなく比較的
簡略な工程で高い安定性を実現することである。 【解決手段】基板上に形成された第一電極と、少なくと
も有機化合物からなる発光層を含み前記第一電極上に形
成された薄膜層と、前記薄膜層上に形成された複数の第
二電極とを含み、前記基板上に複数の発光領域を有する
有機電界発光装置の製造方法であって、少なくとも一部
分が前記薄膜層の厚さを上回る高さをもつスペーサーを
前記基板上に形成する工程と、開口部を横切るようにし
て形成された補強線を有するシャドーマスクを前記スペ
ーサー層に密着させた状態で蒸着物を蒸着せしめること
によりパターニングする工程とを含むことを特徴とする
有機電界発光装置の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示素子、フラッ
トパネルディスプレイ、バックライト、インテリアなど
の分野に利用可能な、同一基板上に有機電界発光素子に
よる複数の発光領域を備えた有機電界発光装置の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、新しい発光素子として有機電界発
光素子が注目されている。本素子は陽極から注入された
正孔と陰極から注入された電子とが両極に挟まれた有機
発光層内で再結合することにより発光するものであり、
低電圧で高輝度に発光することがコダック社のC.W.
Tangらによって初めて示された(Appl.Phy
s.Lett.51(12)21,p.913,198
7)。
【0003】図37は有機電界発光素子の代表的な構造
を示す断面図である。ガラス基板1に形成された透明な
第一電極(陽極)2上に正孔輸送層5、有機発光層6、
第二電極(陰極)8が積層され、駆動源9による駆動で
生じた発光は第一電極およびガラス基板を通じて外部に
取り出される。このような有機電界発光素子では薄型、
低電圧駆動下での高輝度発光や有機発光材料を選択する
ことによる多色発光が可能であり、表示素子やディスプ
レイなどの発光装置に応用する検討が盛んである。
【0004】このような場合、例えば、図1〜3に示す
ような単純マトリクス型カラーディスプレイにおいては
少なくとも有機発光層と第二電極を、アクティブマトリ
クス型カラーディスプレイにおいても少なくとも有機発
光層を高精度にパターニングする技術が要求される。
【0005】従来このような微細パターニングにはウェ
ットプロセスであるフォトリソ法が用いられる。特開平
6−234969号公報では有機材料を工夫することに
よりフォトリソ法が適用可能な素子を得る技術が開示さ
れている。
【0006】ウェットプロセスを用いない第二電極のパ
ターニング方法として、特開平5−275172号公報
や特開平8−315981号公報に隔壁法の技術が開示
されている。特開平5−275172号公報の技術は、
基板上に間隔をあけて配置された隔壁を形成し、この基
板に対して斜め方向から電極材料を蒸着するものであ
る。また、特開平8−315981号公報の技術は、基
板上にオーバーハング部を有する隔壁を形成し、この基
板に対して垂直方向を中心とした角度範囲で電極材料を
蒸着するものである。
【0007】また、従来のマスク法はウェットプロセス
を用いない一般的なパターニング方法である。この方法
は基板前方にシャドーマスクを配置し、開口部を介して
蒸着物を蒸着することでパターニングを実現するもので
ある。
【0008】マスク法による微細パターニング方法とし
て、特開平9−115672号公報に単層構造をもつシ
ャドーマスクを使用するマスク法の技術が開示されてい
る。この方法では、開口部幅よりマスク部分の方が広い
シャドーマスクを使用して発光色ごとに有機薄膜層と第
二電極とをパターニングすることにより、実用ピッチ単
純マトリクス型カラーディスプレイの作製を実現してい
る。
【0009】一方、有機電界発光装置の製造方法には直
接関係しないが、特公昭63−38421号公報には、
積層構造をもつシャドーマスクを使用するマスク法によ
る配線パターンの形成技術が開示されている。この方法
は、少なくとも一方が磁性体からなるメッシュとパター
ンが形成された箔との二層から構成されたシャドーマス
クを、マグネットによって基板に密着させて蒸着するも
のである。メッシュによって開口部の変形が抑制される
ので、環状の回路部分や曲がりくねった細い回路部分な
ど複雑な配線パターンを形成することが可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来方法には以下のような問題があった。
【0011】前記フォトリソ法では、一般的に有機電界
発光素子を構成する有機薄膜層は水分や有機溶媒、薬液
に対する耐久性に乏しいので、有機電界発光素子の性能
を著しく劣化させてしまう。また、ウェットプロセスの
適用可能な有機電界発光素子を得るためには、用いる材
料が限定されるという問題があった。
【0012】前記隔壁法では、隔壁によって作り出され
る蒸着物の影を利用してパターニングを実現するので、
多様な蒸着角度が存在する条件や蒸着物の回り込み量の
多い条件では高精度なパターニングができない。このた
め、基板面積の大型化や蒸着速度の高速化、パターニン
グの高精度化に対して問題があった。また、蒸着物の影
に対応するデットスペースとよばれる第二電極の存在し
ない領域が有機薄膜層上に存在するので、そこからの水
分などの侵入により有機電界発光素子が劣化しやすい傾
向にあった。さらに、断面アスペクト比の大きな隔壁や
オーバーハング部を有する特殊な形状の隔壁を基板全面
において安定に形成することは容易ではなかった。
【0013】従来のマスク法では、基板とシャドーマス
クとの密着不良により蒸着物の回り込みが発生してしま
う。特に、ストライプ状第二電極パターン形成などのた
めに開口部に比べてマスク部分が極端に細いシャドーマ
スクを使用する場合には、シャドーマスクの強度不足に
より開口部形状が変形してしまう。このため、ディスプ
レイ用途などで要求されるサブミリメートルレベルの微
細パターニングを高精度に実現することは困難であっ
た。
【0014】前記単層構造をもつシャドーマスクを使用
するマスク法では、マスク部分が比較的広いとはいえ開
口部形状の変形の問題は解決されておらず、パターニン
グの高精度化には依然問題があった。また、有機薄膜層
と第二電極とが同一の平面形状で積層されるために、第
二電極の形成に複数回の電極材料蒸着工程を必要とする
だけでなく、第二電極をデータラインとして機能させる
ディスプレイ構造にしか適用できないという問題があっ
た。
【0015】前記積層構造をもつシャドーマスクを使用
するマスク法では、従来の配線パターンは一般的にミリ
メートルレベルのサイズで形成されており、この方法を
そのままサブミリメートルレベルの微細パターンの形成
に適用することはできなかった。また、凹凸の大きなメ
ッシュ上にパターンを形成する箔を付与して作製された
シャドーマスクを用いているので、シャドーマスクの平
面性や精度が十分でなく、微細パターンの高精度化が難
しいという問題があった。さらに、この方法ではシャド
ーマスクをマグネットによって強制的に基板に密着させ
るが、セラミック基板などに比べると非常に柔らかい有
機薄膜層上に第二電極を形成するような場合には、シャ
ドーマスクが有機薄膜層を容易に傷つけてしまう。この
ため、第一電極と第二電極との短絡など望ましくない事
態が起こるので、この方法を有機電界発光装置における
パターニングに適用することはできなかった。
【0016】上記のとおり、従来技術においては有機電
界発光装置の製造に必要な微細パターニングを有機薄膜
層に損傷を与えることなく高精度に、かつ、安定性よく
実現することは困難であった。
【0017】本発明はかかる問題を解決し、有機電界発
光素子の特性を劣化させることなく幅広い蒸着条件下で
高精度な微細パターニングが可能であり、しかも、発光
装置の構造を限定することなく比較的簡略な工程で高い
安定性を実現することが可能な有機電界発光装置の製造
方法を提供することが目的である。
【0018】
【課題を解決するための手段】これらの目的は、以下の
本発明によって達成される。本発明は、基板上に形成さ
れた第一電極と、少なくとも有機化合物からなる発光層
を含み前記第一電極上に形成された薄膜層と、前記薄膜
層上に形成された複数の第二電極とを含み、前記基板上
に複数の発光領域を有する有機電界発光装置の製造方法
であって、少なくとも一部分が前記薄膜層の厚さを上回
る高さをもつスペーサーを前記基板上に形成する工程
と、開口部を横切るようにして形成された補強線を有す
るシャドーマスクを前記スペーサーに密着させた状態で
蒸着物を蒸着せしめることによりパターニングする工程
とを含むことを特徴とする有機電界発光装置の製造方法
である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明における有機電界発光装置
とは、同一基板上に有機電界発光素子による複数の発光
領域を備えたものである。以下では本発明の製造方法に
より製造された有機電界発光装置を説明する。ただし、
本発明の製造方法は例示された形式や構造をもつ有機電
界発光装置の製造方法に限定されるわけではなく、セグ
メント型、単純マトリクス型、アクティブマトリクス型
などの形式やカラー、モノクロなどの発光色数を問わず
任意の構造の有機電界発光装置に適用することが可能で
ある。
【0020】本発明の製造方法によって製造された有機
電界発光装置の一例を図1〜3に示す。基板1上に形成
されたストライプ状の第一電極2と、各第一電極上にパ
ターニングされた有機化合物からなる発光層6を含む薄
膜層10と、第一電極に対して直交するストライプ状の
第二電極8とが積層されており、両電極の交点に有機電
界発光素子構造をもつ複数の発光領域が形成されてい
る。各発光領域は発光層に異なる材料を用いることで赤
(R)、緑(G)、青(B)に発光するので、この単純
マトリクス型発光装置を線順次駆動することにより画像
などをカラー表示することが可能である。また、基板上
には薄膜層の厚さを上回る高さをもつスペーサー4が形
成されている。
【0021】本発明の製造方法は、少なくとも一部分が
薄膜層の厚さを上回る高さをもつスペーサーを基板上に
形成する工程と、開口部を横切るようにして形成された
補強線を有するシャドーマスクをスペーサー層に密着さ
せた状態で蒸着物を蒸着せしめることによりパターニン
グする工程とを含むことを特徴とする。例えば、図1の
IIII’断面図である図3に示すように、薄膜層10の厚
さを上回る高さをもつようにスペーサー4を基板1上に
形成しておく。薄膜層などの形成の後に、図4および図
4のII’断面図である図5に示すような補強線33を
有するシャドーマスクを、前記スペーサーに密着させた
状態で、図6および図6の側面図である図7に示すよう
に蒸着物を蒸着せしめることにより第二電極8をパター
ニングすることができる。この際、シャドーマスクはス
ペーサーに密着するので薄膜層を傷つけることを防止で
きる。また、このシャドーマスクのマスク部分31の一
方の面35と補強線との間には隙間36が存在するの
で、蒸着物をこの隙間に回り込んで蒸着せしめることに
より、第二電極を補強線によって分断されることなくパ
ターニングすることができる。以下では、この有機電界
発光装置の製造方法を例にして本発明を詳しく説明す
る。
【0022】まず、基板1上の第一電極2を図8に示す
形状にパターニングする。パターニング方法としては公
知の技術を用いればよく特に限定されない。したがっ
て、本発明の補強線を有するシャドーマスクを用いたパ
ターニング方法により基板上に第一電極を形成してもよ
いが、一般的には基板全面に形成された第一電極をフォ
トリソ法によってエッチングすることでパターニングす
ることができる。第一電極のパターン形状は特に限定さ
れず、用途に応じて最適パターンを選択すればよい。ま
た、第一電極のパターニングは必要に応じて行えばよ
く、例えばセグメント型発光装置において第一電極が共
通電極となる場合には、第一電極をパターニングせずに
用いてもよい。
【0023】次に、図9に示すように、薄膜層の厚さを
上回る高さをもつスペーサー4を後から形成される第二
電極間に位置するように形成する。本発明の製造方法で
は、基板とシャドーマスクとが密着した際に、シャドー
マスクが基板上に形成された薄膜層を傷つけることを防
ぐため、また、シャドーマスクから基板上への異物の付
着を防ぐため、基板上に、少なくとも一部分が薄膜層の
厚さを上回る高さをもつスペーサーを形成する工程が必
要である。スペーサーの高さについては特に限定されな
いが、スペーサーによってシャドーマスクと基板との間
に形成される隙間に蒸着物が回り込むことでおこるパタ
ーン精度の悪化を考慮すると、通常は0.1〜100μ
mの範囲で形成される。
【0024】スペーサーを形成する位置は特に限定され
ないが、発光面積のロスを最小とするように有機電界発
光装置における非発光領域を中心にスペーサーを配置す
ることが好ましい。スペーサーの構造は特に限定される
ものではなく、一層によって形成されていても、複数の
層を積層して形成されていてもよい。例えば、図10〜
12に示すように、比較的膜厚の薄い第一のスペーサー
3が第一電極2の間に、それに直交するように薄膜層の
厚さを上回る高さをもつ第二のスペーサー4が第二電極
8の間に形成されていてもよい。また、図13〜15に
示すように、第一のスペーサー3を第一電極の端部を被
覆するように形成して層間絶縁層としての機能を付加し
たり、第一のスペーサーをマトリクス状に形成し、その
一部分に重ね合わせて第二のスペーサー4を形成するこ
とも可能である。また、複数のドット状スペーサーを基
板上に配置させることも可能であり、その平面形状は円
や多角形など任意の形状とすることができる。なお、上
記スペーサーの断面形状は特に限定されず、テーパー型
あるいは逆テーパー型であってもよい。
【0025】スペーサーは第一電極に接する状態で形成
されることが多いために、十分な電気絶縁性を有するこ
とが好ましい。導電性のスペーサーを用いることもでき
るが、その場合は電極間の短絡を防止するための電気絶
縁性部分を形成すればよい。スペーサー材料としては公
知の材料を用いることが可能であり、無機物では酸化ケ
イ素をはじめとする酸化物材料、ガラス材料、セラミッ
クス材料などを、有機物ではポリビニル系、ポリイミド
系、ポリスチレン系、アクリル系、ノボラック系、シリ
コーン系などのポリマー系樹脂材料を好ましい例として
挙げることができる。さらに、スペーサーの全体、もし
くは基板あるいは第一電極と接する部分を黒色化するこ
とで、有機電界発光装置の表示コントラスト向上に寄与
するブラックマトリクス的な機能をスペーサーに付加す
ることもできる。このような場合のスペーサー材料とし
ては、無機物ではケイ素、砒化ガリウム、二酸化マンガ
ン、酸化チタンや酸化クロムと金属クロムとの積層膜な
どを、有機物では上記樹脂材料に、電気絶縁性を高める
ために表面処理の施されたカーボンブラック系、フタロ
シアニン系、アントラキノン系、モノアゾ系、ジスアゾ
系、金属錯塩型モノアゾ系、トリアリルメタン系、アニ
リン系などの公知の顔料や染料、あるいは上記無機材料
粉末を混合した材料を好ましい例として挙げることがで
きる。
【0026】スペーサー層の形成方法としては、無機材
料を用いる場合には抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、ス
パッタリング蒸着法などのドライプロセスを利用する方
法が、有機材料を用いる場合にはスピンコート、スリッ
トダイコート、ディップコート法などのウェットプロセ
スを利用する方法が挙げられるが、特に限定されるもの
ではない。
【0027】スペーサーのパターニング方法は特に限定
されないが、第一電極のパターニング工程後に基板全面
にスペーサー層を形成し、公知のフォトリソ法を用いて
パターニングする方法が工程的に容易である。フォトレ
ジストを使用したエッチング法あるいはリフトオフ法に
よってスペーサーをパターニングしてもよいし、例示し
た上記樹脂材料に感光性を付加させた感光性スペーサー
材料を用い、スペーサー層を直接露光、現像することで
パターニングすることもできる。
【0028】次に薄膜層の形成方法について説明する。
まず、図9で示したスペーサーの形成された基板上に正
孔輸送層5を形成する。この場合には図16に示すよう
に発光領域の存在する全領域に正孔輸送材料11を蒸着
すればよい。
【0029】発光層については以下のようにパターニン
グする。使用するシャドーマスクを図17に示す。マス
ク部分31に各発光層パターンに対応した形状の開口部
32が設けられており、開口部形状の変形を防止するた
めに開口部を横切るようにしてマスク部分と同一面内に
形成された補強線33が存在する。さらに、このシャド
ーマスクは取り扱いを容易にするためにフレーム34に
固定されている。次に、図18および図18の側面図で
ある図19に示すように、補強線33がスペーサー4と
重なるように第一電極2と開口部32との位置を合わせ
ながら、このシャドーマスクをスペーサー4に密着させ
る。つまり、補強線がスペーサーと接触することにな
る。この状態で発光材料12を蒸着することにより所望
の領域に発光層6(この場合はB発光層)を形成する。
この動作を3回繰り返すことで、図20に示すように第
一電極上に各RGB発光層6をパターニングする。また
発光層のパターニングで使用されるシャドーマスクは図
17のようなマスクに限定されない。例えば図4に示し
た第二電極などをパターニングする際に使用されるシャ
ードマスクでパターニングすることも可能である。
【0030】シャドーマスクはスペーサーに接触して薄
膜層を傷つけることはないので、有機電界発光素子の特
性を劣化させることはなく、また、基板とシャドーマス
クとの位置合わせを容易にすることができる。
【0031】各発光層パターンに対応した数のシャドー
マスクを用いて発光層をパターニングしてもよいが、マ
トリクス型発光装置のように同一の発光層パターンが繰
り返して形成される場合には、1枚のシャドーマスクと
基板との位置を相対的にずらしながら各発光層をパター
ニングすることも可能である。また、1つの発光色に対
応する発光層を2回以上の蒸着工程によってパターニン
グしてもよい。
【0032】シャドーマスクの構造については特に限定
されないが、発光領域に補強線の影となる部分が存在し
ないように、スペーサーのうち薄膜層の厚さを上回る高
さの部分に補強線が一致するように開口部に補強線が配
置されていることが好ましい。
【0033】補強線幅は特に限定されないが、発光層の
存在しない部分、つまり有機電界発光装置における非発
光領域の幅より小さいことが好ましい。したがって、補
強線幅は50μmより小さいことが好ましく、30μm
より小さいことがさらに好ましい。マスク部分の厚さに
ついては、シャドーマスクの形状保持性の観点からは厚
い方がよいが、補強線幅をより小さく作製するために、
補強線幅の半分程度以上、その3倍程度以下であること
が好ましい。
【0034】第一電極と発光層パターンの平面サイズに
ついては特に限定されないが、第一電極と第二電極との
短絡の可能性を低減する観点から、各発光領域に対応す
る第一電極の露出部分よりも発光層パターンが大きいこ
とが好ましい。図1〜3に示した単純マトリクス型発光
装置においては、実用レベルでの各発光領域の典型的な
横方向ピッチとして100μmという値を例示すること
ができる。この場合に第一電極の幅が70μmとすれ
ば、第一電極の幅より大きく、隣接する第一電極上には
重ならないように、発光層パターンおよび開口部の幅を
ピッチと等しい100μmを中心とした値に設定するこ
とが好ましい。
【0035】モノクロ発光装置を製造する場合には発光
層のパターニング工程を省略することができる。この場
合には図16で示した方法と同様に、発光領域の存在す
る全領域に発光材料を蒸着して発光層を形成すればよ
い。
【0036】電子輸送層については、図21に示すよう
に発光領域の存在する全領域に電子輸送材料13を蒸着
して電子輸送層7を形成する。また、図18および図1
9で示した発光層のパターニング工程において連続して
電子輸送材料を蒸着することで、図22に示すように各
RGB発光層6に対応した電子輸送層7をパターニング
することも可能である。電子輸送層の形成方法は特に限
定されるものではないが、シャドーマスクに異物が付着
するなどして第一電極上に発光層の存在しない領域が形
成されても、全領域に電子輸送材料を蒸着すればその領
域を電子輸送層が被覆して有機電界発光素子の大きな特
性劣化を防ぐ効果があるので、前者の方法で電子輸送層
を形成することが好ましい。この場合には、発光層から
電子輸送層へのエネルギー移動による発光色の変化を防
ぐために、各発光層のうち最も大きい発光エネルギーと
同程度かそれよりも大きい発光エネルギーをもつ電子輸
送材料を用いることが好ましい。つまり、図21に示し
た発光装置の構造においては、B発光層と同程度かそれ
よりも大きい発光エネルギーをもつ電子輸送材料を用い
て電子輸送層7を形成することが好ましい。
【0037】なお、上記の正孔輸送層または電子輸送層
の形成工程については、有機電界発光素子に含まれる薄
膜層の構成によっては省略することが可能である。
【0038】次に第二電極のパターニング方法について
説明する。使用するシャドーマスクを図4および図5に
示す。マスク部分31に第二電極パターンに対応した形
状の開口部32が設けられており、開口部形状の変形を
防止するために開口部を横切るようにして形成された補
強線33が存在する。また、マスク部分の一方の面35
と補強線との間には隙間36が存在する。さらに、この
シャドーマスクは取り扱いを容易にするためにフレーム
34に固定されている。次に、図6および図7に示すよ
うに、マスク部分31がスペーサー4と重なるように位
置を合わせながら、このシャドーマスクをスペーサーに
密着させる。この状態で第二電極材料14を蒸着するこ
とにより所望の領域に第二電極8を形成する。補強線3
3側から飛来してきた第二電極材料は、隙間36が存在
するために補強線の影となる部分に回り込んで蒸着され
るので、補強線によって第二電極が分断されることはな
い。
【0039】シャドーマスクはスペーサーに接触して薄
膜層を傷つけることはないので、有機電界発光素子の特
性を劣化させることはなく、また、基板とシャドーマス
クとの位置合わせを容易にすることができる。
【0040】上記のように1回の蒸着工程で第二電極を
パターニングする方法が好ましいが、工程数は特に限定
されるものではなく、複数のシャドーマスクを用いた
り、1枚のシャドーマスクと基板との位置を相対的にず
らすなどして、複数の蒸着工程に分けて第二電極をパタ
ーニングしてもよい。
【0041】第二電極材料の蒸着条件は特に限定される
ものではなく、1つの蒸着源から蒸着してもよいが、補
強線による第二電極の分断を発生させにくくするために
は、補強線に対して複数の異なる方向から第二電極材料
を補強線に回り込んで蒸着せしめることが効果的であ
る。このような効果を発現させる方法としては、蒸着物
が蒸着源から基板まで直進的に到達する真空蒸着法など
の高真空プロセスを用いる場合には、複数の蒸着源から
第二電極材料を蒸着したり、1つ以上の蒸着源に対して
基板を相対的に移動させながら、もしくは回転させなが
ら第二電極材料を蒸着する方法が工程的には好ましい。
また、スパッタリング蒸着法などの低真空プロセスも、
原理的に第二電極材料がランダムな方向から飛来して補
強線を回り込んで蒸着されやすいので、好ましい方法で
ある。
【0042】スペーサーとシャドーマスクのマスク部分
との位置関係については特に限定されないが、基板と補
強線との間に存在する隙間が実効的に高くなるために補
強線に対する第二電極材料の回り込み量が増大し、比較
的凹凸の少ない基板上の領域に第二電極材料を蒸着する
ために第二電極の電気抵抗値の増加を抑制することがで
き、また、条件によっては薄膜層が第一電極もしくは基
板とスペーサーと第二電極とによって完全に囲まれるた
めに、薄膜層への水分の侵入などによる有機電界発光素
子の特性劣化を抑制することができるので、図7に示し
たようにスペーサーのうち薄膜層の厚さを上回る高さの
部分がシャドーマスクのマスク部分、つまり第二電極間
に存在することが好ましい。
【0043】第二電極のパターニングに使用するシャド
ーマスクは図4および図23に示した構造に限定される
ものではなく、例えば、補強線がメッシュ状であっても
よい。また、図24に示す断面図のようにマスク部分3
1がテーパー形状であってもよいし、図25に示す断面
図のように補強線33がマスク部分31と一体化した構
造であってもよい。
【0044】マスク部分の厚さについては、それが厚い
ほどマスク部分の一方の面と補強線との間に存在する隙
間が高くなり蒸着物の回り込み量が増大するので特に限
定はされないが、マスク部分の幅に比べてその厚さの大
きなシャドーマスクを精度よく作製することが難しいの
で、マスク部分の厚さはマスク部分の最小幅と同程度以
上、その3倍程度以下であることが好ましい。補強線幅
については、基本的には細いほど蒸着物の回り込み量が
増大するので、隙間の高さ以下であることが好ましい。
また、補強線の本数は、補強線の影となる部分を少なく
するために、開口部の変形を十分防止できる範囲内で、
できる限り少ない方が好ましい。
【0045】なお、必要に応じて第二電極のパターニン
グ工程後に、公知技術あるいは本発明の製造方法におけ
るパターニング技術を利用して保護層の形成や発光領域
の封止を行うことができる。
【0046】本発明の製造方法によって有機電界発光装
置の発光層もしくは第二電極の少なくとも一方をパター
ニングすることが好ましいが、本発明はパターニングに
使用するシャドーマスクの構造を限定するものではな
い。したがって、例えば図4に示した補強線がスペーサ
ーに接触しない構造のシャドーマスクを使用して発光層
をパターニングして、このときの第二電極は公知技術に
よりパターニングすることも可能である。また、図26
に示す補強線33とマスク部分31が同一面内に形成さ
れたシャドーマスクを使用して、図27および図27の
側面図である図28に示すように、スペーサー4を比較
的高く形成することで補強線33と薄膜層10との間に
生じる隙間36を利用して第二電極8をパターニングす
ることも可能である。
【0047】シャドーマスクを構成する材料としては、
ステンレス鋼、銅合金、ニッケル合金、アルミニウム合
金などの金属材料、公知の樹脂材料、ポリビニル系、ポ
リイミド系、ポリスチレン系、アクリル系、ノボラック
系、シリコーン系などのポリマーに感光性を付与した感
光性樹脂材料などを好ましい例として挙げることができ
るが、特に限定されるものではない。シャドーマスクの
マスク部分と補強線とを構成する材料は同一であっても
異なっていてもよい。また、図29に示すように、シャ
ドーマスクにおけるスペーサーと密着させる側の面に上
記樹脂材料を用いて比較的柔軟性の高いクッション部分
37を形成することで、両者が密着する際にスペーサー
や薄膜層へ与える損傷を防止する効果をさらに向上させ
ることも可能である。
【0048】本発明の製造方法においては、マスク部分
と補強線との少なくとも一方が磁性材料からなるシャド
ーマスクを磁力によってスペーサーに密着させることが
好ましい。こうすることにより、基板とシャドーマスク
とをより均一にかつ確実に密着させることができるの
で、パターニング精度をより向上させることが可能であ
る。基板とシャドーマスクとの位置合わせの後に両者の
相対的位置を固定する方法や、シャドーマスク自体の重
量を支える方法は特に限定されるものではなく、磁力を
利用してもよいし、機械的方法を利用することも可能で
ある。
【0049】マスク部分と補強線との少なくとも一方を
構成する磁性材料としては、鉄合金、コバルト合金、ニ
ッケル合金などの金属材料、炭素鋼、タングステン鋼、
クロム鋼、コバルト鋼、KS鋼、MK鋼、Alnico
鋼、NKS鋼、Cunico鋼、OPフェライト、Ba
フェライトなどの磁石材料、Sm−Co系やNd−Fe
−B系などの希土類磁石材料,ケイ素鋼板、Al−Fe
合金、、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェラ
イト、Cu−Zn系フェライトなどの磁心材料、カーボ
ニル鉄、Moパーマロイ、センダストなどの微粉末を結
合剤とともに圧縮成型させた圧粉材料などを好ましい例
として挙げることができる。これら磁性材料をシート状
に形成したものからシャドーマスクを作製することが好
ましいが、ゴムや樹脂に上記磁性材料の粉末を混合して
シート状に形成したものからシャドーマスクを作製する
ことも可能である。また、必要に応じて、はじめから磁
化された磁性材料からシャドーマスクを作製してもよい
し、シャドーマスクを作製してから磁化させてもよい。
【0050】シャドーマスクを磁力によってスペーサー
に密着させる方法としては、マスク部分と補強線との少
なくとも一方が磁性材料からなるシャドーマスクを、有
機電界発光装置の基板裏側に配置された磁石によって吸
引することが好ましい。ただし、シャドーマスクとその
他1つ以上の物体との間に相互に磁力が及ぼし合えばよ
いので上記方法は特に限定されるものではなく、例え
ば、磁石として機能するシャドーマスクと磁性材料から
なる基板との組み合わせにより、両者の間に吸引力を働
かせて密着性を向上させることも可能である。
【0051】磁石としては公知の永久磁石ならびに電磁
石を使用することができる。その形状やサイズは特に限
定されない。また、単一の磁石を用いてシャドーマスク
を吸引してもよいが、複数の磁石を貼り合わせたり、所
定の間隔で並べたりして形成した磁石の集合体を利用す
ることも可能である。磁石とシャドーマスクとの距離や
両者間に働く磁力の大きさについては、シャドーマスク
に十分な磁力が及ぶ範囲であれば特に限定されない。
【0052】シャドーマスクの製造方法は特に限定され
るものではなく、機械的研磨法、サンドブラスト法、焼
結法、レーザー加工法などの方法を利用することが可能
であるが、加工精度に優れるエッチング法、電鋳法、フ
ォトリソ法を利用することが好ましい。中でも電鋳法は
マスク部分を比較的容易に厚く形成できるので特に好ま
しいシャドーマスクの製造方法である。
【0053】シャドーマスクの作製において、マスク部
分と補強線とを一度の工程で形成してもよいが、マスク
部分と補強線とをそれぞれ別々に形成してから両者を重
ね合わせて接続することでシャドーマスクを作製するこ
ともできる。この場合には、接着、圧着、溶接など手法
により両者を接続してもよいし、両者のうち少なくとも
一方が導電性をもつ場合には電着現象を利用して両者を
接続してもよい。つまり、マスク部分と補強線とを密着
させた状態で電解液中に浸し、通電によって両者の接触
部分に電着物を析出させることで両者を接続するもので
ある。一般的に電着物にはニッケルなどの金属材料が選
ばれるが、ポリアニリンなどの有機材料を利用すること
も可能である。また、先に形成されたマスク部分の上に
感光性樹脂層を形成し、フォトリソ法により感光性樹脂
層をパターニングすることでシャドーマスクを作製する
こともできる。
【0054】本発明の製造方法において使用されるシャ
ドーマスクは、基板全面においてスペーサーと均一に密
着させるために、高い平面性を有することが好ましい。
しかしながら、微細かつ高精度なパターンをもつシャド
ーマスクの強度は大きくないために、シャドーマスクの
作製工程中にその平面性が損なわれることが多い。この
ような場合には、焼き鈍しなどの方法を利用してシャド
ーマスクの平面性を向上させることができる。また、取
り扱い上の観点からシャドーマスクをフレームに固定し
て使用することが多いが、このような場合には、シャド
ーマスクに張力あるいは熱を加えながらフレームに固定
するなどして、その平面性を向上させることができる。
【0055】また、すでに説明したように補強線幅は基
本的に小さい方が好ましいが、それだけシャドーマスク
の作製工程中における取り扱いが難しくなる。したがっ
て、はじめに比較的補強線幅の大きいシャドーマスクを
作製してから補強線を所望の線幅に細線化することもで
きる。工程的にはエッチングによる細線化が容易である
が、細線化方法は特に限定されるものではなく、シャド
ーマスクを構成する材料によって適当な方法を利用すれ
ばよい。
【0056】第一および第二電極は有機電界発光素子の
発光に十分な電流が供給できる導電性をもてばよいが、
光を取り出すために少なくとも一方の電極が透明である
ことが好ましい。
【0057】透明な電極は可視光線透過率が30%以上
あれば使用に大きな障害はないが、理想的には100%
に近い方が好ましい。基本的には可視光全域において同
程度の透過率を持つことが好ましいが、発光色を変化さ
せたい場合には積極的に光吸収性を付与させることも可
能である。このような場合にはカラーフィルターや干渉
フィルターを用いて変色させる方法が技術的には容易で
ある。透明電極材料としては、インジウム、錫、金、
銀、亜鉛、アルミニウム、クロム、ニッケル、酸素、窒
素、水素、アルゴン、炭素から選ばれる少なくとも一種
類の元素からなることが多いが、ヨウ化銅、硫化銅など
の無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロール、ポ
リアニリンなどの導電性ポリマーを用いることも可能で
あり、特に限定されるものでない。
【0058】好ましい第一電極材料の例としては、透明
基板上に形成された酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウ
ム、酸化バナジウム、酸化錫インジウム(ITO)など
を挙げることができる。パターニングを行うディスプレ
イ用途などでは、加工性に優れたITOを第一電極に用
いることが特に好ましい。導電性向上のためにITOに
は少量の銀や金などの金属が含まれていてもよく、ま
た、錫、金、銀、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ク
ロム、ニッケルをITOのガイド電極として使用するこ
とも可能である。とりわけクロムはブラックマトリック
スとガイド電極との両方の機能を持たせることができる
ので好ましいガイド電極材料である。有機電界発光装置
の消費電力の観点からITOの抵抗は低いことが好まし
い。300Ω/□以下のITO基板であれば第一電極と
して機能するが、現在では10Ω/□程度のITO基板
の供給も容易になっていることから、低抵抗品を使用す
ることも可能である。ITOの厚みは抵抗値に合わせて
任意に選択できるが、通常は厚みが100〜300nm
のITOを用いることが多い。透明基板の材質は特に限
定されず、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリ
エステル、ポリイミド、アラミドからなるプラスチック
板やフィルムを用いることができるが、好ましい例とし
てガラス板を挙げることができる。ガラスの材質につい
ては、無アルカリガラスや酸化ケイ素膜などのバリアコ
ートを施したソーダライムガラスなどが使用できる。ま
た、厚みは機械的強度を保てればよいので、0.5mm
以上あれば十分である。ITOの形成方法は、電子ビー
ム蒸着、スパッタリング蒸着、化学反応法など特に制限
されるものではない。
【0059】第二電極材料についても特に限定されない
が、第一電極としてITOを使用する場合にはITOが
一般的に陽極として機能するために、第二電極には有機
電界発光素子に電子を効率良く注入できる陰極としての
機能が求められる。したがって、第二電極材料としては
アルカリ金属などの低仕事関数金属を使用することも可
能であるが、電極の安定性を考えると、白金、金、銀、
銅、鉄、錫、アルミニウム、マグネシウム、インジウム
などの金属、またはこれら金属と低仕事関数金属との合
金などを使用することが好ましい。また、あらかじめ有
機電界発光素子の薄膜層に低仕事関数金属を微量にドー
ピングしたり、薄膜層上にフッ化リチウムなど金属塩の
層を薄く形成し、その後に比較的安定な金属を第二電極
として形成することで、電子注入効率を高く保ちながら
安定な電極を得ることもできる。第二電極の形成方法も
抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング蒸着、
イオンプレーティング法などドライプロセスであれば特
に限定されない。
【0060】有機電界発光素子に含まれる薄膜層として
は、1)正孔輸送層/発光層、2)正孔輸送層/発光層
/電子輸送層、3)発光層/電子輸送層、そして、4)
上記の層構成物質を一層に混合した形態の発光層、のい
ずれであってもよい。すなわち、素子構成として有機化
合物からなる発光層が存在していれば、上記1)〜3)
の多層積層構造の他に4)のように発光材料単独または
発光材料と正孔輸送材料や電子輸送材料を含む発光層を
一層設けるだけでもよい。
【0061】正孔輸送層は正孔輸送材料単独で、あるい
は正孔輸送材料と高分子結着剤により形成される。正孔
輸送材料としては、低分子化合物ではN,N’−ジフェ
ニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−1,1’
−ジフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)やN,
N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−
ジフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)などに代表
されるトリフェニルアミン類、N−イソプロピルカルバ
ゾール、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化合物、ヒド
ラゾン系化合物、オキサジアゾール誘導体やフタロシア
ニン誘導体に代表される複素環化合物などを、またポリ
マー系では前記低分子化合物を側鎖に有するポリカーボ
ネートやスチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポ
リシランなどを好ましい例として挙げることができる。
【0062】単純マトリクス型発光装置の用途では各有
機電界発光素子の発光時間は短く、パルス電流を流すこ
とで瞬間的に高輝度に発光させることが必要になる。こ
のような場合に正孔輸送材料には優れた正孔輸送特性と
安定した薄膜形成能だけでなく、正孔輸送層中の電子の
漏れによる発光効率低下を防ぐために良好な電子ブロッ
キング特性が要求される。上記特性をバランスよく満足
させるために、本発明の製造方法においては下記に示す
ビスカルバゾリル骨格を含む有機化合物からなる有機層
を形成する工程を含むことが特に好ましい。
【0063】
【化1】 R1、R2は、水素、アルキル、ハロゲン、アリール、
アラルキルおよびシクロアルキルの中から選ばれる。ま
た、カルバゾリル骨格にはアルキル、アリール、アラル
キル、カルバゾリル、置換カルバゾリル、ハロゲン、ア
ルコキシ、ジアルキルアミノおよびトリアルキルシリル
基から選ばれる置換基が1つ以上連結されていてもよ
い。
【0064】発光材料としては、低分子化合物では以前
から発光体として知られていたアントラセン誘導体、ピ
レン誘導体、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム誘導
体、ビススチリルアントラセン誘導体、テトラフェニル
ブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール
誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ピロロピリジン誘
導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、オ
キサジアゾール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体な
どを、ポリマー系ではポリフェニレンビニレン誘導体、
ポリパラフェニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体など
を好ましい例として挙げることができる。また、発光層
にドーピングするドーパントとしては、ルブレン、キナ
クリドン誘導体、フェノキサゾン誘導体、DCM、ペリ
ノン誘導体、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ジアザ
インダセン誘導体などを好ましい例として挙げることが
できる。
【0065】電子輸送材料には陰極から注入された電子
を効率良く輸送することが要求されるので、大きな電子
親和力、大きな電子移動度、安定した薄膜形成能を有す
ることが好ましい。このような特性を満足させる材料と
して、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム誘導体、ヒ
ドロキシベンゾキノリンベリリウム誘導体、2−(4−
ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾール(t−BuPBD)や1,3
−ビス(4−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサ
ジゾリル)ビフェニレン(OXD−1)、1,3−ビス
(4−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジゾリ
ル)フェニレン(OXD−7)などのオキサジアゾール
誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体
などを好ましい例として挙げることができる。
【0066】上記の正孔輸送層、発光層、電子輸送層に
用いられる材料は単独で各層を形成することができる
が、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリ
レート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリサルフォン、ポリアミド、
エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレ
タン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キ
シレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、
シリコーン樹脂などの硬化性樹脂に分散させて用いるこ
ともできる。
【0067】上記正孔輸送層、発光層、電子輸送層など
の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッ
タリング蒸着法など特に限定されないが、一般的には抵
抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着などの方法が特性面で好ま
しい。有機層の厚みはその抵抗値にも関係するので限定
できないが、実用的には10〜1000nmの間から選
ばれる。
【0068】また、正孔輸送層や電子輸送層の全体、も
しくは一部分に無機材料を用いることも可能である。好
ましい例として炭化ケイ素、窒化ガリウム、セレン化亜
鉛、硫化亜鉛系の無機半導体材料を挙げることができ
る。
【0069】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0070】参考例 以下では下記実施例で使用したシャドーマスクの作製方
法を説明する。発光層用シャドーマスクの作製方法を以
下に説明する。はじめに、電鋳法によって電鋳母型上に
Ni−Co合金を析出させることで、図35に示すよう
なマスク部分31の周囲にメッシュ状余白部分38の接
続されたシートを形成した。次に、メッシュ状余白部分
を利用してこのシートに張力を加えながらマスク部分と
フレームとを重ね合わせ、両者を接着剤を用いて固定し
た。最後に、フレームからはみ出たメッシュ状余白部分
を切り取ることで、高い平面性を有する発光層用シャド
ーマスクを作製した。
【0071】第二電極用シャドーマスクの作製方法を図
36を参照しながら以下に説明する。まず、電鋳法によ
って電鋳母型上にNiを析出させることで、あらかじめ
メッシュ状の補強線を形成しておいた。はじめに、
(a)フォトレジスト20のパターンを有する電鋳母型
21上に、(b)Ni−Co合金を析出させることでマ
スク部分31を形成して、その後(c)フォトレジスト
のみを除去した。次に(d)補強線33に張力22を加
えながらマスク部分に重ね合わせ、電着現象によって両
者の接触部分にNiを析出させることで両者を接続し
た。さらに、(e)張力を保持しながら接続したマスク
部分と補強線とを取り外し、(f)マスク部分とフレー
ム34とを重ね合わせ、両者を接着剤を用いて固定し
た。最後にフレームからはみ出た補強線を切り取ること
で、高い平面性を有する第二電極用シャドーマスクを作
製した。
【0072】実施例1 発光層パターニング用として、図17に示したようにマ
スク部分と補強線とが同一平面内に形成された構造のシ
ャドーマスクを用意した。シャドーマスクの外形は12
0×84mm、マスク部分31の厚さは25μmであ
り、長さ64mm、幅300μmのストライプ状開口部
32がピッチ900μmで横方向に92本配置されてい
る。各ストライプ状開口部には、開口部と直交する幅2
0μmの補強線33が1.8mmおきに形成されてい
る。また、シャドーマスクは外形が等しい幅4mmのス
テンレス鋼製フレーム34に固定されている。
【0073】第二電極パターニング用として、図30お
よび図31に示すようにマスク部分31の一方の面35
と補強線33との間に隙間36が存在する構造のシャド
ーマスクを用意した。シャドーマスクの外形は120×
84mm、マスク部分の厚さは170μmであり、長さ
100mm、幅770μmのストライプ状開口部32が
ピッチ900μmで横方向に66本配置されている。マ
スク部分の上には、幅45μm、厚さ40μm、対向す
る二辺の間隔が200μmの正六角形構造からなるメッ
シュ状の補強線が形成されている。隙間の高さはマスク
部分の厚さと等しく170μmである。また、シャドー
マスクは外形が等しい幅4mmのステンレス鋼製フレー
ム34に固定されている。
【0074】第一電極は以下のとおりパターニングし
た。厚さ1.1mmの無アルカリガラス基板表面にスパ
ッタリング蒸着法によって厚さ130nmのITO透明
電極が形成されたITOガラス基板(ジオマテック社
製)を120×100mmの大きさに切断した。ITO
基板上にフォトレジストを塗布して、通常のフォトリソ
法による露光、現像によってフォトレジストをパターニ
ングした。ITOの不要部分をエッチングした後にフォ
トレジストを除去することで、ITOを長さ90mm、
幅270μmのストライプ形状にパターニングした。図
8に示したように、このストライプ状第一電極2は30
0μmピッチで横方向に272本配置されている。
【0075】スペーサーは以下のとおり形成した。ポリ
イミド系の感光性コーティング剤(東レ社製、UR−3
100)をスピンコート法により前記ITO基板上に塗
布して、クリーンオーブンによる窒素雰囲気下で80
℃、1時間プリベーキングした。さらに、前記塗布膜に
フォトマスクを介して紫外光を露光して所望部分を光硬
化させ、現像液(東レ社製、DV−505)を用いて現
像した。最後にパターニングされた前記塗布膜をクリー
ンオーブン中で180℃、30分間、さらに、250
℃、30分間ベーキングして、図1〜3に示したような
第一電極に直交するスペーサー4を形成した。この半透
明なスペーサーは、長さ90mm、幅150μm、高さ
4μmであり、900μmピッチで横方向に67本配置
されている。また、このスペーサーは良好な電気絶縁性
を有していた。
【0076】上記スペーサーを形成したITO基板を洗
浄した後で真空蒸着機内にセットした。また、上記発光
層用シャドーマスク3枚、第二電極用シャドーマスク1
枚を真空蒸着機内にセットした。本真空蒸着機では、真
空中においてそれぞれが10μm程度の精度で基板と位
置合わせができるように、上記4種類のシャドーマスク
を交換することが可能である。
【0077】薄膜層は抵抗線加熱方式による真空蒸着法
によって以下のように形成した。なお、蒸着時の真空度
は2×10-4Pa以下であり、蒸着中は蒸着源に対して
基板を回転させた。
【0078】まず、図16に示したような配置におい
て、水晶振動子方式の膜厚モニター表示値で銅フタロシ
アニンを20nm、ビス(N−エチルカルバゾール)を
200nm基板全面に蒸着して正孔輸送層5を形成し
た。
【0079】次に、第一の発光層用シャドーマスクを基
板前方に配置して両者を密着させ、基板後方にはフェラ
イト系板磁石(日立金属社製、YBM−1B)を配置し
た。この際、図18および図19に示したように、スト
ライプ状第一電極2がシャドーマスクのストライプ状開
口部32の中心に位置し、補強線33がスペーサー4の
位置と一致し、かつ補強線とスペーサーが接触するよう
に、両者は位置合わせされている。この状態で8−ヒド
ロキシキノリン−アルミニウム錯体(Alq3)を30
nm蒸着して、G発光層をパターニングした。次に、前
記G発光層のパターニングと同様にして第二の発光層用
シャドーマスクを使用し、1wt%の4−(ジシアノメ
チレン)−2−メチル−6−(パラジメチルアミノスチ
リル)−4−ピラン(DCM)をドーピングしたAlq
3を30nm蒸着して、R発光層をパターニングした。
なお、第三の発光層用シャドーマスクは使用せず、本実
施例ではB発光層のパターニングは行わなかった。
【0080】さらに、図21に示したような配置におい
て、4,4’−ビス(2,2’ジフェニルビニル)ビフ
ェニル(DPVBi)を90nm、Alq3を30nm
基板全面に蒸着してB発光層を兼用する電子輸送層7を
形成した。この後に、薄膜層をリチウム蒸気にさらして
ドーピング(膜厚換算量0.5nm)した。
【0081】第二電極は抵抗線加熱方式による真空蒸着
法によって以下のように形成した。なお、蒸着時の真空
度は3×10-4Pa以下であり、蒸着中は2つの蒸着源
に対して基板を回転させた。
【0082】上記発光層のパターニングと同様に、第二
電極用シャドーマスクを基板前方に配置して両者を密着
させ、基板後方には磁石を配置した。この際、図7に示
したように、スペーサー4がマスク部分31の位置と一
致するように両者は位置合わせされている。この状態で
アルミニウムを400nmの厚さに蒸着して第二電極8
をパターニングした。
【0083】最後に、図21に示したような配置におい
て、一酸化ケイ素を200nm電子ビーム蒸着法によっ
て基板全面に蒸着して、保護層を形成した。
【0084】上記のようにして、図32〜34に模式的
に示すように、幅270μm、ピッチ300μm、本数
272本のITOストライプ状第一電極2上に、パター
ニングされたRG発光層6およびB発光層を兼用する電
子輸送層7を含む薄膜層10が形成され、前記第一電極
と直交するように幅750μm、ピッチ900μmのス
トライプ状第二電極8が66本配置された単純マトリク
ス型カラー発光装置を作製した。RGBからなる3つの
発光領域が1画素を形成するので、本発光装置は900
μmピッチで90×66画素を有する。
【0085】本発光装置では電子輸送層が図33に示す
ように基板全面に形成されており、パターニング工程の
簡略化と、すでに述べた発光装置の特性劣化を防ぐ効果
をもつ構造である。さらに、2回の発光層パターニング
工程でRGBの3色の発光領域が形成されており、パタ
ーニング工程数の減少が可能な構造でもある。
【0086】各ストライプ状第二電極は、シャドーマス
クの補強線によって分断されることなく100mmの長
さ方向に渡って電気的に十分低抵抗であった。一方、幅
方向に隣り合う第二電極同士の短絡は皆無で、完全に絶
縁されていた。
【0087】本発光装置の発光領域は270×750μ
mの大きさでRGBそれぞれ独立の色で均一に発光し
た。また、発光層のパターニング時における発光材料の
回り込みなどによる発光領域の発光色純度低下も認めら
れなかった。
【0088】また、回路内に発生した蓄積電荷を走査ラ
イン選択切り替え時に放電する機能をもつ線順次駆動回
路によって、この発光装置を線順次駆動したところ、明
瞭なパターン表示とそのマルチカラー化が可能であっ
た。
【0089】実施例2 正孔輸送層を形成するまでは実施例1と同様に行った。
次に、第一の発光層用シャドーマスクを基板前方に配置
して両者を密着させ、基板後方にはフェライト系板磁石
(日立金属社製、YBM−1B)を配置した。この際、
図18および図19に示したように、ストライプ状第一
電極2がシャドーマスクのストライプ状開口部32の中
心に位置し、補強線33がスペーサー4の位置と一致
し、かつ補強線とスペーサーが接触するように、両者は
位置合わせされている。この状態でAlq3を30nm
蒸着して、G発光層をパターニングした。次に、前記G
発光層のパターニングと同様にして第二の発光層用シャ
ドーマスクを使用し、1wt%のDCMをドーピングし
たAlq3を40nm蒸着して、R発光層をパターニン
グした。さらに、同様にして第三の発光層用シャドーマ
スクを使用し、DPVBiを30nm蒸着して、B発光
層をパターニングした。
【0090】それぞれの発光層は図20に示したように
ストライプ状第一電極2の3本おきに配置され、前記第
一電極の露出部分を完全に覆っている。
【0091】さらに、図21に示したような配置におい
て、DPVBiを90nm、Alq3を30nm基板全
面に蒸着して電子輸送層7を形成した。この後に、薄膜
層10をリチウム蒸気にさらしてドーピング(膜厚換算
量0.5nm)した。
【0092】その後、第二電極のパターニングおよび保
護層の形成は実施例1と同様に行った。
【0093】上記のようにして、図1〜3に模式的に示
すように、幅270μm、ピッチ300μm、本数27
2本のITOストライプ状第一電極2上に、パターニン
グされたRGB発光層6を含む薄膜層10が形成され、
前記第一電極と直交するように幅750μm、ピッチ9
00μmのストライプ状第二電極8が66本配置された
単純マトリクス型カラー発光装置を作製した。RGBか
らなる3つの発光領域が1画素を形成するので、本発光
装置は900μmピッチで90×66画素を有する。
【0094】本発光装置では電子輸送層が図2に示すよ
うに基板全面に形成されており、パターニング工程の簡
略化と、すでに述べた発光装置の特性劣化を防ぐ効果を
もつ構造である。各ストライプ状第二電極は、実施例1
と同様に長さ方向に渡って電気的に十分低抵抗であり、
短絡は皆無であった。
【0095】作製した発光装置の発光領域は270×7
50μmの大きさでRGBそれぞれ独立の色で均一に発
光した。また、発光層のパターニング時における発光材
料の回り込みなどによる発光領域の発光色純度低下も認
められなかった。
【0096】また、実施例1と同様にこの発光装置を線
順次駆動したところ、明瞭なパターン表示とそのマルチ
カラー化が可能であった。
【0097】実施例3 実施例1と同様の工程で第一電極のITOを長さ90m
m、幅280μmのストライプ形状にパターニングした
後に、フォトレジストを除去した。実施例1と同様に、
このストライプ状第一電極はガラス基板上に300μm
ピッチで横方向に272本配置されている。
【0098】次に、スペーサーを以下のとおり形成し
た。40%メタクリル酸、30%のメチルメタクリレー
トおよび30%のスチレンからなる共重合体のカルボキ
シル基に対して0.4当量のグリシジルメタクリレート
を付加反応させ、側鎖のカルボキシル基とエチレン不飽
和基を有するアクリル系共重合体を得た。このアクリル
共重合体50重量部、光反応性化合物として2官能ウレ
タンアクリレート系オリゴマー(日本化薬社製、UX−
4101)20重量部、アクリル系モノマーとしてヒド
ロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジア
クリレート(日本化薬社製、HX−220)20重量部
にシクロヘキサン200重量部を加え、1時間常温で攪
拌して樹脂成分溶液を得た。この樹脂成分溶液に、光重
合開始剤としてジエチルチオキサントン(日本化薬社
製、DETX−S)8重量部、増感剤としてp−ジメチ
ルアミノ安息香酸エチルエステル(日本化薬社製、EP
A)3重量部を加え、さらに着色剤としてアゾ系クロム
錯塩の油溶性染料メチルエチルケトン/メチルイソブチ
ルケトン30重量%溶液(オリエント化学社製、380
4T)とフタロシアニン系黒色顔料とを添加して、20
分間常温で攪拌して感光性黒色ペーストを得た。
【0099】この感光性黒色ペーストの濃度を調節して
からスピンコート法により前記ITO基板上に塗布し
て、クリーンオーブンによる窒素雰囲気下で80℃、5
分間プリベーキングした。さらに、前記塗布膜にフォト
マスクを介して紫外光を露光して所望部分を光硬化さ
せ、0.4容積%の2−アミノエタノール水溶液で現像
した。最後にパターニングされた前記塗布膜をクリーン
オーブン中で120℃、30分間ベーキングして、図1
3〜15に示したようにマトリクス状の第1のスペーサ
ー3を形成した。この黒色のスペーサーは高さ0.5μ
mであり、このスペーサーが存在しない270×750
μmの大きさの領域には第一電極が露出している。ま
た、この第一のスペーサーは第一電極の端部5μmを被
覆するように形成した。
【0100】さらに、前記感光性黒色ペーストを使用し
て、同様のフォトリソ工程により、第二のスペーサー4
を形成した。この黒色のスペーサーは、図13〜15に
示したように前記第一のスペーサーにおける第一電極と
直交する部分の上に重ねて形成されており、長さ90m
m、幅130μm、高さ4μmであり、900μmピッ
チで横方向に67本配置されている。なお、上記2種類
のスペーサーはそれぞれ良好な電気絶縁性を有してい
た。
【0101】上記以外は実施例1と同様にして、図13
〜15に模式的に示すような単純マトリクス型カラー発
光装置を作製した。RGBからなる3つの発光領域が1
画素を形成するので、本発光装置は900μmピッチで
90×66画素を有する。
【0102】各ストライプ状第二電極は、実施例1と同
様に長さ方向に渡って電気的に十分低抵抗であり、短絡
は皆無であった。
【0103】作製した発光装置の発光領域は270×7
50μmの大きさでRGBそれぞれ独立の色で均一に発
光した。また、発光層のパターニング時における発光材
料の回り込みなどによる発光領域の発光色純度低下も認
められなかった。
【0104】また、実施例1と同様にこの発光装置を線
順次駆動したところ、明瞭なパターン表示とそのマルチ
カラー化が可能であった。さらに、発光領域の周囲に黒
色のスペーサーが形成されており、ブラックマトリクス
として機能することから、実施例1および2に比べて表
示コントラストが向上した。
【0105】比較例1スペーサーを形成しなかったこと
以外は、実施例1と同様にして単純マトリクス型カラー
発光装置を作製した。
【0106】実施例1と同様に、各ストライプ状第二電
極はシャドーマスクの補強線によって分断されることな
く100mmの長さ方向に渡って電気的に十分低抵抗で
あり、幅方向に隣り合う第二電極同士の短絡は皆無であ
った。また、発光領域も270×750μmの大きさで
RGBそれぞれ独立の色で均一に発光し、発光層のパタ
ーニング時における発光材料の回り込みなどによる各発
光領域の発光色純度低下も認められなかった。
【0107】しかしながら、この発光装置を線順次駆動
したところ、シャドーマスクの接触の際に薄膜層がダメ
ージを受けたため、非発光領域の存在が目立ち、また、
クロストーク現象が発生したため、明瞭なパターン表示
をすることができなかった。
【0108】比較例2 開口部の形状は同じであるが、補強線が形成されていな
い発光層用シャドーマスクを使用したこと以外は、実施
例1と同様にして単純マトリクス型カラー発光装置を作
製した。
【0109】実施例1と同様に、各ストライプ状第二電
極はシャドーマスクの補強線によって分断されることな
く100mmの長さ方向に渡って電気的に十分低抵抗で
あり、幅方向に隣り合う第二電極同士の短絡は皆無であ
った。また、発光領域の大きさも270×750μmの
大きさであった。
【0110】しかしながら、発光層のパターニング時に
おける発光材料の回り込みにより、各発光領域の発光色
はRGBが混合した状態であった。また、発光層の膜厚
むらによる各発光領域間の発光輝度むらが認めらた。
【0111】また、この発光装置を線順次駆動したとこ
ろ、明瞭なパターン表示をすることは可能であったが、
マルチカラー化については不鮮明であった。
【0112】比較例3 開口部の形状は同じであるが、メッシュ状の補強線が形
成されていない第二電極用シャドーマスクを使用したこ
と以外は、実施例1と同様にして単純マトリクス型カラ
ー発光装置を作製した。
【0113】しかしながら、各ストライプ状第二電極の
幅は長さ方向において大きく異なり、一部の第二電極は
長さ方向の途中で断線しており、多くの第二電極は幅方
向に隣り合う第二電極と完全に短絡していた。また、発
光領域の大きさも非常に大きくばらついた。この発光装
置を線順次駆動したが、隣り合う第二電極同士の短絡に
よりパターン表示をすることは不可能であった。
【0114】実施例4 発光層パターニング用として、図17に示したマスク部
分と補強線とが同一平面内に形成された構造のシャドー
マスクを用意した。シャドーマスクの外形は120×8
4mm、マスク部分31の厚さは25μmであり、長さ
64mm、幅100μmのストライプ状開口部32がピ
ッチ300μmで横方向に272本配置されている。各
ストライプ状開口部には、開口部と直交する幅20μm
の補強線33が1.8mmおきに形成されている。ま
た、シャドーマスクは外形が等しい幅4mmのステンレ
ス鋼製フレーム34に固定されている。
【0115】第二電極パターニング用として、図30お
よび図31に示したマスク部分31の一方の面35と補
強線33との間に隙間36が存在する構造のシャドーマ
スクを用意した。シャドーマスクの外形は120×84
mm、マスク部分の厚さは100μmであり、長さ10
0mm、幅245μmのストライプ状開口部32がピッ
チ300μmで横方向に200本配置されている。マス
ク部分の上には、幅40μm、厚さ35μm、対向する
二辺の間隔が200μmの正六角形構造からなるメッシ
ュ状の補強線が形成されている。隙間の高さはマスク部
分の厚さと等しく100μmである。また、シャドーマ
スクは外形が等しい幅4mmのステンレス鋼製フレーム
34に固定されている。
【0116】まず、実施例1と同様の工程で第一電極の
ITOを長さ90mm、幅70μmのストライプ形状に
パターニングした。図8に示したように、このストライ
プ状第一電極2は100μmピッチで横方向に816本
配置されている。
【0117】次に、実施例1と同様のフォトリソ工程に
より、図1〜3に示したような第一電極に直交するスペ
ーサー4を形成した。この半透明なスペーサーは、長さ
90mm、幅60μm、高さ4μmであり、300μm
ピッチで横方向に201本配置されている。また、この
スペーサーは良好な電気絶縁性を有していた。
【0118】上記のシャドーマスクを使用して、実施例
1と同様にして単純マトリクス型カラー発光装置を作製
した。この発光装置では、図32〜34に模式的に示す
ように、幅70μm、ピッチ100μm、本数816本
のITOストライプ状第一電極2上に、パターニングさ
れたRG発光層6およびB発光層を兼用する電子輸送層
7を含む薄膜層10が形成され、前記第一電極と直交す
るように幅240μm、ピッチ300μmのストライプ
状第二電極8が200本配置されている。RGBからな
る3つの発光領域が1画素を形成するので、本発光装置
は300μmピッチで272×200画素を有する。
【0119】各ストライプ状第二電極は、シャドーマス
クの補強線によって分断されることなく100mmの長
さ方向に渡って電気的に十分低抵抗であった。一方、幅
方向に隣り合う第二電極同士の短絡は皆無で、完全に絶
縁されていた。
【0120】本発光装置の発光領域は70×240μm
の大きさでRGBそれぞれ独立の色で均一に発光した。
また、発光層のパターニング時における発光材料の回り
込みなどによる発光領域の発光色純度低下も認められな
かった。
【0121】また、回路内に発生した蓄積電荷を走査ラ
イン選択切り替え時に放電する機能をもつ線順次駆動回
路によって、この発光装置を線順次駆動したところ、明
瞭なパターン表示とそのマルチカラー化が可能であっ
た。
【0122】実施例5 スペーサーを形成するまでは実施例4と同様に行った。
まず、図16に示したような配置において、水晶振動子
方式の膜厚モニター表示値で銅フタロシアニンを30n
m、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−
1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)
を120nm基板全面に蒸着して正孔輸送層5を形成し
た。
【0123】次に、第一の発光層用シャドーマスクを基
板前方に配置して両者を密着させ、基板後方にはフェラ
イト系板磁石(日立金属社製、YBM−1B)を配置し
た。この際、図18および図19に示したように、スト
ライプ状第一電極2がシャドーマスクのストライプ状開
口部32の中心に位置し、補強線33がスペーサー4の
位置と一致し、かつ補強線とスペーサーが接触するよう
に、両者は位置合わせされている。この状態で、0.3
wt%の1,3,5,7,8−ペンタメチル−4,4−
ジフロロ−4−ボラ3a,4a−ジアザ−s−インダセ
ン(PM546)をドーピングしたAlq3を43nm
蒸着して、G発光層をパターニングした。次に、前記G
発光層のパターニングと同様にして第二の発光層用シャ
ドーマスクを使用し、1wt%の4−(ジシアノメチレ
ン)−2−メチル−6−(ジュロリジルスチリル)−ピ
ラン(DCJT)をドーピングしたAlq3を30nm
蒸着して、R発光層をパターニングした。さらに、同様
にして第三の発光層用シャドーマスクを使用し、DPV
Biを40nm蒸着して、B発光層をパターニングし
た。それぞれの発光層は図20に示したようにストライ
プ状第一電極2の3本おきに配置され、前記第一電極の
露出部分を完全に覆っている。
【0124】さらに、図21に示したような配置におい
て、DPVBiを70nm、Alq3を20nm基板全
面に蒸着して電子輸送層7を形成した。この後に、薄膜
層10をリチウム蒸気にさらしてドーピング(膜厚換算
量0.5nm)した。
【0125】その後、第二電極のパターニングおよび保
護層の形成は実施例4と同様に行った。
【0126】上記のようにして、図1〜3に模式的に示
すように、幅70μm、ピッチ100μm、本数816
本のITOストライプ状第一電極2上に、パターニング
されたRGB発光層6を含む薄膜層10が形成され、前
記第一電極と直交するように幅240μm、ピッチ30
0μmのストライプ状第二電極8が200本配置された
単純マトリクス型カラー発光装置を作製した。RGBか
らなる3つの発光領域が1画素を形成するので、本発光
装置は300μmピッチで272×200画素を有す
る。
【0127】各ストライプ状第二電極は、シャドーマス
クの補強線によって分断されることなく100mmの長
さ方向に渡って電気的に十分低抵抗であった。一方、幅
方向に隣り合う第二電極同士の短絡は皆無で、完全に絶
縁されていた。
【0128】本発光装置の発光領域は70×240μm
の大きさでRGBそれぞれ独立の色で均一に発光した。
また、発光層のパターニング時における発光材料の回り
込みなどによる発光領域の発光色純度低下も認められな
かった。さらに、発光層へのドーピングにより実施例4
に比べて発光色純度が向上した。
【0129】また、回路内に発生した蓄積電荷を走査ラ
イン選択切り替え時に放電する機能をもつ線順次駆動回
路によって、この発光装置を線順次駆動したところ、明
瞭なパターン表示とそのマルチカラー化が可能であっ
た。
【0130】
【発明の効果】本発明の有機電界発光装置の製造方法
は、シャドーマスクを少なくとも一部分が薄膜層の厚さ
を上回る高さをもつスペーサーに密着するため薄膜層を
傷つけることがないので、有機電界発光素子の特性を劣
化させることがない。磁力によって基板とシャドーマス
クとの密着性を向上させたり、両者の位置合わせを行う
場合に、この効果は特に大きい。
【0131】そのうえ、補強線によりシャドーマスクの
開口部の形状が変形しないので、マスク法によって発光
層や第二電極などの微細パターニングを高精度に実現す
ることが可能である。
【0132】さらに第二電極のパターニング方法として
例示したように、補強線の影となる部分に蒸着物を回り
込ませて蒸着せしめることもできるので、多様な蒸着角
度が存在するような条件でもパターニングを高精度に実
現することが可能である。したがって、多数の蒸着源を
使用して蒸着したり、スパッタリング蒸着法などを利用
することができるので、広い面積に渡って均一なパター
ニングを実現する場合に、この効果は特に大きい。
【0133】また、一度の蒸着工程で任意の形状をパタ
ーニングできるので、工程数を少なくすることが可能で
ある。また、製造する発光装置の構造が限定されること
がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって製造された有機電界発光装置の
一例を示す平面図。
【図2】図1のII’断面図。
【図3】図1のII II'断面図。
【図4】本発明において使用されるシャドーマスクの一
例を示す平面図。
【図5】図4のII’断面図。
【図6】本発明における第二電極パターニング方法の一
例を説明するII'断面図。
【図7】本発明における第二電極パターニング方法の一
例を説明するII II'断面図(図6の側面図)。
【図8】第一電極パターンの一例を示す平面図。
【図9】本発明において形成されたスペーサーの一例を
示す平面図。
【図10】本発明によって製造された有機電界発光装置
の別の一例を示す平面図。
【図11】図10のII’断面図。
【図12】図10のII II'断面図。
【図13】本発明によって製造された有機電界発光装置
の別の一例を示す平面図。
【図14】図13のII’断面図。
【図15】図13のII II'断面図。
【図16】正孔輸送層の形成方法を説明するII’断面
図。
【図17】本発明において使用されるシャドーマスクの
別の一例を示す平面図。
【図18】本発明における発光層パターニング方法の一
例を説明するII’断面図。
【図19】本発明における発光層パターニング方法の一
例を説明するII II'断面図(図18の側面図)。
【図20】本発明においてパターニングされた発光層の
一例を示す平面図。
【図21】電子輸送層の形成方法を説明するII’断面
図。
【図22】本発明においてパターニングされた別の電子
輸送層の一例を示すII’断面図。
【図23】図4のIII III'断面図。
【図24】本発明において使用されるシャドーマスクの
別の一例を示すIII III'断面図。
【図25】本発明において使用されるシャドーマスクの
別の一例を示すIII III'断面図。
【図26】本発明において使用されるシャドーマスクの
別の一例を示す平面図。
【図27】本発明における第二電極パターニング方法の
別の一例を説明するII'断面図。
【図28】本発明における第二電極パターニング方法の
別の一例を説明するIIII'断面図(図27の側面図)。
【図29】本発明において使用されるクッション部分を
有するシャドーマスクの一例を示すIII III'断面図。
【図30】実施例1で使用した第二電極パターニング用
のシャドーマスクを示す平面図。
【図31】図30のII’断面図。
【図32】実施例1で製造した有機電界発光装置を示す
平面図。
【図33】図32のII’断面図。
【図34】図32のII II'断面図。
【図35】実施例で使用した発光層パターニング用のシ
ャドーマスクの製造方法を説明する平面図。
【図36】実施例で使用した第二電極パターニング用の
シャドーマスクの製造方法を説明する断面図。
【図37】従来の有機電界発光素子の一例を示す断面
図。
【符号の説明】
1 基板 2 第一電極 3 第一のスペーサー 4 スペーサー(第二のスペーサー) 5 正孔輸送層 6 発光層 7 電子輸送層 8 第二電極 9 駆動源 10 薄膜層 11 正孔輸送材料 12 発光材料 13 電子輸送材料 14 第二電極材料 20 フォトレジスト 21 電鋳母型 22 張力 31 マスク部分 32 開口部 33 補強線 34 フレーム 35 マスク部分の一方の面 36 隙間 37 クッション部分 38 メッシュ状余白部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05B 33/22 H05B 33/22 D

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された第一電極と、少なくと
    も有機化合物からなる発光層を含み前記第一電極上に形
    成された薄膜層と、前記薄膜層上に形成された複数の第
    二電極とを含み、前記基板上に複数の発光領域を有する
    有機電界発光装置の製造方法であって、少なくとも一部
    分が前記薄膜層の厚さを上回る高さをもつスペーサーを
    前記基板上に形成する工程と、開口部を横切るようにし
    て形成された補強線を有するシャドーマスクを前記スペ
    ーサーに密着させた状態で蒸着物を蒸着せしめることに
    よりパターニングする工程とを含むことを特徴とする有
    機電界発光装置の製造方法。
  2. 【請求項2】マスク部分と補強線との少なくとも一方が
    磁性材料からなるシャドーマスクを磁力によってスペー
    サーに密着させることを特徴とする請求項1記載の有機
    電界発光装置の製造方法。
  3. 【請求項3】補強線の影となる部分に蒸着物を回り込ま
    せて蒸着せしめることによりパターニングすることを特
    徴とする請求項1記載の有機電界発光装置の製造方法。
  4. 【請求項4】スペーサーと接触しない補強線を有するシ
    ャドーマスクを使用して第二電極をパターニングするこ
    とを特徴とする請求項1記載の有機電界発光装置の製造
    方法。
  5. 【請求項5】スペーサーと接触する補強線を有するシャ
    ドーマスクを使用して発光層をパターニングすることを
    特徴とする請求項1記載の有機電界発光装置の製造方
    法。
  6. 【請求項6】第一電極は横方向に間隔をあけて基板上に
    配置された複数のストライプ状電極であり、第二電極
    は、補強線の影となる部分に蒸着物を回り込ませて蒸着
    せしめることにより、横方向に間隔をあけて配置され、
    前記第一電極に対して交差する複数のストライプ状電極
    にパターニングされることを特徴とする請求項1記載の
    有機電界発光装置の製造方法。
  7. 【請求項7】スペーサーを第一電極に沿って第一電極間
    に位置するように形成することを特徴とする請求項6記
    載の有機電界発光装置の製造方法。
  8. 【請求項8】スペーサーを第一電極の端部を被覆するよ
    うに形成することを特徴とする請求項7記載の有機電界
    発光装置の製造方法。
  9. 【請求項9】スペーサーを第一電極と交差して第二電極
    間に位置するように形成することを特徴とする請求項6
    記載の有機電界発光装置の製造方法。
  10. 【請求項10】薄膜層の一部としてビスカルバゾリル骨
    格を含む有機化合物からなる有機層を形成する工程を含
    むことを特徴とする請求項1記載の有機電界発光装置の
    製造方法。
  11. 【請求項11】スペーサーの少なくとも一部分を黒色化
    することを特徴とする請求項1記載の有機電界発光装置
    の製造方法。
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