JPH11181548A - 被削性に優れた冷間工具鋼 - Google Patents
被削性に優れた冷間工具鋼Info
- Publication number
- JPH11181548A JPH11181548A JP34744197A JP34744197A JPH11181548A JP H11181548 A JPH11181548 A JP H11181548A JP 34744197 A JP34744197 A JP 34744197A JP 34744197 A JP34744197 A JP 34744197A JP H11181548 A JPH11181548 A JP H11181548A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- machinability
- steel
- tool steel
- present
- toughness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
供えた被削性に優れた冷間工具鋼を提供すること。 【解決手段】 重量%で、C:0.65〜1.3%、S
i:2.0%以下、Mn:1.5%以下、Cr:5.0
〜11.0%、MoまたはWのいずれか1種または2種
をMo当量(Mo+1/2W):1.0〜5.0%、V
またはNbの1種または2種を、V+1/2Nb:0.
1〜1.0%、S:0.010〜0.10%、残部Fe
および不可避的不純物よりなることを特徴とする被削性
に優れた冷間工具鋼。
Description
間工具鋼に関するものである。
KD11が広く使用されている。しかし、塑性加工技術
の進歩や被加工材の高強度化に伴い、使用される工具へ
の応力負荷が大きくなり、500℃焼き戻しで60HR
Cの硬さが得られる点で優れているが、しかしながら、
SKD11鋼においては、粗大なCr系共晶炭化物を含
有するために被削性に劣る。一方、快削性を付与するた
めに、Sを添加することが広く知られているが、同時に
耐衝撃性が低下すると言う問題がある。このような問題
に対して、例えば特公昭41−17441号公報、特公
昭63−66384号公報、特開平8−120333号
公報、および特公平3−36897号公報等の発明が提
案されている。
−17441号公報はSを二硫化モリブデンの形で含ま
せて、潤滑性を向上させ、工具等の耐摩耗性を良好とす
ると共に、衝撃性を低下させないと言うものである。し
かしながら、この発明には、Crが含有せず、かつ、V
+1/2Nbの規制が全く開示されていない。また、特
公昭63−66384号公報は、REM添加によって、
非金属介在物を大幅に粒状化させることによって、被削
性の向上と、耐衝撃性が著しく優れると言うものである
が、この発明には、本発明の特徴とするVおよびNb添
加におけるV+1/2Nbの規制がされていない。
は、前述したJIS−SKD11の粗大なCr系共晶炭
化物を含有することによる被削性の劣化に対応して、耐
摩耗性を劣化させることなく、被削性の改善を図ったも
のであるが、この発明も、本発明の成分組成とするMo
とWの1種または2種をMo+W/2で1.0〜5.0
%とし、かつ、VとNbの1種または2種をV+Nb/
2で0.1〜1.0%なる成分組成を規制した記載が全
くない。
C:0.65〜0.89%、Si:0.50〜1.50
%、Mn:0.30〜1.50%、Cr:8.1〜1
0.0%、Mo:0.75〜1.95%、V:0.5〜
1.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなること
を特徴とする炭化物被覆処理用硬度高靱性冷間工具鋼で
あり、高靱性を活用し、通常の熱処理後の強度、靱性が
従来鋼であるJIS−SKD11よりも優れている鋼で
あるが、本発明は、さらにこれらに加えて、焼鈍状態お
よび焼入焼戻状態での被削性、研削性が著しく向上する
成分バランスを見出したものである。
発明に加えて、低C−低Cr鋼でのS添加により、強
度、耐摩耗性、および靱性を劣化させることなく、被削
性の向上を図るものであって、その発明の要旨とすると
ころは、重量%で、C:0.65〜1.3%、Si:
2.0%以下、Mn:1.5%以下、Cr:5.0〜1
1.0%、MoまたはWのいずれか1種または2種をM
o当量(Mo+1/2W):1.0〜5.0%、Vまた
はNbの1種または2種を、V+1/2Nb:0.1〜
1.0%、S:0.010〜0.10%,残部Feおよ
び不可避的不純物よりなることを特徴とする被削性に優
れた冷間工具鋼にある。
作用およびその限定理由を説明する。Cは焼入焼戻によ
り、十分なマトリックス硬さを与えると共に、Cr,M
o,Vなどと結合して炭化物を形成し、高温強度、耐摩
耗性を与える元素である。しかし、添加量が多過ぎる
と、凝固時に粗大炭化物が過剰に析出し靱性を阻害する
ことから、Cの上限を1.3%とした。一方、0.65
%未満では、十分な二次硬化硬さが得られないので、そ
の下限を0.65%としたが、強度靱性の最適バランス
を得るためには、0.75〜1.1%の範囲が望まし
い。
に、耐酸化性、焼入性に有効な元素であると共に、焼戻
過程において炭化物の凝集を抑え二次硬化を促進する元
素である。しかし、2.0%を越えて添加すると、靱性
を低下させるので、その上限を2.0%とした。Mn
は、Siと同様に脱酸剤として添加し鋼の清浄度を高め
ると共に焼入れ性を高める元素である。しかしながら、
1.5%を越えて添加すると、冷間加工性を阻害するう
えに靱性を低下させるので、その上限を1.5%とし
た。
化抵抗を高める有効な元素である。この硬化を満足する
ためには、少なくとも5.0%以上必要である。従っ
て、その下限を5.0%とした。一方、Crは、凝固時
にCと結合して巨大一次炭化物を形成し易く、過剰な添
加は、靱性を低下させるため、その上限を11.0%、
とした。
し、二次硬化に寄与する重量な元素であると共に、耐軟
化抵抗性を改善する元素である。ただし、その効果はM
oの方がWよりも2倍強く、同じ効果を得るのに、Wは
Moの2倍必要である。この両元素の効果は、Mo当量
(Mo+1/2W)で表すことができる。本発明成分系
においては、Mo当量で少なくとも1.0%以上が必要
である。逆に、Mo当量の過剰添加は、靱性を低下を招
くので、その上限を5.0%とした。
Cと硬い炭化物を形成して耐摩耗性の向上に大きく寄与
すると共に結晶粒を微細化する。ただし、その効果はV
の方がNbよりも2倍強く、同じ効果を得るのに、Nb
はVの2倍必要である。この両元素の効果はV当量(V
+1/2Nb)で表すことができる。本発明成分系にお
いては、高温焼戻し硬度を得るためには、V当量で少な
くとも0.1%以上が必要である。過剰な添加は靱性を
劣化させるため、その上限を1.0%とした。
うえで欠くことのできない元素であり、その目的達成の
ためには、0.010%以上添加する必要がある。しか
し、0.10%を超えて過多に添加するときは、熱間延
性を劣化させるので、その上限を0.10%とする。本
発明の冷間工具鋼は、以上の元素によって構成されるも
のであり、成形金型用鋼としての強度、耐摩耗性、およ
び靱性を満たしつつ、被削性が良好で金型製作費を安価
に抑えることができる。
説明する。表1に示す組成の鋼600kgを真空誘導溶
解炉にて出鋼した後、加熱温度1100℃、鍛錬比15
sで鍛伸を行い、室温まで徐冷した後、860℃にて焼
鈍を施し供試材とした。この試験片と金型を1040℃
に30分保持後、空冷して焼入し、520℃で60分保
持後、空冷処理を2回繰り返した。また、摩耗試験は、
SCM420(86HRB)を相手材とし、摩耗距離2
00m、最終荷重62Nの条件下で行い、試験結果は比
較鋼8の摩耗量を100として表した。
実際の金型を型彫りしてその所要時間を比較鋼8の金型
用鋼を1として、試験材と比較することによって行っ
た。その結果を表1に示す。表1に示すように、本発明
鋼No1〜7はいずれも型彫り所要時間は比較鋼に比べ
て20〜40%程度短縮されており、被削性が著しく改
善されていることが判る。すなわち、従来の冷間工具鋼
No8〜9なみの耐摩耗性、およびはるかに優れた被削
性をはかることが出来た。
硬さと優れた靱性を兼備し、かつ金型の製作に要する工
程の低減をはかれる極めて被削性の優れた冷間工具鋼を
提供することにある。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、 C:0.65〜1.3%、 Si:2.0%以下、 Mn:1.5%以下、 Cr:5.0〜11.0%、 MoまたはWのいずれか1種または2種をMo当量(M
o+1/2W):1.0〜5.0%、 VまたはNbの1種または2種を、V+1/2Nb:
0.1〜1.0%、 S:0.010〜0.10%、 残部Feおよび不可避的不純物よりなることを特徴とす
る被削性に優れた冷間工具鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34744197A JP3833379B2 (ja) | 1997-12-17 | 1997-12-17 | 被削性に優れた冷間工具鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34744197A JP3833379B2 (ja) | 1997-12-17 | 1997-12-17 | 被削性に優れた冷間工具鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11181548A true JPH11181548A (ja) | 1999-07-06 |
JP3833379B2 JP3833379B2 (ja) | 2006-10-11 |
Family
ID=18390263
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34744197A Expired - Lifetime JP3833379B2 (ja) | 1997-12-17 | 1997-12-17 | 被削性に優れた冷間工具鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3833379B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005530041A (ja) * | 2002-06-13 | 2005-10-06 | ウッデホルム トウリング アクテイエボラーグ | 冷間加工鋼及び冷間加工工具 |
JP2015040315A (ja) * | 2013-08-20 | 2015-03-02 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 熱処理による寸法変化が少なく異方性の小さな金型用の合金工具鋼 |
EP4165224A4 (en) * | 2020-06-12 | 2024-09-04 | Uddeholms Ab | HOT WORK STEEL |
-
1997
- 1997-12-17 JP JP34744197A patent/JP3833379B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005530041A (ja) * | 2002-06-13 | 2005-10-06 | ウッデホルム トウリング アクテイエボラーグ | 冷間加工鋼及び冷間加工工具 |
JP4805574B2 (ja) * | 2002-06-13 | 2011-11-02 | ウッデホルムス アーベー | 冷間加工鋼及び冷間加工工具 |
US8900382B2 (en) * | 2002-06-13 | 2014-12-02 | Uddeholm Tooling Aktiebolag | Hot worked steel and tool made therewith |
JP2015040315A (ja) * | 2013-08-20 | 2015-03-02 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 熱処理による寸法変化が少なく異方性の小さな金型用の合金工具鋼 |
EP4165224A4 (en) * | 2020-06-12 | 2024-09-04 | Uddeholms Ab | HOT WORK STEEL |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3833379B2 (ja) | 2006-10-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5076683B2 (ja) | 高靭性高速度工具鋼 | |
KR20050077008A (ko) | 합금 공구용 강 | |
CN108220815B (zh) | 热锻用高热强性、高冲击韧性热作模具钢及制备方法 | |
US5648044A (en) | Graphite steel for machine structural use exhibiting excellent free cutting characteristic, cold forging characteristic and post-hardening/tempering fatigue resistance | |
JPH10273756A (ja) | 鋳物製冷間工具およびその製造方法 | |
JPH0441616A (ja) | 低硬度で且つ耐摩耗性および曲げ加工性に優れた耐摩耗鋼の製造方法 | |
AU2022392619A1 (en) | High-strength steel with good weather resistance and manufacturing method therefor | |
JP3738004B2 (ja) | 冷間加工性と浸炭時の粗大粒防止特性に優れた肌焼用鋼材とその製造方法 | |
JP2001152246A (ja) | 靭性、鏡面性および被削性に優れたプラスチック成形金型用鋼の製造方法 | |
JP4946328B2 (ja) | 時効硬化機械部品の製造方法 | |
JP2000226635A (ja) | 高温強度と靱性に優れた熱間工具鋼 | |
JPH0925539A (ja) | 強度と靭性に優れた快削非調質鋼 | |
JP2001158937A (ja) | 熱間加工用工具鋼とその製造方法および熱間加工用工具の製造方法 | |
JP3833379B2 (ja) | 被削性に優れた冷間工具鋼 | |
JP3498289B2 (ja) | 高クロム鋳鉄鋳物の製造方法 | |
JP3166652B2 (ja) | 成形性にすぐれた高炭素薄鋼板の製造方法 | |
JP2576857B2 (ja) | 高強度非調質強靭鋼 | |
JP2001131683A (ja) | 小ロット生産用金型鋼 | |
JPH11302734A (ja) | 冷間加工性及び強度に優れた等速ジョイントの製造方法 | |
JPH10152754A (ja) | 肌焼鋼及び肌焼鋼鋼材の製造方法 | |
JP2001234278A (ja) | 被削性に優れた冷間工具鋼 | |
JPH07179988A (ja) | 高温強度の優れた熱間工具鋼 | |
JP3033459B2 (ja) | 非調質高張力鋼の製造方法 | |
JP2784128B2 (ja) | 析出硬化型熱間工具鋼 | |
JP3566120B2 (ja) | 高サイクル疲労寿命および被削性に優れた冷間工具鋼 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040908 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060320 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060411 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060529 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060718 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060719 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100728 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100728 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110728 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120728 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130728 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130728 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140728 Year of fee payment: 8 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |