JPH11127540A - 交流グリッドシステムへの無効電力の供給方法およびこの方法に用いるインバータ - Google Patents
交流グリッドシステムへの無効電力の供給方法およびこの方法に用いるインバータInfo
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Abstract
では、動作範囲がかなり制限され、また、線電流(位相
90°)に対して90度の位相を持つ補償電圧を印加す
るために、高価なトランスフォーマを必要とする。 【解決手段】 グリッドシステムの少なくとも1つの線
路(10)に、その線路のために生成された補償電圧
(Ucomp)を供給する交流グリッドシステムへの無効電
力の供給方法であって、線路(10)中の電流に対して
位相がシフトされた補償電圧(Ucomp)を、インバータ
(11)によって直流電圧から生成し、直列的かつ直接
的に、線路(10)に印加する。
Description
技術分野に関するものであり、グリッドシステムに、無
効電力を供給する方法、特に、グリッドシステムの少な
くとも1つの線路がそのために生成された補償電圧を有
し、該補償電圧が上記線路を流れる電流に対して位相シ
フトされて該線路に供給されるような、無効電力の供給
方法に関するものである。この発明は、さらに、このよ
うな方法に用いるインバータに関するものである。
で相互接続される電送線のインピーダンス関係によっ
て、いかなる制御方法にもよらず、電力の流れの配分が
決定される。伝送線の電気的な実効インピーダンスは、
直列電圧を印加することによって、無効電力を注入する
ための直列補償装置を用いることにより、変化させ得る
ものである。この測定は、接続点間の複合的な電位差を
変化させ、延いては線路を流れる電力を変化させる。直
列補償は、線路における負荷を意識的に増加あるいは減
少させるために、また、全体的な伝送能力をより効率的
に実現するために用いることができる。これは、三相伝
送システムに限られるものではない。単相交流システム
で用いることも可能である。
おいて、一般的にサイリスタによって切替られる、ある
いは、サイリスタによって制御される直列的な補償と、
静的な同期補償とを区別することは可能である。
償回路は、直列接続された複数のモジュールを備える。
これらモジュールは、三相伝送線路の各相線路にそれぞ
れ配設されている。このケースでは、使用可能なサイリ
スタ技術により、キャパシタンス及び制御された(サイ
リスタによってスイッチされる)インダクタンスを備え
る並列回路が、モジュール毎に必要とされる。この並列
回路を過負荷から保護するために、たとえば、バリスタ
等として設計された1つのコンポーネントが必要とされ
る。この公知のシステム構造における課題は、実質的に
半導体スイッチ(サイリスタ)が接続されている回路状
態に従って転流する(mains-commutated)ため、結果的
に動作範囲がかなり制限されることである。
位相(位相変位90°)を持つ追加電圧(補償電圧)を
印加することにより、電気的に機能する。この追加電圧
を印加するためには、トランスフォーマが不可欠であ
り、このトランスフォーマは、補償されるべき伝送線に
直列に接続されている。追加電圧を印加するために必要
なトランスフォーマは、このようなシステムの全コスト
において、比較的高価な素子である。
複雑さをかなり縮減し、それにも拘わらず、柔軟に適用
しうる新しい補償方法を提供することである。
法において、この発明の目的は、ブリッジ回路のゲート
ターンオフパワー半導体によって構成されるインバータ
手段により、補償電圧が直流電圧から生成されること
と、補償電圧が線路に直列的に直接印加されることとに
よって達成される。半導体を備えたインバータブリッジ
回路を用いることにより、単純な方法により、要求され
るいかなる所定の位相角度においても、大きな交流補償
電圧が生成され得る。補償すべき線路に直接直列に挿入
することによって、トランスフォーマなどの付加的な印
加素子を省くことが可能である。
適な実施の形態における方法は、少なくとも1つの充電
されたキャパシタが、インバータのための直列電圧源と
して用いられていることによって区別することができ
る。補償素子が実質的に無効電力を供給するので、キャ
パシタは、簡単で有利な直流電源を提供する。
少なくとも1つのキャパシタが交流グリッドシステムの
線路からインバータを通じて充電されることである。こ
の方法では、付加的な電圧供給装置が不要であり、補償
回路を特に簡単にすることができる。
例は、少なくとも1つのキャパシタが別個のコンバータ
を通じて充電されることである。直流中間回路における
この直流電圧の供給は、補償回路が純粋な無効電力だけ
でなく、実効電力を線路に供給する場合であっても、有
効的なものである。
の好適な実施の形態における方法は、直流グリッドシス
テムが三相構造になっていることと、補償電圧を生成し
て印加するための関連するインバータが三相のそれぞれ
の線路に直列に接続されていることである。これによ
り、望ましい補償を各相毎に別々に行うことができる。
インバータが2つのハーフブリッジによって構成され、
これらのハーフブリッジが正弦変調信号に基づいて、パ
ルス幅変調によって駆動されることによって区別でき
る。パルス幅変調は、インバータによって生成される出
力電圧の正弦波への近似を、簡単に、より正確に行なう
ことを可能とし、結果的に高調波を減少させている。こ
の実施の形態の好適な展開例によれば、インバータが2
極ブリッジ構造で構成され、適当な搬送信号を用いるこ
とにより、各ハーフブリッジにそれぞれ異なるタイミン
グでパルス信号が供給されると、あるいは、インバータ
がN極ブリッジ(N≧3)として構成され、適当な搬送
信号を用いるとにより、各ハーフブリッジにそれぞれ異
なるタイミングでパルスが供給されると、異なるタイミ
ングで脈動される複数のパルス幅変調部分補償電圧を重
ね合わせることによって合成補償電圧が得られること
は、この発明に固有の現象である。
らに好適な実施の形態によれば、補償電圧を生成して印
加するための複数のインバータが直流グリッドシステム
の線路に直列あるいは並列に接続され、いずれの場合も
パルス幅変調波によって駆動され、各インバータにおけ
るパルス幅変調が異なるタイミングで脈動されることに
より行われるものであれば、更なる高調負荷の低減が達
成される。同時に、複数のインバータを直列に接続する
ことは、電圧に関する動作範囲を拡げる結果となり、並
列接続は、電流に関する動作範囲を拡げる結果となる。
もフィルタ回路がインバータの出力側に配設されてお
り、このフィルタ回路が、特に、インバータに直列接続
された1つのインダクタンスと、インバータ及び少なく
とも1つのインダクタンスによって形成される直列回路
に並列接続された少なくとも1つのキャパシタとを備え
れば、高調波の更なる低減を図ることができる。直流グ
リッドシステムが寄生インダクタンスを有するネットワ
ークトランスフォーマを備え、ネットワークトランスフ
ォーマの寄生インダクタンスがフィルタ回路の一部とし
て用いられていれば、より簡単な構成となる。
よれば、インバータがそれぞれ少なくとも1つのキャパ
シタ及び少なくとも1つのインダクタンス、あるいは、
少なくとも1つのキャパシタまたは少なくとも1つのイ
ンダクタンスに接続されていれば、補償回路の動作範囲
を拡げることができる。
流グリッドシステムが低電位の中立点を有するネットワ
ークトランスフォーマを備え、補償電圧が中立点に印加
されれば、補償システムの絶縁性の要求に関して特に有
利となる。
テムであると共に、三相ネットワークトランスフォーマ
がグリッドシステムの中に配設されており、三相ネット
ワークトランスフォーマが中立点としてのスターポイン
トを備えていれば、スターポイントに接続される各線路
に適切な補償電圧が印加される。これは、1つの方法で
は、補償電圧を生成して印加するための1つのインバー
タを、スターポイントに接続された各線路に直列接続す
ることにより達成される。また、これは、他の方法とし
ては、スターポイントに接続されている線路を三相イン
バータの出力端に接続することによっても達成すること
ができる。この場合、三相インバータは、電力の脈動を
考慮する必要がないので、同一の補償電圧を得るのに、
直流側のキャパシタを小さくすることができるという特
別の利点を有する。
り、単相ネットワークトランスフォーマがグリッドシス
テム中に配設され、その単相ネットワークトランスフォ
ーマが、少なくとも一端に、中立点としてのゼロポイン
トを有するゼロポイント回路を備えれば、適切な補償電
圧がゼロポイントに接続された各線路に印加される。こ
れは、補償電圧を生成して印加するためのインバータ
を、ゼロポイントに接続された各線路に直列に接続する
ことにより、あるいは、ゼロポイントに接続された線路
を単相インバータの出力端に接続することにより、行わ
れる。
バータがN極ブリッジ(N≧2)として構成されている
ことにより区別される。
(例えば13KVグリッドシステム)に適するインバー
タは、各ハーフブリッジのブリッジアーム毎に、パワー
半導体が1つだけ配設されていることによって区別する
ことができる。
(例えば400KVグリッドシステム)に適するインバ
ータは、各ハーフブリッジのブリッジアーム毎に、複数
の直列接続されたパワー半導体が配設されていることに
よって区別することができる。
展例では、ゲートターンオフパワー半導体としてハード
に駆動されるGTOが使用される。この場合におけるハ
ードに駆動するとは、例えば、文献 EP-A1-0 498 945
若しくは WO-93/09600 または、1996年発行の ABB Tech
nik (ABB Engineering) 5 の第14頁から第20頁に記
載されているものを意味するものである。さらに他の実
施の形態は、従属項から導き出されるものである。
は、ゲートターンオフパワー半導体として、ゲート回路
インピーダンスを著しく減少させ、素子のON、OFF
信号に応じてゲート電流を高い電流増加率で駆動される
GTOが使用される。このGTOは、特にGTC(Gate
Communicated Turnoff)サイリスタとも称されるもの
であり、ゲート電流に従った高速なON、OFF動作が
可能で、OFF動作が一般のGTOよりも約10倍も速
く、素子を直列接続した場合に、OFF動作のばらつき
による素子の電圧分担差が少なく、特に高電圧の用途に
好適なGTOである。
図を通じて同一または相当の部分を示すものである。図
1は、この発明による補償回路の概要を示す回路図であ
り、最も簡易な構造を表している。単相グリッドシステ
ムまたは三相グリッドシステムにおいて、線路10は補
償を行うために用いられる。線路10は分離されてお
り、インバータ11は、線路10に直接的に直列接続さ
れている。交流電圧は、インバータ11によって、直流
電圧(これはキャパシタC1から供給される)から生成
され、線路10に補償電圧Ucompとして直接印加され
る。
ーフブリッジ12,13から構成される2極ブリッジ回
路を含み、これらのハーフブリッジの機能は、それぞれ
切替スイッチU1,U2によって決定される。インバー
タ11中におけるハーフブリッジ12,13の出力端
は、線路10に直接接続されている。切替スイッチU
1,U2を適当に駆動することにより、キャパシタC1
に発生するキャパシタ電圧は、正電圧あるいは負電圧と
して、選択的に線路10に供給される。
交流電流に対して位相が90°進んでいるか、あるい
は、遅れている正弦波状の交流電圧であることが理想的
である。このようにするために、線路における電流およ
び電圧が測定され、制御装置において、切替スイッチU
1,U2を駆動するための駆動パルスが測定信号から導
き出される。
度で正弦変調信号UMを生成し、これを2つの三角波搬
送信号UC1,UC2と比較することによって、達成さ
れる。信号の交点は、スイッチU1,U2を切り替える
ためのスイッチング指令を導き出すために用いられ、こ
のようにして、図5の底部に示されているパルス幅変調
補償電圧Ucompが生成される。
C1に、グリッドシステムの2倍の周波数で、グリッド
システムから電力を奪うことと、グリッドシステムに電
力を放出することとを交互に行わせ、全行程時間を通じ
ての平均電力レベルは、零となる。これらのパルス振動
を減衰させるためには、キャパシタC1を調整回路43
と並列に接続すればよく、この調整回路43は、インダ
クタンスL4およびキャパシタC10の直列回路を備
え、グリッドシステムの2倍の周波数に調整されてい
る。
4に示すような態様で、ゲートターンオフパワー半導体
によって構成される。GTO(Gate−Turn−O
ffthyristor:ゲートターンオフサイリス
タ)、とくに逆導電GTOは、ゲートターンオフ電力半
導体のための保証付きの電力電子素子として使用され
る。これの代わりに、IGBT(Insulated
Gate Bipolar Transistor)ま
たは他のゲートターンオフ素子を用いてもよい。このよ
うなパワー半導体の電圧範囲は限られている。
13KV)では、各パワー半導体S1、S2は、図1に
示すようにブリッジアームに配設される。高いグリッド
システム電圧(例えば400KV)では、図4に示すよ
うに、多数(n)のパワー半導体S11,..,S1n
およびS21,..,S2nにより構成される直列回路
がブリッジアームに用いられる。GTOが直列回路に用
いられている場合は、各GTO素子が同時に切り替わる
ようにするためには、特別な注意が必要である。ハード
な駆動は、直列接続された複数のGTOを正確に駆動さ
せることができる。ハードな駆動の固有の特性や回路構
成に関しては、最初に引用した、従来技術における文献
が参照されるべきである。
べた2極ブリッジに加えて、3極ブリッジ、あるいはさ
らに一般的にN極ブリッジを代替的に効果的に用いるこ
とができる。図6によれば、3極ブリッジは、2つの切
替スイッチU3,U4を備えており、それぞれ3つの切
替点を2つのハーフブリッジ14および15に備え、キ
ャパシタC2,C3から構成される直列回路の2つの端
点または中央タップを適宜それぞれのブリッジの出力端
に接続する。
U12,U34が生成され、これらの補償電圧はインバ
ータ11の出力で合成され、補償電圧Ucompが生成され
る。3極ブリッジの1つの優位性は、等しい補償電圧を
得るために、1つの大きなキャパシタの代わりに2つの
小さなキャパシタを用いることができることである。他
の優位点は、図9に示す位相のシフトした搬送信号U
C1,..,UC4のように、ここでも用いることの望
ましいパルス幅変調が異なるタイミング(異なる位相)
での脈動により行われると、異なるタイミングでの脈動
によって生成された部分補償電圧U12,U34から構
成される補償電圧Ucompの高調波成分をかなり低減させ
ることができることである。N極ブリッジの場合は、3
極ブリッジの場合のように、N個の切替ポイントを備え
る切替スイッチがハーフブリッジに用いられることにな
る。
構成は、図7、8に示すような構成であることが望まし
い。比較的低いグリッドシステム電圧に対して、逆伝導
GTOで構成される各パワー半導体S3,..,S6
と、ブリッジアームに配設されたダイオードD1および
D2とが図7に示すように接続されている。高いグリッ
ドシステム電圧に対して、n個のパワー半導体S3
1,..,S3nないしS61,..,S6nから構成
される複数の直列回路がそれぞれ個々のパワー半導体の
代わりに用いられ、これらにGTOが用いられる場合
は、上述したようにハードに駆動されることになる。G
TOの代わりに他のゲートターンオフパワー半導体を用
いてもよい。
の線路10について考慮し、説明してきた。交流グリッ
ドシステムが三相グリッドシステムである場合は、図1
0に示すように、線路16、17および18に上述した
形式のインバータ19,20および21を直列に接続す
ることにより、各相に接続されたこれらの線路が補償さ
れることが望ましい。単相グリッドシステムの場合は、
図11に示すように、インバータ11を2つの線路1
0,22の一方のみに配設すればよい。また、この代わ
りに、2つの線路10,22のそれぞれにインバータ1
1,11aを配設しても同様に実施することができる。
パルス幅変調駆動することは、3極ブリッジの場合にお
いても、特に補償電圧Ucomp中の高調波の減少を達成す
るために用いられる。しかしながら、高調波を減少させ
るためには、これらに加えてさらに他の方法を行うこと
もできる。そのような方法の1つとして、図12に示す
ようにインバータ11の出力端にフィルタ回路を配設す
る。このフィルタ回路は、1または2つのインダクタン
スL1およびL2をインバータ11の出力端に直列接続
すると共に、キャパシタC4を並列接続したものであ
り、高調波を除去し、あるいは、減衰させることができ
る。この場合のキャパシタC4の容量は、パルス幅変調
のクロック周波数によって決定される。
互いに90°位相が異なり、周波数がFで表される4つ
の搬送信号UC1,..,UC4が、PWM駆動信号を
生成するのに用いられると、補償電圧Ucompのパルス周
波数は4倍の4Fとなる。フィルタキャパシタC4は、
一方では、帯電電圧が望ましい正弦波形を有するのに十
分な容量を持つように選択され、他方では、基本周波数
において微小電流を引き出すために十分小さな容量を有
するように選択される。これらの代わりに、図21に示
すように、寄生インダクタンスL10,L11を有する
隣接したネットワークトランスフォーマ46の寄生イン
ダクタンスL10は、フィルタ回路のインダクタンスと
して、効果的に用いることができる。
可能な動作範囲は、本質的に補償電圧Ucompの増幅率に
よって決定され、この補償電圧Ucompは、本質的にキャ
パシタC1(2極ブリッジの場合)の帯電電圧、また
は、キャパシタC2およびC3(3極ブリッジの場合)
の帯電電圧によって決定される。キャパシタ側の動作範
囲は、図13に示すように、インバータ11の出力側に
キャパシタC5を直列接続することにより、インバータ
11およびスイッチング素子を代えることなく、拡げる
ことが可能である。インダクタンス側の動作範囲を拡げ
るためには、インダクタンス(図14のL5)をキャパ
シタの代わりに直列接続すればよい。
接続されたキャパシタC5およびインダクタンスL5を
スイッチ44,45で橋渡し(ブリッジ)することによ
って、選択的および切替的に行うことができる。図21
に示す場合でも、キャパシタC15を直列接続すること
により、動作範囲を拡張することができる。
によるインバータの動作範囲の変化に加えて、補償しう
るレベルは、図15に示すように、複数のインバータ1
1,23および24を直列にまたは並列に(インバータ
11,11a)、グリッドシステムの線路10に接続す
ることによって、増大させることができる。各インバー
タによって生成される補償電圧は合成され、さらに大き
な補償電圧を形成する。このような直列回路において、
高調波成分をさらに一層減少させるためには、各インバ
ータ11,11a,23および24を異なるタイミング
で脈動させて駆動することが有効的である。
23,24は、インダクタンスL6,..,L9および
キャパシタC11,..,C13から構成されるフィル
タ回路を備えてもよい。同様に、付加キャパシタC14
は、動作範囲を拡げている。さらに他の選択としては、
図16に示すように、フィルタ回路(インダクタンスL
3およびキャパシタC6)のための集積素子から構成さ
れる付加回路を直列回路の全体に備えることである。直
列キャパシタC7の機能は、図15におけるキャパシタ
C14に対応するものである。
い直列補償回路は、低電位側に中立点を有する交流グリ
ッドシステムのネットワークトランスフォーマに接続し
て用いれば、特に効果的である。図17に示すように、
グリッドシステムは、三相グリッドシステムであり、ネ
ットワークトランスフォーマ25はスター(星形)接続
(一次側26および二次側27)された三相変圧器であ
り、補償電圧は、ネットワークトランスフォーマ25の
中立点(スターポイント(星形接続点)31)としての
低電位側に供給される。これを行うために、補償インバ
ータ32,33および34は、それぞれ、スターポイン
ト31に接続された線路28,29,30に直列接続さ
れている。インバータを低電位側に配設することによ
り、絶縁レベルは著しく軽減され、システムの簡略化お
よびコストの低減をはかることができる。
ネットワークトランスフォーマ35(一次側36および
二次側38、図18参照)を備えた単相グリッドシステ
ムの場合には、低電位動作時における補償回路の等価回
路は、ゼロポイント39に接続された線路38,40
に、インバータ41,42を直列接続することによって
得ることができる。また、2つのインバータ41,42
を用いる代わりに、1つのインバータ(41または4
2)のみを用いても同様に実施できる。
に、複数のインバータ32,..,34および41,4
2をそれぞれ備え、インバータを上手に一つのブリッジ
に結合することにより簡略化することができる。図17
に示す回路を簡略化した構成を図19に示す。この場
合、線路28,29および30は、三相インバータの出
力端に接続されており、これらの出力端は、制御切替ス
イッチU5,U6およびU7(図3、4参照)を介し
て、2つのキャパシタC6,C7から構成される直列回
路の端点に接続されている。キャパシタC6およびC7
の中央タップは、スターポイント31に接続されてい
る。また、図17および図19に示す回路を互いに結合
させても同様の結果を得ることができ、即ち、補償回路
の柔軟性を増加させるために、図19に示す回路に、各
インバータ(図17におけるインバータ32,33およ
び34のように)を線路28,29および30に直列に
接続してもよい。
を簡略化して示すものである。この場合、線路38,4
0は、切替スイッチU8,U9を通じて、充電されたキ
ャパシタC8およびC9から構成される直列回路の端点
に選択的に接続される。これらのキャパシタC8および
C9の間の中央タップは、ゼロポイント39に接続され
ている。図17ないし図20に示す構成では、中立点
(スターポイント31またはゼロポイント39)は、接
地されている(点線で表す)。しかしながら、このよう
な接地することは、絶対的に必要なものではない。
出力すると、インバータに直流電圧を供給するキャパシ
タC1,..,C3およびC6,..,C9は、インバ
ータを適切に制御することにより、グリッドシステム線
路から直接的に効果的に充電される。この方法では、グ
リッドシステムの他の素子からキャパシタへの付加的な
接続を必要としない。また、補償されるべき線路には、
無効電力と共に、実効電力を供給することが望ましい。
この場合、適切な(別個の)直流源(例えばコンバー
タ)により、キャパシタC1,..,C3およびC
6,..,C9をそれぞれ充電または放電させることが
できる。
化され、非常に汎用性のある、交流グリッドシステムの
ための無効電力の補償を行うことができる。また、以上
から明らかなように、上述の説明に基づき、本発明の様
々な変形や変更を実施することができる。従って、本発
明は、特許請求の範囲の適用範囲内であれば、上述の説
明以外の形態でも実施できるものである。
インバータが線路に直列に接続されている。
による、図1に示すインバータの基本的な2極ブリッジ
形の内部構造を示す図であり、2極ブリッジは、半導体
を備えた切替スイッチと、直流側の付加的調整回路とを
有する。
図であり、1つのパワー半導体(反転接続されたGT
O)がブリッジアーム毎に配設されている。
図であり、直列接続された複数のパワー半導体(反転接
続されたGTO)がブリッジアーム毎に配設されてい
る。
調が用いられる際の電圧波形の一例を示す図である。
による、図1に示すインバータの基本的な3極ブリッジ
形の内部構造を示す図であり、3極ブリッジは、半導体
を備えた切替スイッチを有する。
示す図であり、1つのパワー半導体(反転接続されたG
TO)がブリッジアーム毎に接続されている。
示す図であり、複数のパワー半導体(反転接続されたG
TO)から構成される直列回路がブリッジアーム毎に接
続されている。
調が用いられる際の電圧波形の一例を示す図である。
る三相グリッドシステムの基本的な回路を示す図であ
る。
リッドシステムの基本的な回路を示す図である。
あり、インバータの出力側に配設されると共に、高調波
を除去するために、直列接続された2つのインダクタン
スと並列接続された1つのキャパシタから構成されるフ
ィルタ回路を備える。
あり、動作範囲を拡げるために、図12に示す補償回路
に1つのキャパシタを付加的に直列接続したものであ
る。
あり、動作範囲を拡げるために、図13に示す補償回路
に1つのインダクタンスを付加的に直列接続すると共
に、付加キャパシタおよび付加インダクタンスをスイッ
チと置き換えることができるようになっている。
するために、直列または並列に接続された複数のインバ
ータ(パルス数の異なるパルス信号が供給される)と、
ローカルフィルタ回路とを備える回路の概要を示す図で
ある。
る回路に、集中フィルタ回路および付加インダクタンス
を備えた直列回路を示す図である。
イント)に配設されたこの発明による好適な補償素子を
示す図である。
テンシャル側(ゼロポイント)に配設されたこの発明に
よる好適な補償素子を示す図である。
バータを三相ブリッジに置き換えて簡略化した構成を示
す図である。
バータを単相ブリッジに置き換えて簡略化した構成を示
す図である。
ダクタンスをインバータとして用いる回路を示す図であ
る。
インバータ、12、13、14、15 ハーフブリッ
ジ、19、20、21 インバータ、23、24インバ
ータ、25、35 ネットワークトランスフォーマ、2
6、36 一次側、27、37 二次側、28、29、
30 線路、31 スターポイント、38、40 線
路、41、42 インバータ、43 調整回路、44、
45 スイッチ、46 ネットワークトランスフォー
マ、C1〜C15 キャパシタ、D1、D2 ダイオー
ド、L1〜L11 インダクタンス、S1〜S6 パワ
ー半導体(ゲートターンオフ素子)、S11〜S6n
パワー半導体(ゲートターンオフ素子)、U1〜U9
切替スイッチ、UM 変調信号(正弦波) UC1〜U
C4 搬送信号(三角波)、U12、U34 部分補償
電圧、Ucomp 補償電圧。
Claims (28)
- 【請求項1】 グリッドシステムの少なくとも1つの線
路(10;16,..,18;28,..,30;3
8,40)に、その線路のために生成された補償電圧
(Ucomp)を供給するための交流グリッドシステムへの
無効電力の供給方法であって、 ブリッジ回路中のゲートターンオフパワー半導体(S
1,..,S6;S11,..,S6n)により構成さ
れたインバータ(11;19,..,21;41、4
2)によって、線路(10;16,..,18、2
8,..,30;38,40)中の電流に対して位相が
シフトされた補償電圧(Ucomp)を直流電圧から生成
し、直列的かつ直接的に、線路(10;16,..,1
8、28,..,30;38,40)に印加する交流グ
リッドシステムへの無効電力の供給方法。 - 【請求項2】 少なくとも1つの充電されたキャパシタ
(C1,..,C9)を、上記インバータ(11;1
9,..,21;41,42)のための直流電圧源とし
て用いる請求項1に記載の交流グリッドシステムへの無
効電力の供給方法。 - 【請求項3】 上記少なくとも1つのキャパシタ(C
1,..,C9)を、上記インバータ(11;1
9,..,21;41,42)を介して、上記線路(1
0;16,..,18;28,..,30)から充電す
る請求項2に記載の交流グリッドシステムへの無効電力
の供給方法。 - 【請求項4】 上記少なくとも1つのキャパシタ(C
1,..,C9)を、別個の直流電圧源を介して充電す
る請求項2に記載の交流グリッドシステムへの無効電力
の供給方法。 - 【請求項5】 上記交流グリッドシステムは三相形式で
あり、各相に補償電圧(Ucomp)を生成して印加する上
記インバータ(19,..,21)が、上記各相の線路
(16,..,18)に直列接続される請求項1ないし
請求項4のいずれかに記載の交流グリッドシステムへの
無効電力の供給方法。 - 【請求項6】 上記インバータ(11;19,..,2
1;41,42)は、それぞれ、2つのハーフブリッジ
を備えてなり、正弦変調信号(UM)に基づくパルス幅
変調形式で、上記ハーフブリッジ(12,13および1
4,15)を駆動することを特徴とする交流グリッドシ
ステムへの無効電力の供給方法。 - 【請求項7】 上記インバータ(11;19,..,2
1;41,42)は、2極ブリッジとして構成されてお
り、上記各ハーフブリッジ(12,13)は、適切な搬
送信号(UC1,UC2)を使用することにより、異な
るタイミングで脈動される請求項6に記載の交流グリッ
ドシステムへの無効電力の供給方法。 - 【請求項8】 上記インバータ(11;19,..,2
1;41,42)は、N極ブリッジとして構成されてお
り、上記各ハーフブリッジ(14,15)は、それぞれ
の搬送信号(UC1,..,UC4)によって、異なる
タイミングで脈動され、該異なるタイミングで脈動され
た複数のパルス幅変調部分補償電圧(U12,U34)
を重ね合わせて、補償電圧(Ucomp)を生成する請求項
6に記載の交流グリッドシステムへの無効電力の供給方
法。 - 【請求項9】 補償電圧(Ucomp)を生成して印加する
複数の上記インバータ(11,11a,23,24)
が、上記交流グリッドシステムの少なくとも1つの線路
(10)に直列あるいは並列、または、直列かつ並列に
接続されている請求項1ないし請求項8のいずれかに記
載の交流グリッドシステムへの無効電力の供給方法。 - 【請求項10】 上記インバータ(11,11a,2
3,24)はパルス幅変調形式で駆動され、互いに異な
るタイミングで脈動させることにより、パルス幅変調を
行う請求項9に記載の交流グリッドシステムへの無効電
力の供給方法。 - 【請求項11】 フィルタ回路(L1,..,L3;L
6,..,L10,C4,C6,C11,..,C1
3)が、インバータ(11;11a,19,..,2
1;41,42)の出力側に配設される請求項1ないし
請求項9のいずれかに記載の交流グリッドシステムへの
無効電力の供給方法。 - 【請求項12】 上記フィルタ回路が、上記インバータ
(11;11a,19,..,21;41,42)に直
列接続された少なくとも1つのインダクタンス(L
1,..,L3;L6,..,L9)と、インバータ
(11;11a,19,..,21;41,42)およ
び少なくとも1つのインダクタンス(L1,..,L
3;L6,..,L9)から構成される直列回路と並列
に接続された少なくとも1つのキャパシタ(C4,C
6,C11,..,C13)とを備える請求項11に記
載の交流グリッドシステムへの無効電力の供給方法。 - 【請求項13】 上記交流グリッドシステムが、寄生イ
ンダクタンス(L10,L11)を有するネットワーク
トランスフォーマ(46)を備えると共に、ネットワー
クトランスフォーマ(46)の寄生インダクタンス(L
10,L11)が、フィルタ回路の一部として用いられ
る請求項11に記載の交流グリッドシステムへの無効電
力の供給方法。 - 【請求項14】 動作範囲を拡げるために、上記インバ
ータ(11;19,..,21;41,42)が、それ
ぞれ少なくとも1つのキャパシタ(C5,C7)、およ
び/または、インダクタンス(L1,L2,L3)と直
列接続される請求項1ないし請求項13のいずれかに記
載の交流グリッドシステムへの無効電力の供給方法。 - 【請求項15】 交流グリッドシステムは、低電位の中
立点(31,39)を有するネットワークトランスフォ
ーマ(25,35)を備え、補償電圧(Uco mp)が上記
中立点(31,39)に印加される請求項1に記載の交
流グリッドシステムへの無効電力の供給方法。 - 【請求項16】 上記交流グリッドシステムは、三相グ
リッドシステムであり、三相トランスフォーマ(25)
は、上記三相グリッドシステム内に設けられると共に、
中立点としてのスターポイント(31)を備え、各補償
電圧(Ucomp)が、上記スターポイント(31)に接続
された各線路(28,..,30)に印加される請求項
15に記載の交流グリッドシステムへの無効電力の供給
方法。 - 【請求項17】 補償電圧(Ucomp)を生成して印加す
るための上記インバータ(32,..,34)が、上記
スターポイント(31)に接続された上記各線路(2
8,..,30)に直列に接続されており、および/ま
たは、上記スターポイント31に接続された上記各線路
(28,..,30)が、上記三相インバータ(U
5,..,U7;C6,7)の出力端に接続される請求
項16に記載の交流グリッドシステムへの無効電力の供
給方法。 - 【請求項18】 スターポイント(31)に接続された
線路(28,..,30)が、三相インバータ(U
5,..,U7;C6,7)の出力端に接続されてお
り、三相インバータが、N極ブリッジ(N≧2)として
構成される請求項17に記載の交流グリッドシステムへ
の無効電力の供給方法。 - 【請求項19】 上記交流グリッドシステムは単相シス
テムであり、単相ネットワークトランスフォーマ(3
5)が、上記グリッドシステム内に配設され、上記単相
ネットワークトランスフォーマ(35)は、少なくとも
いずれか一方の側に、中立点としてのゼロポイント(3
9)を有するゼロポイント回路を備え、補償電圧(U
comp)が、上記ゼロポイント(39)に接続された各線
路(38,40)に印加される請求項15に記載の交流
グリッドシステムへの無効電力の供給方法。 - 【請求項20】 補償電圧(Ucomp)を生成して印加す
るための上記インバータ(41,42)は、上記ゼロポ
イント(39)に接続された上記各線路(38,40)
に直列に接続される請求項19に記載の交流グリッドシ
ステムへの無効電力の供給方法。 - 【請求項21】 上記ゼロポイント(39)に接続され
た上記線路(38,40)は、上記単相インバータ(U
8,9;C8,9)の出力側に接続される請求項19に
記載の交流グリッドシステムへの無効電力の供給方法。 - 【請求項22】 調整回路が上記少なくとも1つのキャ
パシタ(C1,..,C9)に接続される請求項2に記
載の交流グリッドシステムへの無効電力の供給方法。 - 【請求項23】 上記インバータ(11;19,..,
21;41,42)がN極ブリッジ(N≧2)として構
成される請求項1ないし請求項22に記載の交流グリッ
ドシステムへの無効電力の供給方法に用いるためのイン
バータ。 - 【請求項24】 上記インバータ内のブリッジアーム毎
に、パワー半導体(S1,S2;S3,..,S6)が
1つだけ配設される請求項23に記載のインバータ。 - 【請求項25】 上記インバータ内のブリッジアーム毎
に、複数のパワー半導体(S11,..,S1
n;..;S61,..,S6n)が直列接続される請
求項23に記載のインバータ。 - 【請求項26】 上記パワー半導体であるゲートターン
オフパワー半導体として、IGBTが用いられる請求項
24または25に記載のインバータ。 - 【請求項27】 上記パワー半導体であるゲートターン
オフパワー半導体として、複数のGTOが用いられる請
求項24または25に記載のインバータ。 - 【請求項28】 直列接続された上記複数のGTOは、
上記インバータ内のブリッジアーム毎に直列接続されて
おり、該直列接続されたGTOは、ハードに駆動される
請求項27に記載のインバータ。
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