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JPH1095705A - 油中水型乳化組成物及び皮膚化粧料 - Google Patents

油中水型乳化組成物及び皮膚化粧料

Info

Publication number
JPH1095705A
JPH1095705A JP22988296A JP22988296A JPH1095705A JP H1095705 A JPH1095705 A JP H1095705A JP 22988296 A JP22988296 A JP 22988296A JP 22988296 A JP22988296 A JP 22988296A JP H1095705 A JPH1095705 A JP H1095705A
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JP
Japan
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group
water
segment
emulsion composition
composition according
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Application number
JP22988296A
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English (en)
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JP3118192B2 (ja
Inventor
Makoto Toritsuka
誠 鳥塚
Kana Yasuda
加奈 安田
Hirohisa Suzuki
博久 鈴木
Taku Oda
卓 織田
Nobushige Tanaka
伸林 田中
Katsuhiko Hayashifuji
克彦 林藤
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP08229882A priority Critical patent/JP3118192B2/ja
Publication of JPH1095705A publication Critical patent/JPH1095705A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 次の(A)、(B)、(C)及び
(D); (A)油相、(B)油水界面に配向性を有する高分子化
合物、(C)低級アルコール、及び(D)水を含有する
油中水型乳化組成物並びにこれを含有する皮膚化粧料。 【効果】 優れた乳化安定性を示し、かつ清涼感、さっ
ぱり感に優れ、べたつきがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、さっぱりした使用
感でべたつかず、しかも乳化安定性に優れた油中水型乳
化組成物及びこれを含有する皮膚化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油中水型乳化組成物に使用される
油分として流動パラフィンやスクワランなどの炭化水素
系のものが多く知られ、これらを皮膚化粧料に応用した
場合には肌表面をオイル膜でカバーし水分蒸発を防ぐこ
とから肌荒れなどに効果がある。これらの油分を使用し
たフェーシャル化粧料はトリートメント効果が高く、ま
た、メーキャップ化粧料では、撥水性に優れ、化粧くず
れが少ない。
【0003】一方、油分としてシリコーン油を配合した
油中水型乳化化粧料はなめらかな使用性を持ち撥水性に
優れている。とりわけ、揮発性シリコーンを配合した化
粧料は塗布時ののびが良く、のばすにつれて揮発性シリ
コーン油が揮発して、肌表面上に残存するオイル分を少
なくする為、密着性がよく、また皮脂や汗に強く、化粧
くずれしにくいという特徴がある。更にエタノール等の
低級アルコールを併用すると、それらの高い揮発性によ
る気化熱のため、ほどよい清涼感が得られ、さっぱりし
た使用感を得ることができる。
【0004】しかしながら、エタノール等の低級アルコ
ールを配合すると安定な油中水型乳化系を得るのが非常
に難しく、これらを多量に配合しかつ優れた安定性を有
する油中水型乳化化粧料は、強く要望されているのにも
かかわらず得られていない。これまで安定性の良好な油
中水型乳化化粧料を得るための方法として、ワックス類
を増加し固化させる方法、シリカを用いる方法、粘土鉱
物とポリオキシアルキレン変性シリコーンを用いて安定
に乳化する方法(特開昭61−218509号公報、特
開昭64−63031号公報、特開平1−180237
号公報)等が知られているが、いずれの方法も、さっぱ
り感を得るためにエタノール等の低級アルコールを配合
したものは、安定な乳化物を得ることはできず、乳化物
の保存安定性に問題があった。更にシリコーン油とエタ
ノール等を同時に用いると、乳化安定性は著しく低下
し、分離するという問題がより顕著となった。このた
め、エタノール等を配合したものの場合には、一般に使
用する際に消費者が振とうして使用しなければならない
という煩わしさがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、さっぱりとした使用感を有し、時間がたってもべた
つくことはなく、乳化安定性に優れる油中水型乳化組成
物及びこれを含有する皮膚化粧料を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、油相、低級アルコー
ル及び水を含有する成分に乳化剤又は乳化助剤として油
水界面に配向性を有する高分子化合物、例えば、共有結
合以外の結合により分子内及び分子間架橋を生じる共重
合体、水又は低級アルコールに溶解又は分散する親水性
セグメントを有する共重合体、及び親水性セグメントと
オルガノポリシロキサンを含有する共重合体から選ばれ
る1種又は2種以上の高分子化合物を用いることによ
り、エタノール等の低級アルコールを含有するにもかか
わらず、乳化安定性に優れ、それを皮膚化粧料に応用し
た場合にはさっぱりとした使用感を有し、時間がたって
もべたつくことがない化粧料となることを見出し、本発
明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、次の(A)、
(B)、(C)及び(D); (A)油相 (B)油水界面に配向性を有する高分子化合物 (C)低級アルコール (D)水 を含有する油中水型乳化組成物及びこれを含有する皮膚
化粧料を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】成分(A)の油相としては、通常
化粧料に用いられる油分であれば特に制限されず、例え
ばワセリン、ラノリン、セレシン、マイクロクリスタリ
ンワックス、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、コレ
ステロールエステル、高級脂肪酸、高級アルコール等の
固型・半固型油分;ホホバ油、ヒマシ油、イソプロピル
ミリステート、オクチルドデシルミリステート、トリメ
チロールプロパントリイソステアレート、リンゴ酸ジイ
ソステアリル、イソステアリルアルコール、オレイルア
ルコール、オレイン酸、イソステアリン酸、ミリスチン
酸、ステアリン酸、スクワラン、流動パラフィン、エス
テル油、トリグリセライド、ジグリセライド、パーフル
オロポリエーテル等の液状油;ジメチルポリシロキサ
ン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポ
リシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、
高級脂肪酸変性オルガノポリシロキサン、高級アルコー
ル変性オルガノポリシロキサン、トリメチルシロキシシ
リケート等のシリコーン油などが挙げられ、かかる油分
の1種又は2種以上を用いることができる。
【0009】成分(A)はシリコーン油の1種又は2種
以上を含むものであることが好ましく、シリコーン油と
しては、下記式(13)の構造をもつ揮発性のジメチル
ポリシロキサン又はジメチルシクロポリシロキサンが好
ましい。
【0010】
【化8】
【0011】シリコーン油の配合量は、成分(A)の油
分中の5〜100重量%が好ましい。また、シリコーン
油を含む油分全量の配合量は、油中水型乳化組成物中、
10〜90重量%が好ましく、特に10〜85重量%、
更に15〜80重量%が好ましい。
【0012】成分(B)の油水界面に配向性を有する高
分子化合物としては、特に制限されないが、共有結合以
外の結合により分子間架橋を生じる常温・常圧で粘性液
体状あるいは固体状の共重合体である。好ましくは、温
度20℃相対湿度65%における伸長率が0〜15%の
範囲で破断又は塑性変形を生じない物性を示す常温・常
圧で固体である共重合体、水あるいは低級アルコールに
溶解あるいは分散する、親水性セグメントを含む共重合
体であり、更に好ましくは、親水性セグメント及びオル
ガノポリシロキサンを含有する共重合体である。
【0013】かかる高分子化合物は、水又は低級アルコ
ールに溶解又は完全に分散可能、すなわち、水又は低級
アルコール中で当該架橋が容易に解裂するものであるこ
とが望ましい。ここで低級アルコールとはC1〜C6アル
コールが好ましい。
【0014】共有結合以外の結合としては、水又は低級
アルコール中で容易に解裂する結合、例えばイオン結
合、水素結合、疎水性相互作用、双極子−双極子相互作
用、ファンデルワールス引力による結合などが挙げられ
るが、イオン結合、水素結合及び双極子−双極子相互作
用が好ましい。本発明のオルガノポリシロキサンは、そ
れらの結合を生ぜしめる官能基を1種又は2種以上有す
る。
【0015】また、好ましくは高分子化合物(B)は、
温度20℃、相対湿度65%における伸長率が0〜15
%の範囲で破断又は塑性変形を生じないという性質を有
する。通常、ポリマーは、変形が小さいときには元の形
に回復するが、変形が大きくなると回復しにくくなるこ
とが知られている。このような元の形に戻らない変形は
塑性変形と呼ばれる。硬くてもろいポリマーには、塑性
変形が生じる前に破断するものもある。いずれも元の形
を保持し得ないものであり、油中水型乳化物中の水滴の
まわりを保護する物質としては不適当である。従って、
本発明の油水界面に配向性を有する高分子の上記性質
は、いわゆるゴム弾性であり、水滴のまわりに配向し、
水滴の保護膜を形成し、乳化物の分離を抑制させるうえ
で極めて重要である。
【0016】伸長率が0〜15%の範囲で塑性変形が生
じるか否かは、例えば次の様な簡単な実験で確かめるこ
とができる。すなわち、厚さ約0.2mm、長さ20mm、
幅5mmの試料片を用意し、温度20℃、相対湿度65%
の条件下で応力−歪み曲線を記録しながらクロスヘッド
速度20mm/分で3mm伸長(15%)し、その後直ちに
同じ速度で元の位置までクロスヘッドを戻す。10分
後、再度伸長し、2回目の伸長時の応力−歪み曲線が1
回目の曲線と同じ軌跡をたどれば、完全に回復してお
り、塑性変形が生じていないことになる。これに対し、
塑性変形が起きる場合には、1回目の往復運動ですでに
伸びてしまっているため、2回目の伸長では遅れて応力
がかかり、結果として応力−歪み曲線は同じ軌跡をたど
らない。
【0017】高分子化合物(B)は、共有結合以外の結
合による分子内及び分子間架橋を生じるものであれば特
に制限されないが、共有結合以外により分子内及び分子
間架橋を生じさせるためには、共重合体中の末端又は側
鎖に何らかの極性官能基を持つ必要がある。そのとき、
共重合体中にオルガノポリシロキサンを含む場合には、
オルガノポリシロキサンと極性官能基の間に別の高分子
化合物を連結基として用いてもかまわない。
【0018】かかる極性官能基の例として、双極子−双
極子相互作用を生じるものではN−アシルアルキレンイ
ミンやピロリドン等が挙げられ、水素結合を生じるもの
では糖類、ポリビニルアルコール等の水酸基を持つもの
や、ポリ(メタ)アクリルアミド及びポリジメチルアク
リルアミド、ポリジエチルアクリルアミド等のC1〜C4
のモノ又はジアルキル(メタ)アクリルアミド重合体、
ポリ−N−モルホリン(メタ)アクリルアミド、ポリ−
N−ビニルピロリドン、ポリ−N−ビニルアセトアミ
ド、ポリアミノ酸等のアミド基を持つもの等が挙げられ
る。またイオン結合を生じるものではカルボベタイン、
スルホベタイン、ホスホベタイン等のベタイン系ポリマ
ーや(メタ)アクリル酸等のアニオン性モノマーとN,
N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートやN,
N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等
のカチオン性モノマーの共重合体等の両性イオノマー及
びアミンオキシド等が挙げられる。
【0019】本発明の油中水型乳化組成物において、油
水界面に配向性を示す高分子化合物中に含まれる親水性
セグメントの働きにより、高分子化合物がW/Oエマル
ションの水滴と連続相(外相=油相)の界面に配向し、
水滴の合一や沈降等を防止することができる。また、こ
のとき、水滴に対し高分子化合物(B)はエラスティッ
クな性質の保護膜となる。エタノール及びシリコーン油
を含むW/Oエマルションにおいて、通常の乳化剤で起
こりやすい界面膜の破壊による水滴の合一や沈降による
分離に対して、高分子化合物(B)はエラスティックな
性質の保護膜となるため、水滴の合一や沈降が抑制され
て安定な乳化物を得ることができる。このような水滴に
対するエラスティックな性質の保護膜を得るためには、
重合体中に特別な性質を示す親水性セグメントを含むこ
とが好ましい。
【0020】高分子化合物(B)としては、油中水型乳
化組成物中で水滴と油相の界面に配向し、耐低級アルコ
ール(油相にシリコーン油を含有する場合には更に耐シ
リコーン性)の強い水滴の保護膜を形成することが好ま
しい。高分子化合物(B)単独の物性として常温・常圧
でゴム弾性を示すものが好ましいが、単独でゴム弾性を
示さないものでも、低級アルコール・シリコーン油等の
油中水型乳化組成物を構成する物質と共存させた時に、
水滴と油相の界面に配向し、同様の効果が得られるもの
であれば、単独での常温・常圧の物性は特に制限される
ものではない。
【0021】親水性セグメントとして、具体的には末端
を封鎖されたN−アシルアルキレンイミン、ポリアルキ
レングリコール、ポリアルキレングリコールモノアルキ
ルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸、N,N−ジメ
チルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、四級ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタ
クリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸の半エステル
類、クロトン酸、イタコン酸、アクリルアミド、アクリ
レートアルコール類、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ビニル
ピロリドン、ビニルエーテル類、ビニルピリジン、ビニ
ルイミダゾール、スチレンスルホネート、アリルアルコ
ール、ビニルアルコール、ビニルカプロラクタム、N−
アルキレンカルボベタイン及び糖由来残基から選ばれる
1種又は2種以上から誘導されるセグメントが挙げられ
る。好ましくはN−アシルアルキレンイミン、ポリアル
キレングリコール、ポリアルキレングリコールモノアル
キルエーテル、アクリル酸、N,N−ジメチルアクリル
アミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、四級ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピロリド
ン、N−アルキレンカルボベタイン及び糖由来残基で示
されるものから選ばれる1種又は2種以上から誘導され
るものである。
【0022】水又は低級アルコールに溶解又は分散す
る、親水性セグメントを有する界面配向性を示す高分子
化合物において、親水性セグメントの比率は、親水性セ
グメントと親水性セグメント以外のセグメント(オルガ
ノポリシロキサンを含む)の重量比が1/50〜20/
1、好ましくは、1/40〜2/1であり、分子量が5
00〜500,000、好ましくは1,000〜30
0,000のものが安定な乳化物を得る上で好ましい。
更に、親水性セグメントがN−アシルアルキレンイミン
から誘導されるものとしては、分子内に式(1);
【0023】
【化9】
【0024】(式中、R1 は水素原子、炭素数1〜22
のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリ
ール基のいずれかを表し、nは2又は3である。)で表
される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレ
ンイミン)のセグメントと、オルガノポリシロキサンの
セグメントとを有し、オルガノポリシロキサンのセグメ
ントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個にヘ
テロ原子を含むアルキレン基を介して、前記式(1)で
表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキ
レンイミン)のセグメントが結合してなるものが好まし
い。かかるポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シ
リコーンは、該ポリ(N−アシルアルキレンイミン)の
セグメントとオルガノポリシロキサンのセグメントとの
重量比が1/50〜20/1、好ましくは、1/40〜
2/1で、分子量が500〜500,000、好ましく
は1,000〜300,000のものが安定な乳化物を
得る上で好ましい。
【0025】また、式(1)中、R1 で示されるシクロ
アルキル基としては炭素数3〜6のものが挙げられ;ア
ラルキル基としてはフェニルアルキル、ナフチルアルキ
ル等が挙げられ;アリール基としてはフェニル、ナフチ
ル、アルキル置換フェニル等が挙げられる。前記オルガ
ノポリシロキサンのセグメントの末端又は側鎖のケイ素
原子の少なくとも1個に結合するヘテロ原子を含むアル
キレン基としては、窒素原子、酸素原子又はイオウ原子
を1〜3個含む炭素数2〜20のアルキレン基が挙げら
れ、その具体例としては、式(3);
【0026】
【化10】
【0027】で表される基が挙げられる。
【0028】かかるポリ(N−アシルアルキレンイミ
ン)変性シリコーンの好ましい例としては、ポリ(N−
ホルミルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−
アセチルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−
プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ
(N−n−オクタノイルエチレンイミン)変性シリコー
ン、ポリ(N−n−ドデカノイルエチレンイミン)変性
シリコーン、ポリ(N−ホルミルプロピレンイミン)変
性シリコーン、ポリ(N−アセチルプロピレンイミン)
変性シリコーン、ポリ(N−プロピオニルプロピレンイ
ミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−オクタノイルプ
ロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−ドデ
カノイルプロピレンイミン)変性シリコーン等が挙げら
れる。
【0029】上記ポリ(N−アシルアルキレンイミン)
変性シリコーンは、公知の方法(特開平2−27682
4号公報、特開平4−85334号公報、特開平4−8
5335号公報、特開平5−112423号公報、特開
平7−133352号公報等)により得ることができ、
例えば以下の方法で合成される。まず、前記式(1)で
表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキ
レンイミン)のセグメントは、式(14);
【0030】
【化11】
【0031】(式中、R1 は水素原子、炭素数1〜22
のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリ
ール基のいずれかを表し、nは2又は3である。)で表
される環状イミノエーテル化合物を開環重合することに
より得られる。式(14)で表される環状イミノエーテ
ル化合物は、以下に例示するような2−オキサゾリン類
あるいは2−オキサジン類である。すなわち、2−オキ
サゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル
−2−オキサゾリン、2−プロピル−2−オキサゾリ
ン、2−ブチル−2−オキサゾリン、2−ペンチル−2
−オキサゾリン、2−ヘプチル−2−オキサゾリン、2
−オクチル−2−オキサゾリン、2−ノニル−2−オキ
サゾリン、2−デシル−2−オキサゾリン、2−ウンデ
シル−2−オキサゾリン、2−ドデシル−2−オキサゾ
リン、2−トリデシル−2−オキサゾリン、2−テトラ
デシル−2−オキサゾリン、2−ペンタデシル−2−オ
キサゾリン、2−ヘキサデシル−2−オキサゾリン、2
−ヘプタデシル−2−オキサゾリン、2−オクタデシル
−2−オキサゾリン、2−ノナデシル−2−オキサゾリ
ン、2−エイコシル−2−オキサゾリン、2−ヘンエイ
コシル−2−オキサゾリン、2−ドコシル−2−オキサ
ゾリン、2−ベンジル−2−オキサゾリン、2−フェニ
ル−2−オキサゾリン、2−ナフチル−2−オキサゾリ
ン、2−アンスリル−2−オキサゾリン、2−ピレニル
−2−オキサゾリン、2−ペリレニル−2−オキサゾリ
ン、2−シクロヘキシル−2−オキサゾリン、2−オキ
サジン、2−メチル−2−オキサジン、2−エチル−2
−オキサジン、2−プロピル−2−オキサジン、2−ブ
チル−2−オキサジン、2−ペンチル−2−オキサジ
ン、2−ヘキシル−2−オキサジン、2−ヘプチル−2
−オキサジン、2−オクチル−2−オキサジン、2−ノ
ニル−2−オキサジン、2−デシル−2−オキサジン、
2−ウンデシル−2−オキサジン、2−ドデシル−2−
オキサジン、2−トリデシル−2−オキサジン、2−テ
トラデシル−2−オキサジン、2−ペンタデシル−2−
オキサジン、2−ヘキサデシル−2−オキサジン、2−
ヘプタデシル−2−オキサジン、2−オクタデシル−2
−オキサジン、2−ノナデシル−2−オキサジン、2−
エイコシル−2−オキサジン、2−ヘンエイコシル−2
−オキサジン、2−ドコシル−2−オキサジン、2−ベ
ンジル−2−オキサジン、2−フェニル−2−オキサジ
ン、2−ナフチル−2−オキサジン、2−アンスリル−
2−オキサジン、2−ピレニル−2−オキサジン、2−
ペリレニル−2−オキサジン、2−シクロヘキシル−2
−オキサジンなどが挙げられる。
【0032】これらの環状イミノエーテルは例えばLi
ebigs Ann.Chem.,p996〜p100
9(1974)に記載の方法によって作ることができ
る。これらの化合物は、開環重合のモノマーとして1種
のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組合わせて用
いてもよい。
【0033】上記環状イミノエーテルを開環重合させる
重合開始剤は、例えばトルエンスルホン酸アルキルエス
テル、硫酸ジアルキルエステル、トリフルオロメタンス
ルホン酸アルキルエステル又はアルキルハライド等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。これら
開始剤は単独あるいは混合物で用いることができる。
【0034】これらの開始剤を用いて前記式(14)で
表される環状イミノエーテル化合物を開環重合させるこ
とによりポリ(N−アシルアルキレンイミン)の分子鎖
を得ることができるが、この分子鎖は単独重合体鎖でも
共重合体鎖でもよく、該共重合体鎖はランダム共重合体
鎖でもブロック共重合体鎖でもよい。
【0035】上記ポリ(N−アシルアルキレンイミン)
の分子鎖の分子量は150以上、50,000以下が好
ましいが、更に好ましくは500以上、10,000以
下が適当である。分子量が150より小さいと、ポリ
(N−アシルアルキレンイミン)の性質を失い、また5
0,000より大きいと製造が困難になり、好ましくな
い。
【0036】高分子化合物(B)において、親水性セグ
メントがN−アシルアルキレンイミンから誘導されるも
のは、式(14)で表される環状イミノエーテル化合物
を開環重合させることにより生成する重合活性種と、こ
れと反応し得る官能基を有するオルガノポリシロキサン
とを反応させることにより得ることができる。
【0037】上記重合活性種と反応し得る官能基として
は、一級、二級又は三級アミノ基、メルカプト基、ヒド
ロキシル基、カルボキシレート基等が挙げられるが、中
でもアミノ基又はメルカプト基が好適である。分子内に
アミノ基又はメルカプト基を含有するオルガノポリシロ
キサンは分子量が300以上400,000以下が好ま
しいが、更に好ましくは800以上250,000以下
が適当であり、直鎖状であっても分岐鎖を有するもので
もよい。オルガノポリシロキサンの分子量が300より
小さいと、安定乳化物を得る上で好ましくなく、また、
400,000より大きいとゲル状となり反応しにくい
ため好ましくない。含有されるアミノ基又はメルカプト
基は主鎖及び側鎖の何れの部位に導入されていてもよ
い。
【0038】アミノ基又はメルカプト基を含有するオル
ガノポリシロキサンと、環状イミノエーテルのカチオン
重合で得たポリ(N−アシルアルキレンイミン)の反応
性末端との反応は以下のようにして行うことができる。
【0039】開始剤を極性溶媒、好適にはアセトニトリ
ル、バレロニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチ
レン、酢酸エチル、酢酸メチル等の単独溶媒、あるいは
必要に応じて他の溶媒との混合溶媒に溶かし、40〜1
50℃、好適には60〜100℃に昇温する。そこに上
記一般式(14)で表される環状イミノエーテルを一括
投入、あるいは反応が激しい場合には滴下し、重合を行
う。重合の進行はガスクロマトグラフィーなどの分析機
器でモノマーである環状イミノエーテルの残存量を定量
することにより追跡することができる。環状イミノエー
テルが消費され重合が終了しても、生長末端の活性種は
反応性を維持している。ポリマーを単離することなく、
引き続き、このポリマー溶液と分子内にアミノ基又はメ
ルカプト基を含有するオルガノポリシロキサンとを混合
し、5〜100℃、好ましくは20〜60℃の条件で反
応させる。混合割合は所望により適宜選ぶことができる
が、オルガノポリシロキサン中のアミノ基又はメルカプ
ト基1モルに対してポリ(N−アシルアルキレンイミ
ン)0.1〜1.3モル当量の割合で反応させるのが好
ましい。0.1モル当量より小さいと、変性率が小さい
ため本発明で意図するポリ(N−アシルアルキレンイミ
ン)の性質を付与させにくく、また、1.3モル当量よ
り多くは不要である。
【0040】以上の如き反応によって、オルガノポリシ
ロキサンに親水性セグメントとしてポリ(N−アシルア
ルキレンイミン)セグメントの付いたブロックコポリマ
ー又はグラフトポリマーを得ることができる。
【0041】また、高分子化合物(B)として、オルガ
ノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原
子の少なくとも1個に、下記一般式(4);
【0042】
【化12】
【0043】(式中、mは1〜8の整数を示す)で示さ
れる基が結合してなる共重合体を用いることもできる。
【0044】この共重合体においては、一般式(4)で
示される基が結合するケイ素原子数が分子内全ケイ素原
子数の10〜90%(より好ましくは40〜80%)で
あり、重量平均分子量1,000〜500,000(よ
り好ましくは5,000〜300,000)であるのが
好ましい。
【0045】基(4)を含むオルガノポリシロキサンの
重量平均分子量が1,000よりも小さいときには、乳
化安定性が悪くなり、重量平均分子量が500,000
を超えるものは、製造が困難である。一般式(4)で示
される基の結合しているケイ素原子数が分子内全ケイ素
原子数の10%より少ない場合には、十分な水滴への配
向性がもたらされないため乳化安定性が悪くなり、90
%を超える場合には、水溶性が高くなりすぎ、乳化性が
発現され難くなる。
【0046】このような基(4)を含む、オルガノポリ
シロキサンは、例えば前駆体として下記一般式(15)
で表されるようなオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンを用い、これと下記一般式(16)で表されるような
N−アルキレンピロリドンとを反応させる、いわゆるヒ
ドロシリル化反応によって合成することができる。この
ヒドロシリル化反応は、ジクロロメタン、クロロホル
ム、あるいは1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン
系の溶媒、又はテトラヒドロフラン、ジイソプロピルエ
ーテル、あるいはジブチルエーテルのような脂肪族のエ
ーテル類を反応溶媒として、室温〜100℃にて塩化白
金酸などの遷移金属錯体を触媒として、行うことができ
る。
【0047】
【化13】
【0048】(式中、R11は同一又は異なって、炭素数
1〜22の飽和アルキル基又はフェニル基を示し、
12、R13及びR14はそれぞれR11と同一の基を示すか
又は炭素数1〜22の飽和アルキル基又はフェニル基か
ら選ばれる基を示し、p2 は30〜3,000の整数を
示し、q2 は60〜1,500の整数を示し、mは前記
と同じ)
【0049】特開平5−32784号公報には上記オル
ガノポリシロキサンと同類のシロキサン化合物及びその
製造方法が開示されているが、低級アルコール(又は、
更にシリコーン油)を含む油中水型乳化組成物の分離を
抑制する効果については挙げられていない。
【0050】更に高分子化合物(B)としてオルガノポ
リシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の
少なくとも1個に、糖由来残基が結合してなる共重合体
を用いることもできる。
【0051】このオルガノポリシロキサンにおいて、糖
由来残基としては糖ラクトンアミドアルキル基(糖ラク
トン化合物とアミノアルキル基がアミド結合した基)が
挙げられる。また、オルガノポリシロキサンとしては、
シリコーン鎖が40〜97重量%(より好ましくは50
〜95重量%)存在し、重量平均分子量が1,000〜
500,000(より好ましくは5,000〜300,
000)であるものが好ましい。シリコーン鎖が40重
量%未満では乳化安定性が悪くなり、一方、97重量%
を超えると水滴への配向性が低下し、やはり乳化安定性
が悪くなる。また、重量平均分子量が1,000未満で
は乳化安定性が悪くなり、重量平均分子量が500,0
00を超えるものは製造が困難である。
【0052】糖由来残基が結合してなるオルガノポリシ
ロキサンは、例えばアミノアルキル基を少なくとも1個
有するオルガノポリシロキサンに糖ラクトン化合物(ア
ルドン酸又はウロン酸を分子内で脱水環化させたもの)
を反応させてアミド結合を生成せしめることにより製造
される。
【0053】ここでアミノアルキル基としては、炭素数
1〜20のアミノアルキル基、特に炭素数1〜8のアミ
ノアルキル基が好ましい。アルドン酸あるいはウロン酸
が分子内環化したラクトン化合物としては、D−グルコ
ース、D−ガラクトース、D−アロース、D−アルドー
ス、D−マンノース、D−グロース、D−イドース、D
−タロース等の還元性単糖に由来するアルドン酸のラク
トン;マルトース、セロビオース、ラクトース、キシロ
ビオース、イソマルトース、ニゲロース、コージビオー
ス等の還元性二糖に由来するアルドン酸のラクトン;マ
ルトトリオース、パノース、イソマルトトリオース等の
還元性三糖に由来するアルドン酸のラクトン;四糖以上
の還元性オリゴ糖に由来するアルドン酸のラクトン;D
−グルクロン酸、L−イズロン酸、マンヌロン酸等のウ
ロン酸のラクトン等が挙げられる。これらは単独あるい
は混合物として反応に供することができる。
【0054】アミノアルキル基を有するオルガノポリシ
ロキサン前駆体と糖ラクトンとの反応は、好適には糖ラ
クトンをオルガノポリシロキサン前駆体のアミノ基に対
して1.0〜1.3倍モル用いて溶媒中で混合し、溶液
濃度5〜30重量%で加熱還流下に3〜20時間攪拌す
ることによって達成できる。この際用いる溶媒としては
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロ
パノールなどの低級アルコールが適している。
【0055】更にオルガノポリシロキサンセグメントの
末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ
原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(2);
【0056】
【化14】
【0057】(式中、R2 は水素原子、炭素数1〜22
のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリ
ール基又はアルコキシカルボニルアルキル基を示し、r
は1〜5の数を示す)で表わされる繰り返し単位からな
るポリ(N−プロピレンカルボベタイン)が結合してな
る共重合体を用いることもできる。
【0058】この共重合体においては、該オルガノポリ
シロキサンセグメントと該ポリ(N−プロピレンカルボ
ベタイン)セグメントとの重量比が、98/2〜40/
60(より好ましくは95/5〜60/40)であり重
量平均分子量が1,000〜500,000(より好ま
しくは5,000〜300,000)であるのが好まし
い。オルガノポリシロキサンセグメントとポリ(N−プ
ロピレンカルボベタイン)セグメントとの重量比が、9
8/2より大きい時、若しくは40/60未満の時、又
は重量平均分子量が1,000未満のときは、弾性が生
じなく、乳化安定化作用が不十分となり好ましくない。
一方、重量平均分子量が500,000を超えるような
ものは製造が困難である。
【0059】オルガノポリシロキサンセグメントとポリ
(N−プロピレンカルボベタイン)セグメントとの結合
において介在するヘテロ原子を含むアルキレン基として
は、窒素原子、酸素原子及び/又はイオウ原子を1〜3
個含む炭素数2〜20のアルキレン基が挙げられ、その
具体例としては、
【0060】
【化15】
【0061】等が挙げられる。また、R2 で示されるシ
クロアルキル基としては炭素数3〜6のものが挙げら
れ;アラルキル基としてはフェニルアルキル、ナフチル
アルキル等が挙げられ;アリール基としてはフェニル、
ナフチル、アルキル置換フェニル等が挙げられる。
【0062】上記共重合体は、オルガノポリシロキサン
と下記式(17);
【0063】
【化16】
【0064】(式中、R2 は前記と同じ)で表される環
状アミンを開環重合して得られる末端反応性ポリ(N−
プロピレンイミン)とを反応させて、まずポリ(N−プ
ロピレンイミン)が結合してなるオルガノポリシロキサ
ンを製造する。これにクロル酢酸ナトリウムやβ−プロ
ピオラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクト
ンを更に反応させることによりポリ(N−プロピレンカ
ルボベタイン)が結合してなるオルガノポリシロキサン
が製造される。
【0065】更に別の製造方法として、得られたポリ
(N−プロピレンイミン)が結合してなるオルガノポリ
シロキサンに、炭素数1〜22のアルキルハライド、シ
クロアルキルハライド、アリールハライド等で四級化反
応を行った後、塩基性条件下、アルコキシカルボニルエ
チル基又はアルコキシカルボニルメチル基の加水分解反
応を行うことにより、ポリ(N−プロピレンカルボベタ
イン)が結合してなるオルガノポリシロキサンが製造さ
れる。
【0066】ここで、環状アミンの開環重合は、ルイス
酸、プロトン酸、アルキル化剤等の化合物、例えばトリ
エチルオキソニウムテトラフルオロボレート、塩化ベン
ジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジル、臭化メチル、ヨ
ウ化メチル、臭化エチル、ヨウ化エチル、ジメチル硫
酸、ジエチル硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ト
リフルオロメタンスルホン酸メチル、トリフルオロメタ
ンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、p−トル
エンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチル、p−
トルエンスルホン酸エチル等を開始剤として用い行なわ
れる。環状アミンとして、例えばN−置換−アゼチジン
を用いれば、ポリ(N−置換−プロピレンカルボベタイ
ン)が得られる。
【0067】更に、環状アミンの開環重合及び本発明の
共重合体の製造に用いる溶媒としては、酢酸エチル、酢
酸プロピル等の酢酸エステル類、ジエチルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン溶
媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶
媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性
極性溶媒を用いることができる。
【0068】上記ポリ(N−プロピレンイミン)鎖とシ
リコーン鎖との連結方法は、前記ポリ(N−アシルアル
キレンイミン)鎖とシリコーン鎖の連結方法と同じ方法
が利用できる。
【0069】特公昭63−16418号公報には、上記
ポリ(N−プロピレンカルボベタイン)が結合してなる
オルガノポリシロキサンと同類のベタイン基を有するシ
ロキサン及びその製造法が開示されているが、その実施
例においても、低級アルコール(又は更にシリコーン
油)を含有する油中水型乳化組成物の分離を抑制する効
果は示されていない。更に、油水界面に配向性を有する
高分子化合物(B)として、親水性セグメント及びオル
ガノポリシロキサンを含む共重合体として以下の3つの
セグメント(i)、(ii)、(iii)からなる共重合体
であるものも、低級アルコール(又は、更にシリコーン
油) を含む油中水型乳化組成物の分離を抑制し、乳化安
定化作用を示すので使用できる。
【0070】 (i) 親油性ラジカル重合性ビニル系重合体 からなるセグメント 1〜98重量% (ii) 親水性極性を有するセグメント 1.5〜60重量% (iii) オルガノポリシロキサンからなるセグメント 0.1〜90重量%
【0071】上記セグメント(i)、(ii)及び(ii
i)からなる共重合体は、特開平3−128311号公
報、特開平3−128312号公報、WO95/060
78、WO95/06079等に同類の共重合体及びそ
の製造法が開示されているが、当該共重合体の利用分野
は毛髪化粧料に関するものであり、低級アルコール(又
は、更にシリコーン油)を含む油中水型乳化組成物の乳
化安定性を向上させる効果に関するものではなく、これ
らからなるさっぱり感を有する皮膚化粧料に関するもの
でもない。更に、これらの共重合体が低級アルコール
(又は、更にシリコーン油)を含む油中水型乳化組成物
中で水滴のまわりに配向性を示して水滴の保護膜とな
り、油中水型乳化物の分離を抑制して乳化安定性を向上
させる効果については示されていない。
【0072】以下に高分子化合物(B)に関して上記セ
グメント(i)、(ii)及び(iii)からなる共重合体
について説明する。
【0073】(ii)の親水性極性を有するセグメントと
しては、前述した親水性セグメントと同様のものが挙げ
られる。
【0074】(i)の親油性ラジカル重合性ビニル系重
合体からなるセグメントとしては下記一般式(5);
【0075】
【化17】
【0076】〔式中、X1 は-OH、-NH2、-OM(Mは陽イ
オンを示す)、-OR3、-NHR3及び-N(R3)2(R3 は炭素数
1〜8の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、N,N−ジ
メチルアミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−
メトキシエチル基又は2−エトキシエチル基を示す)か
ら選ばれる基を示し、R4 及びR5 は水素原子、炭素数
1〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、メトキシ基、エ
トキシ基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチ
ル基及びエトキシエチル基から選ばれる基を示す〕で表
される1種又は2種以上が挙げられる。
【0077】上記式(5)において、Mの陽イオンとし
ては、Na+、K+、Mg++、Ca++、Zn++、NH4 +
アルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリ
アルキルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウム等
が挙げられる。
【0078】(i)のセグメントを構成するモノマーの
代表例としては、メタノール、エタノール、メトキシエ
タノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−
ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペン
タノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−
メチル−1−ブタノール、1−メチル−1−ブタノー
ル、3−メチル−1−ブタノール、1−メチル−1−ペ
ンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチ
ル−1−ペンタノール、t−ブタノール(2−メチル−
2−プロパノール)、シクロヘキサノール、ネオデカノ
ール、2−エチル−1−ブタノール、2−ブタノール、
ベンジルアルコール、2−オクタノール、6−メチル−
1−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、
3,5−ジメチル−1−ヘキサノール、3,5,5−ト
リメチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、1−ド
デカノール、1−ヘキサデカノール、1−オクタデカノ
ール等のようなC1〜C18アルコールのアクリル酸エス
テル類、C1〜C18アルコールのメタクリル酸エステル
類、スチレン、ポリスチレンマクロマー、酢酸ビニル、
塩化ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニリデン、α
−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ブタジエン、
シクロヘキサジエン、エチレン、プロピレン、ビニルト
ルエン、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましく
は、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルメタ
クリレート、t−ブチルメタクリレート及びそれらの混
合物である。
【0079】(iii)のオルガノポリシロキサンからな
るセグメントとしては、下記一般式(6);
【0080】
【化18】
【0081】〔式中、Eはセグメント(i)又は(ii)
のセグメントと共重合し得る置換基を有していてもよい
ビニル基を示し、Yは二価の連結基を示し、R6 は水素
原子、低級アルキル基、アリール基又はアルコキシ基を
示し、Z1 は平均分子量500以上の一価シロキサンポ
リマー部分を示し、sは0又は1を示し、tは1〜3の
整数を示す〕で表されるオルガノポリシロキサンが挙げ
られる。このオルガノポリシロキサン(6)の重量平均
分子量は約1,000〜約500,000が好ましく、
約5,000〜約400,000が特に好ましく、約
5,000〜約300,000が更に好ましい。オルガ
ノポリシロキサン(6)としては下記式(7)〜(1
2)で示すジメチルポリシロキサンが挙げられる。
【0082】
【化19】
【0083】〔式中、R7 は水素原子又はアルキル基を
示し、R8 は水素原子又はカルボキシル基(好ましくは
水素原子)を示し、R9 は水素原子、メチル基又はカル
ボキシメチル基(好ましくはメチル基)を示し、R10
アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリー
ル基又はヒドロキシ基(好ましくはアルキル基)を示
し、qは2〜6の整数を示し、pは5〜700の整数
(好ましくは約250)を示し、sは0又は1を示し、
tは1〜3の整数を示す〕
【0084】セグメント(i)、(ii)及び(iii)か
らなる共重合体は、セグメント(i)1〜98重量%
(好ましくは1〜90重量%、更に好ましくは50〜9
0重量%)、セグメント(ii)1.5〜60重量%(好
ましくは7.5〜50重量%)及びセグメント(iii)
0.1〜90重量%(好ましくは0.5〜90重量%、
更に好ましくは2〜60重量%)の構成比を有するもの
である。
【0085】セグメント(i)、(ii)及び(iii)か
らなる共重合体において、セグメント(i)はt−ブチ
ルアクリレート、t−ブチルメタクリレート及びそれら
の混合物から選択されることが好ましいが、それはかか
るポリマーが共溶媒を必要とせずに直接シクロメチコン
溶媒に溶解するためである。
【0086】セグメント(i)、(ii)及び(iii)を
含む特に好ましい共重合体としては以下が挙げられる
(下記重量%は重合反応に加えられた反応剤の量に関
し、必ずしも最終ポリマー中での量に関するものではな
い)。
【0087】アクリル酸/n−ブチルメタクリレート/
ポリジメチルシロキサン(PDMS)マクロマー−分子
量20,000(10/70/20v/v/v)(I) N,N−ジメチルアクリルアミド/イソブチルメタクリ
レート/PDMSマクロマー−分子量20,000(2
0/60/20v/v/v)(II) t−ブチルアクリレート/t−ブチルメタクリレート/
PDMSマクロマー−分子量10,000(56/24
/20v/v/v)(III) n−ブチルアクリレート/2−メトキシエチルアクリレ
ート/ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)/ポリ
ジメチルシロキサン 36/22/40/2(IV) n−ブチルアクリレート/2−メトキシエチルアクリレ
ート/ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)/ポリ
ジメチルシロキサン 33/22/40/5(V) n−ブチルアクリレート/2−メトキシエチルアクリレ
ート/ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)/ポリ
ジメチルシロキサン 30.5/22/40/7.5
(VI) n−ブチルアクリレート/2−メトキシエチルアクリレ
ート/ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)/ポリ
ジメチルシロキサン 28/22/40/10(VII) n−ブチルアクリレート/2−メトキシエチルアクリレ
ート/ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)/ポリ
ジメチルシロキサン 23/22/40/15(VIII) n−ブチルアクリレート/ポリ(N−プロピオニルエチ
レンイミン)/ポリジメチルシロキサン53/40/7
(IX) n−ブチルアクリレート/2−エチルヘキシルメタクリ
レート/ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)/ポ
リジメチルシロキサン 35/20/40/5(X) n−ブチルアクリレート/2−メトキシエチルアクリレ
ート/ポリ(エチレングリコール)/ポリジメチルシロ
キサン 36/22/40/2(XI)
【0088】上記セグメント(i)、(ii)及び(ii
i)を含む共重合体は一括してラジカル重合法で合成す
ることもでき、また、各マクロモノマーをそれぞれ、あ
らかじめ重合しておき、最後に共重合体にすることもで
きる。例えば以下のようにラジカル重合法で合成するこ
とができる。
【0089】その一般的原理はよく理解されている〔例
えば、オジアン(Odian);「重合の原理」、第2版、
ジョン・ウィリー&サンズ(John Wiley & Sons)、1
981年、第179、318頁参照〕。所望のモノマー
は、反応が完了した場合に反応液の粘度が妥当であるよ
う十分な量の相互溶媒と共にすべて反応器内に入れられ
る。典型的モノマー濃度は約20〜約50重量%であ
る。望ましくない停止剤、特に酸素は除去するのが望ま
しい。これはアルゴン又は窒素のような不活性ガスによ
るパージング又は排気により行われる。開始剤が導入さ
れるが、熱開始剤が用いられる場合、反応液は開始に必
要な温度とされる。一方、レドックス又はラジカル開始
も所望により適用可能である。重合は高レベルの変換が
達成される上で必要に応じて、数時間〜数日間にわたり
進められる。次いで溶媒が通常蒸発によるか又は非溶媒
の添加でポリマーを沈澱させて除去される。ポリマーは
必要に応じて更に精製される。
【0090】油水界面に配向性を有する高分子化合物
(B)は、油相(シリコーン油を含む場合もある)、低
級アルコール及び水を含有する成分を乳化し、安定な油
中水型乳化組成物を作る。当該油水界面に配向性を有す
る高分子の配合量は、0.05〜10重量%が好まし
く、より好ましくは0.1〜8重量%、更に好ましくは
0.1〜5重量%である。この範囲内であれば安定な油
中水型乳化組成物を得ることができ、連続相である油相
の粘度が高くなることもなく、使用時にべたつきが生じ
ず、使用感も良好である。
【0091】本発明の成分(C)である低級アルコール
は、特に制限されないが、分子内に1個以上のヒドロキ
シル基をもち分子量が小さく水溶性であればよく、例え
ばエチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール等が挙げられる。かかる低級アルコールの
配合量は油中水型乳化組成物及びこれを含有する皮膚化
粧料中、1〜40重量%が好ましく、特に、2〜30重
量%、更に5〜20重量%とするのが、清涼感、さっぱ
り感を保持しつつ安定性も低下させることがなく好まし
い。
【0092】本発明の成分(D)で用いられる水として
は、特に制限されるものではないが、純水、イオン交換
水等の精製水が好ましい。水の配合量は油中水型乳化組
成物及びこれを含有する皮膚化粧料中1〜90重量%、
特に3〜85重量%、更に5〜80重量%であるのが好
ましい。
【0093】本発明にかかる油中水型乳化組成物及びこ
れを含有する皮膚化粧料は、外相(油分相)と内相(水
性相)の比が外相:内相=10:1〜1:10であるこ
とが好ましく、特に8:1〜1:8が好ましい。また、
内相に配合される水と低級アルコールの混合比は50:
1〜1:5が好ましく、特に10:1〜1:3が好まし
い。
【0094】本発明の油中水型乳化組成物及びこれを含
有する皮膚化粧料には上記の必須成分に加えて、必要に
応じて通常の化粧料に配合される成分を配合しうる。た
とえば、水相成分としてプロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリ
セリン、マルチトール、ソルビトール、ポリエチレング
リコール、ヒアルロン酸ナトリウム、ピロリドンカルボ
ン酸塩類等の保湿剤、細胞間脂質(セラミド等)や、無
機顔料や有機顔料等の色材、カチオン性活性剤、アニオ
ン性活性剤、非イオン性活性剤等の界面活性剤、ビタミ
ンE、ビタミンEアセテート等の薬剤、収れん剤、酸化
防止剤、防腐剤、香料及びクエン酸、クエン酸ナトリウ
ム、乳酸、乳酸ナトリウム、第2リン酸ナトリウム等の
pH調整剤、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム等の無機
塩又は有機変性モンモリロナイト等の増粘剤、紫外線吸
収剤等を本発明の油中水型乳化組成物及びこれを含有す
る皮膚化粧料に適宜配合することができる。
【0095】本発明の皮膚化粧料は、通常の方法に従っ
て製造することができ、クリーム、乳液、ファンデーシ
ョン、口紅等とすることができる。
【0096】
【発明の効果】本発明の油中水型乳化組成物及びこれを
含有する皮膚化粧料は、優れた乳化安定性を示し、かつ
清涼感、さっぱり感に優れ、べたつきがない。
【0097】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明は、これらに制限されるものではない。尚、
例中の%は特記しない限り重量基準である。また、本合
成例において、重量平均分子量はゲル浸透型液体クロマ
トグラフ法によりクロロホルムを展開溶媒として求めた
ものであり、値はポリスチレン換算値である。
【0098】合成例1 (ポリ(N−アセチルエチレン
イミン)変性シリコーンの合成) メチル−p−トルエンスルホネート(メチルトシレー
ト)13.03g(0.070モル)、2−メチル−2
−オキサゾリン70g(0.82モル)、アセトニトリ
ル10ml、クロロホルム30mlの混合物を6時間還流
し、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)の末端反応性
ポリマー(分子量1,000)を合成した。この反応液
に、両末端3−アミノプロピル置換ポリジメチルシロキ
サン(チッソ社製,FM3311,分子量1,000)
31.8gをクロロホルム50mlに溶解した溶液を入
れ、55℃で24時間反応させた。溶媒を減圧留去する
ことにより、ポリジメチルシロキサンの両末端にポリ
(N−アセチルエチレンイミン)鎖の付いたブロック共
重合体(分子量3,000)が得られた。この共重合体
は、淡黄色のもろい固体であった(収量110.2g、
収率96%)。
【0099】合成例2 (ポリ(N−n−ドデカノイル
プロピレンイミン)変性シリコーンの合成) メチルトシレート1.45g(7.8×10-3モル)、
2−n−ウンデシル−2−オキサジン7.8g(0.0
33モル)、ジメチルアセトアミド10mlの混合物を1
00℃に24時間保ち、ポリ(N−n−ドデカノイルプ
ロピレンイミン)(分子量1,000)を合成した。こ
の反応液に、両末端3−アミノプロピル置換ポリジメチ
ルシロキサン(チッソ社製,FM3325,分子量1
0,000)38.9gをクロロホルム50mlに溶解し
た溶液を入れ、72時間還流した。次いでメタノールに
て再沈澱し、残渣を減圧乾燥した。得られた重合体は黄
色の粘稠な液体であり、分子量は12,000であった
(収量45.7g、収率95%)。
【0100】合成例3(ポリ(N−アセチルエチレンイ
ミン)変性シリコーンの合成) メチルトシレート3.26g(0.018モル)、2−
メチル−2−オキサゾリン70g(0.82モル)、ア
セトニトリル10ml、クロロホルム40mlの混合物を6
時間還流し、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)(分
子量4,000)を合成した。この反応液に、側鎖に3
−アミノプロピル基の置換したポリジメチルシロキサン
(信越化学工業社製,KF865,アミン当量4,40
0,分子量2,000)63.6gをクロロホルム15
0mlに溶解した溶液を入れ、55℃で24時間反応させ
た。溶媒を減圧留去することにより、ポリジメチルシロ
キサンにポリ(N−アセチルエチレンイミン)鎖の付い
たグラフト重合体(分子量6,000)と分子量2,0
00のシリコーンの混合体が生成した。この重合体は淡
黄色のもろい固体であった(収量134.1g、収率9
8%)。
【0101】合成例4 (N−アセチルエチレンイミ
ン)・(N−n−オクタノイルエチレンイミン)ランダ
ム共重合体変性シリコーンの合成) メチルトシレート1.86g(0.01モル)、2−n
−ヘプチル−2−オキサゾリン10g(0.059モ
ル)、2−メチル−2−オキサゾリン10g(0.11
74モル)、クロロホルム20mlの混合物を6時間還流
し、(N−アセチルエチレンイミン)・(N−n−オク
タノイルエチレンイミン)ランダム共重合体(分子量
2,000)を合成した。側鎖に2−アミノエチルアミ
ノプロピル基の置換したポリジメチルシロキサン(信越
化学工業社製,KF857,アミン当量830,粘度7
0cs(25℃))43.34gをクロロホルム150g
に溶解した溶液に、上記ランダム共重合体溶液を入れ、
10時間還流した。溶媒を減圧留去することにより、ポ
リジメチルシロキサンにポリ(N−アシルエチレンイミ
ン)のグラフトした共重合体(分子量19,000)が
得られた。この共重合体は淡黄色の粘稠な液体であった
(収量64.5g、収率99%)。
【0102】合成例5 (ポリ(N−ホルミルプロピレ
ンイミン)変性シリコーンの合成) メチルトシレート13.03g(0.070モル)、2
−オキサジン70g(0.82モル)、アセトニトリル
10ml、クロロホルム30mlの混合物を6時間還流し、
ポリ(N−ホルミルプロピレンイミン)の末端反応性ポ
リマー(分子量1,000)を合成した。この反応液に
側鎖に3−メルカプトプロピル基の置換したポリジメチ
ルシロキサン(信越化学工業社製,X−22−980,
イオウ含有量1.7%,粘度150cs(25℃))50
gをクロロホルム100mlに溶解した溶液を入れ、30
℃で3時間、次いで60℃で24時間反応した。溶媒を
減圧留去することにより、ポリジメチルシロキサンにポ
リ(N−ホルミルプロピレンイミン)鎖の付いたグラフ
ト重合体(分子量6,200)が得られた。この共重合
体は淡黄色の粘稠液体であった(収量129.0g、収
率97%)。
【0103】合成例6 (側鎖に3級アミノ基を含むア
ミノ変性シリコーン(合成例7の前駆体)の合成) N,N−ジメチルアミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン6.00g(0.031モル)と水1.46g(0.
081モル)の混合物を60℃で5時間加熱後、生成す
るメタノール及び水を60℃、2〜5mmHgにて減圧除去
する。80℃に昇温後、オクタメチルシクロテトラシロ
キサン228g(0.769モル)、ヘキサメチルジシ
ロキサン1.92g(1.18×10-2モル)及び重合
触媒0.90g(テトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイド0.12g(1.32×10-3モル)含有;テ
トラメチルアンモニウムハイドロオキサイド5水和物を
オクタメチルシクロテトラシロキサン及びトルエンに溶
かし、80℃で12時間反応後、80℃/2mmHgにて真
空乾燥することにより調製した。テトラメチルアンモニ
ウムハイドロオキサイド含有量は、塩酸滴定法により求
めた。)を加え、72時間窒素雰囲気下で加熱する。1
20℃、2〜5mmHgの真空下でオリゴマーを除去するこ
とにより、下記式で表される側鎖に3級アミノ基を含む
アミノ変性シリコーンを合成した。生成物は無色透明の
オイル(225g)であった。重量平均分子量は22,
000であった。アミン当量を塩酸滴定法にて求めたと
ころ7,200であった。
【0104】
【化20】
【0105】合成例7 (ポリ(N−プロピオニルエチ
レンイミン)変性シリコーンの合成) 硫酸ジエチル2.36g(0.0153モル)と2−エ
チル−2−オキサゾリン30.3g(0.306モル)
をクロロホルム43mlに溶解し、窒素雰囲気下、5時間
加熱還流し、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)
の末端反応性ポリマー(分子量2,000)を合成し
た。ここに、合成例6で合成した3級アミノ変性シリコ
ーン100g(アミノ基として0.0139モル)のク
ロロホルム270ml溶液を一括して加え、16時間加熱
還流した。反応混合物を減圧濃縮し、下記式で表される
ポリジメチルシロキサンにN−プロピオニルエチレンイ
ミン鎖の付いたグラフト共重合体(分子量28,90
0)が得られた。この重合体は淡黄色ゴム状固体であっ
た(収量129g、収率97%)。
【0106】
【化21】
【0107】合成例8 (ポリ(N−プロピオニルエチ
レンイミン)変性シリコーンの合成) 硫酸ジエチル3.55g(0.0230モル)と2−エ
チル−2−オキサゾリン27.4g(0.276モル)
を脱水した酢酸エチル60gに溶解し、窒素雰囲気下4
時間加熱還流し、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミ
ン)の末端反応性ポリマー(分子量1,200)を合成
した。ここに、側鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチ
ルシロキサン(分子量110,000,アミン当量2
0,800)400g(アミノ基にして0.0192モ
ル)の50%酢酸エチル溶液を一括して加え、8時間加
熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、ポリジメチルシ
ロキサンにN−プロピオニルエチレンイミン鎖の付いた
グラフト共重合体(分子量115,000)が得られ
た。この共重合体は淡黄色ゴム状固体であった(収量4
27g,収率99%)。
【0108】合成例9 (ポリ(N−プロピオニルエチ
レンイミン)変性シリコーンの合成) 硫酸ジエチル3.77g(0.0244モル)と2−エ
チル−2−オキサゾリン48.4g(0.488モル)
を脱水したクロロホルム107gに溶解し、窒素雰囲気
下5時間加熱還流し、ポリ(N−プロピオニルエチレン
イミン)の末端反応性ポリマー(分子量2,000)を
合成した。ここに、側鎖1級アミノプロピル変性ポリジ
メチルシロキサン(分子量110,000,アミン当量
9,840)400g(アミノ基にして0.0407モ
ル)の50%酢酸エチル溶液を一括して加え、13時間
加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、ポリジメチル
シロキサンにN−プロピオニルエチレンイミン鎖の付い
たグラフト共重合体(分子量137,000)が得られ
た。得られた共重合体は淡黄色ゴム状固体(収量444
g,収率98%)であった。
【0109】合成例10 (アルキルピロリドン変性シ
リコーンの合成) メチルハイドロジェンポリシロキサン500g(SiH
にして2.91モル、重量平均分子量100,000、
SiH当量172)に塩化白金酸の5%イソプロピルア
ルコール溶液2.0gを加えて窒素雰囲気下で攪拌しな
がら、ここにN−(3−プロペニル)ピロリドン382
g(3.06モル)を系内の温度が60℃を超えないよ
うな速度で滴下した。滴下終了後系内を65℃に保ち、
更に3時間攪拌を続けて室温に戻した。これにエタノー
ル3,530gを加えて均一溶液にし、更に活性炭粉末
10gを加えて30分間室温で攪拌した後活性炭を濾別
した。得られた溶液を減圧下で濃縮し、エタノール及び
未反応のN−(3−プロペニル)ピロリドンを留去し
て、アルキルピロリドン基を側鎖に有するメチルポリシ
ロキサン847g(収率98%)を無色透明ゴム状固体
として得た。重量平均分子量は155,000であっ
た。また、FT−IRスペクトルにおいて、Si−H伸
縮振動吸収(2125cm-1)は見られなかった。
【0110】合成例11 (糖由来残基含有シリコーン
の合成) アミン当量が996、重量平均分子量が108,000
であるγ−アミノプロピル変性ジメチルポリシロキサン
200g(アミノ基にして0.201モル)、δ−グル
コノラクトン39.3g(0.221モル)、及びメタ
ノール200gを混合し、窒素雰囲気下で激しく攪拌し
ながら、8時間加熱還流した。この溶液をメタノールで
3倍に希釈し、室温で激しく攪拌している10リットル
の水に滴下した。攪拌を止めて沈澱を濾取し、水洗後減
圧乾燥して、糖由来残基含有ジメチルポリシロキサンを
無色透明弾性固体として204g(収率86%)得た。
溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の
結果、アミノ基は残存していないことがわかった。ま
た、シリコーンセグメントの含有率は86%であった。
【0111】合成例12 (カルボベタイン変性シリコ
ーンの合成) 硫酸ジエチル30.6g(0.198モル)と1−(2
−カルボエトキシエチル)アゼチジン1498.2g
(9.53モル)を脱水した酢酸エチル3,058gに
溶解し、窒素雰囲気下15時間加熱還流し、末端反応性
ポリ(N−プロピレンイミン)を合成した。ここに、側
鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分
子量110,000、アミン当量4,840)800g
(アミノ基にして0.165モル)の50%酢酸エチル
溶液を一括して加え、12時間加熱還流した。反応混合
物を減圧濃縮し、N−プロピレンイミン−ジメチルシロ
キサン共重合体を淡黄色固体(2,212g、収率95
%)として得た。得られた反応混合物をジエチルエーテ
ル5,000gに溶解し、β−プロピオラクトン824
g(11.4モル)を室温で添加し、一昼夜室温で反応
させた。得られた溶液を減圧濃縮し、N−プロピレンカ
ルボベタイン−ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色固
体として得た。
【0112】合成例13 〔ビニルベンジルで末端封鎖
されたポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)マクロモ
ノマー(合成例14の前駆体)の合成〕 2−エチル−2−オキサゾリン50g(0.5044モ
ル)、メタ・パラビニルベンジルクロライド0.381
6g(0.0025モル)〔アルドリッヒ ケミカル社
製〕、ヨウ化ナトリウム0.562g(0.0037モ
ル)、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン
0.06g(0.00023モル)、アセトニトリル5
0mlの混合物を16時間90℃で還流し、ジクロロメタ
ン100mlを添加して反応を終了させた。合成物が入っ
ている混合溶液を濾過し、更にエーテル800ml中にて
析出させて、吸引濾過して取り出し、真空乾燥すること
によりポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)マクロモ
ノマーが得られた(収量40g,収率90%)。
【0113】合成例14 〔n−ブチルアクリレート/
2−メトキシエチルアクリレート/ポリ(N−プロピオ
ニルエチレンイミン)/ポリジメチルシロキサン共重合
体(36/22/40/5)の合成〕 n−ブチルアクリレート3.6g(0.0281モ
ル)、2−メトキシエチルアクリレート2.2g(0.
0169モル)、ジメチルポリシロキサン(Mw=10,
000 チッソ社製)0.2g(0.00002モ
ル)、合成例13で作ったポリ(2−エチル−2−オキ
サゾリン)マクロモノマー4.0g(0.001モ
ル)、アセトン90mlの混合物に開始剤としてアゾビス
イソブチロニトリル(AIBN)0.015g(0.0
001モル)を加え、24時間還流し、メタノール5ml
を加えて合成を停止させた。反応混合物をテフロンコー
トパンに注ぎ真空乾燥機に入れ室温にてアセトンを乾燥
させる。得られた合成物をエタノールに溶解させ、不溶
物を濾過し、濾液を取り出しエタノールを減圧留去する
ことにより、〔n−ブチルアクリレート/2−メトキシ
エチルアクリレート/ポリ(N−プロピオニルエチレン
イミン)/ポリジメチルシロキサン共重合体〕を得た。
この共重合体はゴム状固体であった(収量9.0g)。
【0114】合成例15 〔アクリル酸/n−ブチルメ
タクリレート/ポリジメチルシロキサン共重合体(10
/70/20)の合成〕 ポリマーI:フラスコ内にアクリル酸10部、n−ブチ
ルメタクリレート70部及び20K PDMSマクロマ
ー20部を入れた。40%の最終モノマー濃度を得るた
めに十分な酢酸エチルを加える。モノマー量と比較して
0.1重量%のレベルまで開始剤過酸化ベンゾイルを加
えた。容器を排気し、窒素で再充填した。60℃に加熱
し、この温度を攪拌下で48時間維持した。室温まで冷
却することで反応を終結させ、反応混合物をテフロンコ
ートパンに注ぎ真空オーブンに入れることで酢酸エチル
を乾燥除去し、アクリル酸/n−ブチルメタクリレート
/ポリジメチルシロキサン(=10/70/20)(分
子量100,000)を得た。
【0115】実施例1〜15、比較例1〜5 表1及び表2に示す組成の油中水型乳化組成物(皮膚化
粧料)を下記方法により製造し、乳化保存安定性、さっ
ぱり感及びべたつきのなさについて評価を行った。結果
を表1及び表2に示す。
【0116】(製造法)成分(1)〜(14)を混合す
る。このものに(15)〜(17)の混合物を30分か
けてゆっくりと攪拌しながら添加し、更に10分間ホモ
ミキサーで攪拌して乳化する。このものを脱泡してポリ
エチレン製容器に充填し、乳液を調製した。
【0117】(評価方法) (1)乳化保存安定性:各乳化物を100ml入りポリエ
チレン容器に約70g充填し、5℃、室温(20〜25
℃)、40℃に1カ月保存後、各乳化物の安定性を、以
下の基準に従って外観から判断した。 ◎:変化なし。 ○:表面にムラが発生。 △:表面に1mm以内の液体の分離。 ×:完全に分離(1mm以上)。
【0118】(2)さっぱり感:専門パネラー15名に
より各油中水型乳化化粧料を顔に塗布し、以下の基準に
従って評価し、その平均点により判定した。 悪い・・・・スコア1 やや悪い・・スコア2 普通・・・・スコア3 やや良い・・スコア4 良い・・・・スコア5
【0119】(3)べたつきのなさ:前記(2)さっぱ
り感と同様の方法で以下の基準に従って評価し、その平
均点により判定した。 悪い・・・・スコア1 やや悪い・・スコア2 普通・・・・スコア3 やや良い・・スコア4 良い・・・・スコア5
【0120】(判定基準) 平均スコア4.5以上5.0まで:◎ 平均スコア3.5以上4.5未満:○ 平均スコア2.5以上3.5未満:△ 平均スコア1.5以上2.5未満:× 平均スコア1.0以上1.5未満:××
【0121】
【表1】
【0122】
【表2】
【0123】表1及び表2より、本発明の油水界面に配
向性を有する高分子、及び低級アルコールを配合してな
る油中水型乳化化粧料(実施例1〜15)は、各温度条
件における保存安定性に優れ、使用感においてはさっぱ
り感に優れ、べたつきの無いものであった。一方、油水
界面に配向性を有する高分子を含まない油中水型乳化化
粧料(比較例1〜3)は、使用感においてはさっぱり感
に優れ、べたつきの無いものであったが、保存安定性に
劣るものであった。また、低級アルコールであるエタノ
ールを配合しないもの(比較例4〜5)は、安定性は良
くなる傾向があり、特に油水界面に配向性を有する高分
子を配合しているもの(比較例5)は安定性に優れてい
るが、しかしながら、使用感においてはさっぱり感に劣
り、べたつきのあるものであった。
【0124】実施例16 (クリーム乳化化粧料)
【表3】 (成分) (1)ジメチルポリシロキサン(粘度2cs) 10% (2)デカメチルシクロペンタシロキサン 10% (3)パーフルオロポリエーテル (FOMBLIN HC-04 アウシモント社製) 5% (4)スクワラン 5% (5)ラノリン 1% (6)ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン (合成例7) 3% (7)精製水 残量 (8)95%エチルアルコール 15% (9)1,3−ブチレングリコール 5%(10)ヒアルロン酸ナトリウム 0.1% 100%
【0125】上記成分(1)〜(6)を混合する。この
ものに上記(7)〜(10)の混合物を30分かけてゆ
っくりと攪拌しながら添加し、更に10分間ホモミキサ
ーで攪拌して乳化する。このものを脱泡してポリエチレ
ン製容器に充填し、クリーム乳化化粧料を調製した。
【0126】実施例17 (クリーム状ファンデーショ
ン)
【表4】 (成分) (1)イソパラフィン(C10〜C12) 15% (2)オクタメチルシクロテトラシロキサン 8% (3)ジメチルポリシロキサン(粘度6cs) 7% (4)セタノール 1% (5)リンゴ酸ジイソステアリル 6% (6)ジステアリン酸亜鉛 1% (7)モノイソステアリルグリセリルエーテル 1% (8)ジメチルシロキサン・メチルポリオキシエチレン シロキサン共重合体 1% (9)ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性 シリコーン(合成例8) 2% (10)シリコーン処理微粒子酸化チタン*1(テイカ社製) 5% (11)シリコーン処理球状シリカ*1 1% (12)シリコーン処理酸化チタン*1 5% (13)シリコーン処理酸化鉄(赤,黄,黒)*1 3% (14)グリセリン 3% (15)95%エタノール 3% (16)メチルパラベン 0.1%(17)水 残量 100% (*1)メチルハイドロジェンポリシロキサンにて2%被覆したもの
【0127】成分(1)〜(9)を80℃に加熱混合す
る。別に成分(10)〜(13)をヘンシェルミキサー
で混合し、これを予め混合しておいた(1)〜(8)に
加え攪拌機で分散混合する。このものに40℃に加熱し
た(14)〜(16)の混合物を30分かけてゆっくり
と攪拌しながら添加し、更に10分間ホモミキサーで攪
拌して乳化する。乳化物をゆっくりと攪拌しながら常温
まで冷却し、脱泡してボトルに充填し、クリーム状ファ
ンデーションを調製した。
【0128】実施例18 (サンスクリーン乳液)
【表5】 (成分) (1)オクタメチルシクロテトラシロキサン 3% (2)デカメチルシクロペンタシロキサン 10% (3)ジメチルポリシロキサン(粘度1cs) 3% (4)ミリスチン酸オクチルドデシル 8% (5)ステアリン酸 0.5% (6)メトキシ桂皮酸オクチル 2% (7)ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性 シリコーン(合成例8) 5% (8)シリコーン処理微粒子酸化チタン*2(テイカ社製) 3% (9)シリコーン処理微粒子酸化亜鉛*3 (堺化学社製,微細亜鉛華の2%処理) 5% (10)ナイロンパウダー 2% (11)95%エタノール 8% (12)クエン酸ナトリウム 0.5% (13)グリセリン 3% (14)硫酸マグネシウム 1%(15)水 残量 100% (*2)メチルハイドロジェンポリシロキサンにて5%被覆したもの
【0129】成分(1)〜(10)を70℃にて加熱混
合する。これに、別に成分(11)〜(15)を予め4
0℃にて加熱混合しておいたものを30分かけてゆっく
りと攪拌しながら添加し、更に10分間ホモミキサーで
攪拌して乳化する。乳化物をゆっくりと攪拌しながら常
温まで冷却し、脱泡してボトルに充填し、サンスクリー
ン乳液を調製した。
【0130】実施例19 (液状ファンデーション)
【表6】 (成分) (1)オクタメチルシクロテトラシロキサン 15% (2)ジメチルポリシロキサン(粘度2cs) 8% (3)メトキシ桂皮酸オクチル 2% (4)12−ヒドロキシステアリン酸 1% (5)ミリスチン酸オクチルドデシル 7% (6)ジメチルシロキサン・メチルポリオキシエチレン シロキサン共重合体 3% (7)ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性 シリコーン(合成例9) 0.5% (8)シリコーン処理微粒子酸化チタン*1(テイカ社製) 7% (9)球状シリコーン樹脂粉体 (トスパール120 東芝シリコーン社製) 2% (10)レシチン処理雲母チタン*4 1% (11)シリコーン処理酸化チタン*1 5% (12)シリコーン処理酸化鉄(赤,黄,黒)*1 3% (13)95%エタノール 15% (14)1,3−ブチレングリコール 2% (15)硫酸マグネシウム 1%(16)水 残量 100% (*1) メチルハイドロジェンポリシロキサンにて2%被覆したもの (*4) 大豆レシチンにて5%被覆したもの
【0131】成分(1)〜(7)を70℃に加熱混合す
る。別に成分(8)〜(12)をヘンシェルミキサーで
混合し、これを予め混合しておいた(1)〜(7)に加
え攪拌機で分散混合する。このものに40℃に加熱した
(13)〜(16)の混合物を30分かけてゆっくりと
攪拌しながら添加し、更に10分間ホモミキサーで攪拌
して乳化する。乳化物をゆっくりと攪拌しながら常温ま
で冷却し、脱泡してボトルに充填し、液状ファンデーシ
ョンを調製した。
【0132】実施例20 (ハンドクリーム)
【表7】 (成分) (1)ジメチルポリシロキサン(粘度1cs) 10% (2)デカメチルシクロペンタシロキサン 10% (3)ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン 共重合体 3% (4)固型パラフィン 1% (5)セタノール 1% (6)ラノリン 5% (7)ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン) 変性シリコーン(合成例9) 3% (8)95%エチルアルコール 5% (9)1,3−ブチレングリコール 5% (10)ヒアルロン酸ナトリウム 0.1%(11)精製水 残量 100%
【0133】成分(1)〜(7)を70℃に加熱混合す
る。このものに(8)〜(11)の混合物を30分かけ
てゆっくりと攪拌しながら添加し、更に10分間ホモミ
キサーで攪拌して乳化する。このものを脱泡してポリエ
チレン製容器に充填し、ハンドクリームを調製した。
【0134】実施例21 (クリーム乳化化粧料)
【表8】 (成分) (1)ジメチルポリシロキサン(粘度2cs) 10% (2)デカメチルシクロペンタシロキサン 10% (3)ジメチルポリシロキサン(粘度6cs) 5% (4)スクワラン 5% (5)ラノリン 1% (6)共重合体(合成例10) 3% (7)精製水 残量 (8)95%エチルアルコール 15% (9)1,3−ブチレングリコール 5%(10)ヒアルロン酸ナトリウム 0.1% 100%
【0135】成分(1)〜(5)を混合する。このもの
に(6)〜(10)の混合物を30分かけてゆっくりと
攪拌しながら添加し、更に10分間ホモミキサーで攪拌
して乳化する。このものを脱泡してポリエチレン製容器
に充填し、クリーム乳化化粧料を調製した。
【0136】実施例22 (クリーム乳化化粧料) 実施例21において、成分(6)の共重合体(合成例1
0)の代わりに共重合体(合成例11)を用いた以外は
実施例21と同様にしてクリーム乳化化粧料を調製し
た。
【0137】実施例23 (クリーム乳化化粧料) 実施例21において、成分(6)の共重合体(合成例1
0)の代わりに共重合体(合成例12)を用いた以外は
実施例21と同様にしてクリーム乳化化粧料を調製し
た。
【0138】実施例24 (クリーム乳化化粧料) 実施例21において、成分(6)の共重合体(合成例1
0)の代わりに共重合体(合成例14)を用いた以外は
実施例21と同様にしてクリーム乳化化粧料を調製し
た。
【0139】実施例25 (クリーム乳化化粧料) 実施例21において、成分(6)の共重合体(合成例1
0)の代わりに共重合体(合成例15)を用いた以外は
実施例21と同様にしてクリーム乳化化粧料を調製し
た。
【0140】実施例16〜25の油中水型乳化組成物か
らなる皮膚化粧料は、保存安定性に優れ、使用感におい
てはさっぱり感に優れ、べたつきの無いものであった。
フロントページの続き (72)発明者 織田 卓 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 田中 伸林 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 林藤 克彦 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(A)、(B)、(C)及び
    (D); (A)油相 (B)油水界面に配向性を有する高分子化合物 (C)低級アルコール (D)水 を含有する油中水型乳化組成物。
  2. 【請求項2】 成分(A)がシリコーン油の1種又は2
    種以上を含むものである請求項1記載の油中水型乳化組
    成物。
  3. 【請求項3】 成分(B)が、共有結合以外の結合によ
    る分子内及び分子間架橋を生じ、温度20℃、相対湿度
    65%における伸長率が0〜15%の範囲で破断又は塑
    性変形を生じない物性を示す、常温・常圧で固体である
    高分子化合物である請求項1記載の油中水型乳化組成
    物。
  4. 【請求項4】 高分子化合物(B)が、親水性セグメン
    トを含み、水又は低級アルコールに溶解又は分散するも
    のである請求項1〜3のいずれか1項記載の油中水型乳
    化組成物。
  5. 【請求項5】 高分子化合物(B)が、親水性セグメン
    ト及びオルガノポリシロキサンのセグメントを含有する
    共重合体である請求項1〜4のいずれか1項記載の油中
    水型乳化組成物。
  6. 【請求項6】 高分子化合物(B)の親水性セグメント
    が、末端を封鎖されたN−アシルアルキレンイミン、ポ
    リアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールモ
    ノアルキルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸、N,
    N−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメ
    タクリレート、四級ジメチルアミノエチルメタクリレー
    ト、メタクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミ
    ド、マレイン酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸の半
    エステル類、クロトン酸、イタコン酸、アクリルアミ
    ド、アクリレートアルコール類、ヒドロキシエチルメタ
    クリレート、ジアリルジメチルアンモニウムクロライ
    ド、ビニルピロリドン、ビニルエーテル類、ビニルピリ
    ジン、ビニルイミダゾール、スチレンスルホネート、ア
    リルアルコール、ビニルアルコール、ビニルカプロラク
    タム、N−アルキレンカルボベタイン及び糖由来残基か
    ら選ばれる1種又は2種以上から誘導されるものである
    請求項4又は5記載の油中水型乳化組成物。
  7. 【請求項7】 高分子化合物(B)の親水性セグメント
    とオルガノポリシロキサンのセグメントとの重量比が1
    /50〜20/1であり、高分子化合物の重量平均分子
    量が500〜500,000である請求項5又は6記載
    の油中水型乳化組成物。
  8. 【請求項8】 高分子化合物(B)の親水性セグメント
    が、オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖
    のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むア
    ルキレン基を介して結合するセグメントであり、下記一
    般式(1); 【化1】 (式中、R1 は水素原子、炭素数1〜22のアルキル
    基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を
    示し、nは2又は3の数を示す)で表される繰り返し単
    位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)である
    請求項1〜7のいずれか1項記載の油中水型乳化組成
    物。
  9. 【請求項9】 高分子化合物(B)の親水性セグメント
    が、オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖
    のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むア
    ルキレン基を介して結合するセグメントであり、下記一
    般式(2); 【化2】 (式中、R2 は水素原子、炭素数1〜22のアルキル
    基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基又は
    アルコキシカルボニルアルキル基を示し、rは1〜5の
    数を示す)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−
    プロピレンカルボベタイン)である請求項1〜7のいず
    れか1項記載の油中水型乳化組成物。
  10. 【請求項10】 オルガノポリシロキサンのセグメント
    の末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に結合す
    るヘテロ原子を含むアルキレン基が、式(3) 【化3】 で表される基の中から選ばれるものである請求項8又は
    9記載の油中水型乳化組成物。
  11. 【請求項11】 高分子化合物(B)が、オルガノポリ
    シロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少
    なくとも1個に、下記一般式(4); 【化4】 (式中、mは1〜8の整数を示す)で示される基が結合
    してなるものである請求項1〜5のいずれか1項記載の
    油中水型乳化組成物。
  12. 【請求項12】 高分子化合物(B)が、一般式(4)
    で示される基が結合するケイ素原子数が分子内全ケイ素
    原子数の10〜90%であり、重量平均分子量1,00
    0〜500,000のものである請求項11記載の油中
    水型乳化組成物。
  13. 【請求項13】 高分子化合物(B)が、オルガノポリ
    シロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少
    なくとも1個に、糖由来残基が結合してなる共重合体で
    ある請求項1〜5のいずれか1項記載の油中水型乳化組
    成物。
  14. 【請求項14】 糖由来残基が糖ラクトンアミドアルキ
    ル基である請求項13記載の油中水型乳化組成物。
  15. 【請求項15】 高分子化合物(B)が、シリコーン鎖
    を40〜97重量%含み、重量平均分子量1,000〜
    500,000のものである請求項13記載の油中水型
    乳化組成物。
  16. 【請求項16】 高分子化合物(B)のオルガノポリシ
    ロキサンセグメントとポリ(N−プロピレンカルボベタ
    イン)セグメントとの重量比が、98/2〜40/60
    であり、重量平均分子量が1,000〜500,000
    である請求項15記載の油中水型乳化組成物。
  17. 【請求項17】 成分(B)が、次のセグメント
    (i)、(ii)及び(iii); (i) 親油性ラジカル重合性ビニル系重合体 からなるセグメント 1〜98重量% (ii) 親水性極性を有するセグメント 1.5〜60重量% (iii) オルガノポリシロキサンからなるセグメント 0.1〜90重量% からなる共重合体である請求項1〜5のいずれか1項記
    載の油中水型乳化組成物。
  18. 【請求項18】 セグメント(i)が、下記一般式
    (5); 【化5】 〔式中、X1 は-OH、-NH2、-OM(Mは陽イオンを示
    す)、-OR3、-NHR3及び-N(R3)2(R3 は炭素数1〜8の
    直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、N,N−ジメチルア
    ミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシ
    エチル基又は2−エトキシエチル基を示す)から選ばれ
    る基を示し、R4 及びR5 は水素原子、炭素数1〜8の
    直鎖又は分岐鎖のアルキル基、メトキシ基、エトキシ
    基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基及
    びエトキシエチル基から選ばれる基を示す〕で表される
    1種又は2種以上である請求項17記載の油中水型乳化
    組成物。
  19. 【請求項19】 セグメント(i)が、C1〜C18アル
    コールのアクリル酸エステル類、C1〜C18アルコール
    のメタクリル酸エステル類、スチレン、ポリスチレンマ
    クロマー、酢酸ビニル、塩化ビニル、プロピオン酸ビニ
    ル、塩化ビニリデン、α−メチルスチレン、t−ブチル
    スチレン、ブタジエン、シクロヘキサジエン、エチレ
    ン、プロピレン及びビニルトルエンから選ばれる1種又
    は2種以上である請求項17記載の油中水型乳化組成
    物。
  20. 【請求項20】 セグメント(ii)が、末端を封鎖され
    たN−アシルアルキレンイミン、ポリアルキレングリコ
    ール、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテ
    ル、アクリル酸、メタクリル酸、N,N−ジメチルアク
    リルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、四
    級ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリルア
    ミド、N−t−ブチルアクリルアミド、マレイン酸、無
    水マレイン酸、無水マレイン酸の半エステル類、クロト
    ン酸、イタコン酸、アクリルアミド、アクリレートアル
    コール類、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジアリル
    ジメチルアンモニウムクロライド、ビニルピロリドン、
    ビニルエーテル類、ビニルピリジン、ビニルイミダゾー
    ル、スチレンスルホネート、アリルアルコール、ビニル
    アルコール、ビニルカプロラクタム、N−アルキレンカ
    ルボベタイン及び糖由来残基から選ばれる1種又は2種
    以上から誘導されるものである請求項17記載の油中水
    型乳化組成物。
  21. 【請求項21】 セグメント(iii)が、下記一般式
    (6); 【化6】 〔式中、Eはセグメント(i)又は(ii)のマクロモノ
    マーと共重合し得る置換基を有していてもよいビニル基
    を示し、Yは二価の連結基を示し、R6 は水素原子、低
    級アルキル基、アリール基又はアルコキシ基を示し、Z
    1 は平均分子量500以上の一価シロキサンポリマー部
    分を示し、sは0又は1を示し、tは1〜3の整数を示
    す〕で表されるオルガノポリシロキサンである請求項1
    7記載の油中水型乳化組成物。
  22. 【請求項22】 セグメント(iii)が、下記一般式
    (7)〜(12); 【化7】 (式中、R7 は水素原子又はアルキル基を示し、R8
    水素原子又はカルボキシル基を示し、R9 は水素原子、
    メチル基又はカルボキシメチル基を示し、R10はアルキ
    ル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基又
    はヒドロキシ基を示し、qは2〜6の整数を示し、pは
    5〜700の整数を示し、sは0又は1を示し、tは1
    〜3の整数を示す)から選ばれるジメチルポリシロキサ
    ンに基づき1,000〜500,000の重量平均分子
    量を有するシリコーン含有マクロマーからなるものであ
    る請求項17記載の油中水型乳化組成物。
  23. 【請求項23】 成分(A)を10〜90重量%、成分
    (B)を0.05〜10重量%、成分(C)を1〜40
    重量%含有する請求項1〜22のいずれか1項記載の油
    中水型乳化組成物。
  24. 【請求項24】 請求項1〜23のいずれか1項記載の
    油中水型乳化組成物を含有する皮膚化粧料。
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