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JPH10326628A - 電池およびその製造方法 - Google Patents

電池およびその製造方法

Info

Publication number
JPH10326628A
JPH10326628A JP9134990A JP13499097A JPH10326628A JP H10326628 A JPH10326628 A JP H10326628A JP 9134990 A JP9134990 A JP 9134990A JP 13499097 A JP13499097 A JP 13499097A JP H10326628 A JPH10326628 A JP H10326628A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
material layer
battery
electrode active
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9134990A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Shioda
久 塩田
Shigeru Aihara
茂 相原
Junichi Hosokawa
純一 細川
Hiroaki Urushibata
広明 漆畑
Kenji Kawaguchi
憲治 川口
Hideo Ichimura
英男 市村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP9134990A priority Critical patent/JPH10326628A/ja
Publication of JPH10326628A publication Critical patent/JPH10326628A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄型で充放電効率が高く、かつ歩止りよく得
られる実用的な電池を提供する。 【解決手段】 正極3,負極5を各々穴のない箔状の
正,負極集電体3a,5aに正,負極活物質層3b,5
bを接合して形成し、両電極あるいはいずれか一方に、
少なくとも集電体を貫通する穴8を開けた後、両電極間
にセパレータ4を多孔性の接着層7を介して配設して電
池体2を構成し、電解液を満たしてリチウムイオン二次
電池を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電池及びその製造方
法に関し、詳しくは、薄型等の任意の形態をとりうる電
池の構造及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】携帯電子機器の小型・軽量化への要望は
非常に大きく、その実現のためには電池の性能向上が不
可欠である。これに対応すべく、近年、多様な電池の開
発、改良が進められてきた。電池に要求されている特性
には、高電圧、高エネルギー密度、安全性、形状の任意
性等がある。中でも、リチウムイオン二次電池は、これ
までの電池の中でも最も高電圧かつ高エネルギー密度が
実現されることが期待される二次電池であり、現在でも
その改良が盛んに進められている。そこで、この明細書
ではリチウムイオン二次電池を例に説明する。
【0003】このリチウムイオン二次電池はその主要な
構成要素として正極、負極と両電極間に挟まれるイオン
伝導層を有する。現在実用に供されているリチウムイオ
ン二次電池においては、正極にはリチウム−コバルト酸
化物等の活物質粉末を集電体に塗布し板状としたもの、
負極には同様に炭素系材料の活物質粉末を集電体に塗布
し板状としたものが用いられている。イオン伝導層に関
してはポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質フィル
ムであるセパレータを挟み非水系の電解液で満たされて
いるものが用いられている。
【0004】図8は例えば特開平8−83608号公報
に示された従来の円筒型リチウムイオン二次電池の構造
を示す断面模式図であり、図において、10は負極端子
を兼ねるステンレス製等の外装缶、2はこの外装缶10
内に収納された電池体であり、電池体2は正極3、セパ
レータ4および負極5を渦巻状に巻回した構造になって
いる。この電池体2は正極3、セパレータ4および負極
5の電気的接触を維持するために外部から圧力を電極面
に与える必要がある。そのため、電池体2を充分丈夫な
金属缶に挿入することにより、全ての面内の接触を保っ
ている。同様の理由によって、他にも角型電池では短冊
状の電極対を束ねて角型の金属缶に挿入するなど、外部
より力を加えて押さえつける方法がとられている。ま
た、例えば特開平5−159802号公報に示された固
体二次電池では、イオン導電性固体電解質の層と電極材
料の層を熱可塑性樹脂接着剤を用いて加熱により一体化
する製造方法が示されている。この場合は、電極層と電
解質層とを一体化することによって電気的接触を維持し
ているため、外部から力を加えずとも電気的接触を維持
でき、電池として働く。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の電池は以上のよ
うに構成されており、電極層と電解質層(セパレータ)
を電気的に充分接触させるために、金属の丈夫な外装缶
に電池体を挿入して外から圧力をかけるものでは、発電
部以外である外装缶の電池の体積、重量に占める割合が
大きくなり、エネルギー密度の高い電池をつくるために
は不利であるという問題点があった。また、電極層と固
体電解質層を接着剤で接合するものでは、電極−電解質
界面が接着剤で覆われ、電極−電解質界面における導電
性の点で、例えば液体電解質を使用した場合の外部から
押さえるタイプの電池と比較すると不利であり、イオン
導電性を有する接着剤を使用した場合でも、液体電解質
と同等以上の導電性を持つ材料は一般に見出されておら
ず、液体電解質を用いた電池と同等の導電性を得ること
はできないという問題点があった。即ち、電極−電解質
界面に液体電解質を保持するためには金属の外装缶が必
要であり、それはエネルギー密度的に不利である一方
で、電極−電解質接着型の場合は金属外装缶を必要とし
ないかわりに、液体電解質を使用した電池と比較して電
極−電解質界面の導電性の低い電池となり、高負荷率充
放電特性等の電池性能の点で不利であるという問題点が
あった。
【0006】上記問題を解消するために、本発明者らは
特願平8−324032号明細書に開示した電極層とセ
パレータとを多孔性の接着層で接合する構造の電池を開
発した。この電池は、例えば溶剤乾燥型の接着剤を用い
て電極層とセパレータとを貼り合わせ乾燥することによ
り、溶剤を揮発させて接着層にこれを貫通する連続孔を
形成している。この乾燥を速やかに行なうために、集電
体には乾燥時に発生する溶媒蒸気が抜ける穴が必要とな
る。従って、電極集電体には、例えば網目状のものを用
いている。この網目状集電体を用いた場合は、広い電極
面を電解液を電池体中心部まで含浸させるときの入り口
として使えるので、電解液含浸能力が高い点でも、穴の
ない箔状集電体を用いた場合に比べ有利である。ところ
が、網目状の集電体は、同じ厚み、材質の穴のない箔状
集電体に比べ、機械強度が弱く、量産時に破れるなどの
トラブルが多発するという問題があった。また、網目状
集電体の上に電極活物質層を形成した場合、活物質表面
に凹凸が形成される。この凹凸の程度が大きすぎる場合
には、電解液不足によるイオン伝導不良が起こりやすく
なるという問題が生じる。これらの問題は、網目状に限
らず、予め集電体に穴を形成している場合には、避けら
れないものであった。
【0007】本発明は、かかる課題を解決するためにな
されたもので、電解液含浸能力および接着乾燥時の乾燥
能力を確保しつつ、歩留まり良く製造することができ、
薄型等、任意の形態をとりうる充放電効率の高い実用的
な電池、およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成の電
池は、電極活物質層および集電体からなる正極および負
極と、上記両電極間に配置され、上記電極活物質層と多
孔性の接着性樹脂層により接合されるセパレータと、上
記電極活物質層とセパレータとが有する空隙に保持され
る電解液とを備え、上記両電極の少なくともどちらか一
方に少なくとも集電体を貫通する穴が開けられ、空隙部
が形成されたものである。
【0009】本発明の第2の構成の電池は、第1の構成
において、電極活物質層に開けられた穴が、上記電極活
物質層を形成する活物質または活物質を含む充填材で埋
め戻されているものである。
【0010】本発明の第3の構成の電池は、第2の構成
において、電極活物質層の埋め戻された穴部と周囲の組
成とが異なっているものである。
【0011】本発明の第4の構成の電池は、第1ないし
第3の構成のいずれかにおいて、穴径dと穴間隔pの比
p/dが9以下となるものである。
【0012】本発明の第1の電池の製造方法は、穴のな
い平板状の集電体に電極活物質層を接合して正極および
負極を形成し、上記両電極をセパレータに各電極活物質
層を対向させて溶剤乾燥型の接着性樹脂により接合し、
上記両電極の少なくともどちらか一方に少なくとも集電
体を貫通する穴を開け、穴開け後に上記電極活物質層と
セパレータとが有する空隙に電解液を満たすようにする
ものである。
【0013】本発明の第2の電池の製造方法は、第1の
方法において、電極活物質層に開けられた穴を、上記電
極活物質層を形成する活物質または活物質を含む充填材
で埋め戻すものである。
【0014】本発明の第3の電池の製造方法は、第2の
方法において、電極活物質層に開けられた穴をその周囲
の活物質で埋め戻すものである。
【0015】本発明の第4の電池の製造方法は、第3の
方法において、プレス処理により穴を埋め戻すものであ
る。
【0016】本発明の第5の電池の製造方法は、第2の
方法において、塗工処理により穴を埋め戻すようにした
ものである。
【0017】本発明の第6の電池の製造方法は、第1な
いし第5の方法において、穴径dと穴間隔pの比p/d
を9以下にするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態のリ
チウムイオン二次電池を示す断面模式図で、1は外装の
アルミラミネートパック、2は外装アルミラミネートパ
ック1に封入された電池体で、正極3、セパレータ4、
負極5から構成されている。また、正極3は正極活物質
層3bと正極集電体3aからなり、負極5は負極活物質
層5bと負極集電体5aからなる。7はセパレータ4と
正極,負極活物質層3b,5bとを接着する電子絶縁性
の接着性樹脂からなる多孔性接着層で、これにより正極
3、負極5とセパレータ4とが接合されている。6は接
着層7を貫く連続孔、8は正極3に開けられた正極活物
質層3bと正極集電体3aとを貫通する穴で、空隙部が
形成されている。接着層7内の連続孔6、および正極,
負極活物質層3b,5b中の空隙(図示せず)、セパレ
ータ4中の空隙(図示せず)には電解液が含浸されてい
る。
【0019】このリチウムイオン二次電池は、正極3お
よび負極5を穴のない箔状集電体を用いて形成した後、
正極3に正極活物質層3bと正極集電体3aとを貫通す
る穴8を開ける穴開け処理を施し、穴開け後に正極3、
負極5とセパレータ4とを接合して電池体2を形成し
て、これをアルミラミネートパック1に封入し、正極,
負極活物質層3b,5bとセパレータ4とが有する空隙
に電解液を満たして形成される。
【0020】この実施の形態のリチウムイオン二次電池
においては、穴のない箔状集電体を用いて電極を形成し
ているので、網目状に代表される穴を有する集電体に比
べ、機械強度が強く、量産時に発生する集電体が破れる
等の穴開き集電体を用いる場合の問題を解消できる。ま
た、活物質層表面に凹凸が形成されたりしないので、電
解液不足によるイオン伝導不良の発生も抑制できる。そ
して、電極活物質層を接合した箔状集電体に穴をあける
ことにより、電解液含浸能力および接着乾燥時の乾燥能
力を確保することができる。しかも、多孔性の接着層7
で正極3、負極5とセパレータ4とを接合している電極
−セパレータ一体型電池体電池であるので、強固な金属
外装缶を必要とせず、薄型等、任意の形態をとりうる。
また、電極−電解質界面の導電性にも優れており、高負
荷率充放電特性等の電池性能にも優れ、充放電効率の高
い電池となる。
【0021】本発明においては、電解液を含浸させるた
め、あるいは接着剤乾燥時に蒸気を排出させるために、
集電体に穿たれる穴(即ち開口)の総面積と穴の配置が
重要な要素となる。個々の穴の断面積あるいは形状は、
支配的な要素とはならない。以下に詳細に述べる。
【0022】電解液は、集電体に穿たれた穴を通り、電
極活物質層、セパレータおよび接着層の空隙に含浸す
る。電解液の含浸には、通常真空含浸といわれる手法が
用いられる。これは、電池体を50Torr程度の減圧
状態に置き、電極活物質層、セパレータおよび接着層の
空隙にある気体を追い出した後、電解液と接触させ、ス
ポンジに水を含ませるときと同じ毛管現象を利用して、
各部の空隙に電解液を吸い込ませるものである。また、
減圧排気した電池体全体を電解液中に没しておいて、周
囲の圧力を減圧状態から大気圧さらには大気圧以上に加
圧することにより、電池体各部の空隙に電解液を押し込
む手法もある。
【0023】いずれの手法においても、集電体に穿った
穴、即ち開口の総面積が不十分であると、必要量の電解
液が実用上許される時間内には、穴を通り抜けることが
出来ず、結果として電池体各部の空隙を電解液で完全に
満たすことができない。一方、集電体にあける穴の面積
が多すぎると、活物質層と集電体の接触面積が減少し
て、集電能力が不十分になり、電池として有効に働く面
積が減少する。穴あけ処理のときに活物質層も同時に取
り除くと電池に仕込まれる活物質量が減少するので、電
池容量の低下を招く。また、総面積が十分でも穴の配置
が偏っていると、部分的に含浸不十分な所、極端な場合
含浸されない所が出来、これに応じて電池反応の偏りも
生じるため、所定の電池容量が得られない場合がある。
これは、液の含浸の速度が通過する穴断面積のみによら
ず、浸み込む距離に支配されていることを示している。
【0024】もちろん、電極活物質層やセパレータの空
隙の割合も含浸速度を支配する重要な要因であるが、電
極活物質層やセパレータの空隙の割合は電池性能に直接
係わる要因であり、主にエネルギー密度や、最大充放電
電流といった電池性能を考慮して決定すべきものであ
る。リチウム二次電池の場合、電極活物質層の空隙率は
おおよそ30%前後、セパレータの空隙率は50%以上
であることが望ましい。
【0025】従って、上記条件のもとで、以下の実施例
にて具体的に開示するように、電池体各部の空隙の電解
液吸収能力に応じて、集電体の穴の総面積を穴の径と穴
の数によって加減し、穴の配置を適切に定めることによ
り、有効面積および容量を極力損なうことなく、かつ実
用上許される含浸時間内に、電極活物質層、セパレータ
および接着層の空隙内を電解液で完全に満たすようにす
るのがよい。
【0026】接着剤乾燥時の蒸気排出に関しても、集電
体に穿たれた穴は同様の働きをする。即ち、集電体の穴
は、電池体外部から内部の空隙へ電解液が進む時の電解
液の通り道となるが、同時に接着剤溶媒蒸気が電池体内
部から外部へ移動する過程での通り道でもある。加熱等
により接着層で生じた蒸気は、拡散現象により活物質層
およびセパレ-タの空隙および集電体の穴を通って外部
に出る。
【0027】集電体に穿った穴の総面積が不十分である
と、溶媒蒸気が実用上許される時間内には、穴を通り抜
けることが出来ず、結果として接着層に十分な強度が得
られないという問題が発生する。また、総面積が十分で
も穴の配置が偏っていると、部分的に乾燥不十分な所、
極端な場合乾燥されない所が出来、これに応じて接着力
不足による電極−セパレータ間の密着不足から電池反応
の偏りも生じるため、所定の電池容量が得られない場合
がある。
【0028】以上のように、箔状集電体に適切な穴をあ
けることにより、網目状に代表される穴開き集電体上に
活物質層を形成した電極を用いる場合の問題を解消し、
穴開き集電体を用いた場合と同等以上の電解液含浸能力
および接着乾燥時の乾燥能力を確保することができる。
そのためには、以下の実施例で具体的に述べるが、穴径
dと穴間隔pの比p/dが9以下であることが望まし
い。
【0029】なお、集電体に穴をあける手法については
特に限定されるものではない。以下の実施例に示すよう
な、パンチング、錐あるいは針による突き刺しといった
機械的にあける方法の他、エッチングといった化学的溶
解による方法、レーザー光などによる加熱溶解による方
法等でもよい。
【0030】また、一般的に電極活物質層の密度、厚み
を調整するためにプレスを行うが、穴あけ処理を行った
あとプレスすると、活物質層がつぶれ、活物質層に開け
られた穴が周囲の活物質でふさがる場合がある。上記実
施の形態では、活物質層の穴は開けられたままの状態を
示したが、穴を埋め戻すことは、電池性能、とくにエネ
ルギー密度の点からは好都合である。なぜならば、エネ
ルギー密度を高めるためには極力電池内に活物質を詰め
込むことが望ましく、活物質層の穴が開いたままに比
べ、穴がプレスにより活物質で埋めらている方がエネル
ギー密度を高められるからである。なお、電極活物質層
に開けられた穴を、例えば塗工処理により、電極活物質
層を形成する活物質または活物質を含む充填材で、埋め
戻すようにしても良く、プレス処理により電極活物質層
に開けられた穴をその周囲の活物質、即ち同じ活物質で
埋め戻す場合と同様の効果を奏する。
【0031】なお、上記実施の形態では、穴を正極だけ
に開けた場合について示したが、負極だけでも、両電極
に開けても良い。また、穴は少なくとも集電体を貫通し
ていればよく、電極活物質層の中間であっても、電極活
物質層に達していなくとも良い。
【0032】正,負両電極は、電極集電体と電極活物質
層からなる。一実施の形態に示したリチウムイオン二次
電池の場合は、電極活物質は、正極においては、リチウ
ムイオンを含有する、例えばコバルト,マンガン,ニッ
ケル等の遷移金属の酸化物、カルコゲン化合物、あるい
はこれらの複合化合物、各種の添加元素を有するものが
限定されることなく使用可能である。負極においては、
炭素質材料が好ましく用いられる。リチウムイオン二次
電池においては、電池動作の主体となるリチウムイオン
を吸蔵、放出出来る物質ならば、用いることができる。
【0033】また、電極集電体は電池内で安定な電子伝
導性のものであれば使用可能であるが、正極ではアルミ
ニウム、負極では銅が好ましく用いられる。
【0034】セパレータは、電子絶縁性の多孔質膜,
網,不繊布等で十分な強度があればどのようなものでも
使用可能である。特に限定するものではないが、ポリプ
ロピレン,ポリエチレン等からなる多孔質膜の使用が接
着性、安全性の確保の観点から好ましい。
【0035】電解液は、ジメトキシエタン,ジエチルエ
ーテル等のエーテル系溶剤,エチレンカーボネート,プ
ロピレンカーボネート等のエステル系溶剤の単独,混合
が用いられ、電解質としてはLiPF6,LiClO4
LiBF4 などが使用可能である。
【0036】電極活物質、電極集電体、セパレータ相互
の接着に用いられる接着剤は、電解液に溶解せず、電池
内で反応しないものであれば使用可能である。特に限定
するものではないが、具体的には架橋型のメタクリル
酸,アクリル酸系のポリマー,エチレン,スチレン,フ
ッ化ビニリデンの単独重合体,共重合体等が使用可能で
ある。一般に電極は、活物質、集電体間の接着によりそ
の構造が維持されているのであるが、本発明が対象とす
る電極−セパレータ一体型電池体電池の構造において
は、さらにセパレータについても同様に接着されている
ことが特徴である。
【0037】
【実施例】以下実施例により、具体的に本発明を説明す
る。 実施例1.図1に示す一実施の形態のリチウムイオン二
次電池の製造方法について具体的に説明する。まず、正
極3の作り方について説明する。LiCoO2 を87w
t%、黒鉛粉KS−6を8wt%、バインダ(ポリフッ
化ビニリデン)を5wt%に調製した正極活物質ペース
トを、ドクターブレード法で厚さ150μmに調整しつ
つ塗布して、正極集電体3aとなる穴(開口)のない厚
さ20μmの帯状のアルミ箔の上に活物質層を形成す
る。これを60℃の乾燥器中に60分放置して乾燥し、
ついで正極活物質層3bの厚さを100μmになるよう
にプレスすることにより、アルミ箔正極集電体3a上に
100μmの正極活物質層3bが形成された帯状の正極
3を得る。この正極のアルミ箔集電体側から、種々のサ
イズ、形状のパンチを用いて、活物質層まで穴を貫通さ
せて、種々の穴を開けた正極を作製した。表1に各種試
料の穴の形状、断面積、総面積、数および配置を示す。
5cm×5cm総面積25cm2 の正極を用い、a部,
b部,c部の平行な3部分の各部における穴を計数し
た。a部,c部の面積は8.3cm2 、中央のb部は
8.4cm2 である。
【0038】
【表1】
【0039】次に、負極5の作り方について説明する。
メソフェーズマイクロビーズカーボン(大阪ガス製)を
95wt%、バインダを5wt%に調製した負極活物質
ペーストを、ドクターブレード法で厚さ150μmに調
整しつつ、負極集電体5aとなる穴(開口)のない厚さ
20μmの帯状の銅箔の上に塗布して活物質層を形成す
る。これを60℃の乾燥器中に60分放置して乾燥す
る。次に負極活物質層5bを厚さが100μmになるよ
うにプレスすることにより銅箔上に100μmの負極活
物質層5bが形成された帯状の負極5を得る。
【0040】次に、接着層7を形成する接着剤の作り方
について説明する。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
をn−メチルピロリドン(NMP)に5wt%溶解さ
せ、均一溶液になるように十分に攪袢して接着剤の溶液
を調製する。
【0041】次いで、上記のようにして作製した正極
3、負極5、接着剤を用い電池体2を作製する。まず、
セパレータ4となる帯状のポリエチレン製多孔シート
(旭化成ME9630)の片面に接着剤のNMP溶液を
均一に塗布する。そこに正極3を載せ、均一に貼り付け
る。その後、セパレータ4のもう一方の面にも同様に接
着剤のNMP溶液を均一に塗布し、そこに負極5を貼り
付ける。セパレータ4に正極3,負極5を貼り付けた電
池体2を、温風乾燥器に入れ、NMPを蒸発させる。こ
のときにNMPが抜けた後が接着層7内の連続孔6とな
る。
【0042】NMPには、イオン伝導性物質が溶け込む
ので、接着した電池体にNMPが残存していると、電気
導通があり、完全に蒸発すると電気絶縁状態となる。我
々の試験結果では、電池体の正極−負極間の抵抗が概ね
1GΩ以上であれば、NMPが乾燥したといえる。
【0043】図2は、50℃〜100℃までの各温度で
測定した、この乾燥時における電池体の抵抗の経時変化
を示す特性図である。このときの試料としては表1のA
−1に示す穴を有するものを用いた。この場合、乾燥の
目安である1GΩとなるためには、電極製造時の乾燥と
同じ60℃では、4時間かかる。温度が高いほど乾燥時
間は短くなるが、80℃以上では、セパレータの収縮が
始まり、電解液を保持するという機能が失われ始めた。
なお、これはセパレータの特性による現象であるので、
耐熱性のあるセパレータを用いればさらに高温での乾燥
は可能である。
【0044】表2には、60℃での、表1に示す穴を有
する各試料の乾燥に要した時間を示す。穴数が多いほど
速く乾燥している。意図的に穴の配置を不均等にした
B、Cの場合は、均等に配置したA−1〜8(A−3除
く)に比べ乾燥が遅い。
【0045】
【表2】
【0046】十分乾燥させ、NMPを蒸発させた電池体
を、50Torrまで減圧した後、これにエチレンカー
ボネートとジエチルカーボネートとを溶媒とし、六フッ
化リン酸リチウムを電解質とする電解液を注入する。注
入開始から一定時間経過した後に電池体をとりだす。そ
して電池体2をアルミラミネートフィルム1でパック
し、熱融着により封口処理して、リチウムイオン二次電
池を完成した。
【0047】図3は、電解液注液を開始してから取り出
すまでの時間と電池体の重量変化、注液量(%)との関
係を示す特性図である。このときの試料としては表1の
A−1の穴の数および配置のものを用いた。電池体の注
液量(%)は、電池体に含まれる全空隙に電解液が満た
されたとして計算される注液量を100%としたときの
注液量を表す比率である。およそ5分でほぼ100%注
液したと考えられる。
【0048】表3に、表1に示した各試料の電解液注液
開始から5分後の注液量(%)を示した。穴数が少なく
なると注液量が少なくなっている。また意図的に穴の配
置に分布を作った(不均等)B、Cの場合は、同じ穴数
でも均等に配置したAに比べ注液量が少なくなってい
る。B、Cの方が含浸距離がAに比べ長くなっているた
めと考えられる。
【0049】
【表3】
【0050】以上のように、このリチウム二次電池で
は、穴の無い集電箔に活物質層を接合した後に穴をあけ
ることにより、接着層の乾燥と注液を容易にしている。
また、正極3,負極5とセパレータ4との界面に形成さ
れたPVDF接着層7には、この接着層7を貫通する連
続孔6が形成されており、この連続孔6に液体の電解質
が保持されることにより、外からの圧力を必要とせずに
良好な電極−電解質界面の導電性を保つことができる。
電気的接触を維持できる。図4の特性図に、それぞれ集
電箔に表1に示す穴を開けて作製した本実施例1の二次
電池の充放電サイクル試験の結果を、従来の網目状集電
体を使った電池の結果とともに示す。穴が極めて少ない
A−3を除き、本実施例1の二次電池は、従来の電池に
比べ、安定なサイクル特性を得ることができた。
【0051】実施例2.LiCoO2 を87wt%、黒
鉛粉KS−6を8wt%、バインダ(ポリフッ化ビニリ
デン)を5wt%に調製した正極活物質ペーストを、ド
クターブレード法で厚さ150μmに調整しつつ塗布
し、正極集電体となる穴(開口)のない厚さ20μmの
帯状のアルミ箔の両面に活物質層を形成した。これを6
0℃の乾燥器中に60分放置して乾燥した。直径0.5
mmの針を用いて、この正極の一方の活物質層側から、
他方の活物質層まで貫通する穴をあけた。穴の数と配置
は、表1のA−1の通りとした。次いで、正極活物質層
の厚さを100μmになるようにプレスした。これによ
り、正極活物質層の穴が周囲の活物質で埋められ、穴の
あいたアルミ箔正極集電体の両面に穴がふさがった10
0μmの正極活物質層が形成された帯状の正極が得られ
た。
【0052】メソフェーズマイクロビーズカーボン(大
阪ガス製)を95wt%、バインダを5wt%に調製し
た負極活物質ペーストを、ドクターブレード法で厚さ1
50μmに調整しつつ、負極集電体となる穴(開口)の
ない厚さ20μmの帯状の銅箔の両面に塗布して活物質
層を形成した。これを60℃の乾燥器中に60分放置し
て乾燥した。正極と同様に、直径0.5mmの針を用い
て、この負極の一方の活物質層側から、他方の活物質層
まで貫通する穴をあけた。穴の数と配置は、表1のA−
1の通りとした。次いで、負極活物質層の厚さを100
μmになるようにプレスした。これにより、負極活物質
層の穴が周囲の活物質で埋められ、穴をのあいたアルミ
箔負極集電体の両面に穴がふさがった100μmの負極
活物質層が形成された帯状の負極が得られた。
【0053】ポリフッ化ビニリデン(PVDF)をN−
メチルピロリドン(NMP)に5wt%溶解させ、均一
溶液になるように十分に攪袢して塗布用の接着剤溶液を
調製する。
【0054】次に、セパレータとなる帯状のポリエチレ
ン製多孔シートの片面に接着剤のNMP溶液を均一に塗
布する。そこに正極を載せ、均一に貼り付ける。その
後、セパレータのもう一方の面にも同様に接着剤のNM
P溶液を均一に塗布し、そこに負極を貼り付ける。さら
に、この負極のもう一方の面に接着剤のNMP溶液を均
一に塗付したセパレータを重ね、均一に貼り付ける。正
極/セパレータ/負極/セパレータをひとつの単位とし
て、貼り付け操作を3回繰り返す。この貼り付け後の電
池体を、温風乾燥器に入れ、NMPを蒸発させる。この
とき、NMPが抜けたあとに、接着層内にこれを貫く連
続孔が形成される。
【0055】十分乾燥した電池体を、50Torrまで
減圧して、エチレンカーボネートとジエチルカーボネー
トとを溶媒として六フッ化リン酸リチウムを電解質とす
る電解液を注入する。注入開始から一定時間経過後に電
池体をとりだす。そして電池体をアルミラミネートフィ
ルムでパックし、熱融着により封口処理し、リチウム二
次電池を完成させた。
【0056】実施例3.LiCoO2 を87wt%、黒
鉛粉KS−6を8wt%、バインダ(ポリフッ化ビニリ
デン)を5wt%に調製した正極活物質ペーストを、ド
クターブレード法で厚さ150μmに調整しつつ塗布し
て活物質層を、正極集電体となる厚さ20μmの帯状の
アルミ箔の両面に形成した。これを60℃の乾燥器中に
60分放置して乾燥した。ついで正極活物質層の厚さを
100μmになるようにプレスした後、この正極の一方
の活物質層側から、直径0.5mmのパンチを用いて、
他方の活物質層まで貫通する穴を開け、アルミ箔正極集
電体だけでなく両面の100μmの正極活物質層にも集
電体に対応した穴が形成された帯状の正極を得た。穴の
数と配置は、表1のA−1の通りとした。
【0057】メソフェーズマイクロビーズカーボン(大
阪ガス製)を95wt%、バインダを5wt%に調製し
た負極活物質ペーストを、ドクターブレード法で厚さ1
50μmに調整しつつ、負極集電体となる厚さ20μm
の帯状の銅箔の両面に塗布して活物質層を形成した。こ
れを60℃の乾燥器中に60分放置して乾燥した。つい
で負極活物質層の厚さを100μmになるようにプレス
した後、この負極の一方の活物質層側から、直径0.5
mmのパンチを用いて、他方の活物質層まで貫通する穴
を開け、銅箔正極集電体および両面の100μmの負極
活物質層にも集電体に対応した穴が形成された帯状の負
極を得た。穴の数と配置は、表1のA−1の通りとし
た。
【0058】十分乾燥した電池体を50Torrまで減
圧した後、エチレンカーボネートとジエチルカーボネー
トとを溶媒とし、六フッ化リン酸リチウムを電解質とす
る電解液を注入し、電解液を注入した電池体をアルミラ
ミネートフィルムでパックし、熱融着により封口処理
し、電池を完成した。
【0059】実施例4.LiCoO2 を87wt%、黒
鉛粉KS−6を8wt%、バインダ(ポリフッ化ビニリ
デン)を5wt%に調製した正極活物質ペーストを、ド
クターブレード法で厚さ150μmに調整しつつ塗布し
て活物質層を、正極集電体となる厚さ20μmの帯状の
アルミ箔の両面に形成した。これを60℃の乾燥器中に
60分放置して乾燥した。次に正極活物質層の厚さを1
00μmになるようにプレスした後、この正極の一方の
活物質層側から、直径0.5mmのパンチを用いて、他
方の活物質層まで貫通する穴を開けて、アルミ箔正極集
電体および両面の100μmの正極活物質層に穴があけ
られた帯状の正極を得た。穴の数と配置は、表1のA−
1の通りとした。ついで、再び正極活物質ペーストを厚
さ100μmに調整しつつ塗布し、活物質層の穴を埋め
戻した後、表面の余剰分をスキージでかきとり、60℃
の乾燥器中に60分放置して乾燥した。
【0060】メソフェーズマイクロビーズカーボン(大
阪ガス製)を95wt%、バインダを5wt%に調製し
た負極活物質ペーストを、ドクターブレード法で厚さ1
50μmに調整しつつ、負極集電体となる厚さ20μm
の帯状の銅箔の両面に塗布して活物質層を形成した。こ
れを60℃の乾燥器中に60分放置して乾燥した。次に
負極活物質層の厚さを100μmになるようにプレスし
た後、この負極の一方の活物質層側から、直径0.5m
mのパンチを用いて、他方の活物質層まで穴を貫通させ
穴のあいた銅箔正極集電体の両面に100μmの負極活
物質層が形成された帯状の負極を得た。穴の数と配置
は、表1のA−1の通りとした。ついで再び負極活物質
ペーストを厚さ100μmに調整しつつ塗布し、活物質
層の穴を埋め戻した後、表面の余剰分をスキージでかき
とり、60℃の乾燥器中に60分放置して乾燥した。
【0061】このようにして得た正極、負極を用いて上
記実施例1、2と同様にして電池体を作製し、50To
rrまで減圧して、エチレンカーボネートとジエチルカ
ーボネートとを溶媒として六フッ化リン酸リチウムを電
解質とする電解液を注入した後、電池体をアルミラミネ
ートフィルムでパックし、熱融着により封口処理して、
電池を完成した。
【0062】実施例2〜4の各々の電池を、25℃の恒
温槽にいれ、300mAの電流で4.2Vまで充電した
後、2.5Vまで放電させた時の放電曲線を図5の特性
図に示す。実施例2と実施例4の結果は同様となり、実
施例3に比べ大きな放電容量を得ることができた。これ
から実施例2と実施例4の電池は実施例3の電池と異な
り、活物質層の穴が埋め戻されているので、エネルギー
密度が高められ、電池性能が向上していることがわか
る。
【0063】実施例5.穴をあけるまでは上記実施例1
と同様に作製した帯状の正極を、アルミ箔集電体側か
ら、活物質層まで穴を貫通させるため、ステンレス針を
植えたステンレスロールと1mm厚のゴム膜を巻いたス
テンレスロールの間を通した。
【0064】針の断面形状は円形で、直径は0.5mm
である。針の長さは3mmである。直径20mm、長さ
60mmの円筒状のロールの表面に、ロールの端から
7.5mmのところから軸方向に沿って1列45mmの
長さで、24列に針が植えてある。列と列の間隔はロー
ルの円周を24分割するもので約3mmである。1列の
中で針は3mm間隔で並んでいる。
【0065】ロールを通し終えた正極には、上記実施例
1における表1のA−1と同等の穴があけられていた。
【0066】負極、接着剤は上記実施例1と同様に作製
し、前記の穴あけ加工を施した正極とともに、実施例1
と同様にリチウム二次電池を組み立てたところ、実施例
1のA−1の場合と同様のサイクル寿命を示した。
【0067】実施例6.穴をあけるまでは上記実施例1
と同様に作製した帯状の正極を、円形パンチを5mm間
隔で直線状にならべた穴あけ型を門型のプレス機に取り
付け、帯状の正極を門一方から送り、送り速度を変えな
がらプレスを繰り返すことにより、アルミ箔集電体側か
ら、種々のピッチの貫通穴をあけたものを作製した。パ
ンチの直径が、0.3mm、0.5mm、1.0mmの
3通りで行い、穴直径dと穴ピッチpの比p/dパラメ
ータを種々に変えた穴あき正極を用意した。
【0068】負極、接着剤は上記実施例1と同様に作製
し、前記の穴あけ加工を施した正極とともに実施例1と
同様に電池体を組み立て、接着乾燥速度および電解液含
浸速度とp/d比の関係を調べた。その結果を図6
(a)(b)に示す。(a)は接着剤の乾燥時間と、
(b)は注液量とp/dとの関係を示している。p/d
パラメータが大きくなると一定温度での乾燥時間が増
え、一定時間内での注液量が減少する。p/dが9以上
であると乾燥時間も急激に増大し、ばらつきも大きくな
るので、p/dパラメータは9以下が望ましい。
【0069】p/dが異なる正極を用いた電池体を、実
施例1と同様にして封口し充放電サイクル試験にかけた
ところ、図7の特性図に示したように図6で注液量が9
0%を切るp/d=9を上回る場合は、サイクル寿命が
短くなるので、やはりp/dパラメータは9以下が望ま
しい。
【0070】
【発明の効果】本発明の第1の構成の電池においては、
電極活物質層および集電体からなる正極および負極と、
上記両電極間に配置され、上記電極活物質層と多孔性の
接着性樹脂層により接合されるセパレータと、上記電極
活物質層とセパレータとが有する空隙に保持される電解
液とを備え、上記両電極の少なくともどちらか一方に少
なくとも集電体を貫通する穴が開けられ、空隙部が形成
されているので、電解液含浸能力および接着乾燥時の乾
燥能力を確保しつつ、歩留まり良く製造することがで
き、かつ電極−電解質界面の良好なイオン伝導性を確保
できるので、高エネルギー密度化、薄型化が可能で任意
の形態をとりうる充放電特性に優れた電池が得られる。
【0071】本発明の第2、第3の構成の電池において
は、第1の構成において、電極活物質層に開けられた穴
が、上記電極活物質層を形成する活物質または活物質を
含む充填材で埋め戻されているので、エネルギー密度を
高められ、電池性能を向上できる。
【0072】本発明の第4の構成の電池においては、第
1ないし第3の構成のいずれかにおいて、穴径dと穴間
隔pの比p/dが9以下としたので、穴開き集電体に活
物質層を形成した電極の場合と同等以上の電解液含浸能
力および接着乾燥時の乾燥能力を確保でき、より電池性
能を向上できる。
【0073】本発明の第1の電池の製造方法において
は、穴のない平板状の集電体に電極活物質層を接合して
正極および負極を形成し、上記両電極をセパレータに各
電極活物質層を対向させて溶剤乾燥型の接着性樹脂によ
り接合し、上記両電極の少なくともどちらか一方に少な
くとも集電体を貫通する穴を開け、穴開け後に上記電極
活物質層とセパレータとが有する空隙に電解液を満たす
ようにしたので、電解液含浸能力および接着乾燥時の乾
燥能力を確保しつつ、歩留まり良く製造することがで
き、かつ電極−電解質界面の良好なイオン伝導性を確保
できるので、高エネルギー密度化、薄型化が可能で任意
の形態をとりうる充放電特性に優れた電池が得られる。
【0074】本発明の第2ないし第5の電池の製造方法
においては、第1の方法において、電極活物質層に開け
られた穴を、上記電極活物質層を形成する活物質または
活物質を含む充填材で埋め戻すようにしたので、エネル
ギー密度を高められ、電池性能を向上できる。
【0075】本発明の第6の電池の製造方法において
は、第1ないし第5の方法において、穴径dと穴間隔p
の比p/dを9以下にしたので、穴開き集電体に活物質
層を形成した電極の場合と同等以上の電解液含浸能力お
よび接着乾燥時の乾燥能力を確保でき、より電池性能を
向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1のリチウムイオン二次
電池を示す断面模式図である。
【図2】 本発明の実施例1のリチウムイオン二次電池
作製時の乾燥時間と電池体抵抗の関係を示す特性図であ
る。
【図3】 本発明の実施例1のリチウムイオン二次電池
の電解液注液時間と注液量との関係を示す特性図であ
る。
【図4】 本発明の実施例1のリチウムイオン二次電池
の充放電サイクルの寿命を従来例とともに示す特性図で
ある。
【図5】 本発明の実施例2〜実施例4のリチウムイオ
ン二次電池の放電特性を示す特性図である。
【図6】 本発明の実施例6のリチウムイオン二次電池
作製時のp/dパラメータと接着乾燥時間および注液量
との関係を示す特性図である。
【図7】 本発明の実施例6のリチウムイオン二次電池
のサイクル寿命を示す特性図である。
【図8】 従来例のリチウムイオン二次電池を示す断面
模式図である。
【符号の説明】
1 アルミラミネートパック、2 電池体、3 正極、
3a 正極集電体、3b 正極活物質層、4 セパレー
タ、5 負極、5a 負極集電体、5b 負極活物質
層、6 連続孔、7 接着層、8 穴。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 漆畑 広明 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 川口 憲治 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 市村 英男 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極活物質層および集電体からなる正極
    および負極と、上記両電極間に配置され、上記電極活物
    質層と多孔性の接着性樹脂層により接合されるセパレー
    タと、上記電極活物質層とセパレータとが有する空隙に
    保持される電解液とを備え、上記両電極の少なくともど
    ちらか一方に少なくとも集電体を貫通する穴が開けら
    れ、空隙部が形成されていることを特徴とする電池。
  2. 【請求項2】 電極活物質層に開けられた穴が、上記電
    極活物質層を形成する活物質または活物質を含む充填材
    で埋め戻されていることを特徴とする請求項1記載の電
    池。
  3. 【請求項3】 電極活物質層の埋め戻された穴部と周囲
    の組成とが異なっていることを特徴とする請求項2記載
    の電池。
  4. 【請求項4】 穴径dと穴間隔pの比p/dが9以下で
    あることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記
    載の電池。
  5. 【請求項5】 穴のない平板状の集電体に電極活物質層
    を接合して正極および負極を形成し、上記両電極をセパ
    レータに各電極活物質層を対向させて溶剤乾燥型の接着
    性樹脂により接合し、上記両電極の少なくともどちらか
    一方に少なくとも集電体を貫通する穴を開け、穴開け後
    に上記電極活物質層とセパレータとが有する空隙に電解
    液を満たすようにしたことを特徴とする電池の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 電極活物質層に開けられた穴を、上記電
    極活物質層を形成する活物質または活物質を含む充填材
    で埋め戻すようにしたことを特徴とする請求項5記載の
    電池の製造方法。
  7. 【請求項7】 電極活物質層に開けられた穴をその周囲
    の活物質で埋め戻すようにしたことを特徴とする請求項
    6記載の電池の製造方法。
  8. 【請求項8】 プレス処理により穴を埋め戻すようにし
    たことを特徴とする請求項7記載の電池の製造方法。
  9. 【請求項9】 塗工処理により穴を埋め戻すようにした
    ことを特徴とする請求項6記載の電池の製造方法。
  10. 【請求項10】 穴径dと穴間隔pの比p/dを9以下
    としたことを特徴とする請求項5ないし9のいずれかに
    記載の電池の製造方法。
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