JPH10281159A - 超電導磁気軸受装置 - Google Patents
超電導磁気軸受装置Info
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- JPH10281159A JPH10281159A JP9093298A JP9329897A JPH10281159A JP H10281159 A JPH10281159 A JP H10281159A JP 9093298 A JP9093298 A JP 9093298A JP 9329897 A JP9329897 A JP 9329897A JP H10281159 A JPH10281159 A JP H10281159A
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Abstract
きくして回転体を正確に位置決めでき、しかも低回転数
領域における回転体の振れ回りを防止できるようにす
る。 【解決手段】 超電導磁気軸受装置は、鉛直状回転体
1、回転体1を非接触浮上させる超電導軸受2、回転体
1の径方向変位検出装置20、回転体1の回転数検出装置
23、回転体1を径方向に非接触支持する制御型ラジアル
磁気軸受5、6、ならびに変位検出装置20および回転数
検出装置23の出力信号に基づいて磁気軸受5、6を制御
する制御装置19を備えている。制御装置19は、変位検出
装置20の出力信号に基づいて磁気軸受制御信号を出力す
る比例制御回路25、微分制御回路26、第1積分制御回路
27および第2積分制御回路28、ならびに回転数検出装置
23の出力信号に基づいて第1積分制御回路27と第2積分
制御回路28を切替えるスイッチ29を備えている。
Description
力をフライホイールの回転運動エネルギに変換して貯蔵
する電力貯蔵装置などに使用されて超電導軸受と磁気軸
受とで回転体を所定の運転位置に非接触支持する超電導
磁気軸受装置に関する。
れる超電導磁気軸受装置として、フライホイールを有す
る鉛直状の回転体、回転体を軸方向(アキシアル方向)
および径方向(ラジアル方向)に支持して非接触浮上さ
せる超電導軸受、回転体の径方向の変位を検出する径方
向変位検出装置、回転体を径方向の所定位置に非接触支
持する制御型ラジアル磁気軸受、径方向変位検出装置の
出力信号に基づいてラジアル磁気軸受を制御するラジア
ル磁気軸受制御装置、ならびに電力貯蔵時に電動機とし
て電力取出し時に発電機として機能する発電兼用電動機
を備えているものが知られている。このような超電導磁
気軸受装置に用いられる超電導軸受として、回転体の下
部に設けられた永久磁石と、この永久磁石に下から対向
するようにハウジングなどの固定部分側に設けられた第
2種超電導体とを備えたものが知られている。第2種超
電導体は、冷却により第2種超電導状態を出現し、かつ
第2種超電導状態において、浸入する磁束を拘束してピ
ン止めする性質を有するものである。また、このような
超電導磁気軸受装置に用いられるラジアル磁気軸受制御
装置として、径方向変位検出装置の出力信号に基づいて
それぞれ磁気軸受制御信号を出力する比例(P)制御回
路、微分(D)制御回路および積分(I)制御回路を備
えたものが知られている。
機械的な初期位置決め機構を備えており、これを使用し
て、次のようにして運転が開始される。
方向について運転位置より少し上方の位置まで持ち上
げ、ラジアル磁気軸受を作動させて回転体を径方向につ
いて運転位置に支持し、超電導軸受の永久磁石と常温の
常電導状態にある超電導体とを互いに対向させる。次
に、超電導体を所定温度まで冷却して、第2種超電導状
態を出現する超電導状態にする。これにより、超電導軸
受は軸方向および径方向に支持力を発生する作動状態に
なるので、初期位置決め機構による回転体の支持をなく
す。すると、回転体は自重によって運転位置まで下降す
るが、後は、ラジアル磁気軸受および超電導軸受によっ
て軸方向および径方向に非接触支持される。このように
して回転体がラジアル磁気軸受と超電導軸受で支持され
たならば、電動機により回転体を回転させて、運転を開
始する。
受を作動状態にする際、回転体が運転位置から径方向に
変位していると、その位置に超電導軸受によって支持さ
れてしまうため、ラジアル磁気軸受により回転体を正確
に運転位置に支持する必要がある。そのためには、ラジ
アル磁気軸受制御装置の積分制御回路のゲインを大きく
して、回転体静止時のラジアル磁気軸受の剛性を大きく
する必要がある。ところが、積分制御回路のゲインを大
きくすると、とくに低回転数領域において、制御系の位
相遅れが大きくなる。このため、回転体を始動してその
回転数を高めていく段階で、低周波数領域の固有周波数
を不安定にし、回転体に歳差運動などによる振れ回りが
生じ、制御が不安定になるという問題がある。
記の問題を解決し、回転体静止時のラジアル磁気軸受の
剛性を大きくして回転体を正確に位置決めでき、しかも
低周波数領域の固有周波数が不安定になるのを防ぎ、回
転体の振れ回りを防止できる超電導磁気軸受装置を提供
することにある。
明による超電導磁気軸受装置は、鉛直状の回転体、前記
回転体を少なくとも軸方向に支持して非接触浮上させる
超電導軸受、前記回転体の径方向の変位を検出する径方
向変位検出装置、前記回転体の回転数を検出する回転数
検出装置、前記回転体を径方向の所定位置に非接触支持
する制御型ラジアル磁気軸受、ならびに前記径方向変位
検出装置の出力信号および前記回転数検出装置の出力信
号に基づいて前記ラジアル磁気軸受を制御するラジアル
磁気軸受制御装置を備えており、前記ラジアル磁気軸受
制御装置が、前記径方向変位検出装置の出力信号に基づ
いてそれぞれ磁気軸受制御信号を出力する比例制御手
段、微分制御手段、第1積分制御手段および第2積分制
御手段、ならびに前記回転数検出装置の出力信号に基づ
いて前記第1積分制御手段と第2積分制御手段を切替え
る切替え手段を備えていることを特徴とするものであ
る。
替え手段により、回転体の回転数に基づいて第1積分制
御手段と第2積分制御手段を切替えるようになっている
ので、第1および第2積分制御手段のゲインを適当に設
定することにより、回転体の静止時にはゲインを大きく
し、回転数がある程度まで大きくなるとゲインを小さく
することができる。そして、回転体の静止時に第1積分
制御手段に切替えてそのゲインを大きくすることによ
り、ラジアル磁気軸受の剛性を大きくし、回転体の初期
位置決め精度を高めることができる。また、回転数があ
る程度大きくなったときに第2積分制御手段に切替えて
そのゲインを小さくすることにより、位相遅れを小さく
して、低周波数領域の固有周波数が不安定になるのを防
ぎ、回転体の振れ回りを防止することができる。
止時のラジアル磁気軸受の剛性を大きくして回転体を正
確に運転位置に位置決めすることができるとともに、回
転体の振れ回りを防止することができ、制御が不安定に
なることがない。
が前記第2積分制御手段のそれより大きく、前記切替え
手段が、前記回転体の回転数が低回転数領域の所定の切
替え回転数より小さいときは前記第1積分制御手段に、
前記切替え回転数以上のときは前記第2積分制御手段に
切替えるようになされている。
転数が切替え回転数より小さいときは、第1積分制御手
段に切替えてそのゲインを大きくすることにより、回転
体の初期位置決め精度を高めることができ、回転体が切
替え回転数以上になったときに、第2積分制御手段に切
替えてそのゲインを小さくすることにより、位相遅れを
小さくして、低周波数領域の固有周波数が不安定になる
のを防ぎ、回転体の振れ回りを防止することができる。
軸受の剛性を大きくして回転体を正確に運転位置に位置
決めすることができるとともに、回転体の振れ回りを防
止することができ、制御が不安定になることがない。
をフライホイール式電力貯蔵装置に適用した実施形態に
ついて説明する。
軸受装置の主要部の構成を概略的に示している。
(1) 、超電導軸受(2) 、上下2組の径方向変位検出ユニ
ット(3)(4)、上下2組の制御型ラジアル磁気軸受(5)
(6)、発電兼用の永久磁石形同期電動機(7) および回転
センサ(8) を備えており、これらが固定部分を構成する
ハウジング(9) の内部に配置されている。ハウジング
(9)は、実際は、複数の部品を結合することにより一体
化され、鉛直な段付円筒状に形成されているが、図面に
は、その内面だけを概略的に示している。ハウジング
(9) の上下両端部の内径は、中間部に比べて大きくなっ
ている。また、ハウジング(9) の内部は、風損を防ぐた
め、図示しない適当な手段によりたとえば10-1〜10
-3程度の真空状態に保持されるようになっている。
(鉛直軸)をZ軸、Z軸と直交するとともに互いに直交
する2つの径方向の軸(水平軸)をX軸およびY軸とす
る。
同心状に配置されている。回転体(1) の上下両端部に、
ハウジング(9) の上下両端の大径部内に位置するフライ
ホイール(10)(11)が固定されている。フライホイール(1
0)(11)は、余剰電力を回転運動エネルギとして貯えてお
くためのものである。
よび径方向に支持して非接触浮上させるものであり、回
転体(1) の下部フライホイール(11)の下端面に同心状に
固定された環状永久磁石部(12)および永久磁石部(12)に
下から対向するようにハウジング(9) 側に固定状に設け
られた超電導体部(13)よりなる。
下端面に環状の強磁性材(14)を挟んで固定された複数の
環状の永久磁石(15)を備えている。たとえば、各永久磁
石(15)は、径方向の両端に磁極を有し、全永久磁石(15)
の径方向に対向する側の磁極が同極性となるように配置
されている。また、永久磁石(15)は回転体(1) と同心に
なるように径方向に並べて配置され、回転体(1) の回転
軸心の周囲における永久磁石(15)の磁束分布が回転体
(1) の回転によって変化しないようになされている。
された環状の冷却タンク(16)と、タンク(16)内に固定さ
れた環状の第2種超電導体(17)とを備えている。超電導
体(17)は、回転体(1) と同心になるように配置され、タ
ンク(16)の薄い上端壁とその上の空隙を介して永久磁石
(15)と軸方向に対向している。超電導体(17)は、たとえ
ばイットリウム系超電導体、たとえばYBa2 Cu3 O
7-x からなるバルクの内部に常電導粒子(Y2 BaC
u)を均一に混在させたものからなり、第2種超電導状
態が出現する環境下において、永久磁石(15)から発せら
れる磁束を拘束してピン止めする性質を有するものであ
る。そして、超電導体(17)は、上記のように配置される
ことにより、永久磁石(15)の磁束が所定量侵入する離隔
位置であってかつ回転体(1) の回転によって侵入磁束の
分布が変化しない位置に位置するようになっている。図
示は省略したが、タンク(16)は冷却流体の供給管および
排出管を介して適当な冷却装置に接続されており、この
冷却装置により、タンク(16)内をたとえば液体窒素から
なる冷却流体が循環させられ、タンク(16)内に満たされ
る冷却流体により超電導体(17)が冷却されるようになっ
ている。
非接触支持するとともに回転体(1)の互いに直交する2
つのラジアル方向(X軸およびY軸方向)の位置を制御
するためのものであり、ハウジング(9) 内の上下2箇所
に設けられている。各ラジアル磁気軸受(5)(6)は、それ
ぞれ、回転体(1) をX軸方向の両側から挟むようにハウ
ジング(9) 内に固定されて回転体(1) をX軸方向の両側
(外側)に吸引する1対のX軸方向電磁石(5x)(6x)と、
回転体(1) をY軸方向の両側から挟むようにハウジング
(9) 内に固定されて回転体(1) をY軸方向の両側に吸引
する1対のY軸方向電磁石(図示略)とを備えている。
ジアル磁気軸受(5) の近傍に、下部径方向変位検出ユニ
ット(4) は下部ラジアル磁気軸受(6) の近傍にそれぞれ
設けられている。各検出ユニット(3)(4)は、回転体(1)
をX軸方向の両側から挟むようにハウジング(9) 内に固
定されて回転体(1) との間のX軸方向の空隙の大きさを
検出する1対のX軸方向変位センサ(X軸センサ)(3x)
(4x)と、回転体(1) をY軸方向の両側から挟むようにハ
ウジング(9) 内に固定されて回転体(1) との間のY軸方
向の空隙の大きさを検出する1対のY軸方向変位センサ
(Y軸センサ)(図示略)とから構成されている。上部
検出ユニット(3) の1対のX軸センサ(3x)は、変位検出
回路(18)に接続されている。変位検出回路(18)は、1対
のX軸センサ(3x)の出力信号から回転体(1) の上部のX
軸方向の変位を演算し、これをラジアル磁気軸受制御装
置(19)に出力する。図示は省略したが、上部検出ユニッ
ト(3) の1対のY軸センサ、下部検出ユニット(4) の1
対のX軸センサ(4x)および1対のY軸センサも、同様
に、変位検出回路に接続されている。そして、これら検
出ユニット(3)(4)と変位検出回路(18)により、回転体
(1) の径方向の変位を検出する径方向変位検出装置(20)
が構成されている。
検出するためのものであり、回転数検出回路(22)に接続
されている。回転数検出回路(22)は、回転センサ(21)の
出力信号に基づいて、回転体(1) の回転数に比例する信
号を制御装置(19)に出力する。そして、回転センサ(21)
と回転数検出回路(22)により、回転体(1) の回転数を検
出する回転数検出装置(23)が構成されている。
向電磁石(5x)は、電力増幅器(24)を介して制御装置(19)
に接続されている。図示は省略したが、上部ラジアル磁
気軸受(5) の1対のY軸方向電磁石、下部磁気軸受(6)
の1対のX軸方向電磁石(6x)および1対のY軸方向電磁
石も、同様に、電力増幅器を介して制御装置(19)に接続
されている。制御装置(19)は、変位検出装置(20)および
回転数検出装置(23)の出力信号に基づいて磁気軸受(5)
(6)の電磁石(5x)(6x)を制御するものであるが、図面に
は、上部磁気軸受(5) の1対のX軸方向電磁石(5x)の制
御に関する部分だけが示されている。磁気軸受(5)(6)の
他の各対の電磁石(6x)に関する制御部分は、上部磁気軸
受(5) のX軸方向電磁石(5x)に関する制御部分と同様の
構成および機能を有するので、上部磁気軸受(5) のX軸
方向電磁石(5x)に関する制御部分についてのみ説明す
る。
信号に基づいて磁気軸受制御信号をそれぞれ出力する比
例制御手段としての比例制御回路(25)、微分制御手段と
しての微分制御回路(26)、第1積分制御手段としての第
1積分制御回路(27)および第2積分制御手段としての第
2積分制御回路(28)、ならびに回転数検出装置(23)の出
力信号に基づいて第1積分制御回路(27)と第2積分制御
回路(28)を切替える切替え手段としてのスイッチ(29)を
備えている。この実施形態では、スイッチ(29)として、
アナログスイッチが用いられている。各制御回路(25)(2
6)(27)(28)からの磁気軸受制御信号は互いに加え合われ
され、磁気軸受駆動信号として増幅器(24)に供給され
る。増幅器(24)は、制御装置(19)からの駆動信号を増幅
して、1対の電磁石(5x)に励磁電流を供給する。電磁石
(5x)の励磁電流は、一定の定常電流と回転体(1) のX軸
方向の変位によって変化する制御電流とを合わせたもの
である。そして、制御装置(19)が変位検出装置(20)の出
力信号に基づき増幅器(24)を介して各磁気軸受(5)(6)の
各電磁石(5x)(6x)に供給する励磁電流を制御することに
より、各電磁石(5x)(6x)の磁気吸引力が制御されて、回
転体(1) のラジアル方向の位置が制御される。なお、回
転体(1) は、通常、ラジアル磁気軸受(5)(6)により、ハ
ウジング(9) の中心の運転位置に非接触支持される。
波数)に対するゲインの特性が図2(a) に、回転数に対
する位相の特性が図2(b) に示されている。同図におい
て、Aは第1積分制御回路(27)の特性、Bは第2積分制
御回路(28)の特性を示している。図2に示されているよ
うに、ゲインは第1積分制御回路(27)の方が大きく、低
回転数領域における位相遅れは第2積分制御回路(28)の
方が大きい。そして、スイッチ(29)は、回転体(1) の回
転数が低回転数領域の所定の切替え回転数より小さいと
きは第1積分制御回路(27)側に、切替え回転数以上のと
きは第2積分制御回路(28)側に切替えられるようになっ
ている。切替え回転数は積分制御回路(27)(28)のゲイン
特性や位相特性などを考慮して設定されるが、1例を挙
げれば、回転体(1) の最大回転数が15000rpmの
場合に切替え回転数が5000rpmに設定される。
電力取出し時に発電機として機能するものであり、上下
の磁気軸受(5)(6)の間のハウジング(9) 内に設けられて
いる。電動機(7) は、回転体(1) の中間部に固定された
ロータ(30)と、ステータ(31)とから構成されている。
は、回転体(1) を機械的に持ち上げて位置決めするため
の初期位置決め機構が設けられている。
とき、電動機(7) 、超電導軸受(2)および磁気軸受(5)
(6)は非作動状態にあり、回転体(1) は回転を停止し、
初期位置決め機構により運転位置の近傍に支持されてい
る。
のようにして超電導磁気軸受装置の運転が開始される。
を運転位置より少し上方まで持ち上げ、上下の磁気軸受
(5)(6)を作動状態にして、回転体(1) をラジアル方向に
ついて運転位置に支持し、超電導軸受(2) の永久磁石(1
5)と超電導体(17)とを互いに対向させる。このとき、超
電導体(17)は常温の常電導状態になっていて、超電導軸
受(2) は、永久磁石(15)と超電導体(17)が対向していて
も、支持力を発生しない非作動状態になっており、永久
磁石(15)から発せられる磁束が常電導状態の超電導体内
に侵入する。また、回転体(1) の回転数が0で、切替え
回転数より小さいため、スイッチ(29)が第1積分制御回
路(27)側に切替えられており、そのゲインが大きいた
め、磁気軸受(5)(6)の磁気軸受(5)(6)の剛性が大きく、
回転体(1)の位置決め精度が高い。初期位置決め機構と
磁気軸受(5)(6)により回転体(1) を支持したならば、冷
却タンク(16)内に冷却流体を循環させ、超電導体(17)を
所定温度まで冷却して、第2種超電導状態を出現する超
電導状態に保持する。このように永久磁石(15)から発せ
られる磁束が超電導体(17)の内部に侵入している状態
で、超電導体(17)を冷却(磁場冷却)して第2種超電導
状態にすると、超電導体(17)の内部に侵入していた磁束
の多くがそのまま超電導体(17)の内部に拘束されること
になる(ピンニング現象)。ここで、超電導体(17)はそ
の内部に常電導体粒子が均一に混在されたものであるた
め、超電導体(17)内部への侵入磁束の分布が一定とな
り、そのため、あたかも超電導体(17)に立設したピンに
永久磁石(15)が貫かれたようになる。これにより、超電
導軸受(2) は永久磁石(15)と超電導体(17)の相対的位置
が変動すれば力を発生する作動状態になり、超電導体(1
7)に対して永久磁石(15)とともに回転体(1) が拘束され
る。超電導軸受(2) が作動状態になったならば、初期位
置決め機構による回転体(1) の支持をなくす。すると、
回転体(1) は重力によって少し下降する。これにより、
超電導軸受(2) に上向きの支持力が発生し、回転体(1)
はその重量と超電導軸受(2) による支持力が釣合った状
態で運転位置の近傍に支持される。回転体(1) は、超電
導軸受(2) によって軸方向に支持される。また、回転体
(1) は、主に磁気軸受(5)(6)によって径方向に支持さ
れ、超電導軸受(2) によっても径方向に若干支持され
る。このように回転体(1) が超電導軸受(2) と磁気軸受
(5)(6)によって運転位置の近傍に非接触支持されたなら
ば、電動機(7) を駆動する。これにより、超電導磁気軸
受装置は運転を開始し、回転体(1) は、超電導軸受(2)
と磁気軸受(5)(6)により運転位置の近傍に保持された状
態で回転させられる。このとき、超電導体(17)に侵入し
た磁束は、磁束分布が回転体(1) の回転体(1) の回転軸
心に対して均一で不変である限り、理想的には回転を妨
げる抵抗とはならない。また、回転体(1) の回転数が切
替え回転数以上になると、スイッチ(29)が第2積分制御
回路(28)側に切替えられ、その位相遅れが小さくなるた
め、回転数を高めていく段階で低周波数領域の固有周波
数が不安定にならず、回転体(1) に振れ回りが生じるこ
とがない。さらに、低回転数領域の剛性を上げること
で、電動機(7) からの外乱による振れ回りを防止し、そ
の振れ回りによる超電導軸受(2) の損失をなくすことが
できる。
位検出回路(18)、回転数検出装置(23)の回転数検出回路
(22)、ならびに制御装置(19)の各制御回路(25)(26)(27)
(28)およびスイッチ(29)が独立した回路により構成され
ているが、たとえば、これらを全てソフトウェアで構成
し、プログラムを実行することにより同様の機能を発揮
するようにすることもできる。
(1) を機械的に持ち上げるものに限らず、適宜変更可能
である。たとえば、回転体(1) を軸方向に非接触支持す
るアキシアル磁気軸受を設けて、運転開始時に、アキシ
アル磁気軸受とラジアル磁気軸受(5)(6)で回転体(1) を
運転位置の少し上方に非接触支持するようにしてもよ
い。その場合、上記のように超電導軸受(2) を作動状態
にした後は、アキシアル磁気軸受を非作動状態にして、
超電導軸受(2) とラジアル磁気軸受(5)(6)で回転体(1)
を支持するようにする。また、超電導軸受(2) の超電導
体部(13)をハウジング(9) に対して昇降できるようにす
れば、次のようにして運転を開始することができる。す
なわち、まず、超電導体部(13)を永久磁石部(12)から下
方に十分離れた位置(永久磁石(15)の磁束の影響をほと
んど受けない位置)まで下降させた状態で、アキシアル
磁気軸受とラジアル磁気軸受(5)(6)を作動状態にして、
回転体(1) を運転位置に非接触支持する。そして、この
ような状態で、超電導体(17)を冷却して超電導状態に保
持し、超電導体部(13)を永久磁石部(12)に対して所定の
間隔をあけて対向する位置まで上昇させる。すると、永
久磁石(15)から発せられる磁束の一部が超電導体(17)内
に部分的に侵入し、この侵入した磁束が超電導体(17)内
部のピン止め点にピン止めされる。次に、超電導体部(1
2)を上昇させる。アキシアル磁気軸受により回転体(1)
を運転位置に保持した状態で、作動状態になった超電導
軸受(2) の超電導体(17)を上昇させると、超電導軸受
(2) による上向きの支持力が徐々に大きくなり、その
分、アキシアル磁気軸受による支持力が徐々に小さくな
るので、アキシアル磁気軸受による支持力が0になった
時点で、超電導体部(12)を停止させる。そして、アキシ
アル磁気軸受を非作動状態にする。これにより、回転体
(1) の重量が超電導軸受(2) のみによって支持され、回
転体(1) は超電導軸受(2) とラジアル磁気軸受(5)(6)に
よって運転位置に非接触支持される。後は、上記と同様
である。
状態を出現する第1種超電導体を使用し、第1種超電導
体の第1種超電導状態における完全反磁性現象(マイス
ナー効果)を利用して回転体を非接触支持するものもあ
るが、この発明は、このような超電導軸受を用いた超電
導磁気軸受装置にも適用することができる。その場合、
超電導軸受は回転体を軸方向にのみ支持し、ラジアル磁
気軸受(5)(6)だけで回転体(1) が径方向に支持される。
装置に適用した実施形態を示す超電導磁気軸受装置の主
要部の概略構成図である。
の周波数に対するゲインの特性と位相の特性を示すグラ
フである。
段) (28) 第2積分制御回路(第2積分制御手
段) (29) スイッチ(切替え手段)
Claims (2)
- 【請求項1】鉛直状の回転体、前記回転体を少なくとも
軸方向に支持して非接触浮上させる超電導軸受、前記回
転体の径方向の変位を検出する径方向変位検出装置、前
記回転体の回転数を検出する回転数検出装置、前記回転
体を径方向の所定位置に非接触支持する制御型ラジアル
磁気軸受、ならびに前記径方向変位検出装置の出力信号
および前記回転数検出装置の出力信号に基づいて前記ラ
ジアル磁気軸受を制御するラジアル磁気軸受制御装置を
備えており、前記ラジアル磁気軸受制御装置が、前記径
方向変位検出装置の出力信号に基づいてそれぞれ磁気軸
受制御信号を出力する比例制御手段、微分制御手段、第
1積分制御手段および第2積分制御手段、ならびに前記
回転数検出装置の出力信号に基づいて前記第1積分制御
手段と第2積分制御手段を切替える切替え手段を備えて
いることを特徴とする超電導磁気軸受装置。 - 【請求項2】前記第1積分制御手段のゲインが前記第2
積分制御手段のそれより大きく、前記切替え手段が、前
記回転体の回転数が低回転数領域の所定の切替え回転数
より小さいときは前記第1積分制御手段に、前記切替え
回転数以上のときは前記第2積分制御手段に切替えるよ
うになされていることを特徴とする請求項1の超電導磁
気軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09329897A JP3680231B2 (ja) | 1997-04-11 | 1997-04-11 | 超電導磁気軸受装置の始動運転制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09329897A JP3680231B2 (ja) | 1997-04-11 | 1997-04-11 | 超電導磁気軸受装置の始動運転制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10281159A true JPH10281159A (ja) | 1998-10-20 |
JP3680231B2 JP3680231B2 (ja) | 2005-08-10 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP09329897A Expired - Fee Related JP3680231B2 (ja) | 1997-04-11 | 1997-04-11 | 超電導磁気軸受装置の始動運転制御方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3680231B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009303284A (ja) * | 2008-06-10 | 2009-12-24 | Ihi Corp | フライホイール型無停電電源装置とその制御方法 |
-
1997
- 1997-04-11 JP JP09329897A patent/JP3680231B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009303284A (ja) * | 2008-06-10 | 2009-12-24 | Ihi Corp | フライホイール型無停電電源装置とその制御方法 |
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JP3680231B2 (ja) | 2005-08-10 |
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