JP3622041B2 - 超電導軸受装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば高速回転を必要とする流体機械や工作機械、または余剰電力をフライホイールの運動エネルギに変換して貯蔵する電力貯蔵装置などに適用される超電導軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、簡単な構成で安定的に回転の支持が行える超電導軸受装置として、回転体に取付けられた永久磁石と、これに対向するように配置された第2種超電導体とからなり、永久磁石が、回転体の回転軸心の周囲の磁束分布が回転によって変化しないように回転体に取付けられ、超電導体が、永久磁石の磁束侵入を許容するもので、永久磁石の磁束が所定量侵入する離隔位置であってかつ回転体の回転によって侵入磁束の分布が変化しない位置に配置されたものを提案した(特開平4−78316号公報参照)。
【0003】
この超電導軸受装置の運転を開始する前には、超電導体と磁気軸受の相対位置を決定する機構がないため、回転時に駆動用の内蔵型電動機のステータとロータの位置がずれて超電導軸受装置の運転効率が悪いという問題があった。
【0004】
そこで、本出願人は、さらに、回転体が上記のような超電導軸受により固定部分に対して非接触状態に回転支持され、固定部分と回転体との間に、前者が下にくるように相対向する部分が設けられ、この対向部分にスラスト玉軸受で構成されるタッチダウン軸受が配置され、固定部分と回転体との間に、タッチダウン軸受の固定部分側の軌道輪を昇降させて固定部分と回転体との相対位置を設定するための初期位置決め機構が設けられている超電導軸受装置を提案した(特公平6−100225号公報参照)。
【0005】
この超電導軸受装置によれば、次のように、運転前に初期位置決め機構により固定部分と回転体の相対位置を適当に設定して、効率の良い運転をすることができる。
【0006】
まず、初期位置決め機構により回転体を運転位置より少し上方の位置まで持ち上げ、超電導軸受の永久磁石と超電導体とを互いに対向させる。このとき、超電導体は、常温の常電導状態にしておく。超電導軸受の永久磁石と超電導体が対向しても、超電導体が常電導状態であるから、超電導軸受は支持力を発生しない非作動状態になっており、永久磁石から発せられる磁束が常電導状態の超電導体内に侵入する。次に、超電導体を所定温度まで冷却して、第2種超電導状態を出現する超電導状態に保持する。これにより、超電導軸受は支持力を発生する作動状態になり、回転体は超電導軸受によってもアキシアル方向およびラジアル方向に支持される。すなわち、永久磁石から発せられる磁束が超電導体の内部に侵入している状態で、超電導体を冷却(磁場冷却)して超電導状態にすると、超電導体の内部に侵入していた磁束の多くがそのまま超電導体の内部に拘束されてピン止めされることになる(ピンニング現象)。ここで、第2種超電導体はその内部に常電導粒子が均一に混在されたものであるため、超電導体内部への侵入磁束の分布が一定となり、そのため、あたかも超電導体に立設したピンに永久磁石が貫かれたようになり、超電導体に対して永久磁石とともに回転体が拘束される。したがって、初期位置決め機構による支持がなくなったとしても、回転体はきわめて安定的に浮上した状態でアキシアル方向およびラジアル方向に支持されることになる。このように超電導軸受を作動状態にしたならば、初期位置決め機構による回転体の支持をなくす。すると、回転体は自重によって運転位置まで下降するが、後は、上記のように超電導軸受によってアキシアル方向およびラジアル方向に非接触支持される。このようにして回転体が超電導軸受で支持されたならば、電動機により回転体を回転させて、運転を開始する。
【0007】
ところが、上記の超電導軸受装置では、運転開始前に、上記のように、回転体を運転位置より上方に移動させる必要があり、その移動のストローク分だけ回転体を長くする必要がある。そして、回転体が長くなることにより、回転体の固有振動数が低下し、回転体の最高回転数が低くなる。
【0008】
また、運転中、時間経過とともに超電導体の磁束クリープにより超電導軸受による磁気浮上力が低下し、回転体の位置が徐々に下に下がり、ついにはタッチダウンしてしまう。このようにタッチダウンが生じた場合には、回転体を停止させ、上記のように回転体の初期位置決めを行って運転を再開する必要があり、運転再開のための作業が非常に面倒である。しかも、タッチダウンを何回も行うと、タッチダウン軸受が破損する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、上記の問題を解決し、回転体を短くして最高回転数を高めることができ、しかもタッチダウンをさせずに長時間連続して運転することが可能な超電導軸受装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明による超電導軸受装置は、固定部分内に鉛直状に配置された回転体、前記回転体を少なくともアキシアル方向に支持して非接触浮上させる超電導軸受、前記回転体のラジアル方向の変位を検出するためのラジアル変位センサ、前記回転体をラジアル方向の所定位置に非接触支持する制御型ラジアル磁気軸受、前記回転体のアキシアル方向の変位を検出するためのアキシアル変位センサ、必要に応じて前記回転体をアキシアル方向の所定位置に非接触支持するための制御型アキシアル磁気軸受、前記ラジアル変位センサおよび前記アキシアル変位センサの出力信号に基づいて前記ラジアル磁気軸受、前記アキシアル磁気軸受および前記超電導軸受を制御する制御装置、ならびに前記回転体を回転駆動する電動機を備えており、前記超電導軸受が、前記回転体の下端部に取付けられた永久磁石、および前記永久磁石に対向するように前記回転体の下方の前記固定部分に昇降自在に設けられた昇降部材に取付けられた超電導体よりなり、前記制御装置が、前記回転体が前記ラジアル磁気軸受および前記超電導軸受により非接触支持されて回転している状態において、前記アキシアル変位センサの出力に基づいて前記昇降部材の上下方向の位置を制御することにより前記回転体を所定の安定回転位置に支持し、前記昇降部材の位置の制御による前記回転体の位置の制御が限界に達したときにアキシアル磁気軸受を作動させて回転体を前記安定回転位置に支持させるようになされていることを特徴とするものである。
【0011】
たとえば、前記超電導体が、冷却により第2種超電導状態を出現し、かつ第2種超電導状態において、侵入する磁束を拘束してピン止めする性質を有する第2種超電導体であり、前記超電導軸受が、前記超電導体のピン止め力により回転体をアキシアル方向およびラジアル方向に非接触支持するものである。この場合、超電導軸受の永久磁石は、回転体の回転軸心の周囲の磁束分布が回転によって変化しないように回転体に取付けられ、第2種超電導体は、永久磁石の磁束が所定量侵入する離隔位置であってかつ回転体の回転によって侵入磁束の分布が変化しない位置に配置される。
【0012】
超電導軸受が第2種超電導体を用いたものである場合、たとえば、次のようにして超電導磁気軸受装置の運転が開始される。
【0013】
まず、電動機を停止させた状態で、回転体を、ラジアル磁気軸受によりラジアル方向(水平方向)に非接触支持するとともに、アキシアル磁気軸受によりアキシアル方向(鉛直方向)に非接触支持し、固定部分に対して所定の運転位置(安定回転位置)に浮上させる。アキシアル磁気軸受は、通常、回転体のフランジ部をアキシアル方向の両側から挟んで吸引する上下1対の電磁石を備えており、各電磁石には、磁気軸受制御装置からフランジ部を吸引するための励磁電流が供給される。上記のように回転体を運転位置に浮上させたとき、回転体の重量はアキシアル磁気軸受だけで支持されているので、上側の電磁石による上向きの吸引力は下側の電磁石による下向きの吸引力に比べて回転体の重量分だけ大きく、アキシアル磁気軸受全体として上向きの吸引力を発生している。また、このとき、超電導軸受の固定部分側の超電導体は常温の常電導状態に保持し、昇降部材を下降させて、超電導体を超電導軸受の回転体側の永久磁石から下方に十分離れた位置(永久磁石の磁束の影響をほとんど受けない位置)まで下降させておく。そして、この位置において、超電導体を所定の温度まで冷却して第2種超電導状態を出現する超電導状態に保持する。次に、アキシアル磁気軸受およびラジアル磁気軸受により回転体を運転位置に保持した状態で、昇降部材を上昇させ、超電導体を永久磁石に対して所定の間隙をあけて対向する位置まで上昇させる。すると、永久磁石から発せられる磁束の一部が超電導体内に部分的に侵入し、この侵入した磁束が超電導体内部のピン止め点にピン止めされる。次いで、昇降部材を上昇させて、超電導体を上昇させる。アキシアル磁気軸受により回転体を運転位置に保持した状態で、作動状態になった超電導軸受の超電導体を上昇させると、超電導軸受によるアキシアル方向上向きの支持力が徐々に大きくなり、その分、アキシアル磁気軸受による支持力が徐々に小さくなる。すなわち、アキシアル磁気軸受の上側の電磁石による上向きの吸引力が徐々に小さくなって、その分、下側の電磁石による下向きの吸引力が徐々に大きくなり、アキシアル磁気軸受全体の上向きの吸引力が徐々に小さくなる。そして、アキシアル磁気軸受の上側の電磁石による上向きの吸引力と下側の電磁石による下向きの吸引力が互いに等しくなって、アキシアル磁気軸受全体の上向きの吸引力すなわちアキシアル方向の支持力が零になった時点で、昇降部材を停止させて、超電導体を停止させる。そして、アキシアル磁気軸受の電磁石に対する励磁電流の供給を停止して、これを非作動状態にする。これにより、回転体の重量が超電導軸受のみによって支持され、回転体は超電導軸受とラジアル磁気軸受により、運転位置に非接触支持される。このように回転体を超電導軸受とラジアル磁気軸受で支持させたならば、電動機を駆動する。これにより、超電導軸受装置は運転を開始し、回転体は、超電導軸受とラジアル磁気軸受により運転位置に保持された状態で、回転させられる。
【0014】
この場合、回転体は、第2種超電導体を使用した超電導軸受によっても若干ラジアル方向に支持されるので、その分、ラジアル磁気軸受による支持力は小さくてすみ、ラジアル磁気軸受を小型化することができる。また、超電導体を永久磁石の近傍においてその磁場中で冷却した場合は、この効果が大きいことはいうまでもない。
【0015】
上記のように、最初からアキシアル磁気軸受とラジアル磁気軸受で回転体を運転位置に保持し、超電導軸受でそのまま運転位置に保持するので、従来のように回転体を一旦運転位置より上方に持ち上げる必要がない。したがって、その分、回転体の長さを短くすることができる。
【0016】
運転中、時間経過とともに超電導体の磁束クリープにより超電導軸受による磁気浮上力が低下し、回転体の位置が運転位置から徐々に下に下がる場合がある。その場合は、回転体の変位量をアキシアル変位センサで検出し、その分昇降部材および超電導体を上昇させて、回転体を運転位置に保つようにフィードバック制御する。この制御は昇降部材が所定の上昇限界位置に達するまで可能であり、その後は、回転体が所定の下降限界位置まで下がることはやむをえない。しかし、回転体が下降限界位置より下がった時点で、アキシアル磁気軸受を作動させるものとし、再びアキシアル磁気軸受により回転体が運転位置に保持される。このとき、回転体は回転を続けている。上記の下降限界位置は、回転体がタッチダウンする位置よりも上方に設定されており、したがって、回転体がタッチダウンする前に、回転体を回転させたまま、アキシアル磁気軸受で運転位置に支持することができる。そして、回転体をアキシアル磁気軸受とラジアル磁気軸受で保持して回転させた状態で、超電導体を下降させて、再び完全な第2種超電導状態にした後、前記の運転開始時と同様に、超電導を上昇させて、超電導軸受のみで回転体の重量を支持させ、アキシアル磁気軸受を非作動状態にする。これにより、超電導軸受装置の運転が再開され、再び、回転体は超電導軸受とラジアル磁気軸受により運転位置に支持されて、回転を続ける。このように、超電導軸受による磁気浮上力が低下して、回転体の位置が下がっても、これがタッチダウンする前に、アキシアル磁気軸受を使用して、回転体を回転させたまま、運転を再開することができる。したがって、回転体をタッチダウンさせずに、長時間連続して運転することが可能である。
【0017】
回転体を所定の運転位置に保つために昇降部材を上昇させて回転体の下降を防止する上記の制御過程において、運転中の回転体のアキシアル方向の振動が発生した場合は、それを抑制するために、運転中にも、アキシアル磁気軸受を作動させ、その電磁石に制御電流もしくは制御電流と通常の定常電流より小さいバイアス電流を流して制御することも可能である。
【0018】
また、運転中の超電導軸受の磁気浮上力の低下を減少させるためには、超電導軸受に負荷(回転体の重量)をかける前に、その負荷以上の予備荷重を予め与えておくこと(プリロード)が望ましい。その場合、昇降部材により超電導体を上昇させて超電導軸受に負荷をかけてアキシアル磁気軸受の上側の電磁石と下側の電磁石の吸引力が等しくなった時点で、アキシアル磁気軸受をすぐに非作動状態にするのではなく、そのまま作動状態にしておいて、さらに超電導体を所定の距離上昇させてその後に下降させれば、プリロードを与えることができる。そして、アキシアル磁気軸受の支持力が零になった時点で、アキシアル磁気軸受を非作動状態にして、超電導軸受だけで回転体の重量を支持し、回転を開始する。
【0019】
超電導軸受には、冷却により第1種超電導状態を出現する第1種超電導体を使用し、第1種超電導体の第1種超電導状態における完全反磁性現象(マイスナー効果)を利用して回転体を非接触支持するものもあるが、この発明は、このような第1種超電導体を使用した超電導軸受装置にも適用することができる。その場合、超電導軸受は回転体をアキシアル方向にのみ支持し、ラジアル磁気軸受だけで回転体がラジアル方向に支持される。
【0020】
この場合も、上記とほぼ同様に、運転を開始することができ、また、超電導軸受による磁気浮上力が低下して回転体の位置が下がっても、回転体をタッチダウンさせずに、回転させたまま、運転を再開することができる。
【0021】
この発明の超電導軸受装置によれば、上述のように、回転体の長さを短くすることができ、したがって、回転体の固有振動数が低下することがなく、高速回転が可能である。また、回転体をタッチダウンさせずに長時間連続して回転させることができ、したがって、従来のような面倒な運転再開作業が必要でなく、メンテナンスが容易である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明を電力貯蔵装置に適用した実施形態について説明する。
【0023】
図1は電力貯蔵装置の超電導軸受装置の全体構成の1例を概略的に示し、図2はその電気的構成の1例を示している。
【0024】
超電導軸受装置は、鉛直軸状の回転体(1) 、超電導軸受(2) 、上下2組のラジアル変位検出ユニット(3)(4)、上下2組の制御型ラジアル磁気軸受(5)(6)、アキシアル変位センサ(7) 、制御型アキシアル磁気軸受(8) および内蔵型電動機(9) を備えており、これらが固定部分(A) を構成する上部ハウジング(10)、中間ハウジング(11)および下部ハウジング(12)の内部に配置されている。上部ハウジング(10)は、上下に比較的短く、かつ下側の約半分の部分の径が大きい段付き鉛直円筒状をなす。中間ハウジング(11)は、上部ハウジング(10)の上側の小径部とほぼ同径で、上下に比較的長い鉛直円筒状をなす。下部ハウジング(12)は、上部ハウジング(10)の下側の大径部とほぼ同径で、上下に比較的短い鉛直円筒状をなす。3つのハウジング(10)(11)(12)は、複数の部品を結合することにより一体状にかつ同心状に形成されている。
【0025】
なお、以下の説明において、アキシアル方向の軸(鉛直軸)をZ軸、Z軸と直交する1つのラジアル方向の軸(水平軸)をX軸、Z軸およびX軸と直交するラジアル方向の軸(水平軸)をY軸とする。
【0026】
回転体(1) は、ハウジング(10)(11)(12)内の中心に同心状に配置されている。回転体(1) の上部に、上部ハウジング(10)の下側の大径部内に位置する上部フライホイール(13)が固定され、回転体(1) の下部に、下部ハウジング(12)内の上部に位置する下部フライホイール(14)が固定されている。これらのフライホイール(13)(14)は、余剰電力を運動エネルギとして貯えておくためのものである。
【0027】
超電導軸受(2) は、回転体(1) をアキシアル方向およびラジアル方向に支持して非接触浮上させるためのものであり、回転体(1) の下端部に同心状に固定された環状永久磁石部(15)および永久磁石部(15)と対向するように固定部分(A) 側に設けられた環状超電導体部(16)よりなる。
【0028】
永久磁石部(15)は、回転体(1) の下端部に同心状に固定された支持円板(17)を備えており、この円板(17)の外周に、複数の環状永久磁石(18)が環状の強磁性体(19)を介して固定されている。たとえば、各永久磁石(18)は、径方向の両端に磁極を有し、全永久磁石(18)の径方向に相対する側の磁極が同極性となるように配置されている。また、永久磁石(18)は回転体(1) と同心になるように径方向に並べて配置され、回転体(1) の回転軸心の周囲における永久磁石(18)の磁束分布が回転体(1) の回転によって変化しないようになされている。
【0029】
詳細な図示は省略したが、固定部分(A) の下部の適当箇所に、回転体(1) と同心の鉛直軸状の昇降部材(20)が設けられている。昇降部材(20)の上部は下部ハウジング(12)の底壁を貫通してその内部に入っており、その上端に超電導体部(16)が固定されており、昇降部材(20)の昇降にともなって超電導体部(16)も昇降するようになっている。超電導体部(16)は、回転体(1) と同心になるように昇降部材(20)の上端に固定された環状の冷却タンク(21)を備えている。タンク(21)は鉛直で背の低い偏平二重円筒状をなし、その上端面が永久磁石部(15)の永久磁石(18)の下端面に対向するようになっている。永久磁石(18)に対向するタンク(21)の上端壁の部分は肉厚が薄くなっており、この部分の内側のタンク(21)内に鉛直な偏平環状の第2種超電導体(22)が固定されている。超電導体(22)は回転体(1) と同心になるように配置され、タンク(21)の薄い上端壁と空隙を介して永久磁石(18)とアキシアル方向に対向している。超電導体(22)は、たとえばイットリウム系超電導体、たとえばY1 Ba2 Cu3 O7−x からなるバルクの内部に常電導粒子(Y2 Ba1 Cu1 )を均一に混在させたものからなり、第2種超電導状態が出現する環境下において、永久磁石(18)から発せられる磁束を拘束してピン止めする性質を有するものである。そして、超電導体(22)は、上記のように配置されることにより、昇降部材(20)が所定位置まで上昇した状態において、永久磁石(18)の磁束が所定量侵入する離隔位置であってかつ回転体(1) の回転によって侵入磁束の分布が変化しない位置に位置するようになっている。また、タンク(21)は冷却流体供給管(23)および同排出管(24)を介して図示しない適当な冷却装置に接続されており、この冷却装置により、タンク(21)内をたとえば液体窒素からなる冷却流体が循環させられ、タンク(21)内に満たされる冷却流体により超電導体(22)が冷却されるようになっている。昇降部材(20)は、適当な昇降装置(29)により昇降させられる。また、図示は省略したが、超電導軸受装置の適当箇所に、回転体(1) が後述する下降限界位置まで下降したときに、永久磁石部(15)と超電導体部(16)との接触を防止するために、昇降部材(20)が所定の上昇限界位置より上昇することを防止する適当なストッパが設けられている。
【0030】
ラジアル磁気軸受(5)(6)は、回転体(1) を非接触支持するとともに回転体(1) の互いに直交する2つのラジアル方向(X軸およびY軸方向)の位置を制御するためのものであり、中間ハウジング(11)内の上下2箇所に設けられている。各ラジアル磁気軸受(5)(6)は、それぞれ、回転体(1) をX軸方向の両側から挟むようにハウジング(11)内に固定されて回転体(1) をX軸方向の両側に吸引する1対のX軸方向電磁石(5x)(6x)と、回転体(1) をY軸方向の両側から挟むようにハウジング(11)内に固定されて回転体(1) をY軸方向の両側に吸引する1対のY軸方向電磁石(5y)(6y)とを備えている。この実施形態の場合、ラジアル磁気軸受(5)(6)の電磁石(5x)(5y)(6x)(6y)には全て同じものが使用されている。
【0031】
ラジアル変位検出ユニット(3)(4)は、回転体(1) のラジアル方向の変位を検出するためのラジアル変位検出手段を構成している。上部検出ユニット(3) は上部ラジアル磁気軸受(5) の近傍に、下部検出ユニット(4) は下部ラジアル磁気軸受(6) の近傍にそれぞれ設けられている。各検出ユニット(3)(4)は、回転体(1) をX軸方向の両側から挟むようにハウジング(11)内に固定されて回転体(1) のX軸方向の変位を検出する1対のX軸方向変位センサ(3x)(4x)と、回転体(1) をY軸方向の両側から挟むようにハウジング(11)内に固定されて回転体(1) のY軸方向の変位を検出する1対のY軸方向変位センサ(3y)(4y)とから構成されている。
【0032】
アキシアル磁気軸受(8) は、回転体(1) のアキシアル方向(Z軸方向)の位置を制御して、回転体(1) をアキシアル方向の所定位置に位置決めするためのものであり、上部ハウジング(10)の上側の小径部内に設けられている。回転体(1) の上端部近傍に、水平な外向きフランジ(25)が固定されている。アキシアル磁気軸受(8) は、フランジ(25)の外周寄りの部分をZ軸方向の両側から挟むようにハウジング(10)内に固定されて回転体(1) をZ軸方向の両側に吸引する上下1対のZ軸方向電磁石(8a)(8b)を備えている。この実施形態の場合、アキシアル磁気軸受(8) の電磁石(8a)(8b)には同じものが使用されている。
【0033】
アキシアル変位センサ(7) は、回転体(1) のアキシアル方向の変位を検出するためのアキシアル変位検出手段を構成しており、固定部分(A) の適当箇所たとえば上部ハウジング(10)の上端部内に設けられている。
【0034】
各磁気軸受(5)(6)(8) の各電磁石(5x)(5y)(6x)(6y)(8a)(8b)は制御装置(26)に接続され、この制御装置(26)から各電磁石(5x)(5y)(6x)(6y)(8a)(8b)に励磁電流が供給される。励磁電流は、一定の定常電流と回転体(1) の変位によって変化する制御電流とを合わせたものである。通常、ラジアル磁気軸受(5)(6)全ての電磁石(5x)(5y)(6x)(6y)について、定常電流の値は互いに等しい。また、各ラジアル磁気軸受(5)(6)の対応する各1対の電磁石(5x)(5y)(6x)(6y)について、制御電流の絶対値は互いに等しく、その符号は互いに逆になる。アキシアル磁気軸受(8) の上下1対の電磁石(8a)(8b)について、定常電流の値は互いに等しく、制御電流の絶対値は互いに等しく、その符号は互いに逆になる。そして、制御装置(26)がアキシアル変位センサ(7) の出力信号に基づいてアキシアル磁気軸受(8) の各電磁石(8a)(8b)の制御電流の大きさを制御することにより、回転体(1) のアキシアル方向の位置が制御され、ラジアル変位センサ(3x)(3y)(4x)(4y)の出力信号に基づいてラジアル磁気軸受(5)(6)の各電磁石(5x)(5y)(6x)(6y)の制御電流の大きさを制御することにより、回転体(1) のラジアル方向の位置が制御される。
【0035】
昇降部材(20)の昇降装置(29)も制御装置(26)に接続され、これにより昇降部材(20)すなわち超電導体(22)の上下方向の位置が制御される。
【0036】
電動機(9) は、回転体(1) を高速で回転駆動するためのものであり、上下のラジアル磁気軸受(5)(6)の間の中間ハウジング(11)内に設けられている。この電動機(9) は、回転体(1) の外周部に設けられたロータ(9a)と、ハウジング(11)内に固定されてロータ(9a)の周囲に配置されたステータ(9b)とからなる。
【0037】
中間ハウジング(11)内の上端近傍および下端近傍に、超電導軸受(2) および磁気軸受(5)(6)(8) による支持がなくなったときに回転体(1) をタッチダウンさせて機械的に支持するためのタッチダウン軸受(27)(28)が設けられている。
【0038】
上記の電力貯蔵装置が運転を停止しているとき、電動機(9) 、超電導軸受(2) および磁気軸受(5)(6)(8) は非作動状態にあり、回転体(1) は回転を停止し、タッチダウン軸受(27)(28)により支持されている。また、超電導軸受(2) の固定部分(A) 側の超電導体(22)は、常温の常電導状態で、回転体(1) 側の永久磁石(18)から下方に十分に離れてその磁束の影響をほとんど受けない下端位置まで下降している。
【0039】
そして、このような状態から、たとえば、次のようにして運転が開始される。
【0040】
まず、磁気軸受(5)(6)(8) を作動状態にし、停止状態の回転体(1) を、ラジアル磁気軸受(5)(6)によりラジアル方向に非接触支持するとともに、アキシアル磁気軸受(8) によりアキシアル方向に非接触支持し、固定部分(A) に対して所定の運転位置(安定回転位置)に浮上させる。この実施形態の場合、運転位置に浮上したとき、回転体(1) はハウジング(10)(11)(12)の中心に位置し、アキシアル磁気軸受(8) の上下の電磁石(8a)(8b)と回転体(1) のフランジ(25)との間のアキシアル方向の空隙の大きさは互いに等しく、ラジアル磁気軸受(5)(6)の各1対の電磁石(5x)(5y)(6x)(6y)について、回転体(1) との間のラジアル方向の空隙の大きさは互いに等しい。このとき、超電導軸受(2) はまだ非作動状態であるから、回転体(1) の重量はアキシアル磁気軸受(8) だけで支持されており、したがって、上部電磁石(8a)による上向きの吸引力は下部電磁石(8b)による下向きの吸引力に比べて回転体(1) の重量分だけ大きく、アキシアル磁気軸受(8) 全体として上向きの吸引力を発生している。すなわち、上部電磁石(8a)の制御電流は正の値、下部電磁石(8b)の値は負の値となり、上部電磁石(8a)の励磁電流の値は、下部電磁石(8b)の励磁電流の値に比べて、アキシアル磁気軸受(8) 全体の上向きの吸引力(回転体(1) の重量)分だけ大きくなっている。
【0041】
磁気軸受(5)(6)(8) により回転体(1) を運転位置に保持したならば、冷却タンク(21)に冷却流体を供給し、超電導体(22)を上記の位置において所定の温度まで冷却して第2種超電導状態を出現する超電導状態に保持する。
【0042】
次に、磁気軸受(5)(6)(8) により回転体(1) を運転位置に保持した状態で、超電導体(22)を永久磁石(18)に対して所定の間隙をあけて対向する位置まで上昇させる。すると、永久磁石(18)から発せられる磁束の一部が超電導体(22)内に部分的に侵入し、この侵入した磁束が超電導体(22)内部のピン止め点にピン止めされる。次いで、超電導体(22)を上昇させる。アキシアル磁気軸受(8) により回転体(1) を運転位置に保持した状態で、作動状態になった超電導軸受(2) の超電導体(22)を上昇させると、超電導軸受(2) によるアキシアル方向上向きの支持力が徐々に大きくなり、その分、アキシアル磁気軸受(8) による支持力が徐々に小さくなる。すなわち、アキシアル磁気軸受(8) の上部電磁石(8a)による上向きの吸引力が徐々に小さくなって、その分、下部電磁石(8b)による下向きの吸引力が徐々に大きくなり、アキシアル磁気軸受(8) 全体の上向きの吸引力が徐々に小さくなる。そして、アキシアル磁気軸受(8) の上部電磁石(8a)による上向きの吸引力と下部電磁石(8b)による下向きの吸引力が互いに等しくなって、アキシアル磁気軸受(8) 全体の上向きの吸引力すなわちアキシアル方向の支持力が零になった時点で、超電導体(22)を停止させる。この後、超電導軸受(2) にプリロードを負荷する場合は、さらに超電導体(22)を所定の距離上昇させた後、また下降させて、アキシアル磁気軸受(8) の支持力が零になった時点で、超電導体(22)を停止させる。そして、アキシアル磁気軸受(8) の電磁石(8a)(8b)に対する励磁電流の供給を停止して、これを非作動状態にする。これにより、回転体(1) の重量が超電導軸受(2) のみによって支持され、回転体(1) は超電導軸受(2) とラジアル磁気軸受(5)(6)により、運転位置に非接触支持される。
【0043】
上記の装置の場合、アキシアル磁気軸受(8) の上下の電磁石(8a)(8b)に同じものを使用し、しかも回転体(1) が運転位置にある状態で上下の電磁石(8a)(8b)と回転体(1) のフランジ(25)との間の空隙の大きさが互いに等しいので、上下の電磁石(8a)(8b)について、励磁電流の値と吸引力との関係が同じになる。したがって、上下の電磁石(8a)(8b)の励磁電流が等しくなったことを検知することにより、上下の電磁石(8a)(8b)の吸引力が等しくなったことを知ることができる。電力貯蔵装置によっては、アキシアル磁気軸受の上下の電磁石に仕様の異なるものを使用したり、あるいは運転位置にある回転体と上下の電磁石との空隙の大きさが等しくないこともありうる。しかし、このような場合でも、運転位置は一定であるから、各電磁石について、励磁電流の値と吸引力の値との関係は一定で、しかも予め知ることができる。したがって、上下の電磁石の吸引力が等しくなるときの上下の電磁石の励磁電流の値の関係を予め調べておけば、上下の電磁石の励磁電流の値が上記の関係になったことを検知することにより、上下の電磁石の吸引力が等しくなったことを知ることができる。
【0044】
上記のように回転体(1) を超電導軸受(2) とラジアル磁気軸受(5)(6)で支持させたならば、電動機(9) を駆動する。これにより、超電導軸受装置は運転を開始し、回転体(1) は、超電導軸受(2) とラジアル磁気軸受(5)(6)により運転位置に保持された状態で、回転させられる。このとき、超電導体(22)に侵入した磁束は、磁束分布が回転体(1) の回転軸心に対して均一で不変である限り、理想的には回転を妨げる抵抗とはならない。
【0045】
上記の装置の場合、回転体(1) は第2種超電導体(22)を使用した超電導軸受(2) によっても若干ラジアル方向に支持されるので、その分、ラジアル磁気軸受(5)(6)による支持力は小さくてすみ、ラジアル磁気軸受(5)(6)を小型化することができる。
【0046】
また、最初からアキシアル磁気軸受(8) とラジアル磁気軸受(5)(6)で回転体(1) を運転位置に保持し、超電導軸受(2) でそのまま運転位置に保持するので、従来のように回転体を一旦運転位置より上方に持ち上げる必要がない。したがって、その分、回転体(1) の長さを短くすることができる。
【0047】
上記の装置の運転中、時間経過とともに超電導体(22)の磁束クリープにより超電導軸受(2) による磁気浮上力が低下し、回転体(1) の位置が運転位置から徐々に下に下がる場合がある。その場合は、回転体(1) の変位量をアキシアル変位センサ(7) で検出し、その分超電導体(22)を上昇させて、回転体(1) を運転位置に保つようにフィードバック制御する。たとえば、回転体(1) が運転位置から所定量(たとえば0.1mm)下降すると、回転体(1) が運転位置に戻るまで昇降装置(29)により昇降部材(20)を上昇させる。この制御は、昇降部材(20)が前記のストッパにより上昇限界位置に停止させられるまで繰返される。昇降部材(30)が上昇限界位置に停止した後も、回転体(1) は下降するが、運転位置より所定量(たとえば(0.8mm)下降して所定の下降限界位置より下がると、その時点で、アキシアル磁気軸受(8) が作動させられ、再びアキシアル磁気軸受(8) により回転体(1) が運転位置に保持される。このとき、回転体(1) は回転を続けている。上記の下降限界位置は、回転体(1) がタッチダウン軸受(27)(28)にタッチダウンする位置よりも上方に設定されており、したがって、回転体(1) がタッチダウンする前に、回転体(1) を回転させたまま、アキシアル磁気軸受(8) で運転位置に支持することができる。そして、回転体(1) をアキシアル磁気軸受(8) とラジアル磁気軸受(5)(6)で保持して回転させた状態で、超電導体(22)を下降させて、再び完全な第2超電導状態にした後、前記の運転開始時と同様に、超電導(22)を上昇させて、超電導軸受(2) のみで回転体(1) の重量を支持させ、アキシアル磁気軸受(8) を非作動状態にする。これにより、超電導軸受(2) による装置の運転が再開され、再び、回転体(1) は超電導軸受(2) とラジアル磁気軸受(5)(6)により運転位置に支持されて、回転を続ける。このように、超電導軸受(2) による磁気浮上力が低下して、回転体(1) の位置が下がっても、これがタッチダウンする前に、アキシアル磁気軸受(8) を使用して、回転体(1) を回転させたまま、運転を再開することができる。したがって、回転体(1) をタッチダウンさせずに、長時間連続して運転することが可能である。
【0048】
回転体(1) を所定の運転位置に保つために昇降部材(20)を上昇させて回転体(1) の下降を防止する上記の制御過程において、運転中の回転体(1) のアキシアル方向の振動が発生した場合は、それを抑制するために、運転中にも、アキシアル磁気軸受(8) を作動させ、その電磁石(8a)(8b)に制御電流もしくは制御電流と通常の定常電流より小さいバイアス電流を流して制御することも可能である。なお、回転体(1) のアキシアル方向の振動の発生は、アキシアル変位センサ(7) によって検知することができる。
【0049】
上記の実施形態では、第2種超電導体(22)を用いた超電導軸受(2) を使用しているが、その代わりに、冷却により第1種超電導状態を出現する第1種超電導体を用いた超電導軸受を使用することもできる。その場合、超電導軸受の全体構成は上記の超電導軸受(2) と同様になり、上記の第2種超電導体(22)の代わりに第1種超電導体が使用される。第1種超電導体を用いた超電導軸受は、第1種超電導体の第1種超電導状態における完全反磁性現象を利用して回転体(1) を磁気浮上させるものであり、回転体(1) は超電導体からアキシアル方向上向きの支持力だけを受け、アキシアル方向にのみ支持される。そして、回転体(1) は、ラジアル磁気軸受(5)(6)だけでラジアル方向に支持される。
【0050】
第1種超電導体を用いた超電導軸受を使用した場合も、上記とほぼ同様に、運転を開始することができ、また、超電導軸受による磁気浮上力が低下して回転体(1) の位置が下がっても、回転体(1) をタッチダウンさせずに、回転させたまま、運転を再開することができる。
【0051】
運転開始の場合、回転体(1) を磁気軸受(5)(6)(8) により運転位置に保持した状態で、超電導体を下端位置において冷却して、第1種超電導状態を出現させ、その後、超電導体を徐々に上昇させる。超電導体が永久磁石(18)にある程度接近すると、超電導体の完全反磁性現象により、回転体(1) は上向きの支持力を受け、この支持力は超電導体の上昇に伴って大きくなり、逆に、アキシアル磁気軸受のよる支持力は徐々に小さくなる。そして、アキシアル磁気軸受(8) による支持力が零になって、回転体(1) の全重量が超電導軸受によって支持されたならば、アキシアル磁気軸受(8) を非作動状態にして、回転体(1) を超電導軸受(2) とラジアル磁気軸受(5)(6)によって運転位置に支持し、電動機(9) を駆動して、運転を開始する。
【0052】
運転中に、時間経過とともに超電導軸受による磁気浮上力が低下して、回転体(1) の位置が運転位置から徐々に下に下がった場合、昇降部材(20)および超電導体を上昇させて回転体(1) を運転位置に保つフィードバック制御が行われ、昇降部材(20)が上昇限界位置より上昇できなくなった後、回転体(1) が下降限界位置より下がった時点で、アキシアル磁気軸受(8) が作動させられ、再びアキシアル磁気軸受(8) により回転体(1) が運転位置に保持される。そして、回転体(1) をアキシアル磁気軸受(8) とラジアル磁気軸受(5)(6)で保持して回転させた状態で、超電導体を下降させて、再び完全な第1超電導状態にした後、前記の運転開始時と同様に、超電導を上昇させて、超電導軸受のみで回転体(1) の重量を支持させ、アキシアル磁気軸受(8) を非作動状態にし、運転を再開する。
【0053】
超電導軸受、アキシアル磁気軸受、ラジアル磁気軸受、電動機などの構成、電力貯蔵装置の全体構成などは、上記実施形態のものに限らず、適宜変更可能である。
【0054】
また、この発明は、電力貯蔵装置以外にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の実施形態を示す電力貯蔵装置の概略構成図である。
【図2】図2は、電力貯蔵装置の超電導軸受装置の部分の電気的構成の1例を示すブロック図である。
【符号の説明】
(1) 回転体
(2) 超電導軸受
(3x)(3y)(4x)(4y) ラジアル変位センサ
(5)(6) ラジアル磁気軸受
(7) アキシアル変位センサ
(8) アキシアル磁気軸受
(9) 電動機
(18) 永久磁石
(20) 昇降部材
(22) 超電導体
(26) 制御装置
Claims (2)
- 固定部分内に鉛直状に配置された回転体、前記回転体を少なくともアキシアル方向に支持して非接触浮上させる超電導軸受、前記回転体のラジアル方向の変位を検出するためのラジアル変位センサ、前記回転体をラジアル方向の所定位置に非接触支持する制御型ラジアル磁気軸受、前記回転体のアキシアル方向の変位を検出するためのアキシアル変位センサ、必要に応じて前記回転体をアキシアル方向の所定位置に非接触支持するための制御型アキシアル磁気軸受、前記ラジアル変位センサおよび前記アキシアル変位センサの出力信号に基づいて前記ラジアル磁気軸受、前記アキシアル磁気軸受および前記超電導軸受を制御する制御装置、ならびに前記回転体を回転駆動する電動機を備えており、前記超電導軸受が、前記回転体の下端部に取付けられた永久磁石、および前記永久磁石に対向するように前記回転体の下方の前記固定部分に昇降自在に設けられた昇降部材に取付けられた超電導体よりなり、前記制御装置が、前記回転体が前記ラジアル磁気軸受および前記超電導軸受により非接触支持されて回転している状態において、前記アキシアル変位センサの出力に基づいて前記昇降部材の上下方向の位置を制御することにより前記回転体を所定の安定回転位置に支持し、前記昇降部材の位置の制御による前記回転体の位置の制御が限界に達したときにアキシアル磁気軸受を作動させて回転体を前記安定回転位置に支持させるようになされていることを特徴とする超電導軸受装置。
- 前記超電導体が、冷却により第2種超電導状態を出現し、かつ第2種超電導状態において、侵入する磁束を拘束してピン止めする性質を有する第2種超電導体であり、前記超電導軸受が、前記超電導体のピン止め力により回転体をアキシアル方向およびラジアル方向に非接触支持するものであることを特徴とする請求項1の超電導軸受装置。
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JPH10231840A JPH10231840A (ja) | 1998-09-02 |
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- 1997-02-24 JP JP03890097A patent/JP3622041B2/ja not_active Expired - Fee Related
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