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JPH10193468A - 架橋ポリエチレン管の製造方法 - Google Patents

架橋ポリエチレン管の製造方法

Info

Publication number
JPH10193468A
JPH10193468A JP291097A JP291097A JPH10193468A JP H10193468 A JPH10193468 A JP H10193468A JP 291097 A JP291097 A JP 291097A JP 291097 A JP291097 A JP 291097A JP H10193468 A JPH10193468 A JP H10193468A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crosslinked polyethylene
polyethylene
strength
polyethylene pipe
flexibility
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP291097A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichiro Iwasa
航一郎 岩佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP291097A priority Critical patent/JPH10193468A/ja
Priority to FR9803975A priority patent/FR2761349A1/fr
Publication of JPH10193468A publication Critical patent/JPH10193468A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 「常温時の柔軟性」と、より優れた「高温時
の強度」を兼ね備えた架橋ポリエチレン管を、押出機等
に必要以上の負担をかけることなく製造することのでき
る、架橋ポリエチレン管の製造方法を提供する。 【解決手段】 メタロセン触媒を用いて得たポリエチレ
ン系樹脂を原料に用いることにより、従来より強度の高
い架橋ポリエチレン管を得ることができる。また、その
原料樹脂の密度とメルトインデックスを所定範囲内とす
ることで、「常温時の柔軟性」と、より優れた「高温時
の強度」を兼ね備えた架橋ポリエチレン管を、押出機等
に必要以上の負担をかけることなく容易に製造すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋ポリエチレン
管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼管に代えて架橋ポリエチレン管
が、給湯システムや暖房システムの給湯管として用いら
れている。その架橋ポリエチレン管には、施工者の負担
を軽くするための「常温時の柔軟性」、給湯時に必要な
「高温時の強度(降伏強さ,クリープ特性等)」などが
求められている。
【0003】しかし、常温時の柔軟性は、一般に、高温
時の強度低下を招くため、従来の架橋ポリエチレン管の
製造技術においては、常温時の柔軟性と、高温時の強度
を両立させることは容易ではないという問題があった。
【0004】そこで、このような問題を解決するため
に、特開平2−253076号が提案されている。この
提案方法においては、ポリエチレン(密度;0.933
〜0.939g/cm3 、メルトインデックス;0.1
〜0.4g/10min)にシラン化合物をグラフト
し、次いで架橋の進行を防止しながら成形を行い、その
後シラノール縮合触媒等で架橋させることにより、柔軟
性を維持しながら、高温時の強度(実験データとして
は、80°Cの温水で管内に圧力を加えた時の破壊水
圧,80°Cの温水で管内に一定圧力を加えた時の破壊
に要する時間)等を向上させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報の
発明においては、原料ポリエチレンのメルトインデック
スが低い(0.1〜0.4g/10分)ために、押出成
形時に背圧が必要以上に上昇し、押出機の駆動モータ等
に過剰な負荷がかかって成形が困難となり、また成形さ
れた管の外面にアレが生じるという問題がある。さら
に、架橋中の結晶分布が不均一であるために、固体構造
内に脆弱部分を生じ、これにより、柔軟性を維持しなが
ら強度を飛躍的に向上させることが望めない。
【0006】本発明はそのような事情に鑑みてなされた
もので、「常温時の柔軟性」と、より優れた「高温時の
強度」を兼ね備えた架橋ポリエチレン管を、押出機等に
必要以上の負担をかけることなく製造することのでき
る、架橋ポリエチレン管の製造方法の提供を目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の架橋ポリエチレン管の製造方法は、重合触
媒としてメタロセン化合物を用いて重合された密度0.
932〜0.940g/cm3 のポリエチレン系樹脂
を、ラジカル発生剤の存在下でシラン化合物をグラフト
させてシラン変性させる工程と、管状に成形する工程
と、水雰囲気下に曝してゲル分率65%以上に架橋させ
る工程と、を包含することを特徴としている。
【0008】上記したメタロセン化合物の性質等につい
て、以下に説明する。一般に、メタロセン化合物とは、
遷移金属を、π電子系の不飽和化合物で挟んだ構造の化
合物であり、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パラジ
ウム、ハフニウム、白金等の四価の遷移金属に、1つ、
または2つ以上のシクロペンタジエニル環又はその類縁
体がリガンド(配位子)として存在する化合物である。
【0009】上記リガンドとしては、例えば、シクロペ
ンタジエニル環、インデニル環、炭化水素基、置換炭化
水素基または炭化水素一置換メタロイド基により置換さ
れたシクロペンタジニエル環およびインデニル環、シク
ロペンタジエニルオリゴマー環等が挙げられる。
【0010】これらのπ電子系の不飽和化合物以外に、
例えば、塩素、臭素等の一価のアニオンまたは二価のア
ニオンキレート、炭化水素基、アルコキシド、アミド、
ホスフィド、アリールアルコキシド、アリールアミド、
アリールホスフィド、アリールオキシド等が遷移金属に
配位結合されていてもよい。
【0011】上記シクロペンタジエニル環およびインデ
ニル環と置換される炭化水素基としては、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、アミル、
イソアミル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル、セチル、フェニル等が
挙げられる。
【0012】このようなメタロセン化合物としては、例
えば、シクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチ
ルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムト
リス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチ
ルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドジル
コニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシク
ロペンタジエニル−tert−ブチルアミドハフニウム
ジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタ
ジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドジルコニウム
ジクロリド、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロ
ペンタジエニル−tert−ブチルアミドハフニウムジ
クロリド、インデニルチタニウムトリス(ジメチルアミ
ド)、インデニルチタニウムトリス(ジエチルアミ
ド)、インデニルチタニウムトリス(ジ−n−プロピル
アミド)、インデニルチタニウムビス(ジ−n−ブチル
アミド)(ジ−n−プロピルアミド)等が挙げられる。
【0013】これらのメタロセン化合物は、金属の種類
や配位子の構造を変え、特定の共触媒(助触媒)と組み
合わせることにより、エチレン等のオレフィンの重合の
際に触媒として働く。具体的には、重合は、メタロセン
化合物に共触媒としてメチルアルミノキサン(MA
O)、ホウ素化合物等を添加した系で行われる。メタロ
セン化合物に対する共触媒の使用割合は、10〜1,0
00,000モル倍、好ましくは50〜5,000モル
倍である。
【0014】上記重合条件については特に制限はなく、
例えば、不活性媒体を用いる溶液重合法、実質的に不活
性媒体の存在しない塊状重合法、気相重合法等が利用で
きる。通常、重合温度は−100〜300°C、重合圧
力は常圧〜100kg/cm 2 であるのが一般的であ
る。
【0015】また、上記したポリエチレン系樹脂として
は、エチレンの単独重合体、エチレンとα−オレフィン
の共重合体等が挙げられる。α−オレフィンとしては、
例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、
1−オクテン等が挙げられる。
【0016】実際に、重合触媒にメタロセン化合物を用
いて得られたポリエチレン系樹脂としては、例えば、ダ
ウ・ケミカル社のHF、エクソン・ケミカル社のEXA
CT等が市販されている。
【0017】このような構造のメタロセン触媒(化合
物)は、各活性点の性質が均一であるという特徴を有し
ている。つまり、各活性点の活性度が等しいので、合成
するポリマーの分子量、分子量分布、組成、組成分布の
均一性が高まる。従って、ポリエチレン系樹脂の製造時
にメタロセン触媒を用いることにより、従来のチーグラ
ー触媒を用いた場合に比して狭い分子量分布を有するポ
リエチレン系樹脂を得ることができる。またL−LDP
E(直鎖状低密度ポリエチレン)に対しては、ブテン,
ヘキセン,オクテン等の高級オレフィン類との共重合が
一般に行われているが、メタロセン触媒を用いることに
より、高級オレフィン類がポリエチレン鎖に均等に付加
され、これにより、均質な構造の共重合体を得ることが
できる。
【0018】従って、メタロセン触媒により得たポリエ
チレン系樹脂は、均一な厚さを持ったラメラ層で構成さ
れることとなり、ラメラ層の各層を互いに結合する分子
(タイ分子)の量が、従来のチーグラー触媒により得た
ポリエチレン系樹脂よりも増加し、これによって、より
優れた破壊特性を持つ樹脂を得ることができる。
【0019】さて、本発明の製造方法における架橋方法
は、シラン架橋である。すなわち、上述のポリエチレン
系樹脂に、シラン化合物、ラジカル発生剤、およびシラ
ノール縮合触媒をそれぞれ配合したものを、混練装置に
て溶融混練して成形する。
【0020】使用されるシラン化合物は、オレフィン系
不飽和結合,および,加水分解可能な有機基を持つシラ
ン化合物である。このような特徴を備え、本発明に用い
るに好ましいシラン化合物としては、例えば、ビニルト
リスアルコキシランがあり、中でも、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(メトキシエトキシ)シランが好ましい。また、ビニル
メチルジエトキシシラン、ビニルフェニルジメトキシシ
ラン等でもよい。
【0021】シラン化合物のオレフィン系不飽和結合部
位は、ポリエチレン系樹脂中に発生した遊離ラジカル部
位と反応する。そのラジカルを発生させ、しかも本発明
に好ましいラジカル発生剤としては、例えば、有機ペル
オキシド、有機ペルエステル等があり、中でも、ベンゾ
イルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、
ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキ
シド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシベン
ゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブ
チルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペ
ルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキ
シ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
ert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチ
ルペルベンゾエート、tert−ブチルペルフェニルア
セテート、tert−ブチルペルイソブチレート、te
rt−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−
ブチルペルピバレート、クミルペルピバレート、ter
t−ブチルペルジエチルアセテート等が好ましく、その
他にも、アゾ化合物があり、例えば、アゾビス−イソブ
チルニトリル、ジメチルアゾイソブチレート等が挙げら
れる。
【0022】一般に、従来のチーグラー触媒等により重
合されたポリエチレン系樹脂に対して架橋処理を行う
と、架橋分子の存在によってクリープ特性,降伏強さ等
が向上する。しかしその一方で、結晶構造は架橋分子に
より乱されるため、固体構造内に脆弱部分が生じて応力
集中が起こり、顕著な強度向上が望めない。
【0023】一方、メタロセン触媒により得たポリエチ
レン系樹脂は、上述したように、その各重合成分が重合
体中に均一に分布しているため、架橋による結晶構造の
乱れは最小限に抑えることができる。従って、より優れ
た強度を得ることができる。
【0024】これらのことを表1を用いて説明する。こ
の表には、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した
結晶融解データ(メタロセン触媒によって得たポリエチ
レン系樹脂,チーグラー触媒によって得たポリエチレン
系樹脂の架橋前,架橋後の各データ)が示されている。
【0025】
【表1】
【0026】ここで、DSCpeak半値幅とは、結晶
融解ピーク高さの半分の高さにおける温度幅を指す。こ
の表において、半値幅を比べてみると、架橋前では、チ
ーグラー触媒による樹脂に対し、メタロセン触媒による
樹脂の方が、0.9(°C)狭く、架橋後では、前者に
対し後者の方が、4.8(°C)狭くなっている。
【0027】これは、チーグラー触媒で重合された樹脂
に対し、メタロセン触媒で重合された樹脂が、より均一
な成分分布であるとともにラメラ層の厚みがより均一に
そろっていることを表し、また、前者の架橋体に対して
後者の架橋体が、より均一に分布していることを表して
いる。そして、ラメラ層が均一な厚さをもっていること
が、架橋処理を経ることで、より顕著な効果をもたらす
ことも表している。
【0028】このような理由により、メタロセン触媒を
用いて得られたポリエチレン系樹脂は、シラン化合物の
付加に際し均一架橋を呈するため、架橋剤の分散分配を
充分に行うことによって、均一な結晶分布を有する架橋
ポリエチレン管を作成することができる(この結晶分布
についてはX線小角散乱等の分析手段により証明が可
能)。
【0029】従って、応力印加時に脆弱部分へ応力が集
中するのを回避することができ、結晶分布が不均一な従
来の架橋ポリエチレン管より優れた高温強度(降伏強
さ,クリープ特性)を持たせることができる。
【0030】ところで、本発明の架橋ポリエチレン管に
おいては、原料ポリエチレン系樹脂の密度が0.932
〜0.940g/cm3 であることが好ましい。一般
に、密度が高いと、強度は高くなるが柔軟性が低下す
る。従って、上記したような中密度(0.932〜0.
940g/cm3 )のものを用いることにより、柔軟
性、強度のバランスがとれた管を得ることができる。
【0031】また、本発明の架橋ポリエチレン管におい
ては、原料ポリエチレン系樹脂のメルトインデックス
が、0.5〜5.5g/10minの範囲内であること
が好ましく、さらに好ましくは0.9〜5.5g/10
minである。
【0032】この値が0.5未満であると、押出成形時
の背圧が上昇して押出機の駆動モータ等に過剰な負荷が
かかって成形が困難となる。また5.5を超えると、溶
融粘度が不足して管状に成形することが困難となる。従
って、それらの間の値をとることにより、成形の容易性
と成形時の形状保持性とをバランスよく兼ね備えた架橋
ポリエチレンを得ることが可能となる。
【0033】なお、本発明においては、シラン変性ポリ
エチレン管を、ゲル分率65%以上となるように架橋
し、好ましくは70%以上となるように架橋する。ゲル
分率が65%に達していないと、密度および粘度平均分
子量が好適な値のポリエチレンを用いても、クリープ特
性が劣る。
【0034】以下に、ゲル分率の測定方法を説明する。
架橋ポリエチレンのサンプルを、キシレンを溶媒として
用いたソクスレー抽出器で10時間沸点温度にて抽出
し、抽出残の重量を計量して以下の式に従って得られ
る。
【0035】
【数1】
【0036】
【実施例】以下に本発明の架橋ポリエチレン管の製造方
法の実施例を比較例とともに説明する。
【0037】<実施例1>重合触媒としてメタロセン化
合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂(ダウ・ケミ
カル社製,商品名「HF1030」,密度;0.935
g/cm3 、メルトインデックス;2.6g/10mi
n)100重量部に、ビニルトリメトキシシラン3重量
部、ジクミルパーオキサイド0.12重量部、ジブチル
錫ジラウレート0.0135重量部を混合したのち押出
機中で溶融混練して架橋を行い、さらに押出成形して架
橋ポリエチレン管を得た。
【0038】<比較例1>ポリエチレン系樹脂の密度を
0.940g/cm3 とした以外は、実施例1と同じと
した。
【0039】<比較例2>ポリエチレン系樹脂の密度を
0.931g/cm3 とした以外は、実施例1と同じと
した。
【0040】<比較例3>重合触媒としてチーグラー触
媒を用いて得られたポリエチレン系樹脂(ダウ・ケミカ
ル社製,商品名「Dowlex2037」,密度;0.
935g/cm3、メルトインデックス;2.6g/1
0min)100重量部に、ビニルトリメトキシシラン
1重量部、ジクミルパーオキサイド0.04重量部、ジ
ブチル錫ジラウリレート0.0135重量部を混合した
のち押出機中で溶融混練して架橋を行い、さらに押出成
形して架橋ポリエチレン管を得た。
【0041】<比較例4>ポリエチレン系樹脂のメルト
インデックスを0.4g/10minとした以外は、比
較例3と同じとした。
【0042】実施例1、比較例1〜4で用いたポリエチ
レン系樹脂の密度,メルトインデックスを表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】実施例1、比較例1〜4で得られた架橋ポ
リエチレン管について、以下に示す項目をそれぞれの方
法に従って測定した。その結果を表3に示す。 (1)引張弾性率測定(管の柔軟性) JIS−K−7113に準じて行った。
【0045】(2)95°C熱間内圧クリープ測定(管
の強度) 95°Cの温水中で管に4.8MPaの円周応力を印加
し、1時間の間に割れ、漏れが生じるか否かを確認する
もので、JIS−K−6769に準じて行った。
【0046】(3)押出機負荷電流値測定(管の成形
性) (4)樹脂圧力測定(管の成形性) アダプター部(計量部)の樹脂出口付近に取り付けた樹
脂圧力計により測定した。
【0047】
【表3】
【0048】表3により、実施例1のものは、引張弾性
率、内圧クリープ、押出機負荷電流値についてバランス
がよいことがわかる。しかし、比較例1のものは引張弾
性率が大であり、柔軟性に劣る。また、比較例2,3の
ものは強度が弱くて高温下での高い水圧に耐えられず、
比較例4のものは成形性が悪く、押出機に負担がかか
り、表面アレも発生する。
【0049】つまり、実施例1の管は、従来の管に比し
て、常温時の柔軟性を維持しながら高温時の強度と成形
の容易性をより高レベルのもとにバランスよく兼ね備え
ている。
【0050】なお、本発明の実施例においては上記した
ものに限ることはなく、例えば、シラノール縮合触媒と
して、ジブチル錫ジラウレートの他に、酢酸第一錫、オ
クタン酸第一錫(カプリル酸第一錫)、ナフテン酸錫、
カプリル酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸鉄、ナフテン酸
コバルト等のカルボン酸塩を用いてもよく、その他、チ
タン酸エステルやキレート化合物等の有機金属化合物、
中でも、チタン酸テトラブチルエステル、チタン酸テト
ラノニルエステル、ビス(アセチルアセトニトリル)ジ
−イソプロピルチタネート、この他、エチルアミン、ヘ
キシルアミン、ジブチルアミン、ピリジン等の有機塩
基、そして脂肪酸等の酸を用いてもよい。
【0051】また、本発明の実施において好ましい混練
装置としては、例えば、単軸押出機、2軸押出機、バン
バリミキサ、ニーダ、カレンダロール等が挙げられる。
【0052】
【発明の効果】本発明の架橋ポリエチレン管の製造方法
では、メタロセン触媒を用いて得たポリエチレン系樹脂
を原料に用いているので、従来のチーグラー触媒を用い
て得たポリエチレン系樹脂を原料とするよりも、より強
度の高い架橋ポリエチレン管を得ることができる。
【0053】また、その原料樹脂の密度とメルトインデ
ックスが、上記した範囲内であるので、「常温時の柔軟
性」と、より優れた「高温時の強度」を兼ね備えた架橋
ポリエチレン管を、押出機等に必要以上の負担をかける
ことなく容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:24 B29L 23:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合触媒としてメタロセン化合物を用い
    て重合された密度0.932〜0.940g/cm3
    ポリエチレン系樹脂を、ラジカル発生剤の存在下でシラ
    ン化合物をグラフトさせてシラン変性させる工程と、管
    状に成形する工程と、水雰囲気下に曝してゲル分率65
    %以上に架橋させる工程と、を包含することを特徴とす
    る架橋ポリエチレン管の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記シラン変性される前のポリエチレン
    系樹脂のメルトインデックスが0.5〜5.5g/10
    minであることを特徴とする請求項1に記載の架橋ポ
    リエチレン管の製造方法。
JP291097A 1997-01-10 1997-01-10 架橋ポリエチレン管の製造方法 Pending JPH10193468A (ja)

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