JPH0329579Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は主として草苅機用などの縦軸形小型エ
ンジンの構造に関するものである。

（従来の技術） 従来のエンジンは、その用途により軽量でコン
パクトな小型エンジンが要求される。

第６図に示すものは従来の小型エンジンの一例
を示す平面図で、ハウジング１内にエンジンシリ
ンダ２が横置きに配置されクランクケース３から
縦にクランクシヤフト４が上下に伸びている。５
は冷却用フアンで、クランクシヤフト４によつて
回転する。気化器６からは混合気がシリンダ２に
導入されている。７はエアクリーナ、８はエレメ
ントでインテークパイプ９がエアクリーナのエレ
メント８の内側に開口している。１０はブリーザ
パイプでシリンダ２の外側に設けたブリーザ室１
１に接続され気化器６の入口に導かれている。気
化器６とエンジンシリンダ２とは接続管１２によ
つて接続されている。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来の構造においては気化器６前後の配管
の都合上、ハウジング１の内側にエアクリーナ７
が収まらず、ハウジング１外にはみ出してしま
い、ハウジング１外に取り付けなければならな
い。ハウジング１内に無理に収めようとすると、
エンジンとエアクリーナ７が干渉したりする上
に、エアクリーナ７のメンテナンスが困難であ
る。

本考案はエンジンをコンパクトなセツトにする
ために、エンジン、気化器以外にエアクリーナお
よびインテークパイプまでもハウジング内に収め
るような、エアクリーナと気化器の接続構造を提
供し、エンジンの搭載性とエアクリーナのメンテ
ナンスの改良を図るものである。

（課題を解決するための手段） そのため、本考案のエアクリーナと気化器の接
続構造は、エアクリーナの下方に横置きのエンジ
ンシリンダを配置した縦軸形小型エンジンにおい
て、エアクリーナをハウジング内に縦置きに且つ
該ハウジングの隅部に配置する一方、該エアクリ
ーナに下向きのエア排出口を設け、該エア排出口
に可撓性の偏心接続パイプを接続し、該偏心接続
パイプに縦形のインテークパイプを凹凸嵌合によ
り位置決めしつつ接続すると共に、該インテーク
パイプの下端を水平方向に屈曲開口させ前記気化
器入口に接続する構造としたことを特徴とする。

（作用） 上記の如く構成することにより、気化器とエン
ジンシリンダを近接して配置し、気化器の上側隅
部に縦置きのエアクリーナを配置すると共に、エ
アクリーナの直下から可撓性の偏心接続パイプを
介してインテークパイプに接続し、その屈曲開口
を水平に設けた気化器入口に接続するので、エア
排出口とインテークパイプとの間の位置ズレの吸
収と位置決め作用が発揮されると共に、クリーン
空気は気化器に支障なく導入され、インテークパ
イプはハウジング内に収められ、ハウジング内に
エンジンセツトを収納しデツドスペースを著しく
減少し、又、エアクリーナのメンテナンスをよく
する。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面により説明する。第
１図はエンジン全体の側面図、第２図は平面図、
第３図は第２図のＡ−Ａ線に沿う断面図である。
ハウジング１内に縦置きにエアクリーナ７を配置
し、該エアクリーナ７の下方に横置きのエンジン
シリンダ（図示せず）を配置した縦軸形小型エン
ジンにおいて、前記エアクリーナ７の下向きのエ
ア排出口７４と水平に設けた気化器６の入口との
間に縦形のインテークパイプ９を介在させ、該イ
ンテークパイプ９の上端を可撓性偏心接続パイプ
１３によりエアクリーナ７のエア排出口７４に接
続すると共に、下端を水平方向に屈曲開口させ気
化器６入口に接続する。ブリーザ室１１がシリン
ダの外側に接続してブリーザパイプ１０がインテ
ークパイプ９の上部に接続されている。クランク
室（図示せず）はハウジング１内にあり、上部の
フアン（図示せず）の回転軸にクランクシヤフト
４が連結している。１４は燃料タンクで気化器６
に燃料パイプ１６が接続される。１５は燃料給油
キヤツプである。

第３図において、エアクリーナエレメント７１
の下側はハウジングとの間にシールされ、エレメ
ント７１の上部はエアクリーナキヤツプ７２によ
つてカバーされ、エレメント７１の内外を隔離
し、エレメント７１はキヤツプ７２により固定ね
じ７３によつて止められている。エアクリーナ７
の下向きのエア排出口７４が内側中央付近にあ
り、インテークパイプ９とは可撓性の偏心接続パ
イプ１３によつて接続されている。

第４図ａ，ｂ，ｃはこのインテークパイプ９の
詳細例を示す。インテークパイプ９の下端は水平
方向に屈曲開口しており、上端の突起９１はエア
クリーナ７（第３図）との取合箇所を位置合わせ
し易いように、偏心接続パイプ１３との間で凹凸
嵌合したものである。また、可撓性の偏心接続パ
イプ１３の例を第５図ａ，ｂに示す。この例では
接続パイプ１３はブリーザパイプ１０（第１図）
を有しないものを示してある。図に示した可撓性
の偏心接続パイプ１３は上下の位置を偏心させて
おり、接続部のズレをパイプを少し回転すること
により吸収して、接続部のシール性を確保するも
のである。

上記の構成により、エンジンに導入される混合
気はエアクリーナ７から送られたエアと燃料タン
ク１４から送られる燃料とを気化器６で混合し、
エンジンシリンダに送給し、エンジンを駆動し、
クランクシヤフト４を回転して回転動力として使
用すると共に内蔵するフアンを駆動してクランク
室およびエンジンを冷却するものである。

気化器６は水にエアを通過させ下側に燃料溜を
有する普通の構造であるので、エンジンシリンダ
への接続とエアクリーナ７からの接続が確実であ
り、気体の流通を阻害せずスペースを取らないよ
う考案されている。

（考案の効果） 本案の小型エンジンにおいては次のような効果
が得られる。すなわち、 (a) エアクリーナの下向きにエア排出口を設け、
これに縦形のインテークパイプを接続するよう
にしたので、従来の横形のインテークパイプに
比べて配管が短くなつてエアクリーナおよびイ
ンテークパイプ共ハウジング内に収めつつエア
クリーナを上部隅部に配置可能となり、エンジ
ンの熱による吸入空気の温度上昇を避け、充填
効率の低下を防ぐことができるとともに清掃時
等にエアクリーナ室に混入した水、ダストがエ
ンジンに付着するのを避けることができる。

サイクロン構造のエアクリーナの場合、吸入
空気中のゴミを半径方向に排出するから、縦形
インテークパイプによりゴミの混入を確実に回
避できる。

(b) インテークパイプとエアクリーナのケースと
の間は弾力性のある可撓性の偏心接続パイプで
連結しているので、給気管およびエアクリーナ
ケースはプラスチツクなど剛性のない材料が使
用でき、コストダウンと重量軽減が可能であ
る。

また、接続部が位置ズレしていた場合、偏心
接続パイプであれば、パイプを少し回転させる
ことによりズレを吸収でき接続部のシール性を
確保できる。

ブリーザパイプを設ける場合、接続パイプと
ブリーザパイプを一体化することにより、パイ
プの抜け防止およびコストダウンが図れる。

更にインテークパイプとエアクリーナケース
との接続部を凹凸の嵌合部（第４図ｃ符号９
１）にしておけば接続の位置決めが容易にな
り、上記偏心接続パイプと協働して接続部のシ
ール性を高め、流入空気量の安定化を図ること
ができる。

(c) 本案はエンジンをコンパクトにして草苅機な
どに搭載するときにスペースをとらず搭載性が
良くなり、又メンテナンスの容易化において極
めて効果的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す側面図、第２図
はその平面図、第３図は第２図のＡ−Ａ断面図、
第４図ａ，ｂ，ｃはインテークパイプの一例を示
す平面、正面、側断面図、第５図ａ，ｂは接続パ
イプの平面、側断面図、第６図は従来のエンジン
の例を示す平面図である。 １……ハウジング、２……エンジンシリンダ、
３……クランクケース、４……クランクシヤフ
ト、５……冷却用フアン、６……気化器、７……
エアクリーナ、８……エアクリーナエレメント、
９……インテークパイプ、１０……ブリーザパイ
プ、１１……ブリーザ室、１２……接続管、１３
……（可撓性の）偏心接続パイプ、１４……燃料
タンク、１５……燃料給油キヤツプ、１６……燃
料パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エアクリーナの下方に横置きのエンジンシリン
   ダを配置した縦軸形小型エンジンにおいて、エア
   クリーナをハウジング内に縦置きに且つ該ハウジ
   ングの隅部に配置する一方、該エアクリーナに下
   向きのエア排出口を設け、該エア排出口に可撓性
   の偏心接続パイプを接続し、該偏心接続パイプに
   縦形のインテークパイプを凹凸嵌合により位置決
   めしつつ接続すると共に、該インテークパイプの
   下端を水平方向に屈曲開口させ前記気化器入口に
   接続する構造としたエアクリーナと気化器の接続
   構造。