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JPH0312037Y2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0312037Y2
JPH0312037Y2 JP1984151344U JP15134484U JPH0312037Y2 JP H0312037 Y2 JPH0312037 Y2 JP H0312037Y2 JP 1984151344 U JP1984151344 U JP 1984151344U JP 15134484 U JP15134484 U JP 15134484U JP H0312037 Y2 JPH0312037 Y2 JP H0312037Y2
Authority
JP
Japan
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yoke
magnet
case
magnets
pressed
Prior art date
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Application number
JP1984151344U
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English (en)
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JPS6168654U (ja
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Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP1984151344U priority Critical patent/JPH0312037Y2/ja
Publication of JPS6168654U publication Critical patent/JPS6168654U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0312037Y2 publication Critical patent/JPH0312037Y2/ja
Expired legal-status Critical Current

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  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、磁石発電機の回転子に関し、特に、
永久磁石の固定構造の改良に係り、例えば、オー
トバイやバギー等の小型または特殊車両に搭載す
る磁石発電機の回転子に利用して有効なものに関
する。
〔従来の技術〕
一般に、オートバイやバギー等の小型または特
殊車両においては、フエライトマグネツト等のよ
うな永久磁石(以下、マグネツトという。)を利
用した磁石発電機が使用されることがある。
この種の磁石発電機は、ヨークの内周に複数個
のマグネツトを等間隔で配列固定されることによ
り構成されている回転子と、コアにおける放射状
の複数箇所にコイルを巻装されることにより構成
されている発電子とを備えており、前記回転子が
エンジンに駆動されて発電子の周囲を回転するこ
とにより発電子の各磁極コイルにおいて起電力を
誘起せしめるように構成されている。
従来、このような磁石発電機に使用される回転
子として、マグネツトと対応する形状の複数のマ
グネツト収容室を上部開放枠を環状に連結されて
形成されている樹脂製のケースがヨーク内に嵌入
されており、複数のマグネツトがこのケースの各
収容室にそれぞれ挿入されることによりヨークの
内周に間隔をおいて配設されているものがある
(例えば、実開昭59−78877号参照)。
このような磁石発電機の回転子において、マグ
ネツトは隣り合う収容室に形成された隔壁部によ
り挟圧されて固定されることになる。
また、接着剤を用いてマグネツトをヨークに接
着することにより、収容室におけるマグネツトの
機械的な挟圧固定を補うことも考えられる。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかし、このような磁石発電機の回転子におい
ては、バギー車のように高回転時においても車速
が増加しない車両を駆動する空冷エンジン等に使
用された場合、発電機室内および油の温度が非常
に上昇するため、樹脂製ケースの溶融や、接着剤
強度の劣化が発生し、マグネツトに対する固定力
が低下してしまうという問題点があることが、本
考案者によつて明らかにされた。
マグネツトに対する固定力が低下すると、エン
ジンからの角加速度が加わつた時にヨークの内部
でマグネツトが移動することにより、発電機能の
低下が招来されるばかりでなく、最悪の場合、マ
グネツトが割れて発電機室内に飛散し、エンジン
のロツク等不測の事態を招くことがある。
本考案は、このような問題点に着目してなされ
たもので、その目的とするところは、高温下にお
いてもマグネツトに対して高い固定力を維持する
ことができる磁石発電機の回転子を提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段〕 本考案に係る磁石発電機の回転子は、椀形状に
形成され、その上端部に巻かしめ代部19が形成
されているヨーク11と、 このヨーク11に嵌入されており、円形リング
形状に形成されたリング33の上面に隔壁部35
が複数、周方向に間隔をおいて配されて直角にそ
れぞれ突設されているとともに、隣合う隔壁部3
5,35間のそれぞれにマグネツト収容室31が
形成されており、非磁性金属材料により一体的に
成形されているケース13と、 前記ヨーク11の深さ以下の高さHを有し、幅
Wの方向においてヨーク11の内周に沿つて円弧
形状を有する直方体に一体成形されているととも
に、この円弧の両端に位置する両側面の少なくと
も一部に各傾斜部22,22が、周方向外側に行
くにしたがつて円弧形状の外向面21に近ずくよ
うにそれぞれ形成されて、前記各マグネツト収容
室31にそれぞれ挿入されており、前記各隔壁部
35の先端における周方向両端部が押し型により
周方向に膨出塑性変形されてなる塑性変形部4
2,42の一部を前記傾斜部22,22にそれぞ
れ押圧されて、径方向外向きの分力Fを付勢され
ることにより、隣合う隔壁部35,35間のそれ
ぞれにおいて前記ヨーク11の内周面にそれぞれ
押着されて固定されている複数個のマグネツト1
2と、 前記マグネツト12群の内周面に各マグネツト
12の内周面にそれぞれ密着された状態で圧入さ
れており、非磁性金属材料により一体的に成形さ
れている円筒形状のカバー14と、 前記ケース13およびマグネツト12群の上端
面に配設された前記カバー14の上側鍔39上に
当接されており、非磁性金属材料により一体的に
成形されている押さえリング15とを備えてお
り、 前記ヨーク11の巻かしめ代部19が径方向内
向きに巻かしめ加工されて押さえリング15上に
押接されていることを特徴とする。
〔作用〕
前記した手段によれば、マグネツト12は非磁
性金属材料により形成されているケース13の収
容室31に収容された状態で、隔壁部35の塑性
変形部42に周方向に押圧されるとともに、傾斜
部42において径方向外向きに押し着けられるこ
とによりヨーク11に強力に固定されているた
め、溶融や固定力の低下等が発生する危険は皆無
である。したがつて、溶融や固定力の低下によつ
て起こるマグネツト12の遊動による磁石発電機
の機能低下や、マグネツト12の飛散等の不測の
事態は回避されることになる。
また、マグネツト12はケース13の収容室3
1において挟圧されるとともに、ヨーク11の内
周に押し着けられて強力に固定され、かつ、カバ
ー14により被覆されているため、使用状態にお
ける角加速度によつて加わる慣性力によりマグネ
ツトが遊動する(がたつく)ことはない。
さらに、ヨーク11での固定状態において、マ
グネツト12はケース13およびカバー14によ
り全周を包囲されるので、万一、マグネツトが破
損したとしても、破片が飛散することはない。
〔実施例〕
第1図は本考案の一実施例である磁石発電機の
回転子を示す分解斜視図、第2図はその組立状態
を示す縦断面図、第3図、第4図、第5図、第6
図、第7図、第8図、第9図および第10図はそ
の組立途中を示す各縦断面図、拡大部分斜視図お
よび一部省略一部切断平面図である。
本実施例において、マグネツトユニツトとして
の回転子はヨーク11と、複数のマグネツト12
と、ケース13と、カバー14と、押さえリング
15とを備えている。
ヨーク11は磁性材料により上面が開口し下面
が閉塞した略椀形状に一体成形されており、下面
閉塞壁には、エンジンに直結させるボス(図示せ
ず)を挿通するための軸孔16が中心に、この回
転子をボスに結合させるための複数の取り付け孔
17が軸孔16の外方位置にそれぞれ穿設されて
いる。取り付け孔17の外方位置にはケース13
を回り止めするための凸部18が、下面閉塞壁を
外面から突き上げられることにより複数突設され
ており、取り付け孔17と凸部18とは任意の角
度で周方向に配設されている。ヨーク11の上端
部には巻かしめ代部19が外周を切削加工される
ことにより形成されている。
マグネツト12はヨーク11の深さ以下の高さ
Hを有し、幅Wの方向においてヨーク11の内周
に沿つて湾曲した円弧形状を有する略直方体に一
体成形されている。マグネツト12の円弧形状の
内向面(以下、腹面という。)20の両端部には
傾斜部22が周方向外側に行くにしたがつて円弧
形状の外向面(以下、背面という。)21に近ず
くようにそれぞれ形成されており、両端の傾斜部
22,22は内径側が狭くなる扇形状を形成する
ことになる。傾斜部22,22が隣接することに
なる両側の立ち上がり側面23と23、上面24
と下面25はそれぞれ平行に形成されている。
ケース13はアルミニユーム等の非磁性金属材
料を用いてダイカスト等により一体成形されてお
り、全体的に前記ヨーク11内に嵌合する略円筒
形状に形成されている。ケース13の筒壁30に
は複数の収容室31が互いに略等しい位相差で周
方向に配列されてそれぞれ形成されている。収容
室31は前記マグネツト12の高さH以下の高さ
hと、マグネツト12の幅Wよりも若干大きめの
幅wを有する中空室に形成されており、その天井
壁と背面壁と腹面壁の中央部とはそれぞれ開放さ
れている。したがつて、ケース13は上部が開放
している枠を複数個環状に連結されてなる形状に
形成されている。
各収容室31の床面壁部32、すなわち、各上
部開放枠の横部片は互いに隣り合つて一連のリン
グ33を形成しており、各収容室31における床
面壁部32の外側縁辺部には接着剤を受けるため
の接着剤受部34が円弧形状の凹部を形成するよ
うに没設されている。
隣合う収容室31,31間のそれぞれには、前
記上部開放枠の各縦部片に相当する各隔壁部35
が柱状に立ち上がるように形成されており、各隔
壁部35の肉厚tはマグネツト12の肉厚Tより
も若干薄めに形成されている。
リング33の下面には複数個の凹部36が収容
室31,31間の隔壁部35の真下位置に来るよ
うに配されて没設されており、各凹部36は前記
ヨーク11における凸部18に嵌合するように形
成されている。
そして、凹部36と凸部18とは、第4図およ
び第5図に示されているような関係になるように
それぞれ形成されている。すなわち、凹部36の
幅Aは、凸部18の幅aよりも大きく、凹部36
の深さBは、凸部18の高さbよりも大きくそれ
ぞれ設定されている。また、凹部36の隅部には
比較的大きなアール部Rが形成されており、凸部
18の隅部は可及的に鋭いエツジ部Eになるよう
に形成されている。
カバー14は薄鉄板等の磁性金属材料を用いて
絞りプレス加工等により一体成形されており、全
体的に前記ケース13内に嵌合する略円筒形状に
形成されている。組立前において、カバー14の
円筒形状部37の下端には下側鍔部38が径方向
に内向きに突出した円形環帯状に、その上端には
上側鍔部39が径方向に外向きに突出した円形環
帯状に、それぞれ形成されている。
押さえリング15は非磁性金属材料を用いた打
抜きプレス加工等により一体成形されており、一
部に切欠部41を有する略輪環形状に形成されて
いる。
次に、前記構成にかかる各部品による磁石発電
機の回転子の組立作業を説明することにより、磁
石発電機の回転子の構成を説明する。
まず、ヨーク11内にケース13に嵌入し、ヨ
ーク11の底壁に隆起されている各凸部18にケ
ース13下面の各凹部36をそれぞれ嵌合させ
る。この凸部18と凹部36との嵌合により、ケ
ース13はヨーク11に一体回転するように回り
止めされることになる。
このとき、凹部36と凸部18とが複数配設さ
れることにより公差が相乗し、互いに位置ずれを
起こしていたとしても、凹部36の幅Aおよび深
さBと、凸部18の幅aおよび高さbとの寸法関
係が、A>a、B>a、に設定され、この寸法的
余裕が当該位置ずれを吸収するため、各凸部18
は各凹部36に容易かつ確実にそれぞれ嵌入させ
ることができる。
但し、このような寸法関係だけでは、凹部36
と凸部18との嵌合に余裕が介在するため、ヨー
ク11とケース13との結合にがたつき(遊動)
が発生してしまうことになる。
しかし、本実施例においては、第5図に示され
ているように、凹部36のアール部Rに凸部18
のエツジ部Eが食い込むことにより、凸部18の
一部が凹部36の一部に植え込まれた状態になる
ため、凹部36と凸部18との寸法的余裕にかか
わらず、ヨーク11とケース13とはがたつき無
く結合されることになる。
ヨーク11内にケース13を嵌入した後または
嵌入する以前に、第3図に示されているように、
ケース13の各収容室31の底に形成されている
接着剤受部34に接着剤43を供給して溜てお
く。この接着剤43としては、溜られている間は
適度な粘度を有するペースト状態を形成してお
り、加熱により一旦流動化した後、硬化するもの
を使用することが望ましく、例えば、エポキシ樹
脂系の熱硬化性接着剤等が考えられる。
続いて、ケース13の各収容室31にマグネツ
ト12を上方からそれぞれ挿入して行く。このと
き、収容室31の幅wがマグネツト12の幅Wよ
りもやや大きめに形成されているため、各マグネ
ツト12は各収容室31に容易に挿入させること
ができる。
マグネツト12が収容室31に底まで挿入され
ると、接着剤受部34に溜られた接着剤43は適
度な粘度を有しているため、第6図に示されてい
るように、マグネツト12の下面に押し潰される
とともに、マグネツト12とヨーク11および収
容室31との接合面間の狭小な隙間に毛細管現象
とあいまつて押し上げられることになる。
全ての収容室31にマグネツト12が床面壁部
32における接着剤受部34に押接するまで挿入
された後、第6図から第9図に示されているよう
に、隔壁部35の上端部には一対の凹状塑性変形
部42,42が、周方向の両側端辺における略中
央位置にそれぞれ配されて、楔形状のポンチ等の
押し型(図示せず)を用いて各隔壁部35につい
て同時にまたは格別にそれぞれ打刻される。
この凹状塑性変形部42,42の陥没形成に伴
い、隔壁部35の上端部における肉壁は周方向外
向きに膨出塑性変形するため、マグネツト12の
両側の隔壁部35,35は収容室31内に挿入さ
れているマグネツト12を両側から押圧すること
により、強力に固定することになる。
このとき、塑性変形部42の一部がマグネツト
12の側面23における傾斜部22に係合して押
圧するため、第9図に示されているように、マグ
ネツト12には径方向外向きの分力Fが作用する
ことになる。この径方向外向きの力Fにより、マ
グネツト12はヨーク11の内周面に強力に押着
されて固定されることになる。
その後、ケース13の各収容室31に収容固定
されて環状に整列しているマグネツト12群の内
側に、マグネツト12群が構成する円形内周面の
直径と略等しい外径を有する円筒形状に形成され
ているカバー14が、第10図に示されているよ
うに、圧入される。これにより、カバー14の外
周面は各マグネツト12の腹面20にそれぞれ密
着することになるが、ケース13の隔壁部31の
肉厚tはマグネツト12の肉厚Tよりもやや薄め
に形成されているため、カバー14の外周面は各
隔壁部31の腹面にま密着しないことになる。
圧入時、カバー14の下端および上端には各鍔
部38,39がそれぞれ形成されているため、カ
バー14が薄鉄板により形成されていても、その
円筒形状部37には充分な剛性が確保されてい
る。したがつて、カバー14のケース11内への
圧入は円滑に、かつ、カバー14の円筒形状部3
7の外周面がケース14の内周面に全体にわたつ
て均一に密着するように行われることになる。
また、両鍔部38,39には圧入時に、カバー
14に押し込み力またはこれに対向する反力を付
勢するための治具を係合させることができるた
め、圧入力をカバー14全体にわたつて均一に付
勢させることができ、一層精密な圧入が実現され
ることになる。
なお、下側の鍔部38はその後、下方向に伸ば
され、カバー14は円筒形状に形成される。
その後、ケース11の上端面を被覆しているカ
バー14の上側鍔部39上に押さえリング15が
当てがわれ、ヨーク11の上端部における巻かし
め代部19にこれを内側に押し倒す巻かしめ加工
が施される。これにより、ヨーク11、マグネツ
ト12、ケース13、カバー14および押さえリ
ング15はかしめ着けられて一体化することにな
る。
その後、この組立体は加熱炉等のような適当な
加熱手段により加熱される。このとき、この組立
体は接着剤受部34がマグネツト12の上側にな
るように、すなわち、ヨーク11が逆さに置かれ
る。
接着剤43は加熱により粘度が低くなつてきわ
めて流れ易くなるため、マグネツト12上に位置
している接着剤受部34における接着剤43はマ
グネツト12とヨーク11および収容室31との
隙間に、重力および毛細管現象によつて迅速かつ
均一に浸透して行くことになる。このとき、ヨー
ク11は底面を上向きにされているため、流動化
した接着剤43が軸孔16や取り付け孔17に流
れ込むことはない。また、マグネツト12の終端
まで流下した接着剤43は、カバー14、押さえ
リング15、巻かしめ代部19が形成する空間に
収容されるため、外部に流出することはない。
加熱が進行すると、一旦流動化した接着剤43
は今度は硬化するため、マグネツト12は硬化し
てなる接着剤層44によりヨーク11および収容
室31に接着されることになる。このとき、接着
剤層44はマグネツト12とヨーク11および収
客室31との接合面に均一に拡散しているため、
その接着力はきわめて高くなつている。
このようにして、第2図に示されている磁石発
電機の回転子が製造されたことになり、マグネツ
ト12はヨーク11の内周に所定の間隔をおいて
配され、強力に固定された状態になつている。
すなわち、この回転子において、各マグネツト
12はヨーク11に嵌入されて凹凸部36,18
により回り止めされたケース13における各収容
室31にそれぞれ収容されて位置決めされ、か
つ、隔壁部35,35間において塑性変形部42
によつて周方向に挟圧されるとともに、側面の傾
斜部22で径方向外向きの分力を受けることによ
つてヨーク11の内周面に押し着けられて固定さ
れ、さらに、接着剤受部34の接着剤43がマグ
ネツト12とヨーク11および収容室31との間
に浸透して硬化することにより形成された接着剤
層44によつて接着固定されている。
本実施例によれば、マグネツトの側面に傾斜部
を内径側が狭くなるように設けるとともに、収容
室間の隔壁部に塑性変形部をこの傾斜部に押接す
るように形成することにより、傾斜部と塑性変形
部とが協働して、マグネツトにヨークの内周に押
し着ける方向の力を作用するように構成したた
め、マグネツトをヨークに強力に固定させること
ができる。
ところで、空冷エンジン等に連結された磁石発
電機において、発電機室内および油の温度が異常
に高くなり、激しいヒートシヨツクが磁石発電機
の回転子に加わつた場合、マグネツトのヨークへ
の固定に樹脂が使用されていると、樹脂が溶融し
たり、強度が低下したりする場合がある。このよ
うな場合、ヨークの中でマグネツトが遊動して磁
石発電機の機能を低下させたり、マグネツトが割
れて発電機の室内に飛散し、エンジンのロツク等
不測の事態を招来したりする危惧がある。
しかし、本実施例においては、マグネツトは非
磁性金属材料により形成されているケースの収容
室に収容された状態で、隔壁部の塑性変形部に周
方向に押圧されるとともに、傾斜部において径方
向外向きに押し着けられることによりヨークに強
力に固定されているため、溶融や固定力の低下等
が発生する危険は皆無である。
したがつて、溶融や固定力の低下によつて起こ
るマグネツトの遊動による磁石発電機の機能低下
や、マグネツトの飛散等の不測の事態は回避され
ることになる。
ケースに形成された各収容室にマグネツトをそ
れぞれ挿入し、ケースの隔壁部に凹状塑性変形部
を打刻してマグネツトを両側から挟圧するととも
に、ヨークの内周面に押し着けて保持するように
構成したので、部品点数、組付工数を減少させる
ことができるとともに、ビス止めまたはリベツト
止め作業が廃止できて作業性を向上させることが
でき、マグネツトは1個毎に独立しているので、
ニユートラル部分の如き無駄な部分は発生せず、
経済的に有利である。
マグネツトはケースの収容室において挟圧され
るとともに、ヨークの内周に押し着けられて強力
に固定され、かつ、カバーにより密着して被覆さ
れているため、使用状態における角加速度によつ
て加わる慣性力によりマグネツトが遊動する(が
たつく)ことはなく、遊動による各部の摩耗、劣
化、破壊等を抑止することができる。
ヨークでの固定状態において、マグネツトはケ
ースおよびカバーにより全周を包囲されるので、
万一、マグネツトが破損したとしても、破片が飛
散することとはなく、回転子の回転に伴う破片の
飛散による二次的障害の発生を未然に防止するこ
とができる。
ケースのヨークへの嵌入作業において、凹部と
凸部とが複数配設されることにより公差が相乗し
て互いに位置ずれを起こしていたとしても、凹部
の幅および深さが、凸部の幅および高さよりも大
きく設定され、この寸法的余裕が当該位置ずれを
吸収するため、各凸部の各凹部への嵌入作業は容
易かつ確実に実施することができる。
このようにして寸法公差、誤差を吸収して凹凸
部を嵌合させることができるため、ケースのヨー
クへの嵌入作業の自動化を実現し易い。
しかも、凹部の隅部にアール部を、凸部の隅部
にエツジ部をそれぞれ形成することにより、凹部
のアール部に凸部のエツジ部を食い込まてて凸部
の一部が凹部の一部に植え込まれた状態にさせる
ように構成したため、凹部と凸部との寸法的余裕
にかかわらず、ヨークとケースとはがたつき無く
結合させることができる。
マグネツトとヨークおよび収容室との間に接着
剤受部から浸透硬化させてなる接着剤層によつて
マグネツトが接着されているため、ケースによる
マグネツトのヨークへの機械的固定を補助するこ
とができ、マグネツトの固定を一層確実化するこ
とができる。
ヨークへのケースの嵌入、接着剤の接着受部へ
の供給、ケースの収容室へのマグネツトの挿入、
隔壁部への塑性変形部の打ち込み、マグネツト群
の内周面へのカバーの嵌入、押さえリングのセツ
トは全て単一方向からの作業であるため、きわめ
て作業性がよく、全自動化を実現し易い。
なお、本考案は前記実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲において、
種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、傾斜部はマグネツトの側面の一部に形
成するに限らず、側面を全体的に扇形状に傾斜さ
せて形成してもよい。
マグネツトは塑性変形部と傾斜部との協働作用
によりヨークの内周面に押し着けられて強力に固
定されるため、接着剤による固定は省略してもよ
い。
ケースはアルミダイカストにより形成するに限
らず、アルミニユームやその他の非磁性金属材料
を用いて鍛造や、焼結成形等により、形成しても
よい。
ヨークとケースとの回り止め構造は、ヨークに
隆起せしめた凸部と、ケースに没設せしめた凹部
とを嵌合させる構造に限らず、ヨークに穿設せし
めた回り止め孔に、ケースに突設せしめた突起を
嵌合させてなる構造等であつてもよい。
〔考案の効果〕
以上説明したように、本考案によれば、次の効
果が得られる。
マグネツト12は非磁性金属材料により形成さ
れているケース13の収容室31に収容された状
態で、隔壁部35の塑性変形部42に周方向に押
圧されるとともに、傾斜部22において径方向外
向きに押し着けられることによりヨーク11に強
力に固定されているため、溶融や固定力の低下等
が発生する危険は皆無である。
したがつて、溶融や固定力の低下によつて起こ
るマグネツト12の遊動による磁石発電機の機能
低下や、マグネツト12の飛散等の不測の事態は
回避されることになる。
マグネツト12はケース13の収容室31にお
いて挟圧されるとともに、ヨーク11の内周に押
し着けられて強力に固定され、かつ、カバー14
により被覆されているため、使用状態における角
加速度によつて加わる慣性力によりマグネツト1
2が遊動する(がたつく)ことはなく、遊動によ
る各部の摩耗、劣化、破壊等を抑止することがで
きる。
ヨーク11での固定状態において、マグネツト
12はケース13およびカバー14により全周を
包囲されるので、万一、マグネツト12が破損し
たとしても、破片が飛散することはなく、回転子
の回転に伴う破片の飛散による二次的障害の発生
を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例である磁石発電機の
回転子を示す分解斜視図、第2図はその組立状態
を示す縦断面図、第3図、第4図、第5図、第6
図、第7図、第8図、第9図および第10図はそ
の組立途中を示す各縦断面図、拡大部分斜視図お
よび一部省略一部切断平面図である。 11……ヨーク、12……マグネツト、13…
…ケース、14……カバー、15……押さえリン
グ、16……軸孔、17……取り付け孔、18…
…凸部、19……巻かしめ代部、30……筒壁、
31……収容室、32……底面壁部、34……接
着剤受部、35……隔壁部、36……凹部、37
……円筒形状部、38……下側鍔部、39……上
側鍔部、41……切欠部、42……凹状塑性変形
部、43……接着剤、44……接着剤層。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 椀形状に形成され、その上端部に巻かしめ代部
    19が形成されているヨーク11と、 このヨーク11に嵌入されており、円形リング
    形状に形成されたリング33の上面に隔壁部35
    が複数、周方向に間隔をおいて配されて直角にそ
    れぞれ突設されているとともに、隣合う隔壁部3
    5,35間のそれぞれにマグネツト収容室31が
    形成されており、非磁性金属材料により一体的に
    成形されているケース13と、 前記ヨーク11の深さ以下の高さHを有し、幅
    Wの方向においてヨーク11の内周に沿つて円弧
    形状を有する直方体に一体成形されているととも
    に、この円弧の両端に位置する両側面の少なくと
    も一部に各傾斜部22,22が、周方向外側に行
    くにしたがつて円弧形状の外向面21に近ずくよ
    うにそれぞれ形成されて、前記各マグネツト収容
    室31にそれぞれ挿入されており、前記各隔壁部
    35の先端における周方向両端部が押し型により
    周方向に膨出塑性変形されてなる塑性変形部4
    2,42の一部を前記傾斜部22,22にそれぞ
    れ押圧されて、径方向外向きの分力Fを付勢され
    ることにより、隣合う隔壁部35,35間のそれ
    ぞれにおいて前記ヨーク11の内周面にそれぞれ
    押着されて固定されている複数個のマグネツト1
    2と、 前記マグネツト12群の内周面に各マグネツト
    12の内周面にそれぞれ密着された状態で圧入さ
    れており、非磁性金属材料により一体的に成形さ
    れている円筒形状のカバー14と、 前記ケース13およびマグネツト12群の上端
    面に配設された前記カバー14の上側鍔39上に
    当接されており、非磁性金属材料により一体的に
    成形されている押さえリング15とを備えてお
    り、 前記ヨーク11の巻かしめ代部19が径方向内
    向きに巻かしめ加工されて押さえリング15上に
    押接されていることを特徴とする磁石発電機の回
    転子。
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