JP3809978B2 - 回転電機のマグネット固定方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機のマグネット固定方法に関し、特に、電動モータ(以下、モータという。)の固定子や磁石発電機(フライホイールマグネト)の回転子のヨークにマグネットを固定する方法に係り、例えば、自動車の電装品に広く使用されているモータの製造に利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
円筒形状に形成されたヨークの内周面に複数個のマグネットが周方向に間隔を置いて環状に配され各マグネットがその内周面に圧入された円筒形状のマグネットカバーによって固定されたモータが、自動車の電装品として広く使用されている。
【0003】
従来のこの種のモータのマグネット固定方法として、例えば、特公平5−59661号公報に記載されている永久磁石回転機のマグネットカバー組込み方法がある。このマグネットカバー組込み方法においては、ヨークが両端の開口した円筒形状に形成されていることを利用する工夫が図られている。すなわち、ヨークの内周面に周方向に間隔を置いて環状に配列された各マグネットが、一端開口から挿入されたマグネット位置決め用治具によって支持され、マグネットカバーがヨークの他端開口からマグネット群の内周面に圧入される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記したマグネットカバー組込み方法においては、一端が閉塞したヨークが使用されている場合には、ヨークの閉塞面側からマグネット位置決め用治具またはマグネットカバーを挿入することができないため、マグネットカバーを組み込むことができない。
【0005】
そこで、ヨークの閉塞壁にマグネット位置決め用治具を挿入するための挿入口を開設しておき、当該挿入口からマグネット位置決め用治具を挿入してマグネットを位置決め支持する方法が考えられる。しかし、マグネット位置決め用治具挿入口をシールするためのシール構造をモータの固定子に採用しなければ防水性を確保することができない。
【0006】
本発明の目的は、閉塞壁を穿孔せずに一端閉塞の円筒形状に形成されたヨークにマグネットを固定することができる回転電機のマグネット固定方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る回転電機のマグネット固定方法は、一端に閉塞壁を有する円筒形状に形成されたヨークの内周面に複数個のマグネットが周方向に間隔を置いて環状に配され各マグネットがその内周に圧入された円筒形状のマグネットカバーによって固定されている回転電機のマグネット固定方法において、
前記マグネットカバーが下型に支持されるとともに、このマグネットカバーの外周に前記複数個のマグネットが周方向に間隔を置いて配され、
上型に保持された前記ヨークが開口部側を前記マグネットカバーに向けられた状態で前記マグネットカバーと同心に配されて前記上型と前記下型とが型締めされ、前記ヨークの内周面によって前記マグネット群の外周面が押される状態で、前記ヨーク内に前記マグネット群および前記マグネットカバーが圧入されることを特徴とする。
【0008】
前記した手段によれば、ヨークにマグネット群をマグネットカバーによって固定するに際して、マグネット群およびマグネットカバーをヨークに位置決めし、かつ、ヨークへの圧入時の反力を受ける下型がヨークの開口部から挿入され、他方、ヨークが上型に押されて型締めされるため、ヨークの閉塞壁に透孔等の加工を施さなくて済む。したがって、モータの組立後等において固定子のシール状態を確保するのに必要な孔埋め作業等を省略することができ、モータのコストの増加等を回避することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態であるモータのマグネット固定方法を示す分解斜視図である。図2〜図5はその各工程をそれぞれ示しており、図6は固定後の固定子を示している。
【0010】
本実施形態において、本発明に係る回転電機のマグネット固定方法は、一端閉塞の円筒形状に形成されたヨークが使用されるモータのマグネット固定方法として構成されている。すなわち、このモータに使用される固定子10は一端が閉塞した円筒形状に深絞り塑性加工によって一体成形されたヨーク11を備えており、ヨーク11の閉塞壁12には軸受収容部13が絞り塑性加工によって一体的に膨出成形されている。ヨーク11の開口部14の外周には大略菱形形状のフランジ15が径方向外向きに一体的に成形されており、フランジ15には挿通孔16が複数個、エンドブラケットを固定するためのねじ部材を挿通し得るようにそれぞれ開設されている。また、フランジ15には位置決め孔17が複数個、所定の位置にそれぞれ開設されている。
【0011】
ヨーク11の内周面にはモータの界磁極を形成するためのマグネット18が4個、周方向に間隔を置かれて添着されている。各マグネット18は断面が円弧形状の六面体に形成されており、4個のマグネット18がヨーク11の内周面に添着された状態で外周面19が形成する外径D19は、ヨーク11の内径と実質的に等しくなるように設定されているとともに、同じく内周面20が形成する内径D20は、後記する組付け前のマグネットカバーの本体の外径よりも若干小径になるように設定されている。
【0012】
マグネットカバー21はステンレス鋼等の極薄い板材を使用されて、両端に鍔部を有する円筒形状に塑性加工によって一体成形されている。すなわち、円筒形状に形成された本体22の一端には同心円の円形リング形状に形成された内側鍔部23が径方向内向きに直角に突設されており、本体22の他端には同心円の円形リング形状に形成された外側鍔部24が径方向外向きに直角に突設されている。組付け前の外側鍔部24の幅はマグネット18の厚さよりも若干小さく設定されている。外側鍔部24には小孔25がマグネット18と同数個、周方向に間隔を置いて環状に配列されて穿設されており、各小孔25の周方向の幅は隣合うマグネット18、18間の隙間よりも若干大きく設定されている。外側鍔部24の外周端辺には短尺円筒形状に形成された剛性付与部26が軸方向外向きに同心に突設されている。そして、マグネットカバー21の本体22には周方向の位置決めのための膨出部(以下、周方向位置決め膨出部という。)27と、軸方向の位置決めのための膨出部(以下、軸方向位置決め膨出部という。)28とが、後述するマグネット固定方法によってそれぞれ膨出成形される。
【0013】
本実施形態において、モータのマグネット固定方法は次のように構成されているマグネット固定装置によって実施される。本実施形態に係るマグネット固定装置30はプレス装置(図示せず)によって互いに型締めされる上型および下型を備えている。上型31はヨーク11の外径よりも若干大径の内径を有する釣り鐘形状に形成されており、ヨーク11の閉塞壁12に当接して上側から押し下げるようになっている。上型31の上面にはプレス装置のラムに連結するための連結部32が突設されている。また、上型31の胴部にはシリンダ装置または電磁プランジャ装置等によって構成されたヨーク保持装置33が一対、連結部32に干渉しない位置に互いに180度の位相差をもってそれぞれ据え付けられている。両ヨーク保持装置33、33はヨーク11の胴部を両脇から挟んで保持するように構成されている。
【0014】
下型34は円盤形状に形成されて土台に固定されたベース35を備えており、ベース35の上面には大径部37と小径部38との二段円柱形状に形成された支柱36が同心円に立設されている。支柱36の大径部37と小径部38との間の段部によって円形リング形状の受け部39が水平に形成されており、受け部39はマグネットカバー21の外側鍔部24を受けるように構成されている。受け部39の上面には位置決め突起40が4個、周方向に間隔を置いて軸方向に上向きに突設されており、各位置決め突起40はマグネットカバー21の外側鍔部24に開設された4個の小孔25にそれぞれ挿通するように構成されている。支柱36の上面にはゴムまたは樹脂によって円盤形状に形成された弾性体41が、焼き付け等によって固着されている。
【0015】
そして、小径部38の外径はマグネットカバー21の本体22の内径よりも若干だけ小径に設定されており、大径部37の外径はマグネットカバー21の剛性付与部26の内径よりも若干小径に設定されている。
【0016】
ベース35の上面における支柱36の外側にはスプリングシート42が環状溝形状に同心円に没設されており、スプリングシート42には圧縮コイルスプリング(以下、スプリングという。)43が載置されている。スプリング43の上端には円形リング形状に形成された押さえリング44が水平に据え付けられており、押さえリング44はその内周が支柱36の大径部37と小径部38を跨ぎ、その上面がヨーク11のフランジ15の下面に対向するように形成されている。ベース35の上面におけるスプリングシート42の外側にはガイドポール45が位置決め突起40に対して所定の位置に配置されて、垂直方向上向きに突設されており、ガイドポール45はヨーク11の一方の挿通孔16を挿通し得るように構成されている。
【0017】
支柱36の外側には略半円形に形成されたマグネット押さえ46が一対、受け部39の上面に対向する高さから上側にわたる水平面内において互いに腹合わせの状態で径方向に進退自在に配置されており、両マグネット押さえ46、46はシリンダ装置や電磁プランジャ装置(図示せず)によって進退駆動されるように構成されている。
【0018】
次に、前記構成に係るマグネット固定装置を使用した場合の本発明の一実施形態であるモータのマグネット固定方法を説明する。
【0019】
図2に示されているように、マグネットカバー21が外側鍔部24を下側にした状態で、下型34の支柱36の小径部38に被せられる。この際、マグネットカバー21の剛性付与部26が支柱36の大径部37に嵌合されるとともに、外側鍔部24に開設された4個の小孔25に受け部39に突設された各位置決め突起40がそれぞれ挿入され、外側鍔部24が受け部39に受けられた状態になる。この状態において、マグネットカバー21の内側鍔部23が支柱36の上面の弾性体41に当接した状態になる。
【0020】
続いて、4個のマグネット18がマグネットカバー21の外側鍔部24における各隣合う位置決め突起40、40の間にそれぞれ立てられて環状に並べられる。この際、各マグネット18はその下端部外周面が押さえリング44の内周面に当接して仮に保持された状態になる。また、マグネット18は各位置決め突起40によって下型34に周方向に位置決めされた状態になる。次に、並べられた4個のマグネット18は一対のマグネット押さえ46、46によって径方向外側から押さえられることにより、径方向外側への横倒れを防止された状態になる。
【0021】
一方、図3に示されているように、ヨーク11は上型31に一対のヨーク保持装置33、33によって挟持された状態で、下型34の支柱36の真上に同心円に配置される。この際、ヨーク11の所定の挿通孔16に下型34のガイドポール45が挿入されて、マグネット18に対するヨーク11の位置合わせが確保される。
【0022】
次いで、図4に示されているように、上型31がプレス装置によって徐々に下降されると、ヨーク11は挿通孔16をガイドポール45に案内されながらヨーク11が押し下げられて行く。この際、ヨーク11のフランジ15の内周部が各マグネット18の上端外周角部に当接すると、各マグネット18の上端外周角部が上端面に向かって小さくなるような傾斜面(錘面)になっており、かつ、ヨーク11のフランジ部15の内周部すなわちフランジ15と筒部との角部が曲面になっているので、各マグネット18はヨーク11の軸心を拾い、マグネットカバー21を径方向内向きに押しながらヨーク11内に圧入され始める。ヨーク11が押し下げられると、マグネット18群およびマグネットカバー21は下型34の受け部39に受けられているため、ヨーク11は内周面でマグネット18群を径方向内向きに押しながらマグネット18群の外周面19を摺動して行く。このヨーク11のマグネット18群およびマグネットカバー21との相対移動に際して、マグネット18群を押さえている一対のマグネット押さえ46、46が邪魔になるため、両マグネット押さえ46、46はシリンダ装置によって径方向外向きにそれぞれ後退される。
【0023】
このようにヨーク11とマグネット18群およびマグネットカバー21との相対移動に伴って、マグネット18群およびマグネットカバー21がヨーク11に圧入されて行くと、圧入前のマグネット18群の外周面19が規定する外径D19はヨーク11の内径よりも若干だけ大径に設定され、圧入後のマグネット18群の内周面20が規定する内径D20は圧入前のマグネットカバー21の本体22の外径よりも若干だけ小径に設定されているため、マグネット18群がヨーク11によって径方向内向きに押されるとともに、各マグネット18によってマグネットカバー21の本体22が径方向内向きに押される状態になる。
【0024】
その結果、マグネットカバー21の本体22は各マグネット18によって膨出された状態になり、マグネットカバー21の本体22の各隣合うマグネット18、18間には周方向位置決め膨出部27が形成される。このマグネットカバー21の周方向位置決め膨出部27によって各マグネット18は周方向について回り止めされた状態になる。また、マグネットカバー21の本体22の弾性力はマグネット18群をヨーク11の内周面に押し着けて締結した状態になるため、ヨーク11、マグネット18群およびマグネットカバー21は一体化した状態になる。なお、支柱36の小径部38の外径がマグネットカバー21の本体22の内径よりも若干だけ小径に設定されているため、マグネット18が小径部38に押し付けられることにより割れることは防止することができる。
【0025】
図5に示されているように、ヨーク11が上型31によって最終行程迄押し下げられると、弾性体41はヨーク11の閉塞壁12によってマグネットカバー21の内側鍔部23を介して圧縮されて径方向外向きに膨出される。この弾性体41の膨出によってマグネットカバー21の本体22における内側鍔部23との接続部分が膨出変形され、軸方向位置決め膨出部28が環状に形成される。このマグネットカバー21の軸方向位置決め膨出部28は各マグネット18におけるヨーク底壁側の内側肩部に係合した状態になるため、各マグネット18はマグネットカバー21の軸方向位置決め膨出部28と外側鍔部24との間で軸方向の位置を規制された状態になる。
【0026】
ここで、剛性付与部26は圧入前には外径がヨーク11の内径よりも若干大きく設定されており、ヨーク11に圧入されることによってマグネットカバー21をヨーク11の内周に固定された状態になることにより、マグネットカバー21に位置決めされたマグネット18をヨーク11に固定させた状態になる。
【0027】
その後、両ヨーク保持装置33、33がヨーク11の胴部を挟持した状態で、上型31がプレス装置によって上昇され、マグネット18群をマグネットカバー21によって固定されたヨーク11が下型34から離脱される。以上のようにして、図6に示されている前記構成に係る固定子10が製造されたことになる。
【0028】
本実施形態によれば、ヨーク11にマグネット18群をマグネットカバー21によって固定するに際して、マグネット18群およびマグネットカバー21をヨーク11に位置決めし、かつ、ヨーク11への圧入時の反力を受ける下型34がヨーク11の開口部14から挿入され、他方、ヨーク11が上型31に押されて型締めされるため、ヨーク11の閉塞壁12に透孔等の加工を施さなくて済む。したがって、モータの組立後等において固定子10のシール状態を確保するために、ヨーク11の透孔を埋める等のシール構造を採用する必要性を未然に回避することができ、モータのコストの増加等を防止することができる。
【0029】
図7以降は本発明の他の実施形態であるモータのマグネット固定方法を示している。
【0030】
本実施形態2が前記実施形態1と異なる点は、押さえリング44Aがマグネット18群の横倒れを防止するマグネット押さえを兼用するように構成されている点にある。すなわち、押さえリング44Aは下型34側からマグネット18群を押さえるように、前記実施形態よりもさらに上型31側寄りに受け部39の上方に延長されている。
【0031】
本実施形態2によれば、マグネット押さえ46およびその駆動装置を省略することができるため、マグネット固定装置の構成を簡単化することができる。
【0032】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0033】
例えば、上型を可動に構成するに限らず、下型を可動に構成してもよい。
【0034】
ヨークの外周に凹部を設け、この凹部を拾ってヨークを上型に位置決めするように構成すれば、ガイドポールは省略することができる。ガイドポールを省略することにより、フランジの仕様が異なるヨークにマグネットを固定する場合であっても型を交換しなくて済むため、生産性をより一層高めることができる。
【0035】
前記実施形態においては、モータの固定子におけるヨークへのマグネットの固定方法について説明したが、これに限定されるものではなく、磁石発電機の回転子におけるヨークへのマグネットの固定方法等の回転電機のマグネット固定方法全般に適用することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ヨークにマグネット群をマグネットカバーによって固定するに際して、マグネット群およびマグネットカバーをヨークに位置決めし、かつ、ヨークへの圧入時の反力を受ける下型がヨークの開口部から挿入され、他方、ヨークが上型に受けられて型締めされるため、ヨークの底壁に透孔等の加工を施さなくて済む。したがって、モータの組立後等において固定子のシール状態を確保するために、ヨークの透孔を埋める等のシール構造を採用する必要性を未然に回避することができ、モータのコストの増加等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるモータのマグネット固定方法を示す一部省略分解斜視図である。
【図2】マグネットおよびマグネットカバーのセット工程を示しており、(a)は一部省略平面図、(b)は一部省略正面断面図である。
【図3】ヨークのセット工程を示しており、(a)は一部省略平面図、(b)は一部省略正面断面図である。
【図4】圧入の初期工程を示しており、(a)は一部省略一部切断平面図、(b)は一部省略正面断面図である。
【図5】圧入の終期工程を示しており、(a)は一部省略一部切断平面図、(b)は一部省略正面断面図である。
【図6】固定後のヨークを示しており、(a)は正面断面図、(b)一部切断底面図である。
【図7】本発明の他の実施形態であるモータのマグネット固定方法におけるマグネットおよびマグネットカバーのセット工程を示しており、(a)は一部省略平面図、(b)は一部省略正面断面図である。
【図8】ヨークのセット工程を示しており、(a)は一部省略一部切断平面図、(b)は一部省略正面断面図である。
【図9】圧入の終期工程を示しており、(a)は一部省略一部切断平面図、(b)は一部省略正面断面図である。
【符号の説明】
10…モータの固定子、11…ヨーク、12…閉塞壁、13…軸受収容部、14…開口部、15…フランジ、16…挿通孔、17…位置決め孔、18…マグネット、19…外周面、20…内周面、21…マグネットカバー、22…本体、23…内側鍔部、24…外側鍔部、25…小孔、26…剛性付与部、27…周方向位置決め膨出部、28…軸方向位置決め膨出部、30…マグネット固定装置、31…上型、32…連結部、33…ヨーク保持装置、34…下型、35…ベース、36…支柱、37…大径部、38…小径部、39…受け部、40…位置決め突起、41…弾性体、42…スプリングシート、43…圧縮コイルスプリング、44…押さえリング、45…ガイドポール、46…マグネット押さえ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機のマグネット固定方法に関し、特に、電動モータ(以下、モータという。)の固定子や磁石発電機(フライホイールマグネト)の回転子のヨークにマグネットを固定する方法に係り、例えば、自動車の電装品に広く使用されているモータの製造に利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
円筒形状に形成されたヨークの内周面に複数個のマグネットが周方向に間隔を置いて環状に配され各マグネットがその内周面に圧入された円筒形状のマグネットカバーによって固定されたモータが、自動車の電装品として広く使用されている。
【0003】
従来のこの種のモータのマグネット固定方法として、例えば、特公平5−59661号公報に記載されている永久磁石回転機のマグネットカバー組込み方法がある。このマグネットカバー組込み方法においては、ヨークが両端の開口した円筒形状に形成されていることを利用する工夫が図られている。すなわち、ヨークの内周面に周方向に間隔を置いて環状に配列された各マグネットが、一端開口から挿入されたマグネット位置決め用治具によって支持され、マグネットカバーがヨークの他端開口からマグネット群の内周面に圧入される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記したマグネットカバー組込み方法においては、一端が閉塞したヨークが使用されている場合には、ヨークの閉塞面側からマグネット位置決め用治具またはマグネットカバーを挿入することができないため、マグネットカバーを組み込むことができない。
【0005】
そこで、ヨークの閉塞壁にマグネット位置決め用治具を挿入するための挿入口を開設しておき、当該挿入口からマグネット位置決め用治具を挿入してマグネットを位置決め支持する方法が考えられる。しかし、マグネット位置決め用治具挿入口をシールするためのシール構造をモータの固定子に採用しなければ防水性を確保することができない。
【0006】
本発明の目的は、閉塞壁を穿孔せずに一端閉塞の円筒形状に形成されたヨークにマグネットを固定することができる回転電機のマグネット固定方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る回転電機のマグネット固定方法は、一端に閉塞壁を有する円筒形状に形成されたヨークの内周面に複数個のマグネットが周方向に間隔を置いて環状に配され各マグネットがその内周に圧入された円筒形状のマグネットカバーによって固定されている回転電機のマグネット固定方法において、
前記マグネットカバーが下型に支持されるとともに、このマグネットカバーの外周に前記複数個のマグネットが周方向に間隔を置いて配され、
上型に保持された前記ヨークが開口部側を前記マグネットカバーに向けられた状態で前記マグネットカバーと同心に配されて前記上型と前記下型とが型締めされ、前記ヨークの内周面によって前記マグネット群の外周面が押される状態で、前記ヨーク内に前記マグネット群および前記マグネットカバーが圧入されることを特徴とする。
【0008】
前記した手段によれば、ヨークにマグネット群をマグネットカバーによって固定するに際して、マグネット群およびマグネットカバーをヨークに位置決めし、かつ、ヨークへの圧入時の反力を受ける下型がヨークの開口部から挿入され、他方、ヨークが上型に押されて型締めされるため、ヨークの閉塞壁に透孔等の加工を施さなくて済む。したがって、モータの組立後等において固定子のシール状態を確保するのに必要な孔埋め作業等を省略することができ、モータのコストの増加等を回避することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態であるモータのマグネット固定方法を示す分解斜視図である。図2〜図5はその各工程をそれぞれ示しており、図6は固定後の固定子を示している。
【0010】
本実施形態において、本発明に係る回転電機のマグネット固定方法は、一端閉塞の円筒形状に形成されたヨークが使用されるモータのマグネット固定方法として構成されている。すなわち、このモータに使用される固定子10は一端が閉塞した円筒形状に深絞り塑性加工によって一体成形されたヨーク11を備えており、ヨーク11の閉塞壁12には軸受収容部13が絞り塑性加工によって一体的に膨出成形されている。ヨーク11の開口部14の外周には大略菱形形状のフランジ15が径方向外向きに一体的に成形されており、フランジ15には挿通孔16が複数個、エンドブラケットを固定するためのねじ部材を挿通し得るようにそれぞれ開設されている。また、フランジ15には位置決め孔17が複数個、所定の位置にそれぞれ開設されている。
【0011】
ヨーク11の内周面にはモータの界磁極を形成するためのマグネット18が4個、周方向に間隔を置かれて添着されている。各マグネット18は断面が円弧形状の六面体に形成されており、4個のマグネット18がヨーク11の内周面に添着された状態で外周面19が形成する外径D19は、ヨーク11の内径と実質的に等しくなるように設定されているとともに、同じく内周面20が形成する内径D20は、後記する組付け前のマグネットカバーの本体の外径よりも若干小径になるように設定されている。
【0012】
マグネットカバー21はステンレス鋼等の極薄い板材を使用されて、両端に鍔部を有する円筒形状に塑性加工によって一体成形されている。すなわち、円筒形状に形成された本体22の一端には同心円の円形リング形状に形成された内側鍔部23が径方向内向きに直角に突設されており、本体22の他端には同心円の円形リング形状に形成された外側鍔部24が径方向外向きに直角に突設されている。組付け前の外側鍔部24の幅はマグネット18の厚さよりも若干小さく設定されている。外側鍔部24には小孔25がマグネット18と同数個、周方向に間隔を置いて環状に配列されて穿設されており、各小孔25の周方向の幅は隣合うマグネット18、18間の隙間よりも若干大きく設定されている。外側鍔部24の外周端辺には短尺円筒形状に形成された剛性付与部26が軸方向外向きに同心に突設されている。そして、マグネットカバー21の本体22には周方向の位置決めのための膨出部(以下、周方向位置決め膨出部という。)27と、軸方向の位置決めのための膨出部(以下、軸方向位置決め膨出部という。)28とが、後述するマグネット固定方法によってそれぞれ膨出成形される。
【0013】
本実施形態において、モータのマグネット固定方法は次のように構成されているマグネット固定装置によって実施される。本実施形態に係るマグネット固定装置30はプレス装置(図示せず)によって互いに型締めされる上型および下型を備えている。上型31はヨーク11の外径よりも若干大径の内径を有する釣り鐘形状に形成されており、ヨーク11の閉塞壁12に当接して上側から押し下げるようになっている。上型31の上面にはプレス装置のラムに連結するための連結部32が突設されている。また、上型31の胴部にはシリンダ装置または電磁プランジャ装置等によって構成されたヨーク保持装置33が一対、連結部32に干渉しない位置に互いに180度の位相差をもってそれぞれ据え付けられている。両ヨーク保持装置33、33はヨーク11の胴部を両脇から挟んで保持するように構成されている。
【0014】
下型34は円盤形状に形成されて土台に固定されたベース35を備えており、ベース35の上面には大径部37と小径部38との二段円柱形状に形成された支柱36が同心円に立設されている。支柱36の大径部37と小径部38との間の段部によって円形リング形状の受け部39が水平に形成されており、受け部39はマグネットカバー21の外側鍔部24を受けるように構成されている。受け部39の上面には位置決め突起40が4個、周方向に間隔を置いて軸方向に上向きに突設されており、各位置決め突起40はマグネットカバー21の外側鍔部24に開設された4個の小孔25にそれぞれ挿通するように構成されている。支柱36の上面にはゴムまたは樹脂によって円盤形状に形成された弾性体41が、焼き付け等によって固着されている。
【0015】
そして、小径部38の外径はマグネットカバー21の本体22の内径よりも若干だけ小径に設定されており、大径部37の外径はマグネットカバー21の剛性付与部26の内径よりも若干小径に設定されている。
【0016】
ベース35の上面における支柱36の外側にはスプリングシート42が環状溝形状に同心円に没設されており、スプリングシート42には圧縮コイルスプリング(以下、スプリングという。)43が載置されている。スプリング43の上端には円形リング形状に形成された押さえリング44が水平に据え付けられており、押さえリング44はその内周が支柱36の大径部37と小径部38を跨ぎ、その上面がヨーク11のフランジ15の下面に対向するように形成されている。ベース35の上面におけるスプリングシート42の外側にはガイドポール45が位置決め突起40に対して所定の位置に配置されて、垂直方向上向きに突設されており、ガイドポール45はヨーク11の一方の挿通孔16を挿通し得るように構成されている。
【0017】
支柱36の外側には略半円形に形成されたマグネット押さえ46が一対、受け部39の上面に対向する高さから上側にわたる水平面内において互いに腹合わせの状態で径方向に進退自在に配置されており、両マグネット押さえ46、46はシリンダ装置や電磁プランジャ装置(図示せず)によって進退駆動されるように構成されている。
【0018】
次に、前記構成に係るマグネット固定装置を使用した場合の本発明の一実施形態であるモータのマグネット固定方法を説明する。
【0019】
図2に示されているように、マグネットカバー21が外側鍔部24を下側にした状態で、下型34の支柱36の小径部38に被せられる。この際、マグネットカバー21の剛性付与部26が支柱36の大径部37に嵌合されるとともに、外側鍔部24に開設された4個の小孔25に受け部39に突設された各位置決め突起40がそれぞれ挿入され、外側鍔部24が受け部39に受けられた状態になる。この状態において、マグネットカバー21の内側鍔部23が支柱36の上面の弾性体41に当接した状態になる。
【0020】
続いて、4個のマグネット18がマグネットカバー21の外側鍔部24における各隣合う位置決め突起40、40の間にそれぞれ立てられて環状に並べられる。この際、各マグネット18はその下端部外周面が押さえリング44の内周面に当接して仮に保持された状態になる。また、マグネット18は各位置決め突起40によって下型34に周方向に位置決めされた状態になる。次に、並べられた4個のマグネット18は一対のマグネット押さえ46、46によって径方向外側から押さえられることにより、径方向外側への横倒れを防止された状態になる。
【0021】
一方、図3に示されているように、ヨーク11は上型31に一対のヨーク保持装置33、33によって挟持された状態で、下型34の支柱36の真上に同心円に配置される。この際、ヨーク11の所定の挿通孔16に下型34のガイドポール45が挿入されて、マグネット18に対するヨーク11の位置合わせが確保される。
【0022】
次いで、図4に示されているように、上型31がプレス装置によって徐々に下降されると、ヨーク11は挿通孔16をガイドポール45に案内されながらヨーク11が押し下げられて行く。この際、ヨーク11のフランジ15の内周部が各マグネット18の上端外周角部に当接すると、各マグネット18の上端外周角部が上端面に向かって小さくなるような傾斜面(錘面)になっており、かつ、ヨーク11のフランジ部15の内周部すなわちフランジ15と筒部との角部が曲面になっているので、各マグネット18はヨーク11の軸心を拾い、マグネットカバー21を径方向内向きに押しながらヨーク11内に圧入され始める。ヨーク11が押し下げられると、マグネット18群およびマグネットカバー21は下型34の受け部39に受けられているため、ヨーク11は内周面でマグネット18群を径方向内向きに押しながらマグネット18群の外周面19を摺動して行く。このヨーク11のマグネット18群およびマグネットカバー21との相対移動に際して、マグネット18群を押さえている一対のマグネット押さえ46、46が邪魔になるため、両マグネット押さえ46、46はシリンダ装置によって径方向外向きにそれぞれ後退される。
【0023】
このようにヨーク11とマグネット18群およびマグネットカバー21との相対移動に伴って、マグネット18群およびマグネットカバー21がヨーク11に圧入されて行くと、圧入前のマグネット18群の外周面19が規定する外径D19はヨーク11の内径よりも若干だけ大径に設定され、圧入後のマグネット18群の内周面20が規定する内径D20は圧入前のマグネットカバー21の本体22の外径よりも若干だけ小径に設定されているため、マグネット18群がヨーク11によって径方向内向きに押されるとともに、各マグネット18によってマグネットカバー21の本体22が径方向内向きに押される状態になる。
【0024】
その結果、マグネットカバー21の本体22は各マグネット18によって膨出された状態になり、マグネットカバー21の本体22の各隣合うマグネット18、18間には周方向位置決め膨出部27が形成される。このマグネットカバー21の周方向位置決め膨出部27によって各マグネット18は周方向について回り止めされた状態になる。また、マグネットカバー21の本体22の弾性力はマグネット18群をヨーク11の内周面に押し着けて締結した状態になるため、ヨーク11、マグネット18群およびマグネットカバー21は一体化した状態になる。なお、支柱36の小径部38の外径がマグネットカバー21の本体22の内径よりも若干だけ小径に設定されているため、マグネット18が小径部38に押し付けられることにより割れることは防止することができる。
【0025】
図5に示されているように、ヨーク11が上型31によって最終行程迄押し下げられると、弾性体41はヨーク11の閉塞壁12によってマグネットカバー21の内側鍔部23を介して圧縮されて径方向外向きに膨出される。この弾性体41の膨出によってマグネットカバー21の本体22における内側鍔部23との接続部分が膨出変形され、軸方向位置決め膨出部28が環状に形成される。このマグネットカバー21の軸方向位置決め膨出部28は各マグネット18におけるヨーク底壁側の内側肩部に係合した状態になるため、各マグネット18はマグネットカバー21の軸方向位置決め膨出部28と外側鍔部24との間で軸方向の位置を規制された状態になる。
【0026】
ここで、剛性付与部26は圧入前には外径がヨーク11の内径よりも若干大きく設定されており、ヨーク11に圧入されることによってマグネットカバー21をヨーク11の内周に固定された状態になることにより、マグネットカバー21に位置決めされたマグネット18をヨーク11に固定させた状態になる。
【0027】
その後、両ヨーク保持装置33、33がヨーク11の胴部を挟持した状態で、上型31がプレス装置によって上昇され、マグネット18群をマグネットカバー21によって固定されたヨーク11が下型34から離脱される。以上のようにして、図6に示されている前記構成に係る固定子10が製造されたことになる。
【0028】
本実施形態によれば、ヨーク11にマグネット18群をマグネットカバー21によって固定するに際して、マグネット18群およびマグネットカバー21をヨーク11に位置決めし、かつ、ヨーク11への圧入時の反力を受ける下型34がヨーク11の開口部14から挿入され、他方、ヨーク11が上型31に押されて型締めされるため、ヨーク11の閉塞壁12に透孔等の加工を施さなくて済む。したがって、モータの組立後等において固定子10のシール状態を確保するために、ヨーク11の透孔を埋める等のシール構造を採用する必要性を未然に回避することができ、モータのコストの増加等を防止することができる。
【0029】
図7以降は本発明の他の実施形態であるモータのマグネット固定方法を示している。
【0030】
本実施形態2が前記実施形態1と異なる点は、押さえリング44Aがマグネット18群の横倒れを防止するマグネット押さえを兼用するように構成されている点にある。すなわち、押さえリング44Aは下型34側からマグネット18群を押さえるように、前記実施形態よりもさらに上型31側寄りに受け部39の上方に延長されている。
【0031】
本実施形態2によれば、マグネット押さえ46およびその駆動装置を省略することができるため、マグネット固定装置の構成を簡単化することができる。
【0032】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0033】
例えば、上型を可動に構成するに限らず、下型を可動に構成してもよい。
【0034】
ヨークの外周に凹部を設け、この凹部を拾ってヨークを上型に位置決めするように構成すれば、ガイドポールは省略することができる。ガイドポールを省略することにより、フランジの仕様が異なるヨークにマグネットを固定する場合であっても型を交換しなくて済むため、生産性をより一層高めることができる。
【0035】
前記実施形態においては、モータの固定子におけるヨークへのマグネットの固定方法について説明したが、これに限定されるものではなく、磁石発電機の回転子におけるヨークへのマグネットの固定方法等の回転電機のマグネット固定方法全般に適用することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ヨークにマグネット群をマグネットカバーによって固定するに際して、マグネット群およびマグネットカバーをヨークに位置決めし、かつ、ヨークへの圧入時の反力を受ける下型がヨークの開口部から挿入され、他方、ヨークが上型に受けられて型締めされるため、ヨークの底壁に透孔等の加工を施さなくて済む。したがって、モータの組立後等において固定子のシール状態を確保するために、ヨークの透孔を埋める等のシール構造を採用する必要性を未然に回避することができ、モータのコストの増加等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるモータのマグネット固定方法を示す一部省略分解斜視図である。
【図2】マグネットおよびマグネットカバーのセット工程を示しており、(a)は一部省略平面図、(b)は一部省略正面断面図である。
【図3】ヨークのセット工程を示しており、(a)は一部省略平面図、(b)は一部省略正面断面図である。
【図4】圧入の初期工程を示しており、(a)は一部省略一部切断平面図、(b)は一部省略正面断面図である。
【図5】圧入の終期工程を示しており、(a)は一部省略一部切断平面図、(b)は一部省略正面断面図である。
【図6】固定後のヨークを示しており、(a)は正面断面図、(b)一部切断底面図である。
【図7】本発明の他の実施形態であるモータのマグネット固定方法におけるマグネットおよびマグネットカバーのセット工程を示しており、(a)は一部省略平面図、(b)は一部省略正面断面図である。
【図8】ヨークのセット工程を示しており、(a)は一部省略一部切断平面図、(b)は一部省略正面断面図である。
【図9】圧入の終期工程を示しており、(a)は一部省略一部切断平面図、(b)は一部省略正面断面図である。
【符号の説明】
10…モータの固定子、11…ヨーク、12…閉塞壁、13…軸受収容部、14…開口部、15…フランジ、16…挿通孔、17…位置決め孔、18…マグネット、19…外周面、20…内周面、21…マグネットカバー、22…本体、23…内側鍔部、24…外側鍔部、25…小孔、26…剛性付与部、27…周方向位置決め膨出部、28…軸方向位置決め膨出部、30…マグネット固定装置、31…上型、32…連結部、33…ヨーク保持装置、34…下型、35…ベース、36…支柱、37…大径部、38…小径部、39…受け部、40…位置決め突起、41…弾性体、42…スプリングシート、43…圧縮コイルスプリング、44…押さえリング、45…ガイドポール、46…マグネット押さえ。
Claims (4)
- 一端に閉塞壁を有する円筒形状に形成されたヨークの内周面に複数個のマグネットが周方向に間隔を置いて環状に配され各マグネットがその内周に圧入された円筒形状のマグネットカバーによって固定されている回転電機のマグネット固定方法において、
前記マグネットカバーが下型に支持されるとともに、このマグネットカバーの外周に前記複数個のマグネットが周方向に間隔を置いて配され、
上型に保持された前記ヨークが開口部側を前記マグネットカバーに向けられた状態で前記マグネットカバーと同心に配されて前記上型と前記下型とが型締めされ、前記ヨークの内周面によって前記マグネット群の外周面が押される状態で、前記ヨーク内に前記マグネット群および前記マグネットカバーが圧入されることを特徴とする回転電機のマグネット固定方法。 - 前記マグネットカバーの外周に配された前記マグネット群がマグネット押さえによって径方向外側から押さえられることを特徴とする請求項1に記載の回転電機のマグネット固定方法。
- 前記マグネットカバーの外周に配された前記マグネット群がマグネット押さえによって軸方向外側から押さえられることを特徴とする請求項1に記載の回転電機のマグネット固定方法。
- 前記マグネットカバーの一端辺に径方向外向きに突設された外側鍔部に小孔が前記マグネットと同数個、前記各マグネットの間隔に対応させてそれぞれ開設しておき、これら小孔に前記下型にそれぞれ突設された各位置決め突起を前記型締めに際してそれぞれ挿通させることにより、前記マグネットの周方向を位置決めさせることを特徴とする請求項1、2または3に記載の回転電機のマグネット固定方法。
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