JPH028568B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はエジエクタープレートを駆動するエ
ジエクターシリンダーと、金型を駆動する型締め
シリンダーとを備えた射出成形機のエジエクター
ロツド駆動装置に関するものであり、特に、エジ
エクターシリンダー制御用の油圧切換弁を廃止す
ることにより、構造を簡略化することができるエ
ジエクターロツド駆動装置に係わるものである。

従来、成形品を突き出すためのエジエクター装
置としては、第１図のようなものが公知である。

図において、型板１上に取付けられた下型２の
下部空間３内には、エジエクタープレート４が上
下動自在に設けられており、該エジエクタープレ
ート４上には、エジエクターピン５が突設されて
いる。

型板１の下方には、型締めシリンダー６が設け
られ、そのピストンロツド７が該型板１に接続さ
れている。該ピストンロツド７内には、エジエク
ターシリンダー８が形成されており、エジエクタ
ーロツド９が内装されている。該エジエクターロ
ツド９は型板１を摺動自在に貫通し、エジエクタ
ープレート４の下部に当接されている。尚、１０
は上型である。

型締め作動に際しては、型締め油孔１１よりの
作動油によつて型締めシリンダー６が作動し、ピ
ストンロツド７が前進して型板１を上昇させ、下
型２と上型１０を型締めする。

型開き作動に際しては、型開き油孔１２よりの
作動油によつてピストンロツド７が下降して型開
きを行う。

そして、成形品Ｍの突き出しに際しては、作動
油孔１３よりの作動油によつてエジエクターシリ
ンダー８のエジエクターロツド９が前進突出し、
エジエクタープレート４が上昇してエジエクター
ピン５が上方に突出され、成形品Ｍを突き出すも
のである。

そして、かかる構成におけるエジエクターロツ
ドの駆動装置としては、第２図に示すようなもの
が公知である。

型締めに際しては、油圧源５よりの作動油は、
実線矢印で示すように、双安定動作型の金型作動
切換弁１６の型締め経路１６ａを経て型締め管路
１７を流れ、型締めシリンダー６の後部室６ｂに
流入してピストンロツド７を前進させる。

このとき、型締めシリンダー６の前部室６ａ内
の作動油は型開き管路１８に流出し、前記型締め
経路１６ａを経てタンク１９に放出される。

型締め動作は型締め終了位置センサー２０によ
つて検出されて、金型作動制御タイマー２１が計
時動作を開始する。該計時動作中は、金型は型締
め状態に保たれ、この間に、射出、保圧、冷却の
各工程が実行される。

次いで、前記タイマー２１の計時動作終了信号
によつて切換弁１６は、型締め経路１６ａから中
立経路１６ｂを経て型開き経路１６ｃに切換えら
れる。

すると、油圧源１５よりの作動油は、点線矢印
で示すように、型開き管路１８に流れて、型締め
シリンダー６の前部室６ａに流入し、ピストンロ
ツド７を後退させる。

このとき、後部室６ｂの作動油は型締め管路１
７に流れ、切換弁１６を経てタンク１９に放出さ
れる。

該型開き動作は型開き終了位置センサー２２に
よつて検出され、エジエクシヨン作動制御タイマ
ー２３が計時動作を開始する。該タイマー２３の
計時動作信号により、前記切換弁１６は型開き経
路１６ｃから中立経路１６ｂに切換えられる。

一方、これと同時に、単安定型のエジエクシヨ
ン作動切換弁２４が突出経路２４ｂに切換えら
れ、前記タイマー２３の計時動作中は該突出経路
２４ｂに保持される。

これによつて、油圧源１５よりの作動油は、一
点鎖線矢印で示すように、突出管路２５に流れて
流量調整弁２６によつて速度調節された後、エジ
エクターシリンダー８の後部室８ｂに流入してエ
ジエクターロツド９を前進突出させる。

このとき、該シリンダー８の前部室８ａ内の作
動油は復帰管路２７に流出し、前記切換弁２４の
突出経路２４ｂを経てタンク１９内に放出され
る。

前記タイマー２３の計時動作が終了すると、前
記計時動作信号も消滅し、上記切換弁２４は自動
的に復帰経路２４ａに切換わり、作動油は、二点
鎖線矢印で示すように、復帰回路２７に流れてエ
ジエクターシリンダー８の前部室８ａに流入し、
エジエクターロツド９を後退させる。このとき、
後部室８ｂ内の作動油は逆止弁２８を経て突出管
路２５に流れ、切換弁２４を経てタンク１９内に
放出されるものである。

而して、上記従来技術においては、金型作動用
の電磁切換弁とエジエクシヨン作動用の電磁切換
弁の２個が必要となり、全体の構造が複雑となつ
て動作信頼性が低下するという欠点があり、加え
て、コスト高になるという不利点があつた。

この発明の目的は、上記従来技術に基づくエジ
エクターロツド駆動装置の構造上の制約による構
造複雑化等の問題点に鑑み、エジエクターシリン
ダー内にエジエクターロツドを復帰させる復帰バ
ネを内装し、該エジエクターシリンダーの作動油
管路を型締めシリンダーの型開き管路に連結する
構成としたことによつて、前記欠点を除去し、不
利点を解消して、構造簡単で動作信頼性の高い優
れたエジエクターロツド駆動装置を提供せんとす
るものである。

上記目的に沿うこの発明の構成は、エジエクタ
ーロツドを常時後退方向に付勢しておき、型締め
動作時における型締めシリンダーからの排油圧で
は作動せず、更には、型開き動作時における型締
めシリンダーへの作動油圧でも作動せず、型開き
が終了して型締めシリンダーのピストンロツドが
停止し規制されたときに生ずる型開き作動油管路
の圧力上昇を利用して、前記エジエクターロツド
を自動的に、突出させるとともに、前記型開き動
作からの復帰に従つて、該エジエクターロツドを
自動的に復帰させることができるようにしたこと
を要旨とするものである。

次に、この発明の実施例を第３図以下の図面に
基づいて説明すれば以下の通りである。

第３図において、エジエクターシリンダー８内
に、エジエクターロツド９を常時後退方向に付勢
する復帰バネ３０が内装されている。該バネ３０
は、型締め動作中に生ずる型締めシリンダー６か
らの排油圧、あるいは、型開き動作中に生じる型
締めシリンダー６内の型開き作動油圧では、圧縮
されないようなバネ定数を有するものである。

そして、第４図以下に示すように、エジエクタ
ーシリンダー８の作動油管路３１は型締めシリン
ダー６と金型作動切換弁１６を結ぶ型開き管路１
８に連結されている。

尚、他の構成要素は第１図及び第２図において
同一の符号が示す構成要素とそれぞれ同一であ
る。

上記構成において、型締め作業に際しては、第
４図に示すように、金型作動切換弁１６を型締め
経路１６ａに切換えると、油圧源１５からの作動
油は該経路１６ａを経て型締め管路１７に流れ、
型締めシリンダー６の後部室６ｂに流入してピス
トンロツド７を前進させて型締めを行う。このと
き、型締めシリンダー６の前部室６ａ内の作動油
は型開き管路１８に流出し、該経路１６ａを経て
タンク１９内に放出される。

この間、エジエクターシリンダー８には、作動
油管路３１を経て型開き管路１８を流れる排油圧
がかかるが、該油圧は極めて低いので、復帰バネ
３０に抗してエジエクターロツド９が作動するこ
とはない。

型締め動作が終了すると、第５図に示すよう
に、型締め終了位置センサー２０がこれを検出
し、金型作動制御タイマー２１が計時動作を開始
する。該計時動作中は型締め状態が保持され、こ
の間に射出、保圧、冷却工程が実行される。

前記タイマー２１の計時動作が終了すると、計
時動作終了信号により、金型作動切換弁１６が型
締め経路１６ａから中立経路１６ｂを経て型開き
経路１６ｃに切換えられる。これにより、油圧源
１５からの作動油は該型開き経路１６ｃを経て型
開き管路１８に流れ、型締めシリンダー６の前部
室６ａに流入してピストンロツド７を後退させ
る。

この間、エジエクターシリンダー８には、管路
３１を経て型開き作動油圧が作用するが、エジエ
クターシリンダー８内の復帰バネ３０は該型開き
作動油圧に対して十分に抗するので、エジエクタ
ーロツド９が前進突出されることがない。

次いで、第６図に示すように、型開き作動が終
了すると、型開き終了位置センサー２２がこれを
検出し、エジエクシヨン作動制御タイマー２３が
計時動作を開始する。これと同時に、型締めシリ
ンダー６の前部室６ａ及び型開き管路１８内の圧
力は、ピストンロツド７の後退移動が規制される
ために、上昇し、該上昇した作動油圧は管路３１
より流量調整弁２６を経てエジエクターシリンダ
ー８に導入される。

そして、上昇した該作動油圧によつてエジエク
ターロツド９は復帰バネ３０に抗してこれを圧縮
しつつ前進突出される。該エジエクターロツド９
の突出状態は該タイマー２３の計時動作が終了す
るまで保持される。

前記タイマー２３の計時動作が終了すると、第
７図に示すように、該タイマー２３からの計時動
作終了信号により切換弁１６は型開き経路１６ｃ
から中立経路１６ｂに切換えられる。

すると、型開き管路１８及び作動油管路３１が
タンク１９に連結されるので、復帰バネ３０の作
用によつてエジエクターロツド９は後退復帰させ
られ、エジエクターシリンダー８内の作動油は逆
止弁２８を経て作動油管路３１に流出し、型開き
管路１８及び切換弁１６の中立経路１６ｂを経て
タンク１９内に放出されるものである。

上記のように、この発明によれば、エジエクタ
ープレートを駆動するエジエクターシリンダー
と、金型を駆動する型締めシリンダーと、該型締
めシリンダーに型締め管路と型開き管路によつて
連結された金型作動切換弁とから成る射出成形機
のエジエクターロツド駆動装置において前記エジ
エクターシリンダー中に復帰バネを内装してエジ
エクターロツドを常時後退方向に付勢し、該エジ
エクターシリンダーの作動油管路を前記型開き管
路に連結する構成としたことにより、型締め動作
中及び型開き動作中には、エジエクターロツドは
作動することがなく、型開き終了時の型締めシリ
ンダー及び型開き管路内の作動油圧の上昇を利用
することによつてエジエクターロツドを前進突出
させるものであり、又、型開き終了後所定時間経
過後にバネ圧により自動的に復帰させるものであ
るので、従来必要としたエジエクシヨン作動切換
弁を廃止することができ、而して、全体の構造が
非常に簡略化されるとともに信頼性が向上すると
いう優れた効果がある。

エジエクシヨン作動切換弁の廃止に伴つて、付
加されるものは復帰バネのみであるので、大幅な
コスト逓減が図れるという利点もある。

加えて、従来のものに最小限の改造を施すのみ
で実施できるので、極めて簡便である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び２図は従来例を示すもであり、第１
図は金型装置部分を示す断面図、第２図はエジエ
クターロツド駆動装置、第３図以下はこの発明の
実施例を示すものであり、第３図は金型装置部分
の断面図、第４図以下はエジエクターロツド駆動
装置の作動説明図であり、第４図は型締め動作説
明図、第５図は型開き動作説明図、第６図はエジ
エクターロツド突出動作説明図、第７図はエジエ
クターロツド復帰動作説明図である。 １……型板、２……下型、３……下部空間、４
……エジエクタープレート、６……型締めシリン
ダー、７……ピストンロツド、８……エジエクタ
ーシリンダー、９……エジエクターロツド、１６
……金型作動切換弁、１７……型締め管路、１８
……型開き管路、２１……金型作動制御タイマ
ー、２３……エジエクシヨン作動制御タイマー、
３０……復帰バネ、３１……作動油管路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 型板１上に取付けられた下型２の下部空間３
   内に上下動自在に設けられたエジエクタープレー
   ト４と、前記型板の下部に設けられたエジエクタ
   ーシリンダー８と、該エジエクターシリンダー８
   から突出し、先端が前記エジエクタープレート４
   に当接されたエジエクターロツド９と、前記型板
   を上下動する型締めシリンダー６と、該型締めシ
   リンダー６に型締め管路１７及び型開き管路１８
   を経て連結された金型作動切換弁１６とから成る
   射出成形機のエジエクターロツド駆動装置におい
   て、前記エジエクターシリンダー８内にエジエク
   ターロツド９を後退方向に付勢する復帰バネ３０
   を内装し、更に、前記エジエクターシリンダー８
   の作動油管路３１を上記型開き管路１８に連結し
   たことを特徴とする射出成形機のエジエクターロ
   ツド駆動装置。