JPH01301316A - 艶消し表面を有するインモールド成型品とその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この発明は、いわゆるインモールド成型において、表面
傷付き性に強く、汚れのつきにくい艶消し効果に優れた
艶消し表面を有するインモールド成型品とその製造方法
に関するものである。

【従来の技術】

従来、艶消し表面を有する成型品を製造する方法として
は、次のような方法があった。 （１）成型品表面を部分的にマスキングし、艶消し塗料
あるいは表面光沢塗料をスプレーコーティングして部分
的に艶消し部と光沢部とを有する製品を得る方法、この
方法において、成型品表面に文字や図柄などの意匠が必
要な場合は、さらに後工程でスクリーン印刷やタンポ印
刷あるいはホットスタンプなどを行なう必要があった。 また、複雑な凹凸形状の場合は、塗料が回り込まないよ
うにマスキングを行うのが難しく、たいへん時間のかか
る工程となり、実質上大量生産に適用するのは不可能で
ある。したがって、形状的にも平板に近い単純な形状の
ものに限られていた。 （２）艶消し部分と光沢部分とを別々の部品で構成する
方法、たとえば、一方は塩化ビニルシ一トや金属部品あ
るいは樹脂成型品にて光沢を存する部品を作り、他方は
表面にシボ加工を施した金型を使用して艶消し処理を行
った成型品を用意し、上記別部品を接合して部分的に艶
消し部と光沢部とを存する製品を得る方法、したがって
、この方法も形状的に単純なものに限定され、デザイン
上の自由度に限界があり、また生産コストも高くつくも
のであった。 そこで、インモールド成型法によって艶消し表面を有す
る成型品を得る方法が行なわれている。 すなわち、艶消し効果を現出する微細な凹凸を形成する
ことのできるマット転写材を、射出成型用の金型内の所
定の位置に固定し、金型を閉じ、金型内に樹脂を射出し
て成型品の形成と同時に成型品の表面に上記転写材を密
着させ、成型品から転写材の基体シートを剥離して得る
方法である。 マット転写材は、サンドブラストやケミカルエツチング
などの加工により表面が艶消し状態にされた基体シート
上に、剥離層や図柄層・接着層などが順次形成されたも
の、あるいは部表面を有するシートに体質顔料などの添
加物が混合され微細な凹凸表面を呈する凹凸層が印刷法
により形成された基体シート上に、剥離層・図柄層・接
着層などが順次積層されたものであり、このような層構
成のマット転写材の転写層を成型品に接着したのち、基
体シートあるいは基体シートと凹凸層を剥離・除去する
ことにより基体シートまたは凹凸層の凹凸が剥離層に写
し取られ、剥離層の表面に微細な凹凸が形成され、イン
モールド成型品の表面が艶消し状態になる。

【発明が解決しようとする課題】

しかし、上記のインモールド成型法によって得られた成
型品は、表面の艶消し部分を爪などで引っかくいわゆる
表面傷付き性において、簡単にスジが入るような耐擦傷
性の劣るものであった。また、手でされると指紋が艶消
し表面に残って取れにくくなるという問題もあった。こ
れは艶消し部分の微細な凹凸による光の散乱程度が、手
の皮脂などの汚れが付着することにより艶消し程度が変
化するためと考えられる。つまり、すりガラスの凹凸面
に水をつけると、水がつかなかった部分と艶消し状態に
差が生じるのと同様の現象である。 したがって、従来、艶消し意匠を設けたいというデザイ
ン的要望がありながら、汚れの付着により艶消し字が損
なわれるので、人の手がよく触れる製品には使用できな
いものであった。 また、エツチングなどの手段によりシボ加工を施したイ
ンモールド成型用金型と、マット加工を施していない通
常の転写材とを用いて得たインサート成型品の表面は、
金型の微細な凹凸が転写材の厚みによって吸収されるた
め、十分な艶消し効果を得ることができない。 この発明は以上のような問題点を解決し、表面傷付き性
に強く、汚れのつきにくい艶消し効果に優れた艶消し表
面を有するインモールド成型品とその製造方法を従供す
ることを目的とする。 ［！ｉ題を解決するための手段］ この発明は、以上の目的を達成するために、次のように
構成した。すなわち、この発明の艶消し表面を有するイ
ンモールド成型品は、プラスチック成型品の凹凸表面上
に、さらに微細な凹凸を有する転写層が形成されるよう
に構成した。 また、この発明のインモールド成型品の製造方法は、艶
消し効果を現出する微細な凹凸を形成することのできる
マット転写材と、キャビティ部にマット転写材よりも大
きい凹凸のマット加工が施された金型とを用い、上記マ
ット転写材と上記金型内に固定し、樹脂を射出してイン
モールド成型を行なうように構成した。 図面を参照しながらこの発明をさらに詳しく説明する。 第１図はこの発明の艶消し表面を有するインモールド成
型品を示す断面図、第２〜３図はこの発明の艶消し表面
を有するインモールド成型品の製造方法を示す断面図で
ある。第４〜５図はこの発明に使用するマット転写材の
断面図である。１はプラスチック成型品、２は転写層、
３・４は凹凸、５は金型、６はキャビティ部、７はマッ
ト転写材、８は基体シート、９は剥離層、１０は図柄層
、１１は接着層をそれぞれ示す。 マット転写材７は、基体シート８上に剥離層９・図柄層
１０・接着層１１などが順次形成されたものであり、被
転写体であるインモールド成型品の表面に艶消しの図柄
や機能性薄膜などを形成することができる。 マット転写材７の基体シート８としては、表面に艶消し
状の細かな凹凸４を有するものを用いる。 たとえば、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレ
ン・ポリエチレン・ナイロン・セロハンなどのプラスチ
ックフィルムあるいはこれらと紙との複合フィルムなど
通常の転写材の基体シート８として用いられるものの上
に、これに固着する凹凸層を設けたもの、具体的にはた
とえば、シリカ・炭酸カルシウム・ポリエチレンワック
ス・ガラスピーズなどの微細な粒径の微粉末を含む樹脂
層を印刷法などによりコーティングしたものを使用する
とよい、この場合の樹脂層としては、可塑性樹脂以外に
ウレタン、メラミン、エポキシなどの硬化性樹脂、メチ
ルメタアクリレートなどの紫外線または電子線硬化性樹
脂を用いてもよい、また、上記したプラスチックフィル
ムの成膜時、体質顔料などの微粉末を練りこんだものを
基体シート８として使用してもよい、あるいは、前記の
プラスチックフィルムの表面をサンドブラスト法やケミ
カルエツチング法などの物理的手段により凹凸４を設け
たものを基体シート８として使用してもよい、なお、マ
ット部分は、基体シート８の全面とする以外に、部分的
に形成して、図柄や成型品の形状などのデザインと組み
合わせるようにしてマット部分と艶部分とを表現するよ
うにしてもよい。 剥離Ｎ９は、基体シート８上に全面に設けられ、転写後
は基体シート８から剥離し、基体シート８表面に形成さ
れた凹凸に対応して剥離層９表面に基体シート８と逆パ
ターンの凹凸４が形成されるものである。また、転写後
には被転写体の表面になるため、転写層２を保護する機
能をも有するものである。剥離層９はロールコート法や
、グラビア印刷法・スクリーン印刷法などの通常の印刷
方法により、基体シート８上に形成される。剥離層９と
しては、アクリル系樹脂・ビニル系樹脂などの熱可塑性
樹脂が使用できる。また、保護層としての役目を十分果
たさせるためには、ウレタン系樹脂・エポキシ系樹脂な
どの熱硬化性樹脂、メチルメタアクリレートなどの紫外
線または電子線硬化性樹脂を用いてもよい。 接着層１１は、マット転写材７の転写層２を被転写体に
固着させるためのものである。接着層１１としては、被
転写体であるプラスチック成型品ｌの素材に適した感熱
性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、被
転写体がＡＳ樹脂の場合はアクリル系樹脂やビニル系樹
脂を、ポリプロピレンの場合は塩素化ポリプロピレン系
樹脂やエチレン酢酸ビニル共重合樹脂などを用いるとよ
い。 また、必要に応じて剥離層９と接着層１１との間に、任
意の図柄層ｌＯや金属蒸着層などが全面または部分的に
設けられる０図柄層１０は、顔料または染料および各種
添加剤を含有する樹脂よりなるインキを用い、グラビア
印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷方法により
形成される。 金属蒸着層は、剥離層９表面に形成される凹凸４に対応
して艶消し感を呈するようにするために設けられるもの
である。金属蒸着層は、アルミニウムやクロム・ニッケ
ルなどの金属を、真空蒸着法・イオンブレーティング法
・スパッタリンーグ法などによって設けるとよい。 また必要に応じて、剥離層９と金属蒸着層の間に、金属
蒸着適性を上げるための前アンカー層を設けてもよい。 この場合、凹凸４を形成する層を前アンカー層の下に設
けると、艶消し効果の小さいものができる。また必要に
応じて、金属蒸着層と接着層１１の間に、両者の固着力
を増すための後アンカー層を設けてもよい。 なお、剥離層９、図柄層１０、凹凸層、金属蒸着層、接
着層１１及び前アンカー層、後アンカー層の相互の界面
での固着性は優れたものを選択するのが好ましい。 インモールド成型用金型５は、可動型と固定型とからな
り、可動型側にマット転写材７を固定できるよう構成さ
れており、両金型５を閉じることによってキャビティ部
６を形成する。キャビティ部６のマット転写材７が接す
る可動型製品面には、インモールド成型品表面に艶消し
表面を形成するための凹凸３が形成される。この凹凸３
の大きさは、マット転写材７によって形成される凹凸４
よりも大きくする。キャビティ部６のこの面には成型品
の樹脂が直接接するのではな（、マット転写材７が挟み
込まれるので、あまり細かい凹凸を形成すると、成型品
に凹凸表面を形成することができない。 上記したマット転写材７と金型５とを用いてインモール
ド成型を行う、まず、金型５の所定の位置にマット転写
材７を固定する。この際、艶消し表面を部分的に形成す
る場合は、マット転写材７のマット部分と金型５のマッ
ト部分とが一致するようにする。ついで、金型５を閉じ
、樹脂を射出する。樹脂の冷却後、金型５を開いてイン
モールド成型品を取り出す。インモールド成型品からマ
ット転写材７の基体シート８を剥すと、艶消し表面を有
するインモールド成型品が得られる。 したがって、このインモールド成型品の樹脂部分は、金
型５により凹凸３が形成され、さらにその凹凸３に積層
された転写Ｎ２にはさらに微細な凹凸４が形成されてい
る。

【作用］ この発明に用いるマット転写材７は、凹凸表面を有する
基体シート８上に、前記基体シート８から剥離可能な剥
離Ｎ９が設けられ、接着層１１が全面に設けられるよう
に構成されている。 金型５にはマット転写材７によって形成される凹凸４よ
りも大きな凹凸３が形成されている。 したがって、インモールド成型品の金型５によって形成
される凹凸３表面上に、さらに微細な凹凸４がマット転
写材７によって形成される。 マット加工した金型５にマット転写材７をセットして射
出成型すると、基体シート８自体の厚みにより金型５の
深度の浅い凹凸には基体シート８が沿わず、凸部の先端
が丸い形状の凹凸３となる。 表面傷付き性に対しては、凸部の先端が丸いためマット
表面全体が傷つくことはないので、きわめて傷つきにく
い艶消し表面となる。また、マット転写材７によって形
成された転写Ｎ２の表面は、きわめて微細な凹凸４表面
となっており、艶消し効果に優れた表面となる。 【実施例】 尖施拠工 深度的０．３〜５０ａｍのマット加工が施されたインモ
ールド成型用金型内に、マット転写材を固定し、アクリ
ロニトリルスチレン（ＡＳ）樹脂を使用して、下記の射
出条件でインモールド成型を行った。得られた成型品は
、表面傷付き性に強く、汚れのつきにくい艶消し効果に
優れたものであった。 射出条件（日本製鋼所社製ＪＣ１５０ＳＡ使用）・金型
温度　　　　　　　　５０℃ ・シリンダー温度　　　　２２０°Ｃ ・射出圧力　　　　１，１９０ｋｇ／ｃｓ＋”・保圧力
　　　　　　８５０ｋｇ／ｃｍ”・スクリュー回転数　
　　５５ｒｐａ＋なお、射出速度は本成型機の最高速度
であった。 １旅１ 深度的０．３〜５０μｍのマット加工が部分的に施され
たインモールド成型用金型内に、艶消し程度が２段階に
設けられた厚さ３８μｍの基体シートを有するマット転
写材を固定し、ＡＳ樹脂を使用してインモールド成型を
行った。得られた成型品は部分的に艶消し効果が２段階
あり、かつ光沢部分を有する表面物性と意匠効果に優れ
たものであった。 実崖班主 深度的５０〜３００μｍのマット加工がエツチングによ
り施したインモールド成型用金型内に、艶消し程度を２
段階に設けられた厚さ３８μｍの基体シートを有するマ
ット転写材を固定し、＾Ｓ樹脂を使用してインモールド
成型を行った。得られた成型品は部分的に艶消し効果が
２段階あり、かつ光沢部分を有する表面物性と意匠効果
に優れたものであった。

【発明の効果】

この発明の艶消し表面を有するインモールド成型品は、
プラスチック成型品の凹凸表面上に、さらに微細な凹凸
を有する転写層が形成されるように構成されているので
、表面傷付き性に強く、汚れのつきにくい艶消し効果に
優れた艶消し表面を有するインモールド成型品である。 また、この発明の艶消し表面を有するインモールド成型
品の製造方法は、艶消し効果を現出する微細な凹凸を形
成することのできるマット転写材と、キャビティ部にマ
ット転写材よりも大きい凹凸のマット加工が施された金
型とを用い、上記マット転写材を上記金型内に固定し、
樹脂を射出してインモールド成型を行なうように構成さ
れているので、上記のインモールド成型品を容易に得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の艶消し表面を有するインモールド成
型品を示す断面図、第２〜３図はこの発明の艶消し表面
を有するインモールド成型品の製造方法を示す断面図で
ある。第４〜５図はこの発明に使用するマット転写材の
断面図である。 １・・・プラスチック成型品、２・・・転写層、３・４
・・・凹凸、５・・・金型、６・・・キャビティ部、７
・・・マット転写材、８・・・基体シート、９・・・剥
離層、１０・・・図柄層、１１・・・接着層。 特許出願人　日本写真印刷株式会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、プラスチック成型品（１）の凹凸（３）表面上に、
   さらに微細な凹凸（４）を有する転写層（２）が形成さ
   れていることを特徴とする艶消し表面を有するインモー
   ルド成型品。 ２、艶消し効果を現出する微細な凹凸（４）を形成する
   ことのできるマット転写材（７）と、キャビティ部（６
   ）にマット転写材（７）よりも大きい凹凸（３）のマッ
   ト加工が施された金型（５）とを用い、上記マット転写
   材（７）を上記金型（５）内に固定し、樹脂を射出して
   インモールド成型を行なうことを特徴とする艶消し表面
   を有するインモールド成型品の製造方法。