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JPH09500132A - ヒドロゲルマイクロカプセル化ワクチン - Google Patents

ヒドロゲルマイクロカプセル化ワクチン

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Publication number
JPH09500132A
JPH09500132A JP7504650A JP50465095A JPH09500132A JP H09500132 A JPH09500132 A JP H09500132A JP 7504650 A JP7504650 A JP 7504650A JP 50465095 A JP50465095 A JP 50465095A JP H09500132 A JPH09500132 A JP H09500132A
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JP
Japan
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poly
polymer
aliphatic
antigen
group
Prior art date
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Ceased
Application number
JP7504650A
Other languages
English (en)
Inventor
アンドリアノフ,アレキサンダー,ケイ.
ジェンキンズ,シャロン,エイ.
ペイン,レンドン,ジー.
ロバーツ,ブライアン,イー.
Original Assignee
ヴァイラス リサーチ インスティチュート
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/090,841 external-priority patent/US5562909A/en
Application filed by ヴァイラス リサーチ インスティチュート filed Critical ヴァイラス リサーチ インスティチュート
Publication of JPH09500132A publication Critical patent/JPH09500132A/ja
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    • A61K9/16Agglomerates; Granulates; Microbeadlets ; Microspheres; Pellets; Solid products obtained by spray drying, spray freeze drying, spray congealing,(multiple) emulsion solvent evaporation or extraction
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Abstract

(57)【要約】 水溶性ポリマーあるいはポリマーヒドロゲルがワクチン形成のための抗原のカプセル化に使用される。抗原はポリマー溶液と混合され、極微粒子がポリマーおよび抗原から形成され、また、場合によってはポリマーは安定した極微粒子を形成するために任意に架橋される。望ましいポリマーはアルジネートおよびポリホスファゼン、更にその混合物である。経口デリバリのために、極微粒子は望ましくは15ミクロンもしくはそれ以下の直径のものであり、また胃腸管の粘膜内層に付着して細網内皮細胞による吸収を増加させる。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒドロゲルマイクロカプセル化ワクチン この発明は、水溶性ポリマーすなわちヒドロゲルに基づくマイクロスフェア( 微小球体)の形をしたワクチン賦形剤である。 これは1993年7月12日受理された「免疫アジュバントとしてのホスファ ゼン高分子電解質」という名称の米国特許出願番号08/090,841号を部 分継承するものである。 粘膜面を経由する免疫応答の誘導 多くのウイルスは粘膜面を一次感染部位として利用する。ウイルスにもよるが 、感染は粘膜面に局在化して留まるか、もしくは全身感染を定着させるように転 移するかのいずれかになる。局部感染を誘発するウイルスの例は呼吸粘膜で繁殖 するインフルエンザ、パラインフルエンザおよび普通の風邪ウイルスであり、腸 粘膜で複製するロタウイルスおよびノーウォーク因子である。粘膜から拡がり全 身性ウイルス感染を誘導するウイルスは、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、ポリオ (小児麻痺)、A型およびB型肝炎、およびヘルペス等のウイルスである。 最近数年間に粘膜免疫の誘導に関する非常に多くの情報が蓄積された。例えば 消化管において、免疫応答は消化管粘膜に包埋されたパイエル板に局在化される 。これらの位置におけるリンパ系組織は消化管(消化管付随リンパ系組織、GA LT)の 管腔に露出され、管腔内容物をたえず標本抽出することが可能となる。類似のリ ンパ系組織で細気管支付随リンパ系組織(BALT)は呼吸粘膜に位置する。 一般に多数のウイルスワクチンは、生弱毒化あるいは不活性化ウイルス製剤の 注射の後、全身性防御免疫状態を定着させる。このようなワクチンの成功はワク チン受容者に細胞媒介およびもしくは体液性免疫応答を導入することによるもの である。この全身性免疫は粘膜でのウイルス複製を減少させ、重要な標的器官へ のウイルス拡散を除去することにより疾病の発病を予防する。 注射可能ワクチンの使用は多くのウイルス疾病発生率を劇的に減少させた。そ れにも拘らずこれらの使用は何らかの望ましくない作用と関連する。生弱毒化ウ イルスワクチンは全身性合併症を起こすことがあり、一方不活性化ワクチンは局 所反応を引き起こし、アレルギー状態を誘発することさえある。前者は免疫を減 少させ自然感染の割合を増加させ、一方後者は現在のワクチンの改良および新し いワクチンの開発を妨げる。 注射可能ワクチン使用の代替的方法は抗原とりわけ生弱毒化ウイルスの経口投 与である。このようなワクチンは野生型ウイルスの自然感染により誘発される免 疫応答によく似た強力な粘膜および全身性免疫の双方を誘導する。この免疫応答 の布置はウイルスの全身性拡散だけでなく粘膜でのウイルス複製をも除去する。 かくして複製経口ワクチンにより引き出される免疫応答は注射可能生ワクチンあ るいは不活性化ワクチンにより誘導されるものよりも優れている。この種のワク チンの最良の例 は、生弱毒化経口ポリオウイルスワクチン(OPV)である。不幸にも生ワクチ ンの経口投与は胃を通過しても生存し、またたやすく病原力に戻らない生ウイル スに限定される。 これまでに開発されたもっとも効果的な非複製抗ウイルスワクチンは不活性化 ウイルス粒子であった。動物モデルにおいてペプチドおよびサブユニットワクチ ンの効力は限られた成功しかおさめられず、現在このような種類の製剤を使用す るヒトワクチンは存在しない。組換えDNA操作の初期の年代では、多くのグル ープの人が防御免疫の開発のみでなく非感染性ウイルス抗原による安全性の問題 の解決をも十分に期待した。不幸なことに、実験室での発現ベクターで生産され 、高度に精製されワクチンを受ける人に注射されたウイルスタンパク質が、自然 感染で見出される抗原状態に僅かではあるが近似する生体内立体配座をとると仮 定する理由のないことが次第に明らかになってきた。今日では、唯一の成功した 組換え誘導ワクチンは真核(酵母)発現システムで合成されたB型肝炎表面(H BS)抗原であった。 微粒子状態にある非複製抗原の経口提示が自然感染により誘導される免疫に非 常によく似る粘膜および全身性免疫の双方を誘導することを立証する証拠が多く なろうとしている。これは全身免疫を誘導することを果せないだけでなくしばし ば全身寛容性の状態を誘導する非複製可溶性抗原による経口免疫と著しい対照を なす。更にこの免疫を引き出すのに必要な抗原用量は同じ抗原を用いる非経口免 疫化に必要とされる容量よりもはるかに低い。このようなワクチン製剤に固有の 主な利点は投与が 簡単で完全に安全であることである。 アジュバント 近代分子生物学の到来は前例のないような簡単さと精度でもって免疫原を生産 する手段を提供した。これらの新しい方法が有効なアジュバントの不在下では一 般に強力な免疫応答を誘導しない精製免疫原を生成するということは皮肉なこと である。ヒトに使用される改良されたワクチンアジュバントの開発は従って最優 先の研究領域となった。にも拘らずアジュバントの研究は免疫原について行われ た作業からひどく遅れた。数十年にわたりヒトに広く使用されたアジュバントは ミョウバンであった。サポニンおよびその精製成分であるクイルA(Quil A) 、フロイト完全アジュバントおよび研究や獣医学的適用で使用される他のアジュ バントは毒性を持ち、それがヒトワクチンへの潜在的使用を制限する。ムラミル ジペプチドおよび脂質Aモノホスホリルなどのような新しく化学的に定着される 製剤が研究されている。 アジュバントがその作用をどのように働かせるかについてのこれまでの見解は 、鉱油乳濁液あるいは水酸化アルミニウムのようなアジュバントが抗原をゆるや かに放出する注射の部位で抗原のデポ(貯蔵所)を形成するというものである。 しかし3日後注射部位の切除が免疫応答には殆ど作用していないことを示した。 最近の研究は、A.C.アリソンおよびN.E.バイヤーズ「ワクチン:免疫学 上の諸問題への新しいアプローチ」R.W.エリス編、431ページ(バターワ ース−ハイネマン 社、オクスフォード、1992年)で検討されたようにサイトカインの放出によ りアジュバントが免疫応答の特異的でしかも時には非常にせまいアームを剌激す ることによって免疫応答を高めることを示している。長い期間にわたり抗原の放 出のための簡単な貯蔵所として機能するアジュバントを持つことが望ましい。 最近数年間にわたり開発されたアジュバント研究領域は、ワクチン製剤におけ るポリマーの利用である。ハンター,R.L.の「非イオン性ブロックコポリマ ー界面活性剤」ワクチンアジュバント研究における問題、D.R.スプリッグス およびW.C.コッフ編、89−98ページ(CRCプレス社、1991年)は 分子量が約10,000以下で単一ブロックの疎水性ポリオキシプロピレン(P OP)に隣接する2個のブロックの親水性ポリオキシエチレン(POE)で構成 される単純な構造を持っている。これらは界面活性剤としては毒性がもっとも少 ないものと考えられ、食品、医薬品および化粧品に広く使用されている。大型の 疎水性コポリマーのいくつかは有効なアジュバントであり、一方、密接に関連し た製剤はそうではない。POEおよびPOPの連鎖に差異を持つこれらのコポリ マーのアジュバント活性の間には相関が存在する。現在ではこれらのアジュバン トは油性および水性乳濁液で使用されている。 各種の分子量を持つ広い範囲の高分子電解質がアジュバント活性を持つものと してペトロフ、他、ソビエト医学評論、セクションD、免疫学、4巻、1−11 3ページ(1992年)で 示されている。ここでは正もしくは負の電荷のいずれかを持つ高分子が類似の免 疫刺激活性を示した。高分子電解質は静電気および疎水結合を通じて抗原ととも に複合体を形成する。一方中性および非負荷ポリマーは免疫応答に何らの影響も 与えなかった。 薬剤および抗原の調節放出 調節放出ワクチンの開発に現在かなりの関心が寄せられている。その理由は現 在利用出来るいくつかのワクチンの不利な点の主なものは、それを繰返して投与 するということである。ワクチンの調節放出が可能であればブースター(追加抗 原)免疫の必要性はなくすことが出来る。これは特に開発途上国では有利であり 、そこでは健康管理担当者とワクチン受容者との間の接触を頻繁に繰返すことは しばしば困難であるからである。濾胞樹状細胞およびリンパ節器官の外膜に持続 する抗原が抗体分泌細胞を形成するためにB記憶細胞の補給に含まれる証拠が多 くなろうとしている。循環抗体の連続放出は、この補給が連続的に行われている ことを示唆している。抗原の水準が減少するにつれて、これは発生する抗体の親 和性成熟という十分に確立された現象の存在を可能にする。抗原持続概念の受容 は、ワクチン開発において重要な意味を持つ。理想的には抗原が免疫系に提供さ れ、特に濾胞樹状細胞にこれまでよりも拡大された期間にわたり抗原が提供され るようにワクチンを製剤出来るということで有利となるであろう。 多くのポリマーが抗原およびその他タンパク質や化合物をと りこむために用いられてきた。これの初期の例はインフルエンザ抗原を口径1ミ クロン(1,000ナノメートル)以下のメチルメタクリレート内で重合して所 謂ナノ粒子を形成したもので、クロイター,J.,医学および薬理学におけるマ イクロカプセルおよびナノ粒子、M.ドンブロー(編)、125−148ページ (CRCプレス)により報告された。抗体応答ならびにインフルエンザウイルス の感染に対する防御は抗原が水酸化アルミニウムと併用して投与される時に著し く改善された。他の粒子を用いた実験はこれらのポリマーのアジュバント効果が 粒子のサイズおよび疎水性に依存することを示した。 いくつかの要因がマイクロカプセル化のための特定のポリマーの選択に寄与す る。ポリマー合成の再生産可能性およびマイクロカプセル化工程、マイクロカプ セル化材料および工程のコスト、毒物学プロフィール、ポリマーおよび抗原の放 出速度および物理化学的親和性、などが考慮されねばならないすべての要因であ る。 生物分解性ポリマーは多くのタイプの不安定結合の一つの周囲に設計される。 その例はポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオルソエステル およびポリアミドである。自然発生ポリマーに比べてマイクロカプセル化のため 合成ポリマーを使用する利点の一つは、中立条件の下でこれらの結合の加水分解 の相対的割合がポリマーバックボーンに対する置換基により影響され得るという ことである。置換基修飾もまたポリマーの溶解性および親水性/疎水性を変化さ せるのに使用出来る。 薬剤の、つい最近では抗原の担体としてしばしば選択されるものはポリ(D, L−ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)である。調節当局による受容性は いずれの抗原デリバリシステムに対しても著しい障害として残っている。PLG Aポリマーは長年にわたり分解吸収可能な縫合系として使用されてきた生物分解 性および生物適合性ポリエステルであり、エルドリッジ,J.H.他、微生物学 および免疫学における今日の諸問題、1989年、146巻、59−66ページ で論評されている。直径1乃至10ミクロンのPLGAマイクロスフェアへの抗 原のとり込みはアジュバント効果を持つものとして示される。 PLGAシステムの主に不利な点は有機溶媒の使用と抗原のマイクロカプセル 化に長い調製時間がかかることである。この工程は油中水型乳剤の位相分離を利 用する。対象となる化合物は水溶液として準備され、PLGAは塩化チメレンお よび酢酸エチルなどの適切な有機溶媒に溶解される。これら2種の不混和性溶液 は高速攪拌により共同乳濁化される。ポリマーの非溶剤が次いで加えられ、水状 液滴のまわりにポリマーの沈殿を生じ胚マイクロカプセルを形成する。 マイクロカプセルは集められ、ポリビニルアルコール(PVA)、ゼラチン、 アルジネート、ポリビニルピロリドン(PVP)、あるいはメチルセルロースな どの高分子電解質で安定化され、溶媒は真空内で乾燥もしくは溶媒抽出で除去さ れた。これらの調製条件は、J.H.エルドリッジ、他、感染と免疫、9巻、2 978ページ(1991年)で示されたよう に、多種多様なペプチド薬剤およびブドウ球菌腸毒素Bやキーホールリンペット シアニンなどの抵抗力の強い免疫原のマイクロカプセル化にはうまく成功したが 、PLGAを使用するマイクロカプセル化に必要な高い剪断力、有機溶媒の使用 および長い調製時間は、エンベロープウイルスなどのような複合不安定免疫原の 重要なエピトープに対して障害となり得る。 従ってこの発明の一つの目的には、有機溶媒あるいは長い調製時間必要としな いワクチンのカプセル化および非経口あるいは粘膜投与によるデリバリ材料を提 供することである。 この発明のも一つの目的は粘膜面とりわけ経口デリバリを通じて抗原のデリバ リを行うためのシステムを提供することである。 更にこの発明の目的は、免疫原性応答の広いスペクトルを引き出す抗原のため のデリバリシステムを提供することである。 また更にこの発明の目的は、ワクチンの免疫原性を高めるワクチンのデリバリ のためのデリバリシステムを提供することである。 また更にこの発明のも一つの目的は、抗原の調節放出を提供する生物分解性デ リバリシステムを提供することである。 発明の要約 水溶性ポリマーおよびポリマーヒドロゲルは粘膜面へのデリバリ、粘膜面での 抗原の調節放出、あるいは注射(非経口投与)のための抗原のマイクロカプセル 化のために使用される。 もっとも望ましい実施例において、カプセル化抗原は経口あるいは鼻腔内で投与 される。ポリマーは生物適合性、架橋可能水溶性ポリマーあるいはポリマーヒド ロゲルのいずれかであることが出来、それはそこにくみ込まれる抗原に緩やかで それを変性しない条件の下で200ミクロンもしくはそれ以下の直径を持つ極微 粒子を形成するために使用出来る。望ましい天然の水溶性ポリマーは、アルジネ ート、ゼラチン、ペクチン、およびコラーゲンである。望ましい合成水溶性ポリ マーは、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(酢酸ビニ ル)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート )、ポリ(エチレングリコール)、ポリビニルアミン、ポリ(ビニルピリジン) 、ホスファゼン高分子電解質、およびポリ(ビニルアルコール)である。イオン 架橋によりヒドロゲルを形成する望ましいポリマーはポリ(アクリル酸)あるい はポリ(メタクリル酸)の塩、スルホン化ポリスチレン、ポリアミンあるいはポ リ(ビニルピリジン)の第4級塩、およびそれらのポリマーあるいはモノマーの 混合物もしくはコポリマーである。もっとも望ましいポリマーはアルジネート、 ポリホスファゼン、およびその混合物である。 カプセル化抗原を調製するために、抗原はポリマー溶液と混合され、極微粒子 は有機溶媒の有効量を使用することなしにポリマーと抗原から急速に形成され、 またポリマーは安定した生物分解性極微粒子を形成するためにイオンもしくは共 有結合で架橋される。極微粒子は胃腸管の粘膜内層のような粘膜面に粘着し、時 間の経過で放出されるように抗原の細網内皮細胞によ りとり入れを増加させる。ポリマーは望ましくはアルジネートあるいはポリホス ファゼンであり、もっと望ましくは塩化カルシウムのような多価イオンもしくは 二価の陽イオンでイオン架橋されたものである。 実施例は、単独でもしくはコレラ毒素のような粘膜作用薬と併用してポリマー カプセル化抗原の免疫原性の向上を示し、また非経口、経口、あるいは鼻腔内に 投与する時に放出割合および体液性応答を変えるためにどのようにポリマーを操 作するかを示す。 図面の簡単な説明 図1はポリホスファゼンマイクロスフェアの浸透性のグラフであり、カプセル 化タンパク質分子量およびポリマー濃度と同じく放出パーセントで測定されたも のである。レインボータンパク質マーカーが3種の濃度:3.3%(斑点棒)、 2.5%(平行線棒)および1.5%(黒色棒)のポリ[ジ(カルボキシルアト フェノキシ)ホスファゼン−コ−ジ(グリシナート)ホスファゼン](PP)に マイクロカプセル化され、上澄みの一定量のタンパク質が分光光度で分析される 前に、24時間室温でpH7.4HEPES緩衝液で保温された。 図2はポリホスファゼンマイクロスフェアの侵食プロフィールに関する分子量 の作用を示すグラフであり、130キロダルトンPC−GIP(四角)、3,9 00キロダルトンPCPP(ダイアモンド)、170キロダルトンPC−GIP (円)、および400キロダルトンPCPP(三角)の日数で表される 期間での質量損失パーセントで測定される。 図3aおよび3bはポリホスファゼンの異なる出発分子量によるPCPPヒド ロゲルの日数で表される期間での分子量分解プロフィールであり、Mwは分子量 、Mnは数量平均分子量、当初分子量は3,900キロダルトン(図3a)およ び400キロダルトン(図3b)である。 図4はマトリックスにあるポリマー分子量と溶液にあるポリマー分子量とを比 較する分子量170キロダルトンのPC−GIPPヒドロゲルの日数で表される 期間での分子量分解プロフィールである。 図5は異なる分子量:12,000mw(四角)、62,500mw(ダイア モンド)、140,800mw(円)、および295,000mw(三角)のポ リL−リシンで被覆されたポリホスファゼンからのポリスチレンビードの放出パ ーセントのグラフである。直径20nmの長さである蛍光ポリスチレン(PS) ビードがポリマー1でカプセル化され、次いで異なる分子量のポリL−リシンで 被覆された。被覆ビードはpH7.4のHEPES緩衝液を使って室温で保温さ れた。上澄み内に放出されるポリスチレンビードは定量蛍光光度法で測定され、 最初にカプセル化されたビードのパーセントで表された。 図6a、6bおよび6cは、懸濁液のfluウイルスで免疫化された動物の血 清(図6a)、アルジネートマイクロスフェアのコレラ毒素(CT)と併用した カプセル化fluウイルス(図6b)、およびアルジネートマイクロスフェア内 でカプセ ル化されたfluウイルス(図6c)のflu特異的応答のグラフであり、それ は7、14、21、および28日で(左側から右側に向けてIgM、黒色棒、I gG、平行線棒、IgA、斑点棒の順で)抗体力価として測定される。 図7はCTと併用してアルジネート内にカプセル化されたインフルエンザの経 口投与に続く血清のflu特異的抗体応答であり、IgM、黒色棒、IgG、平 行線棒、IgA、斑点棒で免疫後7、14、21、28および35日に測定され た。 図8はCTと併用するアルジネートのマイクロカプセルでインフルエンザの経 口投与後、経口ブーストの後に糞サンプルでのflu特異的抗体のグラフであり 、IgM、黒色棒、IgG、平行線棒、IgA、斑点棒で示したブースト後7、 14、21、28および35日後に測定された。 発明の詳細な説明 一般に抗原のデリバリのためのマイクロスフェアは水溶性ポリマーもしくはヒ ドロゲルを形成するポリマーの共有結合あるいはイオン架橋により形成される。 望ましい実施例において、ポリマーは水溶性ヒドロゲルカプセル化抗原を形成す るカルシウムイオンのような二価陽イオンでイオン架橋されるアルジネートもし くはポリホスファゼンなどの水溶性ポリマーで形成される。抗原は抗原の分散が マイクロスフェアに確実に行き渡るように架橋に先立ちポリマー溶液と混合され る。より安定したポリマーはマイクロスフェアをポリアミノ酸のような高分子電 解質と更に架橋させることで形成することが出来る。 マイクロスフェアを作るのに有用なポリマー ポリマーは大体生物分解性、架橋可能水溶性ポリマーあるいは重合性ヒドロゲ ルであり、そこにとり込まれる抗原におだやかで変性させない条件の下で10ミ クロンもしくはそれ以下の直径を持つマイクロスフェアを形成することが出来る 。ここで使用されるようにヒドロゲルはいずれかの水膨張性ポリマーと定義され る。水溶性ポリマーは水、水緩衝生理食塩水あるいは水性アルコール溶液に(典 型的には少なくとも重量で0.001%の範囲まで)少なくとも部分的に溶解す るポリマーである。望ましい天然水溶性ポリマーは、アルジネート、ゼラチン、 ペクチン、およびコラーゲンを含む。望ましい合成水溶性ポリマーは、ポリ(ア クリルアミド)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(Nビ ニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(エチレン グリコール)、ポリビニルアミン、ポリ(ビニルピリジン)、ホスファゼン高分 子電解質、およびポリ(ビニルアルコール)を含む。イオン架橋によりヒドロゲ ルを形成する望ましいポリマーは、ポリ(アクリル酸)あるいはポリ(メタクリ ル酸)、スルホン酸ポリスチレン、ポリアミンあるいはポリ(ビニルピリジン) のいずれかの第4塩、およびポリマーあるいはそのモノマーの混合物およびコポ リマーを含む。もっとも望ましいポリマーはアルジネート、ポリホスファゼンお よびその混合物を含む。 ポリマーは水溶性ポリマーを非水溶性にするイオン架橋、共 有結合架橋あるいは物理的架橋により架橋することが出来る。室温での水ベース のポリマー溶液のイオン架橋によるゲル化が、有機溶媒に対する長期間の被曝、 温度の上昇および有機溶媒に溶解するポリマーに必要な乾燥を除去する。ポリマ ーは、もしポリマーが酸性側基を持つ場合には多価陽イオン、あるいはポリマー が塩基性側基を持つ場合には多価陰イオンというように、電荷された側基とは逆 の電荷を持つ多価イオンを含む水溶液内で架橋され得る。望ましくは、2価ある いは3価の金属イオン、例えばカルシウム、銅、アルミニウム、マグネシウム、 ストロンチウム、バリウム、錫、亜鉛、および鉄、もしくは多価陽イオン、例え ばポリ(アミノ酸)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ( ビニルピリジン)、多糖類、および高分子電解質複合体と形成出来る他のものに より架橋される。 アルジネート もっともよく研究されたイオン架橋可能ポリマーは天然に生じるアルジネート であり、これは食料に供される褐藻類、例えばプロンタナルLF20/60(米 国、ニューハンプシャー、ポーツマス、プロノヴァ,インコーポレイテッド)か ら調製される。 ポリマーは望ましくは塩化カルシスムあるいは他の2価もしくは多価陽イオン を使用する多価イオンで架橋結合される。 ポリホスファゼン 一組のイオン架橋水溶性ポリホスファゼンの説明で、H.R.オールコックお よびS.クォン、高分子、22巻、75−79ページ(1989年)、に記述さ れているが、それは調製にわたって水性環境のみに被曝される抗原を含むマイク ロスフェアの生成を可能にした。 ここで使用されるアミノ酸という用語は天然および合成アミノ酸の両方を指示 し、必ずしもそれに限定されないが、アラニル、バリニル、ロイシニル、イソロ イシニル、プロリニル、フェニルアラニニル、トリプトファニル、メチオニニル 、グリシニル、セリニル、トレオニニル、システイニル、チロシニル、アスパラ ギニル、グルタミニル、アスパルトイル、グルタオイル、リシニル、アルギニニ ル、およびヒスチジニルを含む。 アミノ酸エステルの用語は、天然もしくは合成アミノ酸の脂肪族、アリルある いはヘテロ芳香族カルボン酸エステルを指示する。 ここで使用されるアルキルは、飽和直鎖、分岐あるいは環状炭化水素、もしく はその組合せで、典型的にC1からC20までのものであり、特にメチル、エチル 、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、シク ロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘ キシル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチ ル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシルを含む。 (アルキルあるいはジアルキル)アミノの用語はそれぞれ 1個もしくは2個のアルキル置換基を持つアミノ基を指示する。 ここで使用するアルケニルおよびアルキニルという用語は、それぞれ二重ある いは三重結合を少なくとも1個持つC2からC20までの直鎖あるいは分岐炭化水 素を指示する。 ここで使用されるアリルという用語は、フェニルあるいは置換フェニルを指示 し、ここで置換基はハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキル 、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、メチレンジオキシ、シアノ、C( O)(下級アルキル)、−CO2H、−SO3H、−PO3H、−CO2アルキル、 アミド、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノ、およびここでアリル 基は3個までの置換基を持つことができる。 脂肪族という用語は、典型的にはC1からC20の炭化水素を指示し、それはア ルキル、アルケニル、アルキニル成分の一つもしくはその組合せを含むことが出 来、直鎖、分岐、あるいは環状もしくはその組合せでもあり得る。 ここで使用されるハロという用語はフッ素、塩素、臭素、およびヨー素を含む 。 アラルキルという用語は、アルキル置換基を持つアリル基を指示する。 アルカリルという用語は、ベンジル、置換ベンジル、フェネチル、あるいは置 換フェネチルを含むアリル置換基を持つアルキル基を指示し、ここで置換基はア リル基として前記定義の通りである。 ここで使用されるヘテロアリルあるいはヘテロ脂肪族という用語は、少なくと も1個の硫黄、酸素、あるいは窒素を芳香族環に含み、アリル基として前記記載 の通り場合によっては置換される。限定されない例として、フリル、ピリジル、 ピリミジル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジ ニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾ チエニル、イソベンゾフリル、ピラゾリル、インドリル、イソインドリル、ベン ジミダゾリル、プリニル、カルボゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチア ゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、ピラゾリ ル、キナゾリニル、ピリダジニル、ピラジニル、シノリニル、フタラジニル、キ ノキサリニル、キサンチニル、ヒポキサンチニル、プテリジニル、5−アザシチ ジニル、5−アザウラシリル、トリアゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、 ピロロピリミジニル、およびピラゾロピリミジニルがある。 「調剤許容イオン」の用語は、電荷を運び、ホスファゼン高分子電解質におけ る対抗イオンとして投与することの出来る有機あるいは無機成分を指示する。 ここで使用されるヘテロアルキルという用語は炭素鎖にありあるいは炭素鎖を 終結させる(水素あるいは酸素で完成される原子価を持つ)酸素、硫黄、あるい は窒素のようなヘテロアトム(異種原子)を含むアルキル基を支持する。 ここで使用されるポリ[(カルボキシルアトフェノキシ)(グリシナート)ホ スファゼン]、ポリ[ジ(カルボキシルア トフェノキシ)ホスファゼン−コ−ジ(グリシナート)ホスファゼン−コ−(カ ルボキシルアトフェノキシ)(グリシナート)ホスファゼン]およびポリ[ジ( カルボキシルアトフェノキシ)ホスファゼン−コ−ジ(グリシナート)ホスファ ゼン]は同ポリマーを指示する。 ポリホスファゼンは望ましくはその対抗イオンと釣合う酸あるいは塩基の形態 、もしくはそのイオン塩の形態のいずれかで、電荷側基を含む。 ポリマーは望ましくは生物分解性であり、ヒトを含む動物に投与される時に最 小の毒性を示す。 ホスファゼン高分子電解質の選択 ポリホスファゼンは交互する単一および二重結合により分離される交互するリ ンおよび窒素よりなるバックボーンを持つポリマーである。各リン原子は2個の ペンダント基(“R”)に共有結合される。ポリホスファゼンの反復単位は下記 の一般式 を持ち、ここでnは整数である。 置換基(“R”)はポリマー内で変化出来る種々様々な成分であることが出来 、必ずしもそれに限定されないが、脂肪族;アリル;アラルキル;アルカリル; カルボン酸;ヘテロ芳香族;グルコースを含む炭水化物;ヘテロアルキル;ハロ ゲン; アルキルアミノ−を含む(脂肪族)アミノ−;ヘテロアラルキル;ジアルキルア ミノ−、アリルアミノ、ジアリルアミノ−、アルキルアリルアミノ−を含むジ( 脂肪族)アミノ−;必ずしもそれに限定されないが−オキシフェニルCO2H、 −オキシフェニルSO3H、−オキシフェニルヒドロキシルおよび−オキシフェ ニルPO3Hを含む−オキシアリル;−オキシアルキル、−オキシ(脂肪族)C O2H、−オキシ(脂肪族)SO3H、−オキシ(脂肪族)PO3Hを含む−オキ シ脂肪族;および−オキシ(アルキル)ヒドロキシル、−オキシアルカリル、− オキシアラルキル、を含む−オキシ(脂肪族)ヒドロキシル;チオアリル;−チ オアルキル、−チオアルカリル、−チオアラルキルを含むチオ脂肪族;−NHC (O)O−(アリルあるいは脂肪族)、-O-[(CH2)xO]y-(CH2)xNH2、 -O-[(CH2)xO]y(CH2)xNH(CH2)xSO3H、および-O-[(CH2)xO ]y-(アリルあるいは脂肪族)であり、ここではxは1から8でyは1から20 までの整数である。この基は例えば酸素、硫黄、窒素、あるいは炭素原子を経て リン原子と結合することが出来る。 一般にポリホスファゼンが一種以上のペンダント基を持つ場合には、この基は ポリマー内をランダムに変化し、従ってポリホスファゼンはランダムコポリマー である。リンは2個の類似の基あるいは2個の異なった基に結合することが出来 る。ポリホスファゼンで2個もしくはそれ以上の種類のペンダント基を持つもの は、ポリ(ジクロロホスファゼン)を1個もしくは複数の救核基を望ましい割合 で反応させて生産することが出来 る。ポリホスファゼンでペンダント基の生成する割合は、ポリマーを生産するの に使用される出発材料の割合、救核基置換反応が実施される温度、および使用さ れる溶媒系などを含む多くの要因で決定される。生成ポリマー内の基の正確な置 換パターンを決定するのは非常に難しいが、一方、ポリマー内の基の割合は当業 者の1人により容易に決められることが出来る。 一つの実施例において、生物分解性ポリホスファゼンは次ぎの式; を持ち、ここでAおよびBは独立してポリマー内で変化することが出来、以下の 基であることが出来る。 (i)使用条件の下で加水分解を受け易い基で必ずしもそれに限定されないが、 塩素、アミノ酸、(アミノ基を通じて結合する)アミノ酸エステル、イミダゾー ル、グリセロール、あるいはグルコシルなどを含む基、あるいは (ii)使用条件下で加水分解を受け難い基で、必ずしもそれに限定されないが、 脂肪族;アリル;アラルキル;アルカリル;カルボン酸;ヘテロ芳香族;ヘテロ アルキル;アルキルアミノ−を含む(脂肪族)アミノ−;ヘテロアラルキル;ジ アルキルアミノ−、アリルアミノ−、ジアリルアミノ−、アルキルアリルアミノ −を含むジ(脂肪族)アミノ−;それに限定されないが−オキシフェニルCO2 H、−オキシフェニルSO3H、−オキシフェニルヒドロキシル、および−オキ シフェニル PO3Hを含む−オキシアリル;−オキシアルキル、−オキシ(脂肪族)CO2H 、−オキシ(脂肪族)SO3H、−オキシ(脂肪族)PO3Hを含む−オキシ脂肪 族;−オキシ(アルキル)ヒドロキシルを含む−オキシ(脂肪族)ヒドロキシル ;−オキシアルカリル;−オキシアラルキル;チオアリル;−チオアルキル、− チオアルカリル、あるいはチオアラルキルを含む−チオ脂肪族、などの基。 ここでポリマーは、使用条件の下で加水分解を受け難い反復単位を少なくとも 1%もしくはそれ以上、望ましくは10%もしくはそれ以上、またより望ましく は80乃至90%もしくはそれ以上で100%以下で含み、また、 nは4もしくはそれ以上、また望ましくは10から20,000までの整数で ある。 イミダゾール以外のヘテロ芳香族基のようなある種の基は、血液内で見出され るような中性水性条件の下では極端にゆっくりした割合で加水分解し、従ってこ こでの目的のためには典型的に非加水分解基と見做されることは理解されねばな らない。しかし例えば胃内で見出される例えば低pHのような条件下では、(イ ミダゾール以外のヘテロ芳香族のような)通常は非加水分解基の加水分解の割合 は、ポリマーの生物分解性が影響される点まで増加することがあり得る。十分に 周知の技術を使用する当業者の1人は、ペンダント基が使用条件の下で有意の割 合で加水分解するかどうかをたやすく決定することが出来る。当業者の1人はま たここに記載された異なった構造を持つポリホスファゼンの加水分解率を決定す ることが出来るし、標的用 途での望ましい生物分解プロフィールを提供するポリホスファゼンを選択するこ とも出来るであろう。 ポリマーの加水分解性の度合は、加水分解を受けやすいペンダント基の割合お よび加水分解可能基の加水分解率の関数となるであろう。加水分解可能基は、ポ リマーに加水分解不安定性を与えるP−OH結合を提供するために、水状環境下 でヒドロキシル基により代替される。 他の実施例においては、ポリホスファゼンは、(i)ポリマーのペンダント基 のいずれもあるいは事実上いずれも使用条件の下で加水分解を受けない非生物分 解性ポリホスファゼン、あるいは、(ii)使用条件の下で(例えばポリ[ジ(エ チルグリシナート)−ホスファゼン]のように)すべての基が加水分解を受けや すい完全に生物分解性ポリホスファゼン、である。 ホスファゼン高分子電解質はここでポリホスファゼンに陰イオン、陽イオン、 あるいは両染性を付与するイオン化もしくはイオン化可能ペンダント基を含有す るポリホスファゼンと定義される。イオン基は塩、あるいは少なくとも部分的に 解離することの出来る酸もしくは塩基の形をとることが出来る。いずれかの薬理 的に許容出来る単価陽イオンは、必ずしもそれに限定されないが、ナトリウム、 カリウムおよびアンモニウムを含む塩の対抗イオンとして使用することが出来る 。更にホスファゼン高分子電解質は、非イオン側基を含むことが出来る。ホスフ ァゼン高分子電解質は使用条件の下で生物分解性もしくは非生物分解性であるこ とも出来る。イオン化もしくはイオン化可 能ペンダント基は使用条件の下では望ましくは加水分解を受け難いものである。 望ましいホスファゼン高分子電解質はカルボン酸、スルホン酸、あるいはヒド ロキシル成分を含むペンダント基を含有する。酸性基は通常非加水分解ペンダン ト基にあるが、それは代替的にあるいは組合せとして加水分解可能基に位置する こともある。カルボン酸基を側鎖として持つホスファゼン高分子電解質の例は下 記の式: で示され、ここでnは整数であり、望ましくは10から10,000までの間の 整数である。このポリマーはポリ[ジ(カルボキシルアトフェノキシ)ホスファ ゼン]あるいは代替的にポリ[ビス(カルボキシルアトフェノキシ)ホスファゼ ン](PCPP)という化学名を持つ。 ホスファゼン電解質は望ましくは生物分解性である。ここで使用される生物分 解性という用語は、約25℃−37℃の温度で一度pH6−8の生理溶液に曝さ れると、典型的には約5年以内でもっとも望ましくは1年以内に望ましい用途で 使用される期間内で分解するポリマーである。 もっとも望ましくは、ポリマーは使用条件の下で加水分解し ないカルボン酸成分を含むペンダント基および使用条件の下で加水分解を受けや すいペンダント基を含むポリ(オルガノホスファゼン)である。加水分解感受性 基を持つ望ましいホスファゼン高分子電解質の例は、特にポリ[ジ(カルボキシ ルアトフェノキシ)ホスファゼン−コ−ジ(グリシナート)ホスファゼン−コ− (カルボキシルアトフェノキシ)(グリシナート)ホスファゼン、およびポリ[ ジ(カルボキシルアトフェノキシ)ホスファゼン−コ−ジ(クロロ)ホスファゼ ン−コ−(カルボキシルアトフェノキシ)(クロロ)ホスファゼン]を含むポリ [ジ(カルボキシルアトフェノキシ)ホスファゼン−コ−ジ(アミノ酸)ホスフ ァゼン−コ−(カルボキシルアトフェノキシ)(アミノ酸)ホスファゼンである 。 ポリホスファゼンの毒性は、当業者に周知の細胞培養実験を用いて測定される 。例えばポリ[ジ(カルボキシルアトフェノキシ)ホスファゼン]の毒性は、細 胞培養皿をポリ[ジ(カルボキシルアトフェノキシ)ホスファゼン]で被覆する 細胞培養で測定された。ニワトリ胚芽繊維芽細胞は次いで被覆ペトリ皿に接種さ れた。ニワトリ胚芽繊維芽細胞を接種3日後に細胞は平坦になり紡錘形を形成し た。位相差顕微鏡の下で、有糸核分裂像が観察された。これらの観察は細胞を複 製するためにポリ[ジ(カルボキシルアトフェノキシ)ホスファゼン]の無毒性 の証拠を提供する。 架橋ポリホスファゼンは、ホスファゼン高分子電解質を、亜鉛、カルシウム、 ビスマス、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、 あるいはカドミウム などの金属多価陽イオンと結合させることにより調製することが出来る。 ホスファゼン高分子電解質の合成 ホスファゼン高分子電解質を含むポリホスファゼンは、当業者にとって既知の 方法に従って、ポリ(ジクロロホスファゼン)を広範囲の化学試薬もしくは試薬 の混合物と反応させる高分子求核置換反応により調製することが出来る。望まし くは、ホスファゼン高分子電解質はポリ(ジクロロホスファゼン)を塩素を置換 する適切な求核試薬と反応させることにより作られる。ポリマーの非加水分解側 鎖に対する加水分解可能側鎖の望ましい割合は、ポリ(ジクロロホスファゼン) と反応する対応する求核試薬の量および必要とされる反応を調節することにより 得ることが出来る。 例えば、ポリ[(カルボキシルアトフェノキシ)−(グリシナート)ホスファ ゼン](PC−G1PP)は、ポリ(ジクロロホスファゼン)の塩素原子をプロ ピル−P−ヒドロキシベンゾエートおよびエチルグリシナートヒドロクロライド と求核置換反応させることにより調製される(PC−G1PP合成)。このよう にして得られたポリ[(アリルオキシ)(グリシナート)ホスファゼン]エステ ルは、次いで対応するポリ(カルボン酸)に加水分解される。他のポリホスファ ゼンは、オールコック、H.R.、他、無機化学、11巻、2584ページ(19 72年);オールコック、H.R.、他、高分子、16巻、715ページ(198 3年);オールコック、H. R.、他、高分子、19巻、1508ページ(1986年);オールコック、H. R.、他、バイオマテリアル(生体組織接触部位補綴用物質)、19巻、500ペ ージ(1988年);オールコック、H.R.、他、高分子、21巻、1980ペ ージ(1988年);オールコック、H.R.、他、無機化学、21巻(2)、5 15−521ページ(1982年);オールコック、H.R.、他、高分子、22 巻、75−79ページ(1989年);米国特許番号4,440,921号、4 ,495,174号、4,880,622号、オールコック、H.R.、他;米国 特許番号4,946,938号、マッギール、他;米国特許番号5,149,5 43号、コーエン、他;およびグロールマン、他、調節放出ジャーナル、3,1 43号(1986年)の公開情報で記載されており、そこでの教訓および開示さ れたポリマーは、引用文献としてここに組込まれている。 抗原の選択 抗原は細胞、細菌、あるいはウイルス粒子、もしくはその部分から誘導される 。ここで定義されたように、抗原はタンパク質、ペプチド、多糖類、糖タンパク 質、糖脂質、核酸、あるいはその組合せから誘導することが出来、それは動物、 例えば哺乳類、鳥類、あるいは魚類における免疫原性応答を誘発する。ここで定 義されたように、免疫原性応答は体液性あるいは細胞媒介的である。免疫原性応 答が指向する材料が抗原性に乏しい場合には、それは例えばいくつか商業的に利 用出来る試薬キッ トの一つで標準共有結合手法を使ってアルブミンなどの担体もしくはハプテンに 接合することが出来る。 一つの実施例において、核酸が発現される細胞に抗原をコード化する核酸をデ リバリするためにポリマーが使用される。 望ましい抗原の例はインフルエンザタンパク質、ヒト免疫不全ウイルス(HI V)タンパク質、インフルエンザ菌、およびB型肝炎タンパク質、およびグラム 陰性細胞壁および淋菌タンパク質などのようなリポ多糖類を含む。 培養時の細胞のウイルス感染は、2種類のウイルス粒子、成熟感染ウイルスお よび核酸を欠くある感染ウイルス状粒子を生成する。ウイルスが細胞培養で高力 価で複製する場合には不活性化ウイルス粒子を経口ワクチンに使用することが望 ましい。細胞培養で成長することが出来ないか、もしくは腫瘍化するウイルスに 対しては、非複製ウイルス状粒子(VLPs)を生産する組換えDNA技術を使 用することが出来る。組換え技術を使って、固有の複雑性のため前記2種のアプ ローチのいずれにも適していないウイルスから、その表面に防護抗原(プソイド タイピング)を展示するウイルス状粒子を構築することが出来る。前記のすべて の抗原はウイルス粒子構成成分であるが、防護免疫を引き出す抗原は必ずしもす べてが構成抗原ではない。防護抗原が非構成成分であるような場合には、そのよ うな抗原を自己組立てウイルス状粒子の表面に遺伝子的に融合させることが出来 る。 アジュバント ある実施例では、粘膜あるいは非経口デリバリのためカプセル化された抗原に アジュバントを含めることが望ましい。 経口投与のためのアジュバント 微量のコレラ毒素(CT)(コレラ毒性サブユニットA、コレラ毒性サブユニ ットB、あるいはその両方のいずれか)および第2抗原の混合物の経口投与が共 同投与抗原に対する粘膜免疫を刺激する。更に抗原のみの経口デリバリにより引 き出される免疫寛容性に代る第2抗原に対しての劇的な液性免疫応答が存在する 。かくして粘液デリバリCTは粘膜および液性免疫両方の強力な免疫刺激剤ある いはアジュバントとして機能する。このアジュバント作用のメカニズムは、パイ エル板の上に乗るドーム細胞(あるいはM細胞)に特異的に結合し、次いでドー ム細胞に通常結合しあるいは結合しない抗原に対する免疫応答性を賦与するよう にリンパ球系細胞を変化させるCTの能力によるものである。最近ではこの結合 機能はコレラ毒素の非毒性Bサブユニット(CT−B)分子に局在化してきた。 かくして抗原へのCT−Bの追加が同一抗原に対するCTにより引き出される免 疫応答を模倣することが示された。従ってしばしば望まれることは、CTをマイ クロカプセル化ワクチンに含ませることで経口投与抗原の免疫原性を高めること である。 非経口投与のためのアジュバント アジュバントの例はムラミルジペプチド、ムラミルトリペプチド、サイトカイ ン、ジフテリア毒素およびエキソトキシンA である。商業的に利用出来るアジュバントは、マサチューセッツ、ウォーセスタ ー、ケンブリッジ バイオサイエンシズのQS−21およびリビ イミューノケ ムのモノホスフォリル脂質A(MPLA)を含む。 更にまたここで示されるのは、ポリホスファゼンが経口あるいは非経口投与さ れる際にアジュバント作用を持ち得るということである。特にマイクロスフェア がアルジネート95%およびポリホスファゼン(PCPP)で形成される場合に その免疫原性を高めることを実施例が示している。 免疫原性組成物の調製 ポリマーは例えば米国特許番号5,149,543号、コーエン、他、あるい は米国特許番号4,352,883号、リム、他の方法を用い、その教訓はここ に組み込まれており、あるいはポリマーおよび抗原の溶液をスプレー乾燥するこ とにより、抗原をカプセル化するのに使用される。代替的には抗原およびアジュ バントを含むマイクロスフェアが水溶液成分を単純に混和し、次いで極微粒子を 形成するための機械的力でポリマーをある物質と一緒に凝固させることにより調 製することが出来る。 ここで使用される「マイクロカプセル」という用語は別途説明のない限り極微 粒子、マイクロスフェア、およびマイクロカプセルを包含する。一般に有用なこ れらのマイクロカプセルは1乃至200ミクロンの間、望ましくは経口投与のた め1乃至15ミクロンの間、また注射用の限定要素は針のサイズである が注射用として望ましくは1乃至100ミクロンの間の微粒子直径を持つもので ある。 望ましい実施例でポリホスファゼン/抗原溶液はまず抗原をNa2CO3,3% の1部に攪拌しながら溶解させ、次いでPCPPを溶解するまで攪拌しながら追 加し、またpH7.4のリン酸緩衝液3部をゆっくり加えることで調製された。 洗剤Brij58はポリマー溶液を攪拌しながら最終濃度が0.2%になるよう に加えられた。PCPPの最終濃度は2.5%である。ナトリウムアルジネート /抗原溶液は適切な量の抗原をイオン除去水に溶解して調製される。アルジネー トは次いでアルジネートの最終濃度が1.25%になるように抗原溶液にゆっく り加えられる。絶えず攪拌しポリマーを抗原にゆっくりと加えることは、等質の 溶液を得るために必要である。 経口デリバリ用のマイクロスフェアを製造するためのもっとも望ましい例で、 マイクロスフェアは、150μl/minの速度でくみ出しポンプを使ってポリ マーおよび抗原溶液を噴霧ノズル(カナダ、オッタワ、ターボタック)に送り込 むか、もしくは18ゲージ平滑末端針を備えた超音波スプレーノズル(ニューヨ ーク、ファーミングデール、メドソニック、インコーポレイテッド)に送り込ま れて生成される。分散抗原を含むポリマー溶液は次いで空気圧力が平方インチ当 り約35ポンドの下でノズルの1.0mmの穴を通して押し込まれる。ポリホス ファゼンとしては、微小液滴はそれがCaCl2,7.5%、Brij58,0 .5%浴にノズルか ら35cmの所でぶつかる際に架橋する。Brij58はマイクロスフェアの塊 状化を防止するために加えられる。CaCl2,1.5%浴(Brij58のな いもの)がアルジネートマイクロスフェアのゲル化のために使用される。マイク ロスフェアは次いですばやく遠心分離管に移され、架橋工程を完成し、かつCa Cl2浴で沈殿して起こるマイクロスフェア凝集塊を避けるために約30分間ゆ っくり振動させられる。凝集はマイクロスフェア表面にある露出したカルボキシ ル基の間のCa++架橋およびもしくはマイクロスフェア間の疎水相互作用による ものである。30分後、マイクロスフェアは4℃、2800rpm、15分の遠 心分離で収集された。上澄みは棄てられ、ペレットは一度に洗浄され無菌イオン 除去水で再懸濁された。マイクロスフェアは4℃で分析まで貯蔵された。これら の条件で生成したポリホスファゼンマイクロスフェアの約90%は直径が1から 10ミクロンの範囲にあった。 より大きなマイクロスフェアはより大きい吐出口および低い空気圧を用いて作 られた。 ポリマー−抗原接合体 ポリマーはまた当業者にとって周知の方法に従って水溶性接合体を創り出すた めに抗原と共有接合され、通常は抗原側のアミノあるいはカルボキシル基および ポリマー側のイオン化可能側基の一つとの間の共有結合により行われる。 免疫原性組成物の投与 抗原を含むヒドロゲルマイクロスフェアは粘膜あるいは非経口投与することが 出来る。粘膜面へのデリバリの必ずしも限定されないルートの例は、鼻腔内(あ るいは一般に鼻関連リンパ系組織)、呼吸器系、腟、および直腸である。非経口 デリバリの必ずしも限定されない例は、皮内、皮下、および筋肉内を含む。 抗原は天然に発生するアルジネートおよび合成ポリホスファゼンの両方でカプ セル化することが出来る。抗原装荷の水準、放出速度およびマイクロスフェアの サイズ分布は生成する免疫応答を変化させるのに使用される。この用量は後述す る実施例で示されるようにポリマー−抗原投与により引き出される抗体の力価に もとづいて、抗原装荷および用量を投与する標準技法さらに各抗原の投与スケジ ュールにより決定される。 免疫原性ワクチン組成物が、他の薬理許容成分、例えば水、生理食塩水、ある いはDrakeolTM、MarkolTMのような鉱油およびスクアレンを含み、 乳濁液を形成し、あるいは水状緩衝液と併用され、もしくは胃内を通過する際に 分解からマイクロカプセルを防護するためにカプセルあるいは腸溶剤皮でカプセ ル化することが出来ることは当業者により理解されるであろう。 抗原原性組成物の貯蔵 イオン架橋マイクロスフェアはその完全性を保持するために緩衝液に貯蔵され る必要がある。ポリマーマトリックス内にとじ込めたマイクロスフェアおよび抗 原の完全性を維持するよう に条件は定められてきた。抗原を含有するマイクロスフェアは無菌イオン除去水 で4℃で貯蔵され、7日間安定している。食塩加リン酸緩衝液(PBS)などの 標準緩衝液が使用出来ないのは、カルシウムイオンのナトリウムによる置換でマ トリックスの液化に導かれるためである。マイクロスフェアをポリLリシンある いはその他の架橋剤のようなアミノ酸ポリマーで被覆するとPBSで貯蔵するこ とが出来る。 この発明は更に以下の限定されない実施例を引用することでより理解されるで あろう。 実施例1:毒性の研究 アルジネートはヒトの消費出来るものとして認められている。ポリホスファゼ ンは標準の方法を用いて非毒性を示すために検定することができる。ポリフォス ファゼンは生細胞に対し非毒性であることがこれまで示されてきた。M.C.バ ーノ、他バイオ/テクノロジー,9巻、468ページ(1991年)で報告され たように、ハイブリドーマ細胞が150から200ミクロンの間の直径を持つポ リホスファゼンマイクロスフェアにカプセル化された。カプセル化ハイブリドー マ細胞は細胞分裂を受け、カプセル化の10日後までに、マイクロスフェアは基 本的に生細胞で充填された。追加の研究がここで記述される。 第1の研究で細胞培養皿はポリホスファゼンで被覆され、次いでニワトリ胚芽 繊維芽細胞が被覆ペトリ皿に接種された。ニワトリ胚芽繊維芽細胞接種3日後細 胞は平たくなり紡錘形とな り、位相差顕微鏡の下で誰でも有糸分裂像を観ることが出来る。これは細胞培養 でポリホスファゼンの無害性を示すものであった。 第2の生体内毒性研究ではアルジネートおよびポリホスファゼンの急性毒性が 生後6−8週のSDラットで評価された。この研究はグループ当り5匹のオスラ ットの4グループよりなる。1晩絶食の後各グループの各動物は胃管栄養を経由 してポリマー5000mg/kg(水)の単一経口用量を受けた。用量は20m l/kgであった。1グループの動物は水を受け入れ、対照グループとして役立 たせた。2グループの動物はアルジネートマイクロスフェアを受けた。3グルー プのラットはポリLリシンM.W.68,000で被覆されたアルジネートマク イロスフェアを受けた。4グループの動物はポリ[ジ(カルボキシルアトフェノ キシ)ホスファゼン]マイクロスフェアを受けた。動物は7日間臨床観察された 。体重が免疫前第1日、および安楽死の時に記録された。血液サンプルが安楽死 の際CO2による麻酔後眼窩後血流洞の穿刺により得られた。動物は血液収集の 前に一晩絶食された。組織は剖検で検討され保存された。 マイクロスフェアを受けたラットと対照グループのラットの間には体重の増加 に著しい差異は見られなかった。血液学および臨床化学の結果は各グループのす べてのラットについて正常であった。剖検のいずれかの器官でも観察された異常 性に関連する処置は存在しなかった。この研究は5000mg/kgの経口用量 でポリホスファゼンおよびアルジネートマイクロス フェアが急性毒性ではないことを示した。 実施例2:タンパク質のとり込みおよびマイクロスフェアの放出特性 免疫応答を引き出すマイクロカプセル化抗原のために、抗原はマイクロスフェ アから放出されねばならない。抗原は2種の異なったしかし相互に排他的でない 拡散と侵食という過程を通じてマイクロスフェアから放出される。もしヒドロゲ ルが分散抗原を透過出来るなら、マイクロスフェアとマトリックスを充填する水 相に続いて、抗原はマイクロスフェアから単純に拡散出来る。従って、抗原の放 出は抗原に対するマイクロスフェアマトリックスの透過性の指標である。逆にポ リマーマトリックスに対する抗原の吸着は、マイクロスフェアからの抗原の拡散 を減少するかもしくは除去するのに役立つであろう。 放出速度の特性付け タンパク質分子量マーカー(エイマーシャム)およびFITC標識ウシ血清ア ルブミン(シグマ)が溶解性タンパク質の放出速度を研究するためにマイクロカ プセル化された。20nmポリスチレンビード(デューク サイエンティフィッ ク)の放出速度が比較の目的で使用することが出来る。 マイクロスフェア内のタンパク質の定量 免疫原性研究のために、マイクロスフェア内のタンパク質量 がとり込みパーセントを評価するためのマイクロフェア創出直後に、また既知の 抗原量のデリバリを確かめるための動物への注射直前にいずれも直接測定される 。 マイクロスフェアのタンパク質量はバイオ−ラッドタンパク質検定等の標準検 定では評価出来ない。タンパク質はヒドロゲルを検出する原因となるCa++をキ レート化してマイクロスフェアから放出することが出来るが、2価の陽イオンを 含むバイオ−ラッド試薬の追加はポリマーを再架橋させ抗原を染料試薬に対し利 用出来なくさせる原因となり得る。 イオン架橋マイクロスフェアにカプセル化されたタンパク質抗原の定量は、S DS−PAGE内の無傷マイクロフェアの既知の量を電気泳動させて測定される 。電気泳動の間に、タンパク質はマイクロスフェアマトリックスから移動しポリ アクリルアミドゲルに入る。タンパク質濃度はマイクロスフェア標本に対し平行 して電気泳動するカプセル化タンパク質の既知の量と比較することにより測定さ れる。 マイクロスフェアのサイズの測定 1乃至15ミクロンのマイクロスフェアがアジュバント作用を持つものと考え られ、従って望ましいものである。アルジネートおよびポリホスファゼンマイク ロスフェアのサイズはコールターLS100微粒子寸法測定器で測定される。こ のサイズは1乃至10ミクロンのサイズの%数字として報告されている。 ポリホスファゼンマイクロスフェアからの抗原放出の修飾 − ポリマー濃度および抗原分子量の作用 ポリ[ジ(カルボキシルアトフェノキシ)ホスファゼン]の透過性がポリアク リルアミドゲル電気泳動に普通使用される14,000乃至200,000ダル トンの分子量にわたるタンパク質分子量マーカー(レインボーTMタンパク質分子 量マーカー(エイマーシャム コーポレーション))のカプセル化により調査さ れた。タンパク質の放出は上澄みの分光光度測定により検定された。 この結果は図1で示される。14.3キロダルトン分子量のリゾチームのよう な特定のタンパク質の透過性はゲルの中にあるポリマーの濃度により影響を受け る。ポリマー濃度が1.5%から3.3%に上昇するにつれて、マイクロカプセ ルマトリックスからのタンパク質の拡散は著しく減少する。同様にタンパク質の 分子量が増加するにつれて、マトリックスからのタンパク質の拡散は遅延する。 例えば200キロダルトン分子量のミオグロビンタンパク質は3.3%のポリホ スファゼンマトリックスから24時間以内に拡散出来なかった。 ポリマー分子量および組成物の作用 抗原がマイクロフェアから放出される第2のメカニズムはマイクロスフェアを 構成するポリマーマトリックスの侵食を通じてである。侵食はゲル化反応の逆転 を通じて発生し、ポリマー 分子の可溶化および周囲の水状環境へのその回帰に帰着する。ポリホスファゼン マイクロスフェアの分解は生理食塩水溶液(pH7.4)で質量損失、ポリマー マトリックスの分子量および溶解物の形成をモニターすることにより研究された 。各種分子量のPCPPマイクロスフェアにとっての侵食プロフィールは図2で 示される。溶液内で高分子量のPCPPマイクロスフェアを20日保温し、また 更に180日間に延長したが検出出来る質量損失は観察されなかった。しかし同 じ期間でGPCデータはポリマー分子量の著しい減少を示している(図3a)。 分解のメカニズムは明らかに分子内カルボキシル基触媒作用を含むことが出来る 。マイクロスフェア調製のために低分子量のPCPPを使用すると、最初の10 日間でヒドロゲルの著しい侵食およびポリマー分子量の減少に導かれる(図3b )。マトリックスにあるのと事実上同じ分子量の水溶性ポリマー産物が検出され た。 このシステムでマトリックスから溶液へのポリホスファゼンの放出で約200 キロダルトンの分子量閾値が存在することをこれらのデータは示している。しか しポリマーの溶解度はマトリックスで支持されるカルシウムイオン(あるいは他 の多価陽イオンもしくはポリマー)の量および高分子の電離度に依存する。PC PPの侵食で観察される差異は抗原デリバリシステムにとってはもっとも重要な ものである。 ポリホスファゼンは加水分解度を含め調節可能な諸物性を提供出来る適切な側 基をとり込むことにより効果的にあつらえることが出来る。グリシナート基など の加水分解感受性ペンダン ト基の導入は水状架橋の下で分解速度を増加させる。ヒドロキシ誘導体を産出す るためにこれらのアミノホスファゼンの中性培地に現れる外部P−N結合の切断 が、ポリマーに加水分解不安定性を付与する。 グリシナート基の10%を含むポリ[ジ(カルボキシルアトフェノキシ)ホス ファゼン−コ−ジ(グリシナート)ホスファゼン](PC−G1PP)がマイク ロスフェアの調製および分解の研究に使用された。これらのポリマーヒドロゲル の侵食割合はまたポリホスファゼンの分子量に依存する。重量平均分子量130 キロダルトンのPC−GIPPは、図2で示されるように、3日以内に質量損失 が100%になる。図4におけるマトリックスおよび溶解物のGPC分析は、水 状環境で240日間保温するとポリマーバッグボーンが分解して1キロダルトン 以下の分子量を持つ断片および無機リン酸塩になることを示している。高分子電 解複合膜を産出するためにヒドロゲルマイクロスフェアをポリLリシン(分子量 62キロダルトン)で被覆すると、侵食率は2.5倍も著しく減少するが、これ は立体障害がポリホスファゼンマイクロスフェアの分解性および安定性を調節す る追加のアプローチを明らかに提供するためである。 架橋剤の作用 マイクロスフェアからの抗原放出を調節出来る第3の手段は、マイクスフェア の外側に半透過性膜を形成するポリLリシンあるいは類似の多価イオンを用いて ポリホスファゼンマイク ロスフェアを被覆することによる。マイクロスフェアコアは次いでEDTAなど のようなキレート剤の追加により液化されるが、キレート剤はゲル化工程を逆転 させポリホスファゼンマトリックスの可溶性を生み出す。透過性の度合いは被覆 工程で使用される多価イオンのサイズにより調節出来る。12乃至295キロダ ルトンの分子量にわたるポリLリシンで架橋したマイクロスフェアからの放出パ ーセントが図5で示される。ポリLリシンの分子量が増加するにつれて、被覆の 透過性は増加し、その結果マイクロスフェアからのポリスチレンビード20nm の放出が増加した。 ポリホスファゼン濃度を変化させ、ポリマーの側基を変更しまたマイクロスフ ェアをポリLリシンで被覆する能力は、マイクロスフェアが拍動性およびもしく は持続性放出速度で抗原を放出するマイクロスフェアを形成することを可能にす る。ゲル化およびマイクロスフェア形成のための非常に穏やかな条件を組合わせ たこのポリマーシステムの操作可能性により、抗体および免疫応答を誘導する単 一用量ワクチンを開発するためにはこのポリマーシステムが特に望ましいものと なる。 実施例3:試験管内および生体内免疫応答研究で測定されるマウスに経口投与さ れるアルジネートにカプセル化されたインフルエンザワクチンの効力 マイクロカプセル化抗原は経口ルートによるマウスの免疫化に使用された。免 疫応答の速度は、まず液性免疫の試験管検定により測定された。生体内研究の使 用は、抗体クラスの切替え を実施する能力、免疫応答の速さ、大きさおよび持続時間についての免疫化の用 量およびルートの効果、また免疫応答にブースターをかける必要性などの決定を 可能にする。下記に示されるようにELISA(エリザ)が全抗原特異的応答、 また同じくIgG応答のサブクラスを評価するために使用された。CTL検定は 細胞媒介応答を評価するために行うことができた。 下記で詳細に述べるように、破傷風トキソイド(コンノートラボラトリーズ) およびインフルエンザウイルスが免疫原性研究用としてカプセル化された。マイ クロカプセル化抗原は前記の通り調製され定量された。SDS−PAGEにより 測定されたアルジネートおよびポリホスファゼン内の抗原濃度は投与の前に無菌 イオン除去水で調節された。 生後7乃至8週間のメスBALB/cマウスが無作為に5個のグループに分け られた。flu抗原30マイクログラムが挿管法により口径投与された。血液サ ンプルはCO2麻酔マウスの眼窩後血脈洞から採取された。マウスは吸入室でC O2を使って安楽死させた。 ノヴァク他、ワクチン,11巻、55−60ページ(1992年)により展開 されたインフルエンザマウス疾病モデルシステムは、マイクロカプセル化インフ ルエンザを用いる免疫化によりもたらされる防護を研究するのに用いることが出 来た。マウスは免疫後のいくつかの時間で誘発試験が行われ、各種器官のウイル ス複製水準が測定された。これまでの研究では非経口免疫は鼻および気管を完全 に防護しなかったが、それは肺にお けるウイルス増殖を完全に防護する。かくしてワクチン効力は肺におけるウイル ス複製水準を基礎にして評価することが出来る。 インフルエンザは標準方法に従って卵で成長し、タンパク質、血球凝集および プラークの各検定により定量された。インフルエンザはホルムアルデヒド溶液3 8%の追加により最終濃度1:4000でホルマリン不活性化された。ウイルス 感染性もまた60o源から1.2×106ラドのガンマ線照射に被曝させて不活性 化された。 マウス血清の抗インフルエンザ特異的抗体がpH9.6の炭酸ナトリウム緩衝 液の中でインフルエンザ感染MDCK細胞溶菌液10μg/mlで被覆された9 6ウエルマイクロタイプレートでエリザにより測定された。被覆および洗浄後タ ンパク質の非特異的結合に利用出来る部位は、PBS溶液内にBSA2.5%を 加えることで遮断された。遮断および洗浄の後BSA/PBS1%内で血清の2 倍連続希釈液がウエルに加えられた。未結合血清は洗浄除去され、ホースラディ ッシュペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgGが加えられた。未結合接合体は 洗浄除去され、血清抗体は基質0−フェニレンジアミンジヒドロクロライドを加 えて検出された。反応はH2SO42Mの追加で停止し、吸光度は490nmで読 み取られた。終点力価は同じ希釈の抗体負のサンプルのそれよりも著しく大きい シグナルを生産する最大のサンプルの逆数である。エリザ反応性インフルエンザ 特異的抗体のTgGイソタイプは抗原に結合するマウス抗体の検出で測定された 。マウスIgGサブクラ ス1,2a,2bおよび3に特異的なホースラディッシュペルオキシダーゼ標識 ヒッジ抗マウス抗体がエリザプレートにある抗原と結合するマウス抗体で反応さ れた。 インフルエンザ血球凝集阻止抗体検定が、非特異的阻害剤を除去するためにニ ワトリ赤血球10%で30分保温された熱不活性マウス血清を使って行われた。 血清の2倍希釈液が96ウエルマイクロタイタプレートに加えられ、同量のウイ ルス懸濁液8HA単位が各ウエルに追加され、室温で30分保温された。ニワト リ赤血球0.5%懸濁液が各ウエルに加えられ、室温で45−60分保温された 。HI力価は赤血球の血球凝集を完全に阻害する最大希釈の逆数である。 研究の第1グループでは、グループ当り2匹のマウスよりなるBALB/cマ ウスの5個のグループが、無菌イオン除去水(グループI)、空のアルジネート マイクロスフェア(グループII)、インフルエンザ30μgを含むアルジネー トマイクロスフェア(グループIII)、インフルエンザ30μgプラス コレ ラ毒素(CT)10μgを混合して含むアルジネートマイクロスフェア(グルー プIV)、あるいは溶解性インフルエンザ30μg(グループV)で経口挿管に より免疫された。血液および糞のサンプルが免疫後7日、14日、21日および 28日に収集され、インフルエンザ抗体反応性のクラス特異性が測定された。 動物はアルジネートにマイクロカプセル化されたインフルエンザ単独もしくは コレラ毒素と併用して前記の通り免疫化された。 アルジネートマイクロカプセル化インフルエンザ抗原の結果は図6a,6bお よび6cで示される。インフルエンザ抗原を受けなかった対照マウス(グループ IおよびII)はflu特異的血清IgMあるいはIgG応答を示さなかった。 溶解性インフルエンザ(グループV)は7日に低いIgM力価を誘導し、それは 少なくとも14日まで維持されたが、図6で示されるようにIgG応答は検出さ れなかった。カプセル化fluおよびCTは図6bで示されるように免疫後14 日に高水準のflu特異的IgGを誘導した。これらの水準は28日まで維持さ れた。アルジネートマイクロカプセルfluの単独のものは、図6cで示される ように、マイクロスフェアインフルエンザ−CT混合物を受けた動物で見られた ものと同じflu特異的IgG力価を誘導した。良好な抗体力価は14日より早 い時期に観察され、高力価のIgGは少なくとも77日間存続した。 アルジネートカプセル化インフルエンザおよびコレラ毒素で免疫化された動物 は最初の免疫化から35日後にブースター投与された。その結果は図7に示され る。コレラ毒素と併用されるインフルエンザのブースター投与は糞サンプルで測 定されるようにIgAの生産を誘導する。 要約すると、アルジネートカプセル化fluは血清内のIgMおよびIgGに 特異的な抗原の導入に粘膜アジュバンドCTを必要としなかった。アルジネート カプセル化インフルエンザで得られたデータは、CTのない単一経口用量が高い flu特異的血清IgG応答を誘導することを示す。図7にお ける結果は、IgA抗体がCTのあるアルジネートカプセル化されたインフルエ ンザによる単一経口ブースター投与で誘導されることを示す。 実施例4:試験管内および生休内免疫応答研究で測定されるマウスへのポリホス ファゼンカプセル化インフルエンザワクチンの経口投与による抗体の 生産 前記の通りポリホスファゼンマイクロスフェアでカプセル化されたインフルエ ンザ単独もしくはコレラ毒素と併用した動物免疫化と同じ実験記録が続けられた 。 この結果は図8で示される。コレラ毒素がない場合、血清あるいは糞のいずれ かにも抗インフルエンザ抗体の測定可能な生産は少し遅れたもののアルジネート カプセル化抗原(図6b)で示されたものと同じ様式でIgMの生産が存在する 。 実施例5:マイクロカプセル化破傷風トキソイドを用いるマウスの鼻腔内免疫化 マウスは4グループにわけられ、(1)水中の破傷風トキソイド(9動物), (2)アルジネートマイクロスフェアの破傷風トキソイド,(9動物),(3) PCPPマイクロスフェアの破傷風トキソイド(10動物),および(4)アル ジネート95%/PCPP5%よりなるマイクロスフェアの破傷風トキソイド( 9動物)が鼻腔内に接種された。それぞれの場合において抗原50μgが投与さ れた。マウスはエリザで2週後(血清)および3週後(気管支および鼻洗浄)抗 体生産を検定され た。結果は表1で示される。 ボリホスファゼンあるいはアルジネート/ポリホスファゼンマイクロスフェア の抗原鼻腔内投与が血清IgG応答を誘導することを明確に示している。更に抗 原がアルジネートおよびPCPPの組合せでカプセル化される場合に、この投与 方法がIgA分子の生産を誘導するのに使用出来ることをこの結果が示している 。 実施例6:マイクロスフェアカプセル化破傷風トキソイドによ るマウスの非経口免疫化および従来型アジュバンドによる免疫化との 比較 伝統的に大抵の注射用非複製ワクチンは防護するのに十分な血清抗体力価を達 成するために多重用量を必要とした。明らかな理由でもって単一接種で防護を達 成することがより望まれる。従って抗原の免疫原性に対するポリホスファゼンの 作用は単一用量で皮下免疫されたマウスで検証された。水、ミョウバンおよび完 全フロイントアジュバンド処方の抗原がコンパラトールとして多くの実験に含ま れた。 アルジネートあるいはポリホスファゼンよりなるポリマーマイクロスフェアで 処方された破傷風トキソイド抗原の免疫原性が、溶解性破傷風トキソイドおよび 標準アジュバンドであるミョウバンおよび完全フロイトアジュバンド(CFA) の破傷風トキソイドと比較された。5匹のマウスのグループが破傷風トキソイド 20μgで皮下ルートを用いて免疫化された。 この結果は表2で示される。抗破傷風トキソイド血清免疫応答はエリザで検定 された。溶解性破傷風トキソイド抗原およびアルジネートマイクロカプセル化破 傷風トキソイドは13週で512の最大力価を誘導した。破傷風トキソイドを含 むポリホスファゼンマイクロスフェアはミョウバンあるいは完全フロイントアジ ュバント破傷風トキソイドよりも免疫後より早い時期により高い抗体力価を誘導 した。更に破傷風トキソイドを含むポリホスファゼンマイクロスフェアは免疫後 13週でもまだ上昇を続ける抗体力価を誘導した。このおそい時点において、ポ リホスファゼンマイクロスフェア破傷風トキソイドは 65,536の力価を誘導し、これは溶解性破傷風トキソイドでみられる応答よ りも約100倍強力であり、ミョウバンおよび完全フロイントアジュバントでみ られるものと同じ位あるいは少し上まわる(2乃至4倍)ものであった。ボリホ スファゼンマイクロスフェアは破傷風トキソイドに対する抗体の誘導でアルジネ ートマイクロスフェアよりも明らかに優れていた。 破傷風トキソイドによる免疫化の用量依存効果がポリホスファゼンマイクロス フェアあるいは完全フロイントアジュバントで処方された破傷風トキソイドの量 を変更してマウスを免疫化することにより検証された。 この結果は表3で示される。ポリホスファゼンマイクロスフェア破傷風トキソ イドの免疫原性は完全フロイントアジュバント処方破傷風トキソイドに比べて非 常に有利であった。すべての時点およびすべての破傷風トキソイド用量において 、2種の処方のエリザ力価はお互いの2倍の希釈度内にあった。 実施例7:ポリマーマイクロスフェアにあるいはアジュバンドで処方されたイン フルエンザ微粒子による非経口 免疫化 マウスは更にポリマーマイクロスフェア、ミョウバンおよび完全フロイントア ジュバントに処方されたホルマリン不活性化インフルエンザウイルス5μgで免 疫化されたが、これはその処方の相対効率が破傷風トキソイドに対するものと比 べて外膜ウイルスに対するものと同じであるかどうかを測定するためであった。 この結果は表4で示される。再度ポリホスファゼンマイクロスフェアは非常に 高い力価抗flu免疫応答を誘導することでは完全フロイントアジュバントと同 じ位効率的であり、水、ミョウバンあるいはアルジネートマイクロスフェアより もずっと効率的であった。破傷風トキソイドの結果とは対照的に、ミョウバンア ジュバントのインフルエンザはかなり低い力価抗flu応答を誘導する水溶性イ ンフルエンザおよびアルジネートマイクロカブセル化インフルエンザと同様に低 かった。これをまとめると、抗原を含むポリホスファゼンマイクロスフェアは完 全フロイントアジュバント処方抗原と同じ大きさの抗体応答を誘発することをこ の結果が示している。 マワス血清は血球凝集阻止および中和検定により機能抗体の存在を検証された 。血球凝集阻止検定は表5で示される。HAI検定で測定されたように、flu を含むポリホスファゼンマイクロスフェアは7週で1280の抗体力価を誘発し 、一方ミョウバンおよびアルジネートマイクロスフェアのfluと同じく完全フ ロイントアジュバントのfluはHAI力価を検出出来ずあるいは誘発しても非 常に低い力価であった。 インフルエンザ感染性を中和する抗体は50%プラーク減数検定で検定された 。ポリホスファゼンマイクロスフェアのfluは13週までに800の検知力価 を誘導したが、水溶解および完全フロイントアジュバントのfluは検出可能中 和抗体力価を誘導しなかった。HAIおよび中和検定はインフルエンザにとって は感受性機能抗体検定である。かくしてポリホスファゼンマイクロスフェアによ り産み出される免疫応答は完全フロイントアジュバントより優れている。 これらの処方により誘導されるIgGイソタイプはエリザ検定で測定された。 結果は表7で示される。ミョウバンアジュバントのインフルエンザは予期した通 り単にIgG1応答を誘導した。完全フロイントアジュバントで処方されたfl uは主としてIgG1応答を誘導し、それは7週でビークを迎え13週までに衰 退していった。アルジネートおよびポリホスファゼンマイクロスフェア処方のf luは同じく主としてIgG1応答を誘導し、それは7週までにミョウバン処方 のfluよりも高い値であった。更にポリホスファゼンマイクロスフェア処方抗 原は、完全アジュバント処方抗原により誘導される力価に比べて非常に有利な力 価を誘導した。完全フロイントアジュバントと同じように、ボリホスファゼンマ イクロスフェアはかなりの水準のIgG2aおよびIgG2b抗体を誘発した。 IgG3イソタイプで検出される活性水準で免疫応答での著しい差異が見出され た。ポリホスファゼンマイクロスフェアは有意のIgG3抗体力価を誘導するこ との出来る唯一の処方であった。 ポリマーアジュバントおよび合成法更にワクチン組成物への使用に関するこの 発明の修飾および変更は、前記の詳細な説明から当業者にとっては明らかであろ う。このような修飾および変更は付記する特許請求の範囲内にあるように意図さ れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,BR,CA,CN,J P,KR,NZ (72)発明者 ジェンキンズ,シャロン,エイ. アメリカ合衆国,01960 マサチューセッ ツ,ピーボディ,ベケット ストリート 10 (72)発明者 ペイン,レンドン,ジー. アメリカ合衆国,02174 マサチューセッ ツ,アーリントン,ヒルサイド アヴェニ ュー 103 (72)発明者 ロバーツ,ブライアン,イー. アメリカ合衆国,02139 マサチューセッ ツ,ケンブリッジ,ローレンス ストリー ト 35

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.一つのワクチン組成物であって、免疫原性作用を誘発する抗原の有効量をカ プセル化した生物適合性ポリマーよりなるヒドロゲル極微粒子を含み、この極微 粒子は200ミクロンあるいはそれ以下の直径を持つワクチン組成物。 2.請求の範囲第1項記載の組成物であって、ここで極微粒子が1ミクロンから 15ミクロンまでの直径を持つことを特徴とする組成物。 3.請求の範囲第1項記載の組成物であって、ここでポリマーがヒドロゲルを形 成するために物理的架橋、共有結合架橋あるはイオン架橋により架橋することが 出来るポリマーおよびポリマーの塩よりなるグループから選択される生物適合性 ポリマーであることを特徴とする組成物。 4.請求の範囲第3項記載の組成物であって、ここでポリマーがアルジネート、 ゼラチン、ペクチン、コラーゲン、ホスファゼン高分子電解質、ポリ(アクリル アミド)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(N−ビニル ピロリドン)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(エチレングリ コール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル 酸)、スルホン酸ポリスチレン、ポリアミン、ポリ(ビニルピリジン)、および そのポリマーおよびモノマーの混合物およびコポリマーよりなるグループから選 択されることを特徴とする組成物。 5.請求の範囲第3項記載の組成物であって、ここでポリマーが式: のホスファゼン高分子電解質であり、ここでAおよびBはポリマー内で独立して 変化することが出来、それは、 (i)使用条件の下で加水分解を受けやすい基、もしくは (ii)使用条件の下で加水分解を受け難い基であり、脂肪族、アリル、アラルキル 、アルカリル、カルボン酸、ヘテロ芳香族、ヘテロアルキル、(脂肪族)アミノ −、ヘテロアラルキル、ジ(脂肪族)アミノ−、アリルアミノ−、ジアリルアミ ノ−、アルキルアリルアミノ−、−オキシアリル、−オキシフェニルCO2H、 −オキシフェニルSO3H、−オキシフェニルヒドロキシル、−オキシフェニル PO3H、−オキシ脂肪族、−オキシアルキル、−オキシ(脂肪族)CO2H、− オキシ(脂肪族)SO3H、−オキシ(脂肪族)PO3H、−オキシ(脂肪族)ヒ ドロキシル、−オキシアルカリル、−オキシアラルキル、−チオアリル、−チオ 脂肪族、−チオアルカリル、−チオアラルキル、あるいは−NHC(O)O−( アリルあるいは脂肪族)、−O−〔(CH2)xO]y−(CH2)xNH2、− O−[(CH2)xO]y(CH2)xNH(CH2)xSO3H、および−O−[ (CH2)xO]y−(アリルあるいは脂肪族)、であり、ここでxは1乃至8 、またyは1乃至20の整数であり、またnは10および20,000の間にあ る基よりなるグループから選択される基、 であり得ることを特徴とする組成物。 6.ポリマーが多価陽イオンあるいは高分子電解質で架橋されることを特徴とす る請求の範囲第1項記載の組成物。 7.ポリマーがアルジネートおよびホスファゼン高分子電解質の混合物であるこ とを特徴とする請求の範囲第4項記載の組成物。 8.請求の範囲第1項記載の組成物であって、ここで抗原が細胞、細菌、ウイル ス粒子、およびそれらの一部から誘導される化合物よりなるグループから選択さ れ、ここで化合物がタンパク質、ペプチド、多糖類、糖タンパク質、糖脂質、核 酸、あるいはその組合せよりなるグループから選択されることを特徴とする組成 物。 9.請求の範囲第8項記載の組成物であって、ここで抗原がロタウイルス、麻疹 、流行性耳下腺炎、風疹、小児麻痺、A型およびB型肝炎およびヘルペスウイル ス、ヒト免疫不全ウイルス、インフルエンザ菌、破傷風菌、インフルエンザ、ジ フテリア菌、および淋菌よりなるグループから選択される生体から誘導されるこ とを特徴とする組成物。 10.ポリマーが抗原と共有接合されることを特徴とする請求の範囲第1項記載 の組成物。 11.組成物が更にムラミルジペプチド、ムラミルトリペプチド、サイトカイン 、ジフテリア毒素、エキソトキシンA、コレラ毒素A、コレラ毒素B、および溶 解性ホスファゼンよりなるグループからのアジュバントを含むことを特徴とする 請求の範囲第1項記載の組成物。 12.極微粒子が胃の酸pHから極微粒子を防護するコーティングの内部にある ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の組成物。 13.動物に免疫応答を生じさせる一つの方法であって、免疫原性作用を誘発す る抗原の有効量をカプセル化する生物適合性ポリマーで形成されるヒドロゲル極 微粒子を含むワクチン組成物をその動物に投与する段階を含み、ここで極微粒子 は直径が200ミクロンもしくはそれ以下である一つの方法。 14.マイクロスフェアが粘膜面に投与されることを特徴とする請求の範囲第1 3項記載の方法。 15.粘膜面へのルートが気管内であることを特徴とする請求の範囲第14項記 載の方法。 16.粘膜面へのルートが鼻腔内であることを特徴とする請求の範囲第14項記 載の方法。 17.粘膜面が直腸および膣よりなるグループから選択されることを特徴とする 請求の範囲第14項記載の方法。 18.粘膜面へのルートが経目であることを特徴とする請求の範囲第14項記載 の方法。 19.粘膜面へのルートが非経口であることを特徴とする請求の範囲第14項記 載の方法。 20.極微粒子が1ミクロンから15ミクロンまでの直径を持つことを特徴とす る請求の範囲第13項記載の方法。 21.請求の範囲第13項記載の方法であって、ここでポリマーがアルジネート 、ゼラチン、ペクチン、コラーゲン、ホスファゼン高分子電解質、ポリ(アクリ ルアミド)、ポリ (メタクリルアミド)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、 ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ (ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、スルホン 酸ポリスチレン、ポリアミン、ポリ(ビニルピリジン)、およびそれらのポリマ ーおよびモノマーの混合物およびコポリマーよりなるグループから選択されるこ とを特徴とする請求の範囲第13項記載の方法。 22.請求の範囲第21項記載の方法であって、ここでホスファゼン高分子電解 質が式: のものであり、ここでAおよびBはポリマー内で独立して変化することが出来、 それは (i)使用条件の下で加水分解を受けやすい基、もしくは (ii)使用条件の下で加水分解を受け難い基であり、脂肪族、アリル、アラルキル 、アルカリル、カルボン酸、ヘテロ芳香族、ヘテロアルキル、(脂肪族)アミノ −、ヘテロアラルキル、ジ(脂肪族)アミノ−、アリルアミノ−、ジアリルアミ ノ−、アルキルアリルアミノ−、−オキシアリル、−オキシフェニルCO2H、 −オキシフェニルSO3H、−オキシフェニルヒドロキシル、−オキシフェニル PO3H、−オキシ脂肪族、−オキシアルキル、−オキシ(脂肪族)CO2H、− オキシ(脂肪族)SO3H、−オキシ(脂肪族)PO3H、−オキシ (脂肪族)ヒドロキシル、−オキシアルカリル、−オキシアラルキル、−チオア リル、−チオ脂肪族、−チオアルカリル、−チオアラルキル、−NHC(O)O −(アリルあるいは脂肪族)、−O−〔(CH2)xO]y−(CH2)xNH2 、−O−〔(CH2)xO]y(CH2)xNH(CH2)xSO3H、あるいは− O−〔(CH2)xO]y−(アリルあるいは脂肪族)、であり、ここでxは1 乃至8、またyは1乃至20の整数であり、またnは10および20,000の 間にある基よりなるグループから選択される基、 であり得ることを特徴とする方法。 23.ポリマーがアルジネートおよびホスファゼンの混合物であることを特徴と する請求の範囲第21項記載の方法。 24.請求の範囲第13項記載の方法であって、ここで抗原が細胞、細菌、ウイ ルス粒子、およびその一部より誘導される化合物よりなるグルーブから選択され 、ここで化合物はタンパク質、ペプチド、多糖類、糖タンパク質、糖脂質、核酸 、あるいはその組合せよりなるグループから選択されることを特徴とする方法。 25.請求の範囲第24項記載の方法であって、ここで抗原がロタウイルス、麻 疹、流行性耳下腺炎、風疹、小児麻痺、A型およびB型肝炎およびヘルベスウイ ルス、ヒト免疫不全ウイルス、インフルエンザ菌、破傷風菌、インフルエンザ、 ジフテリア菌、および淋菌よりなるグルーブから選択される生体から誘導される ことを特徴とする方法。 26.ポリマーが抗原と共有接合されることを特徴とする請求 の範囲第13項記載の方法。 27.請求の範囲第13項記載の方法であって、ムラミルジペプチド、ムラミル トリペプチド、サイトカイン、ジフテリア毒素、エキソトキシンA、コレラ毒素 A、コレラ毒素B、および溶解性ホスファゼンよりなるグループからのアジュバ ントを更に含むことを特徴とする方法。 28.極微粒子が胃の酸pHから極微粒子を防護する材料と併用して投与される ことを特徴とする請求の範囲第13項記載の方法。 29.極微粒子が異なる放出速度を持つことを特徴とする請求の範囲第13項記 載の方法。 30.ワクチン組成物を製造する一つの方法であって、抗原の存在の下で生物適 合性ポリマーのヒドロゲルを形成することにより200ミクロンあるいはそれ以 下の直径を持つ極微粒子を形成することを含む方法。 31.物理的架橋、共有結合架橋あるはイオン架橋によりポリマーがヒドロゲル に形成されることを特徴とする請求の範囲第30項記載の方法。 32.請求の範囲第31項記載の方法であって、ここでポリマーがアルジネート 、ゼラチン、ペクチン、コラーゲン、ホスファゼン高分子電解質、ポリ(アクリ ルアミド)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(N−ビニ ルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(エチレング リコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリ ル酸)、スルホン酸ポリスチ レン、ポリアミン、ポリ(ビニルビリジン)、およびそのポリマーおよびモノマ ーの混合物およびコポリマーよりなるグループから選択されることを特徴とする 方法。 33.請求の範囲第32項記載の方法であって、ここでポリマーは式: のホスファゼン高分子電解質であり、ここでAおよびBはポリマー内で独立して 変化することが出来、それは、 (i)使用条件の下で加水分解を受けやすい基、もしくは (ii)使用条件の下で加水分解を受け難い基であり、脂肪族、アリル、アラルキル 、アルカリル、カルボン酸、ヘテロ芳香族、ヘテロアルキル、(脂肪族)アミノ −、ヘテロアラルキル、ジ(脂肪族)アミノ−、アリルアミノ−、ジアリルアミ ノ−、アルキルアリルアミノ−、−オキシアリル、−オキシフェニルCO2H、 −オキシフェニルSO3H、−オキシフェニルヒドロキシル、−オキシフェニル PO3H、−オキシ脂肪族、−オキシアルキル、−オキシ(脂肪族)CO2H、− オキシ(脂肪族)SO3H、−オキシ(脂肪族)PO3H、−オキシ(脂肪族)ヒ ドロキシル、−オキシアルカリル、−オキシアラルキル、−チオアリル、−チオ 脂肪族、−チオアルカリル、−チオアラルキル、あるいは−NHC(O)O−( アリルもしくは脂肪族)、−O−〔(CH2)xO]y−(CH2)xNH2、− O−[(CH2)xO]y(CH2)xNH (CH2)xSO3H、および−O−[(CH2)xO]y−(アリルもしくは脂 肪族)、であり、ここでxは1乃至8、またyは1乃至20の整数であり、また nは10および20,000の間にある基よりなるグループから選択される基、 であり得ることを特徴とする方法。 34.抗原の放出で調節された速度を達成するための特異的な分子量を持つボリ マーを選択することを更に含むことを特徴とする請求の範囲第30項記載の方法 。 35.抗原の放出で調節された速度を達成するための特定の分子量を持つ架橋陽 イオンもしくはポリマー分子を選択することを更に含むことを特徴とする請求の 範囲第30項記載の方法。 36.水状環境で分解速度を増加するために加水分解感受性ペンダント基を持つ ポリマーを選択することを更に含むことを特徴とする請求の範囲第30項記載の 方法。 37.拍動放出を持つ免疫原性組成物を形成するために異なった放出速度を持つ 抗原を一緒に含む極微粒子を混合することを更に含むことを特徴とする請求の範 囲第30項記載の方法。 38.ある極微粒子からの抗原放出が他の極微粒子よりもより長い時間後に行わ れるため延長した時間の放出が出来る免疫原性組成物を形成するために異なった 放出速度を持つ抗原を一緒に含む極微粒子を混合することを更に含むことを特徴 とする請求の範囲第30項記載の方法。
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