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JPH09255950A - 蓄光性蛍光顔料の製造方法 - Google Patents

蓄光性蛍光顔料の製造方法

Info

Publication number
JPH09255950A
JPH09255950A JP654097A JP654097A JPH09255950A JP H09255950 A JPH09255950 A JP H09255950A JP 654097 A JP654097 A JP 654097A JP 654097 A JP654097 A JP 654097A JP H09255950 A JPH09255950 A JP H09255950A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorescent pigment
activator
phosphorescent fluorescent
gel
phosphorescent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP654097A
Other languages
English (en)
Inventor
Mizue Fujimori
瑞惠 藤森
Seki Hirashima
碩 平島
Hiroaki Imai
宏明 今井
Shiyunroku Go
濬禄 呉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
Priority to JP654097A priority Critical patent/JPH09255950A/ja
Publication of JPH09255950A publication Critical patent/JPH09255950A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射性物質を含まず化学的に安定な金属酸化
物系の蓄光性蛍光顔料の製造法において、従来の製造法
に比べ製造工程の簡略化を図ると共に純度が高い蓄光性
蛍光顔料が得られ、顔料の粒径制御が可能な蓄光性蛍光
顔料の製造方法を提供する。 【解決手段】 金属酸化物系結晶である母結晶と、附活
剤、共附活剤よりなる蓄光性蛍光顔料、並びに金属酸化
物系結晶である母結晶と、附活剤、共附活剤、及びその
他添加元素よりなる蓄光性蛍光顔料において、構成金属
元素のアルコキシド誘導体、有機酸塩または無機酸塩を
用いるゾル−ゲル法により得られたゲル粉末を還元雰囲
気下で焼成する事により蓄光性蛍光顔料を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄光性蛍光顔料の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在市場で多く用いられている蓄光性蛍
光顔料は硫化亜鉛系蛍光体に蓄光性能を高めるための放
射性物質を添加したものである。これらの物質は化学的
に不安定で耐光性に劣るという欠点のみならず放射性物
質を含有するため製造上の管理体制が厳しく、また使用
量が制限されるなどの欠点を有している。
【0003】これらの問題を解決する方法として最近特
開平7−11250、USP5,376,303等に金
属酸化物系結晶中に複数の希土類元素をドープする事に
より有害な物質を含まず化学的に安定な蓄光性蛍光顔料
が得られる事が報告された。
【0004】通常これら蓄光性蛍光顔料の製造法は母結
晶、附活剤、共附活剤の構成元素の酸化物、ハロゲン化
物、或いは炭酸塩を混合焼成してなる固相反応が用いら
れる。
【0005】固相反応法では微量の不純物により蓄光性
蛍光顔料の特性が大きく左右される事より原料を充分に
精製する精製工程が重要となる。
【0006】精製後、これら精製原料をブレンダ、或い
はボールミル等で混合しその後還元雰囲気下で焼成を行
う。例えば母結晶がアルミン酸塩の場合はおよそ130
0℃以上の高温度を要する。
【0007】焼成後、焼結した生成物はクラッシャー、
ボールミル等で粉状に粉砕される。蓄光性蛍光顔料は粒
径により発光特性やその後の塗工性が異なるため粉砕
後、粗大粒子や微粒子を除く目的で分級を行う。
【0008】更に、固相反応法では焼結の際、結晶成長
を助長する目的でアルカリ、またはアルカリ土類金属の
ハロゲン化物やほう酸等の融剤(フラックス)を添加す
る場合が多い事からこれらの融剤、不純物を除く目的で
分級後洗浄、乾燥工程を経て目的とする蓄光性蛍光顔料
が得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記固相反応法では焼
成前の精製工程を必要とする事、焼成後洗浄工程で除か
れる融剤を系に添加する事が必要である事、目的とする
結晶型を得るには高温焼成が必要である事、焼成粉砕後
に得られる粒径が不均一であり分級工程を要する事、洗
浄工程を必要とする事等の複雑な製造工程、反応条件が
必要となる。
【0010】本発明は固相反応に必要な複雑な製造工程
の減少が図られ、更に目的とする結晶型純度の高い均質
な粒径の蓄光性蛍光顔料を得る事が可能となる製造方法
を提供する事を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の蓄光性蛍光顔料の製造法は、金属酸化物系結晶であ
る母結晶と附活剤、共附活剤よりなる蓄光性蛍光顔料、
並びに金属酸化物系結晶である母結晶と附活剤、共附活
剤、及びその他添加元素よりなる蓄光性蛍光顔料におい
て、前記蓄光性蛍光顔料の構成構成金属元素のアルコキ
シド誘導体、有機酸塩、無機酸塩、酸化物、または塩化
物を用いるゾル−ゲル法により蓄光性蛍光顔料を製造す
る事を特徴とするものである。
【0012】更に本発明の蓄光性蛍光顔料の製造方法は
母結晶がAl、Sr、Ca、Baよりなる群の少なくと
も2つ以上の構成元素よりなる金属酸化物系結晶である
事を特徴とするものである。
【0013】更に本発明の蓄光性蛍光顔料の製造方法は
附活剤がEuである事を特徴とするものである。
【0014】更に本発明の蓄光性蛍光顔料の製造方法は
共附活剤がLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、D
y、Ho、Er、Tm、Y、Luよりなる群の少なくと
も1つ以上の構成元素よりなる事を特徴とするものであ
る。
【0015】更に本発明の蓄光性蛍光顔料の製造方法は
その他添加元素がB、Cu、Pよりなる群の少なくとも
1つ以上の構成元素よりなる事を特徴とするものであ
る。
【0016】更に本発明の蓄光性蛍光顔料の製造方法は
ゾル−ゲル法により得られたゲル粉末を還元雰囲気下で
焼成する事により蓄光性蛍光顔料を製造する事を特徴と
するものである。
【0017】次に本発明のゾル−ゲル法による蓄光性蛍
光顔料の製造法について説明する。
【0018】第1工程として母結晶を構成する金属元素
のアルコキシド誘導体、有機酸塩、または無機酸塩を極
性有機溶媒中に溶解し均一溶液とする。一般に用いられ
る有機溶媒はアルコール類であるがそのほかグリコール
系溶媒、ベンゼン等の非極性溶媒、アミン系溶媒などを
用いる事が可能である。
【0019】第2工程として反応系に水を添加し加水分
解→縮重合をへて均一溶液からゾル溶液を得る。この
際、反応系のpH、水の濃度を変化させる事により反応
速度をコントロールする事が可能である。
【0020】第3工程としてゾル溶液よりゲル溶液を得
るが、ゲル溶液はゾル溶液生成後時間経過により自然に
生成する場合、或いは反応系の濃縮、pHコントロール
等により得る事が可能である。
【0021】第4工程では得られたゲル溶液を適当な時
間エージングした後乾燥する事によりゲル粉末を得る。
【0022】その後の第5工程でゲル粉末を還元雰囲気
下で焼成する事により母結晶を得る。
【0023】本発明では蓄光性蛍光顔料の母結晶粉末を
上記工程処理により得るが、蓄光性蛍光顔料の附活剤、
共附活剤、及びその他添加元素のアルコキシド誘導体、
有機酸塩、無機酸塩、または酸化物は第1から第5の何
れかの工程中に添加する事が可能である。
【0024】またゲル粉末の焼成は発光種である附活剤
のEuを3価から2価に還元する必要があるため還元雰
囲気下で行う必要がある。
【0025】(作用)本発明のゾル−ゲル法による蓄光
性蛍光顔料の製造法は脱水処理を施した原料を用いゾル
−ゲル反応により均一溶液→ゾル溶液→ゲル溶液→ゲル
粉末を得、還元雰囲気下で焼成する事により蓄光性蛍光
顔料を得る方法である。
【0026】従来の固相反応法による製造法と比較した
場合、製造工程については原料の精製の簡略化、焼成温
度の低減化、粉砕工程の省略、分級工程の省略が図られ
ると共に、得られる蓄光性蛍光顔料は不純物混入が無
く、また低温焼成条件下で目的とする純度の高い母結晶
の結晶型が得られる。またゾル−ゲル反応条件を選択す
る事による粒径の制御が可能である事よりその後の塗布
工程条件等に見合った粒径の蓄光性蛍光顔料を得る事が
可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】次に本発明の一部を実施例に、従
来法である固相法による蓄光性蛍光顔料の製造法を比較
例に挙げ図を用いて説明する。
【0028】(実施例1)アルミニウム トリ(2−ブ
トキシド)0.02モル(4.927g)とストロンチ
ウム ジ(2−プロポキシド)0.01モル(2.05
8g)をそれぞれ40ml、並びに20mlの2−エト
キシエタノールに添加し1時間攪拌後混合した。混合溶
液を130℃にて17時間還流後、室温に戻し5.40
6gの水を添加し加水分解を行った。30min攪拌
後、附活剤Eu230.00328gと共附活剤Dy2
30.00325gを硝酸2gに溶解した溶液を添
加、攪拌後得られたゲル溶液を60℃下で24時間エー
ジングした。その後150℃でゲル溶液を乾燥し非常に
脆いゲル粉末の塊を得た。塊を乳鉢で粉状に解した後還
元雰囲気下で1000℃、2時間仮焼成を行い、その後
更に還元雰囲気下で1300℃、2時間本焼成を行っ
た。
【0029】実施例1で得られたゲル粉末のTG−DT
A測定結果を図−1に示す。120℃付近の吸熱ピーク
は溶媒の蒸発によるもの、320−350℃付近の発熱
ピークは有機物の燃焼によるものと考えられる。その
後、900℃付近に結晶化と思われる発熱ピークが現れ
る。
【0030】次に実施例1で得られたゲル粉末の各焼成
温度でのXRDスペクトル変化を図−2に示す。400
℃、600℃においては母結晶の構成元素であるストロ
ンチウムが硝酸、或いは空気中の二酸化炭素と反応し生
成すると考えられる硝酸ストロンチウム、炭酸ストロン
チウムのピークが確認されるが800℃においては非晶
質となり1000℃ではSrAl24結晶が単独相で存
在する事が認められた。この事は図−1の900℃付近
の発熱ピークはSrAl24の結晶化によるものである
事を示す。
【0031】更に実施例1で本焼成後得られた粉末を電
子顕微鏡にて観察したところ、粒径がおよそ0.4μm
から0.8μm程度に揃っており表面が滑らかで球状に
近い粉末である事が判った。
【0032】(比較例1)α−酸化アルミニウム0.0
1モル(1.020g)と炭酸ストロンチウム0.01
モル(1.476g)、並びに附活剤Eu23(0.0
0328g)と共附活剤Dy23(0.00325g)
を乳鉢にて混合し還元雰囲気下で1300℃、2時間仮
焼成を行った後、ボールミルにて焼成物を粉砕混合し、
その後更に還元雰囲気下で1300℃、2時間本焼成を
行った。
【0033】上記固相反応の各温度でのXRDスペクト
ル変化を図−3に示す。400℃、並びに800℃にお
いても原料の酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウムの
ピークのみが確認された。実施例1とは異なり1000
℃ではSrAl24結晶は確認されず、1300℃にお
いてもSrAl24結晶が主相として存在するものの第
2相としてSrAl47結晶も共存する事が認められ
た。
【0034】更に固相反応で本焼成後得られた粉末を電
子顕微鏡にて観察したところ、実施例1とは異なりそれ
ぞれの粒径に大きな差が見られ(0.1μm程度〜2μ
m)形状は角張った粉末である事が判った。
【0035】(実施例2)加水分解工程までは上記実施
例1と同様に行った。水を添加後室温30min攪拌し
得られたゲル溶液を60℃下で24時間エージングし
た。その後150℃でゲル溶液を乾燥し非常に脆いゲル
粉末の塊を得た。この塊に附活剤Eu230.0032
8gと共附活剤Dy230.00325gを添加し乳鉢
にて混合し粉状に解した後還元雰囲気下で1000℃で
2時間仮焼成を行い、その後更に還元雰囲気下で130
0℃、2時間本焼成を行った。
【0036】得られた粉末のXRDスペクトルは実施例
1と同様にSrAl24結晶が単独相で存在する事が認
められた。
【0037】更に電子顕微鏡にて得られた粉末を観察し
たところ、実施例1と同様に粒径がおよそ0.4μmか
ら0.8μm程度に揃っており表面が滑らかで球状に近
い粉末である事が判った。
【0038】(実施例3)ゲル粉末工程までは上記実施
例2と同様に行った。得られたゲル粉末の塊を乳鉢で粉
状に解し還元雰囲気下で1000℃、2時間仮焼成を行
った。仮焼成後、附活剤Eu230.00328gと共
附活剤Dy230.00325gを添加し乳鉢にて混合
し粉状に解した後還元雰囲気下で1000℃で2時間仮
焼成を行い、その後更に還元雰囲気下で1300℃、2
時間本焼成を行った。
【0039】実施例3で本焼成後得られた粉末の励起、
並びに蛍光スペクトルを図−4に示す。その結果、22
0nmから420nmの幅広い励起帯を有し510nm
付近にλmaxを持つ発光ピークを示す事が判る。
【0040】図−5に実施例3、並びに比較例1で本焼
成後に得られた粉末を370nmで励起した際の発光ス
ペクトルを、図−6に実施例3、並びに比較例1で本焼
成後に得られた粉末を370nmで励起した際の残光強
度変化を示す。その結果、どちらの粉末も蓄光性蛍光顔
料の特性を示すが、比較例1の固相反応により得られた
粉末に比べ実施例3のゾル−ゲル法により得られた粉末
の方が発光強度、残光特性共に優れている事が明らかで
ある。
【0041】(実施例4)ゲル粉末工程までは上記実施
例2と同様に行った。得られたゲル粉末の塊を乳鉢で粉
状に解し還元雰囲気下で1000℃、2時間仮焼成を行
った。仮焼成後、附活剤Eu230.0164gと共附
活剤Dy230.00325gを添加し乳鉢にて混合し
粉状に解した後還元雰囲気下で1000℃で2時間仮焼
成を行い、その後更に還元雰囲気下で1300℃、2時
間本焼成を行った。
【0042】図−7に実施例4、並びに実施例3で本焼
成後に得られた粉末を370nmで励起した際の残光強
度変化を示す。どちらの粉末も蓄光性蛍光顔料の特性を
示し附活剤、共附活剤濃度の変化により残光特性が変化
する事が明らかである。また初期輝度についても実施例
4で得られた蓄光性蛍光顔料の方が実施例3で得られた
蓄光性蛍光顔料に比べ高い事が判った。
【0043】(実施例5)アルミニウム トリ(2−ブ
トキシド)0.02モル(4.927g)を40mlブ
タノールに添加し、2時間攪拌した溶液に酢酸ストロン
チウム・1/2H2 O0.01モル(2.147g)を
7.2gの水に添加した水溶液を混合し均一溶液とす
る。そこに28%アンモニア水溶液20gを加え加水分
解を行った。30min攪拌後、Eu230.0032
8gとDy230.00325gを硝酸2gに溶解した
溶液を添加、攪拌後得られたゲル溶液を60℃下で24
時間エージングした。その後150℃でゲル溶液を乾燥
し非常に脆いゲル粉末の塊を得た。塊を乳鉢で粉状に解
した後1000℃、2時間仮焼成を行い、その後130
0℃で本焼成を行った。
【0044】得られた粉末の形状、粒径並びに残光特性
は実施例1と同様であった。
【0045】(実施例6)アルミニウム トリ(2−ブ
トキシド)0.04モル(9.854g)とストロンチ
ウム ジ(2−プロポキシド)0.01モル(2.05
8g)をそれぞれ80ml、並びに20mlの2−エト
キシエタノールに添加し5時間攪拌後混合した。混合溶
液を130℃にて17時間還流後、室温に戻し9.01
gの水を添加し加水分解を行った。ゲル溶液を60℃下
で24時間エージングした。その後150℃でゲル溶液
を乾燥し非常に脆いゲル粉末の塊を得た。得られたゲル
粉末の塊を乳鉢で粉状に解し還元雰囲気下で1000
℃、2時間仮焼成を行った。仮焼成後、附活剤Eu23
0.0164gと共附活剤Dy230.0065gを添
加し乳鉢にて混合し粉状に解した後還元雰囲気下で10
00℃で2時間仮焼成を行い、その後更に還元雰囲気下
で1300℃、2時間本焼成を行った。
【0046】実施例6で得られたゲル粉末の各焼成温度
でのXRDスペクトル変化を調べたところ900℃にお
いては非晶質となり1000℃ではSrAl24結晶と
SrAl47結晶が共存する事が認められた。更に高温
の1100℃以上ではSrAl24結晶ピークは消失し
SrAl47結晶が単独相で存在することが認められ
た。
【0047】実施例4と実施例6で本焼成後得られた粉
末を370nmで励起した際の発光スペクトルを比較し
たところ、実施例4の粉末は508nmに実施例6の粉
末は498nmに最大発光ピークを示し、母結晶の結晶
型による発光スペクトルの違いがみられた。
【0048】図8に実施例4と実施例6の本焼成後得ら
れた粉末を1600Luxの蛍光灯で20分照射した後
の残光特性を示す。図8より、母結晶の結晶型により残
光特性も大きく異なり、実施例4で得られたSrAl2
4母結晶からなる蓄光性蛍光顔料は初期輝度が高く、
一方の実施例6で得られたSrAl47母結晶からなる
蓄光性蛍光顔料は残光特性に優れていることがわかる。
【0049】このように本発明によれば特性の異なる蓄
光性蛍光顔料を純度高く得ることが可能であり、これら
を個々に製造、混合することにより要求特性に応じた蓄
光性蛍光顔料の調整も可能となる。
【0050】(比較例2)α−酸化アルミニウム0.0
2モル(2.040g)と炭酸ストロンチウム0.01
モル(1.476g)、並びに附活剤Eu23(0.0
164g)と共附活剤Dy23(0.0065g)を乳
鉢にて混合し還元雰囲気下で1300℃、2時間仮焼成
を行った後、ボールミルにて焼成物を粉砕混合し、その
後更に還元雰囲気下で1300℃、2時間本焼成を行っ
た。
【0051】上記固相反応の各焼成温度でのXRDスペ
クトル変化を調べたところ実施例6とは異なり900℃
においても原料の酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウ
ム、並びにSr3Al26 のピークが確認された。また
実施例6でSrAl47が単独相で得られている120
0℃、並びに1300℃においても目的とするSrAl
47結晶は主相としては存在せずそれ以外の酸化アルミ
ニウム、Sr3Al26、SrAl24等多数の結晶の
混在が認められた。
【0052】比較例1と比較例2の本焼成後得られた粉
末を370nmで励起した際の発光スペクトルを調べた
ところどちらの粉末も母結晶が単一結晶相でないため発
光スペクトルに差異が認められなかった。
【0053】以上実施例、比較例を挙げて述べてきた
が、本発明による蓄光性蛍光顔料の製造法は蓄光性蛍光
顔料の母結晶の構成元素や結晶型或いは附活剤、共附活
剤、及び添加物の種類、濃度になんら限定されるもので
はない。
【0054】
【発明の効果】本発明の蓄光性蛍光顔料の製造方法は従
来の固相反応による蓄光性蛍光顔料の製造法に比べ、製
造工程については原料の精製の簡略化、焼成温度の低減
化、粉砕工程の省略、分級工程の省略が図られる。
【0055】また、本発明のゾル−ゲル法により得られ
る蓄光性蛍光顔料は不純物混入が無く、低温焼成条件下
で目的とする純度の高い母結晶の結晶型が得らる。
【0056】本発明のゾル−ゲル法により特性の異なる
蓄光性蛍光顔料を純度高く得ることが可能であり、これ
らを個々に製造、混合することにより要求特性に応じた
蓄光性蛍光顔料の調整が可能である。
【0057】更に本発明の蓄光性蛍光顔料の製造法にお
いてはゾル−ゲル反応条件を選択する事により粒径の制
御が可能である事よりその後の塗布工程条件等に見合っ
た粒径の蓄光性蛍光顔料を得る事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られたゲル粉末のTG−
DTA測定結果である。
【図2】本発明の実施例1で得られたゲル粉末の各温度
でのXRDスペクトル変化である。
【図3】比較例1で示した従来の固相反応を用いた際の
各温度でのXRDスペクトル変化である。
【図4】本発明の実施例3で本焼成後得られた粉末の励
起、並びに発光スペクトルである。
【図5】本発明の実施例3、並びに比較例1で本焼成後
に得られた粉末を370nmで励起した際の発光スペク
トルである。
【図6】本発明の実施例3、並びに比較例1で本焼成後
に得られた粉末を370nmで励起した際の残光強度変
化である。
【図7】本発明の実施例3、並びに実施例4で本焼成後
に得られた粉末を370nmで励起した際の残光強度変
化である。
【図8】本発明の実施例4、並びに実施例6で本焼成後
に得られた粉末を1600Luxの蛍光灯で20分照射
した後の残光特性である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物系結晶である母結晶と、附活
    剤、共附活剤よりなる蓄光性蛍光顔料、並びに金属酸化
    物系結晶である母結晶と、附活剤、共附活剤、及びその
    他添加元素よりなる蓄光性蛍光顔料において、前記蓄光
    性蛍光顔料の構成金属元素のアルコキシド誘導体、有機
    酸塩、無機酸塩、酸化物、または塩化物を用いるゾル−
    ゲル法により蓄光性蛍光顔料を製造する蓄光性蛍光顔料
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 母結晶がAl、Sr、Ca、Baよりな
    る群の少なくとも2つ以上の構成元素よりなる金属酸化
    物系結晶である事を特徴とする請求項1記載の蓄光性蛍
    光顔料の製造方法。
  3. 【請求項3】 附活剤がEuである事を特徴とする請求
    項1記載の蓄光性蛍光顔料の製造方法。
  4. 【請求項4】 共附活剤がLa、Ce、Pr、Nd、S
    m、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Y、Luよりなる
    群の少なくとも1つ以上の構成元素よりなる事を特徴と
    する請求項1記載の蓄光性蛍光顔料の製造方法。
  5. 【請求項5】 その他添加元素がB、Cu、Pよりなる
    群の少なくとも1つ以上の構成元素よりなる事を特徴と
    する請求項1記載の蓄光性蛍光顔料の製造方法。
  6. 【請求項6】 ゾル−ゲル法により得られたゲル粉末を
    還元雰囲気下で焼成する事により蓄光性蛍光顔料を製造
    する事を特徴とする請求項1記載の蓄光性蛍光顔料の製
    造方法。
JP654097A 1996-01-17 1997-01-17 蓄光性蛍光顔料の製造方法 Pending JPH09255950A (ja)

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