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JP2001220582A - アルミン酸塩蛍光体の製造方法 - Google Patents

アルミン酸塩蛍光体の製造方法

Info

Publication number
JP2001220582A
JP2001220582A JP2000364499A JP2000364499A JP2001220582A JP 2001220582 A JP2001220582 A JP 2001220582A JP 2000364499 A JP2000364499 A JP 2000364499A JP 2000364499 A JP2000364499 A JP 2000364499A JP 2001220582 A JP2001220582 A JP 2001220582A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminate phosphor
aluminum hydroxide
phosphor
aluminate
surface area
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000364499A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiji Ono
慶司 大野
Susumu Miyazaki
進 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2000364499A priority Critical patent/JP2001220582A/ja
Publication of JP2001220582A publication Critical patent/JP2001220582A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発光輝度が高いアルミン酸塩蛍光体およびその
を製造方法を提供することにある。 【解決手段】焼成することによりアルミン酸塩蛍光体を
構成しうる金属化合物と、BET比表面積が100m2
/g以上の水酸化アルミニウムとを混合して焼成するア
ルミン酸塩蛍光体の製造方法。アルミン酸塩蛍光体が、
組成式x11O・y1MgO・z1Al23(M1はB
a、Sr、Caから選ばれる一種以上、0.5≦x1
4.5、0≦y1≦4、0.5≦z1≦20)で示される
複合酸化物を基体とし、Euおよび/またはMnを付活
剤として含有するアルミン酸塩蛍光体または、組成式x
2CeO1.5・y22O・z2Al23(M2はMgおよび
/またはMn、0.9≦x2≦1.1、0.9≦y2
1.1、z2=5.5)で示される複合酸化物を基体と
し、Tbおよび/またはMnを付活剤として含有するア
ルミン酸塩蛍光体である上記記載の製造方法。上記記載
の製造方法によって得られ、一次粒子径が0.05μm
以上5μm以下の粒子が80重量%以上含まれるアルミ
ン酸塩蛍光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(PDP)、などの発光タイプの各種ディス
プレイに用いられるアルミン酸塩蛍光体を製造する方法
に関する。
【0002】PDPは画面の大型化および薄型化が可能
なことから、陰極線管(CRT)に代わり得るフラット
パネルディスプレイとして注目されている。PDPは多
数の微小放電空間(以下「表示セル」と略すことがあ
る。)をマトリックス状に配置して構成した表示素子で
あり、各表示セル内には放電電極が設けられ、各表示セ
ルの内壁には蛍光体が塗布されている。各表示セル内の
空間にはHe−Xe、Ne−Xe、Ar等の希ガスが封
入されており、放電電極に電圧を印加することにより、
表示セル内で希ガスの放電が起こり、真空紫外線が放射
される。この真空紫外線により蛍光体が励起され、可視
光を発する。表示素子の所定位置の表示セルの蛍光体の
発光によって画像が表示される。各表示セルに用いられ
る蛍光体としてそれぞれ、青、緑、赤に発光する蛍光体
を用い、これらをマトリクス状に塗り分けることによ
り、フルカラーの表示を行うことができる。
【0003】
【従来の技術】近年、希ガス放電により放射される真空
紫外線等によって励起して発光させるアルミン酸塩蛍光
体の開発が盛んに行われている。例えば、一般式x11
O・y 1MgO・z1Al23で示される複合酸化物のう
ちM1がBaである複合酸化物の基体に、付活剤として
Euが添加された化合物(BaMgAl1017:Eu、
BaMgAl1423:Eu等)が青色発光蛍光体とし
て、付活剤としてMnが添加された化合物(BaAl12
19:Mn、BaMgAl1423:Mn等)が緑色発光
蛍光体として開発されている。また、緑色発光蛍光体と
して、組成式x2CeO1.5・y22O・z2Al23
示される複合酸化物を基体とし、付活剤としてTbおよ
び/またはMnを付活剤として含有する化合物が提案さ
れており、代表的なものとしてM2がMgである化合物
CeMgAl1119:Tbを挙げることができる。
【0004】蛍光体の製造方法としては、例えば、青色
発光蛍光体(BaMgAl1017:Eu、BaMgAl
1423:Eu等)を製造する場合、原料として、(1)
酸化バリウム、水酸化バリウム、炭酸バリウム等のバリ
ウム化合物、(2)酸化ユウロピウム、フッ化ユウロピ
ウム等のユウロピウム化合物、(3)酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等のマグネ
シウム化合物、及び(4)酸化アルミニウム、水酸化ア
ルミニウム等のアルミニウム化合物を用い、その原料の
混合物を前駆体として弱還元雰囲気で焼成する方法が公
知である。蛍光体の輝度の向上が求められており、さら
に高い輝度を有する蛍光体が得られる製造方法が求めら
れていた。
【0005】この青色発光蛍光体を得るとき、構成イオ
ンであるバリウムイオン、ユーロピウムイオン、マグネ
シウムイオン、アルミニウムイオン等の分散が悪い、特
に発光中心であるユーロピウムイオンの分散が悪いと、
局所的にユーロピウムの濃度が高い部分が出現し、濃度
消光といわれる発光輝度の低下が起こってしまうと考え
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発光
輝度が高いアルミン酸塩蛍光体およびその製造方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる状
況下、鋭意研究を重ねた結果、焼成することによりアル
ミン酸塩蛍光体を構成しうる金属化合物と、特定の水酸
化アルミニウムとを原料として用いると、発光輝度の高
いアルミン酸塩蛍光体が製造できる方法を見出し、本発
明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、焼成することによりア
ルミン酸塩蛍光体を構成しうる金属化合物と、BET比
表面積が100m2/g以上の水酸化アルミニウムとを
混合して焼成するアルミン酸塩蛍光体の製造方法を提供
する。また本発明は、BET比表面積が100m2/g
以上の水酸化アルミニウムと有機酸を有機溶媒を用いて
混合して得られたスラリーと、Ba、Mg、Eu、M
n、Sr、Ca、Tb、CeおよびZnからなる群から
選ばれる一種以上の金属の陽イオン水溶液とを混合し、
該イオンを該有機酸の塩としてBET比表面積が100
2/g以上の水酸化アルミニウムの表面に析出させ、
有機溶媒を分離除去し乾燥して得られる前駆体を、10
00℃以上1700℃以下の温度範囲で焼成するアルミ
ン酸塩蛍光体の製造方法を提供する。また本発明は、ア
ルミン酸塩蛍光体が、組成式x11O・y1MgO・z1
Al23(M1はBa、SrおよびCaからなる群から
選ばれる一種以上の金属元素であり、0.5≦x1
4.5、0≦y1≦4、0.5≦z1≦20である。)で
示される複合酸化物を基体とし、Euおよび/またはM
nを付活剤として含有するアルミン酸塩蛍光体である上
記記載の製造方法を提供する。また本発明は、アルミン
酸塩蛍光体が、組成式x2CeO1.5・y22O・z2
23(M2はMgおよび/またはMnであり、0.9
≦x2≦1.1、0.9≦y2≦1.1、z2=5.5で
ある。)で示される複合酸化物を基体とし、Tbおよび
/またはMnを付活剤として含有するアルミン酸塩蛍光
体である上記記載の製造方法を提供する。さらに本発明
は、上記のいずれかに記載の製造方法によって得られ、
一次粒子径が0.05μm以上5μm以下の粒子が80
重量%以上含まれるアルミン酸塩蛍光体を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳しく説明
する。本発明のアルミン酸塩蛍光体の製造方法におい
て、焼成することによりアルミン酸塩蛍光体を構成しう
る金属化合物と、BET比表面積が100m2/g以上
の水酸化アルミニウムとを原料とする。
【0010】本発明の製造方法において、原料として用
いる水酸化アルミニウムは、BET比表面積が100m
2/g以上であり、BET比表面積が180m2/g以上
のものが好ましく、最も好ましくは200〜300m2
/gである。水酸化アルミニウムのBET比表面積が1
00m2/g未満であると、他の化合物との均一な混合
が困難であり、各構成金属陽イオンの分散の良好なアル
ミン酸塩蛍光体にはなりにくい。
【0011】また、水酸化アルミニウムのBET比表面
積が100m2/g以上であればいかなる水酸化アルミ
ニウムを用いてもよいが、例えば、アルミニウムアルコ
キシドの加水分解で得られる水酸化アルミニウムは一次
粒子の凝集が弱いので均一に混合しやすく、好ましい。
本発明において原料として用いる水酸化アルミニウム
は、水酸化アルミニウムを加熱処理して得られるα−ア
ルミナのアルミナ純度が99.9重量%以上であるもの
が、輝度等の蛍光特性を高めるため、好ましい。原料の
水酸化アルミニウムとして、アルミニウムアルコキシド
の加水分解により得られる水酸化アルミニウムであっ
て、加熱して得られるα−アルミナのアルミナ純度が9
9.9重量%以上である水酸化アルミニウムを用いるこ
とが、さらに好ましい。
【0012】アルミン酸塩蛍光体にはAlが含有される
が、Alは本発明の製造方法における原料の一つである
BET比表面積が100m2/g以上の水酸化アルミニ
ウムに含有されているので、焼成することによりアルミ
ン酸塩蛍光体を構成しうる金属化合物としてはAlの化
合物は含まれていなくとも良い。焼成することによりア
ルミン酸塩蛍光体を構成しうる金属化合物の金属には付
活剤は含まれる。
【0013】例えば、青色発光蛍光体であるBaMgA
1017:Euを製造するときは、焼成することにより
BaMgAl1017:Euを構成しうるBa、Mg、E
uの化合物とBET比表面積が100m2/g以上の水
酸化アルミニウムとを原料とするが、水酸化アルミニウ
ム以外のAlの化合物を加えてもよい。緑色発光蛍光体
であるBaAl1219:Mnを製造するときは、焼成す
ることによりBaAl 1219:Mnを構成しうるBa、
Mnの化合物とBET比表面積が100m2/g以上の
水酸化アルミニウムとを原料とするが、水酸化アルミニ
ウム以外のAlの化合物を加えてもよい。緑色発光蛍光
体であるCeMgAl1119:Tbを製造するときは、
焼成することによりCeMgAl1119:Tbを構成し
うる、Ce、Mg、Tbの化合物とBET比表面積が1
00m2/g以上の水酸化アルミニウムとを原料とする
が、水酸化アルミニウム以外のAlの化合物を加えても
よい。。
【0014】焼成することによりアルミン酸塩蛍光体を
構成しうる金属化合物は、Ba、Mg、Eu、Mn、S
r、Ca、Tb、CeおよびZnからなる群から選ばれ
る一種以上の化合物が好ましい。本発明の製造方法によ
り製造できるアルミン酸塩蛍光体としては、以下の〜
を挙げることができる。
【0015】本発明におけるアルミン酸塩蛍光体とし
て、組成式x11O・y1MgO・z1Al23(M1
Ba、SrおよびCaからなる群から選ばれる一種以上
の金属元素である。)により示される複合酸化物を基体
とし、Euおよび/またはMnを付活剤として含有する
蛍光体を挙げることができ、この場合0.5≦x1
4.5、0≦y1≦4、0.5≦z1≦20であることが
好ましい。
【0016】本発明におけるアルミン酸塩蛍光体のう
ち上記のさらに具体的なアルミン酸塩蛍光体として、
組成式x11(Ba,Sr)O・y11MgO・z11Al2
3で示される複合酸化物を基体としてEuおよび/ま
たはMnを付活剤として含有する蛍光体を挙げることが
でき、この場合0.9≦x11≦1.7、1.5≦y11
2.1、z11が8であることが好ましい。この場合Eu
の含有量は0.01x11以上0.2x11以下、Mnの含
有量は0.15Y11以下の範囲であることが好ましい。
【0017】本発明におけるアルミン酸塩蛍光体のう
ち上記のさらに具体的なアルミン酸塩蛍光体として、
組成式x12(Ba,Ca)O・z12Al23で示される
複合酸化物を基体とし、Euおよび/またはMnを付活
剤として含有する蛍光体を挙げることができ、この場合
1.0≦x12≦1.5、z12が6であることが好まし
い。この場合Euの含有量は0.01x12以上0.15
12以下、Mnの含有量は0.20x12以下の範囲であ
ることが好ましい。
【0018】本発明におけるアルミン酸塩蛍光体のう
ち上記のさらに具体的なアルミン酸塩蛍光体として、
組成式x13SrO・z13Al23で示される複合酸化物
を基体とし、Euおよび/またはMnを付活剤として含
有する蛍光体を挙げることができ、この場合x13が3.
9≦x13≦4.1、z13が7であることが好ましい。こ
の場合Euの含有量は0.02x13以上0.06x13
下、Mnの含有量は0.1x13以下の範囲であることが
好ましい。
【0019】本発明におけるアルミン酸塩蛍光体とし
て、組成式x2CeO1.5・y22O・z2Al23(M2
はMgおよび/またはMn)で示される複合酸化物を基
体とし、Tbおよび/またはMnを付活剤として含有す
る化合物を挙げることができ、この場合0.9≦x2
1.1、0.9≦y2≦1.1、z2が5.5であること
が好ましい。この場合Tbの含有量は0.3x2以上
0.5x2以下、Mnの含有量は0.15y2以下の範囲
であることが好ましい。
【0020】焼成することによりアルミン酸塩蛍光体を
構成しうる金属化合物としては、水酸化物、炭酸塩、硝
酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩など高温で酸化物とな
る化合物を用いることができるし、もちろん酸化物も用
いることができる。焼成することによりアルミン酸塩蛍
光体を構成しうる金属化合物は従来技術による化合物を
用いることができる。
【0021】本発明の製造方法において用いる金属化合
物と水酸化アルミニウムとを混合する方法は、乾式と湿
式のいずれの方法を用いても良い。乾式混合を行なう場
合に混合に用いる装置は、通常工業的に用いられてい
る、ボールミル、V型混合機、攪拌装置等の装置を用い
ることができる。水や有機溶剤を加えて湿式混合をボー
ルミルや攪拌装置を用いて行なうこともできる。
【0022】本発明の製造方法においては、上記の乾式
混合、湿式混合以外に、金属化合物と水酸化アルミニウ
ムとを、水と有機酸と有機溶媒とを用いて混合する方法
も好ましいので、以下に詳しく説明する。
【0023】本発明の製造方法において用いる金属化合
物と水酸化アルミニウムとを混合する方法は、水と有機
酸と有機溶媒とを用いて混合する場合、本発明の製造方
法において用いる金属化合物は水溶性の化合物を用い、
金属化合物に含有される金属元素は水溶液中では陽イオ
ンで存在することが好ましい。陽イオンとしては、例え
ば、青色発光蛍光体であるBaMgAl1017:Euや
BaMgAl1423:Euを製造するときは、Ba、M
g、Euの陽イオンを、また、緑色発光蛍光体であるB
aAl1219:MnやBaMgAl1423:Mnを製造
するときは、Ba、Mg、Mnの陽イオンを、また、緑
色発光蛍光体であるCeMgAl1119:Tbを製造す
るときは、Ce、Mg、Tbの陽イオンを用いれば良
い。混合の方法は、いかなる方法によっても良いが、例
えば攪拌による混合方法が制御しやすく、低コストであ
るので好ましい。
【0024】本発明の製造方法において用いる金属化合
物と水酸化アルミニウムとを、水と有機酸を有機溶媒を
用いて混合する場合に用いる有機溶媒は、水酸化アルミ
ニウムを分散させるものならばいかなる有機溶媒であっ
ても良く、例えば、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール
類、クロロホルム、ケロシン等が挙げられる。水酸化ア
ルミニウムが分散しやすいアルコール類が好ましい。
【0025】BET比表面積が100m2/g以上の水
酸化アルミニウムと有機溶媒とともに有機酸をも混合し
てスラリーとし、Ba、Mg、Eu、Mn、Sr、C
a、Tb、CeおよびZnからなる群から選ばれる一種
以上の金属の陽イオン水溶液とを混合する方法が、該イ
オンが該有機酸の塩としてBET比表面積が100m2
/g以上の水酸化アルミニウムの表面に析出し、水酸化
アルミニウムと該金属元素との混合を均一に行なうこと
ができるので、最も好ましい。
【0026】本発明の製造方法において用いる金属化合
物と水酸化アルミニウムとを、水と有機酸を有機溶媒を
用いて混合する場合に用いる有機酸としては、−COO
H基を有する有機酸が好ましく、例えば、シュウ酸、蟻
酸、酢酸、酒石酸等が挙げられる。特に、シュウ酸を用
いた場合、Ba、Mg、Eu、Mn、Sr、Ca、T
b、Ce、Znの陽イオンと反応しやすく、Ba、M
g、Eu、Mn、Sr、Ca、Tb、Ce、Znの陽イ
オンが水酸化アルミニウムの表面にシュウ酸塩として析
出しやすいため、より好ましい。Ba、Mg、Eu、M
n、Sr、Ca、Tb、Ce、Znからなる群から選ば
れる少なくとも一つ以上の金属の陽イオンは有機酸と反
応して有機酸塩としてBET比表面積が100m2/g
以上の水酸化アルミニウムの表面に析出していることが
好ましい。また、用いる有機酸の量としては、好ましく
はアルミニウム以外の陽イオンが有機酸塩として析出す
るのに必要な化学量論量の1倍以上、より好ましくは3
倍以上である。
【0027】本発明の製造方法において用いる金属化合
物と水酸化アルミニウムとを、水と有機酸と有機溶媒と
を用いて混合したものを焼成用の前駆体とする場合また
は湿式混合を行なった場合には、直接乾燥するかまたは
濾過や遠心分離等の方法により固体を液体から分離した
後に乾燥する。乾燥温度は20〜300℃の範囲が好ま
しく、さらに好ましくは90〜200℃である。直接乾
燥させる方法としては、エバポレーションや顆粒化しな
がら乾燥させるスプレードライを挙げることができる。
【0028】本発明の製造方法において用いる金属化合
物と水酸化アルミニウムとを混合した混合物(上記の焼
成用の前駆体を含む)を、1000℃から1700℃の
温度範囲にて0.5〜50時間焼成することにより蛍光
体を得ることができる。焼成することによりアルミン酸
塩蛍光体を構成しうる金属化合物として水酸化物、炭酸
塩、硝酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩など高温で分解
し酸化物になりうるものを使用した場合、本焼成の前
に、600℃から800℃の温度範囲にて仮焼すること
も可能である。焼成においては例えば、原料をアルミナ
ボートに充填し、所定のガス雰囲気中で所定の温度で焼
成することができる。また必要に応じて、原料に酸化ホ
ウ素、フッ化アルミニウム等の反応促進剤(フラック
ス)を混合することにより、さらに結晶性が良好で輝度
が高い本発明の蛍光体が得られることがある。
【0029】例えば、青色発光蛍光体であるBaMgA
1017:EuやBaMgAl14 23:Eu等用に混合
した原料を焼成するときは、還元性雰囲気中で、100
0℃〜1700℃の温度範囲、0.5〜40時間の範囲
で1回以上焼成するのが好ましい。還元性雰囲気を得る
方法として、原料が充填されたボート内に黒鉛を入れる
方法、窒素と水素あるいは希ガスと水素の混合雰囲気中
で焼成する方法等が挙げられる。また、これらの雰囲気
に水蒸気が含まれていても良い。また、大気中で100
0℃以上1700℃以下の温度範囲で焼成した後、還元
性雰囲気中で1000℃以上1700℃以下の温度範囲
で焼成することもできる。
【0030】緑色発光蛍光体であるBaAl1219:M
nやBaMgAl1423:Mn等用に混合した原料を焼
成するときは、大気雰囲気もしくは酸素雰囲気中で、1
000〜1700℃の温度範囲、0.5〜40時間の範
囲で1回以上焼成する条件が好ましい。また、大気中で
1000℃以上1700℃以下の温度範囲で焼成した
後、還元性雰囲気中で1000℃以上1700℃以下の
温度範囲で焼成することもできる。
【0031】緑色発光蛍光体であるCeMgAl
1119:Tb等用に混合した原料を焼成するときは、還
元性雰囲気中で、1000〜1700℃の温度範囲、
0.5〜40時間の範囲で1回以上焼成する条件が好ま
しい。また、大気中で1000℃以上1700℃以下の
温度範囲で焼成した後、還元性雰囲気中で1000℃以
上1700℃以下の温度範囲で焼成することもできる。
【0032】本発明にて得られたアルミン酸塩蛍光体
は、一次粒子径が0.05μm以上5μm以下の粒子を
80重量%以上含み、通常の方法にて得られたアルミン
酸塩蛍光体の一次粒子径よりも小さい。このように、蛍
光体の一次粒子径を小さくかつ粒度分布をシャープにす
ることにより、例えば、PDPの表示セル等の微小放電
空間内に効率良く、蛍光体を塗布することが可能とな
り、発光輝度の高いPDPなどの発光タイプの各種ディ
スプレイを作製することが可能となる。
【0033】上記方法にて得られる蛍光体をボールミル
やジェットミル等を使用して粉砕したり、水等で洗浄す
ることができ、また必要に応じ分級することもできる。
得られる蛍光体の結晶性を高めるために、必要に応じて
再焼成を行うこともできる。
【0034】本発明によって得られるアルミン酸塩蛍光
体は、構成イオンの分散が極めて良好であるために、真
空紫外線励起下で発光特性に優れ、プラズマディスプレ
イパネル(PDP)、などの各種ディスプレイに用いら
れるアルミン酸塩蛍光体として極めて有用である。また
本発明によるアルミン酸塩蛍光体は、真空紫外線励起下
のみならず、紫外線、陰極線あるいはX線励起下におい
ても優れた発光特性を示すことが判明した。すなわち、
本発明は真空紫外線、紫外線、陰極線あるいはX線など
の幅広いエネルギーによって励起可能で、優れた発光特
性を示すアルミン酸塩蛍光体の製造方法を提供するもの
である。
【0035】さらに詳しく述べれば、BET比表面積が
100m2/g以上の水酸化アルミニウムを用いると、
他のアルミニウム化合物のみを用いる場合に比べて、ア
ルミニウム以外の構成陽イオンの分散状態がさらに良好
となり、本発明によって得られるアルミン酸塩蛍光体の
結晶性が良好となり、色度が良くなることが期待でき
る。また、本発明における水酸化アルミニウムを用いる
と、本発明によって得られるアルミン酸塩蛍光体一次粒
子の凝集状態が、他のアルミニウム化合物のみを用いる
場合に比べて弱くなり、解砕等の後の工程が簡略化でき
る。
【0036】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0037】実施例1 アルミニウムイソプロポキシドの加水分解反応によって
得られた水酸化アルミニウム(BET比表面積が250
2/g)4.91gと炭酸バリウム1.26g、酸化
ユーロピウム0.12g、塩基性炭酸マグネシウム0.
69gをボールミルにて十分に混合し、得られた前駆体
を弱還元雰囲気中で1450℃で2時間焼成し、青色発
光蛍光体を得た。得られた青色発光蛍光体の一次粒子径
は1μm以下であることが、走査型電子顕微鏡による評
価によりわかった。またXRD評価(微小X線回折装
置;Rigaku製Ru−200による相同定評価)に
より、BaMgAl1017:Eu単一相であることがわ
かった。この青色発光蛍光体に、6.7Pa(5×10
-2Torr)以下の真空槽内で、得られた蛍光体にエキ
シマ146nmランプ(ウシオ電機社製)を用いて紫外
線を照射したところ、発光輝度は21.3cd/m2
高かった。
【0038】実施例2 アルミニウムイソプロポキシドの加水分解反応によって
得られた水酸化アルミニウム(BET比表面積が250
2/g)8.47gをイソプロパノール100gに分
散させ、攪拌を行いながら、シュウ酸が10g溶解した
イソプロパノール210gを添加して、スラリーAを調
製した。塩化バリウム2水和物2.69g、塩化ユウロ
ピウム6水和物0.45g、塩化マグネシウム6水和物
2.49gを純水20gに溶解し、バリウムイオン、ユ
ウロピウムイオン、マグネシウムイオンの混合水溶液を
調製した。スラリーAを攪拌しながら、混合水溶液を添
加して、水酸化アルミニウムの周囲にバリウム、ユーロ
ピウム、マグネシウムをシュウ酸塩として析出させ、エ
バポレーションにより固液分離を行い、前駆体を調製し
た。得られた前駆体を弱還元雰囲気中で1450℃で2
時間焼成し、青色発光蛍光体を得た。得られた青色発光
蛍光体の一次粒子径は1μm以下であることが、走査型
電子顕微鏡による評価によりわかった。またXRD評価
(上記と同じ)により、BaMgAl1017:Eu単一
相であることがわかった。この青色発光蛍光体に、6.
7Pa(5×10-2Torr)以下の真空槽内で、得ら
れた蛍光体にエキシマ146nmランプ(ウシオ電機社
製)を用いて紫外線を照射したところ、青色の強い発光
を示し、発光輝度を輝度計(トプコン製BM−7)で測
定したところ、発光輝度は29.3cd/m2と高かっ
た。
【0039】実施例3 アルミニウムイソプロポキシドの加水分解反応によって
得られた水酸化アルミニウム(BET比表面積が250
2/g)7.00gと炭酸バリウム1.49g、炭酸
マンガン0.096gをボールミルにて十分に混合し、
得られた前駆体を大気中で1450℃で2時間焼成し、
緑色発光蛍光体を得た。得られた緑色発光蛍光体の一次
粒子径は1μm以下であることが、走査型電子顕微鏡に
よる評価によりわかった。またXRD評価(微小X線回
折装置;Rigaku製Ru−200による相同定評
価)により、BaAl1219:Mn単一相であることが
わかった。この緑色発光蛍光体に、6.7Pa(5×1
-2Torr)以下の真空槽内で、得られた蛍光体にエ
キシマ146nmランプ(ウシオ電機社製)を用いて紫
外線を照射したところ、緑色の強い発光を示し、発光輝
度を輝度計(トプコン製BM−7)で測定したところ、
発光輝度は131.8cd/m2と高かった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、発光輝度が高いアルミ
ン酸塩蛍光体を安価にて提供することができる。このア
ルミン酸塩蛍光体は真空紫外線励起における発光輝度が
高いので、プラズマディスプレイパネル(PDP)や希
ガスランプなどの真空紫外線励起発光素子に好適な蛍光
体として工業上極めて有用なものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 11/02 H01J 11/02 B

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼成することによりアルミン酸塩蛍光体を
    構成しうる金属化合物と、BET比表面積が100m2
    /g以上の水酸化アルミニウムとを混合して焼成するこ
    とを特徴とするアルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  2. 【請求項2】金属化合物がBa、Mg、Eu、Mn、S
    r、Ca、Tb、CeおよびZnからなる群から選ばれ
    る一種以上の金属の化合物である請求項1記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】焼成することによりアルミン酸塩蛍光体を
    構成しうる金属化合物と、BET比表面積が100m2
    /g以上の水酸化アルミニウムとを混合時に、水と有機
    酸と有機溶媒とを用い、混合後に乾燥する請求項1また
    は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】焼成を1000℃以上1700℃以下の温
    度範囲で行なう請求項1〜3のいずれかに記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】BET比表面積が100m2/g以上の水
    酸化アルミニウムと有機酸とを有機溶媒を用いて混合し
    て得られたスラリーと、Ba、Mg、Eu、Mn、S
    r、Ca、Tb、CeおよびZnからなる群から選ばれ
    る一種以上の金属の陽イオン水溶液とを混合し、該イオ
    ンを該有機酸の塩としてBET比表面積が100m2
    g以上の水酸化アルミニウムの表面に析出させ、有機溶
    媒を分離除去し乾燥して得られる前駆体を、1000℃
    以上1700℃以下の温度範囲で焼成することを特徴と
    するアルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  6. 【請求項6】有機酸がシュウ酸、酢酸または酒石酸であ
    る請求項3または5記載のアルミン酸塩蛍光体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】水酸化アルミニウムがアルミニウムアルコ
    キシドの加水分解で得られる水酸化アルミニウムである
    請求項1〜6のいずれかに記載のアルミン酸塩蛍光体の
    製造方法。
  8. 【請求項8】アルミニウムアルコキシドの加水分解で得
    られる水酸化アルミニウムを加熱して得られるα−アル
    ミナのアルミナ純度が99.9重量%以上である請求項
    7記載のアルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  9. 【請求項9】アルミン酸塩蛍光体が、組成式x11O・
    1MgO・z1Al23(M1はBa、SrおよびCa
    からなる群から選ばれる一種以上の金属元素であり、
    0.5≦x1≦4.5、0≦y1≦4、0.5≦z1≦2
    0である。)で示される複合酸化物を基体とし、Euお
    よび/またはMnを付活剤として含有するアルミン酸塩
    蛍光体である請求項1〜8のいずれかに記載の製造方
    法。
  10. 【請求項10】アルミン酸塩蛍光体が、組成式x2Ce
    1.5・y22O・z2Al23(M2はMgおよび/ま
    たはMnであり、0.9≦x2≦1.1、0.9≦y2
    1.1、z2=5.5である。)で示される複合酸化物
    を基体とし、Tbおよび/またはMnを付活剤として含
    有するアルミン酸塩蛍光体である請求項1〜8のいずれ
    かに記載の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載の製造
    方法によって得られ、一次粒子径が0.05μm以上5
    μm以下の粒子が80重量%以上含まれることを特徴と
    するアルミン酸塩蛍光体。
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