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JPH09180026A - 紙幣識別装置 - Google Patents

紙幣識別装置

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Publication number
JPH09180026A
JPH09180026A JP7350822A JP35082295A JPH09180026A JP H09180026 A JPH09180026 A JP H09180026A JP 7350822 A JP7350822 A JP 7350822A JP 35082295 A JP35082295 A JP 35082295A JP H09180026 A JPH09180026 A JP H09180026A
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JP
Japan
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circuit
magnetic
signal
output
bill
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JP7350822A
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Inventor
Hiroyuki Kanzaki
裕行 神▲崎▼
Takahiro Yanagiuchi
孝洋 柳内
Hirokazu Yamada
宏和 山田
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Glory Ltd
Original Assignee
Glory Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09180026A publication Critical patent/JPH09180026A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送される紙幣の磁性強度を検出する微分型
磁気ヘッドを用いて紙幣を識別する紙幣識別装置におい
て、搬送速度のゆらぎ、変動、又は異なる速度の設定と
いったことがあっても、これに影響を受けない磁気信号
を得ることができるようにする。 【解決手段】 紙幣の搬送距離に比例したパルスMCL
Kを発生するパルス発生手段10と、デエンファシス回
路を用いて磁気検出手段(磁気ヘッド)20からの出力
信号ei を補正する信号補正手段30と、パルス発生手
段10によって所定のパルスMCLKを発生する毎に、
信号補正手段30により補正された磁気検出手段20か
らの信号eo をサンプリングするサンプリング手段40
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にモータにより
搬送される検出対象体を微分型の出力特性を有する磁気
ヘッドを用いて識別する識別装置に関し、特に供給電源
又は環境変化により搬送モータの回転速度の変化が生じ
ても磁気ヘッドの出力利得を自動調整するようにした識
別機の回路に関する。
【0002】
【従来の技術】搬送モータにより搬送される検出対象体
を識別する識別装置としては、検出対象体である紙幣に
含まれる磁気を磁気ヘッドを用いて読取り、この磁気ヘ
ッドの磁気出力を時間積分した磁気データに基づき紙幣
を識別するようにした識別装置が知られている。
【0003】図12は、このような識別装置において一
般的に用いられている、紙幣の磁気パターン検出のため
の回路の一例を示している。この図12において、磁気
ヘッドMHは、図示されない紙幣搬送路に配設されてお
り、増幅回路AMPを介して積分方式の前処理回路2に
接続されている。識別装置では、所定の搬送速度v(m
m/s)で紙幣搬送路に沿って搬送されてくる紙幣1の
磁気データを磁気ヘッドMHにより読取り、増幅回路A
MPで増幅した後の磁気データを前処理回路2内の整流
器2aで整流し、積分器2bで積分した磁気データに基
づいて紙幣を識別するようになっている。
【0004】ところで、上述のような識別装置で用いら
れる磁気ヘッドMHは、通常、ギャップを備えた磁芯に
コイルを巻きつけたものが使用されており、微分型の出
力特性を持っている。図13は、磁気ヘッドMHの磁気
出力(増幅回路AMPの出力)eo の周波数特性を示し
ており、磁気ヘッドMH(又は差動型の磁気抵抗素子)
の磁気出力eo は微分型の特性であるため、同図に示す
ように、限界周波数fmax に達するまでは周波数fの変
動に対して磁気出力eo は一定の割合(例えば+6dB
/oct)で変動する。この磁気出力(磁束Φに対する
出力電圧)eoは一般に次の数1で示される。
【数1】
【0005】また、紙幣の磁気パターンを検出する場
合、磁気インクによる印刷の微小間隔をd(mm),搬
送速度をv(mm/s)とすれば、磁気ヘッドMHに誘
起される電圧の周波数fは、等価的に次の数2で示され
る。
【数2】
【0006】ここで、搬送速度v=2000mm/s,
磁気インクによる印刷の微小間隔d=0.2mmとした
場合、上記の数2からf=10KHzとなり、例えば搬
送速度がv=1900mm/sに変わった場合には、f
=9.5KHzとなる。つまり、搬送速度の変動が生じ
ると、直接、出力電圧及び検出周波数に影響を与えるこ
とになる。
【0007】搬送速度の変動は、主に紙幣を搬送する搬
送モータの回転速度の変化によって生じる。例えば、搬
送モータの回転速度は、搬送モータに電源を供給する供
給電源の変化や温度等の環境変化によって微妙に変化
し、特にメカ的な負荷変動による影響が大きいが、これ
によって紙幣の搬送速度が変動し、紙幣の磁気パターン
等の検出出力も変動することになる。このような搬送速
度の変動に伴なう検出出力の変動を回避するために、一
般的に次のような方法が採られている。
【0008】環境変化等の搬送速度の変動に対しては、
識別機を開発する過程において、例えば基準搬送速度の
±20%程度で搬送速度を実際に変動させて磁気データ
を収集し、搬送速度の変動に応じて比較の基準となる基
準データを設定しておき、その基準データと検出データ
とを比較することで対応している。また、選択可能な搬
送速度(1500,2000,2500mm/s等)に
対しては、ヘッド出力の処理回路(増幅回路,フィルタ
回路等)の定数をその都度変更することで対応してい
る。
【0009】また他の例としては、搬送モータの回転速
度に対応して磁気ヘッドの出力の増幅利得を可変するこ
とで、検出出力の変動を回避するようにした識別装置が
挙げられる。この識別装置は、図14に示すように、搬
送モータ106の回転速度に対応して同期信号を発生す
る同期信号部105と、CPU101からのゲイン調整
信号に従い磁気ヘッド104の検出出力の増幅利得を可
変するゲイン調整回路102とを具備しており、CPU
101では、同期信号部105からの同期信号に基づき
ゲイン調整信号を形成し、このゲイン調整信号によりゲ
イン調整回路102を制御するように構成されている。
即ち、CPU101では、同期信号部105から発生さ
れる同期信号の周波数を検出し、その検出周波数に対応
する周波数データを求め、その周波数データに対応する
ゲイン調整信号をROMから読出してゲイン調整回路1
02に出力することで、磁気ヘッド104の出力の増幅
利得を可変制御するようにしている(特開平7−160
923号公報参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、搬送さ
れる紙幣などの検出対象体を微分型磁気ヘッドを用いて
識別する識別装置においては、メカ的な負荷変動による
影響、供給電源又は環境変化により搬送モータの回転速
度の変化が生じると、磁気ヘッドの磁気出力が変動す
る。そのため、この磁気出力に基づいて検出対象体を識
別すると、正確な識別ができないという問題があり、一
般的にはこの問題に対して、搬送速度の変動に応じて比
較の基準となる基準データを設定しておくことにより対
応していた。しかしながら、このような方式では、開発
段階で磁気データを収集し、基準データを設定しておく
必要があった。また、ゲイン調整回路により磁気出力の
増幅利得を可変する方式では、回転速度に対応して同期
信号を発生する回路やゲイン調整回路を設ける必要があ
り、また、周波数データとゲイン調整信号との対応を設
定しておく必要があった。
【0011】さらに、いずれの方式も搬送速度の変動範
囲において段階的に調整する方式であるため、設定間隔
内の速度変動に対しては磁気出力が変動し、一定の磁気
出力が得られないという欠点があった。また、異なる搬
送速度に設定した場合においては、識別をするためにそ
の速度に応じたテーブル,テンプレートあるいは閾値等
の準備をする必要があった。
【0012】本発明は上述のような事情から成されたも
のであり、本発明の目的は、搬送速度のゆらぎ、変動、
または、異なる速度の設定といったことがあっても、こ
れに影響を受けない磁気信号を得ることができる紙幣識
別装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、搬送される紙
幣の磁性強度を検出する微分型磁気ヘッドを用いて紙幣
を識別する紙幣識別装置に関するものであり、本発明の
上記目的は、前記紙幣の搬送距離に比例したパルスを発
生するパルス発生手段と、デエンファシス回路を用いて
前記磁気ヘッドからの出力信号を補正する信号補正手段
と、前記パルス発生手段によって所定のパルスを発生す
る毎に前記信号補正手段により補正された前記磁気ヘッ
ドからの信号をサンプリングするサンプリング手段とを
備えることによって達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の紙幣識別装置に
おける磁気パターン検出部の構成例をブロック図で示し
たものである。図1において、磁気パターン検出部は、
搬送される検出対象体(以下「紙幣」を例とする)の搬
送距離に比例したパルスMCLKを発生するパルス発生
手段10と、紙幣に含まれる磁性強度を検出する磁気検
出手段20と、磁気検出手段20からの出力信号ei
補正する信号補正手段30と、パルス発生手段10のパ
ルスMCLKを基準に補正後の信号eo をサンプリング
するサンプリング手段40とを備えている。信号補正手
段30では、微分型の出力特性を有する磁気検出手段2
0からの出力信号(磁気出力)ei を積分型の補償特性
を有する補償回路を用いて補償し、搬送速度の変動(周
波数変動)が生じても常に一定の出力信号ei が得られ
るようにしている。この信号補正手段30の具体的な構
成例については後述するが、本発明では補償回路として
抵抗及びコンデンサから成るデエンファシス回路(de-e
mphasis circuit )を用いている。
【0015】図2(A)及び(B)は、図1の磁気検出
手段20の磁気出力ei の波形とパルス発生手段10の
出力パルスMCLKとの対応を示しており、同図(A)
は搬送速度v=1000mm/sの場合の波形例、同図
(B)は搬送速度v=2000mm/sの場合の波形例
を、それぞれ横軸にメカクロック(メカタイミングパル
ス)をとって示している。なお、磁気出力ei の波形例
は、6本線入り磁気ダミー紙幣のものを例としている。
【0016】ここで、図2(A)及び(B)を参照して
磁気出力ei の特性について説明する。紙幣の印刷に使
用するインクには磁気成分が含まれており、微分型磁気
ヘッドを備えた紙幣識別機には、いつも同じ絵柄の紙幣
が流されると考えてよい。なぜなら、1000円、50
00円、10000円券が日本では流通しているからで
ある。したがって、絵柄をよく見れば判るように磁気成
分の間隔は同じであるので、搬送速度が上がると前記数
1の“t”が小さくなり、必然的に磁気出力ei が大き
くなる。すなわち、図2(A)及び(B)のように、横
軸にメカクロックをとって磁気ヘッドの磁気出力ei
グラフを書けば、その包絡線は周波数が高くなるにつれ
て大きくなる。また、紙幣の印刷における磁気の分布は
一定であるが、搬送速度が早くなると磁気ヘッドで受け
る信号は周波数が高くなる。
【0017】本発明ではパルス発生手段10として、紙
幣の搬送距離に比例したパルスを出力するメカクロック
を用いており、これらの図2(A)及び(B)に示され
るように、メカクロックのパルスMCLKを基準として
磁気データをサンプリングすれば、搬送速度が変わって
も同じ位置の磁気データが同一タイミングで得られるこ
とになる。また、本発明では、磁気ヘッドの磁気出力e
i を積分型の補償特性を有する補償回路を用いて信号補
正手段30で補正するようにしており、これにより補正
後の磁気出力eo は、図3に示すように、常に一定レベ
ルの出力となる。即ち、搬送速度が変化しても振幅の変
化は見られず、補正後の信号eo は搬送速度の変動の影
響を受けない信号となる。紙幣識別装置では、補正後の
信号eoのサンプリングデータに基づいて紙幣の磁気パ
ターンを検出し、基準パターンと比較して紙幣を識別す
ることにより、搬送速度のゆらぎ、変動、または、異な
る速度の設定といったことがあっても、これらに影響を
受けずに正確に識別を行なうことができるようになる。
【0018】以下、本発明に用いる信号処理回路の構成
例を示して本発明の好適な実施形態について詳細に説明
する。図4は、図1の磁気検出手段20と信号補正手段
30の部分の信号処理回路の構成例をブロック図で示し
ており、磁気検出手段20として用いられる磁気ヘッド
21は、微分型の出力特性を有する一般的な磁気ヘッド
(差動型MRヘッドを含む)であり、図示されない紙幣
搬送路に配設されている。信号補正手段30で用いられ
る補償回路31は、ある周波数領域で積分型の補償特性
を有する回路であり、同図の例では増幅回路AMP1と
バッファを兼ねた増幅回路AMP/BUFとの間に挿入
されている。増幅回路AMP/BUFは、補償回路31
の挿入によるゲイン損失を確保するための回路であり、
増幅後の信号がヘッド検出信号eo として出力されるよ
うになっている。なお、補償回路31は増幅回路AMP
1の回路に含める構成としても良い。
【0019】図5(A)〜(C)は、図4の信号処理回
路の符号SGa,SGa’及びSGbで示す部分の信号
の周波数特性をそれぞれ示している。磁気検出手段20
として用いられる磁気ヘッド21は、図5(A)に示す
ように、搬送速度の変動による周波数fの変動(下限f
L 〜上限fH )に対して、一定の割合(“6dB/oc
t”)で出力が変動する微分型の出力特性を持ってい
る。この場合、補償回路31は、図5(B)に示すよう
に、ある周波数領域(f1 〜f2 )において“−6dB
/oct”の積分特性(積分型の補償特性)を有する回
路構成となっている。但し、f1 〜f2 はfL 〜fH
含む領域であり、f1 は積分特性のロールオン周波数、
2 は積分特性のロールオフ周波数をそれぞれ示してい
る。
【0020】上述のような構成において、図4の信号処
理回路の動作例を説明する。図4において、磁気ヘッド
21の磁気出力 ei は、増幅回路AMP1で増幅された
後、“−6dB/oct”の積分特性を有する補償回路
31に入力されて磁気ヘッド21の6dB/octの微
分型の出力特性が平坦化され、図5(C)に示すよう
に、一定レベルの出力SGbとなる。即ち、搬送速度の
変動に伴なう磁気ヘッド21の周波数変動が生じても、
補償回路31による補正後の信号SGbは一定レベルと
なる。そして、補正後の信号SGbがバッファを兼ねた
増幅回路AMP/BUFにより増幅され、ヘッド検出信
号SGc(eo )として出力される。
【0021】次に、上記積分型の補償特性を実現するた
めの補償回路31の構成を具体例を示して説明する。図
6は、補償回路31の構成例で、一般にデエンファシス
(de-emphasis circuit )回路として知られている回路
の一例を示している。デエンファシス回路は、受信機の
デエンファシス,録音テープの再生イコライザ,アナロ
グ・レコードのRIAAイコライザとして知られている
ものであり、高い周波数領域が強調(プレエンファシ
ス; pre-emphasis )されている信号波を元の信号波に
復元するための回路として使用されている。例えば周波
数変調を採用した通信方式では、信号波の高い周波数領
域を周波数に比例して強調して送信することにより、信
号対雑音比の低下を防止するようにしている。そのた
め、送信側から伝送されてくる信号波を元の信号波に復
元するには、受信側では出力電圧が周波数に逆比例する
ような回路を使用すれば良く、この回路としてデエンフ
ァシス回路が使用されている。
【0022】本発明では、このようなデエンファシス回
路が持っている積分型の補償特性を利用し、磁気検出手
段からの出力信号をデエンファシス回路を用いて補正す
るようにしている。すなわち、搬送モータの回転速度の
変化等により磁気ヘッドの磁気出力eo (入力電圧
i )が変動しても、磁気ヘッドに誘起される電圧の周
波数fH に逆比例する電圧eo を出力することにより、
磁気出力eo を補正することができる。図6のデエンフ
ァシス回路は、抵抗R1が入力端子と出力端子との間に
接続され、抵抗R1の出力線の節点と接地との間に抵抗
R2(抵抗値R2<R1)及びコンデンサCが直列接続
されていて、2つの抵抗R1,R2と1つのコンデンサ
Cでデエンファシス回路を構成している。このように2
つの抵抗R1,R2と1つのコンデンサCのみで、積分
型の補償特性を有する補償回路を実現することができ
る。このデエンファシス回路の出力周波数G(jω)は
次の数3で示され、その周波数特性fは図7に示すよう
になる。但し、図7中の“n”はf1 を基準としたとき
のオクターブ数で、中心周波数fo とロールオン周波数
1 が“n”octの関係のとき、fo =2n 1 と示
される。
【0023】
【数3】
【0024】ここで、補償回路の設計においては、標準
の搬送速度における磁気出力周波数fc に等しい値に補
償回路の中心周波数fo を設定し、搬送速度の変動によ
る周波数変動の上限fH と下限fL を含む範囲で補償回
路のロールオフ周波数f2 及びロールオン周波数f1
設定すれば良い。また、補償回路の挿入によるゲイン損
失として、中心周波数fo において次の数4に示す
“α”だけ振幅が減衰する。
【数4】
【0025】厳密な利得設定を要する場合は、補償回路
の前段増幅回路又は後段増幅回路で補正する必要があ
る。この補正については、補償回路と増幅回路との接続
構成の実施例を示して説明する。
【0026】
【実施例】図8は、磁気ヘッド出力の信号処理回路の一
例を示しており、補償回路を設ける前の回路構成を示し
ている。この信号処理回路は、磁気ヘッド21に直列接
続されそれぞれ40dB,20dBの増幅利得を有する
2つの増幅回路AMP1及びAMP2から構成されてい
る。この信号処理回路を具体例として、上述の補償回路
を独立の回路として挿入する場合の構成例について説明
する。
【0027】図9(A)は、増幅回路AMP2の後段に
補償回路31を挿入する場合の例を示しており、この例
では、バッファを兼ねた増幅回路AMP3/BUFを補
償回路の後段に設け、補償回路31で減衰した出力を増
幅利得“K”dB(K=前記数4の“α”)で増幅する
構成としている。また、図9(B)は、増幅回路AMP
1と増幅回路AMP2との間に補償回路31を挿入する
場合の例を示しており、このような構成とした場合、補
償回路31の後段増幅回路AMP2によって“20+
K”dBの増幅利得で増幅すれば、補償回路31で減衰
した出力を補正することができる。なお、AMP1,A
MP2及びAMP3は広帯域アンプである。
【0028】さらに、図10(A)に示すように、AM
P1の入力段に補償回路31を挿入し、前段増幅回路A
MP3(又はバッファ回路BUF)の出力を補償回路3
1で補正し、補償回路31で減衰した出力を増幅回路A
MP2で補正する構成としても良い。また、補償回路3
1を独立の回路とせず、図10(B)に示すように、増
幅回路AMP2の帰還回路31Aに組み込む構成として
も良い。この場合、帰還回路30Aの帰還率をβ(S)
とすると、増幅回路AMP2の仕上りゲインは、1/β
(S)となるため微分型の特性となる。なお、上述した
構成例では、補償回路31の挿入によるゲイン損失分を
最終段の増幅回路で確保するようにしているが、他の増
幅回路を用いても良い。但し、仕上りゲインが小さい増
幅回路を用いるのが好ましい。
【0029】次に、補償回路を独立回路として挿入する
場合の具体的な信号処理回路の構成例を示す。図11
は、図9(B)の信号処回路の構成例、すなわち補償回
路を増幅回路AMP1と増幅回路AMP2との間に挿入
する場合の回路例を示している。この回路は設計条件と
して、仕上りゲインを「60dB」、硬貨の搬送速度を
「1000mm/S」〜「4000mm/S」(中心搬
送速度:2000mm/S)、磁気出力の周波数変動を
「5KHz」〜「20KHz」(中心周波数:10KH
z)とした場合の実施例を示している。なお、補償回路
31の減衰量“−12dB”は、中心周波数(f=
o )での減衰量を示している。
【0030】この補償回路のコンデンサC(C5 )と抵
抗R(R5 ,R6 )の値は、磁気ヘッドの周波数特性を
打ち消すような値が選ばれる。これは、被識別媒体であ
る紙幣の印刷インクの印刷間隔が元となる。計算が面倒
であれば、実験からも容易に求めることができる。この
場合、先ず、信号を補正することなく、搬送速度をパラ
メータにして出力の値をプロットし、その出力が増大し
ていく傾きをキャンセルするように回路のコンデンサC
と抵抗Rの値を決定すればよい。実施例では抵抗Rとコ
ンデンサCの直列回路であるので解は容易に求まり、そ
れぞれ図11中に示す値で信号処理回路を構成してい
る。
【0031】なお、上述した実施の形態及び実施例で
は、検出対象体を紙幣として本発明を紙幣識別装置に適
用する場合を例として説明したが、紙幣識別装置に限る
ものではなく、搬送される検出対象体を磁気ヘッドを用
いて識別する識別装置であれば本発明を適用することが
できる。
【0032】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の紙幣識
別装置によれば、紙幣の搬送系の速度変動が起きても影
響を受けることなく信号処理ができる。また、紙幣の識
別機を開発するにおいて、搬送速度が変わればそれに応
じて比較の基準となる基準データを用意することが一般
的に行われていたが、本発明によれば、例えば紙幣の搬
送速度が1000mm/sから3000mm/s内のい
ずれに設定されたとしても、その内の1点のデータを基
に作成した基準データで広い範囲の速度設定に対応する
ことができる。これにより、製品の開発期間が短縮でき
るとともに、紙幣搬送速度に対して安定した紙幣識別装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙幣識別装置における磁気パターン検
出部の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の磁気検出手段の出力波形とパルス発生手
段の出力パルスとの対応を示す波形図である。
【図3】本発明における補正後の磁気出力の波形例を示
す図である。
【図4】図1の磁気検出手段20と信号補正手段30の
部分の信号処理回路の構成例を示すブロック図である。
【図5】図4の信号処理回路の各部波形図である。
【図6】本発明に用いる補償回路の具体例を示す回路図
である。
【図7】図6の回路の周波数特性を示す図である。
【図8】本発明に用いる補償回路を設ける前の信号処理
回路の構成例を示すブロック図である。
【図9】図8の信号処理回路に本発明に用いる補償回路
を適用した場合の第1及び第2の構成例を示すブロック
図である。
【図10】図8の信号処理回路に本発明に用いる補償回
路を適用した場合の第3及び第4の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図11】本発明に用いる信号処理回路の具体例を示す
回路図である。
【図12】従来の識別装置において一般的に用いられて
いる、紙幣の磁気パターン検出のための信号処理回路の
一例を示すブロック図である。
【図13】一般的な磁気ヘッドの磁気出力の周波数特性
を示す図である。
【図14】従来の紙幣識別装置の全体構成の一例を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
10 パルス発生手段 20 磁気検出手段 21 磁気ヘッド 30 信号補正手段 31 補償回路(デエンファシス回路) 40 サンプリング手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送される紙幣の磁性強度を検出する微
    分型磁気ヘッドを用いて前記紙幣を識別する紙幣識別装
    置において、前記紙幣の搬送距離に比例したパルスを発
    生するパルス発生手段と、デエンファシス回路を用いて
    前記磁気ヘッドからの出力信号を補正する信号補正手段
    と、前記パルス発生手段によって所定のパルスを発生す
    る毎に前記信号補正手段により補正された前記磁気ヘッ
    ドからの信号をサンプリングするサンプリング手段とを
    備えたことを特徴とする紙幣識別装置。
JP35082295A 1995-12-26 1995-12-26 紙幣識別装置 Expired - Fee Related JP3657335B2 (ja)

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