JP2000332835A - 等化増幅・識別再生回路 - Google Patents
等化増幅・識別再生回路Info
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- JP2000332835A JP2000332835A JP11136938A JP13693899A JP2000332835A JP 2000332835 A JP2000332835 A JP 2000332835A JP 11136938 A JP11136938 A JP 11136938A JP 13693899 A JP13693899 A JP 13693899A JP 2000332835 A JP2000332835 A JP 2000332835A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 しきい値電圧の最適点への調整時間を削減す
ると共に、識別再生回路の識別入力感度を向上させる。 【解決手段】 高周波信号を増幅して等化信号を出力す
る等化増幅部16と、等化増幅部16より出力された等
化信号をDフリップフロップ3により入力して信号を再
生する識別再生部18と、等化増幅部16から出力され
る等化信号をリミット整形した後、識別再生部18のD
フリップフロップの入力を差動化させる波形整形部17
と有している。波形整形部17は、等化信号入力を波形
整形するスライスアンプ2と、スライスアンプ2の正相
信号、逆相信号をDフリップフロップ3に差動入力する
と共に、正相信号、逆相信号のそれぞれのピーク値を検
出するピーク整流回路5bと、それぞれのピーク値の差
をもとにして直流的な電位のオフセットをキャンセルす
るオフセット補償回路7bとにより構成される。
ると共に、識別再生回路の識別入力感度を向上させる。 【解決手段】 高周波信号を増幅して等化信号を出力す
る等化増幅部16と、等化増幅部16より出力された等
化信号をDフリップフロップ3により入力して信号を再
生する識別再生部18と、等化増幅部16から出力され
る等化信号をリミット整形した後、識別再生部18のD
フリップフロップの入力を差動化させる波形整形部17
と有している。波形整形部17は、等化信号入力を波形
整形するスライスアンプ2と、スライスアンプ2の正相
信号、逆相信号をDフリップフロップ3に差動入力する
と共に、正相信号、逆相信号のそれぞれのピーク値を検
出するピーク整流回路5bと、それぞれのピーク値の差
をもとにして直流的な電位のオフセットをキャンセルす
るオフセット補償回路7bとにより構成される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路に
関し、特にバイポーラトランジスタを用いたIC(集積
回路)に適用して、さらにはディジタル光通信システム
用の光受信器における等化増幅・識別再生回路に関す
る。
関し、特にバイポーラトランジスタを用いたIC(集積
回路)に適用して、さらにはディジタル光通信システム
用の光受信器における等化増幅・識別再生回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、ディジタル光通信システム用の
光受信器は、図7のように構成される。すなわち、光入
力信号を電流に変換する光受光素子201と、光受光素
子201の出力電流を電圧信号に変換する前置増幅回路
202と、前置増幅回路202の出力電圧信号を一定振
幅まで増幅する等化増幅回路203と、等化増幅回路2
03の出力信号からタイミング成分を抽出してクロック
信号を発生するタイミング回路204と、等化増幅回路
203の出力信号をタイミング回路204の出力クロッ
ク信号に基づいて”1”または”0”に識別する識別再
生回路205とにより構成される。
光受信器は、図7のように構成される。すなわち、光入
力信号を電流に変換する光受光素子201と、光受光素
子201の出力電流を電圧信号に変換する前置増幅回路
202と、前置増幅回路202の出力電圧信号を一定振
幅まで増幅する等化増幅回路203と、等化増幅回路2
03の出力信号からタイミング成分を抽出してクロック
信号を発生するタイミング回路204と、等化増幅回路
203の出力信号をタイミング回路204の出力クロッ
ク信号に基づいて”1”または”0”に識別する識別再
生回路205とにより構成される。
【0003】ここで、等化増幅回路203と識別再生回
路205は、個別の集積回路での接続点における信号波
形劣化を抑圧するために同一の集積回路上で集積化され
る。この同一の集積回路上で集積化される等化増幅回路
203と識別再生回路205とによる構成を等化増幅・
識別再生回路と称する。この種の方式に関するものとし
て、例えば、畠山 真他 ”2.4Gb/s光通信用S
i−BIP LSIチップセット” 電子情報通信学会
研究会報告ICD91−90がある。
路205は、個別の集積回路での接続点における信号波
形劣化を抑圧するために同一の集積回路上で集積化され
る。この同一の集積回路上で集積化される等化増幅回路
203と識別再生回路205とによる構成を等化増幅・
識別再生回路と称する。この種の方式に関するものとし
て、例えば、畠山 真他 ”2.4Gb/s光通信用S
i−BIP LSIチップセット” 電子情報通信学会
研究会報告ICD91−90がある。
【0004】図8は、従来の等化増幅・識別再生回路の
構成図である。図8に示す等化増幅・識別再生回路に
は、信号源315、等化増幅部316、識別再生部31
8、平均値回路319を含んで構成されている。従来の
等化増幅・識別再生回路では、識別再生部318(Dフ
リップフロップ303)に対して、等化増幅部316か
らの出力をもとにして平均値回路319で生成されるし
きい値電圧が入力される。しきい値電圧は、平均値回路
319の後段において、外部端子320からの入力によ
って識別再生部318における識別の最適点に調整され
る。
構成図である。図8に示す等化増幅・識別再生回路に
は、信号源315、等化増幅部316、識別再生部31
8、平均値回路319を含んで構成されている。従来の
等化増幅・識別再生回路では、識別再生部318(Dフ
リップフロップ303)に対して、等化増幅部316か
らの出力をもとにして平均値回路319で生成されるし
きい値電圧が入力される。しきい値電圧は、平均値回路
319の後段において、外部端子320からの入力によ
って識別再生部318における識別の最適点に調整され
る。
【0005】等化増幅部316は、利得制御機能とオフ
セット補償機能を有している。図8に示すように、等化
増幅部316には、差動増幅アンプ301が設けられ
る。差動増幅アンプ301の一方の入力端は、コンデン
サC1を介して信号源315と接続される。また、差動
増幅アンプ301の一方の入力端は抵抗R4、及びボン
ディングワイヤまたはリード端子(L1)で接続された
コンデンサC2を介して終端され、他方の入力端は抵抗
R5、及びボンディングワイヤまたはリード端子(L
2)で接続されたコンデンサC3を介して終端される。
差動増幅アンプ301は、2系統で入力される信号を増
幅し、それぞれのチャンネルに接続されたピーク整流回
路305に出力する。
セット補償機能を有している。図8に示すように、等化
増幅部316には、差動増幅アンプ301が設けられ
る。差動増幅アンプ301の一方の入力端は、コンデン
サC1を介して信号源315と接続される。また、差動
増幅アンプ301の一方の入力端は抵抗R4、及びボン
ディングワイヤまたはリード端子(L1)で接続された
コンデンサC2を介して終端され、他方の入力端は抵抗
R5、及びボンディングワイヤまたはリード端子(L
2)で接続されたコンデンサC3を介して終端される。
差動増幅アンプ301は、2系統で入力される信号を増
幅し、それぞれのチャンネルに接続されたピーク整流回
路305に出力する。
【0006】ピーク整流回路305は、各高周波信号の
ピーク値を検出し、検出信号po1、po2を出力す
る。ピーク整流回路305の2つの出力端には、平均値
回路313が接続される。平均値回路313は、ピーク
整流回路305の2つの出力端を直列に接続する抵抗R
1,R2により構成され、ピーク整流回路305から出
力される検出信号po1、po2の平均値を検出して利
得制御回路306に出力する。利得制御回路306は、
平均値回路313から出力される検出信号po1、po
2の平均値と、利得制御回路306の基準電圧との差を
とり、その出力を差動増幅アンプ301の制御端子に帰
還させる。この利得制御機能により、差動増幅アンプ3
01は、入力信号の振幅値に対応して利得を変化させ、
差動増幅アンプ301の出力端に接続された等化増幅部
316の等化出力端子308,309に一定振幅の信号
を出力すると共に、識別再生部318(Dフリップフロ
ップ303)の入力振幅を一定に保ち符号誤り率の劣化
を防いでいる。
ピーク値を検出し、検出信号po1、po2を出力す
る。ピーク整流回路305の2つの出力端には、平均値
回路313が接続される。平均値回路313は、ピーク
整流回路305の2つの出力端を直列に接続する抵抗R
1,R2により構成され、ピーク整流回路305から出
力される検出信号po1、po2の平均値を検出して利
得制御回路306に出力する。利得制御回路306は、
平均値回路313から出力される検出信号po1、po
2の平均値と、利得制御回路306の基準電圧との差を
とり、その出力を差動増幅アンプ301の制御端子に帰
還させる。この利得制御機能により、差動増幅アンプ3
01は、入力信号の振幅値に対応して利得を変化させ、
差動増幅アンプ301の出力端に接続された等化増幅部
316の等化出力端子308,309に一定振幅の信号
を出力すると共に、識別再生部318(Dフリップフロ
ップ303)の入力振幅を一定に保ち符号誤り率の劣化
を防いでいる。
【0007】また、ピーク整流回路305の2つの出力
端には、オフセット補償回路307が接続される。オフ
セット補償回路307は、ピーク整流回路305から出
力される検出信号po1、po2の差を検出し、その出
力の一方を抵抗R3,R4を介し、他方を抵抗R5を介
して、それぞれ差動増幅アンプ301の入力端に帰還さ
せる。差動増幅アンプ301の入力端に帰還されたオフ
セット補償回路307の出力は、オフセット補償に用い
られる。
端には、オフセット補償回路307が接続される。オフ
セット補償回路307は、ピーク整流回路305から出
力される検出信号po1、po2の差を検出し、その出
力の一方を抵抗R3,R4を介し、他方を抵抗R5を介
して、それぞれ差動増幅アンプ301の入力端に帰還さ
せる。差動増幅アンプ301の入力端に帰還されたオフ
セット補償回路307の出力は、オフセット補償に用い
られる。
【0008】平均値回路319は、差動増幅アンプ30
1の正相出力、及び正相出力と逆相出力とを抵抗R6,
R7で接続する構成であり、識別再生部318に供給さ
れるしきい値電圧を生成する。
1の正相出力、及び正相出力と逆相出力とを抵抗R6,
R7で接続する構成であり、識別再生部318に供給さ
れるしきい値電圧を生成する。
【0009】識別再生部318は、Dフリップフロップ
303と出力アンプ304で構成される。Dフリップフ
ロップ303は、平均値回路319から供給されるしき
い値電圧を入力し、外部端子312から入力されるクロ
ック信号に基づいて”1”または”0”の信号を出力す
る。出力アンプ304は、Dフリップフロップ303か
らの出力を増幅して、出力データ(再生信号)としてデ
ータ信号出力端子310,311から出力する。
303と出力アンプ304で構成される。Dフリップフ
ロップ303は、平均値回路319から供給されるしき
い値電圧を入力し、外部端子312から入力されるクロ
ック信号に基づいて”1”または”0”の信号を出力す
る。出力アンプ304は、Dフリップフロップ303か
らの出力を増幅して、出力データ(再生信号)としてデ
ータ信号出力端子310,311から出力する。
【0010】図6は、等化増幅部316のピーク整流回
路305における検出信号po1、po2の関係を示し
た図である。差動増幅アンプ301にオフセットがない
場合、両検出信号po1、po2は位相は異なるがその
値は同じになる。しかし、差動増幅アンプ301にオフ
セットがある場合、検出した検出信号po1、po2の
値が変化する。その結果、図6に破線で示すように、検
出信号po1、po2は実際の信号ピーク値とは異なっ
たものとなる。そのため、オフセット補償回路307で
検出信号po1、po2の差分を検出し、差動増幅アン
プ301の入力段に帰還してオフセット補償を行ってい
る。このオフセット補償機能により、識別再生部318
のDフリップフロップ303の入力信号は、差動増幅ア
ンプ301の正相出力、逆相出力の平均から生成してい
るしきい値電圧に対して常に中心に設定され、識別の最
適点となる。
路305における検出信号po1、po2の関係を示し
た図である。差動増幅アンプ301にオフセットがない
場合、両検出信号po1、po2は位相は異なるがその
値は同じになる。しかし、差動増幅アンプ301にオフ
セットがある場合、検出した検出信号po1、po2の
値が変化する。その結果、図6に破線で示すように、検
出信号po1、po2は実際の信号ピーク値とは異なっ
たものとなる。そのため、オフセット補償回路307で
検出信号po1、po2の差分を検出し、差動増幅アン
プ301の入力段に帰還してオフセット補償を行ってい
る。このオフセット補償機能により、識別再生部318
のDフリップフロップ303の入力信号は、差動増幅ア
ンプ301の正相出力、逆相出力の平均から生成してい
るしきい値電圧に対して常に中心に設定され、識別の最
適点となる。
【0011】他に識別再生回路のしきい値を最適化する
方法として、図9に示すような識別再生回路の構成があ
る。図9に示す識別再生回路は、特開昭57−1014
46号公報における図1に開示されたものであって、2
つのしきい値電圧を用いることで、符号誤りの検出時間
を短縮するようにしている。この識別再生回路におい
て、光受光部(APD)501からの入力信号は、自動
利得調整増幅器502を通して第1と第2の識別再生回
路の識別部503,504に供給される。識別部503
のしきい値はVsに設定され、識別部504のしきい値
はある低い雑音レベルで誤りパルスが所定値となるよう
に実験的に求めた値Vmに設定される。識別部503,
504の出力はそれぞれのしきい値Vs、Vmに応じて
再生部のDフリップフロップD−F/F1、D−F/F
2を介して排他的論理回路505で比較される。比較信
号はパルス幅拡張回路506と低域濾波器507を介し
て差動増幅器508に入力される。これにより、識別部
504の入力となるしきい値Vは雑音の大きさに逆比例
し、これを端子512に信号対雑音比検出信号を取り出
す。この検出信号により、符号誤りを検出すると共にし
きい値Vsを最適点に調整を行う。
方法として、図9に示すような識別再生回路の構成があ
る。図9に示す識別再生回路は、特開昭57−1014
46号公報における図1に開示されたものであって、2
つのしきい値電圧を用いることで、符号誤りの検出時間
を短縮するようにしている。この識別再生回路におい
て、光受光部(APD)501からの入力信号は、自動
利得調整増幅器502を通して第1と第2の識別再生回
路の識別部503,504に供給される。識別部503
のしきい値はVsに設定され、識別部504のしきい値
はある低い雑音レベルで誤りパルスが所定値となるよう
に実験的に求めた値Vmに設定される。識別部503,
504の出力はそれぞれのしきい値Vs、Vmに応じて
再生部のDフリップフロップD−F/F1、D−F/F
2を介して排他的論理回路505で比較される。比較信
号はパルス幅拡張回路506と低域濾波器507を介し
て差動増幅器508に入力される。これにより、識別部
504の入力となるしきい値Vは雑音の大きさに逆比例
し、これを端子512に信号対雑音比検出信号を取り出
す。この検出信号により、符号誤りを検出すると共にし
きい値Vsを最適点に調整を行う。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような等化増幅・
識別再生回路を含む光受信器では、再生受信信号の符号
誤り率の劣化を低減することが要点となる。
識別再生回路を含む光受信器では、再生受信信号の符号
誤り率の劣化を低減することが要点となる。
【0013】図8に示す従来の等化増幅・識別再生回路
では、しきい値を等化増幅部316の出力の正相信号、
及び逆相信号の平均値により生成している。この場合、
光入力信号における雑音劣化、あるいは干渉劣化などの
要因でしきい値の最適値は変動する。このため、固定設
定値であるしきい値が最適値からずれた場合、識別再生
部318における再生信号の符号誤り率は増大する。ま
た、電源電圧、環境温度等の変動によるしきい値電圧に
ずれが生じ、そのずれを補償する外付け回路が必要とな
り、その調整には膨大な時間が掛かるという問題があ
る。
では、しきい値を等化増幅部316の出力の正相信号、
及び逆相信号の平均値により生成している。この場合、
光入力信号における雑音劣化、あるいは干渉劣化などの
要因でしきい値の最適値は変動する。このため、固定設
定値であるしきい値が最適値からずれた場合、識別再生
部318における再生信号の符号誤り率は増大する。ま
た、電源電圧、環境温度等の変動によるしきい値電圧に
ずれが生じ、そのずれを補償する外付け回路が必要とな
り、その調整には膨大な時間が掛かるという問題があ
る。
【0014】また、従来の等化増幅・識別再生回路の差
動増幅アンプ301では、オフセット補償や利得制御を
行う帰還回路が差動増幅アンプ301の入力段に直接接
続されているため、差動増幅アンプ301の周波数特性
が、帰還回路に外部接続される回路素子等の影響を受け
ることになる。
動増幅アンプ301では、オフセット補償や利得制御を
行う帰還回路が差動増幅アンプ301の入力段に直接接
続されているため、差動増幅アンプ301の周波数特性
が、帰還回路に外部接続される回路素子等の影響を受け
ることになる。
【0015】以上のことについて、図8を参照しながら
具体的に説明する。図8に示すように、差動増幅アンプ
301の入力段は、抵抗R3、R4、R5、及び、ボン
ディングワイヤまたはリード端子で接続されたコンデン
サC2、C3を介して終端されている。抵抗R4の値
は、信号源315の内部抵抗R6の値と等しくすること
で、差動増幅アンプ301の入力段で反射が起きないよ
うにマッチングをとっている。例えば、信号源315の
内部抵抗R6が50Ωの場合は、抵抗R4は50Ωとな
る。
具体的に説明する。図8に示すように、差動増幅アンプ
301の入力段は、抵抗R3、R4、R5、及び、ボン
ディングワイヤまたはリード端子で接続されたコンデン
サC2、C3を介して終端されている。抵抗R4の値
は、信号源315の内部抵抗R6の値と等しくすること
で、差動増幅アンプ301の入力段で反射が起きないよ
うにマッチングをとっている。例えば、信号源315の
内部抵抗R6が50Ωの場合は、抵抗R4は50Ωとな
る。
【0016】コンデンサC2、C3は、回路時定数の調
整用のものであるが、入力信号が高周波になるにつれて
インピーダンスが低くなる。そのため、コンデンサC
2、C3を接続するためのボンディングワイヤ等に寄生
するインピーダンスが、入力信号の高周波域では、寄生
インダクタンスL1、L2として影響し、差動増幅アン
プ301に寄生する微少な入力容量とで共振回路が形成
されてしまう。つまり、等化増幅部316では、高周波
域で入力段に共振回路が付加された状態となり、図2の
周波数特性図中の(1)に示すように高周波域において
持ち上がりが生じていた。
整用のものであるが、入力信号が高周波になるにつれて
インピーダンスが低くなる。そのため、コンデンサC
2、C3を接続するためのボンディングワイヤ等に寄生
するインピーダンスが、入力信号の高周波域では、寄生
インダクタンスL1、L2として影響し、差動増幅アン
プ301に寄生する微少な入力容量とで共振回路が形成
されてしまう。つまり、等化増幅部316では、高周波
域で入力段に共振回路が付加された状態となり、図2の
周波数特性図中の(1)に示すように高周波域において
持ち上がりが生じていた。
【0017】ここで、周波数特性の波形応答への影響を
説明する。一般に、パルスは多くの周波数成分を含んで
おり、各成分の周波数をもつ正弦波、および、余弦波の
重ね合わせで表すことができる。例えば、周期Tの繰り
返しをもつ波形g(t)は、−T/2≦t≦T/2の期
間を考えたとき、数式1及び数式2のようなフーリエ級
数に展開できる。
説明する。一般に、パルスは多くの周波数成分を含んで
おり、各成分の周波数をもつ正弦波、および、余弦波の
重ね合わせで表すことができる。例えば、周期Tの繰り
返しをもつ波形g(t)は、−T/2≦t≦T/2の期
間を考えたとき、数式1及び数式2のようなフーリエ級
数に展開できる。
【0018】
【数1】 ここで、数式1の各係数は、数式2のようになる。
【数2】
【0019】数式1及び数式2において、A0を直流成
分、A1、B1を基本波成分、An、Bn(n≧2)を
n次高調波成分という。
分、A1、B1を基本波成分、An、Bn(n≧2)を
n次高調波成分という。
【0020】ランダムな信号が入力される等化増幅部3
16では、上記した高周波域での持ち上がりにより、入
力パルス系列の各周波数成分で増幅する利得が異なり出
力振幅に差が生じる。例えば、図3(1)に示す入力信
号波の波形に対して、等化増幅部316の波形は、図3
(2)で見られるような出力振幅に差が生じたものとな
る。さらに、”1”または”0”が連続するパルス系列
では、立ち上がり部にリンギングを伴うオーバーシュー
ト、立ち下がり部ではアンダーシュートが生じる。この
リンギングはインダクタンスを含む回路の特有な現象で
ある。
16では、上記した高周波域での持ち上がりにより、入
力パルス系列の各周波数成分で増幅する利得が異なり出
力振幅に差が生じる。例えば、図3(1)に示す入力信
号波の波形に対して、等化増幅部316の波形は、図3
(2)で見られるような出力振幅に差が生じたものとな
る。さらに、”1”または”0”が連続するパルス系列
では、立ち上がり部にリンギングを伴うオーバーシュー
ト、立ち下がり部ではアンダーシュートが生じる。この
リンギングはインダクタンスを含む回路の特有な現象で
ある。
【0021】一般に、有限な周波数帯域をもつ系または
等化増幅部316での持ち上がりや凸凹などの周波数偏
差により、パルス波形はパルス幅の広がり、リンギング
等で隣接するパルス相互が重なり合い、符号間干渉が生
じる。図4(1)には入力信号、(2)には等化増幅部
316のアイパターンの波形を示している。なお、アイ
パターンは、ランダムな信号に対して、この符号間干渉
の大きさを把握するために使用されるもので、所定の信
号周期で起こりうるすべてのパルス波形を重ね合わせて
表示したものである。
等化増幅部316での持ち上がりや凸凹などの周波数偏
差により、パルス波形はパルス幅の広がり、リンギング
等で隣接するパルス相互が重なり合い、符号間干渉が生
じる。図4(1)には入力信号、(2)には等化増幅部
316のアイパターンの波形を示している。なお、アイ
パターンは、ランダムな信号に対して、この符号間干渉
の大きさを把握するために使用されるもので、所定の信
号周期で起こりうるすべてのパルス波形を重ね合わせて
表示したものである。
【0022】符号間干渉が存在しない代表的な周波数特
性R(f)に余弦ロールオフ特性があり、数式3で与え
られている。
性R(f)に余弦ロールオフ特性があり、数式3で与え
られている。
【0023】
【数3】
【0024】図10には、余弦ロールオフ特性をもつ周
波数特性、図11には余弦ロールオフ特性をもつ波形応
答の波形をそれぞれ示している。
波数特性、図11には余弦ロールオフ特性をもつ波形応
答の波形をそれぞれ示している。
【0025】等化増幅部316における周波数特性を、
上記数式3または図10に示す周波数特性となるように
実現することは、一般には困難であり誤差が生じる。そ
の結果、符号間干渉が残留してしまう。この残留する符
号間干渉や周波数特性の偏差による符号間干渉は、識別
再生部318における識別判定において等価的に信号の
ピーク値を減少させることになり誤り率を劣化させる。
上記数式3または図10に示す周波数特性となるように
実現することは、一般には困難であり誤差が生じる。そ
の結果、符号間干渉が残留してしまう。この残留する符
号間干渉や周波数特性の偏差による符号間干渉は、識別
再生部318における識別判定において等価的に信号の
ピーク値を減少させることになり誤り率を劣化させる。
【0026】さらに、識別再生回路のしきい値を最適化
する他の方法として、特開昭57−101446号公報
に記載されているように、2値のしきい値電圧による識
別で最適値を設定する技術があるが、この場合、しきい
値調整機能の他、2値の識別回路による回路規模の増大
を招いて、光受信回路の消費電力の増大、及び、実験値
Vmを求める時間を要する等の問題が生じてしまう。
する他の方法として、特開昭57−101446号公報
に記載されているように、2値のしきい値電圧による識
別で最適値を設定する技術があるが、この場合、しきい
値調整機能の他、2値の識別回路による回路規模の増大
を招いて、光受信回路の消費電力の増大、及び、実験値
Vmを求める時間を要する等の問題が生じてしまう。
【0027】そこで本発明は、しきい値電圧の最適点へ
の調整時間を削減すると共に、識別再生回路の識別入力
感度を向上できる等化増幅・識別再生回路を提供するこ
とを目的とする。
の調整時間を削減すると共に、識別再生回路の識別入力
感度を向上できる等化増幅・識別再生回路を提供するこ
とを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の観点に
かかる等化増幅・識別再生回路は、高周波信号を増幅し
て等化信号を出力する等化増幅手段と、前記等化増幅手
段より出力された等化信号をDフリップフロップにより
入力して信号を再生する識別再生手段と、前記等化増幅
手段から出力される等化信号をリミット整形した後、前
記識別再生手段のDフリップフロップの入力を差動化さ
せる波形整形手段とを具備したことを特徴とする。
かかる等化増幅・識別再生回路は、高周波信号を増幅し
て等化信号を出力する等化増幅手段と、前記等化増幅手
段より出力された等化信号をDフリップフロップにより
入力して信号を再生する識別再生手段と、前記等化増幅
手段から出力される等化信号をリミット整形した後、前
記識別再生手段のDフリップフロップの入力を差動化さ
せる波形整形手段とを具備したことを特徴とする。
【0029】また、前記波形整形手段は、等化信号入力
を波形整形して、正相信号、逆相信号を前記識別再生手
段のDフリップフロップに差動入力するスライスアンプ
と、前記スライスアンプの正相信号、逆相信号のそれぞ
れのピーク値を検出するピーク検出回路と、前記ピーク
検出回路により検出されたそれぞれのピーク値の差をも
とにして直流的な電位のオフセットをキャンセルするオ
フセット補償回路とにより構成されたことを特徴とす
る。
を波形整形して、正相信号、逆相信号を前記識別再生手
段のDフリップフロップに差動入力するスライスアンプ
と、前記スライスアンプの正相信号、逆相信号のそれぞ
れのピーク値を検出するピーク検出回路と、前記ピーク
検出回路により検出されたそれぞれのピーク値の差をも
とにして直流的な電位のオフセットをキャンセルするオ
フセット補償回路とにより構成されたことを特徴とす
る。
【0030】上述した構成によれば、等化増幅・識別回
路を半導体集積回路で実現する際、等化増幅部の出力信
号をリミット整形した後、識別再生回路のDフリップフ
ロップの入力を差動化することで、しきい値電圧の調整
回路が不要となり、しきい値電圧の最適点への調整時間
を削減するという目的が達成される。さらに、等化増幅
部、及び、波形整形部の出力オフセットを補償すること
で識別入力感度の向上が図られる。
路を半導体集積回路で実現する際、等化増幅部の出力信
号をリミット整形した後、識別再生回路のDフリップフ
ロップの入力を差動化することで、しきい値電圧の調整
回路が不要となり、しきい値電圧の最適点への調整時間
を削減するという目的が達成される。さらに、等化増幅
部、及び、波形整形部の出力オフセットを補償すること
で識別入力感度の向上が図られる。
【0031】この発明の第2の観点にかかる等化増幅・
識別再生回路は、高周波信号を差動増幅する差動増幅回
路と、前記差動増幅回路の出力信号をリミットする波形
整形回路の差動出力をDフリップフロップに縦続し、前
記波形整形回路のオフセット量を検出するオフセット補
償回路を含むオフセット補償帰還回路とを備え、前記オ
フセット補償帰還回路は、前記オフセット補償回路の出
力信号を前記オフセット量を低減させるための信号に変
換して前記波形整形回路に帰還させることを特徴とす
る。
識別再生回路は、高周波信号を差動増幅する差動増幅回
路と、前記差動増幅回路の出力信号をリミットする波形
整形回路の差動出力をDフリップフロップに縦続し、前
記波形整形回路のオフセット量を検出するオフセット補
償回路を含むオフセット補償帰還回路とを備え、前記オ
フセット補償帰還回路は、前記オフセット補償回路の出
力信号を前記オフセット量を低減させるための信号に変
換して前記波形整形回路に帰還させることを特徴とす
る。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の等化増幅
・識別再生回路の一実施形態を表す構成図である。
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の等化増幅
・識別再生回路の一実施形態を表す構成図である。
【0033】本実施形態の等化増幅・識別再生回路は、
等化増幅部16の差動出力を波形整形部17に接続し、
さらに波形整形部17の差動出力を識別再生部18に接
続した構成として示している。
等化増幅部16の差動出力を波形整形部17に接続し、
さらに波形整形部17の差動出力を識別再生部18に接
続した構成として示している。
【0034】等化増幅部16は、差動増幅アンプ1、ピ
ーク整流回路5a、ピーク整流回路5aの出力信号の平
均値回路13、利得制御回路6、オフセット補償回路7
a、帰還用抵抗R3、R5、時定数調整用外付け容量C
2、C3、入力信号源のインピーダンスマッチング用抵
抗R4で構成されている。
ーク整流回路5a、ピーク整流回路5aの出力信号の平
均値回路13、利得制御回路6、オフセット補償回路7
a、帰還用抵抗R3、R5、時定数調整用外付け容量C
2、C3、入力信号源のインピーダンスマッチング用抵
抗R4で構成されている。
【0035】等化増幅部16は、利得制御機能とオフセ
ット補償機能を有している。図1に示すように、等化増
幅部16には、差動増幅アンプ1が設けられる。差動増
幅アンプ1の一方の入力端は、コンデンサC1を介して
信号源15と接続される。また、差動増幅アンプ1の一
方の入力端は抵抗R4、及びボンディングワイヤまたは
リード端子(L1)で接続されたコンデンサC2を介し
て終端され、他方の入力端は抵抗R5、及びボンディン
グワイヤまたはリード端子(L2)で接続されたコンデ
ンサC3を介して終端される。差動増幅アンプ1は、2
系統で入力される信号を増幅し、それぞれのチャンネル
に接続されたピーク整流回路5aに出力する。
ット補償機能を有している。図1に示すように、等化増
幅部16には、差動増幅アンプ1が設けられる。差動増
幅アンプ1の一方の入力端は、コンデンサC1を介して
信号源15と接続される。また、差動増幅アンプ1の一
方の入力端は抵抗R4、及びボンディングワイヤまたは
リード端子(L1)で接続されたコンデンサC2を介し
て終端され、他方の入力端は抵抗R5、及びボンディン
グワイヤまたはリード端子(L2)で接続されたコンデ
ンサC3を介して終端される。差動増幅アンプ1は、2
系統で入力される信号を増幅し、それぞれのチャンネル
に接続されたピーク整流回路5aに出力する。
【0036】ピーク整流回路5aは、各高周波信号のピ
ーク値を検出し、検出信号po1、po2を出力する。
ピーク整流回路5aの2つの出力端には、平均値回路1
3が接続される。平均値回路13は、ピーク整流回路5
aの2つの出力端を直列に接続する抵抗R1,R2によ
り構成され、ピーク整流回路5aから出力される検出信
号po1、po2の平均値を検出して利得制御回路6に
出力する。利得制御回路6は、平均値回路13から出力
される検出信号po1、po2の平均値と、利得制御回
路6の基準電圧との差をとり、その出力を差動増幅アン
プ1の制御端子に帰還させる。この利得制御機能によ
り、差動増幅アンプ1は、入力信号の振幅値に対応して
利得を変化させ、差動増幅アンプ1の出力端に接続され
た等化増幅部16の等化信号出力端子8,9に一定振幅
の信号を出力すると共に、識別再生部18(Dフリップ
フロップ3)の入力振幅を一定に保ち符号誤り率の劣化
を防いでいる。
ーク値を検出し、検出信号po1、po2を出力する。
ピーク整流回路5aの2つの出力端には、平均値回路1
3が接続される。平均値回路13は、ピーク整流回路5
aの2つの出力端を直列に接続する抵抗R1,R2によ
り構成され、ピーク整流回路5aから出力される検出信
号po1、po2の平均値を検出して利得制御回路6に
出力する。利得制御回路6は、平均値回路13から出力
される検出信号po1、po2の平均値と、利得制御回
路6の基準電圧との差をとり、その出力を差動増幅アン
プ1の制御端子に帰還させる。この利得制御機能によ
り、差動増幅アンプ1は、入力信号の振幅値に対応して
利得を変化させ、差動増幅アンプ1の出力端に接続され
た等化増幅部16の等化信号出力端子8,9に一定振幅
の信号を出力すると共に、識別再生部18(Dフリップ
フロップ3)の入力振幅を一定に保ち符号誤り率の劣化
を防いでいる。
【0037】また、ピーク整流回路5aの2つの出力端
には、オフセット補償回路7aが接続される。オフセッ
ト補償回路7aは、ピーク整流回路5aから出力される
検出信号po1、po2の差を検出し、その出力の一方
を抵抗R3,R4を介し、他方を抵抗R5を介して、そ
れぞれ差動増幅アンプ1の入力端に帰還させる。差動増
幅アンプ1の入力端に帰還されたオフセット補償回路7
aの出力は、オフセット補償に用いられる。
には、オフセット補償回路7aが接続される。オフセッ
ト補償回路7aは、ピーク整流回路5aから出力される
検出信号po1、po2の差を検出し、その出力の一方
を抵抗R3,R4を介し、他方を抵抗R5を介して、そ
れぞれ差動増幅アンプ1の入力端に帰還させる。差動増
幅アンプ1の入力端に帰還されたオフセット補償回路7
aの出力は、オフセット補償に用いられる。
【0038】波形整形部17は、スライスアンプ2、ピ
ーク整流回路5b、オフセット補償回路7bで構成され
ている。
ーク整流回路5b、オフセット補償回路7bで構成され
ている。
【0039】スライスアンプ2は、等化増幅部16の差
動増幅アンプ1から出力される等化信号入力を波形整形
して出力するもので、高利得のアンプで構成される。ス
ライスアンプ2の正相信号、逆相信号は、識別再生部1
8のDフリップフロップ3に差動入力される。
動増幅アンプ1から出力される等化信号入力を波形整形
して出力するもので、高利得のアンプで構成される。ス
ライスアンプ2の正相信号、逆相信号は、識別再生部1
8のDフリップフロップ3に差動入力される。
【0040】ピーク整流回路5b(ピーク検出回路)
は、スライスアンプ2の正相信号、逆相信号のそれぞれ
のピーク値を検出し、その検出信号SO1,SO2をオ
フセット補償回路7bに出力する。
は、スライスアンプ2の正相信号、逆相信号のそれぞれ
のピーク値を検出し、その検出信号SO1,SO2をオ
フセット補償回路7bに出力する。
【0041】オフセット補償回路7bは、ピーク整流回
路5bからの検出信号SO1,SO2に基づいて、検出
されたそれぞれのピーク値の差をもとにして直流的な電
位のオフセットをキャンセルする。すなわち、オフセッ
ト補償回路7bの出力信号をスライスアンプ2のオフセ
ット量を低減させるための信号に変換してスライスアン
プ2に帰還させる。
路5bからの検出信号SO1,SO2に基づいて、検出
されたそれぞれのピーク値の差をもとにして直流的な電
位のオフセットをキャンセルする。すなわち、オフセッ
ト補償回路7bの出力信号をスライスアンプ2のオフセ
ット量を低減させるための信号に変換してスライスアン
プ2に帰還させる。
【0042】識別再生部18は、Dフリップフロップ3
と出力アンプ4で構成され、外部端子12からクロック
信号が入力されている。Dフリップフロップ3は、波形
整形部17によって等化増幅部16の出力信号がリミッ
ト整形された後、差動化された信号を入力し、外部端子
12から入力されるクロック信号に基づいて”1”また
は”0”の信号を出力する。出力アンプ4は、Dフリッ
プフロップ3からの出力を増幅して、出力データ(再生
信号)としてデータ信号出力端子10,11から出力す
る。
と出力アンプ4で構成され、外部端子12からクロック
信号が入力されている。Dフリップフロップ3は、波形
整形部17によって等化増幅部16の出力信号がリミッ
ト整形された後、差動化された信号を入力し、外部端子
12から入力されるクロック信号に基づいて”1”また
は”0”の信号を出力する。出力アンプ4は、Dフリッ
プフロップ3からの出力を増幅して、出力データ(再生
信号)としてデータ信号出力端子10,11から出力す
る。
【0043】次に、本実施形態における等化増幅・識別
再生回路の動作について説明する。
再生回路の動作について説明する。
【0044】まず、識別再生部318における入力波形
整形について説明する。
整形について説明する。
【0045】図2は、本実施形態による等化増幅・識別
再生回路の各部の周波数特性を比較した図である。図2
中の(1)は本実施形態による差動増幅アンプ1、つま
り等化増幅部16の周波数特性、(2)は本実施形態に
よるスライスアンプ2、つまり波形整形部17の周波数
特性を示している。図2(2)に示すように、本実施形
態の波形整形部17では、等化増幅部16で見られる高
周波域での持ち上がりを吸収している。
再生回路の各部の周波数特性を比較した図である。図2
中の(1)は本実施形態による差動増幅アンプ1、つま
り等化増幅部16の周波数特性、(2)は本実施形態に
よるスライスアンプ2、つまり波形整形部17の周波数
特性を示している。図2(2)に示すように、本実施形
態の波形整形部17では、等化増幅部16で見られる高
周波域での持ち上がりを吸収している。
【0046】また、図3には、図2に示す周波数特性に
対応する波形応答を表し、図4には、図2に示す周波数
特性に対応するアイパターンを表している。図3、4に
おける(1)は入力信号、(2)は等化増幅部16、
(3)は波形整形部17の波形を示している。
対応する波形応答を表し、図4には、図2に示す周波数
特性に対応するアイパターンを表している。図3、4に
おける(1)は入力信号、(2)は等化増幅部16、
(3)は波形整形部17の波形を示している。
【0047】等化増幅部16では、図3(2)に示すよ
うに、高周波域での持ち上がりにより、各パルス列で振
幅の差が生じ、またリンギングによるオーバーシュー
ト、アンダーシュートにより、図4(2)のアイパター
ンに示すように波形の頂部、底部、及び立ち上がり、立
ち下がりでジッタが生じている。
うに、高周波域での持ち上がりにより、各パルス列で振
幅の差が生じ、またリンギングによるオーバーシュー
ト、アンダーシュートにより、図4(2)のアイパター
ンに示すように波形の頂部、底部、及び立ち上がり、立
ち下がりでジッタが生じている。
【0048】波形整形部17では、図3,4(3)に示
すように、スライスアンプ2による波形整形により、頂
部、及び底部でのジッタを抑圧し、かつ、立ち上がり時
間、立ち下がり時間を小さくしてアイパターンでのアイ
開口を広げている。
すように、スライスアンプ2による波形整形により、頂
部、及び底部でのジッタを抑圧し、かつ、立ち上がり時
間、立ち下がり時間を小さくしてアイパターンでのアイ
開口を広げている。
【0049】次に、波形整形部17を設けることにより
実現される識別入力感度向上について説明する。
実現される識別入力感度向上について説明する。
【0050】図5は、本実施形態における識別再生部1
8の入力波形(図5(1)(2))と、従来の等化増幅
・識別再生回路における識別再生部318(図8)の入
力波形(図5(3))とを比較した図である。
8の入力波形(図5(1)(2))と、従来の等化増幅
・識別再生回路における識別再生部318(図8)の入
力波形(図5(3))とを比較した図である。
【0051】従来の識別再生部318では、入力信号に
対してしきい値電圧VTHで識別しているため、入力信
号”1”、”0”に対する識別幅はしきい値電圧VTH
からの幅であるΔVである。
対してしきい値電圧VTHで識別しているため、入力信
号”1”、”0”に対する識別幅はしきい値電圧VTH
からの幅であるΔVである。
【0052】これに対し、本実施形態の識別再生部18
では、入力の正相信号(例えば図5(1)に示すDAT
A)に対して逆相信号(例えば図5(2)に示すDAT
AB)で識別しているため、正相入力信号”1”、”
0”に対する識別幅は2ΔVとなり、従来の識別幅の2
倍となる。従って、識別の誤りが発生しにくくなり識別
入力感度向上が図られる。
では、入力の正相信号(例えば図5(1)に示すDAT
A)に対して逆相信号(例えば図5(2)に示すDAT
AB)で識別しているため、正相入力信号”1”、”
0”に対する識別幅は2ΔVとなり、従来の識別幅の2
倍となる。従って、識別の誤りが発生しにくくなり識別
入力感度向上が図られる。
【0053】次に、波形整形部17を設けることによ
り、しきい値電圧調整を不要にすることについて説明す
る。
り、しきい値電圧調整を不要にすることについて説明す
る。
【0054】本実施形態における波形整形部17では、
スライスアンプ2の出力とDフリップフロップ3の入力
を差動で接続することで、しきい電圧調整回路を不要に
している。しかし、スライスアンプ2は、高利得のアン
プで構成するため、入力に微小なオフセットがある場
合、出力には利得倍のオフセットが生じ、識別幅の低下
が生じる。
スライスアンプ2の出力とDフリップフロップ3の入力
を差動で接続することで、しきい電圧調整回路を不要に
している。しかし、スライスアンプ2は、高利得のアン
プで構成するため、入力に微小なオフセットがある場
合、出力には利得倍のオフセットが生じ、識別幅の低下
が生じる。
【0055】そこで、本実施形態では、等化増幅部16
のピーク整流回路5aとオフセット補償回路7aで等化
出力のオフセットを補償している。同様に、波形整形部
17のピーク整流回路5bとオフセット補償回路7bで
リミット整形出力のオフセットを補償する。
のピーク整流回路5aとオフセット補償回路7aで等化
出力のオフセットを補償している。同様に、波形整形部
17のピーク整流回路5bとオフセット補償回路7bで
リミット整形出力のオフセットを補償する。
【0056】等化増幅部16のピーク整流回路5aは、
差動増幅アンプ1の差動出力のそれぞれのチャンネルに
接続され、各々の信号のピーク値を検出する。図6のよ
うに差動増幅アンプ1の出力にオフセットがある場合、
ピーク整流回路5aによる検出信号PO1、PO2に電
位差が生じ、オフセット補償回路7aの出力値が、各検
出信号PO1、PO2が等しくなる方向に帰還がかか
る。同様に、波形整形部17のピーク整流回路5bによ
る検出信号SO1、SO2もオフセット補償回路7bに
よりオフセット補償を行い、各検出信号SO1、SO2
が等しくなる方向に帰還がかかる。このようにして、波
形整形部17を設けることで、しきい値電圧調整を不要
にして、しきい値電圧の調整時間を削除することができ
る。
差動増幅アンプ1の差動出力のそれぞれのチャンネルに
接続され、各々の信号のピーク値を検出する。図6のよ
うに差動増幅アンプ1の出力にオフセットがある場合、
ピーク整流回路5aによる検出信号PO1、PO2に電
位差が生じ、オフセット補償回路7aの出力値が、各検
出信号PO1、PO2が等しくなる方向に帰還がかか
る。同様に、波形整形部17のピーク整流回路5bによ
る検出信号SO1、SO2もオフセット補償回路7bに
よりオフセット補償を行い、各検出信号SO1、SO2
が等しくなる方向に帰還がかかる。このようにして、波
形整形部17を設けることで、しきい値電圧調整を不要
にして、しきい値電圧の調整時間を削除することができ
る。
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、識別再生回路のしきい値電圧の外部調整が不要
になり、しきい値電圧の調整時間が削減される。また、
半導体集積回路の簡単な回路構成で等化波形、及びリミ
ット整形波形のオフセットが無くなり、識別再生回路の
識別入力感度を向上できるという特有の効果がある。
よれば、識別再生回路のしきい値電圧の外部調整が不要
になり、しきい値電圧の調整時間が削減される。また、
半導体集積回路の簡単な回路構成で等化波形、及びリミ
ット整形波形のオフセットが無くなり、識別再生回路の
識別入力感度を向上できるという特有の効果がある。
【図1】本発明の一実施形態による等化増幅・識別再生
回路のブロック図である。
回路のブロック図である。
【図2】本実施形態の各部の周波数特性を比較した図で
ある。
ある。
【図3】本実施形態の各部の時間による波形応答を比較
した図である。
した図である。
【図4】本実施形態の各部のアイパターンによる波形応
答を比較した図である。
答を比較した図である。
【図5】本実施形態の識別再生部の入力波形を従来との
比較で示した図である。
比較で示した図である。
【図6】ピーク整流回路の検出信号po1、po2を表
した図である。
した図である。
【図7】光受信回路を示すブロック図である。
【図8】従来の等化増幅・識別再生回路のブロック図で
ある。
ある。
【図9】従来の2値のしきい値電圧による信号対雑音比
検出回路の一例を示したブロック図である。
検出回路の一例を示したブロック図である。
【図10】余弦ロールオフ特性をもつ周波数特性を表し
た図である。
た図である。
【図11】余弦ロールオフ特性をもつ波形応答を表した
図である。
図である。
1 差動増幅アンプ 2 スライスアンプ 3 Dフリップフロップ 4 出力アンプ 5a,5b ピーク整流回路 6 利得制御回路 7a,7b オフセット補償回路 8,9 等化信号出力端子 10,11 データ信号出力端子 12 クロック信号入力端子 13 平均値回路 15 高周波信号の信号源 16 等化増幅部 17 波形整形部 18 識別再生部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/06
Claims (3)
- 【請求項1】高周波信号を増幅して等化信号を出力する
等化増幅手段と、 前記等化増幅手段より出力された等化信号をDフリップ
フロップにより入力して信号を再生する識別再生手段
と、 前記等化増幅手段から出力される等化信号をリミット整
形した後、前記識別再生手段のDフリップフロップの入
力を差動化させる波形整形手段とを具備したことを特徴
とする等化増幅・識別再生回路。 - 【請求項2】前記波形整形手段は、 等化信号入力を波形整形して、正相信号、逆相信号を前
記識別再生手段のDフリップフロップに差動入力するス
ライスアンプと、 前記スライスアンプの正相信号、逆相信号のそれぞれの
ピーク値を検出するピーク検出回路と、 前記ピーク検出回路により検出されたそれぞれのピーク
値の差をもとにして直流的な電位のオフセットをキャン
セルするオフセット補償回路とにより構成されたことを
特徴とする請求項1に記載の等化増幅・識別再生回路。 - 【請求項3】高周波信号を差動増幅する差動増幅回路
と、 前記差動増幅回路の出力信号をリミットする波形整形回
路の差動出力をDフリップフロップに縦続し、前記波形
整形回路のオフセット量を検出するオフセット補償回路
を含むオフセット補償帰還回路とを備え、 前記オフセット補償帰還回路は、前記オフセット補償回
路の出力信号を前記オフセット量を低減させるための信
号に変換して前記波形整形回路に帰還させることを特徴
とする等化増幅・識別再生回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11136938A JP2000332835A (ja) | 1999-05-18 | 1999-05-18 | 等化増幅・識別再生回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11136938A JP2000332835A (ja) | 1999-05-18 | 1999-05-18 | 等化増幅・識別再生回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000332835A true JP2000332835A (ja) | 2000-11-30 |
Family
ID=15187060
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11136938A Pending JP2000332835A (ja) | 1999-05-18 | 1999-05-18 | 等化増幅・識別再生回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000332835A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100620865B1 (ko) | 2005-07-05 | 2006-09-07 | 연세대학교 산학협력단 | 순방향 신호 크기 제어방식과 디지털 제어 방식을 사용하는고속 등화기 시스템과 등화 방법 |
CN1306700C (zh) * | 2001-02-01 | 2007-03-21 | 富士通株式会社 | 脉冲整形电路、脉冲发生电路、光电脉冲转换电路 |
JP2007508754A (ja) * | 2003-10-17 | 2007-04-05 | ツエントルム・ミクロエレクトロニク・ドレスデン・アクチエンゲゼルシャフト | 光学的受信パルス列を電気的出力パルス列に変換する方法および装置 |
JP2011229001A (ja) * | 2010-04-21 | 2011-11-10 | Fujitsu Ltd | 受信装置 |
-
1999
- 1999-05-18 JP JP11136938A patent/JP2000332835A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN1306700C (zh) * | 2001-02-01 | 2007-03-21 | 富士通株式会社 | 脉冲整形电路、脉冲发生电路、光电脉冲转换电路 |
JP2007508754A (ja) * | 2003-10-17 | 2007-04-05 | ツエントルム・ミクロエレクトロニク・ドレスデン・アクチエンゲゼルシャフト | 光学的受信パルス列を電気的出力パルス列に変換する方法および装置 |
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